説明

エネルギーを採収するシステム及び装置

【課題】センサアセンブリを提供する。
【解決手段】センサアセンブリは、トランスデューサ(108)と、トランスデューサに結合された制御モジュール(132)とを含み、制御モジュールは、センサアセンブリに発生したエネルギー量をセンサアセンブリが計測する第1動作モードと、センサアセンブリに発生したエネルギー量をセンサアセンブリが貯蔵する第2動作モードとの間で、センサアセンブリを選択的に切り替えるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して発電システムに関し、特に、エネルギーの採収に使用するシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも幾つかの既知の監視システムは、機器の動作状態を検出及び/又は計測する、少なくとも1つのセンサを含む。一般に、既知のセンサは、外部電源及び/又は内部電池によって電力供給される。電力を節約するために、機器が動作していないとき等の計測が不要な場合、センサを停止することがある。計測が望ましい場合、センサを起動させて、機器からの計測値を記録する。計測値の記録が完了すると、大抵は、電力を節約するためにセンサを再び停止する。しかし、電力の節約要求が原因で、センサが不定期的に機器の動作特性を記録又は計測することもある。こうした慣例に伴って生じ得る問題の1つに、センサが、機器の安定した計測値データセットを生成できないということが挙げられる。
【0003】
監視システムに追加の電力を供給するために、少なくとも幾つかの既知の監視システムは、監視対象の機器からエネルギーを採収する。例えば、既知の圧電装置を使用して、機器によって生成された振動からエネルギーを採収できる。採収されたエネルギーは、多くの場合、センサ又は監視システムのその他の装置に電力供給する際に使用するために、電池に貯蓄される。しかし、監視システム内で採収装置を追加で使用すると、その監視システムから得られる利益が相殺されるか、又はそれを上回るレベルにまで、監視システムのコスト及び/又は複雑性が増大することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7429805B2号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例において、トランスデューサと、このトランスデューサに結合された制御モジュールと、を含むセンサアセンブリを提供する。制御モジュールは、センサアセンブリが、センサアセンブリに発生したエネルギー量を計測する第1動作モードと、センサアセンブリが、センサアセンブリに発生したエネルギー量を貯蔵する第2動作モードとの間で、センサアセンブリを選択的に切り替えるように構成されている。
【0006】
別の実施例において、トランスデューサを含む少なくとも1つのセンサアセンブリを含む監視システムを提供する。監視システムは、更に、センサアセンブリに結合された少なくとも1つのセンサノードを含む。制御モジュールは、トランスデューサに結合されており、センサアセンブリが、センサアセンブリに発生したエネルギー量を計測する第1動作モードと、センサアセンブリが、センサアセンブリに発生したエネルギー量を貯蔵する第2動作モードとの間で、センサアセンブリを選択的に切り替えるように構成されている。
【0007】
また別の実施例において、センサアセンブリ内で検出された振動エネルギーの量を表す信号を生成するように構成されたトランスデューサを含む、機器内の振動検出及び採収に使用されるセンサアセンブリを提供する。センサアセンブリは、更に、トランスデューサに結合された制御モジュールを含む。制御モジュールは、感知動作モードとエネルギー採収動作モードの間で、センサアセンブリを選択的に切り替えるように構成されている。センサアセンブリは、更に、制御モジュールに結合された貯蔵装置を含む。制御モジュールは、更に、センサアセンブリが感知モードで動作しているときは信号をセンサノードに送信し、センサアセンブリがエネルギー採収モードで動作しているときは貯蔵装置に信号を送信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】機器の監視に使用可能な典型的な監視システムのブロック図である。
【図2】機器の監視に使用可能な別の監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、機器102の監視に使用可能な典型的な監視システム100の一部を示す。この実施例において、監視システム100は、機器102に結合された少なくとも1つのセンサアセンブリ104を含む。また、この実施例において、監視システム100は、監視システム100が本明細書に記述のように動作し得る任意の適当な数の、センサアセンブリ104に結合された少なくとも1つのセンサノード106を含む。この実施例において、監視システム100は、機器102の少なくとも1つの動作状態を検出及び/又は計測する。なお、本明細書に使用する「結合」という表現は、部品間の直接的な機械的及び/又は電気的接続に限定されず、部品間の間接的な機械的及び/又は電気的接続も包含し得る。
【0010】
この実施例において、各センサアセンブリ104は、機器102からエネルギーを選択的に採収し、機器102の少なくとも1つの動作状態を検出及び/又は計測する。例えば、センサアセンブリ104は、振動、回転速度、温度、及び/又は監視システム100が本明細書に記述するように動作し得る、機器102の任意のその他の適当な動作状態を検出及び/又は計測できる。なお、本明細書に使用する「エネルギーを採収する」という表現は、センサアセンブリ104が受け取ったエネルギーの少なくとも一部を電気エネルギーに変換することを意味する。例えば、センサアセンブリ104は、これらに限定されないが、振動エネルギー、運動エネルギー、弾性エネルギー、及び/又はセンサアセンブリ104による電気エネルギーの生成を可能にする任意のその他の適当なタイプのエネルギーを含むエネルギーを変換可能である。
【0011】
この実施例において、各センサアセンブリ104は、トランスデューサ108と、トランスデューサ108に結合される質量110と、トランスデューサ108に結合されるベース112とを含む。質量110、ベース112、及びトランスデューサ108は、各々、ハウジング114内に配置される。この実施例において、トランスデューサ108は、トランスデューサ108を貫通する中心線120に対して各々に実質的に垂直に延在する、第1表面116とその反対側の第2表面118とを含む。或いは、第1及び第2表面116及び118を、センサアセンブリ104が本明細書に記述のように動作し得る、中心線120に対する任意の適当な位置に配向することもできる。この実施例において、質量110は、第1表面116に結合されており、ベース112は、第2表面118に結合されている。質量110は、質量110を含まない既知のセンサアセンブリ(図示せず)よりも、機器102の動作中にトランスデューサ108に発生する軸方向の振動の力を増大させるのに有用である。この実施例において、ベース112は、実質的に剛性であり、質量110が重力によってトランスデューサ108に向かって移動するときに、センサアセンブリ104に発生する振動力、及び/又は、トランスデューサ108に向かって質量110を動かす任意のその他の適当な力により、トランスデューサ108を圧縮できる。或いは、トランスデューサ108、質量110、及びベース112を、剪断力がトランスデューサ108に発生するように配置してもよい。
【0012】
トランスデューサ108は、この実施例において、センサアセンブリ104を貫通する中心線122に対して実質的に平行に配向されている。つまり、トランスデューサ108は、センサアセンブリ104の略軸方向に発生した振動エネルギー(以下、「軸方向振動」という)を検出及び/又は計測するように配置されている。更に、トランスデューサ108は、軸方向振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する。この実施例において、センサアセンブリ104は更に、ベース112とハウジング114の底面126との間に配置された第2トランスデューサ124を含む。第2トランスデューサ124は、その長手方向軸128がトランスデューサの中心線120に対して実質的に垂直になるように配向されている。第2トランスデューサ124は、中心線120に対してセンサアセンブリ104の略横方向に発生する、軸方向振動及び/又は振動エネルギー(以下、「横方向振動」という)を検出及び/又は計測する。また、第2トランスデューサは、軸方向振動及び/又は横方向振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する。なお、本明細書に使用する「軸方向」という表現は、中心線122に対して実質的に平行な方向を意味し、「横方向」という表現は、中心線122に対して実質的に垂直の方向及び/又は中心線122に対して斜め方向を意味している。
【0013】
この実施例において、トランスデューサ108及び第2トランスデューサ124は、各々、水晶等の圧電材料、チタン酸ジルコン酸鉛等のセラミック化合物、及び/又はトランスデューサ108及び124が本明細書に記述のように動作し得る任意のその他の圧電材料等の圧電材料から製造される。或いは、トランスデューサ108及び/又は第2トランスデューサ124は、可動コイルセンサであってよく、且つ/又は、トランスデューサ108及び/又を、第2トランスデューサ124が本明細書に記述のように動作し得る任意のその他の材料から製造してもよい。
【0014】
この実施例において、センサアセンブリ104は更に、トランスデューサ108に結合される信号調整モジュール130と、信号調整モジュール130に結合される制御モジュール132とを含む。別の実施例において、信号調整モジュール130及び/又は制御モジュール132は、センサノード106等の遠隔システム内に配置される。この実施例において、信号調整モジュール130は、トランスデューサ108から、センサアセンブリ104内で検出された振動の量に比例した電荷(以下、「振動信号」という)を受け取る。また、信号調整モジュール130は、振動信号を補正し、振動信号を同期的に切り替え、且つ/又は、トランスデューサ108から受け取った振動信号の電圧レベルを増幅及び/又は調節可能である。また、信号調整モジュールは、振動信号を交流(AC)信号から直流(DC)信号に変換可能である。信号調整モジュール130は、調整済みの振動信号を制御モジュール132に送信する。
【0015】
制御モジュール132は、この実施例において、センサアセンブリ104に結合されたコントローラ134から制御信号を受信する。具体的に、この実施例において、コントローラ134はセンサノード106内に配置されている。或いは、コントローラ134を、センサアセンブリ104内、遠隔装置(図示せず)内、又は監視システム100が本明細書に記述のように動作し得る監視システム100の任意の適当な部品内に配置してもよい。制御モジュール132は、制御信号に基づいて、第1又は感知動作モードと第2又は採収動作モードとの間で、センサアセンブリ104を選択的に切り替える。或いは、制御モジュール132で、内部制御信号を生成し、且つ/又は制御モジュール132内の回路(図示せず)を使用して、感知モードと採収モードの間でセンサアセンブリ104を選択的に切り替えるようにしてもよい。また、この実施例において、制御モジュール132は、信号調整モジュール130に結合されている。或いは、信号調整モジュール130の機能を制御モジュール132に組み込んでもよい。
【0016】
この実施例において、コントローラ134は、センサアセンブリ104、センサノード106、及び/又は監視システム100の動作を制御するプロセッサを含む。本明細書に使用する「プロセッサ」という表現は、当該技術分野においてコンピュータとよばれる集積回路にのみ限定されず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及びその他のプログラム可能な回路を広く意味しており、これらの表現は、本明細書においては交換可能に使用される。
【0017】
また、この実施例において、感知動作モード時、センサアセンブリ104は振動センサとして機能する。具体的に、制御モジュール132は、トランスデューサ108から受信した振動信号をセンサノード106に送信する。送信される振動信号は、センサアセンブリ104に発生した検出振動エネルギーに比例している。信号調整モジュール130は、振動信号をセンサアセンブリ104に送信する前に、前述のように振動信号を調整可能である。センサノード106は、更なる処理、解析、及び/又は表示のために、振動信号を1つ以上の遠隔装置(図示せず)に送信する。或いは、振動信号を、センサアセンブリ104及び/又はセンサノード106に蓄積して、振動信号を所定の時点において取得、処理、及び/又は送信してもよい。
【0018】
この実施例において、採収動作モード時、センサアセンブリ104は電力採収装置として機能する。具体的に、制御モジュール132は、トランスデューサ108から受信した振動信号を貯蔵装置136に送信する。この貯蔵装置は、センサアセンブリ104内、センサノード106内、及び/又は、監視システム100が本明細書に記述のように動作し得る任意の適当な装置又はシステム内に配置されている。貯蔵装置136には、これらに限定されないが、バッテリ、キャパシタ、及び/又はトランスデューサ108がその内部に電荷を貯蔵し得る任意のその他の適当な装置が含まれる。採収動作モード時に受信される振動信号もまた、センサアセンブリ104に発生した検出振動エネルギーに比例している。信号調整モジュール130は、振動信号を貯蔵装置136に送信する前に、前述のように振動信号を調整可能である。但し、感知モード時の動作とは対照的に、採収モード時には、貯蔵装置136を再充電し、且つ/又はその望ましいエネルギーレベルを維持するべく信号を使用する。一実施例においては、信号を使用して、センサアセンブリ104内、センサノード106内、及び/又は監視システム100の任意のその他の適当な部品内の回路に対して、少なくとも部分的にエネルギーを供給することもできる。
【0019】
コントローラ134は、この実施例において、センサアセンブリ104を感知モードから採収モードに選択的に切り替え、この逆の切り替えも同様に行う。一実施例において、コントローラ134は、所定の時点及び/又は所定の基準が満たされた後で、これらのモード間でセンサアセンブリ104を定期的に切り替える。例えば、コントローラ134は、センサアセンブリ104を、約12時間毎、約1時間毎、及び/又は、監視システム100が本明細書に記述のように動作し得る任意のその他の適当な周期において、採収モードから感知モードに切り替え可能である。別の実施例において、コントローラ134及び/又は制御モジュール132は、センサアセンブリ104の動作モードを切り替えるべき時点を通知する制御信号を、センサアセンブリ104及び/又はセンサノード106の1つ以上の部品から受信可能である。例えば、貯蔵装置136は、貯蔵装置136内のエネルギーレベルが閾値に達するか又はこれを超過すると、制御信号をコントローラ134及び/又は制御モジュール132に送信する。このような実施例において、貯蔵装置136がセンサアセンブリ104及び/又はセンサノード106内の回路にエネルギーを十分に供給できる電荷を有するときは常に、センサアセンブリ104を自動的に採収モードから感知モードに切り替え可能である。また別の実施例においては、ユーザーが制御信号をコントローラ134及び/又は制御モジュール132に送信して、センサアセンブリ104を感知モードと採収モードの間で切り替える。
【0020】
また、一実施例において、コントローラ134及び/又は制御モジュール132により、センサアセンブリ104で、センサアセンブリ104内及び/又は機器102内の1つ以上の共振振動を、実質的に減衰させること及び/又は能動的に制御することができる。このような実施例において、コントローラ134及び/又は制御モジュール132は、1つ以上の信号をトランスデューサ108及び/又は第2トランスデューサ124に送信する。これらの信号により、トランスデューサ108及び/又は第2トランスデューサ124に選択的にエネルギーが供給され、これによって、トランスデューサ108及び/又は124が膨張及び/又は変位する。トランスデューサ108及び/又は124の膨張及び/又は変位により、センサアセンブリ104及び/又は機器102内に振動が発生し、この振動を使用して、センサアセンブリ104及び/又は機器102内のその他の振動を相殺、減衰、及び/又は、キャンセルできる。
【0021】
この実施例において、監視システム100は、少なくとも1つのセンサアセンブリ104に結合される少なくとも1つのセンサノード106を含む。この実施例において、センサノード106は、信号インターフェースモジュール138と、通信モジュール140と、電池及び/又はコンデンサ等の貯蔵装置136とを含む。
【0022】
センサアセンブリ104は、この実施例において、信号インターフェースモジュール138を介してセンサノード106に結合されている。信号インターフェースモジュール138は、トランスデューサ108及び/又は制御モジュール132から振動信号を受信する。信号インターフェースモジュール138は、例えば、電圧のフィルタリング、補正、調節により、及び/又は、監視システム100が本明細書に記述のように動作し得るように信号の任意のその他の適当な特性を調節することにより、受信した振動信号を処理できる。後処理の際、信号インターフェースモジュール138は、処理済みの振動信号を通信モジュール140に送信する。
【0023】
この実施例において、センサノード106は、通信モジュール140を介して、その他のセンサノード106及び/又は遠隔監視装置(図示せず)と通信する。この実施例において、通信モジュール140は、無線トランシーバを含む。この無線トランシーバにより、任意の適当な無線通信プロトコル及び/又はメカニズムを介したその他のセンサノード106及び/又は遠隔監視装置との通信が可能になる。一実施例において、センサノード106は、その他のセンサノード106及び/又は遠隔監視装置と共に、メッシュネットワークを構成する。或いは、センサノード106及び/又は遠隔監視装置で、監視システム100が本明細書に記述のように動作し得る任意のその他の適当なネットワークを構成してもよい。通信モジュール140は、信号インターフェースモジュール138から処理済みの振動信号を受信し、更なる処理、表示、及び/又は解析のために、これらの信号をその他のセンサノード106及び/又は遠隔監視装置に送信する。
【0024】
動作時、機器102の振動は、センサアセンブリ104に誘導される。トランスデューサ108及び/又は第2トランスデューサ124が軸方向及び/又は横方向の振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する。トランスデューサ108は、電気エネルギーを信号調整モジュール130に伝達する。第2トランスデューサ124は、電気エネルギーを貯蔵装置136に伝達する。或いは、第2トランスデューサ124は、振動信号を介して、電気エネルギーを信号調整モジュール130に伝達してもよい。
【0025】
信号調整モジュール130は、信号の電圧レベルをフィルタリング、補正、同期的に切り替え、調整、及び/又は調節すること等により、振動信号を調整する。次いで、調整済みの振動信号は、制御モジュール132に送信され、制御モジュール132が、これらの信号を貯蔵装置136及びセンサノード106に選択的に送信する。例えば、この実施例において、制御モジュール132は、概して、調整済みの振動信号を貯蔵装置136に送信し、所定の時点においてのみ信号がセンサノード106に送られるように切り替える。換言すれば、制御モジュール132は、概して、センサアセンブリ104を採収モードで動作させ、貯蔵装置136にエネルギーを供給する。制御モジュール132は、振動計測値を取得し、1つ以上の振動計測値を表す振動信号をセンサノード106に送信するべく、所望の時点において、感知モードで動作するようにセンサアセンブリ104を切り替える。
【0026】
センサノード106は、信号インターフェースモジュール138を介して振動信号を受信するが、例えば、電圧をフィルタリング、補正、調節することにより、及び/又は、信号の任意のその他の適当な特性を調節することにより、受信した信号を処理してもよい。信号インターフェースモジュール138は、処理済みの振動信号を通信モジュール140に送信する。通信モジュール140は、更なる処理、表示、及び/又は解析のために、処理済みの振動信号をその他のセンサノード106及び/又は遠隔監視装置に送信する。
【0027】
このように、この実施例では、センサアセンブリ104及び/又はセンサノード106は、センサアセンブリ104に発生した振動のエネルギーを検出及び採収するべく最適化されている。具体的に、単一のトランスデューサ108を使用して、制御モジュール132が貯蔵装置136を選択的に再充電し、且つ/又は、1つ以上の振動計測値を表す信号をセンサノード106及び/又は遠隔監視装置に送信可能にする振動信号を生成できる。センサアセンブリ104及び/又はセンサノード106により、監視システム100における振動の感知とエネルギーの採収を、効率的且つコスト効果的に組み合わることができる。
【0028】
図2は、機器102の監視に使用可能な別の監視システム200を示す。本明細書に特記しない限り、監視システム200は、監視システム100(図1に示す)と類似しており、且つ、類似の部品には、同一の参照符号が付与されている。この実施例において、監視システム200は、機器102に結合される少なくとも1つのセンサアセンブリ202と、センサアセンブリ202に結合される少なくとも1つのセンサノード204とを含む。
【0029】
センサアセンブリ202は、信号調整モジュール130、制御モジュール132、及び/又は貯蔵装置136が、センサアセンブリ202内に収容されるのではなく、センサノード204に収容されている点を除いて、センサアセンブリ104(図1に示す)とほぼ同様である。したがって、この実施例において、トランスデューサ108及び/又は第2トランスデューサ124は、「生」の(即ち、処理も調整もされてもいない)電気信号をセンサノード204に送信する。この信号は、センサアセンブリ202内の振動エネルギーの検出量を表している。センサノード204は、信号インターフェースモジュール138において、生の信号を受信する。別の実施例において、信号調節モジュール130の機能は、信号インターフェースモジュール138及び/又は制御モジュール132に組み込まれる。このように、信号インターフェースモジュール138は、前述のように生の信号を調整及び/又は処理する。
【0030】
この実施例において、制御モジュール132及び/又はコントローラ134は、センサノード204内に収容されている。制御モジュール132は、信号インターフェースモジュール138と、貯蔵装置136と、通信モジュール140と、コントローラ134とに結合されている。信号インターフェースモジュール138は、調整済みの及び/又は処理済みの信号を制御モジュール132に送信する。制御モジュール132及び/又はコントローラ134は、図1を参照して前述したものと同様に、この信号を貯蔵装置136又は通信モジュール140に選択的に送信する。この信号が貯蔵装置136に送信されることにより、貯蔵装置136を再充電し、且つ/又は貯蔵装置136を所望のエネルギーレベルに維持することができる。通信モジュール140が信号を受信すると、通信モジュール140は、更なる処理、表示、及び/又は解析のために、信号をその他のセンサノード204及び/又は遠隔監視装置(図示せず)に送信する。
【0031】
本明細書に記述のように、この実施例において、センサアセンブリ104は、センサアセンブリ104に発生した振動エネルギーのエネルギーを検出及び採収するべく最適化されている。具体的に、既知のセンサとは対照的に、単一のトランスデューサ108を使用して、制御モジュール132で貯蔵装置136を選択的に再充電し、且つ/又は1つ以上の振動計測値を表す信号をセンサノード106及び/又は遠隔監視装置に送信可能にする振動信号を生成できる。また、採収動作モード時にエネルギーを採収することにより、センサアセンブリ104及び/センサノード106では、振動エネルギーを検出するのみである既知のセンサよりも、計測値を改善及び増加させ、サンプリングレートを改善又は最適化し、且つ/又は、電池寿命を延長することができる。また、センサアセンブリ104及び/又はセンサノード106は、センサノード106、センサアセンブリ104、及び/又は監視システム100の任意のその他の適当な部品が必要としていた外部電力量を低減できる。
【0032】
前述の実施例は、機器の監視に使用する効率的且つコスト効果的な監視システムを提供する。本明細書に記述の監視システムにより、センサアセンブリを感知モードとエネルギー採収モードとで選択的に動作させることができる。感知モードにおいて、センサアセンブリは、センサアセンブリ内の検出振動量を表す信号をセンサノードに送信する。センサノードは、解析、表示、及び/又は処理のために、この信号をその他のセンサノード又は遠隔監視装置に送信する。エネルギー採収モードにおいて、センサアセンブリは、貯蔵装置の再充電又はそのエネルギーレベルの維持に使用するための信号を貯蔵装置に送信する。このように、この監視システムによると、機器から発した振動を計測するトランスデューサと同一のトランスデューサにより、より多くのエネルギーを機器から採収できる。このエネルギーを使用し、センサアセンブリのデータサンプリングレートを増大させ、且つ/又は、監視システムの1つ以上の部品にエネルギーを供給することができる。
【0033】
以上、エネルギーの採収に使用されるシステム及び装置の実施例について詳細に説明した。これらのシステム及び装置は、本明細書に記述した特定の実施例に限定されるものではなく、これらのシステム及び/又は装置の部品を、本明細書に記述のその他の部品とは別個独立に利用可能である。例えば、センサアセンブリを、その他の計測システム及び方法と組み合わせて使用してもよく、本明細書に記述したような監視システムのみを伴うものに限定されることはない。むしろ、この実施例は、多数のその他の電力システム用途に関連して実装及び利用が可能である。
【0034】
本発明の様々な実施例の一部の特徴は、幾つかの図面では示されておりその他の図面では示されていないことがあるが、これはあくまでも便宜上の理由による。本発明の原理によると、図面中のいずれの特徴を、その他のいずれの図面中のいずれの特徴と組み合わせて参照することも、及び/又は特許請求することもできる。
【0035】
本明細書では、例を用いて最良の形態を含めて本発明を開示し、任意の装置又はシステムの作製及び使用とあらゆる付随の方法の実行を含めて、本発明を当業者が実施できるようにしている。本発明の特許請求の範囲は、請求項に定義されているが、当業者に想起可能なその他の例も包含し得る。こうしたその他の例は、請求項の文言と相違しない構成要素を含む場合、又は、請求項の文言と実質的な相違点を伴わない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に属するものと解釈されたい。
【符号の説明】
【0036】
100 監視システム
102 機器
104 センサアセンブリ
106 センサノード
108 トランスデューサ
110 質量
112 ベース
114 ハウジング
116 第1表面
118 第2表面
120 中心線
122 中心線
124 第2トランスデューサ
126 底面
128 長手方向軸
130 信号調整モジュール
132 制御モジュール
134 コントローラ
136 貯蔵装置
138 信号インターフェースモジュール
140 通信モジュール
200 監視システム
202 センサアセンブリ
204 センサノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(104)であって、
トランスデューサ(108)と、
前記トランスデューサに結合された制御モジュール(132)であって、前記センサアセンブリが、前記センサアセンブリに発生したエネルギー量を計測する第1動作モードと、前記センサアセンブリが、前記センサアセンブリに発生したエネルギー量を貯蔵する第2動作モードとの間で、前記センサアセンブリを選択的に切り替えるように構成された制御モジュールと、を備えたセンサアセンブリ。
【請求項2】
前記トランスデューサ(108)は圧電材料から成る、請求項1に記載のセンサアセンブリ(104)。
【請求項3】
前記制御モジュール(132)に結合された第2トランスデューサ(124)を更に有する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(104)。
【請求項4】
前記トランスデューサ(108)が、前記センサアセンブリを軸方向に貫通する中心線(122)に対して実質的に平行に発生した振動のエネルギーを少なくとも検出又は採収するように、前記トランスデューサが、前記中心線に対して実質的に平行に配向される、請求項1に記載のセンサアセンブリ(104)。
【請求項5】
前記中心線(120)に対して実質的に横方向に発生した振動のエネルギーを少なくとも検出又は採収するように、前記中心線に対して実質的に垂直に配向された第2トランスデューサ(124)を更に備える、請求項4に記載のセンサアセンブリ(104)。
【請求項6】
前記トランスデューサ(108)に結合され、前記トランスデューサから受信した信号の電圧レベルを少なくとも補正又は調節するように構成された信号調整モジュール(130)を更に備える、請求項1に記載のセンサアセンブリ(104)。
【請求項7】
トランスデューサ(108)を有する少なくとも1つのセンサアセンブリ(104)と、
少なくとも1つのセンサアセンブリに結合された少なくとも1つのセンサノード(106)と、
前記トランスデューサに結合されており、前記少なくとも1つのセンサアセンブリが、前記少なくとも1つのセンサアセンブリに発生したエネルギー量を計測する第1動作モードと、前記少なくとも1つのセンサアセンブリが、前記少なくとも1つのセンサアセンブリに発生したエネルギー量を貯蔵する第2動作モードとの間で、前記少なくとも1つのセンサアセンブリを選択的に切り替えるように構成された制御モジュール(132)とを備えた、監視システム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサノード(106)は、前記少なくとも1つのセンサアセンブリ(104)が前記第1モードで動作しているとき、前記トランスデューサ(108)から信号を受信し、前記信号を遠隔システムに伝送するように構成された通信モジュール(140)を備える、請求項7に記載の監視システム(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサノード(106)及び前記少なくとも1つのセンサアセンブリ(104)の少なくともいずれかの内部に配置された貯蔵装置(136)を更に備え、
前記貯蔵装置は、前記少なくとも1つのセンサアセンブリが前記第2モードにおいて動作しているとき、前記トランスデューサ(108)から信号を受信するように構成されている、請求項7に記載の監視システム(100)。
【請求項10】
前記トランスデューサ(108)は圧電材料から成る、請求項7に記載の監視システム(100)。

【図1】
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【図2】
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