説明

ウレトジオンポリイソシアネート系放射線硬化性被覆

【課題】強靱かつ可撓性な被膜を生成する放射線硬化性被覆組成物を提供する。
【解決手段】組成物は、i)イソシアネート基の少なくとも10当量%がウレトジオン基の形態であるポリイソシアネートと、ii)約200〜約2000の数平均分子量を有し、CH2=C(R1)-C(O)-O-R2-[O-C(O)-R3-]n-OH [式中、nは1〜5の整数、R1は水素又はメチル、R2は2〜10個の炭素原子を有する(置換)アルキレン基(1〜12個の炭素原子のアルキル基で置換されうる)、R3は3〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基(1〜12個の炭素原子のアルキル基で置換されうる)である]で示されるヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレート(a)との反応生成物約5〜70重量%を含み、イソシアネート当量に基づく成分i)の量は、組成物中のヒドロキシ含有物質のヒドロキシ当量の量と本質的に等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン性不飽和ポリウレタンを含有する放射線硬化性組成物およびそれによって被覆された基材に関する。
【背景技術】
【0002】
以前は、UV被覆物は、100%固形物としてもてはやされていた。残念ながら、所望の性能特性を達成するために、高い粘度を有する中ないし高分子量のアクリル官能オリゴマーが開発されてきた。これらの物質は、あまりに粘性であり、単独で用いることができず、アクリル酸またはメタクリル酸の低分子量エステルである反応性希釈剤と処方されていた。これらの反応性希釈剤は、毒性の危険性が高く、望ましくない。
【0003】
最近、反応性希釈剤含量を減少させるために、溶媒は、配合物の粘度を減少させるために使用され、その結果、十分な量の反応性希釈剤に対する要求が少なくなってきた。多くの場合においては、ある種の反応性希釈剤は、VOC限界を超えないように、および被膜の特性を和らげるために、なお使用されている。
【0004】
市場において、反応性希釈剤および溶媒の量を減少させるためにより低い粘性のオリゴマーが、繰り返し求められている。例えば、米国特許第5739251号は、アロファネート基を含有し、i)5〜25重量%のNCO含量、ii)0.5〜15重量%のアロファネート基を介して組み込まれたβ,γ−エチレン性不飽和エーテル基含量およびiii)1〜30%のアロファネート基含量を有するエチレン性不飽和ポリイソシアネートを含有する1成分被覆組成物を開示している。
【0005】
他の例として、米国特許第5777024号は、アロファネート変性イソシアヌレートを1種または2種以上のヒドロキシ官能オレフィン性化合物と反応させることによって形成されるアロファネート変性ウレタン樹脂を開示し、アロファネート変性ウレタン樹脂は、高エネルギー線、例えばUV/可視光または電子ビーム線によって硬化できる被覆組成物において用いられる。
【0006】
DE2914982は、室温で液状であるか、または室温で固形状であり、60℃未満で溶融にできるウレタンを含み、ヒドロキシ末端基を有するエステルまたはポリエステルを、二官能または/および多官能のイソシアナトアルキルおよび/またはイソシアナトアリール化合物と、次いで任意に一官能のイソシアナトアルキルおよび/またはイソシアナトアリール化合物と反応させることによって調製される硬化性組成物を開示している。
【特許文献1】米国特許第5739251号
【特許文献2】米国特許第5777024号
【特許文献3】DE2914982
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の放射線硬化性被覆組成物は、一般に、塗布のために多量の反応性希釈剤を要し、しばしば、不十分な強靱性および/または低い可撓性を有する被膜しか提供しない。したがって、技術的に、塗布のためにより少量の反応性希釈剤を要し、強靱かつ可撓性の被膜を生成する放射線硬化性被覆組成物に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
i)イソシアネート基の少なくとも10当量%がウレトジオン基の形態である1種または2種以上のポリイソシアネートと、
ii)約200〜約2000の数平均分子量を有し、式:
【化1】

[式中、nは1〜5の整数であり、
は、水素またはメチルであり、
は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン基または置換アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示し、
は、3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示す。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレート(a)
との反応生成物約5〜70重量%を含んでなり、
イソシアネート当量に基づいた成分i)の量は、組成物中のヒドロキシ含有物質のヒドロキシ当量の量と本質的に等しい放射線硬化性被覆組成物を提供する。
【0009】
本発明は、上記被覆組成物によって少なくとも基材の一部分を被覆し、被覆された基材に放射線を暴露する被覆基材の製造方法も提供する。
本発明は、上記方法によって被覆された基材にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施例以外、または特記しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などに関するあらゆる数字または表記は、すべての場合において、用語「約」によって変更されるものとして理解されうる。
【0011】
本発明において、十分な量のウレトジオンを有する物質を使用することにより、低粘度を有するウレタンオリゴマーが提供され、放射線硬化性被覆組成物において使用された場合に、強靱かつ可撓性の被膜が得られることが見い出された。一般的には、本発明のイソシアネートは、共反応物としてヒドロキシ官能アクリレートを使用する。得られた被覆組成物は、塗布のために少量の反応性希釈剤しか要せず、強靱かつ可撓性の被膜を生成する。
【0012】
アクリル官能基は、次の式:
【化2】

[式中、RはHまたはメチル基、であり、
Zは、
【化3】

(式中、nは2〜10、mは2〜8、pは1〜10である。)である。]
で示されるヒドロキシ官能アクリレートを使用してウレトジオンに結合できる。−C2n−または−C2m−脂肪族基は、直鎖、分岐状または脂環式であってよい。
【0013】
本発明の態様において、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、GAMA(グリシジル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸付加物)(2種の異性体、
【化4】

および
【化5】

を包含し得る)またはポリカプロラクトンヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(PCHEA)が使用できるが、いずれのヒドロキシ官能(メタ)アクリレートも、上記の構造において記載されるように使用できる。
【0014】
本発明の特別な態様において、PCHEAは、単独でまたは低粘性物質を得るために他のヒドロキシ官能(メタ)アクリレートとの混合物で使用される。
【0015】
本発明のさらに特別な態様において、PCHEAは、TONETMM100(2−ヒドロキシエチルアクリレートのポリ(ε−カプロラクトン)エステル)(DOW Chemical Corp.(ミシガン州ミッドランド)から市販)である。
【0016】
本発明の他の特別な態様において、HEAまたはHPAは、単独のヒドロキシ官能アクリレートとして有用であるが、しかしながら、場合によっては、これらの物質は結晶化しやすい傾向があり、その場合、樹脂はそのままでは使用できないために、溶解しなければならない。溶媒、典型的にはエステル、エーテルまたは炭化水素溶媒を使用できる。特に有用なエステルは、アクリル官能基も有し、例えばヘキサンジオールジアクリレートであり、UV/EB条件下で溶液を100%反応性にさせうる。
【0017】
したがって、本発明において、ウレトジオンおよび他のオリゴマーとの混合物であるポリイソシアネートは、ヒドロキシ官能アクリレートとの低粘性付加物を提供することが見い出された。これらの物質は、硬化して、強靱かつ可撓性の被膜を提供できる。
【0018】
本発明は、放射線硬化性被覆組成物を提供する。組成物は、i)イソシアネート基の少なくとも50当量%がウレトジオン基の形態である1種または2種以上のポリイソシアネートと、ii)1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートとの反応生成物を含んでなる。
【0019】
i)とii)との反応生成物は、ポリイソシアネートを、ヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートと、適した容器内で、所望によりラジカル重合安定剤の存在下および所望により反応触媒の存在下で、反応させることによって調製できる。反応は、十分な温度で行い、反応は適度な時間で行う。
【0020】
ここで使用される用語「(メタ)アクリル」および「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体の両方を含んで意味し、例えば、アクリレートおよび(メタ)アクリレートとしてしばしば呼ばれる対応するアルキルエステルは、用語「(メタ)アクリレート」に包含される。
【0021】
i)中のポリイソシアネートは、i)およびii)の反応生成物の、少なくとも5重量%、場合によって少なくとも10重量%、他の場合で少なくとも15重量%、ある状況では少なくとも20重量%、他の状況で少なくとも25重量%の量で存在する。また、i)中のポリイソシアネートは、i)およびii)の反応生成物の、70重量%まで、場合によって60重量%まで、他の場合で少なくとも50重量%まで、場合によっては少なくとも40重量%までの量で存在する。ポリイソシアネートは、上記の量の任意の値の間にある量または範囲で存在できる。
【0022】
本発明において、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の少なくとも10当量%、ある例で少なくとも25当量%、他の例で少なくとも50当量%、ある場合には少なくとも55当量%、他の場合には少なくとも60当量%はウレトジオン基の形態で存在する。
【0023】
本発明の態様において、イソシアネートi)は、構造R(NCO)のイソシアネートまたはその構造の化合物から誘導されるウレトジオン基を有する化合物であり、この式中、Rは、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基または7〜15個の炭素原子を有する芳香脂肪族基を示す。
【0024】
本発明の特別な態様において、ポリイソイソシアネートとしては、DESMODURTMN3400(Bayer MaterialScience(ペンシルベニア州ピッツパーグ)から市販のポリイソシアネート)が挙げられる。
【0025】
本発明のさらなる態様において、イソシアネートi)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン二量体/イソシアヌレート三量体が挙げられ、二量体と三量体との当量比は、20:80〜80:20であり、場合によっては30:70〜70:30、他の場合、60:40〜40:60、ある例では20:80〜60:40、他の例では40:60〜80:20である。
【0026】
1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレート(a)は、一般に式:
【化6】

[式中、nは1〜10、ある場合において1〜5、他の場合において1〜4、ある状況では2または3、他の状況では2〜4であり、Rは水素またはメチル基であり、Rは2〜10個、場合によって2〜6個、他の場合では2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基または置換アルキレン基を示し、1〜12個、場合によって1〜8個、他の場合には1〜6個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されていてよく、Rは、3〜8個、場合によって3〜6個、他の場合に4〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン基を示し、1〜12個、場合によって1〜8個、他の場合には1〜6個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されていてよい。]
で示される。
【0027】
本発明の特別な態様において、ヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートは、上記式において、n=2、Rは水素またはメチル、Rは2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、Rは3〜5個の炭素原子を有する直鎖アルキレン基である化合物である。
【0028】
1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートは、典型的には、少なくとも200、ある場合には少なくとも250、他の場合には少なくとも300の数平均分子量(Mn)を有する。また、ヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートのMnは、2000まで、ある場合には1500まで、他の場合には1250、別の場合には1000までであってよい。
【0029】
本明細書に記載される分子量は、ポリスチレンまたはスルホン化ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定できる。Mnの場合、かわりに、値は、技術分野で既知である滴定法を用いて官能基を滴定することによっても測定できる。
【0030】
本発明において、i)のイソシアネート基とii)のヒドロキシル基の当量比は、1:3〜3:1、ある場合には1:2〜2:1、他の場合には1:1.5〜1.5:1であってよい。本発明の態様において、イソシアネート当量に基づいて成分i)の量は、組成物中のヒドロキシ含有物質のヒドロキシ当量の量と本質的に等しい。
【0031】
本発明の1態様において、成分ii)は、さらに式:
【化7】

[式中、RおよびRは上記のとおりである。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能(メタ)アクリレートエステル(b)を含むことができる。
【0032】
(a)対(b)の重量比は、少なくとも1:10、ある場合には少なくとも1:7、他の場合には少なくとも1:6、ある例において少なくとも1:5、他の例において少なくとも1:3、ある状況において少なくとも1:2であってよい。また、(a)対(b)の重量比は、10:1まで、ある場合には7:1まで、他の場合には6:1まで、ある例において5:1まで、他の例において3:1まで、ある状況において2:1までであってよい。(a)対(b)の重量比は、上記の任意の値の間にある値または範囲であってよい。
【0033】
本発明の放射線硬化性被覆組成物は、場合によって、反応性希釈剤を含有できる。反応性希釈剤は、組成物の0〜40重量%、ある場合には0〜25重量%、他の場合には0.1〜40重量%、ある状況において0.5〜35重量%、他の状況において1〜35重量%、ある例において1〜25重量%で組成物中に存在してよい。
【0034】
あらゆる適した反応性希釈剤を、本発明の組成物で使用できる。適した反応性希釈剤としては、アルキルが1〜8個の炭素原子からなるアルキル基であるアルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明の放射線硬化性被覆組成物は、所望により、光開始剤も含有できる。光開始剤は、組成物の0〜10重量%、ある場合には0.1〜10重量%、他の場合には0.1〜5重量%、ある状況において0.5〜5重量%、他の状況において0.1〜3重量%、ある例において0.1〜2.5重量%で組成物中に存在してよい。
【0036】
あらゆる適した光開始剤を本発明の組成物で使用できる。適した光開始剤としては、モノアシルホスフィンオキシド(MAPO)、ビス−アシルホスフィンオキシド(BAPO)、α−ヒドロキシケトン、ベンジルジメチルケタール(BDK)、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、非限定的な例としては、ジフェノキシベンゾフェノン、ハロゲン化およびアミノ官能ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェノール−1−プロパノン、フルオレノン誘導体(例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン)、アントラキノン誘導体(例えば、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルノリノフェニル)ブタノン、ザントン(zanthone)誘導体(例えば、ハロゲン化アセトフェノン)、チオキサントン誘導体(例えば、芳香族化合物のスルホニルクロリド)、カンファーキノン、アシルホスフィンオキシド、ビス−アシルホスフィンオキシド、ベンジル、ベンズイミダゾール、ベンゾインエーテル(例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル)およびヒドロキシアルキルフェノン(例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン)が挙げられる。適した光開始剤としては、商品名DAROCURETMおよびIRGACURETMとしてCiba Specialty Chemicals Corp.(ニューヨーク州タリタウン)から市販されているものも挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明の組成物は、さらに溶媒または溶媒混合物を含みうる。溶媒は、組成物の重量に基づいて約5〜95重量%、ある場合には約10〜85重量%、他の場合には約15〜約75重量%、ある例において約20〜70重量%、他の例において約25〜65重量%で存在できる。
【0038】
硬化性被覆組成物に使用できる適した溶媒の非限定的な例としては、エーテルまたは炭素水素溶媒、エステル炭化水素溶媒が挙げられ、非限定的な例は、酢酸ブチルおよびアクリル官能基を有する酢酸ブチルであり、非限定的な例は、ヘキサンジオールジアクリレート、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルおよび1−メチル−2−ピロリドンである。
【0039】
本発明の態様において、放射線硬化性組成物は、
約15〜約60重量%、ある場合には約20〜約55重量%、他の場合には約25〜約50重量%のi)およびii)の反応生成物、
約10〜約25重量%、ある場合には約12.5〜約22.5重量%、他の場合には約15〜約20重量%の、アルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートから選択される反応性希釈剤(アルキルは、1〜8個の炭素原子のアルキル基である)、
約3〜約7重量%、ある場合には約3.5〜約6.5重量%、他の場合には約4〜約6重量%の1種または2種以上の上記光開始剤、および
約0〜約70重量%、ある場合には約20〜65重量%、他の場合には約40〜65重量%、ある例において約50〜約60重量%の溶媒または溶媒混合物を含む。
【0040】
本発明の組成物は、さらに被覆組成物で通常使用される他の添加剤を含むことができる。適した添加剤としては、光安定剤、UV吸収剤、酸化防止剤、充填剤、沈降防止剤、消泡剤、湿潤剤、流れ調節剤、チキソトロープ、反応性希釈剤、可塑剤、溶媒、増粘剤、顔料、染料、つや消し剤およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明は、上記の被覆組成物で基材の少なくとも一部分を被覆すること、および組成物を硬化させるのに十分な時間の間被覆した基材に放射線を暴露することを含んでなる被覆基材の製造方法も提供する。
【0042】
被覆組成物は、あらゆる種類の基材、例えば、木材、プラスチック、皮革製品、紙製品、繊維製品、ガラス、セラミック、石膏、メンソリー、金属およびコンクリートを被覆するために使用できる。これらは、標準的な方法、例えばスプレー塗装、スプレッド塗装、流し塗装、注型、浸漬塗装、ロール塗装によって塗布されうる。被覆組成物は透明であっても、着色されていてもよい。
【0043】
使用される不活性溶媒の蒸発後、被覆は、高エネルギー線、例えばUV光、電子線またはγ線によって、または過酸化物またはアゾ化合物の存在下での高温への加熱によって、または乾燥剤酸の金属塩および任意の(ヒドロ)過酸化物を用いて、高温でまたは室温または室温未満で硬化することによって、架橋されうる。被覆を、UV照射によって架橋する場合、光開始剤を被覆組成物に添加する。
【0044】
高温で被覆組成物を硬化する場合、硬化は、組成物重量に基づいて0.1〜10重量%、例えば0.1〜5重量%の開始剤、例えば過酸化物またはアゾ化合物の存在下で行わなければならない。80〜240℃、例えば120〜160℃の温度が、高温で被覆組成物を硬化するために必要とされる。
【0045】
適した開始剤としては、既知のラジカル開始剤、例えば脂肪族アゾ化合物、例えばアゾジイソブチロニトリル、アゾ−ビス−2−メチルバレロニトリル、1,1’−アゾ−ビス−1−シクロヘキサンニトリルおよびアルキル2,2’−アゾ−ビス−イソブチレート;対称性ジアシル過酸化物、例えば、アセチル、プロピオニルまたはブチリルパーオキシド、臭素、ニトロ、メチルまたはメトキシ基で置換されたベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド;対称性パーオキシジカーボネート、例えばジエチル、ジイソプロピル、ジシクロヘキシルおよびジベンゾイルパーオキシジカーボネート、tert-ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびtert-ブチルパーベンゾエート;ヒドロ過酸化物、例えばtert-ブチルヒドロパーオキシドおよびクメンヒドロパーオキシド;ジアルキル過酸化物、例えばジクミルパーオキシド、tert-ブチルクミルパーオキシドまたはジtert-ブチルパーオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本発明の被覆組成物は、乾燥剤および任意の(ヒドロ)過酸化物の存在下で、室温で硬化できる。適した乾燥剤は、既知であり、酸(例えば、亜麻仁油脂肪酸、牛脂油脂肪酸および大豆油脂肪酸、樹脂酸、例えばアビエチン酸およびナフテン酸、酢酸、イソオクタン酸および無機酸、例えば塩酸および硫酸)の金属塩、好ましくはコバルトおよびバナジウム塩が挙げられる。被覆組成物に溶解でき、乾燥剤として作用するコバルトおよびバナジウム化合物が特に適していて、上記の酸の塩が含まれる。乾燥剤は、金属含量が通常、エチレン性不飽和ポリウレタンの重量に基づいて0.0005〜1.0重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%になるような量で、有機溶液の形態で使用される。
【0047】
(ヒドロ)過酸化物の例としては、ジ−tert-ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、ジノニルパーオキシド、ビス−(4−tert-ブチルシクロヘキシル)−パーオキシジカーボネート、tert-ブチルヒドロキシパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−ヘキサン−2,5−ヒドロパーオキシドおよびジイソプロピルベンゼンモノヒドロパーオキシドが挙げられる。(ヒドロ)過酸化物は、好ましくはエチレン性不飽和ポリウレタンの重量に基づいて1〜10重量%の量で使用される。
【0048】
特に好ましい態様において、樹脂を、1種または2種以上の光開始剤と組み合わせ、混合し、所望により、溶媒で希釈する。配合物は、厚さ1〜15ミリを有する湿潤フィルムとして基材に塗布される。次いで、フィルムを硬化させるのに十分な時間、湿潤フィルムに放射線を照射する。
【0049】
この方法において、放射線は、UV線、可視光、電子線またはそれらの組み合わせであってよい。
【0050】
多くの場合において、放射線は少なくとも300nmの波長を有する。場合によって、放射線は約320nm〜450nmの波長を有する。
【0051】
得られた被覆フィルムは、強靱かつ可撓性のフィルムである。非限定的な例として、本発明によって提供される被覆フィルムは、少なくとも30秒、ある場合には少なくとも33秒、他の場合には少なくとも35秒の振子型硬度を有する。硬化被覆フィルムの振子型硬度は、ASTMD4366−95(Test Method A)(ケーニッヒ硬度計を用いる振り子減衰試験による有機被覆の硬度のための標準的な試験方法)を用いて測定できる。
【0052】
本発明は、上記の方法に従って被覆された基材も提供する。
【0053】
本発明を下記の実施例によってさらに説明する。以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明を限定するものではない。特記しない限り、全てのパーセントは重量%である。
【実施例】
【0054】
原料
ウレトジオン=DESMODURTM N3400ポリイソシアネート(Bayer MaterialScience(ペンシルバニア州ピッツバーグ)から市販)。ウレトジオン二量体/イソシアヌレート三量体の比約60/40当量/当量。イソシアネート当量=193。
PCHEA=TONETM M100(2−ヒドロキシエチルアクリレートのポリ(ε−カプロラクトン)エステル(DOW Chemical Corp.(ミシシッピ州ミッドランド)から市販))。ヒドロキシ当量=344。
HEA=ヒドロキシエチルアクリレート。ヒドロキシ当量=116。
HPA=ヒドロキシプロピルアクリレート。ヒドロキシ当量=130。
【0055】
[実施例1]
PCHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた3L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート719g(3.7当量)、PCHEA 1281g(3.7当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤10gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒2gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、5175mPa・秒であり、密度は、9.4lbs/galであった。
【0056】
[実施例2]
PCHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた2L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート360g(1.86当量)、PCHEA 641g(1.86当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒1gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、6094mPa・秒であり、密度は、9.4lbs/galであった。
【0057】
[実施例3]
PCHEAおよびHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた2L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート405g(2.1当量)、PCHEA 530g(1.54当量)、HEA 65g(0.56当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒1gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、5720mPa・秒であり、密度は、9.47lbs/galであった。
【0058】
[実施例4]
PCHEAおよびHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた2L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート419g(2.17当量)、PCHEA 497g(1.45当量)、HEA 84g(0.72当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒1gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、6310mPa・秒であり、密度は、9.48lbs/galであった。
【0059】
[実施例5]
PCHEAおよびHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた5L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート1938g(10当量)、PCHEA 2073g(6当量)、HEA 466g(4当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤22gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒1gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、7300mPa・秒であり、密度は、9.46lbs/galであった。
【0060】
[実施例6]
PCHEAおよびHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた5L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート215.4g(1.12当量)、PCHEA 230.3g(0.67当量)、HEA 52g(0.45当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤2.5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒0.25gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、5860mPa・秒であった。
【0061】
[実施例7]
PCHEAおよびHPAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた5L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート213g(1.1当量)、PCHEA 227.5g(0.66当量)、HPA 57.4g(0.44当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤2.5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒0.25gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、7150mPa・秒であった。
【0062】
[実施例8]
PCHEAおよびHEAのウレトジオン付加物の製造
攪拌機、ヒーター、滴下漏斗および酸素注入管を備えた2L丸底フラスコに、Desmodur N 3400 ポリイソシアネート565g(2.93当量)、PCHEA 144g(0.42当量)、HEA 291g(2.5当量)およびブチル化ヒドロキシトルエン安定剤5gを添加した。混合物を、均一になるまで攪拌し、ジブチル錫ジラウレート触媒0.1gを添加した。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で6時間保ち、イソシアネートが存在しないことを、IRスペクトルで確認した。粘度は、13600mPa・秒であり、密度は、9.48lbs/galであった。
【0063】
処方、硬化方法および試験
樹脂を、光開始剤DAROCURETM 4625(Ciba Specialty Chemicals Corp.(ニューヨーク州タリタウン))5phr(重量)および光開始剤IRGACURETM 184(Ciba Specialty Chemicals Corp.)1phr(重量)と組み合わせた。配合物を均一になるまで混合し、酢酸ブチルで85%固形分まで希釈した。配合物から、4ミル湿潤フィルム厚の延展棒を用いて、MEK往復摩擦評価のための冷間圧延スチルパネルおよび振子型硬度評価のためのガラスパネル上にフィルムを形成した。すべてのパネルを延展後30秒間フラッシュし、H&S Autoshot 400A Low Intensity UVA lamp(H & S Autoshot, Georgetown、ON)を用い、10インチのランプ距離で2分間硬化した。
【0064】
MEK往復摩擦は、数枚のチーズクロスで覆った2ポンド丸頭ハンマーを使用して行った。チーズクロスには、MEKを浸み込ませた。MEK湿潤ハンマーを、表面に対して90度の角度になるように、被覆表面においた。下向きの圧力を与えないで、ハンマーを、被覆の約4インチ長のエリアにかけて前後に動かした。1回の前後の動きを、1往復摩擦として数えた。各25往復摩擦後にMEKで布を浸した。ハンマーが基材を破壊しパネル表面に達したときに、終点とした。
【0065】
振子型硬度を、ASTMD4366−95(Test Method A)(ケーニッヒ硬度計を用いる振り子減衰試験による有機被覆の硬度のための標準的な試験方法)を用いて測定した。
【0066】
【表1】

【0067】
データは、本発明の放射線硬化性組成物が、過剰な量の反応性希釈剤を必要とせずに、望ましい粘度を有し、強靱かつ可撓性フィルムを提供することを示している。
【0068】
本発明を例示するために前記に詳しく説明したが、そのような説明は例示するものにすぎず、特許請求の範囲によって限定される以外は、本発明の意図および範囲を逸脱せずに当業者によってそれらに変更を加えうると理解されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)イソシアネート基の少なくとも10当量%がウレトジオン基の形態である1種または2種以上のポリイソシアネートと、
ii)約200〜約2000の数平均分子量を有し、式:
【化1】

[式中、nは1〜5の整数であり、
は、水素またはメチルであり、
は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン基または置換アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示し、
は、3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示す。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレート(a)
との反応生成物約5〜70重量%を含んでなり、
イソシアネート当量に基づいた成分i)の量は、組成物中のヒドロキシ含有物質のヒドロキシ当量の量と本質的に等しい放射線硬化性被覆組成物。
【請求項2】
ii)は、さらに、式:
【化2】

[式中、RおよびRは上記のとおりである。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能(メタ)アクリレートエステル(b)を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルキル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種または2種以上の反応性希釈剤0〜約40重量%を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
さらに、1種または2種以上の光開始剤約0.1〜約10重量%を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
さらに、組成物重量に基づいて約5〜約95重量%の溶媒または溶媒混合物を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
(a)対(b)の重量比が約1:10〜約10:1である請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
i)とii)の反応生成物約15〜約60重量%、
アルキル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートからなる群から選択される反応性希釈剤約10〜約25重量%
1種または2種以上の光開始剤約3〜約7重量%、および
溶媒または溶媒混合物約40〜約70重量%
を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
該イソシアネートi)が構造R(NCO)のイソシアネートまたは該構造の化合物から誘導されるウレトジオン基を有する化合物であり、Rは、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基または7〜15個の炭素原子を有する芳香脂肪族基を示す請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
該イソシアネートi)がヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン二量体/イソシアヌレート三量体であり、二量体と三量体の当量比が20:80〜80:20である請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
該ヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートは、
式中、n=2、
は水素またはメチルであり、
は2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
は3〜5個の炭素原子を有する直鎖アルキレン基である
請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
基材の少なくとも一部分を被覆組成物で被覆することおよび組成物を硬化するために十分な時間の間被覆組成物を放射線に暴露することを含んでなる被覆基材の製造方法であって、被覆組成物が、
i)イソシアネート基の少なくとも50当量%がウレトジオン基の形態である1種または2種以上のポリイソシアネート、および
ii)約200〜約2000の数平均分子量を有し、式:
【化3】

[式中、nは1〜5の整数であり、
は、水素またはメチルであり、
は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン基または置換アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示し、
は、3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキレン基(1〜12個の炭素原子を有する1つまたは2つ以上のアルキル基で置換されうる)を示す。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレート(a)
との反応生成物約5〜70重量%を含んでなり、
イソシアネート当量に基づいた成分i)の量は、組成物中のヒドロキシ含有物質のヒドロキシ当量の量と本質的に等しい方法。
【請求項12】
ii)が、さらに、式:
【化4】

[式中、RおよびRは上記のとおりである。]
で示される1種または2種以上のヒドロキシ官能(メタ)アクリレートエステル(b)を含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
被覆組成物が、アルキル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種または2種以上の反応性希釈剤0〜約40重量%を含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
被覆組成物が、さらに、1種または2種以上の光開始剤約0.1〜約10重量%を含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項15】
被覆組成物が、さらに、組成物重量に基づいて約5〜約95重量%の溶媒または溶媒混合物を含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項16】
(a)対(b)の重量比が約1:10〜約10:1である請求項12に記載の方法。
【請求項17】
被覆組成物が、i)とii)の反応生成物約15〜約60重量%、
アルキル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ(メタ)アクリレートからなる群から選択される反応性希釈剤約10〜約40重量%
1種または2種以上の光開始剤約3〜約7重量%、および
溶媒または溶媒混合物約40〜約70重量%
を含んでなる請求項11に記載の方法。
【請求項18】
該イソシアネートi)が構造R(NCO)のイソシアネートまたは該構造の化合物から誘導されるウレトジオン基を有する化合物であり、Rは、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、6〜15個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基または7〜15個の炭素原子を有する芳香脂肪族基を示す請求項11に記載の方法。
【請求項19】
該イソシアネートi)がヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン二量体/イソシアヌレート三量体であり、二量体と三量体の当量比が50:50〜70:30である請求項11に記載の方法。
【請求項20】
該ヒドロキシ官能ラクトンエステル(メタ)アクリレートは、
式中、n=2、
は水素またはメチルであり、
は2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
は3〜5個の炭素原子を有する直鎖アルキレン基である
請求項11に記載の方法。
【請求項21】
該放射線が、紫外線、可視光および電子ビーム線から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項22】
該放射線が、少なくとも300nmの波長を有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該放射線が、約320nm〜約450nmの波長を有する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
請求項11に記載の方法に従って被覆された基材。

【公開番号】特開2006−117944(P2006−117944A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308105(P2005−308105)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】