説明

エアゾール製品の噴射機構

【課題】簡易な構成にして、噴射ノズルの先端部が回動しないものを提供する。
【解決手段】内側部材10と外側部材20の2つの部材からなる。内側部材10はステムsと係合する係合部11を有し、この係合部11は上下方向の導通路から更に略水平に延長する噴射ノズル14の開口部に連続する。後方側には可撓性を有する延長接続部19が形成され、この先端にトリガーレバー20が設けられる。このトリガーレバーを前方に180度反転させ、噴射ノズル14を挿通させ組み立てる。外側部材30は下方の筒状基端部31がマウンテンカップ上端縁に固定される。トリガーレバー20の上端部分にスライド部28が形成され、トリガーレバー20を後方に引くことにより、前記スライド部28が後方に移行する。スライド部28の下向き突出部27が後方へ移行することにより、上下導通路の上方に形成された上向き凸部17を押圧し、噴射ステムsが押し込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール製品の上端部に取り付ける噴射機構の改良に関し、とりわけトリガー形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のトリガー式噴射機構としては、トリガーレバーの駆動部に金属製のバネを内蔵したものが存在していた。
これらの例として、下記特許文献1及び2を挙げることができる。
しかし、この金属製バネを内蔵したものは、その構造が複雑となり、その上、バネと接触する樹脂部分の磨耗が生じ、機能不良や破損等が起き易かった。
また、リサイクルする際も内部まで分解しなければ分別が出来ず、廃棄の際にも多くの問題となっていた。
【0003】
そこで、最近においては、金属製バネを使用せずに、合成樹脂のみの回動式又は揺動式のものが市場に出回っている。
下記特許文献3及び4は、これら回動式或は揺動式のタイプのものである。
これらの回動式等のものは、トリガーレバーの後方側(噴射方向と反対側)の端部で回動自在に枢着されているものである。
【特許文献1】特開2000−255653号公報
【特許文献2】特開2000−255652号公報
【特許文献3】特開2006−312169号公報
【特許文献4】特開2006−89091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記樹脂製トリガー式の噴射機構においては、その後方側(噴射ノズルと反対側)の根元部側を支点とした回動式或は揺動式のものであるために、エアゾール製品の噴射ノズルも回動してしまうという問題が残っていた。
即ち、通常の押しボタン式のものであれば、多少は上下平行移動するものの、略水平方向に噴射或は噴霧することができるのであるが、上記従来の回動式等の場合には、その噴射方向の角度が上下に揺動してしまう、即ち、噴射ノズルが云わばおじぎをしてしまうのである。
【0005】
更に、この従来の回動式のものにおいては、噴射ノズルがおじぎをするばかりでなく、エアゾール製品の上端部に設けられた噴射ステムを押圧する際に、トリガーレバーを引くと、根元部の回動軸部を中心として回動又は揺動するために、上記ステムを上下方向に垂直に押し込むことができない。即ち、ステムを押圧する部分が垂直下方に移行するのでなく、円弧状に押し込むこととなる。
その結果、ステムとこれに接続する係合部の気密性、液密性が損なわれて、容器内部の薬液が漏れるという問題もあったのである。
【0006】
そこで、本発明においては、金属製バネを使用せずに構造簡易なものにして、且つ噴射ノズルも押しボタン式のものと同様に、上下平行移動のみの動きで、その噴射ノズルの先端の角度が回動しないもの、つまりおじぎをしないものを提供することをその課題としている。
また同時に、上述した通り、上記のおじぎ動作により、エアゾール製品の噴射ステムからの内部薬液の漏れをもより完全に防止することも本発明の課題である。
更に、製品の輸送時或は搬送時に内部薬液が噴出したり、漏れたりしないようなロック手段を講じること、或は、トリガーレバーの操作に伴い、噴射ステムの的確な押圧を実現することも本発明の課題である。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、エアゾール製品の容器上端部に位置する噴射ステムに係合する内側部材と、容器上端のマウンテンカップ又は容器上縁の略環状縁部に係合する外側部材の2つの構成部材からなり、内側部材には、上記噴射ステムに係合する係合部と、この係合部から上下方向に導通する導通路が形成され、この導通路は、略直角に前方方向に折曲して略水平に延長する噴射ノズルの開口部(連続し、この内側部材の噴射ノズルの反対側の後方側には可撓性を有する延長接続部が形成され、この延長接続部の先端部にはトリガーレバーが上下逆様の状態に形成され、このトリガーレバーには窓部が形成され、このトリガーレバーを前方側に180度反転させ、前記窓部に噴射ノズルの先端部を挿通させることによりこの内側部材が組み立てられ、外側部材は、下方部分の筒状基端部の下端が上記マウンテンカップ又は容器上端の略円環状縁部と係合固定することができ、その上方部分の内部に上記内側部材を収納することができ、この外側部材の前方及び後方壁面には透孔窓部が形成されて、この前方の透孔窓部から前記内側部材の噴射ノズルとトリガーレバーとが外部に露出することができ、その後方の透孔窓部からは前記内側部材の延長接続部が外部に露出することができ、内側部材のトリガーレバーの上端部分に、外側部材の天井部の下側に形成された案内部と適合するスライド部が形成されていることにより、トリガーレバーを後方に引くことにより、前記スライド部が前記案内部に案内されて後方に移行することができ、前記スライド部の下側には下向き突出部が形成され、この突出部がスライド部の後方へ移行することにより、上下方向の前記導通路の上方に形成された上向き凸部を押圧することとなり、これにより噴射ステムが押し込まれることを特徴とするエアゾール製品の噴射機構である。
【0008】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、使用開始前には、前記案内部の後方端部に形成された下向き突起からなるストッパーがトリガーレバー上端部に形成されたスライド部の後方への移行を阻止し、使用開始時にこのストッパー部を除去することにより、スライド部のロックが解除されることを特徴とするエアゾール製品の噴射機構である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1のものにおいては、先ず第一に、内側部材と外側部材との2つの構成部材を合体させ、簡単にエアゾール製品の上端部に組み付け、固定することができる。
トリガーレバーを後方に引くと、後方の可撓性或は靭性を有する延長接続部がトリガー上端部のスライド部の移行を滑らかに許容することができ、スライド部の下面に設けられた下向きの突出部がステムの上方の導通路の上部に形成された上向き凸部を良好に押し込むことができ、的確にステムを下方に押し込み、且つ、噴射ノズルは、単に下方向に平行移動するだけで、おじぎをすることなく、水平方向にエアゾール製品の内部薬液を確実に外部に噴射することができるのである。
上記の構成を採用することにより、エアゾール製品の上端噴射ステムを上下方向直線的に押し込むことができるために、内部薬液の漏れを抑止することができる。
【0010】
トリガーの上端部に設けられたスライド部も、外側部材の天井部下側の案内部に良好に案内され、水平移行動作を極めて良好に行うことができる。
この際にも、後方の可撓性を有する延長接続部の構成が重要であり、このスライド部の水平方向への変位をこの接続部が可能にしている。
実際には、内側部材も外側部材も、合成樹脂によりそれぞれ一体的に成形されているのであるが、この内側部材の延長接続部は、いわば帯状に薄く形成することにより、その可撓性ないしは靭性という機能を生み出させているのである。
【0011】
本発明の第2のものにおいては、上記第1の発明の効果に加えて、外側部材の天井部の下側に形成されている案内部の後方端部にストッパーを形成したことにより、製品の搬送時或は輸送時において、内側部材のスライド部の後方側への移行を阻止することができ、エアゾール製品の内容薬液を噴出させたり、漏洩させたりすること防止できる。
エアゾール製品の使用開始時に、使用者は、このストッパーを千切り取ることにより、そのストッパーのロックを解除して使用開始するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付の図面とともに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内側部材を図示する縦断面説明図であって、その(A)が全体を広げた状態を図示し、その(B)がトリガーレバーを前方に180度反転させて噴射ノズルの下方に配置させた状態を図示している。
この内側部材10は、その全体が合成樹脂から成形された一体ものからなる。
【0013】
11が図示はしていないエアゾール製品の上端部に配置する噴射ステムに係合する係合部であって、この係合部11から上方に向かって導通路12が形成されている。その導通路12の上端部は、前方(噴射ノズルの方向)に直角に折曲して水平導通路13を形成し、この水平導通路13の先端が、噴射ノズル14の開口部15に接続している。
導通路12の上端の外表面には上方に突出する凸部17が形成されている。この凸部17の機能は後に説明する。
【0014】
係合部11の図中右側(後方側)には、内側部材の本体部18が設けられ、この本体部18の後方から略水平に帯状の肉厚の薄い延長接続部19が延長している。
この延長接続部19は、その材質及び肉厚により適当な可撓性或は靭性を有している。
この延長接続部19の図中右端(後方端)にトリガーレバー20が上下逆様の状態に接続している。
【0015】
21は、このトリガーレバー20に設けられた窓部であり、トリガーレバー20を反時計回りに前方方向矢印Fのように180度回転させて、図中左端の噴射ノズル14を挿通させることができる。
図1(A)において、このトリガーレバー20の下方部で、延長接続部19との接続部位の内側には、突出部27が形成されており、その図中下側の外側部分にはスライド部28(図中格子模様を付加した部分)が形成されている。
これらの突出部27及びスライド部28の機能は後に説明する。
【0016】
図1(B)が上記トリガーレバー20を反時計回りに180度回転して、その窓部21に噴射ノズル14の先端部分を挿通させた状態を図示している。
延長接続部19は、可撓性を有しているために、トリガーレバー20を反時計回りに180度回転させても何ら問題なく、トリガーレバー20が前後方向Dに変位することをも許容できる。それ故、トリガーレバー20の窓部21内に噴射ノズル14を容易に挿通させることができる。
【0017】
この図(B)のように内側部材10を組み付けて、後に説明する外側部材の内部に組み込むのである。
この状態で、突出部27と凸部17とは、対面した状態となっている。また、スライド部28は、内側部材10の最上部に位置することとなる。図では明瞭に判別できないが、平面視横長の略長方形(細長帯状)の形状を有している。
また、噴射ノズル14の外形形状は、円筒形状でも、角筒形状でもよく、適宜必要に応じて設計することができる。
【0018】
図2は、前記内側部材に外側部材を組み付けた状態を示す説明図であり、その(A)が平面図、その(B)が透視縦断面説明図である。
外側部材30は、その根本側でエアゾール製品のマウンテンカップの上端部の円環状縁部に嵌合する筒形状の筒状基端部31とその上方に形成された略箱形形状の内側部材を収納する収納ハウジング32とから形成される。
筒状基端部31の内側には、エアゾール製品のマウンテンカップの円環状縁部と係合固定できる係合突出部34が4箇所に形成されている。
【0019】
上方の収納ハウジング32の前方と後方には、透孔窓部35、35が形成され、この前方の透孔窓部35から内側部材10が収納されることとなる。
収納の際には、収納ハウジング32の天井部36の下面両側に形成された案内部としてのガイド38、38…に、内側部材10の最上部に形成されているスライド部28を嵌め込むようにスライドさせて適合させる。ガイド38は、両側に3つずつ形成され、スライド部28を抱持できるように形成されている。
勿論、このガイド38の構造も全く自由に設計することができ、スライド部28を水平方向に往復動させることができるような構成であれば、どのようの構造であってもよい。
【0020】
図2(B)において、判別し難いが、天井部36の後方の下面には、ストッパーとしての下向きの突起39が形成されている。
この突起39の存在により、内側部材10を外側部材30に組み付け、収納させたときには、スライド部28は、この突起39の存在により、後方方向には移動させることができないように構成している。
【0021】
従って、この噴射機構を使用する際は、外側部材30の天井部36の後方のストッパー部切取部40の部分を切り取り、ストッパー39を除去して、使用開始できるわけである。
このストッパー部切取部40を切り取り、トリガーレバー20を後方に引き寄せると、トリガーレバー20の上端部下面に形成されている突出部27も後方に移行し、導通路12の上方に形成された凸部17を下方に押し込むこととなる。
【0022】
これにより、エアゾール製品の上端部に位置する噴射ステムが下方に押し込まれ、内容薬液が噴射され、導通路12、13を通って噴射ノズル14の開口部15から外部に噴射されるのである。
上記の機構から解る通り、トリガーレバー20が後方に引き寄せられると、上下方向の導通路12の上端部が下方に押し込まれるために、噴射ノズル14は、回動することなく、水平状態のままに少し下方に平行移動するのみで、水平方向への噴射が可能となるのである。
この構成によりステムからの液漏れが防止されるのである。
【0023】
図3は、上記内側部材と外側部材とが組み付けられた本発明に係る噴射機構をエアゾール製品の容器に固定した状態を図示する説明図である。
図4は、同じく本発明に係る噴射機構をエアゾール製品の容器に固定し、且つ内容薬液を噴射している状態を図示する説明図である。
これら両図により、エアゾール製品Pへの固定と、噴射作用について説明する。
【0024】
上記した通り、内側部材10と外側部材30とが組み合わされて、これをエアゾール製品に取り付けるのであるが、外側部材30の下方の筒状基端部31をエアゾール製品Pの上端部のマウンテンカップcの上端の円環状縁部eに嵌めこんで固定する。
その際に筒状基端部31の内側に設けられた4つの係合突出部34が良好に上記円環状縁部eを抱持し、固定することができる。
【0025】
そして同時に、内側部材の係合部11がマウンテンカップc中央上端に位置する噴射ステムsと係合して、固定される。
以上で本発明に係る噴射機構がエアゾール製品に取り付けられ、固定される。
次に、外側部材30の天井部36の後方部分に位置するストッパー部切取部40を手で引き千切り、下面に設けられたストッパーとしての下向きの突起39を除去するのである。
これにより、内側部材10のスライド部28の前後方向の変位が可能となり、トリガーレバー20の操作も可能となる。
【0026】
この状態で、トリガーレバー20を矢印Tの方向に押し込むと、スライド部28が後方に移行し、これに伴ってその下面に設けられた突出部27が凸部17を押し込み、これにより噴射ステムsも下方に押し込まれ、エアゾール製品内部の薬液が、導通路12、13を通過して噴射ノズル14の開口部15から外部に噴射されることとなる。
この際に、先にも説明した通り、噴射ノズル14は、その角度を変更することなく、水平状態を維持しつつ、薬液の噴射を実行することができるのである。
【0027】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその形態を変更することができる。
構成部材の個々の部位の形状、大きさ等は適宜必要に応じて設計変更することができる。
内側部材と外側部材の合体も、上記の実施形態のように、外側部材の前方透孔窓部からでなく、後方窓部から内側部材を組み入れることも可能である。
【0028】
トリガーレバーの形状も全く自由で、要はそれに窓部を形成して、噴射ノズルを挿通できればどのような形状でもよい。
トリガーレバーの上端に設けたスライド部も、その表面に所謂樹脂ベアリングと呼ばれているウエアテープ(UHMW:超高分子量ポリエチレン)等を貼着してもよいし、その形状も自由に設計することができる。
【0029】
スライド部を案内する案内部としてのガイドも、種々の形態のものを採用することができ、上記実施形態のように、スライド部を抱持するものでなく、単にスライドする両側をガイドする突起部から形成することも可能である。
相互に作用する下方に突出する突出部や上方に突出する凸部の形態も全く自由に設計することが出来、前者が後者に作用して、後者が下方に押し込まれる形状を有し、その機能が良好に発揮される位置に設けることができれば、どのような形態のものをも採用することができる。
【0030】
外側部材の外形形状も、その筒状基端部をエアゾール容器の上端部の適宜部位に係合、固定できる形状とし、それ以外の上方の形状は適宜必要に応じて種々変更することができる。
内側部材及び外側部材の材質も合成樹脂から自由に選択することができ、延長接続部がその肉厚により適宜必要な可撓性と靭性を発揮できるものであれば、どのような材質でも使用可能である。
また、その材質も透明或は半透明のものを採用することもでき、更には、内側部材と外側部材とを異なる色合いに配色することにより、ツートーンの極めて特徴的な外観を発揮させることもできる。
【0031】
上記実施形態では、本発明の噴射機構の外側部材をマウンテンカップの上縁のカシメ円環状縁部に取り付けているが、エアゾール缶の本体部の外径が小さい場合は、マウンテンカップでなく、エアゾール缶本体部の上縁カシメ縁に取り付けることも勿論可能である。
以上、本発明は、2つの主要な構成部材を用いて、これら両者を合体させることにより金属製バネを用いることもなく、しかも噴射ノズルが上下方向に回動しない、即ちおじぎをしない、液漏れのないトリガー形式の噴射機構を提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る内側部材を図示する縦断面説明図であって、その(A)が全体を広げた状態を図示し、その(B)がトリガーレバーを前方に180度反転させて噴射ノズルの下方に配置させた状態を図示している。
【図2】本発明の実施形態に係る内側部材に外側部材を組み付けた状態を示す説明図であって、その(A)が平面図、その(B)が透視縦断面説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る内側部材と外側部材とが組み付けられた噴射機構をエアゾール製品の容器に固定した状態を図示する説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る噴射機構をエアゾール製品の容器に固定し且つ内容薬液を噴射している状態を図示する説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 内側部材
11 係合部
12、13 導通路
14 噴射ノズル
15 開口部
17 凸部
19 延長接続部
20 トリガーレバー
21 窓部
27 突出部
28 スライド部
30 外側部材
31 筒状基端部
32 収納ハウジング
34 係合突起部
35 透孔窓部
36 天井部
38 ガイド
39 突起(ストッパー)
40 ストッパー部切取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール製品の容器上端部に位置する噴射ステム(s) に係合する内側部材(10)と、容器上端のマウンテンカップ(c) 又は容器上縁の略環状縁部(e) に係合する外側部材(30)の2つの構成部材からなり、
内側部材(10)には、上記噴射ステム(s) に係合する係合部(11)と、この係合部(11)から上下方向に導通する導通路(12)が形成され、この導通路(12)は、略直角に前方方向に折曲して略水平に延長する噴射ノズル(14)の開口部(15)に連続し、この内側部材(10)の噴射ノズル(14)の反対側の後方側には可撓性を有する延長接続部(19)が形成され、この延長接続部(19)の先端部にはトリガーレバー(20)が上下逆様の状態に形成され、このトリガーレバー(20)には窓部(21)が形成され、このトリガーレバー(20)を前方側に180度反転させ、前記窓部(21)に噴射ノズル(14)の先端部を挿通させることによりこの内側部材(10)が組み立てられ、
外側部材(30)は、下方部分の筒状基端部(31)の下端が上記マウンテンカップ(c) 又は容器上端の略円環状縁部(e) と係合固定することができ、その上方部分の内部に上記内側部材(10)を収納することができ、この外側部材(30)の前方及び後方壁面には透孔窓部(35)が形成されて、この前方の透孔窓部(35)から前記内側部材(10)の噴射ノズル(14)とトリガーレバー(20)とが外部に露出することができ、その後方の透孔窓部(35)からは前記内側部材(10)の延長接続部(19)が外部に露出することができ、
内側部材(10)のトリガーレバー(20)の上端部分に、外側部材(30)の天井部(36)の下側に形成された案内部(38)と適合するスライド部(28)が形成されていることにより、トリガーレバー(20)を後方に引くことにより、前記スライド部(28)が前記案内部(38)に案内されて後方に移行することができ、
前記スライド部(28)の下側には下向き突出部(27)が形成され、この突出部(27)がスライド部(28)の後方へ移行することにより、上下方向の前記導通路(12)の上方に形成された上向き凸部(17)を押圧することとなり、これにより噴射ステム(s) が押し込まれることを特徴とするエアゾール製品の噴射機構。
【請求項2】
使用開始前には、前記案内部(38)の後方端部に形成された下向き突起からなるストッパー(39)がトリガーレバー(20)上端部に形成されたスライド部(28)の後方への移行を阻止し、使用開始時にこのストッパー(39)を除去することにより、スライド部(28)のロックが解除されることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品の噴射機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−214927(P2009−214927A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63406(P2008−63406)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(500214750)株式会社中央ハイテック (5)
【Fターム(参考)】