説明

エネルギー変換モジュール

【課題】エネルギー変換モジュール内の振動板を良好に振動させ、触覚フィードバックと音響エネルギーの振動波を伝達させ、フレームの干渉制限を受けず、エネルギーのロスやエネルギーを減少させる反射を避けることができるエネルギー変換モジュールを提供する。
【解決手段】直接か間接的に振動板に連接されるアクチュエータを有する。前記エネルギー変換モジュールは弾性ダンパーを有し、振動板をフレームに弾性固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクチュエータに関し、より詳しくは、アクチュエータを使用することにより音波や触覚フィードバックを発生させるエネルギー変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータ(actuator)はエネルギー変換部材であり、例えば電気エネルギーを力学的エネルギーに変換し、さらに音波や触覚フィードバック(haptic feedback)を発生させる。図1は公知のエネルギー変換モジュールの断面模式図を示しており、表示ディスプレイ12があり、前記表示ディスプレイ12と結合されるタッチパネル14の一端はフレーム16に固定されており、例えば、構造モザイク方式や貼り合わせ方式を使用して、アクチュエータ10は前記表示ディスプレイ12の下に固定される。
【0003】
前記アクチュエータ10は電気エネルギーを力学的エネルギーに変換させ、力学的エネルギーは前記表示ディスプレイ12と前記タッチパネル14を作動させ、振動が発生させられ、振動によって触覚フィードバックを発生させるか、振動板に空気を振動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術のこれら設置方式では、触覚フィードバックや、音響エネルギーの伝達はフレーム16のクランプ固定の制限を受け、かつ、部分振動エネルギーはフレーム16に吸収され、フレーム16によるフィードバックを破壊する反射波の干渉が容易であるため、触覚フィードバック、音量と音声の品質が影響を受ける。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、エネルギー変換モジュール内の振動板を良好に振動させ、触覚フィードバックと音響エネルギーの振動波を伝達させ、フレームの干渉制限を受けず、エネルギーのロスやエネルギーを減少させる反射を避けることができるエネルギー変換モジュールを提供することを主目的とする。これ以外に、本実施例はさらによい振動効果を発生させ、音声の反響度を高めたり、音声品質を改善させたりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るエネルギー変換モジュールは、フレームと、振動板と、前記振動板に直接か間接的に連接されるアクチュエータと、弾性を用いて、前記振動板を前記フレームに固定させる弾性ダンパーと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アクチュエータを使用することにより音波や触覚フィードバックを発生させるエネルギー変換モジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】公知のエネルギー変換モジュールを説明する断面模式図である。
【図2】本発明の一実施形態によるエネルギー変換モジュールを説明する断面模式図である。
【図3A】弾性ダンパーの配置を示す上面図である。
【図3B】弾性ダンパーの配置を示す上面図である。
【図3C】弾性ダンパーの配置を示す上面図である。
【図3D】弾性ダンパーの配置を示す上面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるエネルギー変換モジュールを説明する断面模式図である。
【図5】本発明の一実施形態によるエネルギー変換モジュールを説明する断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
本発明の実施形態に係るエネルギー変換モジュールは図2の本発明の一実施形態によるエネルギー変換モジュールを説明する断面模式図に示されている。エネルギー変換モジュールは主にフレーム20、アクチュエータ22、振動板24と弾性ダンパー26を含む。ここでは、アクチュエータ22は直接か間接的に振動板24(例えば、タッチパネル、基板や、その他マン・マシン・インターフェイス)に連接され、かつ、振動板24は弾性ダンパー26によってフレーム20(例えば、トレイや本体シャーシ)に弾性固定される。
これにより、アクチュエータ22は電気エネルギーを力学的エネルギーに変換させ、前記力学的エネルギーによって振動板24を作動させ、振動を発生させ、さらに、音響エネルギーや触覚フィードバックに変換させる。これ以外に、弾性ダンパー26の柔軟な振動吸収特性を利用して、振動板24をフレーム20に弾性固定させ、振動板24が弾性振動する間、これが良好な触覚フィードバック振動や音響エネルギーの振動波を伝達させるようにし、フレーム20の干渉を受けない。これにより、エネルギーのロスやエネルギーを減少させる反射を避けることができる。本実施形態はこれ以外に振動板24の下表面に連接される表示ディスプレイ25を含む。
まず、本発明のエネルギー変換モジュールの第1実施形態について説明する。
〈第1実施形態〉
【0011】
本実施形態のアクチュエータ22の材質は、圧電(piezoelectric)材料(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(lead zirconate titanate,PZT))、電気活性高分子(electroactive polymer,EPA)、形状記憶合金(shape memery alloy,SMA)、磁気歪み材料(magnetostrictive material)、音声コイルモーター(voice coil motor)、リニア振動アクチュエータ(linear resonance actuator,LRA)のいずれかの一つを含むが、これに限られるわけではない。
【0012】
本実施形態では、弾性ダンパー26の材質はシリコン含有の化合物であり、例えば、シリコンゲルやシリコンゴムのいずれかの一つであるが、これに限られるわけではない。シリコンゲルは無味、無毒の環境にやさしい材質であり、これは高温、低温の耐久性に優れ、汚染の影響を受けにくい。一般的にいえば、本実施形態の弾性ダンパー26の材質のショア硬度(Shore hardness、HS)は50HSより小さく、より好ましくは30HSより小さい。
【0013】
図3Aから図3Dは弾性ダンパー26の配置を示す上面図である。図3Aに示されているように、弾性ダンパー26は連続したリング状で振動板24の周辺に設けられ、前記連続したリング状は中が空洞であるか、断ち切られて開くように設けられ、構造やモジュールの配置に適合し、非連続のリング状の配置となる(図示せず)。図3Bに示すように、弾性ダンパー26は連続した線状で振動板24の周辺の少なくとも対応する両側か隣接する両側に設けられ、前記連続した線状は短縮させられたり、延長させられたり、中が空洞であるか、断ち切られて開くように設けられ、構造やモジュールの配置に適合し、非連続の線状の配置となる(図示せず)。
図3Cに示すように、弾性ダンパー26はブロック状であり、少なくとも二つのブロックを含み、それぞれ振動板24の周辺の少なくとも対応する両側か隣接する両側に設けられる。実施する上で、前記連続した線状は短縮させられたり、延長させられたり、中が空洞であるか、断ち切られて開くように設けられ、構造やモジュールの配置に適合し、非連続の線状の配置となる(図示せず)。上述の弾性ダンパー26は短縮、延長、中が空洞であるか、断ち切られて開くように設けられ、ブロックなどの非連続設置方式を採用しており、構造やモジュールの配置に適合し、例えば、視覚モジュールやスピーカーの音声出力孔などである。これ以外に、短縮、延長、中の空洞、断ち切られて開く、ブロックなどの非連続設置方式を採用することにより、弾性ダンパー26の設置面積を減少させることができ、振動板24に対する制限を減少させることができ、さらに振動板24の振動効果を強化させることができる。
【0014】
本発明の実施形態の別の特徴に基づけば、エネルギー変換モジュールはさらに支持体28を含み、直接か間接的に前記フレーム20と振動板24との間に設けられる。図2に示すように、支持体28の一端はフレーム20(例えば、フレーム20のベース、ケースや底面板など)と接触するか固定され、別の一端は表示ディスプレイ25と接触するか固定される(つまり、前記支持体28は間接的に振動板24と連接する)。別の実施形態(図示せず)では、支持体28の別の一端は直接振動板24の下表面と接触するか固定される(つまり、前記支持体28は直接振動板24に連接される)。
上述の支持体28は振動板24や表示ディスプレイ25の重量を分散させたり、支持したりし、アクチュエータ22が振動板24を作動させる時の重量の負荷を減少させ、アクチュエータ22の慣性力がより好ましい振動効果を発生させるようにさせ、音声の反響度を高め、音声品質を改善させる。
【0015】
本実施形態では、支持体28の材質はヤング(Young)係数の材料であり、そのヤング係数は10パスカル(Pascal、略称はPa)より大きく、例えばシリコンゲル、アクリルか、金属である。支持体28の形状は、平面、リング状、板状、線状、点状か、上述の組み合わせか、その他の形状である。支持体28も中を空洞にさせることにより、接触面積を減少させることができ、振動板24や表示ディスプレイ25に対する制限を減少させ、これによりさらに振動板24や表示ディスプレイ25の振動効果が強化される。支持体28は中が空洞であるか、平面、リング状、板状、線状、点状か、上述の組み合わせか、その他の形状であり、構造やモジュールに適合するように配置され、例えば、視覚モジュールやスピーカーの音声出力孔などである。
【0016】
上述のとおり、アクチュエータ22は直接か間接的に振動板24に連接される。図2に示されているように、アクチュエータ22は直接振動板24に固定されるが、アクチュエータ22は表示ディスプレイ25に固定されることも可能であり、これにより、間接的に振動板24に連接される。図2に記載のアクチュエータ22は振動板24の内側表面に設けられているが、アクチュエータ22は振動板24の外側表面(図示せず)に設けることも可能である。
【0017】
本発明の実施形態のもう一つの特徴に基づけば、図2に示されるように、振動板24と表示ディスプレイ24の間には弾性貼り合わせ層29を使用することができる。弾性貼り合わせ層29は一般的には振動板24と表示ディスプレイ25の周辺に設けられる。本実施形態の弾性貼り合わせ層29の配置は連続か非連続方式を採用している。もし連続設置方式を採用するのであれば、粉塵粒子が振動板24と表示ディスプレイ25の間に入ることを防止でき、もし非連続設置方式を採用するのであれば、振動板24に対する制限を減少させることができ、これにより、さらに振動板24の振動効果が強化される。
次は、本発明のエネルギー変換モジュールの第2実施形態について説明する。
〈第2実施形態〉
【0018】
図4は本発明の別な実施形態のエネルギー変換モジュールの断面模式図を示している。本実施形態は図2で示されている実施形態と類似しているが、異なる場所は、本実施形態の弾性ダンパー26は振動板24の上方(或いは、外側)に設けられているが、図2の弾性ダンパー26は振動板24の下方(或いは、内側)に設けられている。
次は、本発明のエネルギー変換モジュールの第3実施形態について説明する。
〈第3実施形態〉
【0019】
図5は本発明のもう一つの実施形態のエネルギー変換モジュールの断面模式図である。本実施形態は図2で示されている実施形態と類似しているが、異なる場所は、本実施形態では、振動板24の上方(外側)と下方(内側)にはそれぞれ弾性ダンパー26が設けられているが、図2や図4では振動板24の片側のみに弾性ダンパー26が設けられている。
【0020】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0021】
10 アクチュエータ
12 表示ディスプレイ
14 タッチパネル
16 フレーム
20 フレーム
22 アクチュエータ
24 振動板
25 表示ディスプレイ
26 弾性ダンパー
28 支持体
29 弾性貼り合せ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
振動板と、
前記振動板に直接か間接的に連接されるアクチュエータと、
弾性を用いて、前記振動板を前記フレームに固定させる弾性ダンパーと、
を含むことを特徴とする、エネルギー変換モジュール。
【請求項2】
前記振動板はタッチパネル、基板やマン・マシン・インターフェイスのいずれかの一つの操作ディスプレイであることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項3】
前記アクチュエータの材質は、圧電(piezoelectric)材料、電気活性高分子(electroactive polymer,EPA)、形状記憶合金(shape memery alloy,SMA)、磁気歪み材料(magnetostrictive material)、音声コイルモーター(voice coil motor)、リニア振動アクチュエータ(linear resonance actuator,LRA)のいずれかの一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項4】
前記弾性ダンパーの材質はシリコン含有の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項5】
前記シリコン化合物はシリコンゲルかシリコンゴムのいずれかの一つであることを特徴とする、請求項4に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項6】
前記弾性ダンパーの材質のショア硬度(Shore hardness)は50より小さいことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項7】
前記弾性ダンパーは連続したリング状で前記振動板の周辺に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項8】
前記弾性ダンパーは連続したリング状で前記振動板の周辺の少なくとも対応する両側か隣接する両側に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項9】
前記弾性ダンパーはブロック状であり、少なくとも二つのブロックを含み、前記振動板の周辺の少なくとも対応する両側か隣接する両側に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項10】
前記ダンパーは連続した線状及びブロック状の組み合わせであり、少なくとも一つの線状とブロックを含み、前記振動板の周辺の少なくとも対応する両側か隣接する両側に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項11】
さらに少なくとも一つの支持体を含み、直接か間接的に前記フレームと前記振動板の間に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項12】
さらに表示ディスプレイを含み、前記表示ディスプレイは前記振動板の下表面に連結され、前記支持体の一端は前記フレームと接触するか固定され、別の一端は前記表示ディスプレイと接触するか固定されることを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項13】
前記支持体の材質のヤング(Young)係数は10パスカル(Pa)より大きいことを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項14】
前記支持体の材質はシリコンゲル、アクリルや金属を含むことを特徴とする、請求項13に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項15】
前記支持体の形状は平面、板状、リング状、線状、点状か、上述の組み合わせであることを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項16】
すべての前記支持体は連続か非連続で前記フレームと前記振動板の間に設けられることを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項17】
前記アクチュエータは直接前記振動板の外側か内側の表面に連接されることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項18】
さらに弾性貼り合わせ層を含み、前記振動板と前記表示ディスプレイの間に設けられることを特徴とする、請求項12に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項19】
前記弾性ダンパーは前記振動板の外側か内側に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項20】
前記振動板の外側と内側にはそれぞれ前記弾性ダンパーが設けられることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate