説明

ウエストバッグ

【課題】収納部の容量を適宜変化させることができ、また、通常はベルトとしての扁平状態を維持することができ、その状態から収納物の大きさにフィットした容量に簡単に変化させることができ、その操作も簡便であり、また、腰等に簡単に着脱でき、従前通り手をフリーにしての物の運搬が可能なウエストバッグを提案する。
【解決手段】両端を係脱可能な係合手段で係合することで人の胴部50への巻き回し固定が可能な可撓性をなす管状のウエストバッグ本体Aを備え、ウエストバッグ本体の前面中央部に開閉可能に閉塞された出し入れ口10が設けられ、出し入れ口の内部を収納部12として構成し、出し入れ口の端部とウエストバッグ本体Aの端部との間にそれぞれ移動可能に装着するとともに、それぞれ収納部12の一端部を画成する一対の端部調整具Cを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウエストバッグに関し、詳しくは、収納容量を簡単に変化させることができるウエストバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
ウエストバッグとして、ウエストベルトに移動可能にバッグを装着したもの(例えば、特許文献1参照)、或いは、バッグにベルトを一体に装着したもの(例えば、特許文献2参照)等が種々提案されている。
【0003】
前者はウエストベルトにスライド基体を移動自在に取付け、該スライド基体を介してバッグをベルトに対してスライド可能に装着している。バッグは中空の箱型に形成され、上面から両側面上部に亘り、係合チャックで開閉可能に閉塞された出し入れ口を備えている。
【0004】
後者は、物品を収納する収納部と、この収納部を支持して腰回りに装着するためのベルト部とを有しており、収納部を画成するバッグは中空の半円筒状に形成され前面上部に係合チャックで開閉可能に閉塞された出し入れ口を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−254539号公報
【特許文献1】特開2005−280884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のウエストバッグは収納部の容量が一定であり、特定の収納物しか収納できないという問題があった。また、一般に収納部を構成するバッグは保形性を備えた形態のものであり、ベルトと比較して上下方向、前方に大きく突出している場合が一般的である。本発明は、この様な従来のウエストバッグと比較して収納部の容量を適宜変化させることができ、また、通常はベルトとしての扁平状態を維持することができ、その状態から収納物の大きさによりフィットした容量に簡単に変化させることができ、その操作も簡便であり、また、腰等に簡単に着脱でき、従前通り手をフリーにしての物の運搬が可能なウエストバッグを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のウエストバッグは、ウエストバッグ本体と、端部調整具とを備えている。ウエストバッグ本体は、可撓性を備えたもので形成され、特に、伸縮性を兼ね備えたものが好ましく、合成樹脂,不織布,織布,革等の材質で形成される。
【0008】
また、ウエストバッグ本体は両端を係合手段で係合することで環状に形成が可能であり、その状態で人の胴部に装着して使用することができる。係合手段としては、後述する係止体と係合体からなるバックルが好ましく使用できるが、これに限らず、端部相互が係脱可能に係合することができるものであれば使用可能である。
【0009】
また、ウエストバッグ本体は、その前面中央部に開閉可能に閉塞された出し入れ口が設けられている。出し入れ口の大きさ、形状等は種々選択でき、収納物に対応させて選択すると良い。一般的には横長のスリット状開口が採用される。出し入れ口の開閉可能な閉塞手段としては、係止チャックが好ましく使用されるが、これに限らずその他の閉塞手段を採用することも可能である。例えば、出し入れ口を覆う蓋板を出し入れ口前面に垂設し、蓋板裏面と対向するウエストバッグ本体表面とに、特殊形態の凹凸面と離脱可能に係合する特殊形態の凹凸面を備えたものであっても良い。
【0010】
また、ウエストバッグ本体は管状をなしており、出し入れ口の内部を収納部として構成している。但し、ウエストバッグ本体は可撓性材質、或いは伸縮可能な可撓性材質で形成されているため、人の胴部等に装着した場合には扁平状態となり、管の形状は不定形である。また、管の径は特に限定されず、対象とする収納物にあわせて適宜選択すればよい。また、ウエストバッグ本体の径方向の大きさは端部から端部まで均一であっても、部分的に径の大小を設けても良い。例えば、1個所或いは複数個所の径の大きい部分を形成することで、特にその部分に目的とする大きな収納物を収納することができる如く構成しても良い。
【0011】
本発明では収納部の大きさは可変であり、端部調整具によりその大きさを調整することができる。端部調整具は合成樹脂、金属、木等により形成することができ、出し入れ口の一端部とウエストバッグ本体の一端部との間、及び出し入れ口の他端部とウエストバッグ本体の他端部との間を移動可能に装着してそれぞれ収納部の一端部を画成する。従って、ウエストバッグ本体の一部を縦断して遮断し、その状態を安定的に維持でき、しかも比較的容易にウエストバッグ本体に対するスライド移動が可能な形態のものが採用できる。好ましい例としは、後述の例に示す如き一対の挿通孔を並設した板状のものが使用でき、或いは中心部にスリット状の挿通孔を縦設し、ウエストバッグ本体の一部を挿通孔に挿通挟持してスライド可能に装着したもの等が使用できる。
【0012】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、両端を係脱可能な係合手段で係合することで人の胴部50への巻き回し固定が可能な可撓性をなす管状のウエストバッグ本体Aを備え、ウエストバッグ本体Aの前面中央部に開閉可能に閉塞された出し入れ口10が設けられ、出し入れ口10の内部を収納部12として構成し、出し入れ口10の端部とウエストバッグ本体Aの端部との間にそれぞれ移動可能に装着するとともに、それぞれ収納部12の一端部を画成する一対の端部調整具Cを設けた。
【0013】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、ウエストバッグ本体Aが伸縮可能な材質で形成されている。
【0014】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第2の手段に於いて、端部調整具Cが、一対の縦長な挿通孔40を並設した板状をなし、ウエストバッグ本体Aを各挿通孔40にジグザグに挿通させてそれぞれ収納部12の一端部を画成した。
【0015】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかの手段に於いて、ウエストバッグ本体Aに少なくとも一つの径を拡大する拡大部14を設けてなる。
【0016】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかの手段に於いて、ウエストバッグ本体Aの径が携帯電話60の収納が可能な大きさに形成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明のウエストバッグは、収納部12の容量を収納物の大きさ、量に合わせて変化させることができる便利がある。その際、必要に応じて端部調整具Cをウエストバッグ本体Aに対して移動させるだけで、収納部12の大きさを簡単に変化させることができる。また、ウエストバッグ本体Aは可撓性を備えているため、収納物を収納していない状態ではウエストバッグ1を扁平なベルト状にして人の胴部50に巻き回し固定することができて邪魔にならず、また、収納物を収納部12に収納しての人の胴部50ヘの装着の場合も可撓性のウエストバッグ本体Aは収納物周囲にできるだけ最小の膨張で囲繞して邪魔にならず、取り扱いが便利である。
【0018】
ウエストバッグ本体Aが伸縮可能な材質で形成されている場合には、収納する収納物の形状に対応した伸び縮みが可能であり、また、その大きさへの対応もより許容範囲の広いものとなり、収納できる収納物の大きさ、形状に多様性が生じる。
【0019】
端部調整具Cが、一対の縦長な挿通孔40を並設した板状をなし、ウエストバッグ本体Aを各挿通孔40にジグザグに挿通させてそれぞれ収納部12の一端部を画成した場合には、その構造が極めてシンプルであるためウエストバッグ本体Aへの取り付けが極めて容易であり、また、収納部12の大きさを変化させるための移動も容易に行える利点がある。
【0020】
ウエストバッグ本体Aに少なくとも一つの径を拡大する拡大部14を設けてなる場合には、ウエストバッグ本体Aの径に対応できる収納物の大きさを更に拡大できる利点があり、拡大部14以外の収納部12には小さい収納物を収納すれば、収納部12内での収納物の無駄な移動を防止でき、大小の収納物をウエストバッグ本体Aの壁部にフィットさせて収納することができる。
【0021】
ウエストバッグ本体Aの径が携帯電話60の収納が可能な大きさに形成されている場合には、形態電話60の収納移動に便利であり、またそれに付随する物を同時収納しておくことができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ウエストバッグの斜視図である。(実施例1)
【図2】ウエストバッグの作用を説明する説明図である。(実施例1)
【図3】ウエストバッグの拡大部を示す要部背面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1及び図2はウエストバッグの一例を示し、ウエスとバッグ1は、ウエストバッグ本体Aと、バックルBと、端部調整具Cとを備えている。
【0025】
ウエストバッグ本体Aは合成樹脂製で、可撓性を備え、また、伸縮が可能な材質で形成されている。また、両端を係脱可能な係合手段で係合することで環状に形成が可能であり、管状に形成されている。
【0026】
また、ウエストバッグ本体Aの前面中央部には開閉可能に閉塞された出し入れ口10が設けられている。出し入れ口10は、ウエストバッグ本体Aの前面中央部に横設したスリット状の開口で、係合チャック11により開閉可能に閉塞されている。そして、出し入れ口10の内部を収納部12として構成している。
【0027】
バックルBはウエストバッグ本体A端部相互の係脱可能な係合手段を構成するもので、係止体B1と、係合体B2とを備えている。係止体B1は合成樹脂により形成された扁平板状をなし、基端部にウエストバッグ本体Aの一端部を連結固定する縦長の固定窓20を穿設し、固定窓20にはウエストバッグ本体Aの端部を挿入折り返して逢着固定している。また、先端より基端に向かって嵌合孔21を穿設し、上下に設けた切欠きにより嵌合孔21を上下に露出させ、上下に露出した嵌合孔21に連続させて上下一対の係止用段部22を設けている。
【0028】
係合体B2も合成樹脂製で、係止体B1の嵌合孔21に嵌合して係止される一対の爪30を基端の板状基部31より突設している。各爪30の先端部には各係止用段部22とそれぞれ係合する係合突部32を突設している。そして、各爪30を嵌合孔21に挿入して各係止用段部22に各係合突部32を係合させることで両者を係合一体化する如く構成している。取り外しの際には上下の切欠きに臨む爪30を上下より押すことで各係止用段部22と係合突部32との係合を解除し各爪30を抜き出すことができる。
【0029】
また、係合体B2の板状基部31にはウエストバッグ本体Aの端部を固定するための一対の縦長な挿通孔33を並設している。ウエストバッグ本体Aを密接する状態で一方の挿通孔33裏面より挿通するとともに、他方の挿通孔33表面から密接する状態で挿通して係合体B2をウエストバッグ本体Aに装着している。従って、ウエストバッグ本体Aの端部間の長さをこの部分で調整が可能に構成している。
【0030】
端部調整具Cは収納部12の両端を画成するもので、一方の端部調整具Cは、出し入れ口10の一端部とウエストバッグ本体Aの一端部との間に移動可能に装着されており、他方の端部調整具Cは出し入れ口10の他端部とウエストバッグ本体Aの他端部との間を移動可能に装着されている。各端部調整具Cは合成樹脂により形成されており、ウエストバッグ本体Aを縦断して閉塞することで収納部12の端部を画成するものであり、本例に於ける端部調整具Cは一対の縦長な挿通孔40を並設した板状をなしている。ウエストバッグ本体Aを密接する状態で一方の挿通孔40裏面より挿通するとともに、他方の挿通孔40表面から密接する状態でジグザグに挿通して装着している。
【0031】
上記の如く構成したウエストバッグ1を使用する場合について一例を説明する。図2(a)の如くウエストバッグ本体Aを人の胴部50に巻き回し、係合体B2を係止体B1に嵌着することで人の胴部50に装着する。この際、出し入れ口10が人の胴部50の前部に位置する如く装着すると良い。次いで、図2(b)に示す如く、係合チャック11をあけて携帯電話60を収納部12内に挿入し、次いで、再び係合チャック11を閉めて、図2(c)に示す如く、ウエストバッグ1による携帯電話60の持ち運びが可能となる。この際、ウエストバッグ本体Aの径が携帯電話60の周囲より小さく形成されているが、ウエストバッグ本体Aは延びてシッカリと携帯電話60周囲にフィットする。
【0032】
収納部12の大きさを変化させたい場合には、例えば端部調整具Cの各挿通孔40内のウエストバッグ本体Aを所定方向に押し込んで弛めることで、所定の方向に端部調整具Cを移動させることで大きさを変化させることができる。
【0033】
図4は他の例を示し、ウエストバッグ本体Aの裏面に伸縮性のある可撓性壁部13を継ぎ足すことで拡大部14を形成している。尚、図4では説明の便宜上可撓性壁部13の一部を切り欠いた状態を示しているが、実際には切欠き部分はない。拡大部14は一箇所に限らず、複数個所設けても良い。この様な拡大部14の存在があっても、収納物がない場合には扁平な状態で人の胴部50に巻き回すことが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…ウエストバッグ
A…ウエストバッグ本体
10…出し入れ口、11…係合チャック、12…収納部、13…可撓性壁部、14…拡大部
B…バックル
B1…係止体
20…固定窓、21…嵌合孔、22…係止用段部
B2…係合体
30…爪、31…板状基部、32…係合突部、33…挿通孔
C…端部調整具
40…挿通孔
50…人の胴部
60…携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端を係脱可能な係合手段で係合することで人の胴部(50)への巻き回し固定が可能な可撓性をなす管状のウエストバッグ本体(A)を備え、ウエストバッグ本体(A)の前面中央部に開閉可能に閉塞された出し入れ口(10)が設けられ、出し入れ口(10)の内部を収納部(12)として構成し、出し入れ口(10)の端部とウエストバッグ本体(A)の端部との間にそれぞれ移動可能に装着するとともに、それぞれ収納部(12)の一端部を画成する一対の端部調整具(C)を設けたことを特徴とするすウエストバッグ。
【請求項2】
ウエストバッグ本体(A)が伸縮可能な材質で形成されている請求項1記載のウエストバッグ。
【請求項3】
端部調整具(C)が、一対の縦長な挿通孔(40)を並設した板状をなし、ウエストバッグ本体(A)を各挿通孔(40)にジグザグに挿通させてそれぞれ収納部(12)の一端部を画成した請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のウエストバッグ。
【請求項4】
ウエストバッグ本体(A)に少なくとも一つの径を拡大する拡大部(14)を設けてなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のウエストバッグ。
【請求項5】
ウエストバッグ本体(A)の径が携帯電話(60)の収納が可能な大きさに形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のウエストバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−101902(P2012−101902A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252016(P2010−252016)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(506150630)
【Fターム(参考)】