説明

エチレン及びエチレン共重合体の重合方法

ポリエチレン及びエチレンと少なくとも1種の他のオレフィンとの共重合体を製造するための新規連続気相重合法を提供する。この方法において、チタン、ジルコニウム及び/又はハフニウムを含むチーグラー・ナッタ触媒の活性を増加するような規定量で非芳香族ハロゲン化炭化水素を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン又はエチレン及び他のオレフィン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分及び助触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒並びに少なくとも1種の非芳香族ハロゲン化炭化水素を重合媒体中に投入することを含んでなる、ポリエチレン及びエチレンと少なくとも1種の他のオレフィンとの共重合体(interpolymer)を製造する連続気相重合方法であって、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分のモル比0.2:1〜約3:1で添加する方法に関する。更に詳しくは、本発明は、少なくとも1種の非芳香族ハロゲン化炭化水素を添加することによってチーグラー・ナッタ触媒の活性を増大させる方法であって、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分のモル比0.2:1〜約3:1で添加し且つこの範囲全体にわたって、この範囲外で実施した方法に比較して、触媒活性を増大される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンの製造にチーグラー・ナッタ触媒と共にハロゲン化炭化水素を使用することは特許文献1、2、3及び4に開示されている。一般に、ハロゲン化炭化水素は、エタンの生成速度を低下させ、ポリエチレンの分子量を制御し、広い分子量分布を有するポリエチレンを製造し、又はその他の効果を生ずることができることが開示されている。
【0003】
特許文献2には、チタンを基材とするチーグラー・ナッタ触媒を用いてポリエチレンを製造する重合方法において、重合における触媒活性を増加させるためにハロゲン化炭化水素を使用することが開示されている。更に、ハロゲン化炭化水素の量は、ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒のチタンのモル比0.001〜0.15で存在しなければならないことが述べられている。更に、ハロゲン化炭化水素対チタンのモル比が高すぎる場合には、触媒活性はほとんど改良されないか、又は連続重合法では実質的に低下することが開示されている。また、このモル比が低すぎる場合には、触媒活性はほとんど改良されないことが述べられている。
【0004】
特許文献1には、チタン含有チーグラー・ナッタ触媒及びハロゲン化炭化水素を規定量で使用するポリエチレンの製造方法における触媒活性に言及されている。特許文献1は、ハロゲン化炭化水素が、ハロゲン化炭化水素対触媒中のチタンのモル比0.01〜1.8で存在すると記載している。更に、規定量のハロゲン化炭化水素は触媒の平均活性をほとんど変化させないと述べられている。
【0005】
特許文献4には、溶液又はスラリー重合法で製造されるポリエチレンの分子量を制御するためにハロゲン化炭化水素をチーグラー・ナッタ触媒と併用することが開示されている。
【0006】
特許文献3には、分子量分布の広いポリエチレンを製造するための、チタン含有触媒成分、イソプレニルアルミニウム及びハロ炭化水素を含む触媒系が開示されている。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,863,995号
【特許文献2】米国特許第5,990,251号
【特許文献3】米国特許第4,657,998号
【特許文献4】米国特許第3,354,139号
【発明の開示】
【0008】
本発明において、本発明者らは意外にも、エチレン又はエチレン及び他のオレフィン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分並びに助触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒、並びに少なくとも1種の非芳香族ハロゲン化炭化水素を重合媒体中に投入することを含むポリエチレン及びエチレンと少なくとも1種の他のオレフィンとの共重合体を製造する連続気相重合方法であって、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分のモル比約0.2:1〜約3:1で添加する方法において、この範囲外で実施される方法に比較して、触媒の活性が増大されることを見出した。更に、本発明者らは意外にも、触媒活性の増大に先行して、連続方法が前記モル比範囲に移行される期間における触媒活性が初期低下し得ることを見出した。
【0009】
本発明の第1の実施態様においては、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを重合させる連続気相法における触媒活性を増大させる方法が提供される。この方法は、重合条件下において、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分及び助触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒、並びに少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素と接触させることを含んでなり、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素は、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属触媒とのモル比0.2:1〜約3:1で添加する。
【0010】
本発明の別の実施態様においては、エチレン又はエチレン及び少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを重合させる連続気相法における触媒活性を増大させる方法が提供される。この方法は、重合条件下で、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分及び助触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒、並びに少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素と接触させることを含んでなり、1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素は、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属触媒とのモル比0.2:1〜約3:1で添加し、前記触媒活性は、この範囲全体において、この範囲外で実施される方法に比較して増大する。
【0011】
これらの目的及び他の目的は、本明細書の開示から、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の2つの実施態様において、エチレン又はエチレン及び少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを重合する連続気相法における触媒活性を増大させる方法が提供される。この方法は、重合条件下で、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくも1種の遷移金属成分及び助触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒、並びに少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素と接触させることを含んでなり、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属触媒とのモル比0.2:1〜約3:1で添加する。
【0013】
エチレン及びエチレンと少なくとも1種の他のオレフィンとの共重合体を製造する連続気相重合法は、任意の適当な連続気相重合法を用いて実施できる。重合反応器を操作するためのこの型の方法及び手段は知られており、米国特許第3,709,853号;第4,003,712号;第4,011,382号;第4,012,573号;第4,302,566号;第4,543,399号;第4,882,400号;第5,352,749号;及び第5,541,270号に完全に記載されている。これらの特許は、重合ゾーンを機械的に撹拌するか又は気体モノマー及び希釈剤の連続流によって流動化する気相重合法を開示している。これらの特許の全内容を、引用によって本明細書中に取り入れる。
【0014】
本発明の重合方法は、例えば気相流動床法のような連続気相法で実施する。本発明の方法で使用する流動床反応器は典型的には反応ゾーン及びいわゆる減速ゾーンを含む。反応ゾーンは、気体モノマー及び反応ゾーンから重合熱を除去するための希釈剤の連続流によって流動化された、成長ポリマー粒子、生成ポリマー粒子及び微少量の触媒粒子の床を含む。場合によっては、若干量の再循環ガスを冷却及び圧縮して、反応ゾーンに再び入れる場合に、循環ガス流の熱除去容量を増大させる液体を形成することができる。適当な気体流量は簡単な実験によって容易に求めることができる。循環ガス流への気体モノマーの補充は、関連する個々のポリマー生成物及びモノマーを反応器から回収する速度に等しい速度で行い、反応器を通過する気体の組成は、反応ゾーン内において本質的に定常状態の気体組成が保持されるように調節する。反応ゾーンから出た気体は、減速ゾーンに移動し、そこで同伴粒子を除去する。より小さい同伴粒子及びダストは、サイクロン及び/又は微細なフィルターで除去することができる。気体は圧縮機中で圧縮し、熱交換器を通し、そこで重合熱及び圧縮熱を除去し、次いで反応ゾーンに戻す。
【0015】
より詳細には、気相法の反応器温度は約30℃〜約130℃の範囲である。一般に、反応器の温度は、反応器内におけるポリマー生成物の焼結温度を考慮に入れて実現可能な最も高い温度である。
【0016】
本発明の方法は、エチレン及びエチレンと少なくとも1種又はそれ以上の他のオレフィンとの共重合体の重合に適当である。他のオレフィンは、例えば3〜16個の炭素原子を含むことができる。これには、エチレンのホモポリマー及びエチレンと他のオレフィンとの共重合体が含まれる。共重合体は、エチレン含量が、含まれる総モノマーの少なくとも約50%であるエチレンと少なくとも1種のオレフィンとの共重合体を含む。本発明に使用できるオレフィンの例はプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセンなどである。非共役ジエン及び重合媒体中でin situ(その場)で形成されるオレフィンも本発明において使用できる。オレフィンが重合媒体中でin situで形成される場合には、長鎖分岐を含むエチレンの共重合体が生成することがある。
【0017】
本発明の重合反応は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はそれらの混合物から選ばれた少なくとも1種の遷移金属成分及び助触媒を含むチーグラー・ナッタ触媒の存在下で実施する。本発明の方法において、触媒成分は公知の方法で投入できる。例えば、触媒成分は溶液、スラリー又はさらさらした乾燥粉末の形態で流動床反応器に直接投入できる。また、触媒は失活触媒の形態で、又は少なくとも1種の遷移金属成分を助触媒の存在下で1種又はそれ以上のオレフィンと接触させることによって得られるプレポリマーの形態で使用できる。場合によっては、チーグラー・ナッタ触媒は、マグネシウム及び/又は塩素を含むことができる。このようなマグネシウム及び塩素含有触媒は、公知の任意の方法で製造できる。
【0018】
本発明の方法において使用するチーグラー・ナッタ触媒の助触媒成分はエチレンホモポリマー及び共重合体の重合においてチーグラー・ナッタ触媒のチタン、ジルコニウム又はハフニウム成分を活性化できる任意の有機金属化合物又はその混合物であることができる。詳細には、チタン、ジルコニウム又はハフニウム成分と反応する有機金属助触媒成分化合物は”Chemical and Engineering News”,63(5),27,1985に発表された元素周期表の第1族、第2族、第11族、第12族、第13族及び/又は第14族から選ばれた金属を含む。この形式では、族に1〜18の番号が付される。このような金属の例はリチウム、マグネシウム、銅、亜鉛、アルミニウム、珪素など又はそれらの混合物である。
【0019】
本発明に使用するのに好ましいのはトリアルキルアルミニウム化合物及びジアルキルアルミニウム一ハロゲン化物のような有機アルミニウム化合物である。例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド及びジエチルアルミニウムクロリドが挙げられる。
【0020】
助触媒を含む又は含まないチーグラー・ナッタ触媒の成分、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はそれらの混合物は担体(carrier)に沈着させることができる。その際には、担体としては、公知の任意の触媒担持化合物を使用できる。担体の例は、酸化マグネシウム、オキシハロゲン化マグネシウム及びハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムである。担体を含む又は含まない触媒は、シリカ、アルミナなどのような固体多孔質支持体に担持させることができる。
【0021】
チーグラー・ナッタ触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はそれらの混合物の成分及び有機金属助触媒成分の他に、常用の成分を含むことができる。例えば、公知の任意の内部又は外部電子供与体などを添加できる。
【0022】
チーグラー・ナッタ触媒は公知の任意の方法で製造できる。触媒は、溶液、スラリー又はさらさらした乾燥粉末の形態であることができる。チーグラー・ナッタ触媒の使用量は、所望の量のポリマー物質を生成できる充分な量である。
【0023】
重合反応は、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒のチタン、ジルコニウム又はハフニウム遷移金属成分のモル比0.2:1〜約3:1で添加された非芳香族ハロゲン化炭化水素の存在下で実施する。好ましくは、非芳香族ハロゲン化炭化水素は、約0.2:1〜約2:1の範囲のモル比で添加する。最も好ましくは、非芳香族ハロゲン化炭化水素は、約0.5〜約1.5の範囲のモル比で添加する。非芳香族ハロゲン化炭化水素を添加する別の範囲は、下限範囲及び上限範囲の全ての組合せを含むモル比であり、前記下限範囲は0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1及び1.3:1のいずれかであり、前記上限範囲は1.5:1、1.7:1、2:1、2.2:1、2.4:1、2.5:1、2.7:1、3.0:1、3.2:1、3.5:1のいずれかである。
【0024】
本発明の方法には任意の非芳香族ハロゲン化炭化水素を使用できる。所望ならば1種より多い非芳香族ハロゲン化炭化水素を使用できる。このような非芳香族ハロゲン化炭化水素の典型的なものは炭素数1〜12の一ハロゲン及び多ハロゲン置換脂肪族及び脂環式炭化水素である。適当な非芳香族ハロゲン化炭化水素は以下の化合物である。
フルオロメタン;クロロメタン;ブロモメタン;ヨードメタン;ジフルオロメタン;ジクロロメタン;ジブロモメタン;ジヨードメタン;クロロホルム;ブロモホルム;ヨードホルム;四塩化炭素;四臭化炭素;四ヨウ化炭素;ブロモフルオロメタン;ブロモクロロメタン;ブロモヨードメタン;クロロフルオロメタン;クロロヨードメタン;フルオロヨードメタン;ブロモジフルオロメタン;ブロモジクロロメタン;ブロモジヨードメタン;クロロジフルオロメタン;クロロジブロモメタン;クロロジヨードメタン;フルオロジクロロメタン;フルオロジブロモメタン;フルオロジヨードメタン;ヨードジフルオロメタン;ヨードジクロロメタン;ヨードジブロモメタン;ブロモトリフルオロメタン;ブロモトリクロロメタン;ブロモトリヨードメタン;クロロトリフルオロメタン;クロロトリブロモメタン;クロロトリヨードメタン;フルオロトリクロロメタン;フルオロトリブロモメタン;フルオロトリヨードメタン;ヨードトリフルオロメタン;ヨードトリクロロメタン;ヨードトリブロモメタン;フルオロエタン;クロロエタン;ブロモエタン;ヨードエタン;1,1−ジフルオロエタン;1,1−ジクロロエタン;1,1−ジブロモエタン;1,1−ジヨードエタン;1,2−ジフルオロエタン;1,2−ジクロロエタン;1,2−ジブロモエタン;1,2−ジヨードエタン;1−ブロモ−1−フルオロエタン;1−ブロモ−1−クロロエタン;1−ブロモ−1−ヨードエタン;1−クロロ−1−フルオロエタン;1−クロロ−1−ヨードエタン;1−フルオロ−1−ヨードエタン;1−ブロモ−2−フルオロエタン;1−ブロモ−2−クロロエタン;1−ブロモ−2−ヨードエタン;1−クロロ−2−フルオロエタン;1−クロロ−2−ヨードエタン;1−フルオロ−2−ヨードエタン;1,1,1−トリフルオロエタン;1,1,1−トリクロロエタン;1,1,1−トリブロモエタン;1,1,1−トリヨードエタン;1,1,2−トリフルオロエタン;1,1,2−トリクロロエタン;1,1,2−トリブロモエタン;1,1,2−トリヨードエタン;1−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン;1−ブロモ−1,1−ジクロロエタン;1−ブロモ−1,1−ジヨードエタン;1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン;1−クロロ−1,1−ジブロモエタン;1−クロロ−1,1−ジヨードエタン;1−フルオロ−1,1−ジクロロエタン;1−フルオロ−1,1−ジブロモエタン;1−フルオロ−1,1−ジヨードエタン;1−ヨード−1,1−ジフルオロエタン;1−ヨード−1,1−ジクロロエタン;1−ヨード−1,1−ジブロモエタン;1−ブロモ−1,2−ジフルオロエタン;1−ブロモ−1,2−ジクロロエタン;1−ブロモ−1,2−ジヨードエタン;1−クロロ−1,2−ジフルオロエタン;1−クロロ−1,2−ジブロモエタン;1−クロロ−1,2−ジヨードエタン;1−フルオロ−1,2−ジクロロタン;1−フルオロ−1,2−ジブロモエタン;1−フルオロ−1,2−ジヨードエタン;1−ヨード−1,2−ジフルオロエタン;1−ヨード−1,2−ジクロロエタン;1−ヨード−1,2−ジブロモエタン;2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン;2−ブロモ−1,1−ジクロロエタン;2−ブロモ−1,1−ジヨードエタン;2−クロロ−1,1−ジフルオロエタン;2−クロロ−1,1−ジブロモエタン;2−クロロ−1,1−ジヨードエタン;2−フルオロ−1,1−ジクロロエタン;2−フルオロ−1,1−ジブロモエタン;2−フルオロ−1,1−ジヨードエタン;2−ヨード−1,1−ジフルオロエタン;2−ヨード−1,1−ジクロロエタン;2−ヨードー1,1−ジブロモエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;1,1,1,2−テトラブロモエタン;1,1,1,2−テトラヨードエタン;1,1,2,2−テトラフルオロエタン;1,1,2,2−テトラクロロエタン;1,1,2,2−テトラブロモエタン;1,1,2,2−テトラヨードエタン;2−ブロモ−1,1,1−トリフルオロエタン;2−ブロモ−1,1,1−トリクロロエタン;2−ブロモ−1,1,1−トリヨードエタン;2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;2−クロロ−1,1,1−トリブロモエタン;2−クロロ−1,1,1−トリヨードエタン;2−フルオロ−1,1,1−トリクロロエタン;2−フルオロ−1,1,1−トリブロモエタン;2−フルオロ−1,1,1−トリヨードエタン;2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン;2−ヨード−1,1,1−トリクロロエタン;2−ヨード−1,1,1−トリブロモエタン;1,1−ジブロモ−2,2−ジフルオロエタン;1,1−ジブロモ−2,2−ジクロロエタン;1,1−ジブロモ−2,2−ジヨードエタン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン;1,1−ジクロロ−2,2−ジヨードエタン;1,1−ジフルオロ−2,2−ジヨードエタン;1,2−ジブロモ−1,2−ジフルオロエタン;1,2−ジブロモ−1,2−ジクロロエタン;1,2−ジブロモ−1,2−ジヨードエタン;1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;1,2−ジクロロ−1,2−ジヨードエタン;1,2−ジフルオロ−1,2−ジヨードエタン;2−ブロモ−2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;ヘキサフルオロエタン;ヘキサクロロエタン;クロロペンタフルオロエタン;ヨードペンタフルオロエタン;1,2−ジブロモテトラクロロエタン;フルオロエチレン;クロロエチレン;ブロモエチレン;ヨードエチレン;1,1−ジフルオロエチレン;1,1−ジクロロエチレン;1,1−ジブロモエチレン;1,1−ジヨードエチレン;1,1,2−トリフルオロエチレン;1,1,2−トリクロロエチレン;1,1,2−トリブロモエチレン;1,1,2−トリヨードエチレン;1,1,2,2−テトラフルオロエチレン;1,1,2,2−テトラクロロエチレン;1,1,2,2−テトラブロモエチレン;1,1,2,2−テトラヨードエチレン;1−ブロモ−1,2,2−トリフルオロエチレン;1−ブロモ−1,2,2−トリクロロエチレン;1−ブロモ−1,2,2−トリヨードエチレン;1−クロロ−1,2,2−トリフルオロエチレン;1−クロロ−1,2,2−トリブロモエチレン;1−クロロ−1,2,2−トリヨードエチレン;1−フルオロ−1,2,2−トリクロロエチレン;1−フルオロ−1,2,2−トリブロモエチレン;1−フルオロ−1,2,2−トリヨードエチレン;1−ヨード−1,2,2−トリフルオロエチレン;1−ヨード−1,2,2−トリクロロエチレン;1−ヨード−1,2,2−トリブロモエチレン;1,1−ジブロモ−2,2−ジフルオロエチレン;1,1−ジブロモ−2,2−ジクロロエチレン;1,1−ジブロモ−2,2−ジヨードエチレン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン;1,1−ジクロロ−2,2−ジヨードエチレン;1,1−ジフルオロ−2,2−ジヨードエチレン;1,2−ジブロモ−1,2−ジフルオロエチレン;1,2−ジブロモ−1,2−ジクロロエチレン;1,2−ジブロモ−1,2−ジヨードエチレン;1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン;1,2−ジクロロ−1,2−ジヨードエチレン;1,2−ジフルオロ−1,2−ジヨードエチレン;1−フルオロプロパン;1−ブロモプロパン;1−クロロプロパン;1−ヨードプロパン;2−フルオロプロパン;2−ブロモプロパン;2−クロロプロパン;2−ヨードプロパン;1,3−ジフルオロプロパン;1,3−ジブロモプロパン;1,3−ジクロロプロパン;1,3−ジヨードプロパン;1−フルオロブタン;1−ブロモブタン;1−クロロブタン;1−ヨードブタン;2−フルオロブタン;2−ブロモブタン;2−クロロブタン;2−ヨードブタン;1−フルオロ−2−メチルプロパン;1−ブロモ−2−メチルプロパン;1−クロロ−2−メチルプロパン;1−ヨード−2−メチルプロパン;2−フルオロ−2−メチルプロパン;2−ブロモ−2−メチルプロパン;2−クロロ−2−メチルプロパン;2−ヨード−2−メチルプロパン;1−フルオロペンタン;1−ブロモペンタン;1−クロロペンタン;1−ヨードペンタン;2−フルオロペンタン;2−ブロモペンタン;2−クロロペンタン;2−ヨードペンタン;3−フルオロペンタン;3−ブロモペンタン;3−クロロペンタン;3−ヨードペンタン;1−フルオロ−2−メチル−ブタン;1−ブロモ−2−メチル−ブタン;1−クロロ−2−メチル−ブタン;1−ヨード−2−メチル−ブタン;1−フルオロ−3−メチル−ブタン;1−ブロモ−3−メチル−ブタン;1−クロロ−3−メチル−ブタン;1−ヨード−3−メチル−ブタン;2−フルオロ−2−メチル−ブタン;2−ブロモ−2−メチル−ブタン;2−クロロ−2−メチル−ブタン;2−ヨード−2−メチル−ブタン;1−フルオロ−2,2−ジメチルプロパン;1−ブロモ−2,2−ジメチルプロパン;1−クロロ−2,2−ジメチルプロパン;1−ヨード−2,2−ジメチルプロパン;ヘキサフルオロプロペン;ヘキサクロロプロペン;ペルクロロ−2−メチル−2−ペンテン;ペルフルオロプロピルクロリド;ペルフルオロイソプロピルクロリド;ペルフルオロプロピルヨージド;ペルフルオロイソプロピルヨージド;1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン;ペルフルオロペンタン;ペルフルオロヘキサン;クロロシクロプロパン;ペンタクロロシクロプロパン;クロロシクロブタン;クロロシクロペンタン;クロロシクロヘキサン;1,1−ジクロロシクロブタン;1,1−ジクロロシクロペンタン;1,1−ジクロロシクロヘキサン;シス−1,2−ジクロロシクロブタン;シス−1,2−ジクロロシクロペンタン;シス−1,2−ジクロロシクロヘキサン;トランス−1,2−ジクロロシクロブタン;トランス−1,2−ジクロロシクロペンタン;トランス−1,2−ジクロロシクロヘキサン;α−1,2,3,4,5,6−ヘキサンクロロシクロヘキサン;テトラクロロシクロプロパンなど。
【0025】
任意の飽和ハロゲン化炭化水素又はそれらの混合物も本発明の方法への使用に適している。
【0026】
本発明の方法に使用するのに好ましいのは、以下の化合物である。
ジクロロメタン;ジブロモメタン;クロロホルム;四塩化炭素;ブロモクロロメタン;クロロフルオロメタン;ブロモジクロロメタン;クロロジフルオロメタン;フルオロジクロロメタン;クロロトリフルオロメタン;フルオロトリクロロメタン;1,2−ジクロロエタン;1,2−ジブロモエタン;1−クロロ−1−フルオロエタン;1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン;1−クロロ−1,2−ジフルオロエタン;2−クロロ−1,1−ジフルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン;1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;ヘキサフルオロエタン;ヘキサクロロエタン;クロロペンタフルオロエタン及び1,2−ジブロモテトラクロロエタン。
【0027】
本発明の方法に使用するのに更に好ましいのは、以下の化合物である。
ジクロロメタン;クロロホルム;四塩化炭素;クロロフルオロメタン;クロロジフルオロメタン;ジクロロジフルオロメタン;フルオロジクロロメタン;クロロトリフルオロメタン;フルオロトリクロロメタン;1,2−ジクロロエタン;1,2−ジブロモエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン;1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;ヘキサフルオロエタン及びヘキサクロロエタン。
【0028】
本発明に使用するのに最も好ましいのはクロロホルムである。
【0029】
非芳香族ハロゲン化炭化水素は単独で又はそれらの混合物として使用できる。
【0030】
非芳香族ハロゲン化炭化水素は、そのままで重合媒体中に添加することもできるし、又は液体炭化水素、例えばアルカン、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどで希釈することもできる。非芳香族ハロゲン化炭化水素はそのまま任意の方法で任意の時点で重合媒体に添加することができる。
【0031】
本方法の重合反応の実施に際しては、オレフィン重合方法に一般に使用される他の汎用の添加剤を添加できる。
【0032】
本発明によって得られるポリエチレンには、任意の汎用の添加剤を添加できる。添加剤の例としては、成核剤、熱安定剤、フェノール型、硫黄型及び燐型の酸化防止剤、潤沢剤、帯電防止剤、分散剤、銅害阻害剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤、架橋剤、流動性改良剤、例えば、過酸化物、紫外線吸収剤、光安定剤、耐候安定剤、ウェルド強度改良剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カブリ防止剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤及びゴム成分が挙げられる。
【0033】
本発明のポリエチレンは、公知の任意の方法によってフィルムに二次加工できる。例えばフィルムは公知のキャストフィルム法、ブローンフィルム法及び押出被覆法によって製造できる。
【0034】
更に、ポリエチレンは、公知の任意の方法によって他の製品、例えば成形品に二次加工できる。
【実施例】
【0035】
本発明は、以下の実施例を参照することによって理解し易くなるであろう。言うまでもなく、本発明が充分開示されれば、本発明の多くの他の形態が当業者に明らかになるであろう。従って、これらの実施例は説明のためにのみ記載するのであって、本発明の範囲を限定するものと解してはならないことがわかるであろう。
【0036】
下記実施例においては、以下に列挙した試験方法を用いて、ポリエチレンの分析特性を評価し且つ実施例のフィルムの物理的性質を評価した。
【0037】
a)密度はASTM D1928に従って製造されたプラックからASTM D−4883に従って求める。
【0038】
b)メルトインデックス(MI)、I2は、ASTM D−1238、条件Eに従って求める。測定は190℃で行い、報告はデシグラム/分で行う。
【0039】
c)ハイロードメルトインデックス(HLMI)、I21は、ASTM D−1238、条件Fに従って測定する。測定は、前記メルトインデックス試験に使用した重量の10.0倍で行う。
【0040】
d)メルトフロー比(MFR)=I21/I2又はハイロードメルトインデックス/メルトインデックス。
【0041】
e)生成物中の残留チタン含量。生成物中の残留チタン含量は、Philips Sequential X−Ray Spectrometer Model PW 1480を用いて螢光X線分光分析(XRF)によって測定する。評価すべきポリマーのサンプルを、分光計のサンプルホルダーに適合するように直径が約43mmで厚さが3〜5mmであり且つ平滑で平らな表面を有する円形プラックに圧縮成形した。次いで、成形試験片をXRFユニット中に入れ、試験片中のチタンから生じる螢光X線を測定した。次に、既知量のチタンを含むポリエチレン較正用試験片からの測定値によって得られた検量線に基づき、残留チタン含量を求めた。残留チタン含量をポリマーマトリックスに関する百万分率(ppm)として報告する。
【0042】
f)触媒又はプレポリマーの生産性(生産性)は、反応器に添加した触媒又はプレポリマーのキログラム当たりの、生成されたポリエチレンのキログラムの比である。
【0043】
g)触媒の活性は、チタンミリモル当たり反応時間当り及びエチレン分圧0.1MPa当りのポリエチレンのg[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]として表す。
【0044】
本明細書の例1〜12において使用するチーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分は、ヨーロッパ特許出願公開EP 0 703 246 Alの例1−aに従って調製した。チーグラー・ナッタ触媒はプレポリマーの形態で使用し、ヨーロッパ特許出願公開EP 0 703 246 Alの例1−bに従って調製した。
【0045】
触媒の調製
n−ヘキサン4.6m3、ヨウ素5.5kg、マグネシウム3160モル、イソブタノール29モル、チタンテトラ−n−プロポキシド60モル及び塩化n−ブチル60モルを、150回転/分で回転する機械的撹拌系を装着した10−m3の反応器中に投入した。次いで、反応が始まるまで、反応器を85℃に加熱し、次いで80℃に加熱した。この温度において、四塩化チタン400モル、チタンテトラ−n−プロポキシド340モルを反応器に投入し、次いで240分にわたって塩化n−ブチル4700モルを投入した。こうして得られた混合物を、次に80℃において2時間撹拌し続けた。こうして、触媒をn−ヘキサン中懸濁液として得た。
【0046】
こうして得られたチーグラーナッタ触媒をプレポリマーの形態で使用し、以下のようにして調製した。
【0047】
プレポリマーの調製
n−ヘキサン15.1m3、トリ−n−オクチルアルミニウム142モル及びチタン142モルを含む量の予め調製された触媒を、窒素雰囲気下に保持され且つ65回転/分で回転する撹拌装置を具備する26.6m3ステンレス鋼反応器中に投入し、70℃に加熱した。次いで、0.1MPaの分圧が得られるように水素を投入し、エチレンを617kg/時の定常流量で8時間15分投入した。この時間の最後に、反応器をガス抜きし、その内容物を、機械的撹拌蒸発器に移し、前記蒸発器中で、70℃に加熱された窒素の循環によってn−ヘキサンを除去し、次いで、チタンミリモル当たりポリエチレン35.7gを含むプレポリマー5,090kgを得た。
【0048】
このようにして、例1〜11において、トリ−n−オクチルアルミニウム(TnOA)対チタンのモル比が約1.0であるチタンミリモル当りポリエチレン35.7gを含むプレポリマーを得た。
【0049】
本明細書の例1〜5で使用した連続重合法は、減速室が上に置かれた直径0.74m及び高さ7mの縦型シリンダーからなる気相重合用の流動床反応器中で実施した。反応器の下部には流動化グリッドと、前記流動化グリッドの下の点で減速室の上端を反応器の下部に接続する、気体を再循還するための外部ラインとを設けた。再循還ラインには、気体を循環するための圧縮機及び熱交換器のような伝熱手段を装着した。詳細には、流動床を通過する気体反応混合物の主成分であるエチレン、1−ヘキセン、水素及び窒素を供給するためのラインが再循還ラインに流れ込む。
【0050】
流動床グリッドの上で、反応器は、重量平均直径が約0.7mmの粒子から構成される線状低密度ポリエチレン粉末からなる約270〜450kgの範囲の流動床を含んでいた。エチレン、1−ヘキセン、水素、窒素及び微少量の他の成分を含む気体反応混合物は、約290psig(2.0Mpa)〜約300psig(2.1MPa)の範囲の圧力下において上昇流動化速度約1.7フィート/秒(52cm/秒)で流動床を通過した。ポリマー生成物を反応器から断続的に除去した。
【0051】
例1〜5においては、触媒を反応器に断続的に投入した。触媒はマグネシウム、塩素及びチタンを含んでなり、チタンミリモル当りポリエチレン約35.7g及び、モル比Al/Tiが約1.0に等しいような量のトリ−n−オクチルアルミニウム(TnOA)を含むプレポリマーに予め転化した。反応器中へのプレポリマーの投入速度は、所望の生産速度が得られるように調節した。重合の間に、トリメチルアルミニウム(TMA)のn−ヘキサン中溶液を約2重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのライン中に、伝熱手段の下流の点において連続的に投入した。TMAの供給速度は、TMA対チタンのモル比(TMA/Ti)として表し、TMA供給速度(TMAのモル/時)対プレポリマー供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。同時に、テトラヒドロフラン(THF)のn−ヘキサン中溶液を、約1重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのラインに連続的に投入した。THFの供給速度はTHF対チタンのモル比(THF/Ti)で表し、THF供給速度(THFのモル/時)対プレポリマー供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。一酸化二窒素(N2O)を、気体反応混合物を再循還するためのラインに気体として添加した。気相重合媒体中のN2Oの濃度は、容量百万分率(ppm)の単位で表す。
【0052】
例1〜5において、クロロホルム(CHCl3)のn−ヘキサン中溶液は、約0.5重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのラインに連続的に投入した。CHCl3の供給速度は、CHCl3対チタンのモル比(CHCl3/Ti)として表し、CHCl3供給速度(CHCl3のモル/時)対プレポリマーの供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。CHCl3は気体反応混合物を再循還するためにラインにn−ヘキサン中溶液として添加した。
【0053】
例1(比較例)
連続気相法の条件を表Iに、樹脂の性質を表IIに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比CHCl3/Tiは0.1であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は246容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを190 lb/時(86kg/時)の速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性は、プレポリマーkg当たりポリエチレン136kgであった。これは112[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0054】
ポリエチレンは、密度が0.916g/cc、メルトインデックスMI2.16、I2が1.0dg/分、及びメルトフロー比、I21/I2が27であった。
【0055】
例2
連続気相法の条件を表Iに、樹脂の性質を表IIに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は315容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で0.1から2.0に増加させた。モル比CHCl3/Tiの増加前は、触媒の平均活性は112[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiの増加によって得られる効果は、3時間の触媒活性の低下とそれに続く、次の15時間の連続操作における触媒活性の定常増加であった。移行は、CHCl3/Tiが1工程で2:1の比に増加してから、定常触媒活性が得られるまで約18時間を要した。モル比CHCl3/Tiを2に移行させた後、重合方法は反応ゾーンにおける気体組成に関して本質的に定常状態条件下で更に19時間実施した。これらの連続気相法条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを218 lb/時(98.9kg/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン269kgであった。これは240[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0056】
ポリエチレンは密度が0.917g/cc、メルトインデックスMI2.16、I2が0.8dg/分及びメルトフロー比、I21/I2が27であった。
【0057】
例3
連続気相法の条件を表Iに、樹脂の性質を表IIに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は332容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で2.0から1.5に低下させた。モル比CHCl3/Tiの低下前は、触媒の平均活性は240[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiの低下によって得られる効果は、約3時間の触媒活性の増加とそれに続く、次の3時間の連続操作における触媒活性の定常低下であった。移行は、CHCl3/Tiが1工程で1.5:1の比に低下してから、定常触媒活性が得られるまで約6時間を要した。モル比CHCl3/Tiを1.5に移行させた後、重合方法は、反応ゾーンにおける気体組成に関して本質的に定常状態の条件下で更に18時間実施した。これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを215 lb/時(97.5kg/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン242kgであった。これは205[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0058】
ポリエチレンは密度が0.917g/cc、メルトインデックスMI2.16、I2が0.9dg/分及びメルトフロー比、I21/I2が27であった。
【0059】
例4
連続気相法の条件を表Iに、樹脂の性質を表IIに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は305容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で1.5から0.5に低下させた。モル比CHCl3/Tiの低下前は触媒の平均活性は205[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiの低下によって得られる効果は、約3時間の触媒活性の増加とそれに続く、次の3時間の連続操作における触媒活性の定常低下であった。移行は、CHCl3/Tiが1工程で0.5:1の比に低下してから、定常触媒活性が得られるまで約6時間を要した。モル比CHCl3/Tiを0.5に移行させた後、重合方法は反応ゾーンにおける気体組成に関して本質的に定常状態の条件下で更に24時間実施した。これらの連続気相法条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを189 lb/時(85.7kg/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン220kgであった。これは165[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。ポリエチレンは、密度が0.917g/cc、メルトインデックスMI2.16、I2が0.9dg/分、及びメルトフロー比、I21/I2が27であった。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
例5
以下を除いては、例4の方法に従った。
1.反応器ループ中のエチレン濃度を50.0モル%に保持し;
2.水素対エチレンのモル比を0.130に設定し;
3.1−ヘキセン対エチレンのモル比を0.110に設定し;
4.プレポリマー添加速度を0.80ポンド/時(0.36kg/時)に調整し;
5.TMA対チタンのモル比を4に設定し;
6.重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)を300容量ppmに保持し;且つ
7.クロロホルム対チタンのモル比を変化させる。
【0063】
表IIIのランA、B、C、D及びEに示したクロロホルム対チタンのモル比は4.0:1、2.0:1、3.0:1、3.5:1及び0:1で存在した。クロロホルム対チタンの5種のモル比のそれぞれにおいて、触媒の活性を求め、報告した。反応器を、1工程でモル比2.0からモル比4.0(ランA)に移行させた。モル比を4.0:1に増加させることによって得られる効果は、30[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の定常触媒活性が得られるまでの約18時間の触媒活性の低下であった。次いで、反応器を1工程でモル比4.0からモル比2.0(ランB)に移行させた。モル比を2.0:1に低下させることによって得られる効果は250[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の定常触媒活性が得られるまでの約6時間の触媒活性の定常増加であった。次いで、反応器を1工程でモル比2.0からモル比3.0(ランC)に移行させた。モル比を3.0:1に増加させることによって得られる効果は160[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の定常触媒活性が得られるまでの約6時間の触媒活性の定常低下であった。次いで、反応器を1工程でモル比3.0からモル比3.5(ランD)に移行させた。モル比を3.5:1に増加させることによって得られる効果は90[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の定常触媒活性が得られるまでの約10時間の触媒活性の定常低下であった。次いで、反応器を1工程でモル比3.5からモル比0(ランE)まで移行させた。モル比を0:1に低下させることによって得られる効果は約3時間にわたる約300[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]への活性の初期増加とそれに続く、75[gPE/(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の定常触媒活性が得られるまでの約30時間の触媒活性の定常低下であった。
【0064】
【表3】

【0065】
これらの条件のそれぞれの下において凝集塊を含まないポリエチレンを反応器から回収した。
【0066】
例6〜11
本明細書で例6〜11において使用した連続重合方法は減速室が上に置かれた直径5m及び高さ16mの縦型シリンダーからなる気相重合用の流動床反応器中で実施した。反応器の下部には流動化グリッドと、前記流動化グリッドの下の点で減速室の上端を反応器の下部に接続する、気体を再循還するための外部ラインとを設けた。再循還ラインには、気体を循環するための圧縮機及び熱交換器のような伝熱手段を装着した。詳細には、流動床を通過する気体反応混合物の主成分であるエチレン、1−ヘキセン、水素及び窒素を供給するためのラインが再循還ラインに流れ込む。
【0067】
流動化グリッドより上において、反応器は、重量平均直径が約0.7mmの粒子から構成される線状低密度ポリエチレン粉末からなる約180,000ポンド(81,600kg)〜21,000ポンド(95,300kg)の範囲の流動床を含んでいた。エチレン、1−ヘキセン、水素、窒素及び微少量の他の成分を含む気体反応混合物は、約290psig(2.0Mpa)〜約300psig(2.1MPa)の範囲の圧力下において、上昇流動化速度約1.85フィート/秒(56.4cm/秒)で流動床を通過した。
【0068】
例6〜11において、反応器に断続的に触媒を投入した。触媒はマグネシウム、塩素及びチタンを含んでなり、チタンミリモル当たりポリエチレン約35.7g及び、モル比Al/Tiが約1.0に等しいような量のトリ−n−オクチルアルミニウム(TnOA)を含む前述のプレポリマーに予め転化した。反応器中へのプレポリマーの投入速度は所望の生産速度が得られるように調節した。重合の間に、トリメチルアルミニウム(TMA)のn−ヘキサン中溶液を約45重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのライン中に、伝熱手段の下流の点において連続的に投入した。TMAの供給速度は、TMA対チタンのモル比(TMA/Ti)として表し、TMA供給速度(TMAのモル/時)対プレポリマー供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。同時に、テトラヒドロフラン(THF)のn−ヘキサン中溶液を、10〜50重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのラインに連続的に投入した。THFの供給速度はTHF対チタンのモル比(THF/Ti)で表し、THF供給速度(THFのモル/時)対プレポリマー供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。一酸化二窒素(N2O)を、気体反応混合物を再循還するためのラインに気体として添加した。気相重合媒体中のN2Oの濃度は容量百万分率(ppm)の単位で表す。
【0069】
例6〜11において、クロロホルム(CHCl3)のn−ヘキサン中溶液は、2〜25重量%の濃度で、気体反応混合物を再循還するためのラインに連続的に投入した。CHCl3の供給速度は、CHCl3対チタン(CHCl3/Ti)のモル比として表し、CHCl3供給速度(CHCl3のモル/時)対プレポリマーの供給速度(チタンのモル/時)の比と定義する。CHCl3は気体反応混合物を再循還するためにラインにn−ヘキサン中溶液として添加した。
【0070】
例6(比較例)
連続気相法の条件を表IVに、樹脂の性質を表Vに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比CHCl3/Tiは0.04であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は約349容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを約24,900kg/時(54,800lbs/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当たりポリエチレン約85kgであった。これは約90[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0071】
ポリエチレンは密度が0.920g/cc、メルトインデックスが1.1dg/分、及びメルトフロー比が26.3であった。
【0072】
例7(比較例)
連続気相法の条件を表IVに、樹脂の性質を表Vに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は349容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で0.04から0.1に増加させた。モル比CHCl3/Tiの増加前は、触媒の平均活性は90[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiを増加後の最初の2.5時間は活性はほとんど変化しなかった。次の6時間にわたって、活性は92[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]に上昇した。移行は、CHCl3/Tiが1工程で0.1:1の比に増加してから、定常触媒活性が得られるまで約8.5時間を要した。
【0073】
これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを約22,900kg/時(50,500lbs/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当たりポリエチレン約87kgであった。これは約92[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0074】
ポリエチレンは密度が0.920g/cc、メルトインデックスが1.0dg/分、及びメルトフロー比が26.0であった。
【0075】
例8
連続気相法の条件を表IVに、樹脂の性質を表Vに示す。モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は約352容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で0.1から0.2に増加させた。モル比CHCl3/Tiの増加前は、触媒の平均活性は92[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiを増加後の最初の1.75時間は活性はほとんど変化しなかった。次の2.75時間にわたって、活性は111[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]に上昇した。移行は、CHCl3/Tiが1工程で0.2:1の比に増加してから、定常触媒活性が得られるまで約4.5時間を要した。
【0076】
これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを約24,700kg/時(54,400lbs/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン約100kgであった。これは約111[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0077】
ポリエチレンは密度が0.920g/cc、メルトインデックスが1.0dg/分、及びメルトフロー比が26.3であった。
【0078】
例9
連続気相法の条件を表IVに、樹脂の性質を表Vに示す。初期モル比TMA/Tiは7であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は約350容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは1工程で0.2から0.3に増加させた。モル比CHCl3/Tiの増加前は、触媒の平均活性は111[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。モル比CHCl3/Tiを増加後の最初の15時間は活性はほとんど変化しなかった。次の4.5時間にわたって、活性は143[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]に上昇した。移行は、CHCl3/Tiが1工程で0.2:1の比に増加してから、定常触媒活性が得られるまで約19.5時間を要した。この間に、モル比TMA/Tiは7から5に低下した。
【0079】
これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを約25,400kg/時(56,000lbs/時)の速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン約129kgであった。これは約143[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0080】
ポリエチレンは密度が0.920g/cc、メルトインデックスが1.1dg/分、及びメルトフロー比が26.0であった。
【0081】
例10
連続気相法の条件を表IVに、樹脂の性質を表Vに示す。モル比TMA/Tiは5であった。モル比THF/Tiは0.3であった。重合媒体中の一酸化二窒素(N2O)の濃度は約350容量ppmであった。1−ヘキセンをコモノマーとして用いた。モル比CHCl3/Tiは3つの等しい工程で0.3から0.6に増加させた。モル比CHCl3/Tiの増加前は、触媒の平均活性は143[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]であった。これはポリエチレンkg当りプレポリマー129kgのプレポリマー生産性に相当する。
【0082】
CHCl3/Ti比を1工程で0.3から0.4に増加させた。CHCl3/Ti比を0.3から0.4に上昇させた後の最初の2時間はプレポリマーの生産性はほとんど変化しなかった。次いで、次の8時間にわたって、プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン129kgからプレポリマーkg当りポリエチレン約147kgに増加した。
【0083】
CHCl3/Ti比を1工程で0.4から0.5に増加させた。CHCl3/Ti比を0.4から0.5に上昇させた後の最初の4時間は、プレポリマーの生産性はほとんど変化しなかった。次いで、次の6時間にわたって、プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン147kgからプレポリマーkg当りポリエチレン約160kgに増加した。
【0084】
CHCl3/Ti比を1工程で0.5から0.6に増加させた。CHCl3/Ti比を0.5から0.6に上昇させた後の最初の2.25時間は、プレポリマーの生産性はほとんど変化しなかった。次いで、次の22時間にわたって、プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン160kgからプレポリマーkg当りポリエチレン約182kgに増加した。
【0085】
これらの条件下において、凝集塊を含まないポリエチレンを約21,700kg/時(47,800lbs/時)の平均速度で反応器から回収した。プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン約182kgであった。これは約180[gPE・(mM Ti)-1・h-1・(0.1MPa)-1]の活性に相当する。
【0086】
ポリエチレンは密度が0.917g/cc、メルトインデックスが0.5dg/分、及びメルトフロー比が27.3であった。
【0087】
例11
以下を除いては、例10の方法に従った。
1.1−ヘキセン対エチレンのモル比を0.113に設定し;
2.生産速度が約19,000kg/時(41,700LBs/時)であり;
3.TMA対チタンのモル比を最初に7に設定し;
4.水素対エチレンのモル比を最初に0.040に設定し;
5.クロロホルム対チタンのモル比を最初に0.0に設定し;
6.プレポリマー注入速度を最初に202kg/時(445lbs/時)に設定し;且つ
7.ポリエチレン中の残留チタンを最初にTi 14.5ppmに設定する。
【0088】
これらの条件においてモル比CHCl3/Tiを1工程で0.0から1.5に上昇させた。CHCl3/Tiモル比の増加前は、プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリエチレン約94kgであった。CHCl3/Tiモル比を上昇後、プレポリマーの生産性は低下し始め、CHCl3/Tiモル比上昇の約0.5時間後にプレポリマーkg当たりポリエチレン約81kgの最小値に達した。CHCl3/Tiモル比上昇の約1.5時間後に、プレポリマーの生産性は最初の、プレポリマーkg当りポリマー94kgに戻り、増加しつつあった。CHCl3/Tiモル比が1.5に増加してからほぼ30時間後に、プレポリマーの生産性はプレポリマーkg当りポリマー約232kgに最終的に増加した。プレポリマーの生産性が増加するつれて、必要に応じてプレポリマー注入速度を低下させて、生産速度をほぼ一定に保った。最終的に、プレポリマー供給速度は約80kg/時(177 lbs/時)に減少させた。
【0089】
CHCl3/Tiモル比を1.5に増加させてから約16時間後に、TMA/Tiモル比を7から4に減少させた。同時に、生産されるポリエチレンのメルトインデックスを約0.5dg/分に保持するために、水素対エチレンのモル比は0.04から約0.08に増加させた。
【0090】
プレポリマーの生産性をプレポリマーkg当りポリマー232kgに増加させた後、残留チタンは約5.8ppmであった。
【0091】
ポリエチレンは密度が0.917g/cc、メルトインデックスが0.5dg/分であった。
【0092】
【表4】

【0093】
【表5】

【0094】
例1〜11及び表I、II、III、IV及びVの前記データから、以下の観察をすることができる。非芳香族ハロゲン化炭化水素を、チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分に対して0.2:1〜3.0:1の範囲のモル比で添加すると、このモル範囲外で実施された方法に比較して触媒活性が増加する。
【0095】
例12〜28
クロロホルムの代わりに、以下の飽和ハロゲン化炭化水素を用いた以外は、例3の方法に従う。
例12:ジクロロメタン;
例13:フルオロトリクロロメタン;
例14:四塩化炭素;
例15:クロロフルオロメタン;
例16:クロロジフルオロメタン;
例17:ジクロロジフルオロメタン;
例18:フルオロジクロロメタン;
例19:クロロトリフルオロメタン;
例20:フルオロトリクロロメタン;
例21:1,2−ジクロロエタン;
例22:1,2−ジブロモメタン;
例23:1,1,1,2−テトラクロロエタン;
例24:2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;
例25:1,1−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;
例26:1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;
例27:ヘキサフルオロエタン及び
例28:ヘキサクロロエタン。
【0096】
前記例13〜29のそれぞれにおいて触媒の活性が増加されると予想される。
【0097】
本明細書中に記載した本発明の形態は単に説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことをはっきりと理解されたい。本発明は、添付した「特許請求の範囲」の範囲内に含まれる全ての変更を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合条件下で、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分並びに助触媒成分を含んでなるチーグラー・ナッタ触媒並びに少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素と接触させることを含んでなる、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを重合するための連続気相法における触媒活性を増大させる方法であって、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属触媒のモル比0.2:1〜約3:1で添加する方法。
【請求項2】
前記非芳香族ハロゲン化炭化水素がジクロロメタン;クロロホルム;四塩化炭素;クロロフルオロメタン;クロロジフルオロメタン;ジクロロジフルオロメタン;フルオロジクロロメタン;クロロトリフルオロメタン;フルオロトリクロロメタン;1,2−ジクロロエタン;1,2−ジブロモエタン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン;1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;ヘキサフルオロエタン;及びヘキサクロロエタンからなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非芳香族ハロゲン化炭化水素がクロロホルム及びフルオロトリクロロメタンからなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分のモル比が約0.2:1〜約2:1である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属成分のモル比が約0.5:1〜約1.5:1である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
重合条件下で、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属成分並びに助触媒成分を含んでなるチーグラー・ナッタ触媒並びに少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素と接触させることを含んでなる、エチレン又はエチレンと少なくとも1種若しくはそれ以上の他のオレフィンを重合するための連続気相法における触媒活性を増大させる方法であって、少なくとも1種又はそれ以上の非芳香族ハロゲン化炭化水素を、非芳香族ハロゲン化炭化水素対チーグラー・ナッタ触媒の遷移金属触媒のモル比0.2:1〜約3:1で添加し、そして前記範囲全体にわたって、前記範囲外において実施される前記方法に比べて、前記触媒活性を増大させる方法。
【請求項7】
前記非芳香族ハロゲン化炭化水素がクロロホルムである請求項1、4、5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記遷移金属成分がチタンである請求項1、4、5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記非芳香族ハロゲン化炭化水素がクロロホルムである請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2006−503956(P2006−503956A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546648(P2004−546648)
【出願日】平成15年1月16日(2003.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/001576
【国際公開番号】WO2004/037873
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】