説明

ウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置とログ製造方法

【課題】単一システムにおいて多くの機能動作を備えることが出来るログマルチ処理装置を提供すること。
【解決手段】ログマルチ処理装置は、ウエブ材料を巻取り芯の回りに巻き取ってログを形成する。ログが完成されるところで、ウエブ材料が切断されてログの後端を形成し、少なくとも一つの接着剤層を含むパターンがこのログの後端に付着される。次に、ログが減速され、後端がログに押し付けられてウエブ材料の最終的にシールされたログを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してウエブ材料のログ又はロールの製造に関し、特に、シールされた後端を有するウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、ロール状のトイレットペーパ、キッチンタオル或いは同様の製品の製造では、大径のログからウエブ材料を巻き戻すステップと、同じ長さであるが消費者の使用に適する小径のログにそれを再び巻き取るステップと、を含む多くの処理ステップが必要である。この巻き戻しと再巻取りは、一般的には再巻取りマシンで行われる。
【0003】
再巻取りプロセスが高度に自動化され且つ高い再巻取り速度で行われなければならないことが一般的に公知である。このことに関して、多くの技術的特徴が、現在開発されており、種々の度合で成功している処理マシンで実施されている。
【0004】
PCT出願公開WO2004/046006号は、巻き取られたログの後端をシールするために接着(のり付け)デバイスを含むログ処理装置の構成を記述している。この接着デバイスは、巻取りローラに沿って送られているウエブ材料に接触して接着剤層を塗布するように動作上回転する回転アームから構成されている。ウエブ材料に接着剤層を塗布すると共に、回転アームは、ウエブ材料を押えてそれをミシン目線に沿って切断してログの後端を形成する。
【0005】
米国特許第6,000,657号は、ログ制御システムを備えるログ処理マシンの他の構造を記述している。このログ制御システムは、少なくとも二つの制御フィンガーを含み、これらの制御フィンガーは、巻取り芯をログ巻取りユニットに搬送し、ウエブ材料を切断してログの後端を画定し、自由に転がる巻き取られたログを押して減速フードに向けて降ろすように動作上スライドする。
【0006】
米国特許第6,056,229号において、ログ処理マシンは、ログ巻取りユニットの巻取りローラに続いて設置された固定プレートを含む。ウエブ材料は、固定プレートに沿って巻取りローラへ送られる。搬送アームは、スライドして固定プレート上のウエブ材料を押し付けて、ウエブ材料を隣接するミシン目線で切断する。
【0007】
従来の技術の処理装置には、改良が求められる多くの不利益点がある。例えば、後端がログ巻取りユニットから外された後に接着剤が付着された後端が適切にログ上に巻き取られないために、後端のシーリングは、通常、適切には達成されない。このため、後端とログとの間の接着剤が不均一であるために、粗な後端外観を示す最終ログ製品となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、現在、改良された美しい外観を有する最終ログ製品を製造出来る単一システムにおいて多くの機能動作を備えることが出来るログマルチ処理装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願は、ウエブ材料のログを形成するログマルチ処理装置及び方法を記述する。
【0010】
一実施の形態において、ログマルチ処理装置は、巻取り芯からログを巻き取るように動作可能なログ巻取りユニットと、巻取り芯をログ巻取りユニットに送出するようの動作可能なコンベアと、一つのログの後端を切断するように動作可能な切断アームと、一つのログの後端に対応するウエブ材料の一部に少なくとも一つの接着剤層を施すように動作可能な接着剤塗布装置と、一つのログの後端を押圧してシールするように動作可能な後端処理ユニットと、を備える。
【0011】
幾つかの実施の形態では、接着剤塗布装置は、ウエブ材料の一部に接触しそれに接着剤の少なくとも一部を施すように構成された一つ又はそれより多くのインプリントパターンを備える表面を有するプリントローラを含む。幾つかの変形の実施の形態では、この接着剤は、着色接着剤を含む。
【0012】
幾つかの実施の形態では、ログ巻取りユニットは、複数の回転巻取り要素を含む。他の変形例では、切断アームは、一つの回転要素において引っ込まれた第1の位置と切断アームがウエブ材料に対して押圧してログ巻取りユニットで巻き取られるログの後端で切断する第2の位置との間をスライド可能である。
【0013】
幾つかの実施の形態では、後端処理ユニットは、搬送ベルト、ガイドプレート及び二つの押圧ローラを含む。幾つかの変形例では、搬送ベルトは、ガイドプレートに沿って二つの押圧ローラに向かった一つのログの転がりを減速するように動作可能である。他の変形例では、二つの押圧ローラは、ニップを形成し、このニップで一つのログが回転させられてログの後端をシールする。
【0014】
幾つかの実施の形態では、ウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置は、ウエブ材料が巻き取られるべき一つの巻取り芯内に長尺状シャフトを挿入するように動作可能なシャフト装着ユニットと、ログ巻取りユニットの下流でログから一長尺状シャフトを取り外すように動作可能なシャフト取り外しユニットと、を更に備える。
【0015】
一実施の形態において、ウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置は、ログ巻取りユニットと、ログ巻取りユニットへ一つの巻取り芯を送出するように動作可能なコンベアと、一つのログの後端を切断するように動作可能な切断アームと、プリントユニットと、後端処理ユニットと、を備える。プリントユニットは、一つのログの後端に対応するウエブ材料の領域上に少なくとも一つのプリントパターンを転写するように動作可能であり、プリントパターンの少なくとも一部は、一つの接着剤層を含む。この後端処理ユニットは、一つのログの後端を押圧してシールするように動作可能である。
【0016】
他の実施の形態において、ウエブ材料のログを形成する方法が記述される。この方法は、ウエブ材料を回転巻取り芯の回りに巻き取ってログを形成するステップと、このウエブ材料を切断して一つの巻取りログの後端を形成するステップと、一つのログの後端にパターンをプリントするステップと、を備え、プリントされたパターンは、少なくとも一つの接着剤層を含み、後端をログに押圧及びシールする。
【0017】
上記は、概要であり、請求項の範囲を制限するものではない。ここで開示される動作及び構造は、多くの方法で実施されることが出来、且つそのような変化及び変更は、本発明から逸脱することなく、より広い態様で行われ得る。請求項によってのみ定義されるように、本発明の他の態様、発明的特徴、及び利点は、以下で述べられる非制限的詳細な記述で述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本出願は、ウエブ材料のログを形成するマルチ処理装置と方法を記述する。材料のウエブは、ティッシュペーパーやログに巻き取られ処理され得るあらゆる種類の柔軟な材料から造られる。図面において、類似の参照番号は、他の指示が無い限り、類似の要素を指す。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に従うログマルチ処理装置の一般的概略図である。参照番号100は、概して、シールされた後端を有するウエブ材料のログを形成するように動作可能なログマルチ処理装置を指す。装置100は、多くの処理ユニットを備え、これらのユニットの各々は、指定の機能を実行するように動作可能であり、それによって、装置100の出力部が、シールされた後端を有するウエブ材料の完全なログを送出する。
【0020】
装置100へ送り込まれるウエブ材料Wは、パーフォレータ(穴あけ)ユニット110を通過する。この実施の形態では、このユニット110は、シャフト117に支持された固定刃115と相互作用する複数の刃113を有する派フォレーターローラ111を備えている。パーフォレータユニット110は、ウエブ材料W上に平行なミシン目線を形成するように動作可能である。
【0021】
送りローラ122は、接着剤塗布装置130に向かってウエブ材料を搬送する。送りローラ122の位置は、ウエブ材料に適切なテンションを生成するように起動アーム124を介して調節出来、それによって、ウエブ材料が接着剤塗布装置130を介して下流に正確に送られ、且つ引き続いてログ巻取りユニット140に送られることが確実となる。
【0022】
図示された実施の形態において、接着剤塗布装置130は、プリントユニットとして構成される。接着剤塗布装置130は、転写ローラ131とベースローラ133との間に介在されるプリントローラ132と接着剤ディスペンサ136とを含む。プリントローラ132の表面は、一つ又はそれより多くのプリントパッド134aと134bを備える。転写ローラ131は、接着剤ディスペンサ136から供給される接着剤がしみ込まされ、次にこの接着剤をプリントローラ132のインプリントパッド134aと134bへ転写する。
【0023】
プリントローラ132は、転写ローラ131とベースローラ133の方向とは反対の方向に回転し、プリントローラ132とベースローラ133を移動するウエブ材料Wに接着剤層を含むプリントパターンをプリントする。プリント技術が使用されるので、異なる色の可視及び不可視マークやロゴの両方が巻取り芯の回りの巻かれたウエブ材料に形成されることが出来る。また、インデント(押し込み)技術を使用して、インクや接着剤を使用することなく、巻取り芯の回りに巻かれたウエブ材料上にマークやロゴのインデントを生成してもよい。
【0024】
図4は、本発明の一実施の形態に従うプリントされたマークが生成されたペーパーティッシュログ例の概略図である。インプリントパッド134aと134bは、巻取り芯の回りに巻かれたウエブ材料の前部及び/後部上に可視的にマークされるべき“RECYCLE PAPER(再生紙)”のような望ましいパターンデザインで形成されてもよい。これは、例えば、着色された接着剤をインプリントパッド134aと134bに施すことによって達成され得る。また、プリントは、巻取り芯の回りに巻き取られるウエブ材料全体に行われてもよく、マークやロゴの連続パターンが可能となる。
【0025】
図1に戻って、ログ巻取りユニット140は、平行な軸回りに回転しログL1が巻き取られる巻取りクレードル(受け台)145を画定する3本の巻取りローラ141、142、及び143を含む。ウエブ材料Wは、第1の巻取りローラ141の回りを通過し、のど部144を移動して巻取りクレードル145の中にログL1を巻き取る。第3の巻取りローラ143は、ログL1がもっと小さい時に第1と第2の巻取りローラ141と142により近い位置からログL1の直径が増加するに従って、第1と第2の巻取りローラ141と142から更に離れるように移動可能である。
【0026】
図3は、本発明の一実施の形態に従う第1と第2の巻取りローラの駆動機構を示す概略図である。図1と図3を参照すると、サーボモータ148は、駆動ベルト149を介して第1と第2の巻取りローラ141と142を回転駆動する。転がり表面146(図1参照)は、のど部144に沿って延出してクレードル145(図1参照)に向かって巻取り芯の通過をガイドする。転がり表面146は、略円筒形で第1の巻取りローラ141と共軸の第1の部分を含み、第2の巻取りローラ142の環状スロットを通過する第2の部分147で終端する。図示の実施の形態は、巻取りローラのアセンブリに基づくログ巻取りユニットで実施しているが、本発明の発明的特徴から逸脱しない限り、ベルト及び他の適切な巻取り機構が、ログ巻取りユニットのために実施されてもよい。
【0027】
図1に戻って、切断ユニット150は、一個のログL1が完成すると、ウエブ材料を切断するように取り付けられる。図示の実施の形態では、切断ユニット150は、アクチュエータを介して移動可能である切断アーム152を含む。切断アーム152は、第1の巻取りローラ141のスロット内にフィットするような湾曲部153を有する。切断アーム152は、二つの位置、即ち、アーム152の湾曲部153が第1の巻取りローラ141のスロット内に引き込まれる第1の位置と、湾曲部が第1の巻取りローラ141の表面からウエブ材料へ押し付けられる又は移動されてウエブ材料を切断するように配置される第2の位置との間で作動される。第1の位置において、切断アーム152がウエブ材料と干渉せずにそれを切断しない限りにおいて、切断アーム152は、第1の巻取りローラ141の表面に対して平行或いはそのような表面より僅かに上である。他の実施の形態において、切断ユニット150は、転がり表面146を延長することによって形成される切断アームを含む。延長された転がり表面(図示せず)は、二つの位置、即ち、この表面がのど部144を少なくとも巻取り芯C2の直径であるように形成して巻取り芯C2の通過を可能とする第1の位置と、この表面が第1の巻取りローラ141に向かってウエブ材料を押し付ける或いは移動してウエブ材料を切断するように配置される第2の位置との間で作動されることが出来る。
【0028】
回転芯付勢アーム160は、一つの巻取りコアC2を押し付けてそれをのど部144に係合するように構成される。芯付勢アーム160は、プリントローラ132の回転に同期して回転し、それによってのど部144の巻取り芯C2の係合は、のど部144内の接着剤部が設けられたウエブ材料の部分の通過に略対応する。
【0029】
各巻取り芯C2は、一つ又はそれより多くのキャリアフィンガー172を含む搬送機構170を介してのど部144の入口に運ばれる。キャリアフィンガー172は、ベルト174と共に周期的に移動して巻取り芯をのど部144の入口に搬送する。搬送機構170は、それが巻取り芯C2をのど部144の入口に運び芯付勢アーム160によって巻取り芯C2ののど部144への同期送りが可能である限り、異なる形状のものであってもよい。
【0030】
後端処理ユニット180は、ログ巻取りユニット140から下流に組み付けられる。この後端処理ユニット180は、コンベアベルト181と、ガイドプレート182と、二つの対向する押圧ローラ185と187と、を含む。コンベアベルト181は、ログが押圧ローラ185と187に到達するまで、減速度でガイドプレート182に沿ってこのログの転がりを駆動する。押圧ローラ185と187は、同じ方向、例えば、反時計回り方向へ同じ速度で回転してニップを形成し、このニップで、接着剤を有するその後端がログに接着することが確実になるように所定期間一つのログが押圧され、回転が維持される。
【0031】
図2A乃至図2Fは、本発明の一実施の形態に従って実施される再巻取りプロセスの概略図である。図2Aにおいて、ログL1は、クレードル145の内側で巻き取られて、キャリアフィンガー172は、次のログを形成するために巻取り芯C2をのど部144の入口に搬送する。ログL1は、その巻取りが略完了している態様で示されており、次の巻取り芯C2が処理される状態でいる。
【0032】
図2Bを参照すると、ログ巻取りユニット140が動作してログL1の取外しを開始しウエブ材料にテンションを付与する。これは、第3の巻取りローラ143を加速してログL1を第1の巻取りローラ141の表面から離れるように移動することによって達成される。或いは、第1の巻取りローラ141からのログL1の取外しが、第2の巻取りローラ142を減速することによって、或いは第3の巻取りローラ143の加速と第2の巻取りローラ142の減速によって実行されてもよい。一方、プリントローラ132が回転駆動され、インプリントパッド134aと134bは、転写ローラ131との接触によって接着剤が含浸され、引き続いて、接着剤部をウエブ材料にインプリントする。
【0033】
この実施の形態において、二つのインプリントパッド134aと134b、即ち、ログL1上に巻かれているウエブ材料の後端に第1の接着剤層Tを付着するための第1のインプリントパッド134aと、次の巻取り芯C2に付着するためにウエブ材料の領域に第2の接着剤層Fを付着するための第2のインプリントパッド134bと、が設けられている。二つのインプリントパッド134aと134bは、夫々の接着剤層TとFが少なくとも一つのミシン目線によって分離されるウエブ材料の二つの個別領域に付着される距離だけ互いから離間される。
【0034】
図2Cを参照して、芯付勢アーム160は、のど部144内の巻取り芯C2を押圧し係合すると共に、接着剤層TとFが設けられたウエブ材料の領域がのど部144内を移動する。
【0035】
図2Dを参照して、切断アーム152は、第1の巻取りローラ141の回りに送られたウエブ材料に押圧力を付与するように作動される。切断アーム152の押圧は、巻取り芯C2と接着剤層Fがのど部144を通過している時に、接着剤層Fを介するウエブ材料への巻取り芯C2の付着と略同時に或いは僅かにそれに続いて行われる。その結果、ウエブ材料は、接着剤層Tと接着剤層Fとの間のミシン目線で破断する。ウエブ材料から切断されたログL1の後端は、それが下流に転がるとログL1の回りに徐々に巻き取られる。
【0036】
図2Eを参照して、巻取り芯C2は、転がり表面146に沿って転がってクレードル145に達し、そこで新たな巻取りサイクルが新たなログを形成するために実行される。他方、後端処理ユニット180のコンベアベルト181は、完成されたログL1が押圧ローラ185と187に達するまで、減速度でガイドプレート182に沿って完成されたログL1の転がりを駆動する。
【0037】
図2Fを参照して、押圧ローラ185と187は、同じ方向、例えば、反時計回り方向へ回転してニップを形成し、このニップで、ログL1は、接着剤付与後端が適切に押されてログL1に付着することが確実となるように所定期間押圧され且つ回転が保たれる。引き続いて、ローラ185と187は、ログL1を解放するために異なる速度で回転するように制御される。
【0038】
本発明で記述される装置の多くのバリエーションが、最終ログ製品の指定の要求に従って、考えられる。図5は、本発明の他の実施の形態に従うウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置を示している。
【0039】
図5の変形実施の形態では、マルチ処理装置200は、別個のログ切断ステーションを必要とすしない比較的小さな長さのログセクションを形成するように構成される。従って、マルチ処理装置200は、上記で開示されたのと同じ処理ユニットを含むと共に、更に、スリットユニット220、シャフト係合解除ユニット230、芯係合ユニット240、及び芯切断ユニット250を含む。
【0040】
スリットユニット220は、互いに相互作用を行う回転スリッター刃221とベース刃222とを含みウエブ材料の単一の連続リボンを切断してウエブ材料の平行なストリップにする。回転スリッター刃221の位置は、ウエブ材料の各ストリップの幅を設定し且つベース刃222に対してスリッター刃221を移動するようにアクチュエータ224を介して調節可能である。真空吸着デバイス225は、スリッター刃221よって切断されたウエブ材料の望ましくない周辺部を除去するように動作可能である。
【0041】
図5の実施の形態に示されるように、スリットユニット220は、巻取り芯の回りに巻き取られるべきストリップ(複数)に単一のリボンウエブ材料を切断するためにパーフォレータユニット110と送りローラ122との間に取り付けられることが出来る。
【0042】
ウエブ材料の切断されたストリップ(複数)は、図2A乃至図2Fに示されるのと同様の処理シーケンスに従って、接着剤塗布装置130、ログ巻取りユニット140及び後端処理ユニット180を介して処理される。
【0043】
巻取り芯Cがログ巻取りユニット140に到達する前に、巻取り芯Cは、芯係合ユニット240でシャフトBに取り付けられ、続いて芯切断ユニット250で望ましいセクション長に切断される。
【0044】
図6は、本発明の一実施の形態に従った芯係合ユニット240の概略図である。芯係合ユニット240の構造体は、上に巻取り芯Cがスタック(積載)される搬送ベルト242と、シャフトBが巻取り芯C内に挿入されるギャップ248を画定する二つの平行なベルトインサータ(挿入装置)244を含む。ベルトインサータ244の一方又は両方は、ギャップ248を拡大又は縮小するように互いから離間又は互いに近接するように平行に移動するように起動される。
【0045】
巻取り芯C内に挿入されるべき一つのシャフトBは、二つのベルトインサータ244同士間のギャップ248内に配され、且つ当接部246によってベルトインサータ244のスライド方向で停止される。シャフトBは、はめ込むべき巻取り芯Cと略一直線に位置される。搬送ベルト242は、二つのベルトインサータ244に係合して両者に接触するように巻取り芯Cを搬送し、次に、長手方向にスライドしてシャフトBと係合するように巻取り芯Cを駆動する。
【0046】
図5に示されるように、次に、シャフトが取り付けられた巻取り芯は、プレート262上で解放されて搬送機構170に向かって転がり、そこで一つのキャリアフィンガー172によってピックアップされる。キャリアフィンガー172は、巻取り芯を芯切断ユニット250へ搬送する。
【0047】
芯切断ユニット250は、ブレードローラ252と、ニップを形成する二つの位置決めローラ254と、を含み、このニップで、巻取り芯は、半径方向に切断されて、所与の長さSの芯セクションを画定する。各ログセクションの長さSは、スリットユニット220から切断されたウエブ材料のストリップ(複数)の夫々の幅に対応する。
【0048】
次に、芯セクションに切断された巻取り芯は、ログ巻取りユニット140ののど部144の入口へ搬送される。巻取り芯がログになるように巻き取られ且つ後端巻取りユニット140から解放された後、最終的に形成されたログは、長さSのログセクションを含む。図7は、本発明の一実施の形態に従って形成されたログLの概略図である。このように別個のログ切断ステーションは必要ない。後端処理ユニット180から外された1つのログは、シャフト係合解除ユニット230に移動して、そこでシャフトがログセクションから外される。外されたシャフトは、新たな巻取り芯が取り付けられるように芯係合ユニット240に再び送られる。
【0049】
本出願で述べられたものとは異なる処理ユニットが、単一の統合されたシステムで実施されたり、或いは顧客の要求に従って別個の処理ステーションで独立して実施され得ることを当業者は理解するだろう。例えば、マークやロゴが必要ない場合、プリントローラ132は、接着剤塗布装置として単純に働くだけでよい。
【0050】
従って、本発明による具体化は、特定の実施の形態という背景において記述された。これらの実施の形態は、例示に過ぎず本発明を制限するためのものではない。多くのバリエーション、変更、追加、及び改良が可能である。従って、複数の例が、ここでは単一の例として記述されたコンポーネントに対し提供されている。例示の構成における個別のコンポーネントとして提示された構造(複数)と機能性は、組合された一つの構造やコンポーネントとして実施され得る。これら及び他のバリエーション、変更、追加、及び改良は、以下の請求項で定義された発明の範囲内に入ると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例に係るログマルチ処理装置の一般的概略図である。
【図2A】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図2B】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図2C】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図2D】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図2E】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図2F】本発明の実施例により実施される再巻取りプロセスの概略図である。
【図3】本発明の実施例に係る第1と第2の巻取りローラの駆動を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例により製造されるペーパーティッシュログ例の概略図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置を示す。
【図6】本発明の実施例に係る芯係合ユニット240の概略図である。
【図7】本発明の実施例により形成されたログセクションの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置であって、
巻芯回りにウエブ材料のログを巻き取るように動作可能なログ巻取りユニットと、
ログ巻取りユニットに対して一つの巻芯を送出するように動作可能なコンベアと、
一つのログの後端を切断するように動作可能な切断アームと、
ウエブ材料の一部に少なくとも一接着剤層を施すように動作可能な接着剤塗布装置と、
ログの後端を押圧しシールするように動作可能な後端処理ユニットと、を備えるマルチ処理装置。
【請求項2】
前記接着剤塗布装置は、ウエブ材料の一部に接触し少なくとも一接着剤層を施すように構成された一つ又はそれより多くのインプリントパッドを備える表面を有するプリントローラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記接着剤は、着色接着剤を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プリントローラは、ログ巻取りユニットで巻き取られている一つのログの後端に第1の接着剤層を塗布するように構成された第1のインプリントパッドと、ウエブ材料の領域に第2の接着剤層を塗布して次の巻取り芯に接着するように構成された第2のインプリントパッドとを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ログ巻取りユニットは、複数の回転巻取り要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記切断アームは、第1の位置と第2の位置とに移動可能であり、この切断アームは、第2の位置において、ログ巻取りユニットで巻き取られるログの後端を切断するためにウエブ材料に抗するように移動可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
後端処理ユニットは、搬送ベルト、ガイドプレート及び二つの押圧ローラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記搬送ベルトは、前記ガイドプレートに沿って前記二つの押圧ローラに向って一つのログの転がりを減速するように動作可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記二つの押圧ローラは、ニップを形成し、このニップで一つのログがそのログの後端をシールするように回転させられる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
ウエブ材料が巻き取られるべき一つの巻取り芯内に長尺状シャフトを挿入するように動作可能なシャフト装着ユニットと、
ログ巻取りユニットの下流でログから一長尺状シャフトを取り外すように動作可能なシャフト取り外しユニットと、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
シャフトに取付けられた巻取り芯を複数の芯部に切断するように動作可能な芯切断ユニットを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ウエブ材料を複数のストリップに切断するように動作可能なスリットユニットを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
ウエブ材料のログを形成するためのマルチ処理装置であって、
巻芯回りにウエブ材料のログを巻き取るように動作可能なログ巻取りユニットと、
ログ巻取りユニットに対して一つの巻芯を送出するように動作可能なコンベアと、
一つのログの後端を切断するように動作可能な切断アームと、
ウエブ材料の領域に少なくとも一つのプリントパターンを転写するように動作可能なプリントユニットと、
ログの後端を押圧しシールするように動作可能な後端処理ユニットと、を備えるマルチ処理装置。
【請求項14】
前記プリントユニットは、ウエブ材料の一部に接触し少なくとも一つの接着剤層を施すように構成された一つ又はそれより多くのインプリントパッドを備える表面を有するプリントローラを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
後端処理ユニットは、搬送ベルト、ガイドプレート及び二つの押圧ローラを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記搬送ベルトは、前記ガイドプレートに沿って前記二つの押圧ローラに向って一つのログの転がりを減速するように動作可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記二つの押圧ローラは、ニップを形成し、このニップで一つのログがそのログの後端をシールするように回転させられ押圧される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ログ巻取りユニットは、複数の回転巻取り要素を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記切断アームは、第1の位置と第2の位置とに移動可能であり、この切断アームは、第2の位置において、ログ巻取りユニットで巻き取られるログの後端を切断するためにウエブ材料に抗するように移動可能である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
ウエブ材料のログを形成する方法であって、
ウエブ材料を回転巻取り芯の回りに巻き取ってログを形成するステップと、
ウエブ材料を切断して巻き取られたログの後端を形成するステップと、
一つのログの後端にパターンをプリントするステップと、
後端をログに押圧してシールするステップと、を備えるウエブ材料のログを形成する方法。
【請求項21】
後端をログに押圧してシールする前に、一つの回転するログを減速するステップを更に備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ウエブ材料を切断する前に、ウエブ材料にミシン目線を形成するステップを更に備える、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記プリントパターンは、少なくとも接着剤層を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
ウエブ材料のログであって、後端を備え、この後端は、プリントパターンを介してログにシールする、ウエブ材料のログ。
【請求項25】
前記プリントパターンは、少なくとも接着剤層を含む、請求項24に記載のウエブ材料のログ。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−256865(P2006−256865A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52739(P2006−52739)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(506069527)全利機械股▲分▼有限公司 (9)
【Fターム(参考)】