説明

エチレン−α−オレフィン共重合体及び成形体

【課題】溶融張力とスウェル比が高く、機械的強度が高いエチレン−α−オレフィン共重合体、並びに、該共重合体を押出成形してなる成形体を提供すること。
【解決手段】エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜20.0g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定される、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0〜3.5であり、スウェル比(SR)が2.0〜2.8であり、流動の活性化エネルギー(Ea)が、31.0〜35.0kJ/molであるエチレン−α−オレフィン共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン−α−オレフィン共重合体および該エチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形してなる成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エチレン−α−オレフィン共重合体は、種々の成形法により、フィルム、シート、ボトル等に成形され、食品包装材などの種々の用途に供されている。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、メタロセン触媒を用いて重合された共重合体が、衝撃強度や引張強度等の機械的強度に優れることが知られている。そのため、成形品の薄肉化により、機械的強度を維持したまま成形品の軽量化、低コスト化が期待できることから、種々の用途に該共重合体を利用することが検討されている。ところが、従来のメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、押出加工時の押出負荷が高く、また、溶融張力やスウェル比が小さいために、成形加工性は十分ではなく、その利用には限界があった。
【0003】
これに対して、昨今では、新規なメタロセン触媒が検討され、該触媒によりエチレンとα−オレフィンとを重合して得られ、成形加工性が改良されたエチレン−α−オレフィン共重合体が提案されている。例えば、特許文献1には、3つのインデニル骨格の配位子を有する遷移金属化合物と、3つのベンゾインデニル骨格の配位子を有する基を有する遷移金属化合物と、活性化用助触媒成分とを用いてエチレンとα−オレフィンとを重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。また、特許文献2には、架橋されていない2つのシクロペンタジエン型アニオン骨格の配位子を有する遷移金属化合物と、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基とフルオレニル型アニオン骨格を有する基が架橋基を介して結合した配位子を有する遷移金属化合物とからなるメタロセン触媒と、変性粘土化合物と、有機アルミニウムの存在下でエチレンとα−オレフィンとを重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−2098号公報
【特許文献2】特開2005−206777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体は、スウェル比が未だ不十分である。また該共重合体は、高い流動の活性化エネルギーを有する。これは、該共重合体が多くの長鎖分岐を有することを示唆しており、該共重合体の機械的強度は低いと考えられる。また、特許文献2記載のエチレン−α−オレフィン共重合体は、スウェル比が未だ不十分であり、しかも溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体分子鎖の溶融張力も不十分であるために、該共重合体を成形するときの引き取り性や、該共重合体を成形して得られた成形体の外観は、未だ十分満足のいくものではなかった。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、溶融張力とスウェル比が高く、機械的強度が高いエチレン−α−オレフィン共重合体、並びに、該共重合体を押出成形して得られる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、密度が860〜950kg/m3であり、メルトフローレートが0.1〜20.0g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーによって測定される、数平均分子量に対する重量平均分子量の比が2.0〜3.5であり、スウェル比が2.0〜2.8であり、流動の活性化エネルギーが、31.0〜35.0kJ/molであるエチレン−α−オレフィン共重合体にかかるものである。
【0007】
本発明の第二は、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形して得られる成形体にかかるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、溶融張力とスウェル比が高く、機械的強度が高いエチレン−α−オレフィン共重合体、並びに、該共重合体を押出成形して得られる成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。好ましいα−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンから選ばれるα−オレフィンである。
【0010】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記のエチレンに基づく単量体単位および炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体に基づく単量体単位を有していてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等があげられる。
【0011】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量を100重量%とするとき、通常50〜99.5重量%である。またα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量を100重量%とするとき、通常0.5〜50重量%である。
【0012】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、より好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数5〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数6〜8のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体である。
【0013】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
【0014】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、860〜950kg/m3である。得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは930kg/m3以下であり、更に好ましくは925kg/m3以下である。また、得られる成形体の剛性を高める観点から、好ましくは870kg/m3以上であり、より好ましくは880kg/m3以上であり、更に好ましくは890kg/m3以上であり、特に好ましくは900kg/m3以上である。密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
【0015】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、通常、0.1〜20.0g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工時の押出負荷を低減する観点から、好ましくは0.4g/10分以上であり、より好ましくは0.7g/10分以上であり、最も好ましくは1.0g/10分以上である。また、得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは10g/10分以下であり、より好ましくは5g/10分以下であり、さらに好ましくは3g/10分以下であり、もっとも好ましくは2g/10分以下である。メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する該共重合体の製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
【0016】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により得られる分子量分布曲線が単一のピークを示すことが好ましい。分子量分布曲線が多峰性のピークを示す場合、分子量分布が広くなる。分子量分布の広い共重合体は低分子量成分を多く含むため、該共重合体の機械強度が低下する。
【0017】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の数平均分子量(以下、「Mn」と記載することがある。)に対する重量平均分子量(以下、「Mw」と記載することがある。)の比(以下、「Mw/Mn」と記載することがある。)は、2.0〜3.5である。Mw/Mnが大きすぎると、得られる成形体の機械的強度が低くなることがある。Mw/Mnは、好ましくは3.0以下である。Mw/Mnは、該共重合体の製造に使用する遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の種類、及びこれらの混合比を適切に選定することで変更することができる。
【0018】
Mwに対するZ平均分子量(以下、「Mz」と記載することがある。)の比(以下、「Mz/Mw」と記載することがある。)は、重合体に含まれる高分子量成分の分子量分布を表す。Mw/Mnに比してMz/Mwが小さいことは、その重合体に含まれる高分子量成分の分子量分布が狭く、非常に分子量の高い成分、すなわち緩和時間が非常に長い成分が少ないことを意味する。Mw/Mnに比してMz/Mwが大きいことは、その重合体に含まれる高分子量成分の分子量分布が広く、非常に分子量の高い成分、すなわち緩和時間が非常に長い成分が多いことを意味する。本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、強度と加工性のバランスを考えて該共重合体に含まれる高分子量成分の量が適度に制御された共重合体であり、(Mz/Mw)−(Mw/Mn)が−0.1〜3.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.0〜0.5の範囲である。(Mz/Mw)−(Mw/Mn)は、例えば、該共重合体の製造に使用する遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を多くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体の(Mz/Mw)−(Mw/Mn)が大きくなる。また、Mz/Mwの値そのものが大きくなると、共重合体の機械強度が低くなるため、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のMz/Mwの好ましい範囲は2.0〜4.0であり、より好ましくは、2.5〜3.5である。
【0019】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比(以下、「SR」と記載することがある。)は、2.0〜2.8である。スウェル比が小さすぎると、溶融弾性が低く、例えば、Tダイフィルム成形にネックインが大きくなることがあるなど、成形時に不具合を生じることがある。スウェル比は、好ましくは2.1以上であり、より好ましくは2.2以上である。また、該スウェル比は、押出成形時の引き取り性を高める観点からは、好ましくは2.5以下である。スウェル比は、MFRを測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。エチレン−α−オレフィン共重合体のSRは、150℃で5分間ロールで共重合体を混練して得られる試料を用いて測定を行う。該スウェル比は、該共重合体の製造に使用する遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を増やすと、エチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比が大きくなる。その他にも、触媒を形成するときに各触媒成分の接触手順を変更することなどでスウェル比を制御することができる。
【0020】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の炭素原子数5以上の分岐数(以下、「NLCB」と記載することがある。)は、得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは0.05/1000C未満である。NLCBとは、共重合体が、該共重合体の鎖を構成する炭素1000個あたりに含む炭素原子数5以上の分岐点の数である。NLCBは、該共重合体の製造方法において、例えば、適切な構造の遷移金属化合物(A1)を選択することにより調整することができる。
【0021】
LCBは、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)法によって測定された13C−NMRスペクトルから、5〜50ppmに観測されるすべてのピークの面積の総和を1000として、炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークの面積を求めることにより得られる。炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークは38.2ppm付近(参考:学術文献「Macromolecules」,(米国),American Chemical Society,1999年,第32巻,p.3817−3819)に観測される。この炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークの位置は、測定装置および測定条件によりずれることがあるため、通常、測定装置および測定条件毎に、標品の測定を行って決定する。また、スペクトル解析には、窓関数として、負の指数関数を用いることが好ましい。
【0022】
g*は、長鎖分岐に起因する、溶液中での分子の収縮度を表す指標である。分子鎖あたりの長鎖分岐を含有する量が多ければ分子鎖の収縮は大きくなり、g*は小さくなる。本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、機械強度を高める観点から、下記式(II)で定義されるg*が0.85〜1.0であることが好ましく、更に好ましくは0.88〜0.95である(g*については以下の文献を参考にした:Developments in Polymer Characterisation-4,. J. V.. Dawkins,. Ed.,. Applied Science, London,. 1983, Chapter. I,. Characterization. of. Long Chain Branching in Polymers, Th. G. Scholte著)。
g*=[η]/([η]GPC×gSCB*) (II)
[式中、[η]は、エチレン−α−オレフィン共重合体の極限粘度(単位:dl/g)を表し、下記式(II−I)によって定義される。[η]GPCは下記式(II−II)によって定義される。gSCB*は、下記式(II−III)によって定義される。
[η]=23.3×log(ηrel) (II−I)
(式中、ηrelは、エチレン−α−オレフィン共重合体の相対粘度を表す。)
[η]GPC=0.00046×Mv0.725 (II−II)
(式中、Mvは、エチレン−α−オレフィン共重合体の粘度平均分子量を表す。)
SCB*=(1−A)1.725 (II−III)
(式中、Aは、エチレン−α−オレフィン共重合体中の短鎖分岐の含量測定から直接求めることができる。)]
【0023】
[η]GPCは、分子量分布がエチレン−α−オレフィン共重合体と同一の分子量分布であって、かつ分子鎖が直鎖状であると仮定した重合体の極限粘度(単位:dl/g)を表す。
SCB*は、エチレン−α−オレフィン共重合体に短鎖分岐を導入することによって生じるg*への寄与を表す。
式(II−II)は、L. H. Tung著 Journal of Polymer Science, 36, 130 (1959) 287-294頁に記載の式を用いた。
【0024】
エチレン−α−オレフィン共重合体の相対粘度(ηrel)は、次の方法で測定される。熱劣化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.5重量%含むテトラリン100mlに、共重合体100mgを135℃で溶解してサンプル溶液を調製する。ウベローデ型粘度計を用いて、前記サンプル溶液と、0.5重量%のBHTのみを含むテトラリンからなるブランク溶液の降下時間を測定し、その結果から算出される。
【0025】

で定義され、a=0.725とした。
【0026】
式(II−III)中のAは、以下の式から算出した。
A=((12×n+2n+1)×y)/((1000−2y−2)×14+(y+2)×15+y×13)
nは短鎖分岐の分岐炭素数を表す。例えばα−オレフィンとしてブテンを用いた場合はn=2、ヘキセンを用いた場合はn=4である。yは、NMRないしは赤外分光より求められる炭素数1000個あたりの短鎖分岐数である。
【0027】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、31.0〜35.0kJ/molである。Eaが31.0kJ/molよりも低いと成形加工性が悪化する。一方、Eaが35.0kJ/molよりも高いと、成形体の機械強度が低下する。また、流動の活性化エネルギーは、共重合体の製造に使用する遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の割合により変更することができる。
【0028】
Eaは、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位:Pa・sec)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせて、各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求める。夫々の温度と、各温度でのシフトファクターとから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(III)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(IV)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (III)
Ea = |0.008314×m| (IV)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクターは、夫々の温度における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
【0029】
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
【0030】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別法によって測定される溶出曲線が2つの溶出ピークを有し、高温側の溶出ピークは82℃〜100℃の範囲に存在し、低温側の溶出ピークは70℃〜82℃の範囲に存在することが好ましい。また、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、低温側の溶出ピーク高さ(L)に比べ、高温側の溶出ピーク高さ(H)が高く、HとLの比(H/L)が1.0〜5.0であることがより好ましい。H/Lは組成分布の広さを示し、H/Lが1.0より小さいと低温での溶出成分が増加するため、例えばエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて成形した成形体容器表面から内容物への成分移行が起こることがあり、H/Lが5.0より大きいと成形体の強度が低下することがある。H/Lは、1.5〜4.0であることがより好ましい。
【0031】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別法によって測定される溶出曲線に観測される、2つの溶出ピークに対応する溶出温度で溶出される成分の重量平均分子量に特徴があり、高温側の溶出ピーク温度において溶出される成分の重量平均分子量Mw(H)が35,000〜110,000の範囲であり、低温側の溶出ピーク温度において溶出される成分の重量平均分子量Mw(L)が65,000〜180,000の範囲であることが好ましい。低温溶出成分の分子量が、高温溶出成分の分子量よりも高い場合、機械強度に優れる。ただし、高温側の溶出ピーク温度において溶出される成分の重量平均分子量が低すぎる、または低温側の溶出ピーク温度において溶出される成分の重量分子量が高すぎると機械強度が低下することがある。また、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、Mw(L)とMw(H)の比であるMw(L)/Mw(H)が1.3〜4.0であることが好ましい。Mw(L)/Mw(H)が大きすぎると機械強度が低下し、Mw(L)/Mw(H)が小さすぎると、加工性が低下する。
【0032】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別法によって測定される溶出曲線のうち、96℃以上の溶出成分量が0.5%以下であり、60℃以下の溶出成分量が12%以下であることが好ましい。96℃以上の溶出成分は、分岐の少ないエチレン−α−オレフィン共重合体成分の存在を示す。分岐の少ないエチレン−α−オレフィン共重合体成分が存在すると機械強度が低下する。60℃以下の溶出成分は、分岐が多いエチレン−α−オレフィン共重合体成分の存在を示す。分岐が多いエチレン−α−オレフィン共重合体成分が多く存在すると、該共重合体を成形した成形体容器表面から内容物への成分移行が起こることがあるため、該成分の量が少ないことが好ましい。60℃以下の溶出成分量は、より好ましくは10%以下である。
【0033】
温度上昇溶離分別法の測定は、下記の装置を用いて、下記の条件で測定する。
装置:三菱化学社製 CFC T150A型
検出器:ニコレ−ジャパン(株)社製 Magna−IR550
波長:データ範囲 2982〜2842 cm−1カラム:昭和電工(株)社製 UT−806M 2本
溶媒:オルトジクロルベンゼン
流速:60ml/時間
試料濃度:100mg/25ml
試料注入量:0.8ml
担持条件:1℃/1分の速度で140℃から0℃まで降温した後、30分間放置して、0℃フラクションから溶出を開始する。
【0034】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(1)で表される遷移金属化合物(A1)と、下記式(2)で表される遷移金属化合物(A2)と、下記成分(B)と、下記成分(C)とを接触させて形成される触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することにより得られる。遷移金属化合物(A2)に対する遷移金属化合物(A1)のモル比((A1)/(A2))は、好ましくは、0.3〜30である。(A1)/(A2)は、溶融状態におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子鎖の緩和時間を短くし、かつ機械強度を高める観点から、好ましくは、1以上であり、より好ましくは3以上である。また、(A1)/(A2)は、SRを高める観点から、好ましくは、30以下であり、より好ましくは15以下である。
【0035】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは、1×10-6〜1×10-3molであり、より好ましくは、5×10-6〜1×10-4molである。
【0036】


[式中、M1は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X1、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい]
【0037】


[式中、M2は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよく、Q2は、下記式(3)で表される架橋基を表す。

(式中、nは1〜5の整数であり、J2は元素周期律表の第14族の原子を表し、R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)]
【0038】
成分(B):下記成分(B−1)および/または下記成分(B−2)
成分(B−1):下記成分(a)と、下記成分(b)とを接触させて形成される固体状触媒成分
成分(a):(a−1)元素の周期律表第13族の有機金属化合物、(a−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(a−3)ホウ素化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(b):固体状担体
成分(B−2):有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物
成分(C):有機アルミニウム化合物
【0039】
式(1)のM1および式(2)のM2は、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などがあげられる。
【0040】
式(1)のX1、R1、R、式(2)のX2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
1、R1、R、X2、R3およびR4のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0042】
1、R1、R、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基などがあげられる。
【0043】
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。
【0044】
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0045】
炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0046】
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0047】
また、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基、置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基、ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基などがあげられる。
【0048】
置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基としては、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリメチルシリルプロピル基、トリメチルシリルブチル基、トリメチルシリルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)エチル基、ビス(トリメチルシリル)プロピル基、ビス(トリメチルシリル)ブチル基、ビス(トリメチルシリル)フェニル基、トリフェニルシリルメチル基などがあげられる。
【0049】
置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジメチルアミノフェニル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジメチルアミノ)エチル基、ビス(ジメチルアミノ)プロピル基、ビス(ジメチルアミノ)ブチル基、ビス(ジメチルアミノ)フェニル基、フェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノフェニル基などがあげられる。
【0050】
ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、エトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシ−n−プロピル基、イソプロポキシ−n−プロピル基、n−ブトキシ−n−プロピル基、sec−ブトキシ−n−プロピル基、tert−ブトキシ−n−プロピル基、フェノキシ−n−プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシイソプロピル基、n−プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n−ブトキシイソプロピル基、sec−ブトキシイソプロピル基、tert−ブトキシイソプロピル基、フェノキシイソプロピル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基などがあげられる。
【0051】
1、R1、R、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基などがあげられる。
【0052】
炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコソキシ基などがあげられる。また、これらのアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基などがあげられる。
【0053】
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などがあげられる。また、これらのアラルキルオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキルオキシ基などがあげられる。
【0054】
炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などがあげられる。また、これらのアリールオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリールオキシ基などがあげられる。
【0055】
1、R1、R、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換シリル基としては、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基で置換されたシリル基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、n−ペンチルシリル基、n−ヘキシルシリル基、フェニルシリル基などの1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジフェニルシリル基などの2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの3置換シリル基などがあげられる。
【0056】
1、R1、R、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、例えば、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基2つで置換されたアミノ基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基、フェニルブチルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロイソインドリル基などがあげられる。
【0057】
1として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0058】
1として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0059】
として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0060】
1を5つ有するシクロペンタジエニル基の構造として好ましくは、5つあるR1が全て水素原子である構造、または5つあるRのうち、1つまたは2つのR1が炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、アルキル基ではない残りのR1が全て水素原子である構造が挙げられる。
【0061】
を5つ有するシクロペンタジエニル基の構造として好ましくは、5つあるRが全て水素原子である構造、または5つあるRのうち、1つまたは2つのRが炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、アルキル基ではない残りのR2が全て水素原子である構造が挙げられる。
【0062】
2として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0063】
3として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0064】
4として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0065】
式(2)のQ2は式(3)で表される架橋基を表す。
【0066】
式(3)のnは1〜5の整数である。nとして好ましくは、1〜2である。
【0067】
式(3)のJ2は、元素周期律表の第14族の遷移金属原子を表し、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子などがあげられる。好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
【0068】
式(3)のR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0069】
5のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基および炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、X1、R1、R、X2、R3およびR4のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基および炭素原子数1〜20の置換アミノ基として例示したものをあげることができる。
【0070】
2としては、メチレン基、エチリデン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、ブチリデン基、ブチレン基、ペンチリデン基、ペンチレン基、ヘキシリデン基、イソプロピリデン基、メチルエチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、メチルブチルメチレン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチルフェニル)メチレン基、ジ(メチルフェニル)メチレン基、ビス(ジメチルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルフェニル)メチレン基、フェニル(エチルフェニル)メチレン基、ジ(エチルフェニル)メチレン基、ビス(ジエチルフェニル)メチレン基、フェニル(プロピルフェニル)メチレン基、ジ(プロピルフェニル)メチレン基、ビス(ジプロピルフェニル)メチレン基、フェニル(ブチルフェニル)メチレン基、ジ(ブチルフェニル)メチレン基、フェニル(ナフチル)メチレン基、ジ(ナフチル)メチレン基、フェニル(ビフェニル)メチレン基、ジ(ビフェニル)メチレン基、フェニル(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレン基、
【0071】
シランジイル基、ジシランジイル基、トリシランジイル基、テトラシランジイル基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基、ジエチルシランジイル基、ジプロピルシランジイル基、ジブチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基、ジビニルシランジイル基、ジアリルシランジイル基、(メチル)(ビニル)シランジイル基、(アリル)(メチル)シランジイル基等をあげることができる。
【0072】
2として好ましくは、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基であり、より好ましくは、ジフェニルメチレン基である。
【0073】
式(1)で表される遷移金属化合物(A1)としては、M1をジルコニウム原子、X1を塩素原子としたものとして、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
【0074】
ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ベンジルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0075】
上記例示においてシクロペンタジエニル基の置換体は、置換基の全ての組合せを含むが、二置換体として好ましくは1−位及び3−位が置換された置換体、または1−位及び2−位が置換された置換体が好ましい。また、上記遷移金属化合物のX1のジクロリドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM1のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に変更した化合物を例示することができる。
【0076】
式(1)で表される遷移金属化合物(A1)として好ましくは、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0077】
式(2)で表される遷移金属化合物(A2)としては、M2をジルコニウム原子、X2を塩素原子とし、架橋基Q2をジフェニルメチレン基としたものとして、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0078】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0079】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0080】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0081】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0082】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0083】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0084】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0085】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0086】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0087】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0088】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0089】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0090】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0091】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0092】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0093】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0094】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0095】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0096】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0097】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0098】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0099】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0100】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0101】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0102】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0103】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0104】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0105】
上記遷移金属化合物のX2のジクロリドを、ジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物のQ2のジフェニルメチレン基を、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM2のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に変更した化合物を例示することもできる。
【0106】
式(2)で表される遷移金属化合物(A2)として好ましくは、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0107】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造に用いられる重合用触媒の調製に使用される成分(B)としては、上記成分(B−1)および/または上記成分(B−2)である。
【0108】
成分(B−1)は上記成分(a)と、上記成分(b)とを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0109】
成分(a)に用いられる成分(a−1)の元素の周期律表第13族の有機金属化合物としては、好ましくは、有機アルミニウム化合物である。有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロリド、アルキルアルミニウムジクロリド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウム、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウム、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0110】
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどが挙げられる。
【0111】
ジアルキルアルミニウムクロリドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロリドなどが挙げられる。
【0112】
アルキルアルミニウムジクロリドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、n−ヘキシルアルミニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0113】
ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0114】
アルキル(ジアルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0115】
ジアルキル(アルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0116】
アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
【0117】
ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどが挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0118】
有機アルミニウム化合物として、好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0119】
成分(a)に用いられる成分(a−2)の有機アルミニウムオキシ化合物としては、例えば、下記式[1]で表される環状のアルミノキサン、下記式[2]で表される線状のアルミノキサンなどが挙げられる。
【0120】
{−Al(R)−O−}i [1]
(式中、Rは炭化水素基を表し、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。iは2以上の整数を表す。)
【0121】
{−Al(R)−O−}jAlR2 [2]
(式中、Rは炭化水素基を表し、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。jは1以上の整数を表す。)
【0122】
式[1]におけるRおよび式[2]おけるRの炭化水素基として、好ましくは、 炭素数1〜8の炭化水素基であり、より好ましくは、 炭素数1〜8のアルキル基である。 炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基またはイソブチル基である。
【0123】
式[1]におけるiは、好ましくは、2〜40の整数であり、式[2]におけるjは、好ましくは、1〜40の整数である。
【0124】
式[1]で表される環状のアルミノキサンおよび式[2]で表される線状のアルミノキサンは、各種の方法で製造することができる。それらの製造方法は特に限定されず、公知の製造方法であってもよい。製造方法として、トリメチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウムを、ベンゼンおよび脂肪族炭化水素のような適当な有機溶剤に溶解した溶液を水と接触させて製造する方法、トリメチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウムを、硫酸銅水和物のような結晶水を含んでいる金属塩に接触させて製造する方法を例示することができる。これらの有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0125】
成分(a)に用いられる成分(a−3)ホウ素化合物としては、(c−1)式 BQ123で表されるホウ素化合物、(c−2)式 G+(BQ4567-で表されるホウ素化合物、(c−3)式 (L−H)+(BQ891011-で表されるホウ素化合物から選ばれる1種以上のホウ素化合物を用いる。
【0126】
式 BQ123で表されるホウ素化合物(c−1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1〜Q3はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。Q1〜Q3は好ましくは、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含むアミノ基であり、より好ましいQ1〜Q3はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素基、または1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素基である。
さらに好ましくはQ1〜Q4は、それぞれ少なくとも1個のフッ素原子を含む 炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基であり、特に好ましくはQ1〜Q4は、それぞれ少なくとも1個のフッ素原子を含む 炭素数6〜20のフッ素化アリール基である。
【0127】
化合物(c−1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、最も好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
【0128】
式 G+(BQ4567-で表されるホウ素化合物(c−2)において、G+は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q4〜Q7は上記の(c−1)におけるQ1〜Q3と同様である。
【0129】
式 G+(BQ4567-で表される化合物における無機のカチオンであるG+の具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるG+としては、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。G+として好ましくはカルベニウムカチオンであり、特に好ましくはトリフェニルメチルカチオンである。(BQ4567-としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0130】
これらの具体的な組み合わせとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0131】
また、式(L−H)+(BQ881011-で表されるホウ素化合物(c−3)においては、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q8〜Q11は上記のルイス酸(c−1)におけるQ1〜Q3と同様である。
【0132】
式(L−H)+(BQ891011-で表される化合物におけるブレンステッド酸である(L−H)+の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ1234-としては、前述と同様のものが挙げられる。
【0133】
これらの具体的な組み合わせとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、もしくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0134】
成分(a)としては、好ましくは、成分(a−2)の有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0135】
成分(b)に用いられる固体状担体は、無機または有機の化合物であって、微粒子状の固体であり、上記のような各成分を担持できる担体である。
【0136】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられ、好ましくは、後述のような多孔質酸化物、無機塩化物を使うことができる。
【0137】
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、またはこれらを含む複合物または混合物を使用することができる。複合物または混合物としては、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を使用することができる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
【0138】
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
【0139】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が0.2〜300μm、好ましくは1〜200μmであって、比表面積が50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜30cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0140】
無機塩化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0141】
イオン結晶性化合物として、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が挙げられる。
【0142】
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩等が挙げられる。
【0143】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
【0144】
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
【0145】
化学処理を施された粘土、または粘土鉱物を用いることも好ましい。化学処理としては、粘土表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理が挙げられる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、粘土表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって粘土の表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造が変化する。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、粘土の表面積や層間距離を変えることができる。
【0146】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラ-と呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)等を加水分解して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラ-としては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
【0147】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分け等の処理された粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物を用いてもよい。また、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物に水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらにこれらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0148】
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0149】
成分(b)に用いられる固体状担体として適切な有機化合物としては、粒径が10〜300μmである微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数が2〜14のオレフィンを主成分として生成される(共)重合体、ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0150】
成分(a)と成分(b)とを接触させることにより、成分(a)中の反応部位と成分(b)中の反応部位とが反応してこれらが化学的に結合し、成分(a)と成分(b)の接触物が形成される。成分(a)と成分(b)との接触時間は、通常20時間以下、好ましくは10時間以下であり、接触温度は、通常-50〜200℃、好ましくは-20〜120℃で行われる。成分(a)と成分(b)との初期接触を急激に行うと、その反応発熱や反応エネルギーにより成分(b)が崩壊し、得られる固体状触媒成分のモルフォロジーが悪化し、これを重合に用いた場合ポリマーモルフォロジー不良により連続運転が困難になることが多い。そのため、成分(a)と成分(b)との接触初期は、反応発熱を抑制する目的で、低温で接触させる、または、ゆっくりと反応させることが好ましい。成分(a)と成分(b)とを接触させるときの成分(b)に対する成分(a)のモル比(成分(a)/成分(b))は、任意に選択できるが、モル比が高いほうが、該接触物が、遷移金属錯体(A1)および遷移金属錯体(A2)を多く担持でき、固体状触媒成分あたりの活性を向上させることができるため、好ましい。
【0151】
成分(a)/成分(b)は、好ましくは0.2〜2.0、特に好ましくは、0.4〜2.0である。
【0152】
成分(B−1)として、好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分であり、より好ましくは、上記式[1]で表される環状のアルミノキサンまたは上記式[2]で表される線状のアルミノキサンとシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0153】
成分(B−2)は有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物である。粘土鉱物としては、上記成分(b)の粘土鉱物として例示したものと同じものを挙げることができる。
【0154】
成分(B−2)で用いられる有機化合物としては、例えば、下記式[3]、下記式[4]または下記式[5]で表される化合物が挙げられる。これらの中でも好ましくは、下記式[3]で表される化合物である。
【0155】
[Rx−1H]m1[An1 [3]
(式中、[A]はアニオンを表し、[Rx−1H]はカチオンを表し、Mは元素の周期律表第15族または第16族の原子を表し、Rは炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を表す。xはMが第15族の元素の場合、3を表し、Mが第16族の元素の場合、2を表す。m1およびn1は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
[C]m2[An2 [4]
(式中、[A]はアニオンを表し、[C]はカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンを表す。m2およびn2は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
[Mm3[An3 [5]
(式中、[A]はアニオンを表し、Mはリチウム原子、鉄原子または銀原子の陽イオンを表し、Lはそれぞれ独立にルイス塩基または置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル基を表す。yは0≦y≦2を満たす。m3およびn3は電荷が釣り合うように選ばれた整数を表す。)
【0156】
〜Aのアニオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。
【0157】
の元素の周期律表第15族の原子としては、例えば、窒素原子、リン原子等が挙げられる。Mの元素の周期律表第16族の原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
【0158】
のRおよびRの炭化水素基としては、好ましくは、 炭素数1〜20の炭化水素基である。 炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ゲラニル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、オレイル基、ベヘニル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−イソプロピル−6−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2,3−ジヒドロインデン−5−イル基、2−ビフェニル基、4−ビフェニル基、p−トリメチルシリルフェニル基等が挙げられる。また、RとRは互いに結合していてもよい。
【0159】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが窒素原子を表す場合、例えば、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、イソブチルアミン塩酸塩、tert−ブチルアミン塩酸塩、n−ペンチルアミン塩酸塩、イソペンチルアミン塩酸塩、2−メチルブチルアミン塩酸塩、ネオペンチルアミン塩酸塩、tert−ペンチルアミン塩酸塩、n−ヘキシルアミン塩酸塩、イソヘキシルアミン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、n−ノニルアミン塩酸塩、n−デシルアミン塩酸塩、n−ウンデシルアミン塩酸塩、n−ドデシルアミン塩酸塩、n−テトラデシルアミン塩酸塩、n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、n−オクタデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリ−n−ブチルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、2−アミノヘプタン塩酸塩、3−アミノヘプタン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、1,5−ジメチルヘキシルアミン塩酸塩、1−メチルヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、tert−オクチルアミン塩酸塩、ノニルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ウンデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ペンタデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、ヘプタデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ノナデシルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロヘプチルアミン塩酸塩、2−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、3−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、4−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロドデシルアミン塩酸塩、2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン塩酸塩、ゲラニルアミン塩酸塩、N−メチルヘキシルアミン塩酸塩、ジヘキシルアミン塩酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)アミン塩酸塩、ジオクチルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、N−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−エチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−アリルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、トリヘキシルアミン塩酸塩、トリイソオクチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩、トリイソデシルアミン塩酸塩、トリドデシルアミン塩酸塩、N−メチル−N−オクタデシル−1−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ピペリジン塩酸塩、2,5−ジメチルピロリジン塩酸塩、2−メチルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,3−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、2−エチルピペリジン塩酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−メチルピロリジン塩酸塩、1−メチルピペリジン塩酸塩、1−エチルピペリジン塩酸塩、1−ブチルピロリジン塩酸塩、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン塩酸塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−エチル−m−トルイジン塩酸塩、N−エチル−p−トルイジン塩酸塩、N−アリル−o−トルイジン塩酸塩、N−アリル−m−トルイジン塩酸塩、N−アリル−p−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−o−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−m−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−p−トルイジン塩酸塩、2,3−ジメチルアニリン塩酸塩、2,4−ジメチルアニリン塩酸塩、2,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2,6−ジメチルアニリン塩酸塩、3,4−ジメチルアニリン塩酸塩、3,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2−エチルアニリン塩酸塩、3−エチルアニリン塩酸塩、4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピルアニリン塩酸塩、4−イソプロピルアニリン塩酸塩、2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、4−n−ブチルアニリン塩酸塩、4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、2−クロロアニリン塩酸塩、3−クロロアニリン塩酸塩、4−クロロアニリン塩酸塩、2−ブロモアニリン塩酸塩、3−ブロモアニリン塩酸塩、4−ブロモアニリン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、o−フェネチジン塩酸塩、m−フェネチジン塩酸塩、p−フェネチジン塩酸塩、1−アミノナフタレン塩酸塩、2−アミノナフタレン塩酸塩、1−アミノフルオレン塩酸塩、2−アミノフルオレン塩酸塩、3−アミノフルオレン塩酸塩、4−アミノフルオレン塩酸塩、5−アミノインダン塩酸塩、2−アミノビフェニル塩酸塩、4−アミノビフェニル塩酸塩、N,2,3−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,6−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N−メチル−p−アニシジン塩酸塩、N−エチル−2,3−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N,2,3−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−5−アミノインダン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0160】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mがリン原子を表す場合、例えば、トリフェニルホスフィン塩酸塩、トリ(o−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリ(p−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリメシチルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0161】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが酸素原子を表す場合、例えば、メチルエーテル塩酸塩、エチルエーテル塩酸塩、n−ブチルエーテル塩酸塩、テトラヒドロフラン塩酸塩、フェニルエーテル塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置換した化合物等が挙げられる。
【0162】
上記式[3]で表される化合物のうち、Mが硫黄原子を表す場合、例えば、フッ化ジエチルスルホニウム、塩化ジエチルスルホニウム、臭化ジエチルスルホニウム、ヨウ化ジエチルスルホニウム、フッ化ジメチルスルホニウム、塩化ジメチルスルホニウム、臭化ジメチルスルホニウム、ヨウ化ジメチルスルホニウム等が挙げられる。
【0163】
上記式[4]で表される化合物としては、例えば、臭化トリチル、塩化トリチル、テトラフルオロホウ酸トリチル、ヘキサフルオロリン酸トリチル、臭化トロピリウム、塩化トロピリウム、テトラフルオロホウ酸トロピリウム、ヘキサフルオロリン酸トロピリウム等が挙げられる。
【0164】
のルイス塩基としては、例えば、エーテル類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、ホスフィン類等が挙げられる。
【0165】
上記式[5]で表される化合物としては、例えば、臭化フェロセニウム、塩化フェロセニウム、テトラフルオロホウ酸フェロセニウム、ヘキサフルオロリン酸フェロセニウム等が挙げられる。
【0166】
成分(B−2)における有機化合物と粘土鉱物の接触においては、粘土鉱物の濃度は0.1〜30重量%、接触温度は0〜150℃の条件を選択してこれらを接触させることが好ましい。また、有機化合物としては、固体の有機化合物を溶媒に溶解させた溶液を使用しても良いし、溶媒中での化学反応により得られた有機化合物の溶液をそのまま使用しても良い。粘土鉱物と有機化合物の反応量比については、粘土鉱物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。接触溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、水等が挙げられる。脂肪族炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。アルコール類としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、エチルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン等が挙げられる。
これらの接触溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの接触溶媒の中でも、好ましくは、アルコール類または水である。
【0167】
成分(B)として、好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分または有機化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物であり、より好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分または上記式[3]、上記式[4]若しくは上記式[5]で表される化合物と粘土鉱物とを接触させて形成される変性粘土鉱物であり、更に好ましくは、有機アルミニウムオキシ化合物とシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分であり、特に好ましくは、上記式[1]で表される環状のアルミノキサンまたは上記式[2]で表される線状のアルミノキサンとシリカとを接触させて形成される固体状触媒成分である。
【0168】
成分(C)の有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロリド、アルキルアルミニウムジクロリド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウム、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウム、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等があげられる。
【0169】
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等があげられ、ジアルキルアルミニウムクロリドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロリド等があげられ、アルキルアルミニウムジクロリドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、n−ヘキシルアルミニウムジクロリド等があげられ、ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等があげられ、アルキル(ジアルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等があげられ、ジアルキル(アルコキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等があげられ、アルキル(ジアリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等があげられ、ジアルキル(アリールオキシ)アルミニウムとしては、例えば、ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等があげられる。
これらの有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0170】
有機アルミニウム化合物として好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0171】
成分(C)の使用量は、成分(A1)と成分(A2)の遷移金属原子の合計のモル数に対する成分(C)有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル比、(C)/((A1)+(A2))として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、1〜2,000であることが最も好ましい。
【0172】
また、上記触媒を製造する際に、電子供与性化合物(成分(D))を用いてもよい。このような電子供与性化合物としては、窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子を含む化合物が好ましく、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましい。酸素含有化合物としては、アルコキシケイ素類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸無水物類などが挙げられ、なかでもアルコキシケイ素類またはエーテル類が好ましい。窒素含有化合物としては、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等が挙げられ、アミン類が好ましい。
【0173】
アルコキシケイ素類としては、好ましくは、下記式[6]で表されるアルコキシケイ素化合物である。
10kSi(OR114-k [6]
(式中、R10は炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、R11は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、kは0≦k≦3を満足する整数を表す。R10が複数ある場合は、複数のR10は同一であっても異なっていてもよい。OR11が複数ある場合は、複数のOR11は同一であっても異なっていてもよい。)
【0174】
10およびR11の炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。
10のヘテロ原子含有置換基のヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子が挙げられる。具体的にはジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルn−プロピルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、パーヒドロインドリル基、パーヒドロイソインドリル基、パーヒドロキノリル基、パーヒドロイソキノリル基、パーヒドロカルバゾリル基、パーヒドロアクリジニル基、フリル基、ピラニル基、パーヒドロフリル基、チエニル基等が挙げられる。好ましくは、R10およびR11がアルキル基であり、より好ましくは、R10およびR11がアルキル基であり、かつiが2または3である。
【0175】
上記アルコキシケイ素類の具体例としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ノルマルプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ノルマルブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、ノルマルペンチルトリメトキシシラン、tert−アミルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジノルマルブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルノルマルプロピルジメトキシシラン、メチルノルマルブチルジメトキシシラン、メチルイソブチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルノルマルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルノルマルブチルジメトキシシラン、tert−ブチルイソブチルジメトキシシラン、tert−アミルメチルジメトキシシラン、tert−アミルエチルジメトキシシラン、tert−アミルノルマルプロピルジメトキシシラン、tert−アミルノルマルブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、シクロブチルメチルジメトキシシラン、シクロブチルエチルジメトキシシラン、シクロブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロブチルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シクロブチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルノルマルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチル−tert−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルノルマルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルノルマルブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−tert−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルノルマルプロピルジメトキシシラン、フェニルイソプロピルジメトキシシラン、フェニルノルマルブチルジメトキシシラン、フェニルイソブチルジメトキシシラン、フェニル−tert−ブチルジメトキシシラン、フェニルシクロペンチルジメトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ビス(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)メチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)エチルジメトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(n−プロピル)ジメトキシシラン、((パーヒドロキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)(tert−ブチル)ジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリノルマルプロピルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリノルマルブチルメトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリ−tert−ブチルメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物のメトキシをエトキシ、プロポキシ、ノルマルブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシに置き換えた化合物も例示することができる。好ましくは、ジアルキルジアルコキシシランまたはトリアルキルモノアルコキシシランであり、より好ましくはトリアルキルモノアルコキシシランである。
【0176】
エーテル類の例としては、ジアルキルエーテル、アルキルアリールエーテル、ジアリールエーテル、ジエーテル化合物、環状エーテル類および環状ジエーテル類を挙げることができる。
【0177】
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジノルマルプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジノルマルブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ‐tert−ブチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルノルマルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルノルマルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソブトキシエタン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシベンゼン、1.3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、等を挙げることができる。好ましくは、ジエチルエーテル、ジノルマルブチルエーテル、メチルノルマルブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランであり、更に好ましくは、ジエチルエーテル、ジノルマルブチルエーテルまたはテトラヒドロフランである。
【0178】
カルボン酸エステル類の具体例としては、モノおよび多価のカルボン酸エステルが挙げられ、それらの例として飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルを挙げることができる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ノルマルブチル、安息香酸イソブチル、安息香酸−tert−ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジノルマルブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジノルマルブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジノルマルブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルプロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−tert−ブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、イソフラル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジノルマルブチル、イソフタル酸ジイソブチル、イソフタル酸ジ−tert−ブチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジノルマルブチル、テレフタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジ−tert−ブチル等を挙げることができる。好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸ジエチルであり、更に好ましくは、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチルまたはテレフタル酸ジメチルである。
【0179】
アミン類の例示化合物としては、トリヒドロカルビルアミンが挙げられ、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリノルマルブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、トリフェニルアミンが挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンまたはトリオクチルアミンである。
【0180】
また、上記電子供与性化合物(D)としては、活性水素を有する化合物を用いることができる。活性水素を有する化合物の中では、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、チオール類、チオフェノール類、チオカルボン酸類、スルホン酸類、アンモニア、第1級アミン類、第2級アミン類、アニリン類、イミン類、アミド類、ピロール類、ピロリジン類、ピペリジン類、ヒドロキシアミン類、シラノール類を用いても良い。これらの中で、N−H結合を有する化合物が好ましく用いられ、アンモニア、第1級アミン、第2級アミン、アニリン類、ピロリジン類またはピペリジン類がより好ましく用いられ、特に第1級アミン、第2級アミンまたはアニリン類が好ましく用いられる。
【0181】
第1級アミンの具体例として、メチルアミン、エチルアミン、ノルマルプロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミンが挙げられる。
【0182】
第2級アミンの具体例として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジドデシルアミン、ジフェニルアミン、エチルメチルアミン等が挙げられる。
【0183】
アニリン類としてはN−H結合を有するアニリン類を用いることができ、その具体例として、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、4−メチルアニリン、2,6−ジメチルアニリンが挙げられる。
【0184】
ピロリジン類としてはN−H結合を有するピロリジン類を用いることができ、その具体例として、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン等が挙げられ、ピペリジン類としてはN−H結合を有するピペリジン類を用いることができ、その具体例として、ピペリジン、4−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0185】
これらの活性水素を有する化合物の例示化合物の中では、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、2,5−ジメチルピロリジン、または2,6−ジメチルピペリジンがさらに好ましく用いられ、特にエチルアミン、ジエチルアミン、またはN−メチルアニリンが好ましく用いられる。
【0186】
電子供与性化合物(D)としては、アルコキシケイ素類、エーテル類またはアミン類が好ましく用いられる。更にアミン類がより好ましく用いられる。これらの電子供与性化合物(D)は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0187】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、遷移金属錯体(A1)、遷移金属錯体(A2)、成分(B)および成分(C)を用いて得られる触媒の存在下で、エチレンおよびα−オレフィンを共重合して得られる。触媒を製造するときに、遷移金属錯体(A1)および遷移金属錯体(A2)を成分(B)に対して、どのように接触させるかが重要である。成分(C)を他の成分と接触させる順序は任意である。
【0188】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体製造用触媒の製造方法としては、遷移金属錯体(A1)および遷移金属錯体(A2)と、成分(B)と、成分(C)とを接触させるエチレン−α−オレフィン共重合用触媒の製造方法であって、好ましくは、遷移金属錯体(A1)および遷移金属錯体(A2)と、成分(B)とを極力均一に接触させ、接触混合物(X)を得る工程を含む方法を挙げることができる。
【0189】
接触混合物(X)を得る方法としては、例えば、所望の比率の遷移金属錯体(A1)及び遷移金属錯体(A2)を不活性溶媒にあらかじめ溶解して、これらが均一に混合された混合液を準備し、その後、該混合液を成分(B)に接触させる方法などが挙げられる。遷移金属錯体(A1)及び遷移金属錯体(A2)の混合液と、不活性溶媒中に成分(B)を分散したスラリーとを接触させてもよい。
【0190】
エチレン−α−オレフィン共重合体製造用触媒の調製に用いられる不活性溶媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0191】
上記遷移金属錯体(A1)及び遷移金属錯体(A2)と成分(B)を不活性溶媒存在下で接触させた場合、溶媒中に接触混合物(X)が形成される。溶媒に含まれる接触混合物(X)をそのまま使用してもよいし、溶媒を除去して得られる粉末状の接触混合物(X)を使用してもよい。粉末状の接触混合物(X)を溶媒に混合して得られるスラリーを使用してもよい。
【0192】
接触混合物(X)を使用してモノマーを重合する場合、重合反応器への、モノマー、接触混合物(X)、成分(C)及びその他の成分を投入する順番は特に限定されるものではないが、モノマーと成分(C)を先に導入した重合反応容器に、スラリー状ないしは粉末状の接触混合物(X)を投入して重合を開始する方法が好ましい。
【0193】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、気相重合法、スラリー重合法、バルク重合法などにより、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。好ましくは、気相重合法であり、より好ましくは連続気相重合法である。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
【0194】
重合用触媒、各触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0195】
エチレンとα−オレフィンとを気相重合する場合、重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、成分(C)、電子供与性化合物(D)を導入してもよい。
【0196】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と成分(B)と、成分(C)と、必要に応じて、更に上記成分(D)とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合用触媒成分または重合用触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
【0197】
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
【0198】
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、成分(B)1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
【0199】
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続式気相重合法である。予備重合方法としては、予備重合を行う重合反応槽に、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と成分(B)とから得られる接触混合物(X)と、成分(C)と、必要に応じて上記成分(D)とを投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、溶媒のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が挙げられる。
【0200】
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
【0201】
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの上記成分(B)の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
【0202】
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が挙げられる。
【0203】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤を含有させてもよい。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等があげられる。
【0204】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、公知の成形方法、例えば、インフレーションフィルム成形法やTダイフィルム成形法などの押出成形法、中空成形法、射出成形法、圧縮成形法などにより成形される。成形方法としては、押出成形法、中空成形法が好ましく、押出成形法がより好ましい。
【0205】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、種々の形態に成形して用いられる。成形体の形態は特に限定されないが、フィルム、シート、容器(トレイ、ボトルなど)などに用いられる。該成形体は、食品包装材;医薬品包装材;半導体製品などの包装に用いる電子部品包装材;表面保護材などの用途にも好適に用いられる。
【0206】
上記の通り、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、溶融張力とスウェル比が高く、機械的強度が高い。そのため、成形時の加工性が良好である。例えばTダイフィルム成形時のネックインも小さくなりうるし、インフレーション成形時のバブルの安定性も高まる。また、得られた成形体の機械強度も優れたものである。
【0207】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、従来のエチレン系重合体に適量ブレンドすることで、機械強度、加工性、光学特性などを調整することが可能である。
【実施例】
【0208】
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
【0209】
(1)密度(d、単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
【0210】
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
【0211】
(3)スウェル比(SR)
(2)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
【0212】
(4)分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
【0213】
(5)炭素原子数5以上の分岐数(NLCB、単位:1/1000C)
カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定し、下記算出方法より求めた。
<測定条件>
装置 :Bruker社製 AVANCE600
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d4
=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:トリメチルシラン
窓関数 :負の指数関数
<算出方法>
5〜50ppmに観測されるすべてのピークの総和を1000として、38.22〜38.27ppm付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。当該ピークのピーク面積は、高磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトから、低磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトまでの範囲でのシグナルの面積とした。なお、本条件によるエチレン−1−オクテン共重合体の測定では、炭素原子数6の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークのピークトップの位置は、38.21ppmであった。
【0214】
(6)短鎖分岐数(NSCB、単位:1/1000C)
エチレン−α−オレフィン共重合体中の短鎖分岐数は、赤外吸収スペクトルから求めた。尚、測定ならびに計算は、文献(Die Makromoleculare Chemie, 177, 449 (1976) McRae, M. A., Madams, W. F. )記載の方法に従い、α−オレフィン由来の特性吸収を利用して実施した。赤外吸収スペクトルは、赤外分光光度計(日本分光工業社製 FT−IR7300)を用いて測定した。
【0215】
(7)g*
前記式(II)によってg*を求めた。
なお、[η]は、エチレン−α−オレフィン共重合体の相対粘度(ηrel)を、次の方法で測定した。熱劣化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.5重量%含むテトラリン100mlに、エチレン−α−オレフィン共重合体100mgを135℃で溶解してサンプル溶液を調製した。ウベローデ型粘度計を用いて前記サンプル溶液と、熱劣化防止剤として0.5重量%のBHTのみを含むテトラリンからなるブランク溶液の降下時間を測定し、その結果から算出されるηrelを式(II−I)に代入することによって[η]を求めた。[η]GPCは、(4)のエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布の測定から、式(II−II)によって求め、gSCB*は、(6)のエチレン−α−オレフィン共重合体の短鎖分岐数の測定から式(II−III)によって求めた。
【0216】
(8)溶融複素粘度(η*、単位:Pa・sec)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、角周波数100rad/秒で測定された溶融複素粘度を求めた。該溶融複素粘度が低いほど、押出成形時の押出負荷が低く、加工性に優れる。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
【0217】
(9)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、Eaを求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
【0218】
(10)温度上昇溶離分別
下記の装置を用いて、下記の条件で測定した。
装置:三菱化学社製 CFC T150A型
検出器:ニコレ−ジャパン(株)社製 Magna−IR550
波長:データ範囲 2982〜2842 cm−1カラム:昭和電工(株)社製 UT−806M 2本
溶媒:オルトジクロルベンゼン
流速:60ml/時間
試料濃度:100mg/25ml
試料注入量:0.8ml
担持条件:1℃/1分の速度で140℃から0℃まで降温した後、30分間放置して、0℃フラクションから溶出を開始した。
データ取得条件:0、30、60℃で溶出データを取得し62℃−100℃の温度範囲では、溶出がなくなるまで、ただし少なくとも96℃までは2℃刻みで溶出量のデータを取得し、100℃でも溶出がある場合は120℃まで昇温して溶出した全量を全溶出量としてデータを取得し、それを解析した。
【0219】
(11)衝撃強度(単位:kJ/m2
ASTM D1822−68に従って測定を行った。
【0220】
(12)冷キシレン可溶部(CXS)
下記の方法で、CXSを測定した。
ポリマー試料5g程度を、酸化防止剤を含む沸騰したキシレン1リットル中に溶解した。2時間程度をかけて該溶液を室温まで冷却しさらに25℃で20時間それを静置して不溶部を析出させた。ろ別回収したろ液部から溶媒を除去することによって、可溶部を取り出した。取り出された可溶部を下記の式によって補正することでCXSを求めた。
冷キシレン可溶部割合=[〔可溶部(g)×(1/ろ液量(リットル))〕/ポリマー試料全量(5g)]×100(重量%)
なお、CXSは成形体表面のべとつきと関係する簡便な指標である。CXSが低いほど、成形体表面がべとつきにくいといえる。
【0221】
(13)溶融張力(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからエチレン−α−オレフィン共重合体を溶融押出し、該押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力を溶融張力とした。
【0222】
実施例1
(1)成分(B)の調製
窒素置換した攪拌機付きの50リットルの反応器に、成分(b)の固体状担体として窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)9.68kgを入れた。トルエンを100リットル加えた後、該反応器を2℃に冷却した。これにメチルアルモキサンのトルエン溶液(2.9M)26.3リットルを一時間かけて滴下した。5℃にて30分間攪拌した後、90分間かけて95℃まで加熱し、4時間攪拌を行った。その後40℃へ冷却した後、40分間静置し、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン100リットルを加え、10分間攪拌した後、攪拌を停止して静置し固体成分を沈降させ、同様に上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。さらに、トルエン100リットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にろ過を行った。この操作をもう1回繰り返した。ヘキサン110リットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にろ過を行った。この操作をもう一度繰り返した。その後、ろ取した生成物を窒素流通下70℃で7時間乾燥し、成分(B)12.6kgを得た。元素分析の結果、Al=4.4mmol/gであった。
【0223】
(2)接触混合物(X−1)の調製
窒素置換した200mlのガラス製ナスフラスコに(1)で調製した成分(B)を4g、トルエンを50ml加え、スラリー状態にした。次に、濃度を2μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 11.4mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 2.3mlを滴下漏斗に投入し混合した後、ナスフラスコ内のスラリーを攪拌しながら約30分かけてその混合液を滴下した。滴下後、混合物のスラリーが入ったナスフラスコを80℃のオイルバスに移して昇温し、1時間反応を進行させた。1時間後、ナスフラスコをオイルバスから外し空冷した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、生成物をヘキサン50mlで2回洗浄し、ヘキサンをデカンテーションにより除き、得られた生成物を常温下で2時間真空乾燥し、粉末状の接触混合物(X−1)を得た。
【0224】
(3)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを230ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(2)で調製した粉末状接触混合物(X−1)を44.3mg投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で180分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体174gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0225】
実施例2
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.004MPaになるように加え、1−ヘキセンを230ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、エチレンガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.20mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記実施例1(2)で調製した粉末状接触混合物(X−1)を35.6mg投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で180分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体174gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0226】
実施例3
(1)接触混合物(X−2)の調製
窒素置換した200mlのガラス製ナスフラスコに実施例1(1)で調製した成分(B)を4g、トルエンを50ml加え、スラリー状態にした。次に、濃度を2μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 10.4mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 4.1mlを滴下漏斗に投入し混合した後、ナスフラスコ内のスラリーを攪拌しながら約30分かけてその混合液を滴下した。滴下後、混合物のスラリーが入ったナスフラスコを80℃のオイルバスに移して昇温し、1時間反応を進行させた。1時間後、ナスフラスコをオイルバスから外し空冷した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、生成物をヘキサン50mlで2回洗浄し、ヘキサンをデカンテーションにより除き、得られた生成物を常温下で2時間真空乾燥し、粉末状の接触混合物(X−2)を得た。
【0227】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを250ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(1)で調製した粉末状接触混合物(X−2)を63.6mg投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で90分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体230gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0228】
実施例4
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを250ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、エチレンガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記実施例3(1)で調製した粉末状接触混合物(X−2)を71.2mg投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.075mol%)を連続的に供給しながら、70℃で80分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体257gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0229】
実施例5
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.002MPaになるように加え、1−ヘキセンを250ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、エチレンガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィーの結果、系内のガス組成は、水素=0.058mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記実施例3(1)で調製した粉末状接触混合物(X−2)を71.2mg投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.11mol%)を連続的に供給しながら、70℃で60分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体284gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0230】
実施例6
(1)接触混合物(X−3)の調製
窒素置換した200mlのガラス製ナスフラスコに実施例1(1)で調製した成分(B)を4g、トルエンを50ml加え、スラリー状態にした。次に、濃度を2μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 8.4mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 8.3mlを滴下漏斗に投入し混合した後、ナスフラスコ内のスラリーを攪拌しながら約30分かけてその混合液を滴下した。滴下後、混合物のスラリーが入ったナスフラスコを80℃のオイルバスに移して昇温し、1時間反応を進行させた。1時間後、ナスフラスコをオイルバスから外し空冷した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、生成物をヘキサン50mlで2回洗浄し、ヘキサンをデカンテーションにより除き、得られた生成物を常温下で2時間真空乾燥し、粉末状の接触混合物(X−3)を得た。
【0231】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が約0.002MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィーの結果、系内のガス組成は、水素=0.072mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(1)で調製した粉末状接触混合物(X−3)を53.4mg投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体149gを得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
【0232】
実施例7
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が約0.002MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィーの結果、系内のガス組成は、水素=0.060mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記実施例7(1)で調製した粉末状接触混合物(X−3)を53.1mg投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.042mol%)を連続的に供給しながら、70℃で60分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体147gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0233】
実施例8
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記実施例7(1)で調製した粉末状接触混合物(X−3)を38.0mg投入した。重合中は、エチレンガスを連続的に供給しながら、70℃で60分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体74gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0234】
実施例9
(1)接触混合物(X−4)の調製
窒素置換した200mlのガラス製ナスフラスコに実施例1(1)で調製した成分(B)を4g、トルエンを50ml加え、スラリー状態にした。次に、濃度を5μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 4.9mlと、濃度を2μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 36.9mlを滴下漏斗に投入し混合した後、ナスフラスコ内のスラリーを攪拌しながら約30分かけてその混合液を滴下した。滴下後、混合物のスラリーが入ったナスフラスコを80℃のオイルバスに移して昇温し、1時間反応を進行させた。1時間後、ナスフラスコをオイルバスから外し空冷した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、生成物をヘキサン50mlで2回洗浄し、ヘキサンをデカンテーションにより除き、得られた生成物を常温下で2時間真空乾燥し、粉末状の接触混合物(X−4)を得た。
【0235】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が約0.002MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。ガスクロマトグラフィーの結果、系内のガス組成は、水素=0.07mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(1)で調製した粉末状接触混合物(X−4)を58.7mg投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.09mol%)を連続的に供給しながら、70℃で60分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体211gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0236】
比較例1
(1)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを250ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を1μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 1.5mlと、濃度を1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 0.3mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分74mgを投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.083mol%)を連続的に供給しながら、70℃で80分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体185gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0237】
比較例2
(1)接触混合物(X−5)の調製
窒素置換した200mlのガラス製ナスフラスコに実施例1(1)で調製した成分(B)を4g、トルエンを50ml加え、スラリー状態にした。次に、濃度を5μmol/mlに調整したビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 18.6mlと、濃度を2μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 1.2mlを滴下漏斗に投入し混合した後、ナスフラスコ内のスラリーを攪拌しながら約30分かけてその混合液を滴下した。滴下後、混合物のスラリーが入ったナスフラスコを80℃のオイルバスに移して昇温し、1時間反応を進行させた。1時間後、ナスフラスコをオイルバスから外し空冷した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除いた後、生成物をヘキサン50mlで2回洗浄し、ヘキサンをデカンテーションにより除き、得られた生成物を常温下で2時間真空乾燥し、粉末状の接触混合物(X−5)を得た。
【0238】
(2)重合
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ヘキセンを280ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンガスを、ガスの分圧が1.6MPaになるように加え、系内を安定させた。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、上記(1)で調製した粉末状接触混合物(X−5)を55.7mg投入し、70℃で120分間エチレンおよび1−ヘキセンを重合した。その後、ブタン、エチレンをパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体180gを得た。得られた共重合体の物性を表2に示した。
【0239】
【表1】


※ 空欄は測定未実施
【0240】
【表2】


※ 空欄は測定未実施

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有し、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜20.0g/10分であり、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定される、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0〜3.5であり、スウェル比(SR)が2.0〜2.8であり、流動の活性化エネルギー(Ea)が、31.0〜35.0kJ/molであるエチレン−α−オレフィン共重合体。
【請求項2】
請求項1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体を押出成形してなる成形体。

【公開番号】特開2012−188658(P2012−188658A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−35881(P2012−35881)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】