説明

エアーマッサージ装置

【課題】 マットの表面に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグに空気を給排気してエアーバッグを膨張・収縮させることで、人体のマッサージを行うものにおいて、違和感の少ないより効果的なマッサージ効果が得られる様にする事を目的とするものである。
【解決手段】 マット本体表面の長手方向に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグにホースを接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、エアーバッグの並設方向の一端側の左右両端部を固定具により固定すると共に、これら固定部分に近接した左右方向の略中心位置にホースを接続して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット本体の表面に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグに空気を給排気することでエアーバッグを膨張収縮させ、マット本体の上に寝ている人体のマッサージを行うエアーマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クッション材にて構成したマット本体の表面に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグに空気を給排気することでエアーバッグを膨張収縮し、エアーバッグの上に寝ている人体のマッサージを行うものでは、例えば特許文献1に示される様に、エアーバッグの一端に空気の給排気を行うホースを接続している。
【特許文献1】特開平9−224992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、上記特許文献1に記載の構成では、エアーバッグの一端にホースを接続している為、ホースを通してエアーバッグ内に空気を供給してエアーバッグを膨張させる際に、エアーバッグがホースの接続部分に近い部分から膨張して人体が左右に傾斜し、人体が違和感を感じ易いという問題がある。
【0004】
そこで本発明は、エアーバッグを左右略均等に膨張させることで、より快適で効果的なマッサージ効果が得られる様にする事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の構成は、マット本体表面の長手方向に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグにホースを接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、エアーバッグの並設方向の一端側の左右両端部を固定具により固定すると共に、これら固定部分に近接した左右方向の略中心位置にホースを接続して成るものである。
【0006】
本発明の請求項2の構成は、請求項1の構成において、エアーバッグを、マット本体の長手方向に並設して一対一体に成型し、これらエアーバッグの区画部分の左右両端部を固定具により固定すると共に、これら固定部分に近接した左右方向の略中心位置にホースを接続して成るものである。
【0007】
本発明の請求項3の構成は、請求項1〜2の構成において、固定具を着脱自在に構成すると共に、この固定具の固定位置を変えることで、エアーバッグの位置をマット本体の長手方向に調節可能に構成して成るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の構成により、エアーバッグの膨張時には、エアーバッグのホースを接続した一端側の中心部分から膨張させることで、人体が左右に傾斜することもなく、人体を効果的に押圧してより快適なマッサージを行う事が出来るものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の構成により、エアーバッグに一対の空気室を一体に形成した場合においても、各空気室を各々の一端側の中心部分より膨張させることで、エアーバッグの膨張収縮時に人体が左右に傾斜することがなく、違和感の少ない効果的なマッサージを行う事が出来るものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載の構成により、エアーバッグの一端側の左右両端部を固定具により着脱自在に固定し、この固定具の着脱によりエアーバッグの位置を調節可能に構成したことで、エアーバッグの位置をマッサージが必要な部分や人体の身長等に合わせて調節し、より快適で効果的なマッサージを行う事が出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による実施例を先ず図1に基づき説明すると、1はウレタン等のクッション材から構成したマット本体で、その略中心部の長手方向に収納溝2を一体形成していると共に、上面に表面マット3を積層し、かつこの表面マットの上面に補強布4を被覆固定している。
【0012】
又、上記マット本体1の人体が上に寝た場合に足側となる後端部左右両端部には、ベース板5を介して例えばウレタン製のコーナー部材6,6を連結配置していると共に、これらコーナー部材の間に樹脂ケースから成る制御ボックス7を配置固定している。
【0013】
更に、上記マット本体1の中央部には、図2及び図3にても示す様に、ナイロン製表皮材の内側にゴムシートを重ね合わせたシート材8・・を上下一対重ね合わせてその周辺部を熱溶着して内部に空気室9・・を形成した複数のエアーバッグ10・・,11を長手方向に並設配置している。
【0014】
尚、上記図2は図1中のA−A断面、図3は同じくB−B断面で、上記エアーバッグ10・・は、マット本体1の長手方向に上記一対の空気室9・・を一体に並列形成していると共に、これら空気室間の区画部分の周辺左右両端部に上下一対の固定片12・・,13・・を一体に突出形成し、一方上記補強布4の固定片12・・,13・・対向位置に、左右一対の固定テープ14,14を糸15,15による縫い合わせ等によって固定し、かつ上記固定片12・・,13・・を周知のホック16・・等の固定具によって固定テープ14,14に着脱自在に固定している。
【0015】
又、上記実施例では、固定テープ14,14の外側を糸15,15によって補強布4に固定し、これによりエアーバッグ10・・,11が膨張しても固定テープ14,14が剥れ難くしているが、これに限定されることなく、着脱自在な面テープやホックによって固定テープ14,14を固定する様に構成しても良い。
【0016】
尚、上記ホック16・・は、図4にて示す様に、一方の固定片12・・にホックの雌部材17・・を固定し、他方の固定片13・・に雄部材18・・を固定し、上記固定テープ14,14に複数の取付孔19・,20,20を穿孔し、これら取付孔内で雄部材18・・と雌部材17・・を嵌合することで、エアーバッグ10・・,11を着脱可能に固定しているが、これに限定されることなく、樹脂製のボルト−ナットの組合せ等の比較的簡単に着脱が行える固定具を用いても良い。
【0017】
一方、上記エアーバッグ11は1個の空気室9を形成し、そのマット本体1の長手方向の一端部左右両側部に上下一対の固定片21,22を一体に突出形成し、これらの固定片に固定したホック16・・を取付孔19・・内で嵌合することで、上記固定テープ14,14に着脱自在に固定している。尚、上記固定片21,22は、固定片12・・,13・・と同様に上下一対の固定片を備えている。
【0018】
又、上記エアーバッグ10・・,11は、上記固定片12・・,13・・,21,22に近接位置した略中心部の底面に樹脂製の接続具23・・を各々固着し、これら接続具にホース24・・の先端を各々接続し、これらのホースにて空気室9・・内に空気を給排気してエアーバッグ10・・,11を膨張収縮させる。
【0019】
これらの構成により、上記エアーバッグ10・・,11の膨張時には、図2にても示す様に、接続具23・・を固定したマット本体1の長手方向の一端部中央より膨張を開始し、かつ最大膨張時には他端部が大きく上昇することで、収縮時と最大膨張時の落差が大きくなり、人体を効果的に押圧してマッサージ効果を向上させる事が出来ると共に、エアーバッグ10・・,11の膨張並びに収縮時には、接続具23・・を固定した各空気室9・・の一端部中央より左右方向に均等に膨張・収縮を繰り返すことで、人体が傾斜して違和感を与えることもなく、より快適なマッサージを行う事が出来るものである。
【0020】
更に、上記構成により、接続具23・・とホース24・・の接続部分は、図2及び図3にても示す様に、エアーバッグの膨張・収縮に係わらずその高さ位置がほとんど変化しない為、ホース24・・の変形が少なく、耐久性能を向上する事が出来るものである。
【0021】
尚、上記ホース24・・への空気の給排気は、上記制御ボックス7内に収納した図示しない周知のエアーコンプレッサにより行い、このエアーコンプレッサより供給する空気を図示しない切換えバルブを介して各ホース24・・に適宜切換えて給排気することで、エアーバッグ10・・,11を順次繰り返して膨張・収縮させるもので、これらエアーコンプレッサや切換えバルブの制御は、同じく制御ボックス7内に収納配置した制御回路により行う。
【0022】
又、上記エアーバッグ10・・,11は、人体の身長やマッサージを行いたい部分に応じてマット本体1の長手方向に位置を調節することが可能で、その場合、上記ホック16・・で固定する取付孔19・・,20,20の位置を変えることで、比較的簡単に行う事ができ、これにより、より快適で効果的なマッサージ効果を得る事が出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1中のB−B断面図である。
【図4】本発明による要部の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 マット本体
10 エアーバッグ
11 エアーバッグ
12 固定片
13 固定片
14 固定テープ
16 ホック(固定具)
21 固定片
22 固定片
24 ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット本体表面の長手方向に複数のエアーバッグを並設配置し、これらのエアーバッグにホースを接続し、これらホースによりエアーバッグ内に空気を給排気して膨張収縮を行うものにおいて、上記エアーバッグの並設方向の一端側の左右両端部を固定具により固定すると共に、これら固定部分に近接した左右方向の略中心位置に上記ホースを接続した事を特徴とするエアーマッサージ装置。
【請求項2】
上記エアーバッグを、マット本体の長手方向に並設して一対一体に成型し、これらエアーバッグの区画部分の左右両端部を固定具により固定すると共に、これら固定部分に近接した左右方向の略中心位置に上記ホースを接続した事を特徴とする、上記請求項1に記載のエアーマッサージ装置。
【請求項3】
上記固定具を着脱自在に構成すると共に、この固定具の固定位置を変えることで、上記エアーバッグの位置をマット本体の長手方向に調節可能に構成した事を特徴とする、上記請求項1〜2に記載のエアーマッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−43058(P2006−43058A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227076(P2004−227076)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】