説明

エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法

本発明は、1種以上のエチレン性不飽和化合物のラジカル重合法に関し、これは、エチレン性不飽和化合物の全質量に対して、少なくとも80.0質量%のエチレン性不飽和化合物を前装入し、少なくとも1種のラジカル重合用の重合開始剤を少なくとも2段工程で添加し、その際、第2工程で第1工程より多くの重合開始剤を添加することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン性不飽和化合物のラジカル重合法及び特に少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートを含有するモノマー組成物のラジカル重合法に関する。
【0002】
アルキル(メタ)アクリレート含有モノマー混合物のラジカル重合法はずっと以前から公知である。例えば出版物EP0750031A2には、(A)アルキル基に炭素原子1〜11個を有するアルキルアクリレートエステルモノマー約5〜約75質量%、(B)アルキル基に炭素原子12〜約24個を有するアルキルアクリレートエステルモノマー約25〜約95質量%及び(C)ビニル置換された、窒素−複素環−モノマー、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレートモノマー、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドモノマー及び/又はt−アルキルアクリルアミド約0.1〜約20質量%を含有し、その際成分(A)、(B)及び(C)の合計は100質量%である、モノマー混合物のラジカル重合法が開示されている。重合法の第1の態様では、重合すべきモノマー及び場合により溶剤及び場合により連鎖移動剤を反応器中に前装入し、重合開始剤を添加し、バッチを所望の反応時間所望の反応温度に加熱する。
【0003】
その代わりに、先ず混合物をモノマー及び重合開始剤から製造し、この混合物の一部、通常20〜40質量%を反応器中に前装入し、反応器を所望の反応温度に加熱し、混合物の残りを連続的に添加することによって、重合をモノマー及び開始剤の添加により実施する。
【0004】
両方の方法は技術的観点から完全に満足できるとは言い難い。モノマーの全量を前装入し、引き続き重合開始剤を添加する第1の方法では、その発熱重合反応により、特に比較的多量の重合バッチでは、重合温度を所望の温度範囲に保ち、均質な重合を確実にすることが難しい場合が多い。これにより重合法の再現性が減ずる結果となる。更に、極端な場合には反応はもはや制御不能な、強力な発熱性経過(いわゆる"トロムスドルフ効果")をたどる恐れがある。
【0005】
モノマーの主要量を反応開始後に添加する第2の方法では、確かに重合反応、特にその温度の制御は著しく容易になる。しかしこの方法は比較的緩慢で、コスト高である。
【0006】
従って公知技術を考慮して本発明の課題は、重合操業容量上昇を可能にする改善された時空収率を有するアルキル(メタ)アクリレート含有モノマー組成物のラジカル重合法を開示することであった。
【0007】
使用される原料、例えば溶剤、連鎖移動剤及び開始剤は、従来の方法で使用された種類と異なるものであってはならない。同じく反応促進が、最近文献に記載の制御されたラジカル法、例えばATRP又はRAFTを手本として確立される方法によって達成されるものであってはならない。反応生成物は分子量及び分子量分布に関して従来記載のラジカル重合法で使用されたようなものと実質的に異なってはならない。
【0008】
本発明により提供される方法は、比較的多量の重合バッチでも重合反応及び特に反応温度の容易な制御を可能にするものでなければならない。もはや制御することができない重合挙動("トロムスドルフ効果")の出現はできる限り阻止せねばならない。
【0009】
方法は簡単な方法で、大規模工業的にかつ安いコストで実現可能でなければならない。更にこれは高い再現性を有するラジカル重合を可能にするものでなければならない。
【0010】
これらの課題並びに冒頭で議論した相互関係から直接誘導されるその他の明確には挙げてない課題は、本特許請求項1の全ての特徴を有するエチレン性不飽和化合物のラジカル重合法によって解決される。本発明による方法の合目的な変更は特許請求項1に次ぐ下位請求項に記載されている。
【0011】
1種以上のエチレン性不飽和化合物のラジカル重合法で、エチレン性不飽和化合物の全質量に対して少なくとも80.0質量%のエチレン性不飽和化合物を前装入し、少なくとも1種のラジカル重合用の重合開始剤を少なくとも2段工程で添加し、その際、第2工程で第1工程より多くの開始剤を添加することによって、予期外にも著しく改善された時空収率でエチレン性不飽和化合物をラジカル重合させることができ、これによってまた重合作業容量を著しく高めることができる。
【0012】
本発明による方法によって特に下記の利点が得られる:
・本発明による方法は、著しく短い重合時間を可能にする。慣用の方法に比して、重合時間は通常少なくとも30〜50%減少される。
・本発明による方法の特に優れた特徴は、ちょうど反応開始時に迅速な変換が達成されることに存する。即ち、通常既に45分間の反応時間後に使用したモノマー量の合計75%が反応する。これから生じる反応熱は必要な反応熱を維持するために使用することができるか又は必要な場合には容易に排除することができる。
・本発明による方法は、特別な原料、例えば特定の溶剤、連鎖延長剤及び/又は重合開始剤の使用及び/又は特別な重合法、例えばATRP又はRAFTに限定されるものではない。反対に、本方法ではラジカル重合に関して慣用の化合物を使用することができる。
・本発明による方法によって得られるポリマーの特性プロフィール、特にその分子量及び分子量分布は、慣用の方法で製造されたポリマーと実質的に相違しない。
・本発明による方法は高い再現性でエチレン性不飽和化合物のラジカル重合を可能にする。
・本発明による方法は、多量の重合バッチでも重合反応及び特に反応温度の容易な制御を可能にする。もはや制御できない重合経過("トロムスドルフ効果")の発現の恐れはほぼ完全に排除される。
・本発明による方法は、特に少なくとも1種の(メタ)アクリレート及び/又はフマレートを含有するモノマー組成物のラジカル重合に好適である。
・本発明による方法は、簡単な方法で大規模工業的にかつ安いコストで実施することができる。
・本発明による方法のもう一つの利点は、必要な重合開始剤の量を慣用に方法に比して減少させることができる点に存する。本発明による方法により約20〜40%の開始剤節約が実現可能である。
【0013】
本発明によれば、エチレン性不飽和化合物をラジカル重合することができる。これら化合物は単独又は混合物で使用することができる。
【0014】
本発明の目的に特に好適なエチレン性不飽和化合物には、少なくとも1種の(メタ)アクリレート、マレエート及び/又はフマレートを含有するモノマー組成物が含まれる。その際、アルコール基は場合により異なっていてよい。少なくとも1種の(メタ)アクリレート、マレエート及び/又はフマレートの含量は、モノマー組成物の全質量に対して有利には少なくとも25.0質量%、有利には少なくとも50.0質量%、特には少なくとも75.0質量%である。
【0015】
用語(メタ)アクリレートにはメタアクリレート及びアクリレート並びにこの両方から成る混合物が含まれる。これらのモノマーは公知である。その際、アルキル基は線状であっても、環状であっても又は枝分れしていてもよい。
【0016】
本発明で特に有利なモノマー混合物は、エチレン性不飽和化合物の全質量に対して0.0〜40.0質量%、有利には0.1〜35.0質量%、特に1.0〜20.0質量%の式(I)
【化1】

[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは炭素原子1〜5個を有する線状又は枝分れアルキル基を表し、R及びRは、各々無関係に水素又は式−COOR’の基を表し、ここでR’は水素又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基を表す]の1種以上のエチレン性不飽和エステル化合物を含有することができる。
【0017】
式(I)の化合物の例は特に、飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、フマレート及びマレエート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート及びペンチル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート;不飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、例えば2−プロピニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート及びビニル(メタ)アクリレートである。
【0018】
その他の成分として、モノマー組成物は、エチレン性不飽和化合物の全質量に対して60.0〜100.0質量%、有利には65.0〜99.9質量%の式(II)
【化2】

[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは炭素原子6〜40個を有する線状又は枝分れアルキル基を表し、R及びRは、各々無関係に水素又は式−COOR"の基を表し、ここでR"は水素又は炭素原子6〜40個を有するアルキル基を表す]の1種以上のエチレン性不飽和エステル化合物を含有することができる。
【0019】
これらには特に、飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、フマレート及びマレエート、例えばヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、3−イソ−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、5−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−メチルドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、5−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、5−イソ−プロピルヘプタデシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルオクタデシル(メタ)アクリレート、5−エチルオクタデシル(メタ)アクリレート、3−イソ−プロピルオクタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、セチルエイコシル(メタ)アクリレート、ステアリルエイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート及び/又はエイコシルテトラトリアコンチル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えば2,4,5−トリ−t−ブチル−3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラ−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;不飽和アルコールから誘導される(メタ)アクリレート、例えばオレイル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート;並びに相応するフマレート及びマレエートが属す。
【0020】
長鎖アルコール基を有するエステル化合物、特に式(II)による化合物は、例えば、(メタ)アクリレート、フマレート、マレエート及び/又は相応する酸と長鎖脂肪族アルコールとの反応により得られるが、その際、通常エステルの混合物、例えば異なる長鎖アルコール基を有する(メタ)アクリレートが生成する。この脂肪族アルコールには、特にOxo Alcohol(R)7911及びOxo Alcohol(R)7900、Oxo Alcohol(R)1100;Alfol(R)610、Alfol(R)810、Lial(R)125及びNafol(R)タイプ(Sasol Olefins&Surfactant GmbH);Alphanol(R)79(ICI);Epal(R)610及びEpal(R)810(Ethyl Corporation);Linevol(R)79、Linevol(R)911及びNeodol(R)25E(Shell AG);Dehydad(R)、Hydrenol(R)及びLorol(R)タイプ(Cognis);Acropol(R)35及びExxal(R)10(Exxon Chemicals GmbH);Kalcol2465(Kao Chemicals)が属す。
【0021】
エチレン性不飽和エステル化合物中で(メタ)アクリレートがマレエート及びフマレートに対して特に有利である、即ち式(I)及び(II)のR、R、R及びRは、特に有利な態様では水素を表す。更にメタクリレートがアクリレートに対して有利である。
【0022】
本発明によれば有利には、式(II)による長鎖アルキル(メタ)アクリレートのモノマー組成物を使用するが、その際、モノマー組成物はアルコール基に炭素原子6〜15個を有する少なくとも1種の(メタ)アクリレート並びにアルコール基に炭素原子16〜40個を有する少なくとも1種の(メタ)アクリレートを有する。有利には、アルコール基に炭素原子6〜15個を有する(メタ)アクリレートの含分は、モノマー組成物の質量に対して20.0〜95.0質量%の範囲である。アルコール基に炭素原子16〜40個を有する(メタ)アクリレートの含分は、モノマー組成物の質量に対して0.5〜60.0質量%の範囲である。
【0023】
本発明のもう一つの態様によれば、炭素原子8〜14個を有するオレフィン性不飽和エステルの含分は炭素原子16〜18個を有するオレフィン性不飽和エステルの含分より有利には大きいか又は同じである。
【0024】
モノマー組成物は更に有利には、式(I)及び/又は(II)のエチレン性不飽和エステル化合物と共重合することができるが、しかしこれらとは異なる1種以上のエチレン性不飽和コモノマーを含む。コモノマーの含分は、モノマー組成物の質量に対して有利には0.0〜40.0質量%、特に2.0〜35.0質量%及び特に有利には5.0〜30.0質量%の範囲である。
【0025】
これに関して特に好適なコモノマーは、式(III):
【化3】

[式中、R1*及びR2*は、各々無関係に水素、ハロゲン、CN、炭素原子1〜20個、有利には1〜6個及び特に有利には1〜4個を有する線状又は枝分れアルキル基(これはハロゲン原子1〜(2n+1)個で置換されていてよく、その際nはアルキル基の炭素原子の数である)(例えばCF)、炭素原子2〜10個、有利には2〜6個及び特に有利には2〜4個を有するα,β−不飽和線状又は枝分れアルケニル−又はアルキニル基(これはハロゲン原子、有利には塩素、1〜(2n−1)個で置換されていてよく、その際nはアルキル基の炭素原子の数であり、例えばCH=CCl)、炭素原子3〜8個を有するシクロアルキル基(これはハロゲン原子、有利には塩素、1〜(2n−1)個で置換されていてよく、その際nはシクロアルキル基の炭素原子の数である);炭素原子6〜24個を有するアリール基(これはハロゲン原子、有利には塩素、及び/又は炭素原子1〜6個を有するアルキル基1〜(2n−1)個で置換されていてよく、その際nはアルキル基の炭素原子の数である);C(=Y)R5*、C(=Y)NR6*7*、YC(=Y)R5*、SOR5*、SO5*、OSO5*、NR8*SO5*、PR5*、P(=Y)R5*、YPR5*、YP(=Y)R5*、NR8*(これは付加的にR8*−、アリール−又はヘテロシクリル基で四級化されていてよく、その際、YはNR8*、S又はO、有利にはOであってよく;R5*は炭素原子1〜20個を有するアルキル基、炭素原子1〜20個を有するアルキルチオ、OR15(R15は水素又はアルカリ金属である)、炭素原子1〜20個のアルコキシ、アリールオキシ又はヘテロシクリルオキシであり;R6*及びR7*は無関係に水素又は炭素原子1〜20個を有するアルキル基であるか又はR6*及びR7*は一緒になって炭素原子2〜7個、有利には2〜5個を有するアルキレン基を形成することができ、その際これは3〜8員、有利には3〜6員環を形成し、R8*は水素、炭素原子1〜20個を有する線状又は枝分れアルキル−又はアリール基である)から成る群から選択し;R3*及びR4*は無関係に、水素、ハロゲン(有利には弗素又は塩素)、炭素原子1〜6個を有するアルキル基及びCOOR9*(式中、R9*は水素、アルカリ金属又は炭素原子1〜40個を有するアルキル基である)から成る群から選択したものであるか又はR3*及びR4*は一緒になって式(CHn’(これはハロゲン原子又はC〜Cアルキル基1〜2n’個で置換されていてよい)又は式C(=O)−Y−C(=O)を形成してよく、その際n’は2〜6、有利には3又は4であり、Yは前記したものを表し;かつその際、基R1*、R2*、R3*及びR4*の少なくとも2個は水素又はハロゲンである]に相応する。
【0026】
これには特に下記が属す:アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジルメタクリレート又はフェニルメタクリレート、その際アリール基は各々置換されていないか又は4個まで置換されていてよい;ハロゲン化アルコールのメタクリレート、例えば2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、4−ブロモフェニルメタクリレート、1,3−ジクロロ−2−プロピルメタクリレート、2−ブロモエチルメタクリレート、2−ヨードエチルメタクリレート、クロロメチルメタクリレート;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン及び弗化ビニリデン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニル;スチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばα−メチルスチレン及びα−エチルスチレン、環にアルキル置換基を有する置換されたスチレン、例えばビニルトルエン及びp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、例えばモノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン及びテトラブロモスチレン;複素環式ビニル化合物、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラタクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルオキサゾール及び水素添加されたビニルオキサゾール;ビニル−及びイソプレニルエーテル;マレイン酸及びマレイン酸誘導体、例えば無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、マレインイミド、メチルマレインイミド;フマル酸及びフマル酸誘導体;アクリル酸及び(メタ)アクリル酸;ジエン、例えばジビニルベンゼン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール(メタ)アクリレート;カルボニル含有メタアクリレート、例えば2−カルボキシエチルメタクリレート、カルボキシメチルメタクリレート、オキサゾリジニルエチルメタクリレート、N−(メタクリロイルオキシ)ホルムアミド、アセトニルメタクリレート、N−メタクリロイルモルホリン、N−メタクリロイル−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリロイルオキシペンタデシル)−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシヘプタデシル)−2−ピロリジノン;グリコールジメタクリレート、例えば1,4−ブタンジオールメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート;エーテルアルコールのメタクリレート、例えばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、ビニルオキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−(2−ビニルオキシ)−エチルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシメチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−ブトキシブチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート及びエトキシ基有利には1〜20個、特に2〜8個を有するエトキシル化(メタ)アクリレート;アミノアルキル(メタ)アクリレート及びアミノアルキル(メタ)アクリレートアミド、例えばN−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−ジエチルアミノペンチルメタクリレート、3−ジブチルアミノヘキサデシル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸のニトリル及びその他の窒素含有メタクリレート、例えばN−(メタクリロイルオキシエチル)ジイソブチルケチミン、N−(メタクリロイルオキシエチル)ジヘキサデシルケチミン、メタクリロイルアミドアセトニトリル、2−メタクリロイルオキシエチルメチルシアンアミド、シアノメチルメタクリレート;複素環式(メタ)アクリレート、例えば2−(1−イミダゾリル)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−モルホリニル)エチル(メタ)アクリレート及び1−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリドン;オキシラニルメタクリレート、例えば2,3−エポキシブチルメタクリレート、3,4−エポキシブチルメタクリレート、10,11−エポキシウンデシルメタクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、10,11−エポキシヘキサデシルメタクリレート;グリシジルメタクリレート。
【0027】
これらのモノマーは単独又は混合物として使用することができる。
【0028】
本発明の方法で、エチレン性不飽和化合物の全質量に対して、少なくとも80.0質量%、有利には少なくとも85.0質量%、有利には少なくとも90.0質量%、特に有利には少なくとも95.0質量%、特には少なくとも99.0質量%のエチレン性不飽和化合物を前装入する。
【0029】
本発明の特に有利な態様によれば、使用するモノマーの全量ではなく、一部、有利にはエチレン性不飽和化合物の全量の85.0〜99.9質量%を受器に入れ、使用するモノマーのこれより少ない分、有利には全モノマー量に対して0.1〜15.0質量%を工程の最後頃添加する。
【0030】
反応開始時に大部分又は専らアリルメタクリレートだけを使用する場合には、全モノマー量に対して有利には2.0〜5.0質量%のアルキルアクリレートの添加が、低い残存モノマー含量が得られるという背後関係で、重合終了頃でも推奨される。
【0031】
エチレン性不飽和化合物のラジカル重合は、自体公知の方法で行うことができる。通常のラジカル重合は特にUllmanns’s Encyclopedia of Industrial Chemistry第6版に記載されている。
【0032】
本発明で重合は、ラジカル重合用の少なくとも1種の重合開始剤を使用して開始させる。これには、特に当業界で十分公知のアゾ開始剤、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、有機過酸化物、例えば過酸化ジクミル、ジアシルペルオキシド、例えばジラウロイルペルオキシド、ペルオキシジカルボネート、例えばジイソプロピルペルオキシジカルボネート、ペルエステル、例えばt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等が属す。
【0033】
本発明の目的用に極めて特に好適な重合開始剤には、下記化合物が含まれる:メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ケトンペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、メチルイソブチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、過酸化ジクミル、1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビスー(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボネート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、t−アミルペルオキシピバレート、ジ−(2,4−ジクロロベンゾイル)−ペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、2,2’−アゾビス−(2−アミノプロパン)−ジヒドロクロリド、ジ−(3,5,5−トリメチル−ヘキサノイル)−ペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、ジ−(2−メチルベンゾイル)−ペルオキシド、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−ヘキサン、4,4’−アゾビス−(シアノペンタン酸)、ジ−(4−メチルベンゾイル)−ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−イソブチレート並びに前記重合開始剤の混合物。
【0034】
本発明によれば、25〜200℃の範囲、有利には50〜150℃の範囲、特に50〜100℃の範囲の温度で1時間の半減期を有する重合開始剤が極めて特に有利である。更に過酸化物の重合開始剤、特にt−ブチル−ペルオクトエートがこの目的に極めて特に好適である。
【0035】
態様に応じて異なる重合開始剤を使用することもできる。異なる種類の開始剤を使用する場合には、これらを有利には別々に連続する工程で添加し、その際後に添加する重合開始剤は有利には前に添加する重合開始剤に比して高い半減期を有するべきである。
【0036】
本発明による方法でラジカル重合用の少なくとも1種の重合開始剤の添加を少なくとも2段工程で行う。その際重合開始剤の添加は各工程で希釈してない形で行ってもよいし、希釈した形で、有利には溶剤中に溶解して、特に少なくとも1種の鉱油中の3〜25質量%溶液の形で行ってもよい。
【0037】
本発明の第1の特に有利な態様によれば、重合開始剤を第1工程で有利には一度に添加する。しかし重合開始剤を第1工程で、有利には連続的に、特に一定の配量添加速度で配量添加することも特に有利であると実証された。
【0038】
第2工程で重合開始剤を本発明の第1の特に有利な態様によれば有利には一度に添加する。しかしその代わりに、重合開始剤を第2工程で、有利には連続的に、特に一定の配量添加率で添加することも有利である。本発明の極めて特に有利な態様によれば重合開始剤を第1及び第2工程で連続的に、有利には各々一定の配量添加率で配量添加するが、その際、第2工程の平均配量添加率は有利には第1工程の平均配量添加率より大きい。有利には、第2工程の平均配量添加率対第1工程の平均配量添加率の比は1.2:1より大きく、有利には1.2:1〜10:1、特に有利には1.5:1、極めて特に有利には2:1より大きく、特に3:1より大きい。
【0039】
本発明によれば第2工程で添加される重合開始剤の量は第1工程で添加される量より多いが、その際第2工程で、第1工程で添加される重合開始剤の全量に対して、有利には少なくとも120%、有利には120〜1000%、特に有利には少なくとも150%、特に150〜500%の第1工程で添加される量の重開始剤を添加する。
【0040】
有利には第1工程中に添加される重合開始剤の全量の0.01〜50.0%、有利には10.0〜40.0%、特に15.0〜35.0質量%がまだ使用されていない時点で、第2工程を開始する。
【0041】
まだ使用されていない重合開始剤のこの含分は自体公知の方法で決定することができるか又は自体公知の大きさ、例えば重合開始剤の崩壊常数、重合中の温度プロフィール及び添加プロフィールを基礎にして算出することができる。一定温度で一定速度での配量添加に関して例えば近似的に下記が適用される:
ss/IΣ=1/(kdΣ
ここで、商Iss/IΣは、第1工程の間に添加された重合開始剤の全量に対する使用されなかった重合開始剤の含分を表し、その際kは重合開始剤の崩壊定数であり、tΣは添加時間である。
【0042】
本発明の目的に、重合開始剤を少なくとも3段工程で添加することが極めて有利であると実証されたが、その際第3工程で第1工程及び第2工程より多くの開始剤を添加する。第3工程で重合開始剤添加を有利には一度に行う。しかし代わりに重合開始剤を第3工程で有利には連続的に、特に一定の配量添加率で配量添加することも有利である。本発明の極めて特に有利な態様によれば、重合開始剤を第1、第2及び第3工程で連続的に、有利には各々一定の配量添加率で配量添加し、その際第3工程の平均配量添加率は有利には第2工程の平均配量添加率より大きく、第2工程の平均配量添加率は第1工程の平均配量添加率より大きい。有利には第3工程の平均配量添加率対第2工程の平均配量添加率の比は1.2:1より大きく、有利には1.2:1〜10:1、特に有利には1.5:1より大きく、極めて特に有利には2:1より大きく、特には3:1より大きい。
【0043】
本発明によれば、重合開始剤の第3工程で添加される量は第2工程で添加される量より多く、その際第3工程で有利には、第2工程で添加される重合開始剤の全質量に対して、少なくとも120%、有利には120〜1000%、特に有利には少なくとも150%、特に150〜500%の第2工程で添加される量の重合開始剤を添加する。
【0044】
有利には第2工程の間に添加される重合開始剤の全量の0.01〜50.0%、有利には10.0〜40.0%、特に15.0〜35.0質量%がまだ使用されていない時点で、第3工程を開始する。
【0045】
まだ使用されていない重合開始剤のこの含分は自体公知の方法で決定することができるか又は自体公知の大きさ、例えば重合開始剤の崩壊常数、重合中の温度プロフィール及び添加プロフィールを基礎にして算出することができる。一定温度で一定速度での添加に関して例えば近似的に下記が適用される:
ss/IΣ=1/(kdΣ
ここで、商Iss/IΣは、第2工程の間に添加される重合開始剤の全量に対するまだ使用されなかった重合開始剤の含分を表し、その際kは重合開始剤の崩壊定数であり、tΣは添加時間である。
【0046】
本発明の特に有利な態様によれば、重合開始剤添加を3段以上の工程で行い、その際、第4工程から各々後の工程で直ぐ前の工程より多くの重合開始剤を添加し、重合開始剤は一度に添加するか又は連続的に、有利には一定の配量添加率で配量添加する。
【0047】
本発明で重合開始剤を連続的に上昇する配量添加速度で配量添加するのが極めて特に有利であると実証された。これは、無限に多数の工程で連続的に上昇する重合開始剤量の配量添加に相応する。
【0048】
本発明による方法は、エチレン性不飽和化合物の迅速かつ非常に有効な重合を可能にし、比較的僅かな残モノマー含量を有するポリマーを生じる。それにも拘わらず、場合により反応混合物の残モノマー含量を更に下げるために反応の終了頃に再開始することが非常に有利であると実証された。再開始は有利には、最後の工程の間に添加された重合開始剤の全量の少なくとも75.0質量%、有利には少なくとも90.0質量%、特に少なくとも95.0質量%が使用された時点で行う。有利には前に添加された重合開始剤の全量に対して0.1〜100.0質量%、特に5.0〜50.0質量%の重合開始剤を後添加する。
【0049】
新規方法は連鎖移動剤の存在又は不在下で行うことができる。連鎖移動剤としては、当業者に公知であるようなラジカル重合用に記載の代表的な種類を使用することができる。
【0050】
特に、メルカプタン、例えばn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、2−エチルヘキシルチオグリコレート又はペンタエリスリットテトラチオグリコレートが推奨されるが、その際連鎖移動剤は有利には、各々エチレン性不飽和化合物の全質量に対して0.05〜5.0質量%の量、有利には0.1〜2.0質量%の量及び特に有利には0.2〜1.0質量%の量で使用する。これに関して当業者は専門文献、特に印刷物H.Rausch−Puntigam、T.Voelker"Acryl−und Methacrylverbindungen"Springer Heidelberg、1967;Houben−Weyl"Methoden der organischen Chemie"第XIV/1巻、66頁以降、Georg Thieme、Heidelberg、1961及びKirk−Othmer"Encyclopedia of Chemical Technology"第1巻、296頁以降、J.Wiley、New York、1978を引用することができる。本発明でn−ドデシルメルカプタンが連鎖延長剤として極めて特に有利である。
【0051】
重合は溶剤を用いて行ってもよいし、溶剤なしで行ってもよい。その際溶剤の概念は広い範囲に解釈する。
【0052】
有利には重合は有機溶剤、特に非極性溶剤中で実施する。これには炭化水素溶剤、例えば芳香族溶剤、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン、飽和炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンが挙げられるが、これらは枝分かれして存在してもよい。これらの溶剤は単独又は混合物として使用することができる。特に有利な溶剤は、鉱油、天然油及び合成油並びにその混合物である。この中で鉱油が極めて特に有利である。
【0053】
鉱油は自体公知であり、市販されている。これらは通常石油又は原油から蒸留及び/又は精留によってか、場合によりその他の精製−及び加工法により得られるが、その際概念鉱油には特に原油又は石油の高沸点分が該当する。通常鉱油の沸点は5000Paで200℃より高く、有利には300℃より高い。頁岩油の乾留、石炭のコークス化、褐炭の空気遮断下での蒸留並びに石炭又は褐炭の水素添加による製造も可能である。僅かな含分で鉱油を植物(例えばホホバ、菜種から)又は動物(例えばひずめ油)起源の原料からも製造する。従って鉱油は起源に応じて芳香族、環状、枝分れ及び線状炭化水素の異なる含分を有する。
【0054】
通常原油及び鉱油中でパラフィン基、ナフテン基及び芳香族分を区別するが、その際概念パラフィン基分は長鎖又は強枝分れイソ−アルカンを表し、ナフテン基分はシクロアルカンを表す。更に鉱油は、起源及び加工に応じて、異なる含分のn−アルカン、僅かな枝分れ度を有するイソ−アルカン、いわゆるモノメチル枝分れパラフィン及びヘテロ原子、特にO、N及びSを有する化合物を有し、それにより極性特性が付与される。しかし個々のアルカン分子が長鎖の枝分れ基もシクロアルカン基及び芳香族分も有しうるので、分類は難しい。本発明の目的で分類は例えばDIN51378により行うことができる。極性含分はまたASTM D2007により測定することができる。
【0055】
n−アルカンの含分は有利な鉱油中では3質量%より少なく、O、N及び/又はS含有化合物の含分は6質量%より少ない。芳香族及びモノメチル枝分れパラフィンの含分は通常各々0〜40質量%の範囲である。有利な態様によれば、鉱油は主として、通常13個より多い、有利には18個より多いかつ極めて特に有利には20個より多い炭素原子を有するナフテン基及びパラフィン基アルカンを含む。これらの化合物の含分は、これに制限するものではないが、通常≧60質量%、有利には≧80質量%である。有利な鉱油は、各々鉱油の全質量に対して、芳香族含分0.5〜30質量%、ナフテン含分15〜40質量%、パラフィン基含分35〜80質量%、n−アルカン3質量%まで及び極性化合物0.05〜5質量%を含有する。
【0056】
慣用の方法、例えば尿素分離及びシリカゲルを用いる液体クロマトグラフィーにより行った特に有利な鉱油の分析は、例えば下記の成分を示すが、その際%は各々使用した鉱油の全質量に関する:C原子約18〜31個を有するn−アルカン:0.7〜1.0%、C原子18〜31個を有する僅かに枝分れしたアルカン:1.0〜8.0%、C原子14〜32個を有する芳香族0.4〜10.7%、C原子20〜32個を有するイソ−及びシクロ−アルカン:60.7〜82.4%、極性化合物:0.1〜0.8%、損失:6.9〜19.4%。
【0057】
鉱油の分析並びに異なった組成を有する鉱油の列挙に関する貴重な示唆は、例えばUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry第5版、CD−ROM、1997、Stichwort"lubricants and related products"に記載されている。
【0058】
合成油には、特に有機エステル、例えばジエステル及びポリエステル、ポリアルキレングリコール、ポリエステル、合成炭化水素、特にポリオレフィン(その中でポリαオレフィン(PAO)が有利である)、シリコーン油及びペルフルオロアルキルエーテルが含まれる。これらは通常鉱油より少し高価であるが、その性能に関して利点を有する。
【0059】
天然油は動物性又は植物性油、例えばひづめ油又はホホバ油である。
【0060】
これらの油は混合物として使用することもでき、多数市販されている。
【0061】
しかし本発明の極めて特に有利な態様では、重合を溶剤なしに実施する。この方法は特に、有利には50000g/モルより小さい、有利には25000g/モルより小さい、特には5000〜20000g/モルの範囲の数平均分子量を有する、比較的低分子量のポリマーの製造に好適である。
【0062】
重合は常圧、減圧又は過圧下で実施することができる。重合温度も重要ではない。しかし、通常−20〜200℃の範囲、有利には0〜180℃の範囲、有利には50〜180℃の範囲、特に有利には50〜130℃の範囲、特には60〜120℃の範囲である。
【0063】
重合は有利には一定の反応温度で実施するが、これは全重合反応中、所望の温度に関して変動は有利には+−20℃より僅か、特に有利には+−5℃より僅かである。
【0064】
この目的のために、重合容器は有利には、相応する重合熱を出来る限り迅速かつ良好に搬出する媒体で囲ってある。温度変動を更に減らすために、温度上昇用には重合開始剤の添加速度を短時間で高め、温度低下用には重合開始剤の添加速度を短時間で低下させることによって、重合容器中の温度を重合開始剤の添加速度によって制御することが非常に有利であると実証された。
【0065】
更に有利には、エチレン性不飽和化合物を含有する反応混合物を反応容器中に前装入し、反応混合物を好適な加熱媒体の使用下で所望の重合温度で反応混合物が所望の重合温度を有するまで加熱し、重合を重合開始剤の添加又は配量添加によって開始させ、重合開始剤の添加直後又は配量添加開始直後に加熱媒体の温度を前に調整した温度に対して有利には2〜10℃、特に5〜10℃だけ低くするようにして行う。
【0066】
本発明でモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び溶剤の量を有利には、2000及び5000000g/モルの範囲、有利には10000〜1000000g/モルの範囲、有利には15000〜500000g/モルの範囲、特には20000〜300000g/モルの範囲の質量平均分子量が得られるように選択する。この値は分子量の質量平均(Mw)に関する。
【0067】
本発明により得られるポリマーの多分散性は、分子量の質量−及び数平均からの商(M w/Mn)である。分子量は公知方法により測定することができる。例えば、"サイズ排除クロマトフラフィー"(SEC)としても公知であるゲル透過クロマトフラフィーを使用することができる。分子量を測定するために、浸透法、例えば"蒸気相浸透法(Vapopur Phase Osmometry)"も使用することもできる。前記方法は例えばP.J.Flory、"Principles of Polymer Chemistry"Cornell University Press(1953)、第VII巻、266〜316並びに"Macromeolecules,an Introduction to Polymer Science"、F.A.Bovey and F.H.Winslow、Editors、Academic Press(1979)、296〜312並びにW.W.Yau、J.J.Kirkland及びD.D.Bly、"Modern Size Exclusion Liquid Chromatography"John Wiley and Sons、ニューヨーク、1979に記載されている。ここで紹介したポリマーの分子量を測定するために有利にはゲル浸透クロマトグラフィーを使用する。これは有利にはポリメチルアクリレート−又はポリアクリレート標準に対して測定する。
【0068】
本発明の方法により得られるポリマーは自体公知の方法で単離し、更に加工し、場合により好適な添加物の添加により調製することができる。これらの添加物には特に粘度指数改良剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐摩耗剤、腐蝕防止剤、洗浄剤、分散剤、EP添加物、摩擦減少剤、着色料、芳香物質、金属不活性剤及び/又は解乳化剤が属する。
【0069】
しかし本発明により得られるポリマーは、直接、即ちその他の添加物なしに、例えば粘度指数改良剤として使用することもできる。
【0070】
次ぎに本発明を実施例及び比較例につき詳説するが、本発明はこれらの特別な態様に制限されるものではない。その際記載の大きさは下記のように定める:
ポリマーの記載の分子量は、質量平均(Mw)である。多分散性は分子量の質量−及び数平均からの商である(Mw/Mn)。
【0071】
記載の動粘度は相応してポリマー溶液に関するものであり、純粋な単離されたポリマーに関するものではない。動粘度の測定は常法により、例えばUbbelohde粘度計でASTM D445により行うか又はHerzog社の自動測定装置で行う。動粘度の記載は常にmm/秒で行う。
【0072】
粘度指数の測定はASTM D2270により行った。
【0073】
概念"増粘作用"は、特定量のポリマー溶液をその他の溶剤で希釈することによって特定温度で測定する、ポリマー溶液の動粘度に関する。通常150N−オイル中で各々製造したポリマー溶液10〜15質量%を希釈し、生じた溶液の動粘度を40℃又は100℃で測定する。
【0074】
残存モノマー含量(例えばC〜C18−アルキルアクリレート、MMA)を常法によりHPLC分析により測定した。記載は製造したポリマー溶液の全質量に対してppm又は質量%である。例えば長鎖のアルキル置換されたアクリレートに関して、例えばC〜C18−アルキルアクリレート用に記載した残存モノマー含量には、エステル側鎖中に炭素原子8〜18個を有するアルキル置換基を有する、使用した全アクリレートモノマーが含まれることに一言しておく。
【0075】
比較例1
3段InterMIG攪拌機(78rpmで作動)、温度計及び還流冷却器を具備した10lステンレス鋼実験室用反応器中に、3群の鉱油(例えばFortum社のNexbase3020)1932g及び質量比86.5:3.5:10.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物214.7gをドデシルメルカプタン0.28gと一緒に前装入する。温度を90℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート5.98gを添加し、同時に質量比86.5:3.5:10.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びメチルメタクリレートから成る混合物4753.3g並びにt−ブチルペルオクトエート9.51g及びドデシルメルカプタン6.18gから成る供給を開始する。供給時間は3.5時間であり、供給速度は均一である。供給2時間後、もう一度t−ブチルペルオクトエート10.2gを添加する。操作性改善及び安定化用になお100N−オイル2132.7g及び4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール18.1gを添加する。全反応時間は8時間である。
分子量:120000g/モル
多分散性:3.05
100℃における動粘度:642.8mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:12.68mm/秒、40℃で:66.8mm/秒
粘度指数:193
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:0.25%
残存モノマー含量MMA:640ppm
【0076】
実施例1
3段InterMIG攪拌機(150rpmで作動)、温度計及び還流冷却器を具備した10lステンレス鋼実験室用反応器中に、3群の鉱油(例えばFortum社のNexbase3020)1604.1g及び質量比86.5:3.5:10.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物4125.0gをドデシルメルカプタン5.6gと一緒に前装入する。温度を110℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート10.3gを2時間で配量添加し、その際最初の1時間以内に記載量の22%及び次の1時間内に78%を添加する。その30分後もう一度t−ブチルペルオクトエート4.1gを添加する。操作性改善及び安定化用になお100N−オイル1770.9g及び4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール15.0gを添加する。全反応時間は4時間である。
分子量:138000g/モル
多分散性:3.10
100℃における動粘度:624.7mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:12.94mm/秒、40℃で:67.3mm/秒
粘度指数:197
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:0.88%
残存モノマー含量MMA:1950ppm
【0077】
比較例2
MIG攪拌機(25rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した24m重合反応器中に100N−オイル6672.7kg及び質量比87.0:13.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物745.6kgをドデシルメルカプタン0.9kgと一緒に前装入する。温度を100℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート2.2kgを添加し、同時に質量比87.0:13.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレートから成る混合物10594.8kg並びにt−ブチルペルオクトエート17.0kg及びドデシルメルカプタン12.7kgから成る供給を開始する。供給時間は5時間であり、供給速度は均一である。供給2時間後、もう一度t−ブチルペルオクトエート22.7kgを添加する。全反応時間は12時間である。
分子量:161000g/モル
多分散性:2.30
100℃における動粘度:1496mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:13.87mm/秒、40℃で:74.56mm/秒
粘度指数:193
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:1.2%
残存モノマー含量MMA:0.2%
【0078】
実施例2
2個のプロペラ攪拌機(270rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した48m重合反応器中に100N−オイル8941.0kg及び質量比87.0:13.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成る混合物15119.7gをドデシルメルカプタン25.7kgと一緒に前装入する。温度を110℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート39.5kgを3.5時間で配量添加し、その際最初の1.5時間以内に全量の6.3%、次の1時間以内に10.0%及び次の1時間以内に83.7%を添加する。全反応時間は8時間である。
分子量:166000g/モル
多分散性:2.41
100℃における動粘度:1238mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:13.90mm/秒、40℃で:75.00mm/秒
粘度指数:193
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:1.5%
残存モノマー含量MMA:0.2%
【0079】
比較例3
MIG攪拌機(25rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した24m重合反応器中に100N−オイル2888.1kg及び質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物315.7kgをドデシルメルカプタン2.9kgと一緒に前装入する。温度を100℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート4.1kgを添加し、同時に質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレートから成る混合物12804.3kg並びにt−ブチルペルオクトエート32.0kg及びドデシルメルカプタン116.9kgから成る供給を開始する。供給時間は5時間であり、供給速度は均一である。供給2時間後、もう一度t−ブチルペルオクトエート26.2kgを添加する。全反応時間は12時間である。
分子量:53300g/モル
多分散性:2.00
100℃における動粘度:1397mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の12%前記生成物):100℃で:11.0mm/秒、40℃で:65.7mm/秒
粘度指数:160
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:0.89%
残存モノマー含量MMA:0.14%
【0080】
実施例3
MIG攪拌機(31rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した11m重合反応器中に100N−オイル1377.9kg及び質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物6150.3kgをドデシルメルカプタン52.3kgと一緒に前装入する。温度を110℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート9.8kgを3.5時間で配量添加し、その際最初の1.5時間以内に全量の6.3%、次の1時間以内に10.0%及び最後の1時間以内に83.7%を添加する。全反応時間は8時間である。
分子量:55400g/モル
多分散性:2.04
100℃における動粘度:1219mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の12%前記生成物):100℃で:10.99mm/秒、40℃で:65.3mm/秒
粘度指数:161
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:1.63%
残存モノマー含量MMA:0.27%
【0081】
比較例4
MIG攪拌機(25rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した24m重合反応器中に100N−オイル5593.1kg及び質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成るモノマー混合物622.8kgをドデシルメルカプタン2.9kgと一緒に前装入する。温度を100℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート3.8kgを添加し、同時に質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレートから成る混合物11796.9kg並びにt−ブチルペルオクトエート29.5kg及びドデシルメルカプタン54.2kgから成る供給を開始する。供給時間は5時間であり、供給速度は均一である。供給2時間後、もう一度t−ブチルペルオクトエート24.8kgを添加する。全反応時間は12時間である。
分子量:98100g/モル
多分散性:2.12
100℃における動粘度:1251mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:11.26mm/秒、40℃で:61.6mm/秒
粘度指数:179
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:0.84%
残存モノマー含量MMA:0.15%
【0082】
実施例4
2個のプロペラ攪拌機(270rpmで作動)及び工程パラメーターを制御するための工程誘導システムを具備した48m重合反応器中に、100N−オイル7480.7kg及び質量比85.0:15.0のC12〜C18−アルキルメタクリレート及びメチルメタクリレート(MMA)から成る混合物16559.9kgをドデシルメルカプタン67.9kgと一緒に前装入する。温度を110℃に調整する。その後t−ブチルペルオクトエート34.0kgを3.5時間で配量添加し、その際最初の1.5時間以内に全量の6.3%、次の1時間以内に10.0%及び最後の1時間以内に83.7%を添加する。全反応時間は8時間である。
分子量:98700g/モル
多分散性:2.14
100℃における動粘度:1149mm/秒
増粘作用(150N−オイル中の10%前記生成物):100℃で:11.20mm/秒、40℃で:61.2mm/秒
粘度指数:178
残存モノマー含量C12〜C18−アルキルメタクリレート:1.28%
残存モノマー含量MMA:0.23%
下記第1表に開始剤の使用量を対比させて記載する。
【0083】
第1表:使用した開始剤量
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和化合物の全質量に対して、少なくとも80.0質量%のエチレン性不飽和化合物を前装入し、少なくとも1種のラジカル重合用の重合開始剤を少なくとも2段工程で添加し、その際、第2工程で第1工程より多くの重合開始剤を添加することを特徴とする、1種以上のエチレン性不飽和化合物のラジカル重合法。
【請求項2】
第1工程で重合開始剤を一度に添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1工程で重合開始剤を配量添加することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第2工程で重合開始剤を一度に添加することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第2工程で重合開始剤を配量添加することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
配量添加速度を、第2工程の平均配量添加率が第1工程の平均配量添加率より大きいように選択することを特徴とする、請求項3及び5に記載の方法。
【請求項7】
配量添加速度を、第2工程の平均配量添加率対第1工程の平均配量添加率の比が1.2:1より大きいように選択することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2工程を、第1工程中に添加される重合開始剤の全量の0.01〜50.0%がまだ使用されていない時点で、開始することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
重合開始剤を少なくとも3段工程で添加し、その際、第3工程で第1工程及び第2工程より多くの開始剤を添加することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第3工程で重合開始剤を一度に添加することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第3工程で重合開始剤を配量添加することを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
配量添加速度を、第3工程の平均配量添加率が第2工程の平均配量添加率より大きいように選択することを特徴とする、請求項6及び11に記載の方法。
【請求項13】
配量添加速度を、第3工程の平均配量添加率対第2工程の平均配量添加率の比が1.2:1より大きいように選択することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
第3工程を、第2工程中に添加される重合開始剤の全量の0.01〜50.5%がまだ使用されていない時点で、開始することを特徴とする、請求項9から13までの少なくとも1項に記載の方法。
【請求項15】
重合開始剤を連続的に上昇する配量添加速度で配量添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1種の(メタ)アクリレート、マレエート及び/又はフマレートを含むモノマー組成物を重合することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
各々モノマー組成物の全質量に対して、
(a)0〜40質量%の式(I)
【化1】

[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは炭素原子1〜5個を有する線状又は枝分れアルキル基を表し、R及びRは無関係に水素又は式−COOR’の基を表し、ここでR’は水素又は炭素原子1〜5個を有するアルキル基を表す]の1種以上のエチレン性不飽和エステル化合物、
(b)50〜100質量%の式(II)
【化2】

[式中、Rは水素又はメチルを表し、Rは炭素原子6〜30個を有する線状又は枝分れアルキル基を表し、R及びRは無関係に水素又は式−COOR"の基を表し、ここでR"は水素又は炭素原子6〜40個を有するアルキル基を表す]の1種以上のエチレン性不飽和エステル化合物及び
(c)0〜50質量%の1種以上のコモノマー
から成るモノマー組成物を使用することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
開始剤として少なくとも1種の過酸化物を使用することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
重合開始剤を溶解した形で添加することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
重合開始剤を50〜180℃の範囲の温度で添加し、反応混合物を全反応時間の間この範囲の温度に保つことを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
重合を少なくとも1種の有機溶剤中で行うことを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
重合をAPI群I、II又はIIIの鉱油又は合成油中で行うことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
モノマー、重合開始剤及び場合により連鎖移動剤の量を、2000〜5000000g/モルの範囲の質量平均分子量が得られるように選択することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−508410(P2008−508410A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524252(P2007−524252)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008296
【国際公開番号】WO2006/015751
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(399020957)エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (38)
【氏名又は名称原語表記】Evonik RohMax Additives GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee, D−64293 Darmstadt, Germany
【Fターム(参考)】