説明

ウナギ素材を用いたラーメンスープ、ラーメン及びラーメンスープの製造方法

【課題】ウナギ食材を利用して風味の良いラーメンスープ、ラーメン及びラーメンスープの製造方法を提供すること。また、捨てられてしまうウナギの骨の有効利用方法を提供することにある。
【解決手段】本発明のラーメンスープは、ウナギの骨から血合いを取り除き、
前記血合いを取り除いたウナギの骨を流水で洗浄し、
前記洗浄したウナギの骨を加熱し、
前記加熱処理したウナギの骨を微粉化してなるウナギの骨の粉末に、
洗浄処理した鶏ガラとダシとを加えて加熱してなることを特徴とする。
さらに、本発明のラーメンは、このラーメンスープに麺を浸してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スープの風味及びうまみを改善しウナギ素材を用いたラーメンスープ、ラーメン及びラーメンスープの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のラーメンは、鶏肉、魚、野菜等を長時間煮込みで作成したスープに、塩、酒等の調味料を添加してなるラーメンスープに茹でた中華麺を加え、その中にチャーシューやメンマ等の具を加えて提供されるものであり、
ラーメンスープは、ラーメンの優劣を決定する重要な要素であり、日本全国各地で様々な特徴をもつラーメンが提供されている。
また、ラーメン店でも独自の工夫をして味を競い合っている。
このようなラーメンに用いられるスープとして、例えば特許文献1(特開2002−262834号公報)には、食塩の量が低減し、風味及び旨みを維持することを目的として、海洋深層水を濃縮して得られる濃縮液を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−262834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウナギは食材として広く使用されているが、まだラーメンスープやラーメンの具としては一般に用いられておらず、競争の激しいラーメンの分野においては目新しく、好ましい食材であった。
しかしながら、ウナギ食材をそのまま用いるとウナギの生臭さが解消されず、ラーメンのスープをはじめスープとして提供するには種々の課題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウナギ食材を利用して風味の良いラーメンスープ、ラーメン及びラーメンスープの製造方法を提供することにある。
また、捨てられてしまうウナギの骨の有効利用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のラーメンスープは、
ウナギの骨から血合いを取り除き、
前記血合いを取り除いたウナギの骨を流水で洗浄し、
前記洗浄したウナギの骨を加熱し、
前記加熱処理したウナギの骨を微粉化してなるウナギの骨の粉末に、
洗浄処理した鶏ガラとダシとを加えて加熱してなることを特徴とする。
(2)本発明のラーメンスープは、前記(1)に記載のウナギの骨の粉末に、さらにウナギエキスパウダーを加えてなることを特徴とする。
これにより、ウナギの生臭さを取り除き、ウナギ独特の味と旨みとを有し、飲みやすいラーメンスープを提供することができる。
【0007】
(3)本発明のラーメンは、前記(1)又は(2)のラーメンスープに麺を浸してなることを特徴とする。
これにより、コクのあるラーメンを提供することができる。
【0008】
(4)本発明のラーメンスープの製造方法は、
ウナギの骨から血合いを取り除き、
前記血合いを取り除いたウナギの骨を流水で洗浄し、
前記洗浄したウナギの骨を加熱し、
前記加熱処理したウナギの骨を微粉化してなるウナギの骨の粉末に、
洗浄処理した鶏ガラとダシとを加えて加熱することを特徴とする。
(5)本発明のラーメンスープの製造方法は、
前記請求項4に記載のウナギの骨の粉末に、さらにウナギエキスパウダーを加えることを特徴とする。
これにより、ウナギの生臭さを取り除き、ウナギ独特の味と旨みとを有し、飲みやすいラーメンスープを製造することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱処理したウナギの骨を用いているので、ウナギ臭さが抜けるとともに、スープが透明で見た目はすっきりしていて、香りが良くしかもウナギ独特のうまみもあり、スープとして飲んでも十分に味わうことのできるラーメンスープ及びその製造方法を提供することができる。
【0010】
また、ウナギの骨を用いているので、健康によく、コクのあるラーメンを提供することができる。
【0011】
さらに、加熱処理して香ばしい味のするウナギの骨を用いることで、ラーメンスープとして用いた場合に、ラーメンの食感とともに香ばしいウナギの味を味わうことができ、顧客満足を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
実施形態のラーメンは、器内にラーメンスープを入れ、さらに茹でた麺を投入し、具を載せて完成される。
【0013】
<ウナギ骨の粉末製造>
実施形態のラーメンスープを製造するには、その素材となるウナギの骨の粉末を製造することから始める。
まずは、ウナギの骨からたわしを用いて血合いを取り除く。
血合いが残っているとウナギの臭みが出るからである。
そして、血合いを取り除いたウナギの骨を1時間程度流水できれいに洗浄する。
さらに、洗浄したウナギの骨の全体を、オーブンを用いて200℃で20分程度加熱処理する。
ウナギの骨の周囲がキツネ色になるまで加熱処理すると、ウナギ臭さが除かれるとともにウナギの骨が微粉化されやすくなり、さらに香ばしさが出る。
【0014】
ウナギの骨が微粉化手段は、ミキサー、臼、すり鉢など、適宜な手段を用いることができ、平均粒径を1mm以下にすることが好ましい。
1mm以下にすることにより、後の工程でのダシ取り時にウナギの味(エキス)の抽出が容易となるからである。
また、ウナギの骨が微粉化されていれば、そのままスープとして食しても、ざらざらした食感はなく口当たりも悪くない。
なお、後のラーメンスープ製造工程で、すましダシとするには、ウナギ骨の微粉をダシとり袋にいれることにより、ウナギ骨の微粉が直接ラーメンスープに混入しないようにすることが望ましい。
さらに、ウナギ骨の微粉にウナギエキスの液体やパウダーを適宜加えることも望ましい。
【0015】
<ラーメンスープの製造>
次に、ラーメンスープの製造は、円柱形の大型の寸胴に、昆布、酒、水を入れ、沸騰直前まで加熱することから始められる。
そして、沸騰直前まで加熱したスープに、先に製造したウナギ骨の粉末と、
別途用意した鶏ガラ、魚介類、野菜等を入れ、2時間ほど煮込むことによりラーメンスープが製造される。
【0016】
上記のようにして製造されたラーメンスープは、容器に入れられ、その後、茹でた麺を水切りをして載せ、さらにチャーシューや卵、メンマ、細切りにした葱、海苔等の具を添えて盛りつけて、ラーメンが完成される。
【0017】
なお、麺や具は、本実施形態において、特に規定するものではなく、ラーメンスープにあわせ、一般的な中華麺であればどれでも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のラーメンスープ及びその製造方法によれば、
加熱処理したウナギの骨を用いているので、ウナギ臭さが抜けるとともに、スープが透明で見た目はすっきりしていて、香りが良くしかもウナギ独特のうまみもあり、スープとして飲んでも十分に味わうことのでき、
また、ウナギの骨を用いているので、健康によく、コクのあるラーメンを提供することができ、
さらに、加熱処理して香ばしい味のするウナギの骨を用いることで、ラーメンスープとして用いた場合に、ラーメンの食感とともに香ばしいウナギの味を味わうことができ、顧客満足を高めることができるので、産業上の利用可能性が極めて高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウナギの骨から血合いを取り除き、
前記血合いを取り除いたウナギの骨を流水で洗浄し、
前記洗浄したウナギの骨を加熱し、
前記加熱処理したウナギの骨を微粉化してなるウナギの骨の粉末に、
洗浄処理した鶏ガラとダシとを加えて加熱してなることを特徴とするラーメンスープ。
【請求項2】
前記請求項1に記載のウナギの骨の粉末に、さらにウナギエキスパウダーを加えてなることを特徴とするラーメンスープ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のラーメンスープに麺を浸してなることを特徴とするラーメン。
【請求項4】
ウナギの骨から血合いを取り除き、
前記血合いを取り除いたウナギの骨を流水で洗浄し、
前記洗浄したウナギの骨を加熱し、
前記加熱処理したウナギの骨を微粉化してなるウナギの骨の粉末に、
洗浄処理した鶏ガラとダシとを加えて加熱することを特徴とするラーメンスープの製造方法。
【請求項5】
前記請求項4に記載のウナギの骨の粉末に、さらにウナギエキスパウダーを加えることを特徴とするラーメンスープの製造方法。

【公開番号】特開2011−36158(P2011−36158A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185263(P2009−185263)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(509224734)有限会社エナックフードサービス (2)
【Fターム(参考)】