説明

エアダンパー装置

【課題】エアダンパー装置を、最小の部品点数をもって適切に構成できるようにする。
【解決手段】ロッド内端10をピストン部12としたロッド体1と、このロッド体1を往復動可能に納めるシリンダー体2とからなると共に、ピストン部12とシリンダー体2の内奥部20との間に形成される空間3と外部とを連絡する通気部4をロッド体1の前進時に絞ってロッド体1の前進に所用の抵抗を付与するように、又は、ピストン部12とシリンダー体2の内奥部20との間に形成される空間3と外部とを連絡する通気部4をロッド体1の後退時に絞ってロッド体1の後退に所用の抵抗を付与するように構成されたエアダンパー装置であって、前記ロッド体1の最大後退位置において突き当たり合う当接部及び被当接部のいずれか一方をロッド体1に形成し、これらの他方をシリンダー体2に形成して、シリンダー体2からのロッド体1の脱落を阻止するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロッド内端をピストン部としたロッド体と、このロッド体を往復動可能に納めるシリンダー体とからなり、少なくともこれらのいずれか一方の側を制動対象物に連係させることにより、かかる制動対象物の移動又は相対的な移動に制動力を付与するエアダンパー装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダー、ピストン部を備えたロッド及びシリンダーの開口に嵌められるキャップから構成されるエアダンパーがある。(特許文献1参照)このエアダンパーでは前記ピストン部によるシリンダー内の空気室の空気の圧縮により生じる抵抗を前記ロッドを通じて制動対象物に作用するようになっている。しかるに、かかるエアダンパーにあっては、前記ロッドを通す貫通口を備えたキャップをシリンダーの開口に嵌め付けることで、かかるシリンダーとロッドとを組み合わせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−103270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のエアダンパー装置を、最小の部品点数をもって適切に構成できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、エアダンパー装置を、ロッド内端をピストン部としたロッド体と、このロッド体を往復動可能に納めるシリンダー体とからなると共に、ピストン部とシリンダー体の内奥部との間に形成される空間と外部とを連絡する通気部をロッド体の前進時に絞ってロッド体の前進に所用の抵抗を付与するように、又は、ピストン部とシリンダー体の内奥部との間に形成される空間と外部とを連絡する通気部をロッド体の後退時に絞ってロッド体の後退に所用の抵抗を付与するように構成されたエアダンパー装置であって、前記ロッド体の最大後退位置において突き当たり合う当接部及び被当接部のいずれか一方をロッド体に形成し、これらの他方をシリンダー体に形成して、シリンダー体からのロッド体の脱落を阻止するようにしているものとした。かかる構成によれば、エアダンパー装置を、ロッド体とシリンダー体の2パーツから適切に構成することができる。前記当接部及び被当接部の一方をロッド体及びシリンダー体の一方に形成されたロッド体の移動方向に沿った溝部の一方溝端とし、当接部及び被当接部の他方をロッド体及びシリンダー体の他方に備えられてこの溝部に案内される被案内部とすることが、好ましい態様の一つとされる。
【0006】
被案内部を、シリンダー体の開口側にあって、屈曲されてロッド体に形成された溝部に納められた爪状体として構成すれば、ロッド体の前後動は溝部によって爪状体を案内することで円滑になされる。ロッド体のピストン部をシリンダー体内に留めたロッド体の最大後退位置において爪状体は溝部の一方溝端に突き当たりシリンダー体からのロッド体の脱落が防止される。
【0007】
被案内部を、シリンダー体の開口側にあって、シリンダー体内へのロッド体の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してロッド体に形成された溝部に入り込む弾性係止体として構成すれば、ロッド体の前後動は溝部によって弾性係止片を案内することで円滑になされる。ロッド体のピストン部をシリンダー体内に留めたロッド体の最大後退位置において弾性係止体は溝部の一方溝端に突き当たりシリンダー体からのロッド体の脱落が防止される。
【0008】
被案内部を、ロッド体の外端側にあって、シリンダー体内へのロッド体の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してシリンダー体に形成された溝部に入り込む弾性係止体として構成すれば、ロッド体の前後動は溝部によって弾性係止片を案内することで円滑になされる。ロッド体のピストン部をシリンダー体内に留めたロッド体の最大後退位置において弾性係止体の溝部の一方溝端に突き当たりシリンダー体からのロッド体の脱落が防止される。
【0009】
被案内部を、シリンダー体の開口側においてこのシリンダー体の直径方向両側にそれぞれ設けられた貫通孔と、ロッド体をその直径方向において貫通する溝部とに通されてピン両端を前記貫通孔に圧着させたピン体として構成すれば、ロッド体の前後動は溝部によってピン体の中間部を案内することで円滑になされる。ロッド体のピストン部をシリンダー体内に留めたロッド体の最大後退位置においてピン体の中間部は溝部の一方溝端に突き当たりシリンダー体からのロッド体の脱落が防止される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、エアダンパー装置を、最小の部品点数をもって適切に構成することができ、したがって、そのアセンブリも容易となり、この種のエアダンパー装置を低廉に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は第一例にかかるエアダンパー装置の分解斜視図である。
【図2】図2は第一例にかかるエアダンパー装置の断面図である。
【図3】図3は第二例にかかるエアダンパー装置の分解斜視図である。
【図4】図4は第二例にかかるエアダンパー装置の斜視図である。
【図5】図5は第三例にかかるエアダンパー装置の分解斜視図である。
【図6】図6は第三例にかかるエアダンパー装置の斜視図である。
【図7】図7は第四例にかかるエアダンパー装置の分解斜視図である。
【図8】図8は第四例にかかるエアダンパー装置の断面図である。
【図9】図9は実施の形態にかかるエアダンパー装置の通気部を示した要部断面構成図であり、a図はロッド体がシリンダー体から引き出されているときの様子を、b図はロッド体がシリンダー体に押し込まれているときの様子を、それぞれ示している。
【図10】図10は実施の形態にかかるエアダンパー装置の通気部の他の構成例を示した要部断面構成図であり、a図はロッド体がシリンダー体に押し込まれているときの様子を、b図はロッド体がシリンダー体から引き出されているときの様子を、それぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図10に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるエアダンパー装置は、ロッド内端10をピストン部12としたロッド体1と、このロッド体1を往復動可能に納めるシリンダー体2とからなり、少なくともこれらのいずれか一方の側を制動対象物に連係させることにより、かかる制動対象物の移動又は相対的な移動に制動力を付与するものである。
【0013】
かかるエアダンパー装置は、ピストン部12とシリンダー体2の内奥部20との間に形成される空間3(圧力室)と外部とを連絡する通気部4をロッド体1の前進時に絞ってロッド体1の前進に所用の抵抗(前記制動力)を付与するように構成される。あるいはまた、かかるエアダンパー装置は、ピストン部12とシリンダー体2の内奥部20との間に形成される空間3(圧力室)と外部とを連絡する通気部4をロッド体1の後退時に絞ってロッド体1の後退に所用の抵抗(前記制動力)を付与するように構成される。
【0014】
従って、かかるエアダンパー装置は、例えば、前記ロッド体1側を可動体としての制動対象物(図示は省略する。)に取り付けさせ、前記シリンダー体2側をこの可動体を移動可能に支持する固定体(図示は省略する。)に取り付けさせて用いれば、制動対象物の移動によりロッド体1を移動させてこの制動対象物の移動に前記制動力を付与することができる。
【0015】
また、かかるエアダンパー装置は、例えば、前記ロッド体1側を可動体としての制動対象物に取り付けさせ、前記シリンダー体2側を別の可動体としての制動対象物に取り付けさせて用いれば、二つの制動対象物の互いに近づく向きの、あるいは、離れ出す向きの移動により、ロッド体1とシリンダー体2の双方を移動させて二つのこの制動対象物の移動にそれぞれ前記制動力を付与することができる。
【0016】
図示の例では、シリンダー体2は、筒一端を開放させて開口21とし、筒他端を閉塞して内奥部20とした円筒状をなすように構成されている。
【0017】
一方、図示の例では、ロッド体1は、シリンダー体2の内径と略等しい外径を有する丸棒状をなすように構成されている。ロッド体1の一端がピストン部12となっており、ロッド体1はこの一端をロッド内端10として前記開口21からシリンダー体2内に差し込まれてかかるシリンダー体2と組み合わされている。
【0018】
ピストン部12は、ロッド体1の中心軸に直交するロッド内端面13よりも後方においてその外面部12fに刻設状に形成されたロッド体1の中心軸を周回する周回溝12aを備えている。この周回溝12aには、シールリング5が嵌め込まれている。
【0019】
周回溝12aの溝底とシリンダー体2の内面22との間の距離はシールリング5の直径よりもやや小さくなっており、これによりこのシールリング5によってピストン部12の外面部12fとシリンダー体2の内面22との間が、後述の通気部4の箇所以外の箇所において気密状態にシールされるようになっている。一方、周回溝12aの幅はシールリング5の直径よりも大きくなっており、シールリング5は、シリンダー体2の前進時には周回溝12aにおけるロッド体1のロッド外端11側に位置される後溝壁12bに押しつけられてシールリング5と周回溝12aの前溝壁12cとの間には隙間が形成され、(図9(b)、図10(a))かつ、シリンダー体2の後退時には周回溝12aの前溝壁12cに押しつけられてシールリング5と周回溝12aの後溝壁12bとの間には隙間が形成されるようになっている。(図9(a)、図10(b))
【0020】
また、周回溝12aの一部には、前記通気部4が形成されている。通気部4においては、周回溝12aの溝幅は他の箇所よりも広くなっている。また、通気部4においては、その幅方向略中程の位置を挟んだ一方側において溝底を他の箇所よりもやや下方に位置させており、(以下、通気部4におけるこの一方側の溝底を第一底部12dと称する。)また、その幅方向略中程の位置を挟んだ他方側において溝底を前記一方側の溝底よりも下方に位置させている。(以下、通気部4におけるこの他方側の溝底を第二底部12eと称する。)したがって、ロッド体1のピストン部12とシリンダー体2の内奥部20との間の空間3と、外部とは、かかる通気部4によって、常時連通されている。
【0021】
図9に示される例では、通気部4における第二底部12eが前記空間3側に位置され、かつ、第一底部12dが前記外部側に位置されている。そして、ロッド体1が後退するときはシールリング5の内端50が第二底部12e側に位置され、(図9(a))一方、ロッド体1が前進するときはシールリング5の内端50が第一底部12d側に位置されるようになっている。(図9(b))したがって、この図9に示される例で、ロッド体1が前進するときは通気部4が絞られ、ロッド体1が後退する場合に比し、ロッド体1の前進に大きな力が必要とされ、これにより前記所用の抵抗が生じるようになっている。
【0022】
一方、図10に示される例では、通気部4における第一底部12dが前記空間3側に位置され、かつ、第二底部12eが前記外部側に位置されている。そして、ロッド体1が前進するときはシールリング5の内端50が第二底部12e側に位置され、(図10(a))一方、ロッド体1が後退するときはシールリング5の内端50が第一底部12d側に位置されるようになっている。(図10(b))したがって、この図10に示される例で、ロッド体1が後退するときは通気部4が絞られ、ロッド体1が前進する場合に比し、ロッド体1の後退に大きな力が必要とされ、これにより前記所用の抵抗が生じるようになっている。
【0023】
また、この実施の形態にかかるエアダンパー装置にあっては、前記ロッド体1の最大後退位置において突き当たり合う当接部及び被当接部のいずれか一方をロッド体1に形成し、これらの他方をシリンダー体2に形成して、シリンダー体2からのロッド体1の脱落を阻止するようにしている。これにより、エアダンパー装置を、ロッド体1とシリンダー体2の2パーツから適切に構成できるようになっている。この実施の形態にあっては、前記のように、ロッド体1はシリンダー体2の内径と略等しい外径を有する丸棒状をなすことから、シリンダー体2の開口21を通じてロッド体1の前後動に伴ってシリンダー体2内で生じる異音がシリンダー体2外にできるだけ漏れることがないようになっている。より具体的には、かかる当接部及び被当接部の一方はロッド体1及びシリンダー体2の一方に形成されたロッド体1の移動方向に沿った溝部6の一方溝端60であり、当接部及び被当接部の他方はロッド体1及びシリンダー体2の他方に備えられてこの溝部6に案内される被案内部7となっている。
【0024】
図1及び図2に示される第一例では、被案内部7は、シリンダー体2の開口21側にあって、屈曲されてロッド体1に形成された溝部6に納められた爪状体70となっている。図中符号14はロッド体1のロッド外端11に形成された前記可動体などに対する取り付け部であり、符号23はシリンダー体2の側部に形成された前記固定体などに対する取り付け部である。ロッド体1には、その直径方向両側にそれぞれ、前記溝部6が形成されている。この例では溝部6は、ピストン部12を構成する前記周回溝12aとの間にやや間隔を開けた位置に一方溝端60を位置させ、他方溝端はロッド外端11において開放されている。前記爪状体70は、初期状態においては、シリンダー体2の直径方向両側において、前記開口21の縁部からシリンダー体2の軸線方向に沿って突き出している。シリンダー体2内にロッド体1を前記のように差し込んだ後、爪状体70をその突出方向が前記軸線方向に直交するように折り曲げ、前記溝部6に納める。シリンダー体2を合成樹脂から構成する場合には、爪状体70を加熱してかかる折り曲げをなす。ロッド体1の前後動は溝部6によって爪状体70を案内することで円滑になされる。ロッド体1のピストン部12をシリンダー体2内に留めたロッド体1の最大後退位置において爪状体70は溝部6の一方溝端60に突き当たりシリンダー体2からのロッド体1の脱落が防止される。
【0025】
図3及び図4に示される第二例では、被案内部7は、シリンダー体2の開口21側にあって、シリンダー体2内へのロッド体1の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してロッド体1に形成された溝部6に入り込む弾性係止体71となっている。図中符号14はロッド体1のロッド外端11に形成された前記可動体などに対する取り付け部であり、符号23はシリンダー体2の内奥部20側の端部に形成された前記固定体などに対する取り付け部である。ロッド体1には、その直径方向両側にそれぞれ、前記溝部6が形成されている。前記弾性係止体71は、シリンダー体2の開口21側において、その直径方向両側にそれぞれ形成されている。各弾性係止体71は、シリンダー体2の軸線方向に沿った一対の縦割溝71a、71aと、この縦割溝71aにおけるシリンダー体2の内奥部20側に位置される溝端間に亘る横割溝71bとにより区分されたシリンダー体2の側部の一部によって構成されている。弾性係止体71の自由端と基部との間にはシリンダー体2の内側に突き出す山状部71cが形成されている。シリンダー体2内にロッド体1を導入する過程で弾性係止体71は山状部71cをロッド体1の外面部に突き当てて外向きに一旦撓み出しこの導入を許容する。弾性係止体71は溝部6に山状部71cが入り込む位置で弾性復帰し、溝部6に山状部71cを入る込ませる。ロッド体1の前後動は溝部6によって弾性係止体71を案内することで円滑になされる。ロッド体1のピストン部12をシリンダー体2内に留めたロッド体1の最大後退位置において弾性係止体71の山状部71cは溝部6の一方溝端60に突き当たりシリンダー体2からのロッド体1の脱落が防止される。
【0026】
図5及び図6に示される第三例では、被案内部7は、ロッド体1のロッド外端11側にあって、シリンダー体2内へのロッド体1の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してシリンダー体2に形成された溝部6に入り込む弾性係止体72となっている。図中符号14はロッド体1のロッド外端11に形成された前記可動体などに対する取り付け部であり、符号23はシリンダー体2の内奥部20側の端部に形成された前記固定体などに対する取り付け部である。シリンダー体2には、その長さ方向中程の位置に前記開口21を有し、この開口21から先を延長部24としている。この延長部24の直径方向両側にそれぞれ、前記溝部6が形成されている。二箇所の溝部6、6の間にはロッド体1の取り付け部14を突き出させる割り欠き部25が形成されている。前記弾性係止体72は、ロッド体1のロッド外端11側において、その直径方向両側にそれぞれ形成されている。ロッド体1はこのロッド外端11側において中空となっている。各弾性係止体72は、ロッド体1の中心軸に沿った一対の縦割溝72a、72aと、この縦割溝72aにおけるロッド体1のロッド外端11側に位置される溝端間に亘る横割溝72bとにより区分されたロッド体1の中空箇所15の側部の一部によって構成されている。弾性係止体72の自由端と基部との間には外側に突き出す山状部72cが形成されている。シリンダー体2内にロッド体1を導入する過程で弾性係止体72は山状部72cをシリンダー体2の内面22に突き当てて内向きに一旦撓み出しこの導入を許容する。弾性係止体72は溝部6に山状部72cが入り込む位置で弾性復帰し、溝部6に山状部72cを入る込ませる。ロッド体1の前後動は溝部6によって弾性係止体72を案内することで円滑になされる。ロッド体1のピストン部12をシリンダー体2内に留めたロッド体1の最大後退位置において弾性係止体72の山状部72cは溝部6の一方溝端60に突き当たりシリンダー体2からのロッド体1の脱落が防止される。
【0027】
図7及び図8に示される第四例では、被案内部7は、シリンダー体2の開口21側においてこのシリンダー体2の直径方向両側にそれぞれ設けられた貫通孔26と、ロッド体1をその直径方向において貫通する溝部6とに通されてピン両端を前記貫通孔26に圧着させたピン体73となっている。図中符号14はロッド体1のロッド外端11に形成された前記可動体などに対する取り付け部であり、符号23はシリンダー体2の側部に形成された前記固定体などに対する取り付け部である。ロッド体1には、ピストン部12とロッド外端11との間に、前記溝部6が形成されている。シリンダー体2内にロッド体1を差し込み、ピン体73を貫通孔26に圧入し、ピン体73の中間部73aを溝部6内に位置させる。ロッド体1の前後動は溝部6によってピン体73の中間部73aを案内することで円滑になされる。ロッド体1のピストン部12をシリンダー体2内に留めたロッド体1の最大後退位置においてピン体73の中間部73aは溝部6の一方溝端60に突き当たりシリンダー体2からのロッド体1の脱落が防止される。
【符号の説明】
【0028】
1 ロッド体
10 ロッド内端
12 ピストン部
2 シリンダー体
20 内奥部
3 空間
4 通気部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド内端をピストン部としたロッド体と、このロッド体を往復動可能に納めるシリンダー体とからなると共に、ピストン部とシリンダー体の内奥部との間に形成される空間と外部とを連絡する通気部をロッド体の前進時に絞ってロッド体の前進に所用の抵抗を付与するように、又は、ピストン部とシリンダー体の内奥部との間に形成される空間と外部とを連絡する通気部をロッド体の後退時に絞ってロッド体の後退に所用の抵抗を付与するように構成されたエアダンパー装置であって、
前記ロッド体の最大後退位置において突き当たり合う当接部及び被当接部のいずれか一方をロッド体に形成し、これらの他方をシリンダー体に形成して、シリンダー体からのロッド体の脱落を阻止するようにしていることを特徴とするエアダンパー装置。
【請求項2】
当接部及び被当接部の一方はロッド体及びシリンダー体の一方に形成されたロッド体の移動方向に沿った溝部の一方溝端であり、当接部及び被当接部の他方はロッド体及びシリンダー体の他方に備えられてこの溝部に案内される被案内部であることを特徴とする請求項1に記載のエアダンパー装置。
【請求項3】
被案内部は、シリンダー体の開口側にあって、屈曲されてロッド体に形成された溝部に納められた爪状体であることを特徴とする請求項2に記載のエアダンパー装置。
【請求項4】
被案内部は、シリンダー体の開口側にあって、シリンダー体内へのロッド体の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してロッド体に形成された溝部に入り込む弾性係止体であることを特徴とする請求項2に記載のエアダンパー装置。
【請求項5】
被案内部は、ロッド体のロッド外端側にあって、シリンダー体内へのロッド体の導入を弾性変形により許容すると共に所定の導入位置で弾性復帰してシリンダー体に形成された溝部に入り込む弾性係止体であることを特徴とする請求項2に記載のエアダンパー装置。
【請求項6】
被案内部は、シリンダー体の開口側においてこのシリンダー体の直径方向両側にそれぞれ設けられた貫通孔と、ロッド体をその直径方向において貫通する溝部とに通されてピン両端を前記貫通孔に圧着させたピン体であることを特徴とする請求項2に記載のエアダンパー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−237407(P2012−237407A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107645(P2011−107645)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】