説明

エキシマレーザ装置のガス供給装置及びそのレーザガス交換、レーザガス注入、異常処理方法

【課題】 安全で、しかも精度良くハロゲンを供給できると共に、レーザ装置全体の小型化、及び信頼性の向上が図れるエキシマレーザのガス供給装置を提供する。
【解決手段】 ハロゲン発生器のハロゲン吸蔵物質を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスをハロゲンガス供給ラインを介してレーザチャンバ内に注入し、レーザチャンバ内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、レーザチャンバ内を真空にする第1の真空引き手段と、ハロゲンガス供給ラインに設けられ、ハロゲンガスのレーザチャンバへの注入を開閉するハロゲン注入用バルブと、レーザガス交換時に、第1の真空引き手段を作動させてレーザチャンバ内を真空にした後、ハロゲン発生器で発生したハロゲンガスのレーザチャンバへの注入量を所定量に制御するために、ハロゲン注入用バルブを所定時間開ける指令を出力するガスコントローラとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマレーザのガス供給装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エキシマレーザは、紫外域での高出力レーザとして、最近光化学反応プロセスへの適用化や半導体、高分子及び無機材料の微細加工、及び医療分野等での実用化が進められている。エキシマレーザの中で、例えばKrF(クリプトン・フッ素)エキシマレーザにおいては、レーザガスとしてハロゲンガスF2、レアガスKr及びバッファガスNe(あるいはHe,Ar等)の混合ガスが使用されている。この混合ガスがレーザガスとしてレーザチャンバ内に供給され、外部の励起電源によって励起されることによりレーザチャンバ内にレーザ発振が発生する。
【0003】
従来のエキシマレーザにおいては、上記ハロゲンガスはバッファガスとの混合ガスボンベからレーザに配管で接続して供給していた。しかし、ハロゲンガスは非常に反応性が高く、漏れた場合非常に危険である。そのため、ハロゲンガスボンベに筐体を設置し、種々の安全装置、例えばボンベの周囲を常に排気する装置、ハロゲンガスを検出したら供給バルブを閉じる装置、二重配管等が必要となり、非常にコストが高くなっていた。
【0004】
また、通常のレーザ作動の過程では不純物が発生し、ハロゲンがレーザチャンバ内の色々な材料と反応することによって不純物を形成してハロゲンが徐々に失われるために、エキシマレーザの出力が低下して行く。したがって、発生した不純物を除去すると共に、失われたハロゲンを補うことによって、エキシマレーザの出力を一定に保持する必要がある。
【0005】
そこで、ハロゲンガスを安全に、しかもハロゲンの濃度が所定値以内になるように供給するために、ハロゲンを吸収する物質(以下、ハロゲン吸蔵物質と呼ぶ)を使用したハロゲン発生器に関する発明が、特表平5−502981号の公報によって公表されている。図40は、この公報によるハロゲン発生器を備えたエキシマレーザ装置を示しており、以下図40に従って詳細に説明する。
【0006】
コントローラ81はエキシマレーザ80を励起すると共に、レーザ発振に必要な全ての制御を行うように構成されている。このエキシマレーザ装置は、レーザ用のガス管理機構82を備えている。ガス管理機構82は、エキシマレーザ80の一部、あるいはエキシマレーザ80及びコントローラ81に連結される独立した別個のものとして構成してもよい。ガス管理機構82は循環ポンプ83を有しており、図40のようにエキシマレーザ80からパイプ84、85及び86を通してレーザガスを反時計方向に循環させ、エキシマレーザ80に戻すように構成されている。また、ガス管理機構82は極低温クリーナ87を有しており、この極低温クリーナ87はバルブ87aを介してパイプ84からガス流を取り込み、透過したガス流をバルブ87bを介してパイプ85に戻している。通常の作動では、循環ポンプ83により循環される全てのガス流は極低温クリーナ87を通過するようになっている。
【0007】
極低温クリーナ87では除去できない不純物を除去するために、ガス管理機構82は化学ガスクリーナ88を有している。この化学ガスクリーナ88は、バルブ88aを介してパイプ85からガス流を取り込み、透過したガス流をバルブ88bを介してパイプ85に戻している。化学ガスクリーナ88はパイプ85からのガス流の一部又は全部を取り込み、上記不純物ガスを除去すると共に、ガス流に含まれる全てのハロゲンガスも除去している。
【0008】
ハロゲン発生器10は、レーザチャンバ内のハロゲンガスの濃度を一定に保つために、ハロゲンガスを発生してこのガスを自動的に上記ガス循環路に噴射するものである。このハロゲン発生器10は、バルブ10aを介してパイプ85からガス流を取り込み、このガス流にハロゲンガスを噴射した後にバルブ10bを介してパイプ85に戻している。
【0009】
さて、ハロゲン発生器10にはハロゲン吸蔵物質として例えばKFとNiF2とからなるフルオロニッケル材料(固体)が充填されているので、このハロゲン発生器10は非常にコンパクトであり、レーザの装置内に内蔵できる。このフルオロニッケル材料を加熱するとフッ素ガス(F2)が発生し、この温度制御を行うことにより、レーザガス混合物におけるフッ素ガス(F2)の分圧を一定に保つことができる。上記フルオロニッケル材料からフッ素ガスが発生するときの反応は、次の式1によって表される。
(化1)
2[K2NiF6・KF](s)→2K3NiF6(s)+F2(g)+ΔH
ここで、ΔHはこの反応による生成熱を示している。
【0010】
上記反応は可逆反応であり、このとき、フッ素ガス(F2)の分圧と絶対温度との関係を表すClausius-Clapeyronの関係式「lnP=−ΔH/R(1/T)+C」が成立している。ここで、Pはフッ素ガス(F2)の分圧を、ΔHは上記生成熱を、Rは気体定数を、Tは絶対温度(K)を、Cは定数をそれぞれ表している。この式からも分かるように、フッ素ガスの分圧の対数は絶対温度の逆数に比例しており、図41はこの関係を示している。したがって、このハロゲン吸蔵物質の温度を所定の範囲以内に制御することによって、フッ素ガス(F2)の分圧を目標値に制御できる。フッ素ガスの分圧はそのモル濃度に比例しているので、これを制御することによりフッ素ガス濃度を一定に保持でき、レーザ作動を継続的に安定して行うことができる。このような理由により、以後の説明では、「ハロゲンガス分圧」を「ハロゲンガス濃度」と等価的な意味で使用する。なお、分圧とはある定まった体積、例えばレーザチャンバ内部の容積中の特定ガスの分子数を意味する。ハロゲンガスを例にすると、レーザチャンバ中にハロゲンガスがnモル存在するならば、レーザチャンバ体積をVとして、「P×V=n×R×T」、すなわち「ハロゲンガス分圧P∝ハロゲンガスのモル数n」が成立し、ハロゲンガス分圧Pはレーザチャンバ中の他の種類のガス(レアガス等)の増減とは無関係に定まるパラメータである。
【0011】
ところで、上記KFとNiF2からなるフルオロニッケル材料は、フッ素系のエキシマレーザガスの代表的な不純物ガスであるHFと非常に良く反応する。このHFは、例えばレーザチャンバ内の高分子化合物(パッキン等)のH(水素)、レーザチャンバ内に存在するH2O(水分)、金属に吸蔵されたH(水素原子)等と上記フッ素ガス(F2)とが反応し、不純物ガスとして発生するものである。このときの反応は、式2で表される。
(化2)
KF(s)+4HF(g)→KF・4HF(s)NiF2(s)+4HF(g)→NiF2・4HF(s)
【0012】
このような反応により、上記ハロゲン吸蔵物質と不純物ガスHFとが接触している状態でレーザを作動させる場合、純度の高いハロゲンガス(上記の例では、F2(g))を発生させることができず、また大量の不純物ガスHFを同時に発生させることになる。これにより、ハロゲン発生器としての機能を果たせなくなり、もしハロゲン発生器として使用したとしても、上記のような不純物ガスHF等を発生させるので、レーザの発振を停止させることになる。このために、従来のレーザ装置では、レーザガスを循環ポンプ83でハロゲン発生器10に循環させる前に、前述の極低温クリーナ87及び化学ガスクリーナ88を透過させ、レーザの上記不純物ガスを完全に除去した上で、ハロゲン発生器10に循環させている。
【0013】
尚、パラストボリューム90は、レーザの窓の洗浄や交換等の保守を行うときに、バルブ90a、90bの作動によってレーザチャンバ内の全てのガスを一時的に貯蔵するものである。また、レアガスボンベ91はバルブ91aを介してレアガスの損失分を補い、負圧ポンプ92はバルブ92aを介して循環路内のガスを完全に排気するために使用する。
【0014】
このようなエキシマレーザ装置において、通常のレーザ作動の場合、極低温クリーナ87内で不純物を除去されたレーザガスはハロゲン発生器10に導かれ、ここでハロゲンガスが噴射されてハロゲンガスの分圧が一定にされ、この混合ガスはパイプ86を介してエキシマレーザ80のレーザチャンバ内に戻される。また、化学ガスクリーナ88を使用する場合、化学ガスクリーナ88内でハロゲンガスが除去されたレーザガスはハロゲン発生器10に導かれ、ここでハロゲンガスが噴射されてハロゲンガスを補充されると共に、ハロゲンガスの分圧が一定にされてレーザチャンバ内に戻される。これによって、レーザ装置を安定的に作動させることができる。さらに、上記フルオロニッケル材料のハロゲンガス(F2)の分圧は常温では非常に小さいので、安全上も好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記ハロゲン発生器10の前部に循環ポンプ、極低温クリーナ87及び化学ガスクリーナ88等を使用したエキシマレーザ装置においては、以下のような問題点が指摘されている。
1)循環ポンプ83、極低温クリーナ87及び化学ガスクリーナ88は装置自体の外形寸法が非常に大きく、よってレーザ装置全体が大きくなってしまう。ところが、例えばエキシマレーザ装置が光源として広く使用されている半導体製造工程での露光装置は、クリーン度が高いクリーンルーム内に設置される。この結果、エキシマレーザ装置の設置面積が大きいことによるコスト高が大きな問題となっている。
【0016】
2)循環ポンプ83、極低温クリーナ87及び化学ガスクリーナ88等は装置自体が複雑な構造をしているので、信頼性が乏しい。特に、ハロゲンガスをもらさないようにするために、循環ポンプ83としてベローズ型のポンプしか使用できないが、このベローズ型ポンプは耐久性において信頼性が低い。
3)エキシマレーザ装置の運転状態ではハロゲン発生器10はヒーターにより常に加熱し、ハロゲンガスの分圧を高くしている。したがって、ハロゲンガスの漏れに対する安全性を確実に高める必要がある。しかしながら、上記従来のハロゲン発生器10を使用したエキシマレーザ装置においては、この安全装置に関する記載が無く、安全装置を設置する等の改善が望まれている。
【0017】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、ハロゲン吸蔵物質を使用したハロゲン発生器をレーザ装置に組み込み、安全で、しかも精度良くハロゲンを供給できると共に、レーザ装置全体の小型化、及び耐久性等の信頼性の向上が図れるエキシマレーザ装置のガス供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明に係るエキシマレーザ装置のガス供給装置においては、ハロゲン発生器10の入力ポート側には、バッファガス供給ライン24又はバッファガスとレアガスとの混合ガス供給ライン27のいずれか一方を接続し、ハロゲン発生器10の出力ポート側には、ハロゲンガス供給ライン14を介してレーザチャンバ1を接続している。
【0019】
ハロゲン発生器内にバッファガス(Ne等)、又はバッファガスとレアガス(Kr)との混合ガスが導入されると、ハロゲン発生器内のハロゲン吸蔵物質から制御温度に対応する分圧のハロゲンガスが発生して自動的に混合され、エキシマレーザ装置のハロゲンガス供給ラインに導入される。しかも、レーザチャンバ内のガス圧よりもバッファガス、又はバッファガスとレアガスとの混合ガスの圧力を高くすることにより、レーザ運転中でも所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバ内に供給することができる。さらに、ハロゲン発生器には上記のように純粋なバッファガス、又はバッファガスとレアガスとの混合ガスを透過させるので、ハロゲン発生器は不純物ガスに汚染されることはなく、長期間安定してハロゲン発生器を使用できる。
【0020】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、前記ハロゲン発生器10の前記入力ポート側には交換用入力バルブ60及び入力用継手62を配設すると共に、前記出力ポート側に交換用出力バルブ65及び出力用継手67を配設し、ハロゲン発生器10を単体で着脱可能とした方が好ましい。
【0021】
上記構成にしたので、ハロゲン発生器を着脱容易となる。
【0022】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、前記ハロゲン発生器10の前記入力ポート側には交換用入力バルブ60及び入力用継手62を配設し、前記出力ポート側にはハロゲンガス供給ライン14を介して直接前記レーザチャンバ1を接続すると共に、レーザチャンバ1のレーザチャンバガス供給ライン7側にはレーザチャンバ用バルブ8及びレーザチャンバ用継手61を配設し、レーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を同時に交換可能としてもよい。
【0023】
上記構成にしたので、レーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を同時に交換できる。
【0024】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、前記レーザチャンバ1内のガス圧を検出する圧力センサ9と、レーザチャンバ1内を真空にする第1の真空引き手段(44,41)と、前記ハロゲン発生器10の入力ポート側に設けられ、前記バッファガス供給ライン24又は前記バッファガスとレアガスとの混合ガス供給ライン27を開閉するガス入力用バルブ21と、前記ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、上記バッファガスと、又は上記バッファガス及びレアガスの混合ガスと、ハロゲンガスとの混合ガスのレーザチャンバ1への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、レーザガス交換時に、第1の真空引き手段(44,41)を作動させてレーザチャンバ1内を真空にした後、前記ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、圧力センサ9から入力したガス圧信号が所定値となるまでガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16を開ける指令を出力するガスコントローラ6とを備えている。
【0025】
上記構成によって、所定分圧のハロゲンガスを有する前記バッファガスとの混合ガス、又は前記バッファガス及びレアガスの混合ガスとの混合ガスをレーザチャンバ内の圧力が所定値になるまで注入しているので、レーザガス交換時のハロゲンガス注入量が正確になる。
【0026】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、レーザ特性を検出するモニタ5と、前記ハロゲン発生器10の入力ポート側に設けられ、前記バッファガス供給ライン24又は前記バッファガスとレアガスとの混合ガス供給ライン27を開閉するガス入力用バルブ21と、前記ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、上記バッファガスと、又は上記バッファガス及びレアガスの混合ガスと、ハロゲンガスとの混合ガスのレーザチャンバ1への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、レーザ運転中に、モニタ5の検出データに基づいてレーザチャンバ1内の現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16を所定時間開ける指令を出力するガスコントローラ6とを備えてもよい。
【0027】
モニタは、レーザ運転中にレーザ特性を検出する。このレーザ特性はハロゲンガス濃度、すなわちハロゲンガス分圧と正の相関があるので、レーザ特性データからハロゲンガス分圧が推定される。所定分圧に制御されたハロゲンガスを、上記推定した現在のハロゲンガス分圧に基づいて所定時間だけ注入することにより、レーザ運転中のハロゲンガス注入量が精度良く制御される。
【0028】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、レーザ特性を検出するモニタ5と、前記ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、前記バッファガスと、又は前記バッファガス及びレアガスの混合ガスと、前記ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスとの混合ガスの前記レーザチャンバ1への流量を制御するマスフローコントローラ19と、レーザ運転中に、モニタ5の検出データに基づいてレーザチャンバ1内の現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、マスフローコントローラ19に前記ハロゲンガスの混合ガスの流量を制御する指令を出力するガスコントローラ6とを備えてもよい。
【0029】
所定分圧に制御されたハロゲンガスの流量を、モニタによって推定した現在のハロゲンガス分圧に基づいてマスフローコントローラにより精度良く制御するので、レーザ運転中のハロゲンガス注入量が高精度に制御される。
【0030】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、レーザ特性を検出するモニタ5と、前記ハロゲン発生器10の入力ポート側に設けられ、前記バッファガス供給ライン24又は前記バッファガスとレアガスとの混合ガス供給ライン27を開閉するガス入力用バルブ21と、前記ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、上記バッファガスとハロゲンガスとの混合ガス、又は上記バッファガス及びレアガスの混合ガスとハロゲンガスとの混合ガスのレーザチャンバ1への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、レーザ運転中に、モニタ5の検出データに基づいてレーザチャンバ1内の現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、このハロゲンガス分圧に基づいて前記ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16を開いた状態でハロゲン発生器10の温度を所定温度に制御する指令を出力するガスコントローラ6とを備えてもよい。
【0031】
モニタによって推定した現在のハロゲンガス分圧に基づいて、ハロゲン発生器の温度を所定値に変化させながら制御する。よって、バッファガスとハロゲンガスとの混合ガス、又はバッファガス及びレアガスの混合ガスとハロゲンガスとの混合ガスのハロゲンガス分圧が精度良く制御される。この結果、ハロゲンガスの注入量が正確となる。
【0032】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、前記ハロゲン発生器10の前記入力ポート側に、入力方向にのみガスを透過する逆止弁23を配設してもよい。
【0033】
上記構成にしたので、ハロゲン発生器で発生したハロゲンガスがバッファガス供給ラインやバッファガスボンベ等に侵入しない。よって、安全でしかも高精度にハロゲンガスを供給できる。
【0034】
また、前記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、前記ハロゲン発生器10の前記出力ポート側に、前記バッファガスとハロゲンガスとの混合ガス、又は前記バッファガス及びレアガスの混合ガスとハロゲンガスとの混合ガスを溜めるバッファタンク26を介してハロゲンガス供給ライン14を接続してもよい。
【0035】
上記構成にしたので、バッファガスとハロゲンガスとの混合ガス、又はバッファガス及びレアガスの混合ガスとハロゲンガスとの混合ガスを高精度に供給できる。
【0036】
上記エキシマレーザ装置のガス供給装置は、レーザ特性を検出するモニタ5と、前記バッファタンク26を真空にする第2の真空引き手段(44,29)と、前記ハロゲン発生器10の温度制御により発生したハロゲンガスのバッファタンク26への供給を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、前記バッファガスの、又はバッファガスとレアガスとの前記混合ガスのバッファタンク26への供給を開閉するバッファ注入用バルブ34と、バッファタンク26内のハロゲンガスの混合ガスのレーザチャンバ1への供給を開閉するバッファタンク出力用バルブ28と、レーザ運転中に、第2の真空引き手段(44,29)を作動させてバッファタンク26を真空にした後、モニタ5の検出データに基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、ハロゲン発生器10を所定温度に制御して発生させたハロゲンガスをハロゲン注入用バルブ16の所定時間の開閉によって前記推定したハロゲンガス分圧に基づいた所定量だけバッファタンク26に充填した後、バッファ注入用バルブ34を開閉してバッファタンク26にバッファガス又はバッファガスとレアガスとの混合ガスを充填し、バッファタンク出力用バルブ28を所定時間開閉してバッファタンク26に充填された前記混合ガスをレーザチャンバ1に注入する指令を出力するガスコントローラ6とを備えてもよい。
【0037】
モニタによって現在のハロゲンガス分圧を推定し、所定分圧のハロゲンガス、及び所定圧のバッファガス又はバッファガスとレアガスとの混合ガスを上記推定したハロゲンガス分圧に基づいて所定量だけバッファタンクに充填した後、バッファタンクに充填された混合ガスをレーザチャンバに注入するので、ハロゲンガス注入量が精度良く制御される。
【0038】
また、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスをハロゲンガス供給ライン14を介してレーザチャンバ1内に注入し、レーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、レーザチャンバ1内を真空にする第1の真空引き手段(44,41)と、ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、ハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、レーザガス交換時に、第1の真空引き手段(44,41)を作動させてレーザチャンバ1内を真空にした後、ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、ハロゲン注入用バルブ16を所定時間開ける指令を出力するガスコントローラ6とを備えている。
【0039】
上記構成によって、所定分圧のハロゲンガスを所定時間レーザチャンバに注入するので、レーザガス交換時のハロゲンガス注入量が精度良く制御される。
【0040】
また、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスをハロゲンガス供給ライン14を介してレーザチャンバ1内に注入し、レーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、レーザチャンバ1内のガス圧を検出する圧力センサ9と、レーザチャンバ1内を真空にする第1の真空引き手段(44,41)と、ハロゲンガス供給ライン14に設けられ、ハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ16と、レーザガス交換時に、第1の真空引き手段(44,41)を作動させてレーザチャンバ1内を真空にした後、ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を所定量に制御するために、圧力センサ9から入力したガス圧信号が所定値となるまでハロゲン注入用バルブ16を開ける指令を出力するガスコントローラ6とを備えている。
【0041】
上記構成によって、所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバ内が所定圧になるまで注入するので、レーザガス交換時のハロゲンガス注入量が精度良く制御される。
【0042】
また、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、レーザチャンバ1内のレーザガスを排気する排気ライン40のハロゲンガスを除去するハロゲンフィルタ42の温度を検出する第1の温度センサ45,52と、ハロゲン発生器10の温度を検出する第2の温度センサ12,51と、前記排気ライン40の排気ガスのハロゲンガス濃度を検出するハロゲンセンサ43と、第1の温度センサ45,52、上記第2の温度センサ12,51及びハロゲンセンサ43の内少なくともいずれか一つの検出信号が所定値以上になって異常になったときは、異常検出信号を出力するガスコントローラ6及び/又は異常判定手段54と、前記異常検出信号によって、ハロゲン発生器10のヒータ13の電源をオフするヒータ遮断手段54a3,54a4と、前記異常検出信号によって、ハロゲンガス供給ライン14の各ハロゲン注入用バルブ16,17,18及び排気ライン40の各排気用バルブ41,29を閉じるバルブ遮断手段54a1,54a2とを備えてもよい。
【0043】
ハロゲン発生器の温度、ハロゲンフィルタの温度及び排気ガスのハロゲンガス濃度等の異常を常に監視する。これらの内少なくともいずれか一つが異常のときはハロゲン発生器のヒータの電源をオフしてハロゲンガス発生を停止し、またハロゲンガス供給ライン及び排気ラインの各バルブを閉じてハロゲンガスの排気を停止する。
【0044】
また、レーザチャンバ1内にバッファガスとレアガスとハロゲンガスとの混合ガスをレーザガスとして供給し、このレーザガスを励起してレーザ光を発振させるエキシマレーザ装置において、レーザチャンバ1内のレーザガスを排気する排気ライン40のハロゲンガスを除去するハロゲンフィルタ42の温度を検出する第1の温度センサ45,52と、前記排気ライン40の排気ガスのハロゲンガス濃度を検出するハロゲンセンサ43と、第1の温度センサ45,52及びハロゲンセンサ43の内少なくともいずれか一つの検出信号が所定値以上になって異常になったときは、異常検出信号を出力するガスコントローラ6及び/又は異常判定手段54と、前記異常検出信号によって、ハロゲンガス供給ライン14の各ハロゲン注入用バルブ16,17,18及び排気ライン40の各排気用バルブ41,29を閉じるバルブ遮断手段54a1,54a2とを備えてもよい。
【0045】
上記と同様に、ハロゲンフィルタの温度及び排気ガスのハロゲンガス濃度等の異常を常に監視し、少なくともいずれか一つが異常のときはハロゲンガス供給ライン及び排気ラインの各バルブを閉じてハロゲンガスの排気を停止する。
【0046】
また、レーザチャンバ1内にバッファガスとレアガスとハロゲンガスとの混合ガスをレーザガスとして供給し、このレーザガスを励起してレーザ光を発振させるエキシマレーザ装置において、ハロゲンガスの供給及びレーザガスの排気を両方同時にはできないようにする供給排気インタロック手段64を備えた方が好ましい。
【0047】
排気ラインに設けたハロゲンガス除去用のハロゲンガスフィルタの活性炭とハロゲンガスとが誤って反応しないように、ハロゲンガスの供給と排気は両方同時にできないようにする。よって、ハロゲンガスフィルタの活性炭の異常温度上昇は生じない。
【0048】
また、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、ハロゲン発生器10の入力ポート側に配設された交換用入力バルブ60及び入力用継手62と、ハロゲン発生器10の出力ポート側に配設された交換用出力バルブ65及び出力用継手67と、少なくとも、交換用出力バルブ65を経由してレーザチャンバ1内にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給ライン14、ハロゲン発生器10、交換用入力バルブ60と交換用出力バルブ65との間の配管を真空引きする第1の真空引き手段(44,41)と、前記真空引きしたハロゲンガス供給ライン14、ハロゲン発生器10、交換用入力バルブ60と交換用出力バルブ65との間の配管を少なくとも不活性ガスでパージするパージ手段35,36とを備えてもよい。
【0049】
ハロゲン発生器の両側に交換用のバルブ及び継手を設けたので、安全でしかも容易に着脱できる。このとき、ハロゲン発生器と配管とを接続する部分に空気が溜まっている所があるが、この部分を簡単に排気でき、また不活性ガス等でパージできる。
【0050】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、レーザガス交換時に、レーザチャンバ1内を真空にした後、ハロゲン発生器10の出力ポート側のハロゲンガス供給ライン14のハロゲン注入用バルブ16を所定時間開けることにより、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に所定量注入する方法としている。
【0051】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、レーザガス交換時に、レーザチャンバ1内を真空にした後、レーザチャンバ1内のガス圧が所定値となるまでハロゲン発生器10の出力ポート側のハロゲンガス供給ライン14のハロゲン注入用バルブ16を開けることにより、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に所定量注入する方法としている。
【0052】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、レーザガス交換時に、レーザチャンバ1内を真空にした後、レーザチャンバ1内のガス圧が所定値となるまで、ハロゲン発生器10の入力ポート側のガス入力用バルブ21及び出力ポート側のハロゲンガス供給ライン14のハロゲン注入用バルブ16を開けることにより、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に所定量注入する方法としている。
【0053】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器10の入力ポート側のガス入力用バルブ21及び出力ポート側のハロゲンガス供給ライン14のハロゲン注入用バルブ16を所定時間開けることにより、ハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を制御する方法としている。
【0054】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器10の出力ポート側のマスフローコントローラ19による流量制御を行うことにより、ハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を制御する方法としている。
【0055】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、ハロゲン発生器10の入力ポート側のガス入力用バルブ21及び出力ポート側のハロゲン注入用バルブ16を開いた状態で、前記推定したハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器10の温度を制御することにより、ハロゲンガスのレーザチャンバ1への注入量を制御する方法としている。
【0056】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、レーザ運転中に、バッファタンク26を真空にした後、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスを前記推定したハロゲンガス分圧に基づいて所定量だけバッファタンク26に充填し、さらにバッファタンク26にバッファガス又はバッファガスとレアガスとの混合ガスを所定量充填し、このバッファタンク26に充填された混合ガスをレーザチャンバ1に注入する方法としている。
【0057】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法において、ハロゲン発生器10の温度と、排気ライン40のハロゲンガス除去用のハロゲンフィルタ42の温度と、排気ライン40の排気ガスのハロゲンガス濃度との3つの内少なくともいずれか一つが異常のときは、ハロゲン発生器10のヒータ13の電源を遮断すると共に、ハロゲンガス供給ライン14及び排気ライン40を遮断する方法としている。
【0058】
また、本発明のエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法は、ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によってレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法において、排気ライン40のハロゲンガス除去用のハロゲンフィルタ42の温度と、排気ライン40の排気ガスのハロゲンガス濃度との2つの内少なくともいずれか一つが異常のときは、ハロゲンガス供給ライン14及び排気ライン40を遮断する方法としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下に、図面を参照しながら発明の実施の形態及び実施例を説明する。まず、第一実施例を説明するが、図1はその基本構成を示している。ハロゲン発生器10には入力ポート及び出力ポートが設けられており、入力ポートにはバッファガスボンベ20からのバッファガス供給ライン24がガス入力用バルブ21を介して接続され、出力ポートにはハロゲンガス供給ライン14がハロゲン注入用バルブ16を介して接続されている。上記ハロゲンガス供給ライン14には、ハロゲンガスをレーザ運転時に高精度に注入するためのマスフローコントローラ(質量流量制御装置)19が接続され、さらにマスフローコントローラ19の出力側はハロゲン注入用バルブ18を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。なお、マスフローコントローラ19は、外部からの指令信号の大きさに対応した質量流量になるように、通過するガス量を制御するものである。また、マスフローコントローラ19とハロゲン注入用バルブ18とは逆であってもよい。
【0060】
また、ハロゲンガス供給ライン14には、マスフローコントローラ19と並列に、ハロゲンガスを注入するためのバイパスライン14a(以後、このラインも含めてハロゲンガス供給ラインと呼ぶ)が配管され、ハロゲン注入用バルブ17を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。
【0061】
また、バッファガスボンベ20はバルブ22を介して、及びレアガスボンベ30はバルブ31を介してそれぞれレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。また、レーザチャンバガス供給ライン7はレーザチャンバ用バルブ8を介してレーザチャンバ1に接続されている。さらに、レーザチャンバガス供給ライン7は排気用バルブ41を介して排気ライン40と接続されている。排気ライン40では、排気用バルブ41から順にハロゲンフィルタ42、ハロゲンセンサ43及び真空ポンプ44に接続されている。真空ポンプ44は、ガスコントローラ6からの作動指令によって作動するようになっている。
【0062】
ハロゲン発生器10には前述のようにハロゲン吸蔵物質11が充填されており、このハロゲン吸蔵物質11の周囲には温度制御が可能なようにヒータ13と温度センサ12とが配設されている。温度センサ12は例えば熱電対のようなもので構成されていて、この温度検出信号は温度コントローラ15に入力されており、同じくヒータ13は温度コントローラ15に接続されている。温度コントローラ15は、上記温度検出信号を監視しながらヒータ13の発熱量を制御し、ハロゲン吸蔵物質11の温度が所定値になるように制御している。
【0063】
温度コントローラ15にはレーザのガスコントローラ6から所望の上記温度の指令値が入力され、また温度コントローラ15からはハロゲン発生器10に異常(例えば、ハロゲン吸蔵物質の温度が異常に上昇し過ぎた)が発生したときに、ガスコントローラ6へ異常発生信号を出力するようにしている。
【0064】
レーザチャンバ1のレーザ光進行方向の前方にはレーザ窓1aを介してフロントミラー2が、及び後方にはレーザ窓1bを介してリアミラー3が配設されている。フロントミラー2の前方にはビームスプリッタ4を設けていて、このビームスプリッタ4によりレーザ出力光の一部を反射させてモニタ5に導いている。モニタ5は入力したレーザ光からその特性を表すビーム幅、スペクトル線幅及びパルスエネルギ等を検出し、この検出データを上記ガスコントローラ6に出力する。ガスコントローラ6は、入力した検出データに基づいて現在のレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧を推定し、この推定結果によってハロゲンガス分圧が所望の圧力になるように、温度コントローラ15に温度指令を出力すると同時に、各バルブの開閉を制御している。このようにして、ハロゲン発生器10の温度が制御され、ハロゲンガス分圧が所定値に制御される。また、レーザチャンバ1にはレーザガスの全圧を検出する圧力センサ9が設けられており、この圧力信号はガスコントローラ6に入力されている。
【0065】
また、上記ハロゲンフィルタ42内にはハロゲンガス除去用の活性炭が含まれており、この活性炭温度を検出する温度センサ45が設けられている。温度センサ45からの温度信号は、ガスコントローラ6に入力される。ハロゲンセンサ43はハロゲンフィルタ42を透過して来た排気ガス中のハロゲンガス濃度を検出するもので、この濃度信号はガスコントローラ6に入力される。ガスコントローラ6は上記温度信号及び濃度信号を監視して、ハロゲンフィルタ42の温度上昇及び排気ガスの濃度異常がないかをチェックし、安全性を高めている。
【0066】
ガスコントローラ6は、上記のように本ガス供給装置全体の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータ等を主体にしたマイコンシステムで構成することができる。
【0067】
尚、本実施例ではリアミラー3として全反射ミラーを使用した場合を示しているが、波長選択素子例えばプリズム、グレーティング、エタロン等のようなものを組み合わせた光学素子を配置してもよい。このような例は、例えばステッパ露光装置用の光源となる狭帯域エキシマレーザの場合が相当する。
【0068】
次に、上記のような構成のエキシマレーザのガス供給装置を使用した場合の各処理フローを説明する。図2〜図9はレーザガス交換時のフローチャート例を示しており、以下これらの図を参照して説明する。なお、以下のフローチャートにおいて、サブルーチンは「SUB」を用いて表しており、各ステップ番号はSを用いて表している。
【0069】
図2は、レーザガス交換時のメインルーチンのフローチャートの第1例を示している。
(S1)まず、レーザチャンバ1内のガスを全て排気して真空引きを行うサブルーチン「SUB1」を実行する。
(S2)次に、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB2」を実行する。
(S3)次に、レアガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB3」を実行する。
(S4)そして、バッファガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB4」を実行し、メインルーチン処理を終了する。
【0070】
また、レーザガス交換時のメインルーチンのフローチャートの第2例として、上記S1の真空引き後にバッファガスの初期注入を行ってから、上記S2からと同じ処理を行うようにしても良い。このときの、フローチャート例を図3に基づいて説明する。
(S11)まず、レーザチャンバ1内のガスを全て排気して真空引きを行うサブルーチン「SUB1」を実行する。
(S12)次に、バッファガスをレーザチャンバ1内に初期注入するサブルーチン「SUB5」を実行する。
(S13)次に、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB2」を実行する。
(S14)次に、レアガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB3」を実行する。
(S15)そして、バッファガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB4」を実行し、メインルーチン処理を終了する。
【0071】
以下、上記「SUB1」〜「SUB5」の各サブルーチンを詳細に説明する。図4は、「SUB1」のレーザチャンバ内ガスの排気サブルーチンを表している。ここで、レーザチャンバ用バルブ8及び排気用バルブ41は閉じているものとする。
(S21)ハロゲン注入用バルブ17,18,22を閉じる。
(S22)真空ポンプ44を作動させる。
(S23)レーザチャンバ用バルブ8及び排気用バルブ41を開け、排気を開始する。
(S24)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値Pv以下になるまで待つ。ここで、所定値Pvは略真空とみなせるような小さい圧力値とする。
(S25)排気用バルブ41を閉じる。
(S26)真空ポンプ44の作動を停止する。
【0072】
このようにして、レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値Pv以下になるように真空ポンプ44及び排気用バルブ41によってレーザガスを排気する。このとき、上記所定値Pvは、レーザの排気時間の制限やレーザチャンバ内に残っていた不純物濃度がレーザの性能に影響を与えないような値に設定されるものである。なお、真空ポンプ44及び排気用バルブ41は真空引き手段の一例であり、これに限定されるものではなく、以下の説明においても同様とする。
【0073】
「SUB2」はハロゲンガス注入サブルーチンを表しているが、ここでは2つの例を示している。図5R>5は第1のハロゲンガス注入サブルーチン例の「SUB2a」を表している。ここで、ハロゲン注入用バルブ17は閉じているものとする。
(S31)ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16を閉じる。
(S32)ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11の温度Thが所定の温度範囲以内に入るまで待つ。ここで、上記温度範囲はハロゲンガス分圧を所望の値にするための範囲であり、「TCM1≦Th≦Tcm1」で表される。なお、ガスコントローラ6は上記温度範囲のデータ(TCM1,Tcm1等)を温度コントローラ15へ送信し、温度コントローラ15が指令された温度範囲以内にハロゲン吸蔵物質11の温度を制御できたときにガスコントローラ6へ送信する信号、例えば「温度制御OK」等を待つようにしてもよい。あるいは、温度コントローラ15から直接ガスコントローラ6へ現在の温度データが送信され、ガスコントローラ6が上記の温度範囲以内に入ったかを監視してもよい。
【0074】
(S33)ハロゲン注入用バルブ16,17を開ける。このとき、レーザチャンバ1内及びレーザチャンバガス供給ライン7は真空状態なので、ハロゲン発生器10のハロゲンガスは急速にレーザチャンバ内に注入される。
(S34)上記ハロゲン注入用バルブ16,17の開時間tHが所定のハロゲンガス注入時間K以上になるまで待ち、注入時間K以上になったらS35に進む。ハロゲン発生器10内とレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧が一致する時間Kまで待つことによって、ハロゲンガス分圧を所定値(ハロゲン発生器10のハロゲンガス分圧値)に制御している。すなわち、レーザの発振に必要なハロゲンガスの分圧はKrFエキシマレーザの場合には数hpa程度であるので、そのままでは圧力センサ9の出力値から高精度にハロゲンガスの分圧を検出することは困難である。よって、この例では所望の分圧のハロゲンガスをハロゲン発生器10内の温度に対応するハロゲンガスの分圧だけ注入するようにしているので、所望量のハロゲンガスを高精度に注入できる。なお、上記ハロゲン注入用バルブ16,17の開時間Kは、ハロゲン発生器10からレーザチャンバ1までの配管の長さや、レーザチャンバ1の容積の大きさ等にもよるが、およそ数秒程度である。
(S35)ハロゲン注入用バルブ16,17を閉じる。
【0075】
このようにして、高精度にハロゲンガスがレーザチャンバ1内に注入される。なお、「SUB1」の排気サブルーチンで真空引きが不十分であった場合、ハロゲンガスは拡散によってレーザチャンバ1内に注入されるので、注入時間が非常に長くなったり、所望のハロゲンガス分圧を得ることが困難となる。上記フローチャートにおいて、図1のマスフローコントローラ19を搭載していない場合は、直接ハロゲン注入用バルブ16をレーザチャンバガス供給ライン7に接続し、ハロゲン注入用バルブ17無しでハロゲン注入用バルブ16のみを上記S33及びS35で開閉してもよい。以後の説明でも、これと同様とする。
【0076】
次に、図6に基づいて、第2のハロゲンガス注入サブルーチン例の「SUB2b」の詳細説明を行う。ここで、ハロゲン注入用バルブ17は閉じているものとする。
(S41)ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16を閉じる。
(S42)ハロゲン発生器10のハロゲン吸蔵物質11の温度Thが所定の温度範囲以内に入るまで待つ。このとき、上記温度範囲は「TCM2≦Th≦Tcm2」で表され、それぞれ「TCM2≧TCM1」、「Tcm2≧Tcm1」を満足するように設定されている。ここで、TCM1及びTcm1は上述の「SUB2a」において設定された温度範囲であり、本例では「SUB2a」のときよりも高い温度範囲が設定されている。これは、ハロゲンガス分圧をレーザチャンバ1内のハロゲンガス分圧よりも例えば5倍(ハロゲンガス分圧25hpa程度)に相当するような高い分圧にするためである。
【0077】
(S43)バルブ21,16,17を開ける。これによって、バッファガス及びハロゲンガスの混合ガスがレーザチャンバ1内に注入される。
(S44)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値Phと等しくなるまで待つ。ここで、上記のようにハロゲンガス分圧25hpaに相当するような混合ガスを注入しているので、この圧力値Phは圧力センサ9によって充分に正確に検出できる大きさになる。(例えば、Ph=100hpa程度である。)したがって、これによって高精度にハロゲンガスを注入できる。
(S45)ハロゲン注入用バルブ16,17を閉じ、サブルーチン処理を終了する。
【0078】
このようにして、同様に高精度にハロゲンガスをレーザチャンバ内に注入できる。なお、「SUB2b」は、ハロゲンガス注入前にバッファガス等を初期注入している場合にも有効となる。
【0079】
次に、図7に基づいて、レアガス注入サブルーチン例の「SUB3」の詳細説明を行う。ここで、バルブ31は閉じているものとする。
(S51)バルブ31を開けてレアガスを注入する。
(S52)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値Prと等しくなるまで待つ。これにより、所望のガス圧のレアガスがレーザチャンバ1内に注入される。
(S53)バルブ31を閉じ、サブルーチン処理を終了する。このようにして、所望のガス圧のレアガスが注入される。
【0080】
また、図8に基づいて、バッファガス注入サブルーチン例の「SUB4」の詳細説明を行う。ここで、バルブ22は閉じているものとする。
(S61)バルブ22を開けてバッファガスを注入する。
(S62)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値PBと等しくなるまで待つ。これによって、所望のガス圧のバッファガスがレーザチャンバ1内に注入される。
(S63)バルブ22を閉じ、サブルーチン処理を終了する。
【0081】
このようにして、所望のガス圧のバッファガスが注入される。なお、前述の「SUB2b」におけるバッファガスとハロゲンガスの混合ガスの注入圧力Phが、上記所定値PBよりも小さく設定されている場合は、本「SUB4」によって所望のガス圧のバッファガスが注入できる。また、前記混合ガスの注入圧力Phを上記所定値PBと等しく設定してあれば、本「SUB4」によってバッファガスを注入する必要は必ずしも無くなる。
【0082】
次に、図9により、バッファガス初期注入サブルーチン例の「SUB5」の詳細説明を行う。ここで、バルブ22は閉じているものとする。
(S71)バルブ22を開けてバッファガスを注入する。
(S72)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値PB0と等しくなるまで待つ。ここで、所定値PB0は0近傍の正の値とする。すなわち、圧力センサ9に負のオフセットがあるときはハロゲンガス分圧が小さい間は正確に検出することができないので、ハロゲンガス注入前にバッファガスを初期的に注入して圧力センサ9の出力値を0以上にしておく。これによって、所望の分圧のハロゲンガスを正確にレーザチャンバ1内に注入できる。
(S73)バルブ22を閉じ、サブルーチン処理を終了する。
【0083】
このようにして、初期的にバッファガスが注入される。なお、この後にハロゲンガスを注入するサブルーチンとして、「SUB2a」又は「SUB2b」が適用できることは前述の通りである。
【0084】
さて、次に、レーザ運転中にハロゲンガスを注入するときのフローチャートについて説明する。図1010はこのときのメインルーチンのフローチャート例であり、以下図10に基づいて説明する。
(S81)先ず、レーザ特性を表すデータをモニタ5から入力するサブルーチン「SUB6」を実行する。ここでは、現在のハロゲンガス分圧に応じた上記レーザ特性データと、目標のデータ値を入力する。
(S82)次に、ハロゲンガスの注入量又は注入速度を計算するサブルーチン「SUB7」を実行する。すなわち、上記レーザ特性データの現在値と目標値とを比較し、これから注入すべきハロゲンガスの量又は注入速度を計算する。
(S83)次に、運転中にハロゲンガスを注入するサブルーチン「SUB8」を実行する。ここでは、上記計算された結果に基づいた注入量のハロゲンガスをレーザチャンバ1内に注入する。
【0085】
図11はレーザ特性を表すデータをモニタ5から入力するサブルーチン「SUB6」の第1の例「SUB6a」を示しており、図11によって詳細に説明する。
(S91)目標とするレーザのビーム巾Bw0を、ガスコントローラ6内のメモリの所定の記憶エリアから読み込む。
(S92)モニタ5から、現在のレーザのビーム巾Bwを読み込む。本発明者らによって、図12のように、このビーム巾Bwとハロゲンガス分圧とは正の相関を持つことが確認されている。したがって、現在のビーム巾Bwによりハロゲンガス分圧がモニタされる。なお、このビーム巾Bwは例えば次のようにして検出される。CCDアレイのような受光素子にレーザ光を入射させ、レーザ光の強度に応じた電荷がCCDの各素子に蓄積される。各チャンネルに蓄積された電荷をはき出す時の電流を積分して電圧に変換する回路により、電荷が電圧に変換される。よって、各チャンネルの光強度、すなわち上記電圧を解析することにより、上記レーザビーム巾をモニタ(計算)できる。また、所定の電圧値以上のCCD素子のチャンネルを検出することによっても、レーザビーム巾をモニタできる。
【0086】
また、レーザ特性を表すデータをモニタ5から入力するサブルーチン「SUB6」の第2の例「SUB6b」を、図13によって説明する。
(S101)目標とするレーザのスペクトル線巾Lw0を、ガスコントローラ6内のメモリの所定の記憶エリアから読み込む。
(S102)モニタ5から、現在のレーザのスペクトル線巾Lwを読み込む。本発明の提案者らによって、図14R>4のように、このスペクトル線巾Lw0とハロゲンガス分圧とは正の相関を持つことが確認されている。したがって、現在のスペクトル線巾Lwによりハロゲンガス分圧がモニタされる。
【0087】
上記スペクトル線巾Lwは、例えば次のようにしてモニタされる。回折格子に入射した光が回折する角度や、エタロンを通過した光の出射角度が光の波長によって決まることは良く知られている。したがって、レーザ光を例えば回折格子に入射させると、レーザ光に含まれる波長に応じた角度で回折する。このとき、この回折光をCCDアレイのような受光素子によって受光すると、回折光は波長に対応した各チャンネルのCCD受光素子に入射するので、この各チャンネルの受光素子の電荷量(電圧値)の大きさによって各波長毎の光強度分布が分かる。このようにして、レーザ光のスペクトルの形状を検出でき、例えば最大値に対して1/2の値の光強度以上となる波長の巾、すなわちスペクトル線巾Lw(半値全幅)を知ることができる。エタロンを使用した場合も、ほぼ同様の方法でモニタできる。
【0088】
なお、スペクトル線巾Lwによってハロゲンガス分圧を推定するのが有効なのは、狭帯域エキシマレーザの場合である。狭帯域エキシマレーザの出力レーザ光の一部をモニタエタロンに導入し、このモニタエタロンを通過した光の干渉じまを上記のようにCCD受光素子等で受光して、スペクトル線巾Lwをモニタすることが可能となる。
【0089】
また、レーザ特性を表すデータをモニタ5から入力するサブルーチン「SUB6」の第3の例「SUB6c」を、図15によって説明する。
(S111)目標とするレーザの励起強度、すなわちレーザ電源の充電電圧Hv0を、ガスコントローラ6内のメモリの所定の記憶エリアから読み込む。
(S112)モニタ5から、現在のレーザ電源の充電電圧Hvを読み込む。ここで、この充電電圧Hvとハロゲンガス分圧との関係を説明する。エキシマレーザ装置では出力レーザ光のパルスエネルギが所定値になるように励起強度、すなわちレーザ電源の出力用の充電コンデンサにかける電圧(以後、充電電圧と呼ぶ)を制御している。ハロゲンガス分圧が減少するとパルスエネルギが小さくなるので、このパルスエネルギを所定値に保持するために、充電電圧を高くしている。したがって、この充電電圧をモニタすることによって、ハロゲンガス分圧をモニタできる。
【0090】
なお、上記の3つのモニタ例に限定することは本発明の主旨ではなく、ハロゲンガス分圧が直接的に、又は間接的にモニタできるような手段であればよい。
【0091】
次に、ハロゲンガスの注入量又は注入速度を計算するサブルーチン「SUB7」について、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、「SUB7」の第1の例「SUB7a」を示している。
(S121)目標値A0と測定値Aとを比較し、「A0<A」のときはS122へ進み、「A0=A」のときはS123へ進み、「A0>A」のときはS124へ進む。ここで、目標値A0及び測定値Aは、それぞれ前述のサブルーチン「SUB6」におけるレーザ特性を表す各データの目標値及びモニタからの入力値を表している。例えば、レーザのビーム巾Bwによってハロゲンガス分圧をモニタする場合は、「A0=Bw0」及び「A=Bw」となる。
【0092】
(S122)ハロゲンガス注入量を決定する変数を「H」とすると、「H←H−ΔH」と設定する。すなわち、前回の周期処理での変数Hの値から所定の大きさのΔHを引いた値を今回の周期処理での変数Hの値とする。これによって、前回時の処理よりもハロゲンガス分圧が低くなるようにする。上記設定の後、サブルーチン処理を終了する。
(S123)ハロゲンガス注入量を決定する変数Hを「H=H」と設定し、サブルーチン処理を終了する。すなわち、前回の周期処理での変数Hの値と等しい値を今回の周期処理での変数Hの値とする。これによって、ハロゲンガス分圧は現在のまま維持される。
(S124)ハロゲンガス注入量を決定する変数Hを「H←H+ΔH」と設定し、サブルーチン処理を終了する。すなわち、前回の周期処理での変数Hの値に所定の大きさのΔHを足した値を今回の周期処理での変数Hの値とする。これによって、前回よりもハロゲンガス分圧が高くなるようにする。
【0093】
図17は、「SUB7」の第2の例「SUB7b」を示している。
(S131)目標値A0と測定値Aとを比較し、「A0<A」のときはS132へ進み、「A0=A」のときはS133へ進み、「A0>A」のときはS134へ進む。ここで、目標値A0及び測定値Aは、上記「SUB7a」で説明したのと同様である。
(S132)ハロゲンガス注入量を決定する変数Hを「H←0」と設定し、サブルーチン処理を終了する。すなわち、ハロゲンガスは注入されない。
(S133)ハロゲンガス注入量を決定する変数Hを「H←0」と設定し、サブルーチン処理を終了する。すなわち、ハロゲンガスは注入されない。
(S134)ハロゲンガス注入量を決定する変数Hを「H←H0」と設定し、サブルーチン処理を終了する。ここで、H0は所定の大きさの定数である。これによってハロゲンガスが所定量注入され、前回処理時よりもハロゲンガス分圧が高くなるようにする。
【0094】
次に、運転中にハロゲンガスを注入するサブルーチン「SUB8」の例について、図18〜図20を参照しながら説明する。まず、図18は、「SUB8」の第1の例「SUB8a」を表している。
(S141)ハロゲン吸蔵物質11の温度STが注入温度STinになるまで待つ。これにより、所定のハロゲンガス分圧に制御される。
(S142)「tH=k1×H」によって時間tHを求める。ここで、Hは前述の「SUB7」において求められているハロゲンガス注入量を決定する変数であり、k1は所定の大きさの係数とする。よって、ハロゲンガス注入量Hの大きさに比例して、時間tHは変化する。
(S143)ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16,17をtH時間開けた後、閉じる。これによって、バッファガスと共にハロゲンガス注入量Hに応じた所定量のハロゲンガスが注入される。
【0095】
次に、図19に基づいて、「SUB8」の第2の例「SUB8b」を説明する。「SUB8b」は、マスフローコントローラ19の流速を可変にして、ハロゲンガスの流速を制御する例を示している。
(S151)ハロゲン吸蔵物質11の温度STが注入温度STinになるまで待つ。これにより、所定のハロゲンガス分圧に制御される。
(S152)「Q=k2×H」によってマスフローコントローラ19の流速Qを求める。ここで、Hは前述の「SUB7」において求められているハロゲンガス注入量を決定する変数(この場合は、単位時間当たりの注入量)であり、k2は所定の大きさの係数とする。よって、ハロゲンガス注入量Hの大きさに比例して、流速Qは変化する。
(S153)マスフローコントローラ19の流速を上記求めた流速Qに設定し、ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16,18を開ける。以上の「SUB8b」を前述の「SUB6」及び「SUB7」と共に所定周期で処理することにより、マスフローコントローラ19によってハロゲンガス注入量を制御でき、よって非常に正確に注入量が制御される。
【0096】
次に、図20に基づいて、「SUB8」の第3の例「SUB8c」を説明する。「SUB8c」は、ハロゲン吸蔵物質11の温度を変化させてハロゲンガス分圧を制御する例を示している。
(S161)ハロゲン吸蔵物質11の注入温度STinを「STin=k3×H」によって求める。ここで、Hは前述の「SUB7」において求められているハロゲンガス注入量を決定する変数であり、k3は所定の大きさの係数とする。よって、ハロゲンガス注入量Hの大きさに比例して、注入温度STinは変化する。
(S162)ハロゲン吸蔵物質11の温度STがS161で求めた注入温度STinになるまで待つ。これにより、ハロゲンガス注入量Hに応じた所定のハロゲンガス分圧に制御される。
(S163)マスフローコントローラ19の流速を所定値Qに設定し、ガス入力用バルブ21及びハロゲン注入用バルブ16,18を開ける。
【0097】
以上の「SUB8b」を「SUB6」及び「SUB7」と共に所定周期で処理することにより、ハロゲン吸蔵物質11から発生するハロゲンガスの分圧を制御でき、これよって正確に単位時間当たりの注入量が制御される。
【0098】
次に、本発明のガス供給装置の安全のための処理について説明する。エキシマレーザは非常に危険なハロゲンガスを使用しているので、安全装置が必要となる。特に、本発明ではハロゲン発生器10が使用されているので、従来とは異なる安全のための処理が必要となる。図21はこのための処理のサブルーチン「SUB9」の例を表している。
(S171)ハロゲン吸蔵物質11の温度THGを温度コントローラ15から読み込む。同時に、温度センサ45からハロゲンフィルタ42の温度TFLを読み込み、ハロゲンセンサ43からハロゲン濃度CHを読み込む。
(S172)異常検出及び異常処理サブルーチン「SUB10」を実行する。ここでは、S171で読み込んだ各温度及び濃度データに基づいて異常か否かの判定を行い、異常のときは安全のための各処理を行なっている。このサブルーチン「SUB9」は、ガスコントローラ6の全体の制御処理ルーチンの中で、安全を確認すべきときに必要に応じて実行される。このようにして、常に安全性が保持される。
【0099】
以下に、図22に基づいて上記異常検出及び異常処理サブルーチン「SUB10」の例を詳細に説明する。
(S181)このステップでは、以下の3つの判定条件の内少なくともいずれか一つが満たされているか否かを判定し、満たされているときはS182に進む。そうでない(3つの判定条件がすべて否定された)ときは安全と見なし、「リターン」へ進んでこの「SUB10」の処理を終了する。1つ目の条件は「THG>TALMHG」であり、ハロゲンガス分圧が所定値以上に大きくなっているときは危険なので異常としている。2つ目の条件は「TFL>TALMFL」であり、ハロゲンフィルタ42の温度TFLが所定値以上に高くなっているときは危険なので異常としている。3つ目の条件は「CH>CALMH」であり、排気ガス内のハロゲン濃度CHが所定値以上に大きくなっているときは危険なので異常としている。
【0100】
(S182)まず、レーザ発振を停止させる。これは、例えば図示していない励起電源をオフすること等によって可能となる。
(S183)次に、ハロゲン発生器10のヒータ13の電源をオフし、ハロゲンガスが発生しないようにする。尚このとき、ガスコントローラ6が温度コントローラ15へ指令して温度コントローラ15がヒータ13の電源をオフしてもよいし、又は、ガスコントローラ6が直接ヒータ13の電源をオフしてもよい。
(S184)そして、全てのバルブを閉じる。
(S185)エキシマレーザ装置の外部に異常を通知する。これは、例えば作業者に分かるような異常警報や異常表示等を行ったり、また、エキシマレーザ装置と関連している他の制御装置や製造装置等に異常信号を送信することによって通報される。この後、「エンド」へ進んで本処理を終了する。
【0101】
なお、上記S184においては、レーザチャンバ1からガス漏れが発生した場合にはレーザチャンバ用バルブ8及び排気用バルブ41を開け、真空ポンプ44によりレーザガスを排気するようにしている。レーザチャンバ1からのガス漏れの検出は、例えばレーザチャンバ1内のガス圧P1が所定値より下がったか否かで判断できる。
【0102】
異常検出及び異常処理は安全に係わることなので、上述のようにソフト的に処理するだけでなく、ハード的な処理を同時に実施することにより、より安全性が高められる。図23及び図24は、ハード的な処理の例を表しており、それぞれ正常時の動作状態及び異常時の動作状態を示している。図23において、温度センサ51はハロゲン吸蔵物質11の温度が所定値を越えたときにその出力接点がオフする温度センサであり、また温度センサ52はハロゲンフィルタ42の温度が所定値を越えたときにその出力接点がオフする温度センサである。この温度センサ51、温度センサ52、異常停止回路用電源53及びリレー54のコイル54cは、直列に接続されている。ここで、リレー54は温度センサ51及び温度センサ52が温度異常を検出した否かを判定するための異常判定手段の一例として使用されている。なお、図23では異常停止回路用電源53を直流電源で表しているが、これを交流電源にし、リレー54も交流用としてもよい。
【0103】
バルブVはこれまで説明して来たような制御用の自動バルブを表しており、ここでは全ての自動バルブが含まれているものとする。バルブVは、バルブ用電源55からリレー54のa接点54a1及びa接点54a2を介して駆動電流を供給されている。ここで、a接点54a1及びa接点54a2は、上記異常判定手段の判定結果に従ってバルブVを遮断するバルブ遮断手段の一例であり、これに限定されない。すなわち、異常判定手段からの異常検出信号を受けてハード的にバルブVを遮断するような遮断手段である。本実施例のような電気的な遮断方法以外に、機械的に遮断するものでもよい。このように、二つのa接点54a1、54a2によって二重回路を構成しているのは、安全性を高めるためである。また同様に、ハロゲン発生器10のヒータ13は、ヒータ用電源56からリレー54のa接点54a3及びa接点54a4の二重回路を介して駆動電流を供給されている。ここで、a接点54a3及びa接点54a4は、上記異常判定手段の判定結果に従ってヒータの発熱を遮断するヒータ遮断手段の一例であり、これに限定されない。
【0104】
上記構成の異常停止回路において、ハロゲン吸蔵物質11の温度及びハロゲンフィルタ42の温度が共に正常なときは、図23のように温度センサ51及び温度センサ52の出力接点は共にオンしているので、異常判定手段のリレー54が作動している。よって、バルブ遮断手段のa接点54a1、54a2及びヒータ遮断手段のa接点54a3、54a4はオンしているので、バルブの開閉制御及びヒータ13による温度制御が行える状態になっている。
【0105】
図24は、温度異常時の状態を示している。温度センサ51又は温度センサ52のいずれか一方が温度異常を検出したときは、その異常検出した温度センサの出力接点がオフするので、コイル54cは通電を遮断されて異常判定手段のリレー54がオフする。よって、バルブ遮断手段のa接点54a1、54a2及びヒータ遮断手段のa接点54a3、54a4は開放される。バルブVへの通電電流は全て遮断されるので、開いているバルブがあっても強制的に閉じられる。また、ヒータ13への通電電流が遮断され、強制的にハロゲンガスの発生が停止される。なお、本実施例では全てのバルブを遮断しているが、少なくともハロゲンガス供給ライン14及び排気ライン40を遮断するようにしてもよい。
【0106】
このようにして、コントローラの故障等の場合でも、ハード的な異常処理によって確実に安全を確保できる。さらに、ソフト的な異常処理を併用することによって、安全性が高められる。例えば、前述の「SUB10」におけるS183及びS184では、コントローラがソフト的にI/O出力してリレー54の作動をオフするようにすればよい。この場合は、ガスコントローラ6が上記異常判定手段の一つとして機能することになる。
【0107】
図25及び図26は、排気時のハロゲンフィルタ42の温度異常上昇を防止するための、排気とハロゲンガス供給のインターロック処理のハードブロック図の例を表している。すなわち、ハロゲンガスの濃度が高い状態のガスをハロゲンフィルタ42を透過させて排気すると、ハロゲンフィルタ42中の活性炭とハロゲンガスが急激に反応して高温となり、ついには爆発する恐れがあり非常に危険である。この反応は、「C+2F2→CF4+ΔH」で表され、これは非常に高い発熱を伴う。よって、ハロゲンガス供給と排気を両方同時に行えないようにインターロックをとる必要がある。本実施例では、排気用バルブ41が開いているときは、ハロゲン注入用バルブ17,18及びバルブ22等が開かないように、ハード的な回路で構成している。
【0108】
図25は排気時の作動を、また図26は非排気時の作動を表しており、以下図25及び図26を参照して説明する。ここで、3つのa接点61a1,61a2,61a3は、例えば同一の排気スイッチによって連動して作動するものとする。また、2つのa接点62a1,62a2は、例えば同一のハロゲンガス注入スイッチによって連動して作動するものとする。バルブ用電源55の両出力端子を、それぞれ排気スイッチのa接点61a1及びa接点61a2を介して排気用バルブ41に接続している。また、バルブ用電源55の両出力端子を、排気スイッチのa接点61a3とリレー64のコイル64cとの直列回路に接続している。リレー64は、少なくとも2つのb接点64b1,64b2を有している。バルブ用電源55の両出力端子を、それぞれハロゲンガス注入スイッチのa接点62a1とリレー64のb接点64b1との直列回路、及びa接点62a2とb接点64b2との直列回路を介してハロゲンガス注入用のハロゲン注入用バルブ17,18,22等に接続している。この回路において、リレー64はハロゲンガス供給と排気のインターロックをとるための供給排気インターロック手段の一例であり、これに限定されるものではない。
【0109】
いま、上記排気スイッチをオンしたとすると、a接点61a1,61a2がオンして排気用バルブ41に通電し、排気用バルブ41が開く。このとき、a接点61a3がオンしてコイル64cが通電されるので、供給排気インターロック手段のリレー64が作動し、そのb接点64b1,64b2が強制的にオフする。よって、この状態で上記ハロゲンガス注入スイッチを操作しても、ハロゲン注入用バルブ17,18及びバルブ22等が開かない。また、上記排気スイッチをオフしたとすると、排気用バルブ41は閉じられると同時に、コイル64cの通電が遮断されて供給排気インターロック手段のリレー64のb接点64b1,64b2が自動的にオンする。よって、この状態で上記ハロゲンガス注入スイッチが作動したら、ハロゲン注入用バルブ17,18及びバルブ22等を開閉できる。このようにして、ガスコントローラ6が故障した場合でも、確実に、そして安全にハロゲンガス注入用のバルブや排気用のバルブを開閉できる。
【0110】
さて次に、第二実施例を説明する。第二実施例は、第一実施例に対してハロゲン発生器10の入力ポートと入力側のガス入力用バルブ21との間に逆止弁23を付設した例であり、図27はその構成例を示している。ここで、逆止弁23の他の構成は第一実施例と同様であるので、同じ番号を付して以下での説明を省く。逆止弁23は、ハロゲン発生器10で発生したハロゲンガスがバッファガス供給ライン24及びバッファガスボンベ20側に侵入しないようにするためのものである。この逆止弁23によって、ハロゲンガスが他のガスラインに混入しないために、高精度でハロゲンガスが供給され、また安全性も確保される。また、第二実施例におけるレーザガス交換処理、運転中のハロゲンガス注入処理、及び安全のための処理等の処理内容は、第一実施例と同様にして可能である。
【0111】
次に、第三実施例は、供給ガスボンベとしてバッファガスとレアガスの混合ガス(例えば、Kr1.2%とNe98.8%の混合ガス)を用いた例であり、図28はそのハード構成を示している。本実施例では、バッファガスボンベ20及びレアガスボンベ30の代わりに、混合ガスボンベ25を使用している。混合ガスボンベ25からの混合ガス供給ライン27は、ガス入力用バルブ21を介してハロゲン発生器10の入力ポートに、バルブ22を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。その他の構成は第一実施例と同様であり、同じ構成には同じ番号を付して説明を省く。
【0112】
このように構成したことの利点は、レーザチャンバ1へのバッファガスとレアガスのガス供給ラインが1本ですむことと、レーザ運転中にハロゲンガスを注入してもレアガスの濃度が変化しないので、全体として高精度なガス供給制御が可能なことである。
【0113】
図29及び図30は、上記混合ガスを使用した場合のレーザガス交換時のメインルーチンの処理例を表している。まず、図29にしたがって、第1のメインルーチン例を説明する。
(S191)レーザチャンバ1内のガスを排気して真空引きを行うサブルーチン「SUB1」を実行する。
(S192)ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB2」を実行する。
(S193)バッファガスとレアガスの混合ガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB20」を実行する。この後、処理終了する。
【0114】
また、混合ガスを使用した場合のレーザガス交換時の第2のメインルーチン例を図30に示している。この例は、上記真空引き後に、混合ガスの初期注入を行ってから、上記S192からと同じ処理を行うものである。
(S201)まず、レーザチャンバ1内のガスを排気して真空引きを行うサブルーチン「SUB1」を実行する。
(S202)次に、混合ガスをレーザチャンバ1内に初期注入するサブルーチン「SUB21」を実行する。
(S203)次に、ハロゲンガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB2」を実行する。
(S204)そして、混合ガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB20」を実行する。この後、処理終了する。
【0115】
図29及び図30において、サブルーチン「SUB1」及び「SUB2」は第一実施例で説明したものと同様である。
【0116】
以下に、図31を参照しながら、上記のバッファガスとレアガスの混合ガスをレーザチャンバ1内に注入するサブルーチン「SUB20」を説明する。ここで、バルブ22は閉じているものとする。
(S211)バルブ22を開けて混合ガスを注入する。
(S212)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値PBrと等しくなるまで待つ。これによって、所望のガス圧の混合ガスがレーザチャンバ1内に注入される。
(S213)バルブ22を閉じる。このようにして、所望のガス圧の混合ガスが注入される。
【0117】
次に、図32を参照しながら、上記混合ガスをレーザチャンバ1内に初期注入するサブルーチン「SUB21」を説明する。ここで、バルブ22は閉じているものとする。
(S221)バルブ22を開けて混合ガスを注入する。
(S222)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値PBr0と等しくなるまで待つ。ここで、所定値PBr0は0に近い正の所定値とする。これは、第一実施例のバッファガス初期注入サブルーチン「SUB5」と同様の理由による。これによって、所望の分圧のハロゲンガスを正確にレーザチャンバ1内に注入できる。
(S223)バルブ22を閉じる。このようにして、初期的に混合ガスが注入される。
【0118】
また、第三実施例における運転中のハロゲンガス注入処理、及び安全のための処理等の処理内容は、第一実施例と同様にして可能である。
【0119】
次に、第四実施例を図33によって説明する。本実施例は、ハロゲン発生器10の出力ポートとハロゲンガス供給ライン14との間に、バッファガスとハロゲンガスを混合するためのバッファタンク26を配設した例である。ハロゲン発生器10の出力ポートはハロゲン注入用バルブ16を介してバッファタンク26の入力側に接続され、バッファタンク26の出力側はバッファタンク出力用バルブ28を介してハロゲンガス供給ライン14に接続されている。ハロゲン発生器10の入力ポート側には、何も接続されてない。バッファガスボンベ20のガス供給ラインは、バッファ注入用バルブ34を介してバッファタンク26の入力側に、前記ハロゲン注入用バルブ16の出力側と並列に接続されている。また、バッファタンク26の入力側はバッファタンク排気用バルブ29を介してハロゲンフィルタ42の入力側に、排気用バルブ41の出力側と並列に接続されている。その他の構成で第一実施例と同じものは、同じ番号を付しており、説明を省く。
【0120】
このように構成した場合でも、第一実施例と同様のレーザガス交換処理、運転中のハロゲンガス注入処理、及び安全のための処理等を実施することによって、高精度にハロゲンガス濃度を調整可能となる。このとき、運転中のハロゲンガス注入処理は、バッファタンク26を使用して以下のように実施される。
【0121】
図34は、上記のようにバッファタンク26を付設した場合の、運転中のハロゲンガス注入サブルーチン「SUB8d」を表しており、図34に基づいて説明する。なお、このサブルーチン「SUB8d」は第一実施例の図10における運転中にハロゲンガス注入サブルーチン「SUB8」の一例とみなされる。
(S231)ハロゲン吸蔵物質11の注入温度STinを「STin=k3×H」によって求める。ここで、Hは第一実施例の「SUB7」において求められているハロゲンガス注入量を決定する変数であり、k3は所定の大きさの係数とする。よって、ハロゲンガス注入量Hの大きさに比例して、注入温度STinは高くなる。
(S232)ハロゲン吸蔵物質11の温度STがステップS231で求めた注入温度STinになるまで待つ。これによって、ハロゲンガス注入量Hに応じた所定のハロゲンガス分圧に制御される。
【0122】
(S233)バッファ注入用バルブ34、ハロゲン注入用バルブ16及びバッファタンク出力用バルブ28を閉じた後、バッファタンク排気用バルブ29を開けて真空ポンプ44を作動させ、例えば所定時間tBTだけバッファタンク26の真空引きを行う。
(S234)次に、バッファタンク排気用バルブ29を閉じてハロゲン注入用バルブ16を例えば所定時間tBHだけ開ける。これによって、バッファタンク26内にハロゲンガスが充填される。
(S235)次に、ハロゲン注入用バルブ16を閉じてバッファ注入用バルブ34を例えば所定時間tBBだけ開ける。これによって、バッファタンク26内にバッファガスが充填される。
(S236)次に、バッファ注入用バルブ34を閉じた後、バッファタンク出力用バルブ28及びハロゲン注入用バルブ17を所定時間tBRだけ開ける。これによって、バッファタンク26からレーザチャンバ1内にハロゲンガスが所定量だけ注入される。
(S237)バッファタンク出力用バルブ28及びハロゲン注入用バルブ17を閉じ、サブルーチン処理を終了する。
【0123】
上記フローチャートの例では、モニタ5の推定結果(S231でのハロゲンガス注入量を決定する変数Hの大きさ)に基づいてハロゲン発生器10の温度を制御しているが、この方法に限定されるものではない。すなわち、例えば前述の「SUB8a」のように温度は所定値に一定とし、ハロゲン注入用バルブ16の開閉時間を制御することによってハロゲン分圧を制御してもよい。なお、マスフローコントローラ19が無い場合は、直接バッファタンク出力用バルブ28をレーザチャンバガス供給ライン7に接続し、ハロゲン注入用バルブ17無しでバッファタンク出力用バルブ28のみの開閉をすればよい。また、真空ポンプ44及びバッファタンク排気用バルブ29は真空引手段の一例であり、これに限定されるものでない。
【0124】
次に、第五実施例を説明する。第五実施例は、ハロゲンガス供給ラインをレーザチャンバ1に直接接続すると共に、ハロゲン発生器10及びハロゲンガス供給ラインをレーザチャンバ1と一体に取り付けた例を示している。図35に基づいて、そのハード構成を詳細を説明する。ハロゲン発生器10の出力ポート側に配設されたハロゲンガス供給ライン14,14aのハロゲン注入用バルブ17、18は、直接レーザチャンバ1に接続されている。マスフローコントローラ19を搭載していない場合は、直接ハロゲンガス供給ライン14をレーザチャンバ1に接続する。そして、ハロゲン発生器10の入力ポートに接続された交換用入力バルブ60には、バッファガスボンベ20のバッファガス供給ライン24がガス入力用バルブ21及び入力用継手62を介して接続されている。また、レーザチャンバ1の排気ラインには、レーザチャンバ用バルブ8からレーザチャンバ用継手61及びバルブ73を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。レーザチャンバ用継手61及び入力用継手62の所では配管が分離できるようになっているので、レーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を一体にした部分が容易に交換可能となっている。なお、温度コントローラ15と温度センサ12及びヒータ13の間のケーブルや、各バルブとガスコントローラ6の間のケーブル等は、例えば着脱自在なコネクタ12a、13a等によって分離可能となっている。
【0125】
また、交換時にレーザチャンバ1内、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10を例えば不活性ガス等で洗浄(以後、パージと呼ぶ)するためのパージ手段として、不活性ガスボンベ及びこれを開閉するバルブ36が使用される。本実施例では、パージ手段の一例としてヘリウムガスボンベ35がバルブ36を介して排気ライン40に接続されている。
【0126】
このような構成におけるレーザチャンバ1の交換時のフローチャート例を図36に示し、以下図36R>6によって詳細にフローチャートを説明する。ここで、バルブ73は開いていて、バルブ22,31は閉じているものとする。
(S241)温度コントローラ15によってハロゲン吸蔵物質11の温度を常温に戻し、温度コントローラ15の制御が停止していることを確認する。このことは、例えばレーザチャンバ1内の圧力P1が所定値以下になったことや、ハロゲン吸蔵物質11の温度が所定値以下になったこと等により確認できる。
(S242)ガス入力用バルブ21及びバルブ36を閉じる。そして、バルブ60,16,17,18,8,41を開ける。
(S243)カウント数nを初期化、すなわち「n=0」とする。
【0127】
(S244)真空ポンプ44を作動し、レーザチャンバ1内、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10内を真空引きする。
(S245)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値Pv以下になるまで真空引きを継続する。
(S246)真空ポンプ44を停止させる。
(S247)排気用バルブ41を閉じ、そしてバルブ36を開けてヘリウムガスをレーザチャンバ1内に注入する。これにより、レーザチャンバ1内、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10がヘリウムパージされる。
(S248)レーザチャンバ1内の圧力P1が所定値PHe以上になるまでヘリウムパージを継続する。
【0128】
(S249)カウント数nが所定回数N以上になったか否か判断し、N以上のときはS252へ進み、そうでないときはS250へ進む。これにより、排気とヘリウムパージが所定回数繰り返される。
(S250)カウント数nを1だけ進める。
(S251)バルブ36を閉じて排気用バルブ41を開け、S244へ戻る。
【0129】
(S252)バルブ36を閉じ、ヘリウムパージを終了する。このステップでコントローラの処理は終了するが、作業者等に処理終了を通知する表示や合図音等によって知らせることができる。
(S253)作業者は安全のためにレーザ装置への供給電源スイッチをオフする。
(S254)そして、レーザチャンバ用継手61,62によりレーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を取り外す。ここで、レーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を取り外す際にバルブ72を閉めることにより、レーザチャンバガス供給ライン7は空気に汚染されなくなる。
【0130】
以上のようにして、メインテナンスのときレーザチャンバ1及びハロゲン発生器10を同時に交換できるので、保守時の作業性がよい。また、ハロゲンガス供給ライン14,14aが直接レーザチャンバ1に接続されているので、ハロゲンガス供給の配管が短くなり、このため装置をコンパクトに、安全にそして安いコ1トで構成できる。さらに、配管が短いためにレーザ運転中でのハロゲンガス注入の応答性が改善されるので、ハロゲンガスの制御性がよい。
【0131】
次に、第六実施例を説明する。本実施例はハロゲン発生器10を単独で交換できるようにした例であり、図37にそのハード構成図を示している。ハロゲン発生器10の入力ポート及び出力ポートには、それぞれ交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65が設けられ、さらにその交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65の外側にはそれぞれ入力用継手62及び出力用継手67が設けられている。入力用継手62には、バッファガスボンベ20のバッファガス供給ライン24がバルブ68、逆止弁23及びガス入力用バルブ21を介して接続される。逆止弁23は、ハロゲンガスがバッファガス供給ライン24に流れ込まないように接続される。また、バルブ68と逆止弁23の間から配管71及びバルブ22を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続している。さらに、逆止弁23とバルブ21の間からは配管72及び自動バルブ70を介してて配管71に接続している。また、出力用継手67はハロゲン注入用バルブ16を介してハロゲンガス供給ライン14,14aに接続されている。さらに、ヘリウムガスボンベ35のガス供給ラインがバルブ36を介してレーザチャンバガス供給ライン7に接続されている。なお本実施例では、交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65は自動バルブでもよいし、手動操作で開閉する手動バルブであってもよい。自動バルブの場合は、そのバルブ供給電源が遮断されたときにバルブが強制的に閉じるものとする。
【0132】
上記の構成によるハロゲン発生器10の交換時のフローチャート例を、図38を参照しながら説明する。ここで、交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65は開いているものとする。
(S261)温度コントローラ15によってハロゲン吸蔵物質11の温度を常温に戻し、温度コントローラ15の制御が停止していることを確認する。このことは、前述のS241と同様に確認できる。
(S262)バルブ8,21,31,36,68を閉じる。そして、ハロゲン注入用バルブ16,17,18及びバルブ22,70を開ける。
(S263)カウント数nを初期化、すなわち「n=0」とする。
【0133】
(S264)排気用バルブ41を開ける。
(S265)所定時間真空ポンプ44を作動し、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10内を真空引きする。
(S266)排気用バルブ41を閉じた後、所定時間バルブ36を開けてヘリウムガスをハロゲン発生器10内に注入する。これにより、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10がヘリウムパージされる。
(S267)バルブ36を閉じる。
【0134】
(S268)カウント数nが所定回数N以上になったか否か判断し、N以上のときはヘリウムパージが終了したのでS270へ進む。そうでないときはS269へ進み、排気とヘリウムパージが所定回数繰り返される。
(S269)カウント数nを1だけ進め、S264へ戻る。
(S270)これまでのステップでコントローラの処理は終了しているので、作業者等に表示や合図音等によって処理終了を通知することができる。作業者は、安全のためにレーザ装置への供給電源スイッチをオフする。
(S271)そして、交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65が手動の場合は閉じる。また、このバルブが自動の場合は、前ステップS270で処理終了の前に閉じるが、供給電源スイッチをオフしたときに強制的に閉じられる。
(S272)入力用継手62及び出力用継手67によりハロゲン発生器10を取り外す。
【0135】
このような構成にすることにより、ハロゲン発生器10内を空気で汚染することなく、さらにハロゲンガスを漏らすことなく、容易にハロゲン発生器10を交換することができる。また、S270において処理を終了する前にバルブ16を閉じることによって、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びレーザチャンバガス供給ライン7は空気で汚染されなくなる。なお、上記のようにハロゲンガス供給ライン14,14a、ハロゲン発生器10及びガス入力用バルブ21までの間は真空ポンプ44及び排気用バルブ41によって真空引きされる。この真空ポンプ44及び排気用バルブ41は真空引き手段の一例であり、これに限定されるものではない。
【0136】
ハロゲン発生器10を取り付けるときは、上記とほぼ同様の手順で行うことができ、図39にそのときのフローチャートを示している。ここで、交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65は閉じた状態にしてあるものとする。
(S281)入力用継手62及び出力用継手67によりハロゲン発生器10を取り付ける。
(S282)レーザ装置への供給電源スイッチをオンする。
(S283)温度コントローラ15の制御が停止していることを確認する。
(S284)バルブ8,31,36,68を閉じた後、ハロゲン注入用バルブ16,17,18、ガス入力用バルブ21及びバルブ22,70を開ける。ここで、ガス入力用バルブ21及びバルブ22,70を開ける理由は、交換用入力バルブ60とガス入力用バルブ21との間に溜まっている空気を排気するためである。
(S285)カウント数nを初期化、すなわち「n=0」とする。
【0137】
(S286)排気用バルブ41を開ける。
(S287)所定時間真空ポンプ44を作動し、ハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10内を真空引きする。
(S288)排気用バルブ41を閉じた後、所定時間バルブ36を開けてハロゲンガス供給ライン14,14a及びハロゲン発生器10の入力側及び出力側の継手部をヘリウムパージする。
(S289)バルブ36を閉じる。
【0138】
(S290)カウント数nが所定回数N以上になったか否か判断し、N以上のときはヘリウムパージが終了したのでS292へ進む。そうでないときはS291へ進み、排気とヘリウムパージが所定回数繰り返される。
(S291)カウント数nを1だけ進め、S286へ戻る。
(S292)作業者は交換用入力バルブ60及び交換用出力バルブ65を開け、バルブ70を閉じる。バルブ70を閉じることによって、バッファガス供給ラインへのハロゲンガスの侵入を防止している。このように、ハロゲン発生器10の脱着が容易となり、また安全に交換可能となる。
【0139】
なお、これまで説明したフローチャートは、ガスコントローラ6と温度コントローラ15とを含めたエキシマレーザ装置全体としての処理フローを示している。したがって、ガスコントローラ6及び温度コントローラ15を別個のものとせず一体のコントローラとしてもよく、このときの作用及び効果は同様となる。
【0140】
レーザチャンバ内のガス圧よりもバッファガス、又はバッファガスとレアガスとの混合ガスの圧力を高くし、このバッファガス、又は混合ガスをハロゲン発生器内に導入しているので、ハロゲン発生器内のハロゲン吸蔵物質から発生したハロゲンガスをレーザチャンバ内に注入できる。この結果、レーザ運転中でも所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバ内に供給することができる。また、上記のように純粋なバッファガス、又はバッファガスとレアガスとの混合ガスをハロゲン発生器に透過させているので、ハロゲン発生器は不純物ガスに汚染されることはなく、長期間安定してハロゲン発生器を使用できる。
【0141】
また、ハロゲン発生器の入力ポート側と出力ポート側のそれぞれに、バルブ及び継手を配設したので、ハロゲン発生器を単体で着脱容易となり、ハロゲン発生器の交換時の作業性が向上する。
【0142】
また、ハロゲン発生器の入力ポート側にバルブと継手を配設すると共に、レーザチャンバのレーザチャンバガス供給ライン側にバルブ及び継手を配設したので、レーザチャンバ及びハロゲン発生器を同時に交換可能となった。よって、レーザチャンバ及びハロゲン発生器の保守性を向上できる。また、配管が短くなるので、安全でしかも小型化されると共に、ハロゲンガス注入の応答性が改善されるのでハロゲンガス分圧の制御性が向上する。
【0143】
また、レーザガス交換時に、レーザチャンバ内を真空にした後、所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバ内のガス圧が所定値となるまで注入することによって、ハロゲンガスの注入量を高精度に制御できる。よって、レーザガス交換後に発振するレーザ特性を向上できる。
【0144】
また、レーザ運転中に、モニタによって推定したレーザチャンバ内の現在のハロゲンガス分圧(濃度)に基づいて所定の分圧のハロゲンガスを所定量だけレーザチャンバへ注入することができ、よってレーザ運転中のハロゲンガス注入量が精度よく安全に制御できる。この結果、所望のレーザ特性が容易に得られる。
【0145】
また、ハロゲン発生器の入力ポート側に、入力方向にのみガスを透過する逆止弁を配設したので、ハロゲンガスがバッファガス供給ラインやバッファガスボンベ等に侵入しない。これによって、安全でしかも高精度にハロゲンガスを供給できる。
【0146】
また、ハロゲン発生器の出力ポート側にバッファタンクを介してハロゲンガス供給ラインを接続したので、レーザ運転中に、モニタによって推定したレーザチャンバ内の現在のハロゲンガス分圧(濃度)に基づいて所定の分圧のハロゲンガスを所定量だけレーザチャンバへ注入することができる。よって、レーザ運転中のハロゲンガス注入量が精度よく、かつ、安全に制御できる。この結果、所望のレーザ特性が容易に得られる。
【0147】
レーザガス交換時に、レーザチャンバ内を真空にした後、所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバへ注入するハロゲンガス供給ラインのバルブを所定時間開けることによって、ハロゲンガスの注入量を高精度に制御できる。よって、レーザガス交換後に発振するレーザ特性を向上できる。
【0148】
また、レーザガス交換時に、レーザチャンバ内を真空にした後、所定分圧のハロゲンガスをレーザチャンバ内のガス圧が所定値となるまで注入することによって、ハロゲンガスの注入量を高精度に制御できる。よって、レーザガス交換後に発振するレーザ特性を向上できる。
【0149】
ハロゲン発生器の温度、ハロゲンフィルタの温度及び排気ガスのハロゲン濃度等の異常を常に監視し、異常のときはハロゲン発生器のヒータの電源をオフしてハロゲンガス発生を停止し、またハロゲンガス供給ライン及び排気ラインの各バルブを閉じてハロゲンガスの排気を停止している。これによって、安全なガス供給装置を構成できる。
【0150】
また、ハロゲンガスの注入と排気は両方同時にできないようにしているので、ハロゲンガスフィルタの異常温度上昇は無くなり、安全性を向上できる。
【0151】
ハロゲン発生器の両側にバルブ及び継手を設け、ハロゲン発生器と配管とを接続する部分で空気が溜まる部分を簡単に排気でき、かつ、不活性ガス等で容易にパージできる。この結果、ハロゲン発生器の交換後のレーザガス注入が容易で、しかも高精度にできるので、特性の良いレーザ光を発振できる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の第一実施例のハード構成図。
【図2】第一実施例のレーザガス交換時のメインルーチンのフローチャート第1例を示す。
【図3】第一実施例のレーザガス交換時のメインルーチンのフローチャート第2例を示す。
【図4】第一実施例のレーザチャンバ内ガス排気サブルーチン。
【図5】第一実施例のハロゲンガス注入サブルーチンの第1例。
【図6】第一実施例のハロゲンガス注入サブルーチンの第2例。
【図7】第一実施例のレアガス注入サブルーチン例。
【図8】第一実施例のバッファガス注入サブルーチン例。
【図9】第一実施例のバッファガス初期注入サブルーチン例。
【図10】レーザ運転中のハロゲンガス注入のメインルーチン例。
【図11】モニタからのデータ読み込みサブルーチンの第1例。
【図12】ハロゲンガス分圧とビーム巾との関係を表す図。
【図13】モニタからのデータ読み込みサブルーチンの第2例。
【図14】ハロゲンガス分圧とビームスペクトル巾との関係を表す図。
【図15】モニタからのデータ読み込みサブルーチンの第3例。
【図16】ハロゲンガス注入量又は注入速度の計算サブルーチンの第1例。
【図17】ハロゲンガス注入量又は注入速度の計算サブルーチンの第2例。
【図18】レーザ運転中のハロゲンガス注入サブルーチンの第1例。
【図19】レーザ運転中のハロゲンガス注入サブルーチンの第2例。
【図20】レーザ運転中のハロゲンガス注入サブルーチンの第3例。
【図21】ガス供給装置の安全処理のサブルーチン例。
【図22】異常検出及び異常処理のサブルーチン例。
【図23】異常検出及び異常処理のハード構成ブロック図の例(正常時)。
【図24】異常検出及び異常処理のハード構成ブロック図の例(異常時)。
【図25】排気とハロゲンガス供給のインターロック処理ブロック図の例。(排気時)
【図26】排気とハロゲンガス供給のインターロック処理ブロック図の例。排気したない時)
【図27】本発明の第二実施例のハード構成図。
【図28】本発明の第三実施例のハード構成図。
【図29】第三実施例のレーザガス交換時のメインルーチンのフローチャート第1例を示す。
【図30】第三実施例のレーザガス交換時のメインルーチンのフローチャート第2例を示す。
【図31】第三実施例のバッファガスとレアガスの混合ガス注入サブルーチンの例。
【図32】第三実施例のバッファガスとレアガスの混合ガス初期注入サブルーチンの例。
【図33】本発明の第四実施例のハード構成図。
【図34】第四実施例におけるレーザ運転中のハロゲンガス注入サブルーチンの例。
【図35】本発明の第五実施例のハード構成図。
【図36】第五実施例のレーザチャンバ交換時のフローチャート例。
【図37】本発明の第六実施例のハード構成図。
【図38】第六実施例のハロゲン発生器取り外し時のフローチャート例。
【図39】第六実施例のハロゲン発生器取り付け時のフローチャート例。
【図40】従来技術を表すハロゲン発生器を備えたエキシマレーザ装置。
【図41】ハロゲン発生器のハロゲン吸蔵物質の温度とハロゲンガス分圧との関係を表す図。
【符号の説明】
【0153】
1…レーザチャンバ、1a,1b…レーザ窓、2…フロントミラー、3…リアミラー、4…ビームスプリッタ、5…モニタ、6…ガスコントローラ、7…レーザチャンバガス供給ライン、8…レーザチャンバ用バルブ、9…圧力センサ、10…ハロゲン発生器、10a,10b…バルブ、11…ハロゲン吸蔵物質、12…温度センサ、13…ヒータ、14…ハロゲンガス供給ライン、14a…バイパスライン(ハロゲンガス供給ライン)、15…温度コントローラ、16…ハロゲン注入用バルブ、17…ハロゲン注入用バルブ、18…ハロゲン注入用バルブ、19…マスフローコントローラ、20…バッファガスボンベ、21…ガス入力用バルブ、22…バルブ、23…逆止弁、24…バッファガス供給ライン、25…混合ガスボンベ、26…バッファタンク、27…混合ガス供給ライン、28…バッファタンク出力用バルブ、29…バッファタンク排気用バルブ、30…レアガスボンベ、31…バルブ、34…バッファ注入用バルブ、35…ヘリウムガスボンベ、36…バルブ、40…排気ライン、41…排気用バルブ、42…ハロゲンフィルタ、43…ハロゲンセンサ、44…真空ポンプ、51…温度センサ、52…温度センサ、53…異常停止回路用電源、54…リレー、55…バルブ用電源、56…ヒータ用電源、60…交換用入力バルブ、61…レーザチャンバ用継手、62…入力用継手、65…交換用出力バルブ、67…出力用継手、80…エキシマレーザ、81…コントローラ、82…ガス管理機構、83…循環ポンプ、84,85,86…パイプ、87…極低温クリーナ87、87a,87b…バルブ、88…化学ガスクリーナ、88a,88b…バルブ、90…パラストボリューム、91…レアガスボンベ、91a…バルブ、92…負圧ポンプ、92a…バルブ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスをハロゲンガス供給ライン(14)を介してレーザチャンバ(1)内に注入し、
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、
レーザチャンバ(1)内を真空にする第1の真空引き手段(44,41)と、
ハロゲンガス供給ライン(14)に設けられ、ハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ(16)と、
レーザガス交換時に、
第1の真空引き手段(44,41)を作動させてレーザチャンバ(1)内を真空にした後、
ハロゲン発生器(10)で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入量を所定量に制御するために、ハロゲン注入用バルブ(16)を所定時間開ける指令を出力するガスコントローラ(6)とを備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項2】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスをハロゲンガス供給ライン(14)を介してレーザチャンバ(1)内に注入し、
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、
レーザチャンバ(1)内のガス圧を検出する圧力センサ(9)と、
レーザチャンバ(1)内を真空にする第1の真空引き手段(44,41)と、
ハロゲンガス供給ライン(14)に設けられ、ハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入を開閉するハロゲン注入用バルブ(16)と、
レーザガス交換時に、
第1の真空引き手段(44,41)を作動させてレーザチャンバ(1)内を真空にした後、
ハロゲン発生器(10)で発生したハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入量を所定量に制御するために、圧力センサ(9)から入力したガス圧信号が所定値となるまでハロゲン注入用バルブ(16)を開ける指令を出力するガスコントローラ(6)とを備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項3】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、
レーザチャンバ(1)内のレーザガスを排気する排気ライン(40)のハロゲンガスを除去するハロゲンフィルタ(42)の温度を検出する第1の温度センサ(45,52)と、
ハロゲン発生器(10)の温度を検出する第2の温度センサ(12,51)と、
前記排気ライン(40)の排気ガスのハロゲンガス濃度を検出するハロゲンセンサ(43)と、
第1の温度センサ(45,52)、上記第2の温度センサ(12,51)及びハロゲンセンサ(43)の内少なくともいずれか一つの検出信号が所定値以上になって異常になったときは、異常検出信号を出力するガスコントローラ(6)及び/又は異常判定手段(54)と、
前記異常検出信号によって、ハロゲン発生器(10)のヒータ(13)の電源をオフするヒータ遮断手段(54a3,54a4)と、
前記異常検出信号によって、ハロゲンガス供給ライン(14)の各ハロゲン注入用バルブ(16,17,18)及び排気ライン(40)の各排気用バルブ(41,29)を閉じるバルブ遮断手段(54a1,54a2)とを備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項4】
レーザチャンバ(1)内にバッファガスとレアガスとハロゲンガスとの混合ガスをレーザガスとして供給し、このレーザガスを励起してレーザ光を発振させるエキシマレーザ装置において、
レーザチャンバ(1)内のレーザガスを排気する排気ライン(40)のハロゲンガスを除去するハロゲンフィルタ(42)の温度を検出する第1の温度センサ(45,52)と、
前記排気ライン(40)の排気ガスのハロゲンガス濃度を検出するハロゲンセンサ(43)と、第1の温度センサ(45,52)及びハロゲンセンサ(43)の内少なくともいずれか一つの検出信号が所定値以上になって異常になったときは、異常検出信号を出力するガスコントローラ(6)及び/又は異常判定手段(54)と、
前記異常検出信号によって、ハロゲンガス供給ライン(14)の各ハロゲン注入用バルブ(16,17,18)及び排気ライン(40)の各排気用バルブ(41,29)を閉じるバルブ遮断手段(54a1,54a2)とを備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項5】
レーザチャンバ(1)内にバッファガスとレアガスとハロゲンガスとの混合ガスをレーザガスとして供給し、このレーザガスを励起してレーザ光を発振させるエキシマレーザ装置において、
ハロゲンガスの供給及びレーザガスの排気を両方同時にはできないようにする供給排気インタロック手段(64)を備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項6】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定の温度に制御して所定の分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置において、
ハロゲン発生器(10)の入力ポート側に配設された交換用入力バルブ(60)及び入力用継手(62)と、
ハロゲン発生器(10)の出力ポート側に配設された交換用出力バルブ(65)及び出力用継手(67)と、
少なくとも、交換用出力バルブ(65)を経由してレーザチャンバ(1)内にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給ライン(14)、ハロゲン発生器(10)、交換用入力バルブ(60)と交換用出力バルブ(65)との間の配管を真空引きする第1の真空引き手段(44,41)と、
前記真空引きしたハロゲンガス供給ライン(14)、ハロゲン発生器(10)、交換用入力バルブ(60)と交換用出力バルブ(65)との間の配管を少なくとも不活性ガスでパージするパージ手段(35,36)とを備えた
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置。
【請求項7】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、
レーザガス交換時に、
レーザチャンバ(1)内を真空にした後、
ハロゲン発生器(10)の出力ポート側のハロゲンガス供給ライン(14)のハロゲン注入用バルブ(16)を所定時間開けることにより、ハロゲンガスをレーザチャンバ(1)内に所定量注入する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法。
【請求項8】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、
レーザガス交換時に、
レーザチャンバ(1)内を真空にした後、
レーザチャンバ(1)内のガス圧が所定値となるまでハロゲン発生器(10)の出力ポート側のハロゲンガス供給ライン(14)のハロゲン注入用バルブ(16)を開けることにより、
ハロゲンガスをレーザチャンバ(1)内に所定量注入する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法。
【請求項9】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法において、
レーザガス交換時に、
レーザチャンバ(1)内を真空にした後、
レーザチャンバ(1)内のガス圧が所定値となるまで、ハロゲン発生器(10)の入力ポート側のガス入力用バルブ(21)及び出力ポート側のハロゲンガス供給ライン(14)のハロゲン注入用バルブ(16)を開けることにより、
ハロゲンガスをレーザチャンバ(1)内に所定量注入する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス交換方法。
【請求項10】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、
レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、
このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器(10)の入力ポート側のガス入力用バルブ(21)及び出力ポート側のハロゲンガス供給ライン(14)のハロゲン注入用バルブ(16)を所定時間開けることにより、
ハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入量を制御する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法。
【請求項11】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、
レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、
このハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器(10)の出力ポート側のマスフローコントローラ(19)による流量制御を行うことにより、
ハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入量を制御する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法。
【請求項12】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、
レーザ運転中に、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、
ハロゲン発生器(10)の入力ポート側のガス入力用バルブ(21)及び出力ポート側のハロゲン注入用バルブ(16)を開いた状態で、
前記推定したハロゲンガス分圧に基づいてハロゲン発生器(10)の温度を制御することにより、
ハロゲンガスのレーザチャンバ(1)への注入量を制御する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法。
【請求項13】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法において、
レーザ運転中に、バッファタンク(26)を真空にした後、検出したレーザ特性に基づいて現在のハロゲンガス分圧を推定すると共に、
ハロゲン発生器(10)で発生したハロゲンガスを前記推定したハロゲンガス分圧に基づいて所定量だけバッファタンク(26)に充填し、
さらにバッファタンク(26)にバッファガス又はバッファガスとレアガスとの混合ガスを所定量充填し、
このバッファタンク(26)に充填された混合ガスをレーザチャンバ(1)に注入する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置のレーザガス注入方法。
【請求項14】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法において、
ハロゲン発生器(10)の温度と、
排気ライン(40)のハロゲンガス除去用のハロゲンフィルタ(42)の温度と、
排気ライン(40)の排気ガスのハロゲンガス濃度との3つの内
少なくともいずれか一つが異常のときは、ハロゲン発生器(10)のヒータ(13)の電源を遮断すると共に、
ハロゲンガス供給ライン(14)及び排気ライン(40)を遮断する
ことを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法。
【請求項15】
ハロゲン発生器(10)のハロゲン吸蔵物質(11)を所定温度に制御して所定分圧で発生させたハロゲンガスの注入量の制御によって
レーザチャンバ(1)内のハロゲンガス分圧を制御するエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法において、
排気ライン(40)のハロゲンガス除去用のハロゲンフィルタ(42)の温度と、
排気ライン(40)の排気ガスのハロゲンガス濃度との2つの内
少なくともいずれか一つが異常のときは、ハロゲンガス供給ライン(14)及び排気ライン(40)を遮断することを特徴とするエキシマレーザ装置のガス供給装置の異常処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図12】
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【図14】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2006−80552(P2006−80552A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305522(P2005−305522)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【分割の表示】特願平7−296021の分割
【原出願日】平成7年10月20日(1995.10.20)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】