説明

エネルギー効率の高い標識用の光偏向複合フィルム

光偏向複合フィルムは、平面状の上部主面、平面状の下部主面、上部主面と下部主面との間に配置された複数のレンチキュラーレンズ要素を備え、複数の光反射領域及び光透過領域が、複数のレンチキュラーレンズ要素と平面状の下部主面との間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在使用されている照明標識技術の主な方式には多くのものがある。第1の方式は、投光照明などの外部光源によって照らされる、表面塗装された標識であり、光源は標識に対して一般的に鋭角で配置される。光エネルギーは、a)標識の表面全体(メッセージのみでなく)が照らされ、b)反射された光のかなりの割合が観測者に届かずに空又は地上へと漏れてしまうために浪費される。
【0002】
照明標識の第2の方式は、光源が半透明の表面(標識に構造的支持を与えうる)の背後に置かれる照明ボックス型標識であり、メッセージは半透明表面バックグラウンドとコントラストをなす文字で半透明表面上に書かれる。示されるべき文字のみが照らされる場合とは対照的に、バックグラウンドを含めた標識の面全体に均等な発光放射を与えるような光エネルギーが発生される。光は上方を含めた全方向に標識から出射するため、発生された光のわずかな部分のみしか観測者の眼に届かないことから、エネルギーが浪費され、相当量の光害を引き起こす。
【0003】
照明標識の第3の方式としては、それ自体が標識のメッセージを描く光源を備える標識がある。ネオンサイン、露出した白熱フィラメントランプ標識、及びチャンネル文字がこの技術の例である。これらの標識は点灯されていない場合には見えにくく(文字又は記号の下に塗料が塗られていないかぎり)、メッセージを伝えるうえで照明に頼ったものである。これらの標識は顧客に応じて特別に作製されるため、製造、作動、及び維持のコストが嵩み、寿命が短く、壊れやすく、白熱灯方式ではエネルギーの浪費が大きい。
【0004】
照明標識の第4の方式としては、LEDマトリクス標識がある。LED技術は、変化するメッセージ標識を生成する目的で利用されている。これらの動的なメッセージ標識はコンピュータ制御されており、関心及び注意を惹く標識を与えるものであり、変化するメッセージを必要とする照明標識の解決策となるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ほとんどの照明標識は固定されたメッセージのものであり、こうした標識は初期費用が高く、作動及び維持のコストが嵩む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エネルギー効率の高い照明標識用の光偏向複合フィルムに関する。詳細には、本開示は、観測者の方向に光を選択的に偏向する、標識用の光偏向複合フィルムに関する。
【0007】
例示的な一実施形態において、光偏向複合フィルムは、平面状の上部主面、平面状の下部主面、上部主面と下部主面との間に配置された複数のレンチキュラーレンズ要素を備え、複数の光反射領域及び光透過領域が、複数のレンチキュラーレンズ要素と平面状の下部主面との間に配置される。
【0008】
これらの機構及び利点、並びに様々な他の機構及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の様々な実施形態についての以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することによって本開示のより完全な理解がなされうる。
【図1】本明細書で述べる光偏向複合フィルムを備える例示的な照明標識の分解概略斜視図。
【図2】例示的な光偏向複合フィルムの概略断面図。
【図3】別の例示的な光偏向複合フィルムの概略断面図。
【図4】透明グラフィック基材と結合された例示的な光偏向複合フィルムの概略断面図。
【0010】
図面の縮尺は必ずしも正確ではない。図中、用いられる同様の数字は、同様の要素を示す。しかしながら、特定の図中のある要素を示す数字の使用は、同じ数字によって示される別の図中のその要素を限定するものではないことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明文においては、本明細書の一部を構成し、複数の特定の実施形態を例として示す一連の添付図面を参照する。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施されうる点は理解されるはずである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0012】
特に断らないかぎり、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」で使用される構造のサイズ、量、及び物理的特性を表わす数字はすべて、いずれの場合においても「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されないかぎり、前述の明細書及び添付の「特許請求の範囲」で示される数値的パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて得ようとするところの所望の特性に応じて変化しうる近似的な値である。
【0013】
内容によってそうでないことが明らかに示されないかぎり、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「an」、及び「the」には、複数の指示対象を有する実施形態が含まれる。内容によってそうでないことが明らかに示されないかぎり、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの「又は」なる語は、「及び/又は」を含めた意味で広く用いられる。
【0014】
これらに限定されるものではないが、「上部」、「下部」、「下側」、「上側」、「下」、「下方」、「上方」、及び「〜の上」などの空間的に関連した語は、本明細書において用いられる場合、ある要素の別の要素に対する空間的関係を述べるうえで説明を容易にする目的で用いられる。このような空間的に関連した語には、図に示され、本明細書に述べられる特定の向き以外に、使用又は作動中の装置の異なる向きが含まれる。例えば、図に示されるセルが反転又は裏返されるならば、その前には他の要素の下方又は下として述べられた部分は、これらの他の要素の上となるであろう。
【0015】
本明細書での使用において、ある要素、部材若しくは層が、例えば別の要素、部材若しくは層の「上にある」、これらと「接続される」、「結合される」、若しくは「接触する」として述べられる場合、その要素、部材若しくは層は、例えば、特定の要素、部材若しくは層の直接上にあるか、これらと直接接続されるか、直接結合されるか、直接接触してよく、又は介在する要素、部材若しくは層が特定の要素、部材若しくは層の上にあるか、これらと接続されるか、結合されるか、若しくは接触しうる。例えば、ある要素、部材又は層が、別の要素の「直接上にある」、別の要素に「直接接続される」、「直接結合する」、又は「直接接触する」で始まる表現で表される場合、介在する要素、部材又は層は存在しない。
【0016】
本開示は、エネルギー効率の高い照明標識用の光偏向複合フィルムに関する。詳細には、本開示は、観測者の方向に光を選択的に偏向する、標識用の光偏向複合フィルムに関する。光偏向複合フィルムは、レンチキュラーコリメートレンズと位置合わせされた光透過窓、及び各光透過窓の間の光反射領域を備えている。照明標識を出射する光の角度分布は、レンズの幾何形状、並びにレンズの焦点に対する光透過窓のサイズ及び位置によって決定される。各光透過窓の間の光コリメート基材の内面に入射する光はほぼ反射され、照明標識の封入構造の内部で再利用されてから、光透過窓の表面に入射して、光コリメート基材を通って伝播する。このようにして、照明標識によって放射された光は、制御された輝度の角度分布に適合する。これらの照明標識は、照明が望ましくない場所(例えば、「光害」の低減)では低い輝度を、照明が望ましい場所(例えば、標識の観測者に対して)では高い輝度を、更に/又は、高い放射の空間的均一性を示す。本開示はそのように限定されるものではないが、以下に示す例の考察を通じて本開示の様々な態様の認識が得られるであろう。
【0017】
図1は、例示的な照明標識10の分解概略斜視図である。照明標識10は、封入構造30、及び封入構造30の内部に配置された光源40を備える。封入構造30は、光反射面32、33及び発光面34を備える。多くの実施形態において、封入構造30は、側面33及び背面32を有する光箱を構成する。いくつかの実施形態において、背面は完全反射性である。いくつかの実施形態において、背面32は、発光面34と同様の構造の第2の発光面を有し、両面照明標識を構成する。光偏向複合フィルム20は、発光面34の少なくとも一部を形成してよい。光偏向複合フィルム20について以下に述べるが、光偏向複合フィルム20は、平面状の上面を形成する光透過基材50を備えうる。
【0018】
光反射面32、33は任意の有用な光反射材料で形成することが可能であり、光効率を最大とするうえで極めて効率的でありうる。多くの実施形態において、光反射面32、33は、少なくとも90%の効率、又は少なくとも95%の効率である。いくつかの実施形態において、光反射面32、33は、反射フィルム又はミラーフィルムであってよい。市販の反射フィルムの1つに、スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)からLight Enhancement Film 3635−100の商品名で販売されるものがある。光反射面32、33は、拡散反射性又は正反射性であってよい。拡散反射面は、白色塗料又はTiO粒子を含む材料であってよい。光反射面32、33は、溝が形成された表面に反射性コーティング材料を大量に注ぎ、余分な反射性コーティング材料を除去することで光反射性材料を塗布することによって形成することが可能であり、これにより、反射性コーティング材料で充填された溝部と露出した光透過領域が形成される。
【0019】
光源40は、任意の有用な光源40であってよい。いくつかの実施形態において、光源40は蛍光灯管である。いくつかの実施形態において、光源40は、例えば発光ダイオードなどの固体素子である。蛍光灯管が用いられる場合、蛍光灯管は封入構造の内部で任意の方向に設置することができる。
【0020】
図2は、例示的な光偏向複合フィルム20の概略断面図である。図3は、別の例示的な光偏向複合フィルム20の概略断面図である。図4は、透明グラフィック基材70と結合された例示的な光偏向複合フィルム20の概略断面図である。光偏向複合フィルム20は、平面状の上部主面21又は発光面34から90°よりも小さい角度で封入構造30又は発光面34から光を放射することができるため、放射された光は垂線から「下向き」に、照明標識を見上げる地上の観測者に向けて偏向される。
【0021】
光偏向基材又は複合フィルム20は、図1の照明標識10の発光面34の少なくとも一部を形成する。光偏向複合フィルム20は、構造的要素の一部を形成しうる(例えば、照明標識10の前面又は後面)。光偏向複合フィルム20は、封入構造30の内面の一部を形成する後方主面23を備える。後方主面23は、光反射領域26及び光透過領域27を備える。各光反射領域26は、各光透過領域27を分離してよい。前方又は上部主面21が、後方下部主面23の反対側にある。前方又は上部主面21は、複数のレンチキュラーレンズ要素22を備えている。光透過領域27は、レンチキュラーレンズ要素22の焦点上又はその近傍に配置することができ、光反射領域26が後方主面25の残りの領域を占めてよい。レンチキュラーレンズ要素22は直線状のレンチキュラーレンズ要素22であってよく、光反射領域26及び光透過領域27は、直線状のレンチキュラーレンズ要素22と平行に延びる、共に延びる直線状要素であってよい。多くの実施形態において、レンチキュラーレンズ要素22は、図1に示されるように、光偏向基材の所定の長さにわたって共に延びる直線状のレンチキュラーレンズ要素22である。
【0022】
図2は、例示的な光偏向複合フィルム20の概略断面図である。多くの実施形態において、光偏向複合フィルム20は、レンチキュラーレンズ要素22、及び対応するレンチキュラーレンズ要素22の焦点上又はその近傍に整列又は位置合わせされた光透過領域27を備え、光透過基材50が各レンチキュラーレンズ要素22に隣接して配置される。各光反射領域26は、各光透過領域27を分離する残りの領域を占めてよい。光反射領域26は、任意の有用な光反射(拡散性又は正反射性)材料で形成することができる。多くの実施形態において、光反射領域26は、少なくとも90%の効率、又は少なくとも95%の効率である。いくつかの実施形態において、光反射領域26は、反射フィルム又はミラーフィルムであってよい。市販の反射フィルムの1つに、スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)からLight Enhancement Filmの商品名で販売されるものがある。光反射領域26は、拡散反射性又は正反射性であってよい。拡散反射面は、白色塗料又はTiO粒子を含む材料であってよい。
【0023】
光偏向複合フィルム20は、任意の有用な厚さTを有しうる。多くの実施形態において、光偏向複合フィルム20が照明標識の前方の構造的要素を形成してよい。これらの実施形態において、光偏向複合フィルム20は、200〜1000マイクロメートル以上、又は200〜400マイクロメートルの厚さTを有する。レンチキュラーレンズ要素22は、任意の有用なレンズ幅Wを有しうる。多くの実施形態において、レンチキュラーレンズ要素22は100〜200マイクロメートルのレンズ幅Wを有する。光偏向複合フィルム20は、任意の有用な光透過材料で形成することができる。
【0024】
図3は、レンチキュラーレンズ要素22から延出又は突出する柱状要素29を有する光偏向複合フィルム20である。柱状要素29は、各レンチキュラーレンズ要素22と光透過基材50との間に空気間隙24を形成する助けとなっている。光透過基材50は、任意の有用な手段によってレンチキュラーレンズ要素22の柱状要素29に固定又は接着することができる。空気間隙24は、各レンチキュラーレンズ要素22の少なくとも一部を光透過基材50から分離する。
【0025】
多くの実施形態において、透過基材50の一方又は両方の面上に接着層54、52が配置される。接着層54、52は、例えば感圧接着剤などの任意の有用な接着材料であってよい。剥離層(図に示されていない)を接着層52上に配置することによって、接着層が使用者によって露出されて、前方光透過基材70に適用されるまで、接着層を保護することができる。この剥離ライナー層は、剥離されると感圧接着剤層52が露出されるように構成される。
【0026】
グラフィック画像(例えば、一様な色又は多色画像)を、前方光透過基材70の内部又はこれに隣接した任意の有用な位置に配置することができる。光反射領域26は、光を封入構造30内へと反射すると同時に封入構造の外部からの光を前方主面34を介して反射する。したがって、グラフィック画像71は、標識が封入構造30の内部から照らされる場合、及び、標識10上に入射する外部光(例えば、日光など)によって照らされる場合、観測者に見えることになる。
【0027】
光偏向複合フィルム20は、光透過基材50に固定された微小複製フィルム25を備えている。得られる光偏向複合フィルム20は、平面状の上部主面21、平面状の下部主面23、上部主面21と下部主面23との間に配置された複数のレンチキュラーレンズ要素22を備え、複数の光反射領域26及び光透過領域27が、複数のレンチキュラーレンズ要素22と平面状の下部主面23との間に配置される。
【0028】
いくつかの実施形態において、光偏向複合フィルム20の平面状の下部主面23は光拡散層60を備える。光拡散層60は任意の有用な材料で形成することができ、光を拡散して、照明標識10の封入構造30内の光偏向複合フィルム20を照らす点光源を「隠す」助けとなる機能を有しうる。光拡散層60は、例えば接着層などの任意の有用な方法により、光偏向複合フィルム20に固定することができる。
【0029】
光偏向複合フィルム20は任意の有用な寸法を有するように設計し、任意の有用な方法で形成することができる。いくつかの実施形態において、複数のレンチキュラーレンズ要素22は基材28の第1の主面上に微小複製又は形成され、複数の光透過領域27は基材28の反対側の第2の主面上に微小複製又は形成される。多くの実施形態において、レンチキュラーレンズ要素22及び光透過領域27は同時に形成され、位置合わせされる。
【0030】
この物品の例示的な寸法としては、100〜250マイクロメートルの範囲の幅、20〜60マイクロメートルの範囲の高さを有する直線状のレンチキュラーレンズ要素22、並びに、20〜30マイクロメートルの柱状要素29の高さ、及び20〜50マイクロメートルの柱状要素29の幅が挙げられる。基材28は、例えば50〜200マイクロメートルのような任意の有用な厚さを有する任意の有用な光透過材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート)であってよい。光透過領域27は、25〜75マイクロメートルの範囲の幅、及び50〜200マイクロメートルの高さを有しうる。光透過領域27は任意の有用な光透過材料(例えば、アクリレート)であってよく、隣り合う光透過領域27間に通路が画定されてよい。
【0031】
隣り合う光透過領域27間の通路内には光反射領域26を形成するように、光反射材料を配置することができる。光反射領域26は、80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上の光反射率を有する任意の有用な光反射材料で形成することができる。市販の反射材料の1つに、スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)よりLight Enhancement Filmの商品名で販売されるものがある。いくつかの実施形態において、反射材料は白色塗料又はTiO粒子を含む材料であってよい。光反射領域26は、50〜200マイクロメートル、又は75〜150マイクロメートルの範囲の幅、及び50〜200マイクロメートルの高さを有しうる。
【0032】
複数のレンチキュラーレンズ要素22上に光透過基材50を配置することができ、これにより上記に述べたように、各レンチキュラーレンズ要素22の少なくとも一部と光透過基材50との間に空気間隙24が形成される。
【0033】
第1の照明標識が従来のグラフィックを有する拡散性の前方基材を備え、第2の照明標識がグラフィックを有する光偏向複合フィルムを備える点以外は、同じ2個の照明標識を構成した。平均の輝度を特定の視認位置で測定した。グラフィックを有する光偏向複合フィルムを備えた照明標識は、グラフィックを有する従来の拡散性の前方基材を備えた照明標識よりも2倍以上明るい平均輝度を有していた。
【0034】
以上、「エネルギー効率の高い標識用の光偏向複合フィルム」の実施形態を開示した。上記の実施形態及び他の実施形態は以下の「特許請求の範囲」の範囲内である。本開示が、開示されたもの以外の実施形態によって実施されうる点は当業者であれば認識されるであろう。開示された実施形態は、例示の目的で提示されたものであって、限定的なものではなく、本発明は以下の「特許請求の範囲」によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光偏向複合フィルムであって、
平面状の上部主面と、
平面状の下部主面と、
前記上部主面と前記下部主面との間に配置された複数のレンチキュラーレンズ要素と、
前記複数のレンチキュラーレンズ要素と前記平面状の下部主面との間に配置された複数の光反射領域及び光透過領域と、を備える、光偏向複合フィルム。
【請求項2】
前記平面状の下部主面が光拡散層を備える、請求項1に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項3】
前記平面状の上部主面が光透過基材を備える、請求項1又は2に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項4】
前記光透過基材上に感圧接着剤層が配置される、請求項3に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項5】
前記光透過基材が、前記複数のレンチキュラーレンズ要素に固定される、請求項3又は4に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項6】
少なくとも選択されたレンチキュラーレンズ要素が、前記レンチキュラーレンズ要素から突出する柱状要素を有し、前記柱状要素が前記光透過基材に固定される、請求項5に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項7】
前記感圧接着剤層上に剥離ライナー層が配置され、前記剥離ライナー層は、剥離されて前記感圧接着剤層を露出するように構成されている、請求項3〜6のいずれか一項に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項8】
前記レンチキュラーレンズ要素が直線状のレンチキュラーレンズ要素であり、前記光反射領域及び光透過領域が、直線状の光反射領域及び直線状の光透過領域である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項9】
空気間隙が、前記レンチキュラーレンズ要素の少なくとも一部を前記光透過基材から分離している、請求項5又は6に記載の光偏向複合フィルム。
【請求項10】
照明標識であって、
光反射面及び発光面を備える封入構造と、
前記封入構造内部に配置された光源と、
前記発光面の少なくとも一部を形成する請求項1〜9のいずれか一項に記載の光偏向複合フィルムと、を備える、照明標識。
【請求項11】
前記発光面上又は前記発光面内に配置されたグラフィック画像を更に備える、請求項10に記載の照明標識。
【請求項12】
前記光反射領域が前記封入構造内に光を反射し、更に前記前方主面を介して光を反射する、請求項10又は11に記載の照明標識。
【請求項13】
前記光源が光を放射する場合、及び前記光源が光を放射しない場合、前記グラフィック画像が眼に見える、請求項11に記載の照明標識。
【請求項14】
光が、前記光偏向複合フィルムの前記平面状の上部主面から90°よりも小さい角度で前記発光面からコリメートされて放射される、請求項10〜13のいずれか一項に記載の照明標識。
【請求項15】
前記グラフィック画像が、感圧接着剤によって前記光偏向複合フィルムの前記平面状の上部主面に固定される、請求項11に記載の照明標識。
【請求項16】
基材の第1の主面上に複数のレンチキュラーレンズ要素を形成する工程と、
前記基材の、前記第1の主面の反対側の第2の主面上に複数の光反射領域及び光透過領域を形成する工程と、
前記複数のレンチキュラーレンズ要素上に光透過基材を配置して、前記レンチキュラーレンズ要素の少なくとも一部と前記光透過基材との間に空気間隙を形成する工程と、を含む方法。
【請求項17】
前記複数のレンチキュラーレンズ要素を形成する工程と、前記複数の光反射領域及び光透過領域を形成する工程とが、ほぼ同時に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のレンチキュラーレンズ要素が直線状のレンチキュラーレンズ要素であり、前記複数の光反射領域及び光透過領域が直線状の光反射領域及び光透過領域であり、前記直線状のレンチキュラーレンズ要素が前記直線状の光反射領域及び光透過領域と位置合わせされている、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記光反射領域及び光透過領域上に光拡散層を配置する工程を更に含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記光透過領域が光透過材料を含み、前記光反射領域が光反射材料を含むとともにほぼ平面状の主面を形成している、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
隣り合う光透過領域によって画定される通路を光反射材料によって充填することにより、前記複数の光反射領域及び光透過領域を形成する工程を更に含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−516648(P2013−516648A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547224(P2012−547224)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/062171
【国際公開番号】WO2011/082140
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】