説明

エポチロン生合成用遺伝子

【課題】ポリケチドおよびその合成のための遺伝子を提供すること。
【解決手段】Sorangium cellulosum からエポチロンの生合成に必要なポリペプチドをコードする核酸分子が分離される。本発明の遺伝子で形質転換した組換え宿主中でエポチロンを生産する方法を開示する。このようにして、精製およびたとえば癌の処置のような医薬製剤中での使用を可能にするには十分に多量なエポチロンを製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にポリケチドおよびその合成のための遺伝子に関する。特に、本発明は Sorangium cellulosum から得られ、エポチロン A および B の生合成に必要な新規ポリケチドシンターゼおよび非リボソーム性ペプチドシンターゼ遺伝子の分離および確認に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリケチドは炭素2個のビルディングブロックから合成される化合物で、そのβ−炭素は常にケト基を持つのでポリケチドと名付けられている。これらの化合物には多数の重要な抗生物質、免疫抑制剤、癌化学療法剤、その他の広範囲な生物学的特性を持つ化合物を含む。無数の構造的多様性はポリケチド鎖長の多様性、導入される側鎖の多様性(2炭素ビルディングブロックの部分として、またはポリケチド骨格形成後のいずれかについて)、および該基の立体化学からから誘導される。ケト基はまた還元されてヒドロキシル、エノイルを与えるか、または完全に除去されることもある。2炭素付加の各段階は脂肪酸生合成と同様にポリケチドシンターゼ(PKS)と呼ばれる酵素複合体によって行われる。
【0003】
ポリケチドに関してますます多くの生合成遺伝子が分離され、配列決定されている。例えばここに参考のために引用するソラフェン(soraphen)生合成用遺伝子を記載する米国特許第5,639,949号、第5,693,774号および第5,716,849号を参照。また、ここに参考のために引用するリファマイシン(rifamycin)生合成用遺伝子を記載するSchuppほか著、FEMS Microbiology Letters、159巻:201-207 (1998年) およびWO 98/07868、およびティラクトン(tylactone)の生合成用遺伝子を記載する米国特許第5,876,991号も参照。これらにコードされる蛋白質は一般にI型とII型の二型に分類される。I型蛋白質は多機能性であって、数個の触媒ドメインを持ち、相互に共有結合的に結合して種々の酵素的過程を実行するが(たとえば、エリスロマイシン、ソラフェン、リファマイシンおよびアベルメクチン(avermectin)のためのPKS(MacNeilほか著、Industrial Microorganisms: Basic and Applied Molecular Genetics (Baltzほか編)中、米国微生物学会、ワシントン D. C. pp. 245-256 (1993年))、一方、II型蛋白質は単機能性である(Hutchinsonほか著、Industrial Micro-organisms : Basic and Applied Molecular Genetics、(Baltz ほか編)、米国微生物学会、ワシントンD. C. pp. 203-216 (1993年))。
【0004】
たとえばアクチノロジン(Streptomyces coelicolor が産生)のような更に簡単なポリケチドでは PKS 遺伝子の1組がコードする PKS 酵素群により数回反復して2炭素付加が行われる。これとは対照的に、たとえばエリスロマイシンおよびソラフェンのようにさらに複雑な化合物の合成では各モジュールが2炭素付加の1段階を行うように組織化されているモジュールとして PKS 酵素群が関与する(総説としては、Hopwood ほか著、Industrial Microorganisms : Basic and Applied Molecular Genetics、(Baltz ほか編)中、米国微生物学会、ワシントンD.C.、pp. 267-275 (1993年)を参照)。
【0005】
複雑なポリケチドおよび二次的代謝物では一般に単純なカルボン酸の代わりにアミノ酸から誘導される副次構造が含まれる。これらのビルディングブロックの導入は非リボソーム性ポリペプチド合成酵素(NRPS)によって行われる。NRPSはモジュールとして組織化された多重な酵素である。各モジュールはアミノ酸ビルディングブロック1個の付加反応(および、必要ならば付加のプロセッシングも)を行う。NRPSはアミノアシルアデニレートを形成してアミノ酸を活性化し、ペプチジルキャリアー蛋白質ドメイン上のホスホパントテン酸接合団のチオール基にある活性化されたアミノ酸を捕捉する。さらに、NRPS はアミノ酸をエピマー化、N−メチル化、または要すれば環化を行い、および酵素結合したアミノ酸の間のペプチド結合形成を触媒することによって修飾する。NRPSはサイクロスポリン(cyclosporin)のようなペプチドの二次的代謝物の生合成を行い、ラパマイシン(rapamycin)でのようにポリケチド鎖終結ユニットを提供し、また、イェルシニアバクチン(yersiniabactin)生合成でのようにPKSと混合系を形成しているかもしれない。
【0006】
エポチロンAおよびBは16員環のマクロ環ポリケチドであって、アシルシステイン誘導開始ユニットを持ち、細菌Sorangium cellulosum So ce90株によって産生される(ここに参考のために引用するGerthほか著、J. Antibiotics、49巻:560-563、(1996年))。エポチロンAおよびBの構造は次式で示される:
【化1】

[式中、Rは水素(エポチロン A)またはメチル(エポチロン B)である]
【0007】
エポチロンは狭い抗カビスペクトルを持ち、動物培養細胞には特に高い細胞傷害性を示す(ここに参考のために引用するHoefleほか著、ドイツ特許DE4138042 (1993年)参照)。特に重要なことには、エポチロンは生体内および培養細胞中の両方でタキソールと生物学的効果が類似している(ここに参考のために引用する Bollagほか著、Cancer Research 55巻:2325〜2333 (1995年))。細胞の微小管を安定化するタキソール(taxol)とタキソテール(taxotere)は様々なヒト固形癌に対して顕著な活性を持つ癌化学療法剤である(Rowinsky ほか著、J. Natl. Cancer Inst.、83巻:1778-1781 (1991年))。競合性研究から、エポチロンはタキソールと微小管結合部位を共有し、タキソールと同様な微小管親和性を持つとの解釈と符合して、微小管へのタキソール結合に対する競合的阻害剤として作用することが判明した。しかしながら、エポチロンはタキソールよりも多剤耐性細胞系統に対する力価低下がはるかに低い点でタキソールよりも著しく優れている(Bollagほか著、(1995年))。さらにその上、エポチロンはタキソールよりもP-グリコ蛋白質による細胞からの排出がかなり低効率である(Gerthほか著、(1996年))。これに加え、エポチロンAまたはエポチロンBよりも強く微小管のポリマー化と安定性を誘導する性能によって示される細胞傷害性に優れた数種のエポチロン同族体が合成されている(ここに参考のために引用するWO 98/25929)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エポチロンの抗癌剤としての有望さにも拘らず、これら化合物の生産に関する問題点が商業的潜在能力を減殺している。これらの化合物は工業的規模で化学合成をするには複雑過ぎるので、醗酵によって生産しなければならない。たとえば Sorangium cellulosum のようなミクソバクテリアの遺伝子操作についての技術はここに参考のために引用する米国特許第5,686,295号に記載されている。しかしながら、Sorangium cellulosum の発酵は著しく困難なので、エポチロンの産生レベルは低い。もっと醗酵に適する異種宿主でのエポチロンの組換え生産が現存する生産上の問題点を解決できると推測した。しかしながら、エポロチン生合成を行うポリペプチドをコードする遺伝子はまだ分離されていなかった。さらに、エポチロンを産生する株、すなわち So ce90 株、は別のポリケチド少なくとも一種、スピランギエン、も産生し、これがエポチロンの生合成に特異的な遺伝子の分離を大いに複雑化するものと思われた。
【0009】
それ故、前記の観点から本発明の目的の一つは、エポチロンの合成に関与する遺伝子、特にすなわち、Sorangium cellulosum の So ce90株など、Sorangium/Polyangium属のミクソバクテリアでエポチロンAおよびBの合成に関与する遺伝子を分離することにある。本発明の別な目的の一つは、抗癌剤としての利用のためにエポチロンを組換え生産する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(本発明の要約)
前記の目的およびその他の目的に加え、本発明は意外にもエポチロンの生合成に関与するポリペプチドの少なくとも一種をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を初めて提供することによって前記困難性を克服する。好適な態様においては、そのヌクレオチド配列はミクソバクテリア、最も好ましくは Sorangium cellulosumに属する種から分離される。
【0011】
別の好適な態様では、本発明はエポチロンの生合成に関与するポリペプチドを少なくとも1種コードするヌクレオチド配列を包含する、分離された核酸分子を提供する。ここに該ポリペプチドは:配列番号2、配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸 918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸 973-1256、配列番号3のアミノ酸1344-1351、配列番号4、配列番号4のアミノ酸 7-432、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸 1524-1950、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸 4433-4719、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号5のアミノ酸6542-6837、配列番号5のアミノ酸 6857-7101、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸1522-1946、配列番号6のアミノ酸2053-2373、配列番号6のアミノ酸2383-2551、配列番号6のアミノ酸 2671-3045、配列番号6のアミノ酸3392-3636、配列番号6のアミノ酸3673-3745、配列番号7、配列番号7のアミノ酸32-450、配列番号7のアミノ酸556-877、配列番号7のアミノ酸887-1051、配列番号7のアミノ酸1478-1790、配列番号7のアミノ酸1810-2055、配列番号7のアミノ酸2093-2164、配列番号7のアミノ酸 2165-2439、配列番号8、配列番号10、配列番号11、および配列番号22からなる群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似のアミノ酸配列を含む。
【0012】
より好適な態様では、本発明はエポチロンの生合成に関与するポリペプチド少なくとも1種をコードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供するが、そのポリペプチドは:配列番号2、配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸 118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸 973- 1256、配列番号3のアミノ酸1344-1351、配列番号4、配列番号4のアミノ酸 7-432、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸 1524-1950、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸 4433-4719、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号5のアミノ酸6542-6837、配列番号5のアミノ酸 6857-7101、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸1522-1946、配列番号6のアミノ酸2053-2373、配列番号6のアミノ酸2383-2551、配列番号6のアミノ酸 2671-3045、配列番号6のアミノ酸3392-3636、配列番号6のアミノ酸3673-3745、配列番号7、配列番号7のアミノ酸32-450、配列番号7のアミノ酸556-877、配列番号7のアミノ酸887-1051、配列番号7のアミノ酸1478-1790、配列番号7のアミノ酸1810-2055、配列番号7のアミノ酸2093-2164、配列番号7のアミノ酸 2165-2439、配列番号8、配列番号10、配列番号11および配列番号22からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0013】
さらに別の好適な態様では、本発明はエポチロンの生合成に関与する少なくとも1種のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供する。そのヌクレオチド配列は:配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-2507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド67334-68251、配列番号1のヌクレオチド1-68750:と実質的に類似のヌクレオチド配列からなる群から選択される。
【0014】
特に好適な態様では、本発明はエポチロンの生合成に関与するポリペプチドの少なくとも一種をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。このヌクレオチド配列は:配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド 67334- 68251、配列番号1のヌクレオチド 1-68750:からなる群から選択される。
【0015】
さらに別の好適な態様では、本発明はエポチロンの生合成に関与するポリペプチドを少なくとも1種コードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供する。そのヌクレオチド配列は:配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド67334-68251、および配列番号1のヌクレオチド1-68750:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対のヌクレオチド部分を含む。
【0016】
本発明はまた本発明の核酸分子と作動可能に結合する異種プロモーター配列を含むキメラ遺伝子を提供する。さらに、本発明はこのキメラ遺伝子を含む組換えベクターを提供するが、そのベクターは宿主細胞を安定に形質転換することが可能なものである。なお、さらに本発明はそのキメラ遺伝子を含む組換え宿主細胞を提供するが、その宿主細胞はエポチロンの生合成に必要なポリペプチドを少なくとも1種コードするヌクレオチド配列を発現することができるものである。
【0017】
好適な態様ではその組換え宿主細胞は放線菌に属するバクテリアであって、さらに好適な態様ではその組換え宿主細胞はストレプトマイセス属の株である。他の態様では、その組換え宿主細胞はたとえば緑膿菌または大腸菌のように醗酵が容易な他種バクテリアのいずれでもよい。なおその上に、本発明は本発明の核酸分子を含む Bacクローン、好ましくは BacクローンpEPO15を提供する。
【0018】
別の側面では、本発明はエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供する。
【0019】
一態様によれば、そのエポチロンシンターゼドメインはβ-ケトアシルシンターゼ(KS)ドメインであって、そのアミノ酸配列は:配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸1522-1946 および配列番号7のアミノ酸32-450:からなる群から選択されるアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該KSドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸1522-1946および配列番号7のアミノ酸32-450:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は:配列番号1のヌクレオチド 7643-8920、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、および配列番号1のヌクレオチド55028-56284:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似であるのが好ましい。この態様によれば該ヌクレオチド配列はより好ましくは:配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド 16269-17546、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド48087-49361および配列番号1のヌクレオチド 55028-56284:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対のヌクレオチド部分を含む。加えるに、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 7643-8920、配列番号1のヌクレオチド 16269-17546、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、および配列番号1のヌクレオチド55028-56284:からなる群から選択される。
【0020】
別の一態様によれば、エポチロンシンターゼドメインは:配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸2053-2373および配列番号7のアミノ酸556-877:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含むアシル転移酵素(AT)ドメインである。この態様に従えば、該ATドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸2053-2373および配列番号7のアミノ酸556-877:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、このヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド49680-50642 および配列番号1のヌクレオチド56600-57565:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、このヌクレオチド配列はより好ましくは:配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、および配列番号1のヌクレオチド56600-57565:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対のヌクレオチド部分を含む。これに加え、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド 17865-18827、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド49680-50642および配列番号1のヌクレオチド56600-57565:からなる群から選択される。
【0021】
なお別の態様によれば、エポチロンシンターゼドメインは:配列番号2のアミノ酸 974-1273、配列番号5のアミノ酸 4433-4719配列番号5のアミノ酸 6542- 6837および配列番号7のアミノ酸 1478-1790:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含むエノイル還元酵素(ER)ドメインである。この態様によれば、該 ER ドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸 974-1273、配列番号5のアミノ酸 4433-4719、配列番号5のアミノ酸 6542-6837 および配列番号7のアミノ酸 1478-1790:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 10529-11428、配列番号1のヌクレオチド 35042-35902、配列番号1のヌクレオチド 41369-42256および配列番号1のヌクレオチド 59366-60304:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 10529-11428、配列番号1のヌクレオチド 35042-35902、配列番号1のヌクレオチド 41369-42256および配列番号1のヌクレオチド 59366-60304:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対のヌクレオチド部分を含む。これに加え、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 10529-11428、配列番号1のヌクレオチド 35042-35902、配列番号1のヌクレオチド 41369-42256 および配列番号1のヌクレオチド 59366-60304:からなる群から選択される。
【0022】
別な一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはアシルキャリアー蛋白質(ACP)ドメインであるが、このポリペプチドは:配列番号2のアミノ酸 1314-1385、配列番号4のアミノ酸 1722-1792、配列番号5のアミノ酸 1434-1506、配列番号5のアミノ酸 2932-3005、配列番号5のアミノ酸 5010-5082、配列番号5のアミノ酸 7140-7211、配列番号6のアミノ酸 1430-1503、配列番号6のアミノ酸 3673-3745 および配列番号7のアミノ酸 2093-2164:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様では、該 ACP ドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸 1314-1385、配列番号4のアミノ酸 1722-1792、配列番号5のアミノ酸 1434-1506、配列番号5のアミノ酸 2932-3005、配列番号5のアミノ酸 5010-5082、配列番号5のアミノ酸 7140- 7211、配列番号6のアミノ酸 1430-1503、配列番号6のアミノ酸 3673-3745および配列番号7のアミノ酸 2093-2164:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 11549-11764、配列番号1のヌクレオチド 21414-21626、配列番号1のヌクレオチド 26045-26263、配列番号1のヌクレオチド 30539-30759、配列番号1のヌクレオチド 36773-36991、配列番号1のヌクレオチド 43163-43378、配列番号1のヌクレオチド 47811-48032、配列番号1のヌクレオチド 54540- 54758 および配列番号1のヌクレオチド 61211-61426:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 11549-11764、配列番号1のヌクレオチド 21414-21626、配列番号1のヌクレオチド 26045-26263、配列番号1のヌクレオチド 30539-30759、配列番号1のヌクレオチド 36773-36991、配列番号1のヌクレオチド 43163-43378、配列番号1のヌクレオチド 47811-48032、配列番号1のヌクレオチド 54540-54758 および配列番号1のヌクレオチド 61211- 61426:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する35、40、45または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含む。これに加え、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 11549-11764、配列番号1のヌクレオチド 21414-21626、配列番号1のヌクレオチド 26045-26263、配列番号1のヌクレオチド 30539-30759、配列番号1のヌクレオチド 36773-36991、配列番号1のヌクレオチド 43163-43378、配列番号1のヌクレオチド 47811-48032、配列番号1のヌクレオチド 54540-54758 および配列番号1のヌクレオチド 61211-61426:からなる群から選択される。
【0023】
別な一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインは:配列番号4のアミノ酸 869-1037、4,配列番号5のアミノ酸 3886-4048、配列番号5のアミノ酸 5964-6132、配列番号6のアミノ酸 2383-2551 および配列番号7のアミノ酸 887- 1051:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含むデヒドラターゼ(DH)ドメインである。この態様によれば、該 DH ドメインは好ましくは:配列番号4のアミノ酸 869-1037、配列番号5のアミノ酸 3886- 4048、配列番号5のアミノ酸 5964-6132、配列番号6のアミノ酸 2383-2551 および配列番号7のアミノ酸 887-1051:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。またこの態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 18855-19361、配列番号1のヌクレオチド 33401-33889、配列番号1のヌクレオチド 39635-40141、配列番号1のヌクレオチド 50670-51176 および配列番号1のヌクレオチド 57593-58087:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 18855-19361、配列番号1のヌクレオチド 33401-33889、配列番号1のヌクレオチド 39635-40141、配列番号1のヌクレオチド 50670-51176 および配列番号1のヌクレオチド 57593-58087:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一な連続する20、25、30、35、40、45または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含む。加えて、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 18855-19361、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド 39635-40141、配列番号1のヌクレオチド 50670-51176 および配列番号1のヌクレオチド 57593-58087:からなる群から選択される。
【0024】
さらに別の一態様によれば、エポチロンシンターゼドメインは:配列番号4のアミノ酸 1439-1684、配列番号5のアミノ酸 1147-1399、配列番号5のアミノ酸 2645-2895、配列番号5のアミノ酸 4729-4974、配列番号5のアミノ酸 6857-7101、配列番号6のアミノ酸 1143-1393、配列番号6のアミノ酸 3392-3636 および配列番号7のアミノ酸 1810-2055:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含むβ-ケトリダクターゼ(KR)ドメインである。この態様によれば、該 KR ドメイン は好ましくは:配列番号4のアミノ酸 1439 -1684、配列番号5のアミノ酸 1147-1399、配列番号5のアミノ酸 2645-2895、配列番号5のアミノ酸 4729-4974、配列番号5のアミノ酸 6857-7101、配列番号6のアミノ酸 1143-1393、配列番号6のアミノ酸 3392-3636、および配列番号7のアミノ酸 1810-2055:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 20565-21302、配列番号1のヌクレオチド 25184-25942、配列番号1のヌクレオチド 29678-30429、配列番号1のヌクレオチド 35930-36667、配列番号1のヌクレオチド 42314-43048、配列番号1のヌクレオチド 46950-47702、配列番号1のヌクレオチド 53697-54431、および配列番号1のヌクレオチド 60362-61099:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含むが、これは:配列番号1のヌクレオチド 20565-21302、配列番号1のヌクレオチド 25184-25942、配列番号1のヌクレオチド 29678-30429、配列番号1のヌクレオチド 35930-36667、配列番号1のヌクレオチド 42314-43048、配列番号1のヌクレオチド 46950-47702、配列番号1のヌクレオチド 53697-54431、および配列番号1のヌクレオチド 60362-61099:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対部分と配列が同一である。これに加えて、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド 20565-21302、配列番号1のヌクレオチド 25184-25942、配列番号1のヌクレオチド 29678-30429、配列番号1のヌクレオチド 35930-36667、配列番号1のヌクレオチド 42314-43048、配列番号1のヌクレオチド 46950-47702、配列番号1のヌクレオチド 53697-54431、および配列番号1のヌクレオチド 60362-61099:からなる群から選択される。
【0025】
別の態様によれば、エポチロンシンターゼドメインは配列番号6のアミノ酸 2671-3045 と実質的に類似なアミノ酸配列を含むメチル転移酵素 (MT) ドメインである。この態様によれば、該 MT ドメインは好ましくは配列番号6のアミノ酸 2671-3045 を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは配列番号1のヌクレオチド 51534-52657 と実質的に類似している。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは連続的な20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含むが、この配列は配列番号1のヌクレオチド 51534-52657 にある対応する連続的な20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対部分と同一である。これに加え、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは配列番号1のヌクレオチド 51534-52657 である。
【0026】
別な一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインは配列番号7のアミノ酸 2165-2439 と実質的に類似なアミノ酸配列を含むチオエステラーゼ(TE)ドメインである。この態様によれば、該 TE ドメインは好ましくは配列番号7のアミノ酸 2165-2439 を含む。またこの態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは配列番号1のヌクレオチド 61427-62254 と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは連続的な20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含むが、この配列は配列番号1のヌクレオチド 61427-62254 での対応する連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対部分と同一である。加えて、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは配列番号1のヌクレオチド 61427-62254 である。
【0027】
なお別の側面では、本発明は非リボソーム性のペプチド合成酵素をコードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供するが、その非リボソーム性ペプチド合成酵素は:配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256、および配列番号3のアミノ酸1344-1351:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該非リボソーム性ペプチド合成酵素は好ましくは:配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256、および配列番号3のアミノ酸1344-1351:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。また、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は好ましくは:配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、および配列番号1のヌクレオチド15901-15924:からなる群から選択されたヌクレオチド配列と実質的に類似である。この態様によれば、該ヌクレオチド配列はより好ましくは連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対ヌクレオチド部分を含むが、この部分の配列は:配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223 -12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、および配列番号1のヌクレオチド15901- 15924:からなる群から選択されたヌクレオチド配列の対応する連続する20、25、30、35、40、45、または50(好ましくは20)塩基対部分の配列と同一である。加えて、この態様によれば、該ヌクレオチド配列は最も好ましくは:配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、および配列番号1のヌクレオチド15901-15924:からなる群から選択される。
【0028】
本発明はさらに、配列番号2〜23からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む分離された核酸分子を提供する。
【0029】
別の側面によれば、本発明は、たとえば癌を処置する医薬製剤のようなもののために精製および使用を可能にするに十分な多量さで、たとえばエポチロンのようなポリケチドを組換え生産する方法も提供する。この生産法の特異的な利点は製造される分子のキラリティである;いくつかのエナンチオマーは活性が低いことがありうるラセミ混合物集団の作製をトランスジェニック生物での生産で回避する。殊に、本発明は組換え宿主中でエポチロンを異種発現させる方法を提供するが、その方法は (a)エポチロンの生合成に関与するポリペプチドを少なくとも1種コードするヌクレオチド配列を含み、本発明の核酸分子に作動可能に結合する異種プロモーター配列を含むキメラ遺伝子を宿主に導入すること;および(b)宿主中でエポチロンの生合成を行わせる条件下に宿主を増殖させること;を含む。本発明はまたエポチロンの生産法も提供するが、その生産法は(a)前記方法により組換え宿主中にエポチロンを発現させること;および(b)該組換え宿主からエポチロンを抽出すること;を含む。
【0030】
なお別の側面では、本発明はエポチロンシンターゼドメインからなるアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチドを提供する。
【0031】
一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはP-ケトアシルシンターゼ(KS)ドメインであって、そのドメインは:配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸1522-1946および配列番号7のアミノ酸32-450:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該KSドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸1522-1946および配列番号7のアミノ酸32-450:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0032】
別の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはアシル転移酵素(AT)ドメインであって、そのドメインは:配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸2053-2373および配列番号7のアミノ酸556-877:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該ATドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号5のアミノ酸563 -884、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸2053-2373および配列番号7のアミノ酸556-877:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0033】
なおも別の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはエノイルリダクターゼ(ER)ドメインであって、そのドメインは:配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸6542-6837および配列番号7のアミノ酸1478-1790:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該 ER ドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸6542-6837および配列番号7のアミノ酸1478-1790:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0034】
他の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはアシルキャリアー蛋白質(ACP)ドメインであって、該ポリペプチドは:配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸3673-3745および配列番号7のアミノ酸2093-2164:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該ACPドメインは好ましくは:配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸7140- 7211、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸3673-3745および配列番号7のアミノ酸2093-2164:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0035】
別の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはデヒドラターゼ(DH)ドメインであって、このドメインは:配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号6のアミノ酸2383-2551および配列番号7のアミノ酸887-1051:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該DHドメインは好ましくは:配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号6のアミノ酸2383-2551および配列番号7のアミノ酸887-1051:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0036】
さらに別の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインはβ-ケトリダクターゼ(KR)ドメインであって、このドメインは:配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸3392-3636および配列番号7のアミノ酸1810-2055:からなる群から選択されたアミノ酸配列と実質的に類似なアミノ酸配列を含む。この態様によれば、該KRドメインは好ましくは:配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸3392-3636および配列番号7のアミノ酸1810-2055:からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0037】
付加的な態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインは配列番号6のアミノ酸2671-3045と実質的に類似なアミノ酸配列を含むメチル転移酵素(MT)ドメインである。この態様によれば、該MTドメインは好ましくは配列番号6のアミノ酸2671-3045を含む。
【0038】
他の一態様によれば、該エポチロンシンターゼドメインは配列番号7のアミノ酸2165-2439と実質的に類似なアミノ酸配列を含むチオエステラーゼ(TE)ドメインである。この態様によれば、該TEドメインは好ましくは配列番号7のアミノ酸2165-2439を含む。
【0039】
本発明の他の側面および利点は本発明と非限定的な実施例との記載を検討すれば当技術分野における熟練者には明らかになる。
【0040】
(定 義)
本発明を記載するに当り、以下の定義を意図して次の用語を採用する。
連携/作動可能に結合:物理的にまたは機能的に関連する2個のDNA配列を示す。例えば、その2個の配列が作動可能に結合しているか、またはコードDNA配列または構造DNA配列の発現レベルに影響を与えるように位置しているならプロモーターまたは調節DNA配列はRNAまたは蛋白質をコードするDNA 配列と「連携」している。
【0041】
キメラ遺伝子:組換えDNA配列であって、そのプロモーターまたは調節DNA配列はそれが連携するmRNA をコードするかまたは蛋白質として発現されるDNA配列の転写または発現を調節できるように作動可能に結合するか、連携している。キメラ遺伝子の調節DNA配列は天然に見出されるものでは通常は連携するDNAと作動可能に結合していない。
コードDNA配列:生物中で翻訳されて蛋白質を産生するDNA配列。
【0042】
ドメイン:明確な作用を示すに必要なポリケチドシンターゼの部分。例としてはアシルキャリアー蛋白質(ACP)、p-ケトシンターゼ(KS)、アシル転移酵素(AT)、β-ケトレダクターゼ(KR)、デヒドラターゼ(DH)、エノイルレダクターゼ(ER)、およびチオエステラーゼ(TE)の各ドメインがある。
エポチロン:16員環のマクロ環ポリケチド。天然にはバクテリアである Sorangium cellulosum の Soce 90 株が産生する。この物質はタキソールの生物学的効果と似た効果を示す。本明細書では「エポチロン」は一群のポリケチドを示し、エポチロンAおよびエポチロンBならびにたとえばWO 98/25929に記載のようなその誘導体が含まれる。
【0043】
エポチロンシンターゼ:エポチロンの生合成を行うポリケチドシンターゼ。
遺伝子:ゲノム内に存在する一定の領域であって、前記のコードDNA配列のほかに主として発現の調節すなわちコード部分の転写および翻訳の制御を行うDNA配列も含む。
【0044】
異種DNA配列:導入される宿主細胞にとって天然には関連のないDNA配列。天然起源DNA配列の非天然起源多重コピーを含む。
同種DNA配列:導入される宿主細胞にとって天然に関連のあるDNA配列。
同種組換え:同種DNA分子間で行われるDNA断片の相互の交換。
分離された:本発明の文脈では、分離された核酸分子または分離された酵素は核酸分子または酵素であって、人の手でその在来の環境から離れて存在する。それ故、天然産物ではない。分離された核酸分子または酵素は精製された形で存在しても、例えば組換え宿主細胞のような非在来の環境内に存在してもよい。
【0045】
モジュール:遺伝子的な要素であって、単回のポリケチド生合成に必要な明確な活性のすべて、すなわち縮合過程およびそれに関連する全てのβ−カルボニルプロセッシング過程をコードする。各モジュールは生合成の縮合過程とβ-カルボニルプロセッシングを行うための、選択された縮合後作用とを達成するためにACP、KSおよびAT活性をコードする。
【0046】
NRPS:非リボソーム性ポリペプチドの合成酵素であって、例えば、アミノ酸アデニル化、エピマー化、N−メチル化、環化、ペプチジルキャリアー蛋白質および縮合のドメインなど、二次代謝産物へのアミノ酸導入を行う酵素活性の複合体である。機能的な NRPS は二次代謝産物へのアミノ酸の導入を触媒する。
【0047】
NRPS遺伝子:適合する制御要素1種またはそれ以上の指示がある時にたとえばエポチロンAおよびBのような機能的二次代謝産物を生産するためのNRPSをコードする1種またはそれ以上の遺伝子。
核酸分子:いずれかの起源から分離できる単鎖または二重鎖DNAまたはRNAの線状セグメント。本発明では核酸分子は好ましくはDNAのセグメントである。
【0048】
ORF:オープン読取り枠。
PKS:ポリケチドシンターゼ。例えばケトレダクターゼ、デヒドラターゼ、アシルキャリアー蛋白質、エノイルレダクターゼ、ケトアシルACPシンターゼおよびアシル転移酵素などを含む、ポリケチドの生合成を行う酵素活性複合体(ドメイン)。機能性 PKS はポリケチドの合成を触媒する。
【0049】
PKS遺伝子:適合する制御要素1種またはそれ以上の指示下に、たとえばエポチロンAおよびBなど機能的なポリケチドの生産に必要な種々のポリペプチドをコードする1種またはそれ以上の遺伝子。
【0050】
実質的に類似:核酸に関して、対象とする核酸分子と少なくとも60%の同一性を有する核酸分子。好適な態様では、実質的に類似なDNA配列は対象とするDNA 配列と少なくとも80%同一である。より好適な態様では、実質的に類似なDNA 配列は対象とするDNA配列と少なくとも90%同一である。最も好適な態様では実質的に類似なDNA配列は対象とするDNA配列と少なくとも95%同一である。実質的に類似なDNA配列は好ましくは対象とするDNA配列がコードする蛋白質またはペプチドと実質的に同じ活性を有する蛋白質またはペプチドをコードする。実質的に類似のヌクレオチド配列は典型的には次の条件下に対象とする核酸分子またはその断片にハイブリダイズする:50℃で7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M-燐酸ナトリウムpH7.0、1mM-EDTAでハイブリッド化;50℃で2×SSC、1%SDSで洗浄。蛋白質またはペプチドに関しては、実質的に類似なアミノ酸配列は対象とする蛋白質またはペプチドのアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列であって、対象とする蛋白質またはペプチドと実質的に同じ活性を持つ。
【0051】
形質転換:異種核酸を宿主細胞または宿主生物に導入する過程。
形質転換/トランスジェニック/組換え:たとえば異種核酸分子を導入したバクテリアのような宿主生物を示す。核酸分子は宿主のゲノムまたは核酸分子に安定に組込むことができ、またはその核酸分子を染色体外に存在させることもできる。この染色体外分子は自己複製が可能である。形質転換した細胞、組織または植物は形質転換過程の最終目的物ばかりでなく、トランスジェニックな子孫をも含むものと理解される。「非形質転換」、「非トランスジェニック」または「非組換え」宿主は異種核酸分子を含まないバクテリアのような野生型生物を示す。
【0052】
ヌクレオチドは標準的略号:アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)およびグアニン(G)に従って塩基によって示される。同様にして、アミノ酸は標準的略号に従って示される:アラニン(Ala;A)、アルギニン(Arg;R)、アルパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、システイン(Cys;C)、グルタミン(Gln;Q)、グルタミン酸(Glu;E)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロジン(Tyr;Y)およびバリン(Val;V)。さらに(Xaa;X)はいずれかのアミノ酸を示す。
【0053】
(配列表に列挙した配列に関する記載)
配列番号1はエポチロン生合成遺伝子を含むオープン読取り枠(ORF)22個を含む 68750 bpのコンティグのヌクレオチド配列である。
配列番号2はepoA(配列番号1のヌクレオチド7610-11875)がコードするI型ポリケチドシンターゼ(EPOS A)の蛋白質配列である。
配列番号3はepoP(配列番号1のヌクレオチド11872-16104)がコードする非リボソーム性ペプチド合成酵素(EPOS P)の蛋白質配列である。
配列番号4はepoB(配列番号1のヌクレオチド16251-21749)がコードするI型ポリケチドシンターゼ(EPOS B)の蛋白質配列である。
配列番号5はepoC (配列番号1のヌクレオチド21746-43519)がコードするI型ポリケチドシンターゼ(EPOS C)の蛋白質配列である。
配列番号6はepoD (配列番号1のヌクレオチド43524-54920)がコードするI型ポリケチドシンターゼ (EPOS D)の蛋白質配列である。
配列番号7はepoE (配列番号1のヌクレオチド54935-62254)がコードするI型ポリケチドシンターゼ(EPOS E)の蛋白質配列である。
配列番号8はepoF(配列番号1のヌクレオチド62369-63628)がコードするチトクローム P450 酸化酵素ホモローグ(EPOS F)の蛋白質配列である。
配列番号9はorf1(配列番号1のヌクレオチド1-1826)がコードする部分的な蛋白質配列(部分Orf1)である。
【0054】
配列番号10はorf2(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド3171-1900)がコードする蛋白質配列(Orf2)である。
配列番号11はorf3(配列番号1のヌクレオチド3415-5556)がコードする蛋白質配列(Orf3)である。
配列番号12はorf4(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド5992-5612)がコードする蛋白質配列(Orf4)である。
配列番号13はorf5(配列番号1のヌクレオチド6226-6675)がコードする蛋白質配列(Orf5)である。
配列番号14はorf6(配列番号1のヌクレオチド63779-64333)がコードする蛋白質配列(Orf6)である。
配列番号15はorf7(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド64290-63853)がコードする蛋白質配列(Orf7)である。
【0055】
配列番号16はorf8(配列番号1のヌクレオチド64363-64920)がコードする蛋白質配列(Orf8)である。
配列番号17はorf9(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド64727- 64287)がコードする蛋白質配列(Orf9)である。
配列番号18はorf10(配列番号1のヌクレオチド65063-65767)がコードする蛋白質配列(Orf10)である。
配列番号19はorf11(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド65874- 65008)がコードする蛋白質配列(Orf11)である。
配列番号20はorfl2(配列番号1の逆方向相補鎖上のヌクレオチド66338- 65871)がコードする蛋白質配列(Orf12)である。
配列番号21はorf13(配列番号1のヌクレオチド66667-67137)がコードする蛋白質配列(Orf13)である。
【0056】
配列番号22はorf14(配列番号1のヌクレオチド67334-68251)がコードする蛋白質配列(Orf14)である。
配列番号23はorf15(配列番号1のヌクレオチド68346-68750)がコードする部分的蛋白質配列(partial Orf15)である。
配列番号24はユニバーサル逆方向PCRプライマー配列である。
配列番号25はユニバーサル正方向PCRプライマー配列である。
配列番号26はNH24端末 "B" PCRプライマー配列である。
配列番号27はNH2端末 "A" PCRプライマー配列である。
配列番号28はNH2端末 "B" PCRプライマー配列である。
配列番号29はpEPO15-NH6端末 "B" PCRプライマー配列である。
配列番号30はpEPO15-H2.7端末 "A" PCRプライマー配列である。
【0057】
(寄託情報)
以下の材料はイリノイ州61604、ペオリア、ノースユニバーシティ−ストリート1815所在のAgricultural Research Service 特許培養物コレクション(NRRL)に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定の下に寄託した。寄託物の入手に関する全制限は特許付与時に取消不能に解除される。
寄託材料 受託番号 寄託日
pEP015 NRRL B-30033 1998年6月11日
pEP032 NRRL B-30119 1999年4月16日
【0058】
(本発明に関する詳細な記載)
エポチロンの生合成に関与する遺伝子は本発明の技術を使用して分離できる。エポチロン生合成遺伝子の分離のための好ましい操作はエポチロンAおよびBを産生することが確認されている生物からのゲノムDNAの分離、および分離したDNAを適当なプラスミドまたはベクターに入れて正常にはポリケチドを産生しない宿主生物に移すことが必要であり、続いて形質転換されてエポチロン産生能が与えられた宿主コロニーを確認することが必要である。たとえばλ::Tn5トランスポゾン突然変異誘発(de Bruijn & Lupski, 著、Gene、27巻:131-149 (1984年))のような技術を用いることによってエポチロンを与えるDNAで形質転換された正確な領域をより精密に決定できる。別法としてまたは付加的に、形質転換されたエポチロンを与えるDNAをより小さい断片に切断し、エポチロンを与える性能を持つ最小のものをさらに確認できる。エポチロンを産生する性能を持たない宿主生物は、一方ではポリケチドを誘導する生物とは異なる種であるが、この技術の変型には突然変異誘発によってエポチロン産生性能を破壊された同種の宿主における宿主DNAの形質転換も含む。この方法では、エポチロンを産生する生物を突然変異誘発させてエポチロン非産生突然変異体を分離する。次にこれをエポチロン産生親株から分離したゲノムDNAで補完する。
【0059】
エポチロン生合成に必要な遺伝子を分離するために使用できる技術の別な例は突然変異誘発後にポリケチドを産生できなくなるようなエポチロン産生生物の突然変異体を作製するためのトランスポゾン突然変異誘発の使用である。そこで、エポチロン産生を行う宿主ゲノムの領域をトランスポゾンで標識して、親株から在来の遺伝子を回収し、分離するためのプローブとして使用できる。ポリケチドの合成に必要であって、既知のPKS遺伝子と類似であるPKS遺伝子を、たとえばリファマイシンまたはソラフェンの生合成に使うもののような配列が知られている生合成遺伝子に対する配列相同性によって分離してもよい。相同性による分離に適する技術にはDNAハイブリッド化による標準的ライブラリースクリーニングが含まれる。
【0060】
プローブ分子として使用するために好適なものは既知ポリケチドの合成に一定の役割を演じている遺伝子または別のDNA配列から得られるDNA断片である。
好適なプローブ分子はソラフェンPKS(米国特許第5,716,849号)の第4モジュールにあるケトシンターゼドメインをコードする 1.2 kb SmaI DNA 断片を含む。さらに、より好適なプローブ分子はリファマイシンPKSの第一および第二モジュール(Schupp など著、FEMS Microbiology Letters 159: 201-207 (1998))から得られるβ-ケトアシルシンターゼドメインを含む。これらはエポチロンの生合成を行うPKS遺伝子を分離するためのエポチロン産生微生物の遺伝子ライブラリーをプローブするために使用できる。
【0061】
PKS遺伝子分離に関するよく知られた一般的困難にも拘らず、および特にエポチロン生合成遺伝子の分離で遭遇すると思われる困難さにも拘らず、本明細書に記載する方法を用いれば、エポチロンAおよびBの生合成遺伝子をポリケチドを産生する微生物から驚くべきことにクローニングできる。この明細書に記載する遺伝子操作および組換え生産の方法を使用して、クローニングしたPKS遺伝子を修飾し、トランスジェニック宿主生物で発現できる。
【発明の効果】
【0062】
分離されたエポチロン生合成遺伝子は在来の宿主でできるよりも大きな効率で異種宿主中でのポリケチド産生を可能にする発現ができる。これらの遺伝子操作技術は入手可能な種々な宿主毎に特異的であって、当技術分野では公知である。例えば、異種遺伝子はたとえばここに参考のために引用する、McDaniel ほか著、Science、262巻:1546-1550(1993年)および Kaoほか著、Science、265巻:509-512 (1994年)に記載されている技術を用いてストレプトマイセス属およびその他の放線菌に発現させることができる。またここに参考のために引用する Roweほか著、Gene、216巻:215-223(1998年);Holmes ほか著、EMBO Journal、12(8)巻:3183-3191(1993年);および Bibbほか著、Gene、38巻:215-226(1985年)も参照。
【0063】
別法として、ポリケチド生合成を行う遺伝子、すなわちエポチロン生合成遺伝子はたとえばシュードモナス属菌および大腸菌のような他の宿主生物中でも発現できる。これらの遺伝子操作技術は種々の入手可能な宿主毎に特異的であって、当技術分野で知られている。例えば、PKS遺伝子はT7プロモーターを使用する pT7-7 ベクターを用いて大腸菌で発現に成功している。ここに参考のために引用するTaborほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82巻:1074-1078(1985年)を参照。これに加え、発現ベクター pKK223-3およびpKK223-2は大腸菌でtacまたはtrcプロモーターによる転写または翻訳融合のいずれかで異種遺伝子を発現するために使用できる。多重ORFをコードするオペロンを発現するために最も簡単な操作はオペロンを転写融合によって、たとえばpKK223-3のようなベクターに挿入して、異種遺伝子の同系リボソーム結合部位を使用することを可能にするものである。たとえばBacillusのようなグラム陽性種における過剰発現技術も当技術分野で知られており、この発明でも使用できる(Quaxほか著、Basic and Applied Molecular Genetics, Baltz ほか編、American Society for Microbiology, ワシントン(1993))。
【0064】
本発明のエポチロン生合成遺伝子で使用しうる他の発現系には酵母および バキュロウイルス発現系が含まれる。例えば、「The Expression of Recombinant Proteins in Yeasts」、Sudbery, P. E.著、Curr. Opin. Biotechnol.、7(5)巻:517-524(1996年);「Methods for Expressing Recombinant Proteins In Yeasts」、Mackay ほか著、Carey, Paul R.編、Protein Eng. Des.、105-153、Academic 刊、San Diego, Calif.(1996年);「Expression of heterologous gene products in yeast」、Pichuantes ほか著、Cleland, J. L., Craik, C. S.編、Protein Eng.、129-161、Wiley-Liss 刊、ニューヨーク、N. Y.(1996年);WO98/27203;Kealeyほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、95巻:505-509(1998年);「Insect Cell Culture; Recent Advances, Bioengineering Challenges And Implications In Protein Production」、Palomares ほか著、Galindo, Enrique; Ramirez, Octavio T. 編、Adv. Bioprocess Eng.、II巻:Invited Pap. Int. Symp.、2nd(1998年)25-52、Kluwer刊、Dordrecht、オランダ;「Baculovirus Expression Vectors」、Jarvis, Donald L.著、Miller, Lois K. 編、Baculoviruses、389-431、Plenum 刊、ニューヨーク、N. Y.(1997年);「Production Of Heterologous Proteins Using The Baculovirus/Insect Expression System」、Grittiths ほか著、Methods Mol. Biol. (Totowa, N. J )、75 (Basic Cell Culture Protocols (2版))、427-440、(1997年);「Insect Cell Expression Technology」、Luckow, Verne A. 著、Protein Eng.、183-218、Wiley-Liss 刊、ニューヨーク、N. Y.(1996年)参照。これらの文献は全て参考のためにここに引用するものである。
【0065】
異種宿主でのPKS遺伝子の発現についての他の考慮はPKS酵素がポリケチドを合成できるようになる前にホスホパントテン酸化を行う翻訳後修飾酵素が必要なことである。しかし、このI型PKS酵素の修飾を起す酵素、ホスホパントテン酸(P-pant)転移酵素は、たとえば大腸菌のような多くの宿主では正常には存在しない。この課題は異種宿主でのP-pant転移酵素とPKS遺伝子との共発現によって解決できるが、これはここに参考のために引用するKealey ほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、95巻:505-509(1998年)に記載されている。
【0066】
それ故、ポリケチド生産の目的では宿主生物選択の重要な判断基準は、操作の容易さ、増殖(すなわち発酵)の速度、たとえば翻訳後修飾のような過程のために固有な分子機構の存在および過剰産生されるポリケチドに対する感受性の欠如である。最も好適な宿主生物はストレプトマイセス株のような放線菌である。他の好適な宿主生物は緑膿菌および大腸菌である。前記のポリケチド生産法は本化合物の現行製造技術よりも明らかな利点を有する。これらの利点には安価な製造価格、より多量な化合物の生産能および有機合成では不可避的に副生するラセミ混合物と比べて生物学的に好適なエナンチオマー化合物を製造する能力などが含まれる。異種宿主が産生する化合物は医学的(たとえばエポチロンの場合には癌の処置)ならびに農業的応用に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
実験の部
さらに以下の詳細な実施例を参照して本発明を記述する。これらの実施例は例示目的のためにのみ提供するものであって、特に指定しない限り限定を意図したものではない。ここに使用する標準的な組換えDNA技術および分子クローニング技術は当技術分野でよく知られており、Ausubel(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons刊(1994年);T. Maniatis, E. F. Fritsch, J. Sambrook著、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」, Cold Spring Harbor laboratory刊、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)およびT. J. Silhavy, M. L. Berman, L. W. Enquist著、「Experiments with Gene Fusions」、Cold Spring Harbor Laboratory刊、Cold Spring Harbor, N.Y.(1984年)に記載されている。
【実施例1】
【0068】
実施例1 Sorangium cellulosum のエポチロン産生株の培養
Sorangium cellulosum 90株(DSM 6773, Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen、Braunschweig)をSolE培地(0.35%グルコース、0.05%トリプトン、0.15% MgS04・7H20、0.05% 硫酸アンモニウム、0.1% CaCl2、0.006% K2HP04、0.01% ジチオン酸ナトリウム、0.0008% Fe-EDTA、1.2% HEPES、S. cellulosum滅菌静置培養物の3.5%(v/v)上清液)pH ad. 7.4の寒天プレートに塗布し、増殖(30℃)させる。1cm2 から得た細胞を釣り上げ、G51t 液体培地(0.2% グルコース、0.5%澱粉、0.2% トリプトン、0.1% プロビンS、0.05% CaCl2・2H20、0.05% MgS04・7H20、1.2% HEPES、pH ad. 7.4)5 mLに接種し、225 rpm で振盪しながら30℃でインキュベーションする。4日後に培養物をG51t 50 mL に移し、前記の通り5日間インキュベーションする。この培養物を用いてG51t 500 mLに接種し、前記のように6日間インキュベーションする。この培養物を4000 rpmで10 分間遠心分離し、細胞ペレットをG51t 50 mLに再懸濁する。
【実施例2】
【0069】
実施例2 細菌人工染色体(Bac)ライブラリーの作製
Bac ライブラリーを作製するために、前記の実施例1に記載のように培養した S. cellulosum細胞をアガロースブロックに置き、溶菌し、分離されたゲノムDNA を制限酵素HindIIIで部分的に消化する。消化したDNAをアガロースゲル上のパルス電界電気泳動によって分離する。大きな(約90-150 kb)DNA断片をアガロースゲルから分離し、ベクターpBelobacIIに連結する。pBelobacIIはクロラムフェニコール耐性をコードする遺伝子、適当な培地上で青色/白色選択を提供するlacZ遺伝子の多重クローニング部位、ならびに複製および1細胞当り1コピーまたは2コピーのプラスミドの維持に必要な遺伝子を含む。連結混合物を使用して電気応答能のあるEscherichia coli DH10B細胞を標準的な電気穿穴技術によって形質転換する。クロラムフェニコール耐性組換えコロニー(白色、lacZ突然変異体)をプラス荷電ナイロン膜フィルター384 3X3のグリッドフォーマットに移す。クローンを溶菌し、DNAをフィルターに交差結合する。同じクローンを液体培養物として−80℃で保存する。
【実施例3】
【0070】
実施例3 I型ポリケチドシンターゼ関連配列の存在についてSorangium cellulosum 90 の Bac ライブラリースクリーニング
Bacライブラリーフィルターを標準的サザンハイブリッド形成法によって精査する。使用したDNAプローブはリファマイシンポリケチドシンターゼの第一および第二モジュールからのβ-ケトアシルシンターゼドメイン(Schuppほか著、FEMS Microbiology Letters、159巻:201-207 (1998年))をコードする。プローブのDNAは各ケトシンターゼドメインに隣接するプライマーで鋳型にプラスミドpNE95(pNE95はSchupp et al. (1998年)が記載したコスミド2に等しい)を用いるPCRによって作製する。PCR-増幅された DNA 25 ngを0.5% アガロースゲルから分離し、ランダムプライマー標識キット(Gibco-BRL、Bethesda、MD、米国)を製造社の仕様に従って、32P-dCTPで標識する。ハイブリッド形成は65℃で36時間行い、膜は高ストリンジェンシーで洗浄する(0.1xSSCおよび0.5%SDS、20 分間、65℃、3回)。標識したブロットは螢光スクリーンに暴露し、シグナルを Phospholmager 445SI(Molecular Dynamics 社製スクリーンおよび445SI)で検出する。これである種のBacクローンが本プローブに強いハイブリッド形成を起す。このクローンを選択し、Luria培地(LB)5 mL中、37℃で一夜培養する。目的とするBacクローンから得たBac DNAを典型的な微量製造操作によって分離する。細胞をリゾチーム溶液(50mM-グルコース、10mM-EDTA、25mM-Tris-HCl、5mg/mL リゾチーム)200μLに再懸濁し、溶菌液 (0.2N-NaOHと2% SDS)400μLで溶菌し、蛋白質を(3.0 M-酢酸カリウム、酢酸でpH5.2に調節)で沈殿させ、Bac DNAをイソプロパノールで沈殿させる。DNAをヌクレアーゼ不含蒸留水20μLに再懸濁し、BamHI(New England Biolabs 社)で制限し、0.7%アガロースゲルで分離する。ゲルを前記のようにサザンハイブリッド形成でブロットし、ソラフェンポリケチドシンターゼの第4モジュールにあるケトシンターゼドメイン(米国特許第5,716,849号参照)をコードする 1.2 kb SmaI DNA断片をプローブとして前記条件下に精査する。異なるハイブリッド形成パターン5種が見出される。5種のパターンを表すクローン各1種を選択して、各々 pEP015、pEP020、pEP030、pEP031、および pEP033と命名した。
【実施例4】
【0071】
実施例4 pEP015、pEP020、pEP030、pEP031およびpEP033からのBamHI断片のサブクローニング
選択したBacクローン5種のDNAをBamHIで消化し、ランダム断片をBamHI部位でpBluescript II SK+ (Stratagene 社) にサブクローニングする。大きさが 2 kbと10 kbとの間の挿入物を持つサブクローンを選択して挿入体の結合端末を配列決定し、また、1.2 SmaIプローブで前記の通りに精査する。既知のポリケチドシンターゼーゼに高度な配列相同性を示すか、および/またはソラフェンのケトシンターゼドメインと強いハイブリッドを形成するサブクローンを遺伝子破壊実験に使用する。
【実施例5】
【0072】
実施例5 Sorangium cellulosum So ce90株のストレプトマイシン耐性突然変異体の調製
液体培地 G52-H(0.2% 酵母エキス、0.2% 脱脂ソヤミール、0.8% バレイショ澱粉、0.2% グルコース、0.1% MgSO4・7H2O、0.1% CaCl2x2H20、0.008% Fe-EDTA、KOHでpH ad 7.4)で作成した Sorangium cellulosum So ce90株の3日培養物0.1 mL をストレプトマイシン100μg/mL添加SolE培地を含む寒天プレート上に塗布する。プレートを30℃で2週間インキュベーションする。この培地で増殖するコロニーはストレプトマイシン耐性突然変異体であって、これを再度精製のために同じストレプトマイシン含有寒天培地に塗布し、培養する。これらのストレプトマイシン耐性突然変異体の1種を選択してBCE28/2と命名した。
【実施例6】
【0073】
実施例6 サブクローニングしたBamHI断片を用いるSorangium cellulosum BCE28/2の遺伝子破壊
前記の選択したBacクローン5種から作製したサブクローンの BamHI 挿入体を分離し、プラスミドpCIB132(米国特許第5,716,849号参照)の独特なBamHI部位に連結する。挿入体を有するこのpCIB132誘導体でヘルパープラスミドpUZ8(Hedges and Matthew 著、Plasmid、2巻:269-278(1979年)を含むEscherichia coli ED8767を形質転換する。この形質転換体をSorangium cellulosum BCE28/2をレシピエントとする接合実験のドナーに用いる。接合には液体培地G51b(G51b はトリプトン置換ペプトンG51t培地)中、30℃の早期定常期静置培養物(約5x108細胞/mLまで)からの Sorangium cellulosum BCE28/2の5-10x109 細胞とサブクローニングしたBamHI断片およびヘルパープラスミドpUZ8を有するpCIB132誘導体を含むE. coli ED8767の後期対数期培養物(LB液体培地中)とを細胞比1:1で混合する。細胞の混合物を次に4000 rpmで10分間遠心分離し、G51b培地0.5 mLに再懸濁する。この細胞懸濁液の1滴を次にカナマイシン 50 mg/L を含むSolE寒天プレートの中央に塗布する。30℃で24時間インキュベーション後に得られた細胞を収集し、G51b培地0.8 mLに再懸濁し、この懸濁液0.1から0.3 mLをフレオマイシン(30 mg/L)、ストレプトマイシン(300 mg/L)およびカナマイシン(50 mg/L)を含む選択SolE固形培地に塗布する。ストレプトマイシンによってドナー大腸菌株の逆選択が起きる。この選択培地上、温度30℃で8-12日インキュベーション後に増殖したコロニーをプラスチックループで分離し、同じ寒天培地上に塗布し、培養して2回目の選択と精製を行う。この選択寒天培地に温度30℃で7日後に増殖していたコロニー由来培養物は、サブクローニングされたBamHI断片を持つpCIB132誘導体の接合伝達によってフレオマイシン耐性を獲得したSorangium cellulosum BCE28/2のトランス接合体である。
【0074】
pCIB132-由来プラスミドの組換えによるSorangium cellulosum BCE28/2の染色体へのこの組込みはサザンハイブリッド形成によって検証される。この実験には、伝達されたBamHI断片当り5-10個のトランス接合体からの完全DNA(G52-H培地で3日間増殖させた培養物10 mLから)をPospiech and Neumann著、Trends Genet.、11巻:217 (1995年)記載の方法を適用して分離する。サザンプロッティングには前記のように分離したDNAを制限酵素 Bg/II、ClaIまたはNotIで切断して、各 BamHI 挿入体またはpCIB132を32P標識プローブとして使用する。
【実施例7】
【0075】
実施例7 挿入された BamHI 断片が遺伝子破壊後に Sorangium cellulosumによるエポチロン生産に及ぼす影響の分析
2回目の選択(実施例6参照)に用いた選択So 1E プレート表面約1 cm2 にトランス接合体細胞を増殖させ、滅菌プラスチックループを用いて50 mLエルレンマイヤーフラスコ中のG52-H培地10 mLに移植する。30℃、180 rpmで3日間インキュベーションした後、培養物を200 mLエルレンマイヤーフラスコ中のG52-H 培地50 mLに移植する。30℃、180 rpmで4-5日間インキュベーション後、この培養物10 mLを200 mLエルレンマイヤーフラスコ中の23B3培地(0.2 % グルコース、2 % ポテトスターチ、1.6 % 脱脂ソヤミール、0.0008 % Fe-EDTA ナトリウム塩、0.5 % HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸)、2 % v/vポリスチロール樹脂XAD16(Rohm & Haas社)、pHはNaOHで7.8に調整)50 mLに移植する。
【0076】
30℃、180 rpmで7日間インキュベーション後の産生エポチロンの定量を行う。150μmナイロンフィルターを通して全培養ブロスを吸引濾過する。次にフィルター上に残った樹脂をイソプロパノール10 mLに再懸濁し、懸濁液を180 rpmで1 時間振盪して抽出する。この懸濁液から1 mLを採取し、Eppendorff Microfugeにより12,000 rpmで遠心分離する。試料中のエポチロンA、Bの量を250 nm、UV_DAD 検出器、HPLC検出(HPLC、ウォータース-シンメトリーC18カラム、0.02% 燐酸 60%-0% / アセトニトリル40%-100%勾配)で測定する。
【0077】
pEP015からサブクローニングされた異なる組込BamHI断片3種を持つトランス接合体3種、すなわち、プラスミドpEP015-2-1のBamHI断片を持つトランス接合体、プラスミドpEP015-4-5のBamHI 断片を持つトランス接合体およびプラスミド pEP015-4-1のBamHI 断片を持つトランス接合体、を前記のように試験する。HPLC分析は全トランス接合体がエポチロンAもBも産生しなくなったことを示す。これに対して、pEP020、pEP030、pEP031、pEP033 に由来するBamHI断片が組込まれたトランス接合体および親株BCE28/2では、エポチロンAおよびBが 2-4 mg/L の濃度で検出される。
【実施例8】
【0078】
実施例8 クローニングした断片のヌクレオチド配列決定およびコンティグの構築
A.プラスミド pEP015-21 の BamHI 挿入体
Escherichia coli DH10B [pEP015-21] 株からプラスミドDNAを分離し、pEP0 15-21の2.3-kb BamHI挿入体のヌクレオチド配列を決定する。自動化DNA配列決定は二重鎖DNA鋳型上でのジデオキシヌクレオチド鎖終結法によってApplied Biosystems 社の377型配列決定装置を用いて行う。使用したプライマーはユニバーサル逆方向プライマー(5'GGA AAC AGC TAT GAC CAT G 3'(配列番号24))およびユニバーサル正方向プライマー(5'GTA AAA CGA CGG CCA GT 3'(配列番号: 25))である。次回の配列決定反応では前回に決定した配列の3'末端用に設計して注文合成したオリゴヌクレオチドを用いてコンティグを伸長し、結合する。両鎖を完全に配列決定し、各ヌクレオチドは少なくとも2回配列決定する。ヌクレオチド配列をプログラムSequencher 3.0 版(Gene Codes 社)に集積し、ウィスコンシン大学遺伝子学電算機グループのプログラムを用いて解析する。2213-bp挿入体のヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド20779-22991に対応する。
【0079】
B.プラスミド pEP015-4-1 の BamHI 挿入体
Escherichia coli DH10B株[pEP015-4-1]からプラスミドDNAを分離して、pEP015-4-1中の3.9-kb BamHI挿入体のヌクレオチド配列を前項のAに記載のようにして決定する。3909-bp挿入体のヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド16876-20784に対応する。
【0080】
C.プラスミド pEP015-4-5 の BamHI 挿入体
Escherichia coli DH10B株[pEP015-4-5]からプラスミドDNAを分離して、pEP015-4-5中の2.3-kb BamHI挿入体のヌクレオチド配列を前項Aに記載のようにして決定する。2233-bp挿入体のヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド42528-44760に対応する。
【実施例9】
【0081】
実施例9 エポチロン生合成遺伝子を含むpEP015から得たDNA断片のサブクローニングおよび配向
pEP015を制限酵素HindIIIで完全に消化し、得られた断片をHindIIIで切断しておいたpBluescript II SK- または予めHindIIIで切断し、ウシ小腸アルカリホスファターゼで脱ホスホリル化しておいたpNEB193(New England Biolabs 社)にサブクローニングする。クローン6種の異なるを作製して、pEP015-NH1、 pEP015-NH2、pEP015-NH6およびpEP015-NH24(全てpNEB193由来)、ならびにpEP015-H2.7およびpEP015-H3.0 と命名した(共にpBluescript II SK-由来)。
【0082】
pEP015-21のBamHI挿入物を分離し、DIG-標識(非放射能DNA標識、検出系、Boehringer Mannheim社)し、pEP015-NH1、pEP015-NH2、pEP015-NH6、pEP015-NH24、pEP015-H2.7およびpEP015-H3.0に対して高ストリンジェンシーなDNAハイブリッド形成実験のプローブに用いる。pEP015-NH24については強いハイブリッド形成シグナルが検出され、pEPO15-21がpEP015-NH24に含まれていることを示す。
【0083】
pEPO15-4-1のBamHI挿入体を分離し、前記のようにDIG-標識し、pEP015-NH1、pEP015-NH2、pEP015-NH6、pEP015-NH24、pEP015-H2.7 および pEP015-H3.0に対する高ストリンジェンシーなDNAハイブリッド形成実験でのプローブとして使用する。pEP015-NH24およびpEP015-H2.7について強いハイブリッド形成シグナルが検出される。pEP015-NH24およびpEP015-H2.7の各一端末から作製されたヌクレオチド配列データはpEP015-4-1のBamHI挿入体について以前に決定した配列と完全に一致する。この実験はpEPO-15-4-1(内部HindIII部位1個を含む)は pEP015-H2.7およびpEP015-NH24と重複すること、およびpEP015-H2.7および pEP015-NH24はこの順序で連続していることを証明する。
【0084】
pEPO15-4-5のBamHI挿入物を分離し、前記のようにDIG-標識し、pEP015-NH1、pEP015-NH2、pEP015-NH6、pEP015-NH24、pEP015-H2.7、およびpEP015-H3.0.に対して高ストリンジェンシーなDNAハイブリッド形成実験でのプローブとして使用する。pEP015-NH2については強いハイブリッド形成シグナルが検出され、pEP015-21がpEP015-NH2に含まれることを示す。
【0085】
pEP015-NH2の両端およびpEP015-4-1とは重複しないpEP015-NH24の末端からヌクレオチド配列データを作製する。HindIII部位に指向するPCRプライマー:NH24 末端 "B":GTGACTGGCGCCTGGAATCTGCATGAGC(配列番号26)、
NH2 末端 "A": AGCGGGAGCTTGCTAGACATTCTGTTTC(配列番号27)および
NH2 末端 "B":GACGCGCCTCGGGCAGCGCCCCAA(配列番号28)
はこれらの配列に基づいて設計し、pEP015 での増幅反応および別の実験で、Sorangium cellulosum So ce90のゲノムDNAを鋳型とする増幅反応に使用する。両鋳型についてNH24末端"B"とNH2末端 "A"とのプライマー対で特異的な増幅が見出された。増幅体をpBluescript II SK- にクローニングし、完全な配列決定を行った。増幅体の配列は同一であり、HindIII部位で融合したpEP015-NH24およびpEP015-NH21の末端配列とも全く一致し、pEP015-NH2およびpEP015-NH24の HindIII 断片はこの順序で連続的であることが確認される。
【0086】
pEP015-H2.7のHindIII挿入物を分離し、前記のようにDIG-標識し、NotI消化 pEP015に対する高ストリンジェンシーでのDNAハイブリッド形成実験でのプローブとして使用する。大きさ約9 kbのNotI 断片は強いハイブリッド形成を示し、これをさらにNotI消化し、ウシ小腸アルカリホスファターゼで脱ホスホリル化しておいた pBluescript II SK- にサブクローニングして pEP015-N9-16 を得る。pEP015-N9-16のNotI挿入物を分離して、前記の通りDIG-標識し、pEP015-NH1、pEP015-NH2、pEP015 NH6、pEP015-NH24、pEP015-H2.7、およびpEP015-H3.0 に対する高ストリンジェンシーでのDNAハイブリッド形成実験でのプローブに用いる。pEP015-NH6および予期されるクローンpEP015-H2.7およびpEP015-NH24について強いハイブリッド形成シグナルが検出される。pEP015-NH6の両端からおよび pEP015-4-1とは重複しないpEP015-H2.7の末端からヌクレオチド配列データを作製する。HindIII部位に向けたPCRプライマーを設計し、pEP015との増幅反応に用い、別の実験では鋳型としてSorangium cellulosum So ce90のゲノムDNAを使用する増幅反応に使用する。両鋳型についてプライマー対:
pEP015-NH6 末端"B":CACCGAAGCGTCGATCTGGTCCATC (配列番号29)および pEP015-H2.7 末端 "A":CGGTCAGATCGACGACGGGCTTTCC(配列番号30)
で特異的増殖が見出される。増幅体をpBluescript II SK- にクローニングし、完全な配列決定を行う。増幅体の配列は同一で、pEP015-NH6およびpEP015-H2.7の末端配列と完全に一致し、HindIII部位で融合させてpEP015-NH6および pEP015-H2.7の断片がこの順序で連続的であることを確認する。
【0087】
これらの実験を総合すると、HindIII断片のコンティグは約55 kbの領域をカバーすることおよびpEP015-NH6、pEP015-H2.7、pEP015-NH24およびpEP015-NH2のHindIII挿入物がこの順序で構成していることが確認される。 残りのHindIIIサブクローン2種、すなわちpEP015-NH1およびpEP015-H3.0の挿入物はこのコンティグの一部ではないことが見出される。
【実施例10】
【0088】
実施例10 エポチロン生合成遺伝子をカバーするサブクローンコンティグのさらなる展開
pEP015-NH2 の挿入物の下流末端に由来し、実施例9に記載したサブクローンコンティグの下流末端を示す約2.2 kbのBamHI-HindIII断片を分離し、DIG-標識し、数種の酵素で消化したpEP015およびpEP015-NH2 DNAに対するサザンハイブリッド形成実験に用いる。強いハイブリッド形成バンドが常に同じ大きさで標的DNA2個の間に見出されるが、これはSorangium cellulosum So ce90のゲノムDNA断片がpEP015-NH2の下流末端にあるHindIII部位でpEP015末端にクローニングされていることを示す。
【0089】
Sorangium cellulosum So ce90のコスミドDNAライブラリーは認められた操作法(Ji ほか著、 Genomics、31巻:185-192 (1996年))を用いてpScosTriplex-IIで作製されている。要約すれば、Sorangium cellulosum So ce90の高分子量ゲノムDNAを制限酵素Sau3AIで部分的に消化して平均サイズ約40 kbの断片を提供し、BamHIおよびpScosTriplex-II消化Xbalに連結する。連結混合物をGigapack III XL(Stratagene 社)に入れ、E.coli XL1 Blue MR細胞に遺伝子移入する。
【0090】
このコスミドライブラリをpEP015-NH2の挿入物の下流末端に由来する約2.2 kbのBamHI-HindIII断片でスクリーニングし、コロニーハイブリッド形成のプローブとして使用する。pEP04E7と命名した強くハイブリッド形成の強いクローンを選択する。
【0091】
pEP04E7 DNAを分離し、数種の制限エンドヌクレアーゼで消化し、2.2 kbのBamHI-HindIII断片を用いるサザンハイブリッド形成実験で精査する。強くハイブリッド形成する大きさ約9 kb NotI断片を選択し、pBluescript II SK-にサブクローニングしてpEP04E7-N9-8を得る。さらなるサザンハイブリッド形成実験は pEP04E7-N9-8の約9 kb NotI挿入物がNotI-HindIII断片の6 kbにわたって pEP015-NH2と重複することを示すが、一方、残りの約3 kb HindIII-NotI断片は実施例9に記載したサブクローンコンティグを拡張するものであろう。末端配列決定は、しかしながら、pEP04E7-N9-8の挿入物の下流がpScosTriplex-IIのBamHI-NotIポリリンカーを含み、そこで、伸長しつつあるHindIII-NotI 断片内のSau3AI部位でpEP04E7のゲノムDNA挿入物が終わること、およびNotI部位が pScosTriplex-II に由来することを示す。
【0092】
Sorangium cellulosum So ce90由来ベクター不含配列のみを含むpEP04E7-N9-8 の約3kbの伸長するHindIII-NotIサブ断片に由来する約1.6 kbのPstI-SalI断片を実施例2に記載した細菌の人工染色体ライブラリーに対するプローブとして使用する。以前に分離したEPO15の他に、EPO32と命名したBacクローンがブローブと強くハイブリッドを形成することが判明した。EPO32を分離し、数種の制限エンドヌクレアーゼで消化し、約1.6 kbのPstI-SalI プローブにハイブリッド化させた。約13 kbのHindIII-EcoRV断片がこのプローブと強くハイブリッドを形成することが判明し、pBluescript II SK- にサブクローニングし、HindIIIおよびHincIIで消化してpEPO32-HEV15 を得た。
【0093】
オリゴヌクレオチドプライマーはpEP015-NH2の下流末端配列およびpEPO32-H EV15に由来する上流(HindIII)末端配列に基づいて設計する。これらの配列は標準的な制限分析では検出できない24 bpの小さなHindIII断片(EP04E7-H0.02)の存在を示し、これがpEP015 NH2の下流末端にあるHindIII部位をpEP032-HEV15 の上流末端にあるHindIII部位から隔てていることが判明した。
【0094】
そこで、実施例9に記載したサブクローンコンティグはHindIII断片EP04E7- H0.02 断片およびpEP032-HEV15の挿入体まで拡張されて、pEP015-NH6、pEP015-H2.7, pEP015-NH24、pEP015-NH2、EP04E7-H0.02 および pEP032 HEV15 の挿入物をこの順序で構成する。
【実施例11】
【0095】
実施例11 エポチロン生合成遺伝子をカバーするサブクローンコンティグのヌクレオチド配列決定
実施例10に記載のヌクレオチド配列サブクローンコンティグは次のようにして決定される。
【0096】
pEP015-H2.7: プラスミドDNAをEscherichia coli DH10B 株 [pEP015-H2.7] から分離し、pEP015-H2.7中の2.7-kb BamHI挿入体のヌクレオチド配列を決定する。自動DNA配列決定は二重鎖DNA鋳型上でジデオキシヌクレオチド鎖終結法によって、Applied Biosystems 社 377 型配列決定機を用いて行う。使用するプライマーはユニバーサル逆方向プライマー(5'GGA AAC AGC TAT GAC CAT G 3'(配列番号24))、およびユニバーサル正方向プライマー(5'GTA AAA CGA CGG CCA GT 3'(配列番号25))である。後続する回の配列決定反応では前回に決定した配列の 3' 末端について設計して注文合成したオリゴヌクレオチドを用いて伸長およびコンティグを行った。
【0097】
pEP015-NH6、pEP015-NH24 および pEP015-NH2: これらプラスミドのHindIII 挿入体を分離し、Hydroshear装置(Genomic Instrumentation Services 社)を用いてランダム断片化に付し、平均断片サイズ1-2 kbを得た。デゾキシヌクレオチドトリホスファターゼ存在下にT4 DNAポリメラーゼおよびKlenow DNAポリメラーゼ酵素を使用して断片の末端を修復し、ribo-ATの存在下、T4 DNAキナーゼで燐酸化する。アガロースゲルからサイズ範囲1.5-2.2 kbの断片を分離し、EcoRVで切断し、脱ホスホリル化しておいたpBluescript II SK- に連結する。ランダムサブクローンをユニバーサル逆方向プライマーおよびユニバーサル正方向プライマーを用いて配列決定する。
【0098】
pEP032-HEV15: pEP032-HEV15をHindIIIとSspIとで消化してS. cellulosum So ce90からの -13 kb HindIII-EcoRV挿入物およびpBluescript II SK- からの 0.3 kb Hincll-Sspl断片を含む約13.3 kb断片を分離し、HaeIIIで部分的に消化して平均サイズ1-2 kb.の断片を得る。アガロースゲルからサイズ範囲1.5-2.2 kbの断片を分離し、EcoRVで切断し、脱燐酸化しておいたpBluescript II SK- に連結する。ランダムサブクローンをユニバーサル逆方向プライマーおよびユニバーサル正方向プライマーを用いて配列決定する。
【0099】
クロマトグラムを分析して、Phred, Phrap and Consedプログラム(Ewingほか著、Genome Res.、8(3)巻:175-185(1998年);Ewingほか著、Genome Res.、8(3)巻:186-194 (1998年);Gordonほか著、Genome Res.、8(3)巻:195-202 (1998年))で集めてコンティグする。コンティグの間隙を埋め、配列の違いを解析し、低質な領域を注文設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて原サブクローンまたはランダムサブクローンライブラリーから選択したクローンのいずれかを配列決定して再配列する。両鎖を完全に配列決定し、少なくとも集合最小Phred スコア40(信頼水準:99.99%)で各塩基対をカバーする。
【0100】
68750 bpコンティグのヌクレオチド配列を配列番号1として示す。
【実施例12】
【0101】
実施例12 エポチロン生合成遺伝子のヌクレオチド配列分析
配列番号1は下記表1に詳記するように22個のORFを含むことが判明した。
表1
【表1】

【0102】
epoA(配列番号1のヌクレオチド 7610-11875)は単一モジュールからなるI型ポリケチドシンターゼ、EPOS A(配列番号2)をコードする。これは次のドメインを結合する:
β-ケトアシルシンターゼ(KS)(配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号2のアミノ酸 11437);
アシル転移酵素 (AT)(配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号2のアミノ酸 543-864);
エノイルレダクターゼ(ER)(配列番号1のヌクレオチド 10529-11428、配列番号2のアミノ酸 974-1273); および
アシルキャリアー蛋白質相同ドメイン (ACP) (配列番号1のヌクレオチド 11549-11764、配列番号2のアミノ酸 1314-1385)。
【0103】
配列比較およびモチーフ分析(Haydock ほか著、FEBS Lett. 374: 246248(1995年);Tang ほか著、Gene、216巻:255-265 (1998年))は EPOS A がコードする AT はマロニル-CoAに特異的であることを示す。EPOS Aは多酵素複合体に最後には2-メチルチアゾール環の部分となる(C26およびC20)酢酸ユニットを負荷することによってエポチロン生合成の開始に関与すると推測する。
【0104】
epoP(配列番号1のヌクレオチド 11872-16104)はモジュール1個を含む非リボソーム性ペプチド合成酵素EPOS P(配列番号3)をコードする。EPOS Pは次のドメインを結合する:
ペプチド結合形成ドメインであって、モチーフK(配列番号3のアミノ酸72-81 [FPLTDIQESY]、配列番号1のヌクレオチド位置12085-12114に対応);モチーフL(配列番号3のアミノ酸118-125 [VVARHDML]、配列番号1のヌクレオチド位置12223-12246に対応);モチーフM(配列番号3のアミノ酸199-212 [SIDLINVDLG- SLSI]、配列番号1のヌクレオチド位置12466-12507に対応);およびモチーフO(配列番号3のアミノ酸353-363 [GDFTSMVLLDI]、配列番号1のヌクレオチド位置12928-12960に対応);で代表されるもの。
【0105】
アミノアシルアデニレート形成ドメインであって、モチーフA(配列番号3のアミノ酸549-565 [LTYEELSRRSRRLGARL]、配列番号1のヌクレオチド位置13516 -13566に対応);モチーフB(配列番号3のアミノ酸588-603 [VAVLAVLES GAAYVPI] 、配列番号1のヌクレオチド位置13633-13680に対応);モチーフC(配列番号3のアミノ酸669-684 [AYVIYTSGSTGLPKGV]、配列番号1のヌクレオチド位置13876-13923に対応);モチーフD(配列番号3のアミノ酸815-821 [SLGGATE] 、配列番号1のヌクレオチド位置14313-14334に対応);モチーフE(配列番号3のアミノ酸868-892 [GQLYIGGVGLALGYWRDEEKTRKSF]、配列番号1のヌクレオチド位置14473-14547に対応);モチーフF(配列番号3のアミノ酸903-912 [YKTGDLGRYL]、配列番号1のヌクレオチド位置14578-14607に対応);モチーフG(配列番号3のアミノ酸918-940 [EFMGREDNQIKLRGYRVELGEIE]、配列番号1のヌクレオチド位置14623-14692に対応);モチーフH (配列番号3のアミノ酸1268-1274 [LPEYMVP]、配列番号1のヌクレオチド位置15673-15693に対応);およびモチーフI (配列番号3のアミノ酸1285-1297 [LTSNGKVDRKALR]、配列番号1のヌクレオチド位置15724-15762に対応);で代表されるもの。
【0106】
アミノアシルアデニレート形成ドメインのモチーフGとモチーフHの間に挿入された未知ドメイン(配列番号3のアミノ酸973-1256、配列番号1のヌクレオチド位置14788-15639に対応);および
ペプチジルキャリアー蛋白質相同的ドメイン(PCP)であって、モチーフJ(配列番号3のアミノ酸1344-1351 [GATSIHIV] 、配列番号1のヌクレオチド位置15901-15924に対応)で代表されるもの。
【0107】
ここに、EPOS Pはアデニル化によるシステインの活性化に関与していると提唱する。活性化システインをアミノアシル-S-PCPとして結合し、酵素結合したシステインとEPOS Aが供給するアセチル-S-ACPとの間のペプチド結合を形成し、分子内ヘテロ環形成によって最初にチアゾリン環を形成する。EPOS Pの未知のドメインはNAD(P)Hオキシダーゼおよびバチルス種の還元酵素に非常に弱い相同性を示す。そこでこの未知のドメインおよび/またはEPOS AのERドメインは初期の2-メチルチアゾリン環から 2-メチルチアゾールへの酸化に関与しているのかもしれない。
【0108】
epoB(配列番号1のヌクレオチド16251-21749)は単一モジュールを持つI型ポリケチドシンターゼである EPOS B(配列番号4)をコードし、次のドメインを結合する:KS(配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号4のアミノ酸7-432);AT(配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号4のアミノ酸539-859);デヒドラターゼ(DH)(配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号4のアミノ酸869-1037);β-ケトレダクターゼ(KR)(配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号4のアミノ酸1439-1684);および ACP(配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号4のアミノ酸1722-1792)の各ドメイン。配列比較とモチーフの分析でEPOS BがコードするATはメチルマロニル-CoAに特異的であることを示す。EPOS Aはメチルマロニル-S-ACPによる 2-メチル-4-チアゾールカルボキシ-S-PCP 出発基のClaisen-様縮合反応を触媒すると同時にC17位のb-ケト基をエノイルに還元して、最初のポリケチド鎖伸長反応に関与するものと思われる。
【0109】
epoC(配列番号1のヌクレオチド21746-43519)はモジュール4個を持つI型ポリケチドシンターゼであるEPOS C(配列番号5)をコードする。EPOS Cの第1モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号5のアミノ酸39-457);マロニルCoA 特異的AT(配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号5のアミノ酸563-884);KR(配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号5のアミノ酸1147-1399);およびACP(配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号5のアミノ酸434-1506);を結合する。このモジュールはアセテート伸長ユニット(C14-C13)を導入し、C15位にあるβ-ケト基をヒドロキシル基に還元するが、これはエポチロンマクロラクトン環の最終的なラクトン形成に寄与する。EPOS Cの第2モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号5のアミノ酸1524-1950);マロニル CoA 特異的AT(配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号5のアミノ酸2056-2377);KR(配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号5のアミノ酸2645-2895);およびACP(配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号5のアミノ酸2932-3005);を結合する。このモジュールはアセテート伸長ユニット(C12-C11)を取込んでおり、C13位のβ-ケト基をヒドロキシル基に還元する。そこでエポチロンの発生期のポリケチド鎖はエポチロンAに対応し、エポチロンBのC12 位メチル側鎖の導入にはPKS後にC-メチル転移酵素の活性が必要であると思われる。C13-C12 位でのエポキシ環形成もPKS後酸化工程が必要であろう。EPOS Cの第3モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号5のアミノ酸3024-3449);マロニル CoA-特異的AT(配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号5のアミノ酸3555-3876);DH(配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号5のアミノ酸3886-4048);ER(配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号5のアミノ酸4433-4719);KR(配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号5のアミノ酸4729-4974);および ACP(配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号5のアミノ酸5010-5082)を結合する。このモジュールはアセテート伸長単位(C10-C9)を導入し、C11位のβ-ケト基を完全に還元する。EPOS C の第4モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド 37052-38320、配列番号5のアミノ酸 51035525);メチルマロニル CoA-特異的AT(配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号5のアミノ酸5631-5951);DH(配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号5のアミノ酸5964-6132);ER(配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号5のアミノ酸6542-6837);KR(配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号5のアミノ酸6857-7101);およびACP(配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号5のアミノ酸 7140-7211);を結合する。このモジュールはプロピオネート伸長ユニット(C24およびC8-C7)を導入し、C9のβ-ケト基を完全に還元する。
【0110】
epoD (配列番号1のヌクレオチド43524-54920)はモジュール2個をもつI型ポリケチドシンターゼ EPOS D(配列番号6)をコードする。第1モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号6のアミノ酸35-454);メチルマロニル CoA-特異的AT(配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号6のアミノ酸561-881);KR(配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号6のアミノ酸1143-1393);およびACP(配列番号1のヌクレオチド7811-48032、配列番号6のアミノ酸1430-1503)を結合している。このモジュールはプロピオネート伸長ユニット(C23およびC6-C5)を導入し、ヒドロキシ基のC7にあるβ-ケト基を還元する。第2モジュールはKS(配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号6のアミノ酸1522-1946);メチルマロニルCoA-特異的AT(配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号6のアミノ酸2053-2373);DH(配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号6のアミノ酸2383-2551);メチル転移酵素(MT)(配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号6のアミノ酸2671-3045);KR(配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号6のアミノ酸3392-3636);およびACP(配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号6のアミノ酸3673-3745)を結合する。このモジュールはプロピオネート伸長ユニット(C21またはC22およびC4-C3)を導入し、ヒドロキシ基のC5にあるβ-ケト基を還元する。エポチロンはC5 にケト基を持つのでこの還元は少し予想外であった。この種のPKSモジュールに推測される還元能力とポリケチド最終産物の対応する位置での酸化還元状態との間の差異については文献報告がある(例えば, Schweckeほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、92巻:7839-7843 (1995年);Schuppほか著、FEMS Microbiology Letters、159巻:201-207 (1998年)参照)。エポチロンの重要な特徴はC4(C21およびC22)gem-メチル側鎖の存在である。EPOS D の第2モジュールは伸長しつつあるポリケチド鎖のC4にプロピオネートユニットを導入して、メチル側鎖1個を提供すると予想される。このモジュールはまたPKS のDHドメインとKRドメインとの間にHMWP1のイェルシニアバクチンシンターゼに見られるものと類似の配列で導入されたメチル転移酵素ドメインを含む(Gehring, A. M., DeMoll, E., Fetherston, J. D., Mori, I., Mayhew, G. F., Blattner, F. R., Walsh, C. T., and Perry, R. D.著、Iron acquisition in plague: modular logic in enzymatic biogenesis of yersiniabactin by Yersinia pestis、Chem. Biol.、5巻:573-586、1998年)。EPOS DにあるこのMTドメインはC4に第2のメチル側鎖基(C21またはC22)を導入すると提唱される。
【0111】
epoE(配列番号1のヌクレオチド54935-62254)はモジュール1個からなるI型ポリケチドシンターゼEPOS E(配列番号7)をコードし、KS(配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号7のアミノ酸32-450);マロニル CoA-特異的AT(配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号7のアミノ酸556-877);DH(配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号7のアミノ酸887-1051);おそらく非機能的ER(配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号7のアミノ酸1478-1790);KR(配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号7のアミノ酸1810-2055);ACP(配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号7のアミノ酸2093-2164)およびチオエステラーゼ(TE)(配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号7のアミノ酸2165-2439);を結合する。このモジュールにあるERドメインはいくつかの高度に非正常なアミノ酸置換を持つ活性部位モチーフを結合しており、おそらくこれがこのドメインを不活性にしている。このモジュールはアセテート伸長ユニット(C2-C1)を導入し、C3にあるP-ケトをエノイル基に変換する。エポチロンはC3にヒドロキシ基を持つので、この還元はまたEPOS Dの第2モジュールについて報告したように余剰であるとも思われる。EPOS EのTEドメインはC1カルボキシ基とC15ヒドロキシ基の間のラクトン化による伸長したポリケチド鎖の放出と環化に寄与している。
【0112】
配列決定された epoAの上流領域にはORF5個が検出されている。部分的に配列決定されたorf1は配列データバンクには相同体を持たなかった。orf2(配列番号1逆方向相補鎖のヌクレオチド3171-1900)に推測される蛋白質産物(Orf2, 配列番号10)はMycobacteriumおよびStreptomyces coelicolorから得られる仮想的ORFに強い類似性を示し、また別の細菌からのカルボキシぺプチダ-ゼおよび DDぺプチダ-ゼにはより遠縁の類似性を示す。orf3(配列番号1のヌクレオチド3415-5556)の推測上の蛋白質産物であるOrf3 (配列番号11)は別の細菌のNa/H アンチポーターに相同性を示す。Orf3は産生株からのエポチロン放出に寄与しているであろう。orf4およびorf5は配列データバンクに相同体を持っていない。
【0113】
配列決定された領域ではepoEの下流にはORFが11個確認されている。epoF(配列番号1のヌクレオチド62369-63628)はチトクロームP450オキシゲナーゼに強い配列類似性を持つ推測上の蛋白質EPOS F(配列番号8)をコードする。EPOS FはC12, C5 および/またはC3炭素の酸化還元状態の調整に寄与しているであろう。orf14(配列番号1のヌクレオチド67334-68251)の推測上の蛋白質産物、Orf 14(配列番号22)はStreptomyces coelicolorから得られ、機能が提唱されていない仮想上の蛋白質であるGI:3293544に強い類似性を示し、またヒト胎児肺蛋白質であるGI:2654559に強い類似性を示す。これはまた、Methanobacterium thermoautotrophicum からの GI:2623026 のようなカチオン排出系蛋白質にはより遠い関連性があるので、産生細胞からのエポチロンの放出にも寄与しているかも知れない。残りのORF(orf6-orfl3 および orf15)については配列データバンクの資料に相同性を示すものがない。
【実施例13】
【0114】
実施例13 エポチロン生合成遺伝子の組換え発現
Sorangium cellulosumによる発酵で達成されるよりも多量にエポチロンを産生する目的で本発明のエポチロンシンターゼ遺伝子を異種生物中で発現した。異種発現に好適な宿主は元来ポリケチド、アクチノロジンを産生する、たとえば Streptomyces coelicolorのような放線菌である。この宿主での組換えPKS遺伝子発現技術はここに参考のために引用するMcDaniel ほか著、Science、262巻:1546-1550 (1993年);Kaoほか著、Science、265巻:509-512 (1994年);また、Holmesほか著、EMBO Journal、12 (8)巻:3183-3191(1993年);Bibbほか著、Gene、38巻:215-226(1985年);ならびに米国特許第5,521,077号;米国特許第5,672,491号;米国特許第5,712,146号には記載がある。
【0115】
方法の一つによれば異種宿主株を操作して染色体にアクチノロジン遺伝子クラスター(act)の欠失を導入する。本発明のエポチロンシンターゼ遺伝子を含む発現プラスミドを同種組換えによってシンターゼ遺伝子がベクター内に組立てられるように温度感受性ドナープラスミドからDNAをE. coli(McDanielほか著、(1993年)およびKaoほか著 (1994年))のレシピエントシャトルベクターに伝達することによって構築する。別法では、エポチロンシンターゼ遺伝子クラスターを制限断片連結によってベクターに導入する。たとえば Kaoほか著 (1994年)に記載のような選択の後、Hopwoodほか著、Genetic Manipulation of Streptomycesに記載のプロトコルに従ってベクターからのDNAをact-マイナスStreptomyces coelicolor株に導入する。Laboratory Manual(John Innes Foundation、Norwich、英国、1985年)を参考のためにここに引用する。この組換えストレプトマイセス株を R2YE培地(Hopwoodほか著、(1985年))で増殖させてエポチロンを得る。別法では本発明のエポチロンシンターゼ遺伝子をたとえば緑膿菌、バチルス、酵母、昆虫細胞および/または大腸菌のような他の宿主生物体で発現させる。PKSおよび NRPS遺伝子はT7プロモーターを用いるpT7-7ベクターを使って大腸菌中に発現させるのが好ましい。Tabor ほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82巻:1074- 1078(1985年)参照。別の態様では、PKおよびNRPS遺伝子は発現ベクターpKK223-3およびpKK223-2を使って大腸菌中でtacまたはtrcプロモーターによる転写または翻訳融合のいずれかにより発現させる。天然にはPKS酵素の翻訳後修飾に必要なホスホパントテン酸(P-pant)トランスフェラーゼを持たない異種宿主中での PKSおよびNRPS遺伝子の発現にはP-pantトランスフェラーゼとの宿主中での共発現(Kealeyほか著、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、95巻:505-509 (1998年)が必要である。
【実施例14】
【0116】
実施例14 産生株からのエポチロンの単離
在来の宿主および本発明の組換え宿主からエポチロンを抽出するために有用なポリケチド単離のための培養、醗酵および抽出操作法の例はここに参考のために引用するWO 93/10121;米国特許第 5,639,949号の実施例57;Gerthほか著、J. Antibiotics、49巻:560-563 (1996年);1998年2月19日出願のスイス特許出願第396/98号;および米国特許出願第09/248,910号(Sorangium cellulosumの好適な突然変異株も開示)に記載されている。
以下は培養された、たとえばSo ce90株のようなSorangium cellulosumからエポチロンを単離するために有用な操作法であって、組換え宿主からエポチロンを単離するためにも使用できよう。
【0117】
A:エポチロン産生株の培養
:Sorangium cellulosum Soce-90 または本発明の組換え宿主株。
株の保存:液体窒素中。
培地:前培養および中間培養: G52。
主培養: 1B12。
G52 培地
低塩酵母エキス(BioSpringer社、Maison Aifort、FR) 2 g/L
MgS04(7H20) 1 g/L
CaC12(2H20) 1 g/L
脱脂ソヤミール Soyamine 50T(Lucas Meyer社、Hamburg、DE) 2 g/L
ポテト澱粉 Noredux A-150 (Blattmann社、Waedenswil、CH) 8 g/L
乾燥グルコース 2 g/L
EDTA-Fe(III)-Na 塩(8 g/L)、pH 7.4、KOHで補正。 1 mL/L
滅菌:20 分、120 ℃。
1B12 培地
ポテト澱粉 Noredux A-150(Blattmann社、Waedenswil、CH) 20 g/L
脱脂ソヤミール Soyamine 50T(Lucas Meyer社、Hamburg、DE)11g/L
EDTA-Fe (III)-Na 塩、pH 7.8、KOH で補正。 8 mg/L
滅菌:20 分、120 ℃。
【0118】
サイクロデキストリンおよびサイクロデキストリン誘導体の添加
様々な濃度のサイクロデキストリン(Fluka社、Buchs, スイスまたは Wacker Chemie社、Munich、ドイツ)を個別に滅菌し、接種前に 1B12 培地に添加する。
【0119】
培養:液体窒素アンプルからのSorangium cellulosum Soce-90の懸濁液1 mLを G52培地(50 mLエルレンマイヤーフラスコ中)10 mLに移し、3日間、180 rpmでの撹拌下、30℃で 25 mm 置換下にインキュベーションする。この培養物5 mLをG52培地(200 mL エルレンマイヤーフラスコ中)45 mLに加え、3日間、180 rpmで撹拌下、30℃で25 mm置換下にインキュベーションする。この培養物50mLをG52培地(2 Lエルレンマイヤーフラスコ中)450 mLに加え、3日間、180 rpmで撹拌下、30℃で50 mm置換下にインキュベーションする。
【0120】
維持培養:この培養では3-4 日毎に培養物50 mLにG52培地(2 Lエルレンマイヤーフラスコ中)450 mLを加えて、オーバーシードする。
実験および発酵はすべてこの維持培養から出発して行う。
【0121】
フラスコでの試験
(i) 振盪フラスコ中での前培養
維持培養500 mLから出発して、G52培地1x450 mLに維持培養液50 mLを接種し、4日間、180 rpmで撹拌下、30℃で50 mm置換下にインキュベーションする。
(ii) 振盪フラスコ中での主培養
1B12 培地プラス5 g/L 4-モルホリン-プロパンスルホン酸(MOPS)粉末(200 mL エルレンマイヤーフラスコ中)40 mLに10x濃サイクロデキストリン溶液5mLを混合し、前培養物10 mL を接種し、5日間、180 rpmで撹拌下、30℃で50 mm置換下にインキュベーションする。
【0122】
発酵:発酵は10 L、100 L、500 Lの規模で行った。中間培養段階では20 Lおよび100 L発酵も行う。前培養および中間培養物では維持培養物10% (v/v)を接種するが、主培養物には20% (v/v) 中間培養物を接種する。重要事項:振盪培養とは対照的に、発酵培地の成分は植菌液の容積を含む最終培養液の容積から算出する。例えば、培地18 L + 種菌液2 Lを混合するなら20 L用の材料を秤量するが、混合される液は 18 L である。
【0123】
振盪フラスコ中の前培養
維持培養 500 mLから出発し、G52培地(2 Lエルレンマイヤーフラスコ中)4x450 mLにそれぞれ維持培養液50 mLを接種し、4日間、180 rpmで撹拌下、30℃で 50 mm 置換下にインキュベーションする。
【0124】
中間培養、20 L または 100 L
20 L:G52培地18 Lを全容積30 Lの発酵機に入れ、前培養物2 Lを接種する。培養は3-4日間継続する。条件:30℃、250 rpm、空気0.5 L/液体L/分、加圧0.5 バール、pH 無調節。
100 L:G52培地90 Lを全容積150 Lの発酵機に入れ、20 L中間培養物10 Lを接種する。培養は3-4日間継続する。条件:30℃、150 rpm、空気0.5 L/液体L/分、加圧0.5 バール、pH 無調節。
【0125】
主培養、10 L、100 L、500 L
10 L:1B12培地10 L用の培地材料を水7 L中で滅菌し、次に滅菌した10% 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン溶液1 Lを添加し、20 L中間培養液2 Lを接種する。主培養時間は6-7日で、条件は30℃、250 rpm、空気 0.5 L/液体L/分、加圧0.5バール、pH調節H2SO4/KOHでpH 7.6 +/-0.5(すなわちpH 7.1と8.1の間では無調節)。
【0126】
100 L:1B12 培地 100 L用の培地材料を水70 L中で滅菌し、次に滅菌した10% 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン溶液10 Lを添加し、20L中間培養液20 Lを接種する。主培養時間は6-7日で、条件は30℃、200 rpm、空気 0.5 L/液体L/分、加圧0.5バール、pH 調節H2SO4/KOHでpH 7.6 +/-0.5。
次に100 L醗酵での一連の接種を図式的に示す:
【表2】

【0127】
500 L:1B12培地500 L用の培地材料を水350 L中で滅菌し、次に滅菌10% 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン溶液50 Lを添加し、100 L中間培養液100 Lを接種する。主培養期間は6-7日、条件:30℃、120 rpm、空気0.5 L/液体L/分、加圧0.5 バール、pH制御H2SO4/KOHで pH 7.6+/-0.5。
【0128】
産物の分析
試料の調製: 50 mL試料をポリスチレン樹脂アンバーライトXAD16(Rohm + Haas社、Frankfurt、ドイツ)2 mLと混合し、180 rpmで1時間30℃で振盪する。次に樹脂を150 μmナイロン篩で濾過し、少量の水で洗い、フィルターとともに15 mL Nunc管に加える。
樹脂から産物の溶離:イソプロパノール(> 99%)10 mLをフィルターおよび樹脂と共にこのチューブに加える。その後、封鎖した管を室温で30分間、Rota- Mixer (Labinco 社、オランダ)で振盪する。次に2 mLの液体を遠心分離し、上清液をピペットでHPLC管に注入する。
【0129】
HPLC 分析
カラム:ウォータース-Symetry C18,100 x 4 mm, 3.5 μm。
WAT 066220+プレリミナリーカラム 3.9 x 20 mm。
WAT 054225。
溶媒 A:0.02 % 燐酸。
B:アセトニトリル(HPLC-級)。
勾配:41% -B: 0-7分、100% B: 7.2から7.8分、41% B: 8-12分。
オーブン温度:30℃
検出:250 nm、UV-DAD検出。
注入容積:10μL。
保持時間:Epo A:4.30 分。Epo B: 5.38 分。
【0130】
B:サイクロデキストリンおよびサイクロデキストリン誘導体添加が測定されるエポチロン濃度に及ぼす影響
サイクロデキストリンはα-D-グルコピルラノースが環状に(α-1,4)-結合したオリゴサッカライドで、比較的に疎水性の中心空間と親水性外部表面を持つ。
特に代表的なものを以下に記載する(括弧内の数字は分子当りグルコースユニットの数を示す):α-サイクロデキストリン (6)、β-サイクロデキストリン (7)、γ-サイクロデキストリ ン (8)、δ-サイクロデキストリン (9)、ε-サイクロデキストリン (10)、ζ-サイクロデキストリン (11)、η-サイクロデキストリン(12)、およびθ-サイクロデキストリン (13)。δ-サイクロデキストリンおよび特にα-サイクロデキストリン、β-サイクロデキストリンまたはγ-サイクロデキストリンまたはその混合物は好適である。
【0131】
サイクロデキストリン誘導体は基本的には前記サイクロデキストリンの誘導体、特にα-サイクロデキストリン、β-サイクロデキストリン、またはγ-サイクロデキストリンの誘導体であって、基本的にはヒドロキシ基1個から全部まで(グルコース残基当り3個)がエーテル化またはエステル化されているものである。エーテルは基本的にはアルキルエーテル、特にたとえばメチルまたはエチルエーテル、またプロピルまたはブチルエーテルのような低級アルキルエーテル;たとえばフェニルヒドロキシ低級アルキル、特にフェニルヒドロキシエチルエーテルのようなアリールヒドロキシアルキルエーテル;ヒドロキシアルキルエーテル、特にヒドロキシ低級アルキルエーテル、特に2-ヒドロキシエチル、たとえば2-ヒドロキシプロピルのようなヒドロキシプロピル、またはたとえば2-ヒドロキシブチルのようなヒドロキシブチルエーテル;カルボキシアルキルエーテル、特にカルボキシ低級アルキルエーテル、特にカルボキシメチルまたはカルボキシエチルエーテル;誘導体化カルボキシアルキルエーテル、特に誘導体化カルボキシ低級アルキルエーテルであって、ここに誘導体化カルボキシはエーテル化またはアミド化カルボキシ(基本的にアミノカルボニル、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノまたはピペラジノカルボニルまたはアルキルオキシカルボニルである)特に低級アルコキシカルボニル低級アルキルエーテル、例えばメチルオキシカルボニルプロピルエーテルまたはエチルオキシカルボニルプロピルエーテル;スルホアルキルエーテル、特にスルホ低級アルキルエーテル、特にスルホブチルエーテル;OH 基1個またはそれ以上が式:
-O-[alk-O-] n-H
[式中、alk はアルキル、特に低級アルキルであり;
n は 2 から 12、特に 2から 5、殊に 2から 3 までの全数字である]
で示される基でエーテル化されたサイクロデキストリン、OH 基1個またはそれ以上が式:
【化2】

[式中、R' は水素、ヒドロキシ、-O-(alk-O)z-H、-O-(alk(-R)-O-)p-H または-O-(alk(-R)-O-)q-alk-CO-Y であり;
alk は常にアルキル、特に低級アルキルである;
m、n、p、q および z は 1から 12までの全数字、好ましくは1から5まで、特に1から3までであり;および
Y は OR または NR2R3 である;ここに
R1、R2 および R3 は独立にまたは各個に水素であるかまたは低級アルキルであるか、または R2 および R3 は結合して結合する窒素とともにモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノまたはピペラジノを形成するか;または
他の糖分子、特にグルコシル-、ジグルコシル-(G2-β-サイクロデキストリン)、マルトシル-またはジマルトシル-サイクロデキストリン、またはN-アセチルグルコサミニル-} グルコサミニル、N-アセチルガラクトサミニル-またはガラクトサミニル-とのエーテル化またはアセタールが存在して分枝サイクロデキストリンを形成する]
で示される基でエーテル化されたサイクロデキストリンである。
【0132】
サイクロデキストリンのエステルは基本的にはアルカノイルエステル、特に、たとえばアセチルエステルのような低級アルカノイルエステルである。
異なる前記のエーテルおよびエステル基が同時に2種またはそれ以上存在するサイクロデキストリンも可能である。
サイクロデキストリンおよび/またはサイクロデキストリン誘導体の2種またはそれ以上の混合物も存在しうる。
【0133】
特に、たとえばメチル-β-サイクロデキストリンまたは特に2,6-ジ-O-メチル-β-サイクロデキストリンのような、α-、β-またはγ-サイクロデキストリンまたはその低級アルキルエーテル、または特に、たとえば2-ヒドロキシプロピル-α-、2-ヒドロキシプロピル-β-または-2-ヒドロキシプロピル-γ-サイクロデキストリンのような、そのヒドロキシ低級アルキルエーテルが注目される。
【0134】
このサイクロデキストリンまたはサイクロデキストリン誘導体は好ましくは、培養培地に0.02から10、より好ましくは0.05から5、特に0.1から4、例えば0.1 から2 %(w/v)の濃度で加える。
【0135】
サイクロデキストリンまたはサイクロデキストリン誘導体は既知であるかまたは既知の好適で製造しうる(例えば、US 3,459,731;US 4,383,992;US 4,535,152;US 4,659,696;EP 0 094 157;EP 0 149 197;EP 0 197 571;EP 0 300 526;EP 0 320 032;EP 0 499 322;EP 0 503 710;EP 0 818 469;WO 90/12035;WO 91/11200;WO 93/19061;WO 95/08993;WO 96/14090;GB 2,189,245;DE 3,118,218;DE 3,317,064 およびその引用文献参照。これらはサイクロデキストリンまたはサイクロデキストリン誘導体の合成も示し、またT. LoftssonとM. E. Brewster著、(1996年)、Pharmaceutical Applications of Cyclodextrins: Drug Solubilization and Stabilisation:Journal of Pharmaceutical Science、85 (10)巻:1017-1025;R. A. RajewskiとV. J. Stella著、(1996年)、Pharmaceutical Applications of Cyclodextrins: In Vivo Drug Delivery:Journal of Pharmaceutical Science、85 (11)巻:1142-1169;も引用する。
【0136】
ここで試験したサイクロデキストリン誘導体はすべてFluka社、Buchs、スイス から購入できる。試験は200 mL振盪フラスコ中、培養容積50 mLで行った。対照として吸着剤樹脂アンバーライト XAD-16(Rohm & Haas社、Frankfurt、ドイツ)を入れた他は吸着剤を添加しないフラスコを用いた。5日間インキュベーションした後、HPLCによって次に表示するエポチロン力価が検出される。
【表3】

【0137】
試験したサイクロデキストリンのいくつか(2, 6-ジ-O-メチル-β-サイクロデキストリン、メチル-β-サイクロデキストリン)は、使用した濃度ではエポチロン産生に影響がなかったか、マイナスの効果を示した。1-2%の2-ヒドロキシ-プロピル-β-サイクロデキストリンおよびβ-サイクロデキストリンはサイクロデキストリンを使用しない例と比較して実例では6倍から8倍もエポチロンの産生を増加する。
【0138】
C:1 % 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリンを用いる10 L 醗酵
醗酵は15 Lガラス発酵槽で行った。培地には2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン(Wacker Chemie社、Munich、ドイツ)10 g/Lを加えた。醗酵の進行状況を表3に示す。醗酵は6日後に終了し、後処理を行った。
【表4】

【0139】
D:1% 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリンを用いる100 L醗酵
醗酵は150 L 発酵槽で行った。培地には10 g/Lの2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン10 g/Lを加えた。発酵の進行状況を表4に示す。醗酵産物は7日後に収集し、後処理した。
【表5】

【0140】
E:1% 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリンを用いる500 L醗酵
醗酵は750 L発酵槽で行った。培地には 2-(ヒドロキシプロピル)-β-サイクロデキストリン10 g/Lを加えた。発酵の進行状況を表5に示す。醗酵産物は7日後に収集し、後処理した。
【表6】

【0141】
F:10 L 醗酵の吸着剤不在比較例
醗酵は 15 L ガラス発酵槽で行った。培地にはいずれのサイクロデキストリンも、その他の吸着剤も加えなかった。発酵の進行状況を表6に示す。醗酵産物は収集も後処理も行わなかった。
【表7】

【0142】
G:エポチロン発酵の後処理:500 L 主培養からの単離
実施例2Dの500 L主培養から収集した容積は450 Lであって、Westfalia清澄分離器SA-20-06型(rpm=6500)を用いて液相(遠心分離液+洗浄水=650 L)と固相(細胞=約 15 kg)とに分離する。エポチロンの主な部分は遠心分離液に見出された。遠心分離した細胞のケーキには測定されたエポチロンの<15%を含んでおり、それ以上の処理はしなかった。650 Lの遠心分離液を4000 L撹拌槽に入れ、10 LアンバーライトXAD-16(遠心液:樹脂容積比=65:1)と混合し、撹拌した。約2時間接触の後、樹脂をHeineオーバーフロー遠心分離(バスケット容積=40 L; rpm= 2800)で遠心分離した。樹脂を遠心分離機から出し、10-15 Lの脱イオン水で洗浄した。脱着は樹脂を30 L ガラス撹拌器中で30 Lのイソプロパノールと30分間づつ2回撹拌して行った。樹脂からのイソプロパノール相の分離は吸引濾過で行った。次に集めたイソプロパノール相に15-20 Lの水を添加してイソプロパノールを除去した。真空で操作する循環蒸発器(Schmid-Verdampfer社)で処理して約10 Lの水層を得た。これを毎回10 Lの酢酸エチルで3回抽出した。抽出は30 Lのガラス撹拌容器で行った。酢酸エチル抽出物を3-5 Lまで真空循環蒸発器(Schmid-Verdampfer社)まで濃縮した後、ロータリーエバポレータ(Buchi 型)で真空下に濃縮乾固した。酢酸エチル抽出物50.2 gを得た。酢酸エチル抽出物をメタノール500 mLに溶かし、折り畳みフィルターで不溶部を濾去した。溶液を10 kg Sephadex LH 20カラム(Pharmacia社、Uppsala、スウェーデン)(カラム直径20 cm、注入レベル約 1.2 m)に加えた。メタノールを溶離液として溶離した。エポチロンAおよびエポチロンBは主に画分21-23(画分サイズ1 L)に存在した。各画分を真空下にロータリーエバポレータ濃縮乾固した(総量9.0 g)。これらのSephadexピーク画分(9.0 g)を次に92 mLのアセトニトリル:水;塩化メチレン=50:40:2 に溶解し、溶液を折り畳みフィルターで濾過し、RPカラム(装置Prepbar 200、Merck、2.0 kg LiChrospher RP-18 Merck、粒サイズ12μm、カラム径10 cm、充填レベル42 cm、Merck社、Darmstadt、ドイツ)に加え、アセトニトリル:水=3:7(流速= 500 mL/分;保持時間:エポチロンA = 約 51-59 分;エポチロンB = 約60-69分)で溶離した。分別の進行は250 nmのUV検出器でで監視した。各画分はBuchi-Rotavaporロータリーエバポレータで真空下に濃縮乾固した。エポチロンAのピーク画分重量は700 mgで、HPLC(外部標準)による含量は75.1 %であった。エポチロンBのピーク画分重量は1980 mgで、HPLC(外部基準)による含量は86.6%であった。最後にエポチロンA画分(700 mg)を5 mLの酢酸エチル:トルエン= 2:3から結晶化して170 mgのエポチロンA純結晶[HLPC 純度(面積%)=94.3%]を得た。エポチロンB画分(1980 mg)の結晶化はメタノール18 mLから行い、1440 mgのエポチロンB純結晶[HPLC純度(面積%)=99.2%]を得た。m.p. (エポチロンB):124-125 ℃;
1H-NMR(エポチロン B)500 MHz-NMR、溶媒:DMSO-d6。ピークは対 TMS 化学シフト(多重度:s = シングレット;d = ダブレット;m = マルチプレット)、積分値(H 数)で示す。δ ppm:7.34 (s) 1H,6.50 (s) 1H,5.28 (d) 1H,5.08 (d) 1H,4.46 (d) 1H,4.08 (m) 1H,3.47 (m) 1H,3.11 (m) 1H,2.83 (dd) 1H,2.64 (s) 3H,2.36 (m) 2H,2.09 (s) 3H,2.04 (m) 1H,1.83 (m) 1H,1.61 (m) 1H,1.47-1.24 (m) 4H,1.18 (s) 6H,1.13 (m) 2H,1.06 (d) 3H,0.89 (d + s, 重複) 6 H。H数計 = 41。
【実施例15】
【0143】
実施例15 組換え産生エポチロンの医学的使用
エポチロンを含有する組成物は医薬的製剤または、例えば様々なヒトの固形癌のような癌性疾患の処置に使用される。そのような抗癌製剤は例えば有効量のエポチロンとともに有機または無機の、液体または固体の医薬的に適当な担体材料1種またはそれ以上を含有する。そのような製剤は例えば経腸的に、経鼻的、経直腸的に、経口的に、または非経口的に、殊に筋肉内または静脈内などに送達される。活性成分の用量は患者の体重、年齢、および身体的および薬力学的条件に依存し、さらに送達法にも依存する。エポチロンは生物学的効果がタキソールと類似しているので、癌の処置でタキソールを用いる組成物および方法でのタキソールにエポチロンは替わり得るかもしれない。例えば、参考のためにここに引用する米国特許第5,496,804号;第5,565,478号;および第5,641,803号参照。
【0144】
例えば、処置用にはエポチロンBは各 2 mL ガラスバイアル中に1 mg/mLの無色透明な静脈内投与用濃縮物として製剤化されて供給される。この物質はポリエチレングリコール300(PEG300)中に製剤化され、0.9%米局方塩化ナトリウム注射液50 mLまたは100 mLで希釈して所望薬剤の点滴用所定濃度とする。これは30 分間単回静脈内点滴によって21日毎に(3週毎処置)6サイクルにわたって投与するか、または30分間単回静脈内点滴によって7日毎に(毎週処置)投与する。
【0145】
好ましい毎週処置ではこの用量は約0.1と約6 mg/m2、好ましくは約0.1と約5 mg/m2、より好ましくは約0.1と約3 mg/m2、よりさらに好ましくは約0.1と約1.7 mg/m2、最も好ましくは約0.3と約1 mg/m2の間、3週処置(3週置きまたは3週毎投与)では用量は約0.3と約18 mg/m2、好ましくは約0.3と約15 mg/m2、より好ましくは約0.3と約12 mg/m2、よりさらに好ましくは約0.3と約7.5 mg/m2、なおさらに好ましくは約0.3と約5 mg/m2、最も好ましくは約1.0と約3.0 mg/m2の間である。この用量はヒトには好ましくは2分から180分、好ましくは2分から120分、より好ましくは約5分から約30分、最も好ましくは約10分から約30分、例えば30分間にわたって静脈内投与によって投与する。
【0146】
本発明を特定な態様を参照して記述し終えたが、その無数の変化、修飾および態様が可能であること、従ってそのような変化、修正および態様は本発明の実体および範囲の中にあると見做されるべきであることは認識されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)核酸分子と作動可能に結合する異種プロモーター配列とを含むキメラ遺伝子を宿主に導入すること、および(b)宿主中でエポチロンの生合成を起す条件下に宿主を増殖させることを含む、組換え宿主中でエポチロンを異種発現させる方法であって、上記核酸分子がエポチロンの生合成に関与するポリペプチドの少なくとも1種をコードするヌクレオチド配列を含み、当該ポリペプチドが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むものであることを特徴とする方法:
配列番号2、配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256、配列番号3のアミノ酸1344-1351、配列番号4、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号5のアミノ酸6542-6837、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸1522-1946、配列番号6のアミノ酸2053-2373、配列番号6のアミノ酸2383-2551、配列番号6のアミノ酸2671-3045、配列番号6のアミノ酸3392-3636、配列番号6のアミノ酸3673-3745、配列番号7、配列番号7のアミノ酸32-450、配列番号7のアミノ酸556-877、配列番号7のアミノ酸887-1051、配列番号7のアミノ酸1478-1790、配列番号7のアミノ酸1810-2055、配列番号7のアミノ酸2093-2164、配列番号7のアミノ酸2165-2439、配列番号8、配列番号10、配列番号11および配列番号22。
【請求項2】
さらに(c)組換え宿主中で発現させたエポチロンを分離、回収することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ポリペプチドが下記の群から選択されたアミノ酸配列を含むものである、請求項lまたは2に記載の方法:
配列番号2、配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256、配列番号3のアミノ酸1344-1351、配列番号4、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号5のアミノ酸6542-6837、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸1522-1946、配列番号6のアミノ酸2053-2373、配列番号6のアミノ酸2383-2551、配列番号6のアミノ酸2671-3045、配列番号6のアミノ酸3392-3636、配列番号6のアミノ酸3673-3745、配列番号7、配列番号7のアミノ酸32-450、配列番号7のアミノ酸556-877、配列番号7のアミノ酸887-1051、配列番号7のアミノ酸1478-1790、配列番号7のアミノ酸1810-2055、配列番号7のアミノ酸2093-2164、配列番号7のアミノ酸2165-2439、配列番号8、配列番号10、配列番号11および配列番号22。
【請求項4】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド67334-68251および配列番号1のヌクレオチド1-68750。
【請求項5】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたものである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド67334-68251および配列番号1のヌクレオチド1-68750。
【請求項6】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むβ-ケトアシルシンターゼドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸1522-1946および配列番号7のアミノ酸32-450。
【請求項7】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項6に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、および配列番号1のヌクレオチド55028-56284。
【請求項8】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むアシル転移酵素ドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸2053-2373および配列番号7のアミノ酸556-877。
【請求項9】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項8に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド49680-50642および配列番号1のヌクレオチド56600-57565。
【請求項10】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むエノイルレダクターゼドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸6542-6837および配列番号7のアミノ酸1478-1790。
【請求項11】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項10に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド41369-42256および配列番号1のヌクレオチド59366-60304。
【請求項12】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むアシルキャリアー蛋白質ドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸3673-3745および配列番号7のアミノ酸2093-2164。
【請求項13】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項12に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド54540-54758および配列番号1のヌクレオチド61211-61426。
【請求項14】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むデヒドラターゼドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号6のアミノ酸2383-2551および配列番号7のアミノ酸887-1051。
【請求項15】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項14に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、および配列番号1のヌクレオチド57593-58087。
【請求項16】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むβ-ケトレダクターゼドメインである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸3392-3636および配列番号7のアミノ酸1810-2055。
【請求項17】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項16に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド53697-54431および配列番号1のヌクレオチド60362-61099。
【請求項18】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが配列番号6のアミノ酸2671-3045に実質的に類似したアミノ酸配列を含むメチル転移酵素ドメインである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項19】
ヌクレオチド配列が配列番号1のヌクレオチド51534-52657に実質的に類似したものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
核酸分子が少なくとも一つのエポチロンシンターゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、当該エポチロンシンターゼドメインが配列番号7のアミノ酸2165-2439に実質的に類似したアミノ酸配列を含むチオエステラーゼドメインである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項21】
ヌクレオチド配列が配列番号1のヌクレオチド61427-62254に実質的に類似したものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
核酸分子が非リボソーム性ペプチド合成酵素をコードするヌクレオチド配列を含み、当該非リボソーム性ペプチド合成酵素が下記の群から選択されたアミノ酸配列に実質的に類似したアミノ酸配列を含むものである、請求項1または2に記載の方法:
配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256および配列番号3のアミノ酸1344-1351。
【請求項23】
ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列に実質的に類似したものである、請求項22に記載の方法:
配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639および配列番号1のヌクレオチド15901-15924。
【請求項24】
ヌクレオチド配列がミクソバクテリウムから分離されるものである、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ミクソバクテリウムがソランジウム・セルロースム(Sorangium cellulosum)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
エポチロンの生合成に関与するポリペプチドの少なくとも1種をコードするヌクレオチド配列を含み、当該ヌクレオチド配列が下記の群から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも60%の同一性を有する、分離された核酸分子:
配列番号1のヌクレオチド1900-3171の相補鎖、配列番号1のヌクレオチド3415-5556、配列番号1のヌクレオチド7610-11875、配列番号1のヌクレオチド7643-8920、配列番号1のヌクレオチド9236-10201、配列番号1のヌクレオチド10529-11428、配列番号1のヌクレオチド11549-11764、配列番号1のヌクレオチド11872-16104、配列番号1のヌクレオチド12085-12114、配列番号1のヌクレオチド12223-12246、配列番号1のヌクレオチド12466-12507、配列番号1のヌクレオチド12928-12960、配列番号1のヌクレオチド13516-13566、配列番号1のヌクレオチド13633-13680、配列番号1のヌクレオチド13876-13923、配列番号1のヌクレオチド14313-14334、配列番号1のヌクレオチド14473-14547、配列番号1のヌクレオチド14578-14607、配列番号1のヌクレオチド14623-14692、配列番号1のヌクレオチド15673-15693、配列番号1のヌクレオチド15724-15762、配列番号1のヌクレオチド14788-15639、配列番号1のヌクレオチド15901-15924、配列番号1のヌクレオチド16251-21749、配列番号1のヌクレオチド16269-17546、配列番号1のヌクレオチド17865-18827、配列番号1のヌクレオチド18855-19361、配列番号1のヌクレオチド20565-21302、配列番号1のヌクレオチド21414-21626、配列番号1のヌクレオチド21746-43519、配列番号1のヌクレオチド21860-23116、配列番号1のヌクレオチド23431-24397、配列番号1のヌクレオチド25184-25942、配列番号1のヌクレオチド26045-26263、配列番号1のヌクレオチド26318-27595、配列番号1のヌクレオチド27911-28876、配列番号1のヌクレオチド29678-30429、配列番号1のヌクレオチド30539-30759、配列番号1のヌクレオチド30815-32092、配列番号1のヌクレオチド32408-33373、配列番号1のヌクレオチド33401-33889、配列番号1のヌクレオチド35042-35902、配列番号1のヌクレオチド35930-36667、配列番号1のヌクレオチド36773-36991、配列番号1のヌクレオチド37052-38320、配列番号1のヌクレオチド38636-39598、配列番号1のヌクレオチド39635-40141、配列番号1のヌクレオチド41369-42256、配列番号1のヌクレオチド42314-43048、配列番号1のヌクレオチド43163-43378、配列番号1のヌクレオチド43524-54920、配列番号1のヌクレオチド43626-44885、配列番号1のヌクレオチド45204-46166、配列番号1のヌクレオチド46950-47702、配列番号1のヌクレオチド47811-48032、配列番号1のヌクレオチド48087-49361、配列番号1のヌクレオチド49680-50642、配列番号1のヌクレオチド50670-51176、配列番号1のヌクレオチド51534-52657、配列番号1のヌクレオチド53697-54431、配列番号1のヌクレオチド54540-54758、配列番号1のヌクレオチド54935-62254、配列番号1のヌクレオチド55028-56284、配列番号1のヌクレオチド56600-57565、配列番号1のヌクレオチド57593-58087、配列番号1のヌクレオチド59366-60304、配列番号1のヌクレオチド60362-61099、配列番号1のヌクレオチド61211-61426、配列番号1のヌクレオチド61427-62254、配列番号1のヌクレオチド62369-63628、配列番号1のヌクレオチド67334-68251および配列番号1のヌクレオチド1-68750。
【請求項27】
同一性が少なくとも80%である、請求項26に記載の分離された核酸分子。
【請求項28】
同一性が少なくとも90%である、請求項27に記載の分離された核酸分子。
【請求項29】
同一性が少なくとも95%である、請求項28に記載の分離された核酸分子。
【請求項30】
ポリペプチドが下記の群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項26〜29のいずれかに記載の分離された核酸分子:
配列番号2、配列番号2のアミノ酸11-437、配列番号2のアミノ酸543-864、配列番号2のアミノ酸974-1273、配列番号2のアミノ酸1314-1385、配列番号3、配列番号3のアミノ酸72-81、配列番号3のアミノ酸118-125、配列番号3のアミノ酸199-212、配列番号3のアミノ酸353-363、配列番号3のアミノ酸549-565、配列番号3のアミノ酸588-603、配列番号3のアミノ酸669-684、配列番号3のアミノ酸815-821、配列番号3のアミノ酸868-892、配列番号3のアミノ酸903-912、配列番号3のアミノ酸918-940、配列番号3のアミノ酸1268-1274、配列番号3のアミノ酸1285-1297、配列番号3のアミノ酸973-1256、配列番号3のアミノ酸1344-1351、配列番号4、配列番号4のアミノ酸7-432、配列番号4のアミノ酸539-859、配列番号4のアミノ酸869-1037、配列番号4のアミノ酸1439-1684、配列番号4のアミノ酸1722-1792、配列番号5、配列番号5のアミノ酸39-457、配列番号5のアミノ酸563-884、配列番号5のアミノ酸1147-1399、配列番号5のアミノ酸1434-1506、配列番号5のアミノ酸1524-1950、配列番号5のアミノ酸2056-2377、配列番号5のアミノ酸2645-2895、配列番号5のアミノ酸2932-3005、配列番号5のアミノ酸3024-3449、配列番号5のアミノ酸3555-3876、配列番号5のアミノ酸3886-4048、配列番号5のアミノ酸4433-4719、配列番号5のアミノ酸4729-4974、配列番号5のアミノ酸5010-5082、配列番号5のアミノ酸5103-5525、配列番号5のアミノ酸5631-5951、配列番号5のアミノ酸5964-6132、配列番号5のアミノ酸6542-6837、配列番号5のアミノ酸6857-7101、配列番号5のアミノ酸7140-7211、配列番号6、配列番号6のアミノ酸35-454、配列番号6のアミノ酸561-881、配列番号6のアミノ酸1143-1393、配列番号6のアミノ酸1430-1503、配列番号6のアミノ酸1522-1946、配列番号6のアミノ酸2053-2373、配列番号6のアミノ酸2383-2551、配列番号6のアミノ酸2671-3045、配列番号6のアミノ酸3392-3636、配列番号6のアミノ酸3673-3745、配列番号7、配列番号7のアミノ酸32-450、配列番号7のアミノ酸556-877、配列番号7のアミノ酸887-1051、配列番号7のアミノ酸1478-1790、配列番号7のアミノ酸1810-2055、配列番号7のアミノ酸2093-2164、配列番号7のアミノ酸2165-2439、配列番号8、配列番号10、配列番号11および配列番号22。
【請求項31】
ヌクレオチド配列がミクソバクテリウムから分離される、請求項26〜30のいずれかに記載の分離された核酸分子。
【請求項32】
ミクソバクテリウムがソランジウム・セルロースム(Sorangium cellulosum)である、請求項31に記載の分離された核酸分子。
【請求項33】
請求項26〜32のいずれかに記載の核酸分子と作動可能に結合する異種プロモーター配列を含むキメラ遺伝子。
【請求項34】
請求項33に記載のキメラ遺伝子を含む組換えベクター。
【請求項35】
請求項33に記載のキメラ遺伝子を含む組換え宿主細胞。
【請求項36】
請求項26〜32のいずれかに記載の核酸分子を含む Bac クローン。

【公開番号】特開2008−92958(P2008−92958A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334606(P2007−334606)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【分割の表示】特願2005−305998(P2005−305998)の分割
【原出願日】平成11年6月16日(1999.6.16)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】