説明

エモリエント担体ゲル

油が主要な重量割合で存在する、天然油とワックス状固体との混合物中に、均一に分散された超微粒子を含有するワックス状固体から、均一のコロイド溶液が形成され、次いで冷却されて高剪断を施され、約0.1μm〜10μmの範囲のワックス状固体の超微粒子がそこで形成される。形成された硬いゲルは、実質的に海面位での40℃の大気雰囲気中で、容器に封入状態で、少なくとも30日間は、形状と高い粘度とを保持する。ゲルの安定性は、シネレシスがないことにより目視で確認される。52℃(125°F)〜100℃(212°F)の範囲の温度で、ゲルは不安定化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2003年5月13日に出願された同時係属出願第10/436,555号の一部継続出願である。出願第10/436,555号は、2002年4月19日に出願され、現在は放棄された同時係属出願第10/126,414号の継続出願である。出願第10/126,414号は、2001年11月27日に出願され、現在は放棄された出願第09/994,416号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は、人体の表面、特に肌(粘膜を含む)、髪および爪に局所的に塗布できる化粧料組成物に用いるためのゲル形状の新規な担体(よって担体ゲルとも呼ばれる)に係る。
【0003】
課題
化粧料組成物において、ペトロラタムの好ましくない特性を負わずに、ペトロラタムに匹敵する物理的特性、具体的には、ペトロラタムの粘度、安定性、エモリエント性および密封性を提供する担体が求められている。より具体的には、担体は、(1)重量主成分として天然植物油を含有し、かつ実質的に、顔料、水などの溶媒、または界面活性剤を含有せず、(2)40℃で不安定化することがなく、顔料が果たすような化粧機能を持たない、不活性でミクロン大の固体を15重量%以下で含める必要がある。
【背景技術】
【0004】
本発明は、化粧料組成物の必須成分の担体として有用なエモリエントゲルに係る。この担体は、無色ないし琥珀色のゼリー状の半固体で、多種のアルカンおよびオレフィン炭化水素を含有するペトロラタム(石油から得られる石油ゼリーまたは柔軟パラフィンとしても知られている)の代替品として使用することもできる。ペトロラタムは、体に塗布されると、体の表面下の組織から環境中への水分の放出を低減する密封フィルムとなり、それによって水分は角質層に蓄積する。しかし、上記新規な担体は、多量のワックスまたはワックス状固体が配合されているにもかかわらず、ペトロラタムの特徴として周知の不快な感触および風合い、とりわけ、べとつき、脂っこさ、ワックス的な感触がない。これらペトロラタムの負の特性に鑑みて、ペトロラタムの欠点を本質的に持たない、許容しうる代替品の提供が強く図られている。
【0005】
“ワックス状固体”の語は、以下において、(1)高級一価脂肪アルコールまたは植物ステロールアルコールの少なくとも1つと分子量の大きい脂肪酸とのエステル、および(2)“脂肪”ではなく、前述のワックスの化学構造を持たないが、ワックスの物理的な性質を持つ物質の両方を指す。“脂肪”とは、ステアリン酸、パルミチン酸およびオレイン酸などの高級“脂肪”酸の混合グリセリルエステル、またはそのようなグリセリルエステルの混合物を意味する。ワックスは、一価アルコールのエステルであるという点で、脂肪と区別される。本発明で使用されるワックスは、スラブ、ペレット、小球状または粉末状の形態で市販されており、粉末状体の最小粒径は一般的に45μm(マイクロメートル)または325メッシュ標準ふるい(ワイヤクロス)より大きい。ワックス状固体の例として、40℃で固体であるワックスとなりうる分子量にそれぞれ調製された、ポリエチレンオキシドワックスおよびポリプロピレンオキシドワックスなどのポリグリコールワックス、エチレン酢酸ビニル共重合体、ならびに酸化ポリエチレンワックスなどの酸化ポリオレフィンホモポリマーがある。
【0006】
担体ゲルは、ワックス状固体粒子の分散相が植物油の連続相との組み合わせで半固体材料を形成しているコロイドである。
【発明の開示】
【0007】
天然植物油が主要な重量割合で存在し、かつ、ワックス状固体が少量の重量割合で存在する混合物中、均一に分散された超微粒子を含有する前記ワックス状固体を供し、均一のコロイド溶液を形成し、次いで冷却して高剪断を施し、ワックス状固体の超微粒子をそこで生成することによって、実質的に海面位での40℃の大気雰囲気中で容器に封じ込めた状態で、少なくとも30日間、その形状と高い粘度とを保持する硬質なゲルが得られることを見出した。ゲルの安定性は、シネレシスがないことにより目視で確認される。
【0008】
担体ゲルは、本質的に無水で、疎水性、実質的に顔料を含有せず、均一で安定した担体ゲルであって、合成油を含有せず、本質的に、重量割合の少ないワックス状固体と、重量割合の多い天然植物油とから構成され、該油は0〜15重量%の水添植物油を含有していてもよい。ワックス状固体の超微粒子は、好ましくは少なくとも5重量%〜35重量%の範囲の量で、約0.1μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μmの粒子径で存在し、担体ゲルに所望の高粘度を付与するとともに、52℃(125°F)〜100℃(212°F)の範囲の不安定化温度により裏付けられる高い安定性を付与するために必須と思われる表面積をもたらす。担体ゲルの粘度は、BrookfieldのモデルDヘリパススタンドに取り付けられたモデルDV−II+粘度計を使用し、“T−A”ないし“T−F”の範囲のTバースピンドルを用いて測定する。各Tバーは、順次、より高次の粘度を測定するように等級化されている。この方法で測定された担体ゲルの粘度は、T−Aバーを用いて0.5rpmで測定された25℃で約10,000cPないしT−Fバーを用いて0.1rpmで測定された25℃で約100,000cPの範囲である。
【0009】
実質的に顔料を含有しないとは、顔料が10重量%未満、好ましくは5重量%未満であり、最も好ましくは全く存在せず、着色が、染料または非固体着色剤によることを意味する。“安定な”とは、実質的に海面位での40℃の大気雰囲気中で容器に封じ込められた状態で、少なくとも30日間ゲルがその物理的な性質を保持することを意味する。ゲルは、化粧品の所望の最終用途に応じて、ビタミン、ミネラル、スキンコンディショニング剤、着色料、香料などの化粧用活性材料の担体として用いられ、また、少重量比で存在する、平均粒子径が10μm未満の、綿繊維超微粒子の担体として用いられる。
【0010】
担体ゲルは2段プロセスで製造される。第1段では、植物油成分とワックス状固体成分との混合物を、ワックス状固体の融点より高いがいずれかの成分が分解される温度よりは低い温度、好ましくはワックス状固体の融点よりも約5℃〜20℃高い温度に加熱して、コロイド溶液を形成し、次いで混合物を約38℃(100°F)未満の温度に冷却して、25℃で約2,000cP〜50,000cPの範囲の初期粘度を有するスラリーを形成する。第2段では、低温スラリーに十分なエネルギーを加えて混合し、超微粒子を生成して、温度を少なくとも5℃上昇させることによってレオペクシー性凝集体を形成すると同時に、凝集体を冷却して49℃(120°F)未満に保つ。その後、温かいゲルをさらに冷却して、粘度が、T−Aバーを用いて0.5rpmで測定された25℃で10,000cPないしT−Fバーを用いて0.1rpmで測定された25℃で約100,000cPの範囲である安定なエモリエント担体ゲルを得る。各値は、BrookfieldのモデルDヘリペススタンドに取り付けられたモデルDV−II+粘度計で測定された。本質的に目視できるスランプのないゲル、つまり、平面上に盛って置かれたゲルの凝集体が30℃で少なくとも24時間その盛った形状を保持しうるほど硬いゲルを得るために、混合物は実質的に連続して高剪断エネルギーを施す必要がある。形成された直後のゲルを大気雰囲気中に放置してゲルの粘度調節をすることが望ましい。ゲルのドラムは、ゲルに高剪断が施された直後に密封すると不安定化する傾向があるが、約8時間経過してから密封すると、安定性が保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
担体ゲルは通常、少なくとも1つのワックス状固体と少なくとも1つの植物油とから構成され、ペトロラタムを使用しうる化粧料組成物に用いることができるように、ペトロラタムと同様の物理的特性を持つ必要がある。したがって、ゲルの物理的な特性は、一時的に形状を保持するシェービングクリームより硬いかまたは高剛性であるが、デオドラントバーほど硬くはない。ゲルは、不安定化させるほど加熱しないとチューブ内を流動しないので、ゲルの滴点を計測することはできない。ゲルを液化してから粘度の計測を試みても、液化前の粘度は表示しない。さらに、ゲルは一旦液化した後にもとのゲルの形状に戻ることはできない。したがって、粘度は、Brookfieldの粘度計を用い、前述のTバーを用いて測定される。簡潔さおよび利便性のために、別段の定めのないかぎり、以下で“油”は“植物油”を意味するものとする。
【0012】
油または油の混合物は、約55重量%〜95重量%の範囲の量で存在することができるが、通常約60%〜90%、最も好ましくは約70%〜80%の範囲の量で存在する。ワックス状固体、またはワックスとワックス状固体との混合物は、約5重量%〜40重量%の範囲の量で存在することができるが、通常約5%〜35%、最も好ましくは約10%〜25%の範囲の量で存在する。好ましい市販の天然および合成のワックス状固体は、脱臭され、精製して不純物が除かれ、約40℃〜200℃、好ましくは60℃〜180℃の範囲の融点をもつ。
【0013】
ワックス状固体は、ゲルの分散相中、超微粒子の形状で存在する必要がある。ゲル中の平均粒径が確実に10μm未満となるように、ワックス状固体を植物油中で溶解してコロイド溶液を形成する。その後、高剪断混合物内でさらに均一化してゲルを形成する前に、コロイド溶液を38℃(100°F)未満に冷却し、形成されたゲルの温度が49℃(120°F)を超えないように、コロイドミルまたはホモジナイザ中にいる間で得られたゲルを冷却することが不可欠である。冷却なしでコロイドミル中でゲルを形成すると、高剪断混合による十分なエネルギーはゲルの中で消費され、ゲルの温度を、コロイド溶液をミルに装入した時点の初期温度よりも少なくとも20℃(68°F)高くする。コロイド溶液内に放散されたエネルギーは(レオペクシーになることにより)、分散相中のワックス状の粒子と油の分散媒との間の引力を強化するようである。しかし、ゲルの温度が49℃より高くなるとゲルは不安定になるようである。
【0014】
10μm未満の(例えば、ハネウェルから入手されるAcumist A−12酸化ポリエチレンホモポリマーの粒子)微細に分割されたワックス状固体を、該ワックスの融点未満の温度で油中に混ぜた後、温度を49℃まで上昇させずに、上記コロイド溶液で用いられたのと同一の高剪断混合装置中で同量のエネルギーを混合物に加えても、コロイド溶液から形成され、ゲルが形成されると49℃(120°F)未満に急冷されて約38℃(100°F)になる、ゲルと同じ硬度(ASTM D−5)または剛性(針入計で針入度として測定される)を有するゲルは形成されない。ゲルの急激な冷却は、ゲルの形成に不可欠であると考えられる、分散相のミクロンサイズの粒子のサイズを“固化”または“凝固”する。
【0015】
予想どおり、冷却速度は、選択された具体的な成分、各成分の相対比、形成されたゲルの許容温度、ゲルから温度が奪われる速度(使用された熱交換器の種類の機能)、形成されたゲルの所望の最終硬度または剛性(針入計で針入度として測定される)などのゲルの特徴によって変化する。一般的に、ゲル全体が速く冷却されればされるほどよい。
【0016】
植物油
植物油としての油は自然源からのみ取得できる。一般的に入手可能な油は、マカデミア油、パーム油、ココナッツ油、麦芽油、アボカド油、アーモンド油、ヒマワリ油、紅花油、カノーラ油、大豆油などである。それ以外にも、ヒマワリ種油、カノーラまたは菜種油、ひまし油、メドウフォーム種油、ホホバ油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、ごま油、ココナッツ油、大豆油、マカデミア油、ババス油、スクアラン(squalame)油、紅花油、杏仁油、アーモンド油、アボカド油、米ぬか油、麦芽油、ブドウ種油、ルリヂサ油およびマツヨイ草油がある。列挙された安定性の低い油を使用することもできるが、好ましくは酸化に対して安定させることに留意する。不飽和率が高い油は、大気に曝されると、一般的に酸化が原因で、安定性が低下する傾向があるので、ゲル中の油または油の混合物の選択は、ゲルに求められる安定性に依存する。一般的に、オレイン酸の含有量が少ない油は、不飽和率が高い酸の含有量が相対的に多くなるので、オレイン酸の含有量が多い油ほど形成されたゲルの安定性が高い。酸化の感受性は水素を添加することによって低下するが、水添油の改質の影響をゲル中で補償しなくてはならない。好ましい天然油は、脱臭され、不純物タンパク質を除去するために精製され、40℃で粘度が約20cP〜50cPの範囲である。“低”オレイン酸油のオレイン酸含有量は、約5〜23%の範囲で、“高”オレイン酸油は約45〜85%の範囲である。低オレイン酸油の一例は、大豆油である。高オレイン酸油の例は、カノーラ油および紅花油である。
【0017】
ワックス状固体
使用される酸化ワックスは、平均分子量(Mw)が約700〜約10,000、好ましくは約1,500〜約5,000であり、市販されている。使用される酸化ワックスの融点の範囲は、約70℃(158°F)〜約200℃(392°F)で、エモリエントゲル組成物自体の不安定点は、通常約52℃(125°F)〜約150℃(302°F)の範囲である。酸化ポリオレフィンワックスの酸価は約10〜45、好ましくは約15〜45、最も好ましくは15〜30である。好適なポリオレフィンワックスの記載は、ドイツ特許出願第2035706号、第3047915号および第2201862号に見られる。好ましい酸化ワックスは、酸化微結晶ワックス、酸化フィッシャートロプシュワックス、酸化ポリエチレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスである。
【0018】
それ以外の好ましいワックスは、微結晶ワックス、蜜蝋、カンデリラワックス、ベリーワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックスおよびエチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体である。好ましい微結晶ワックスは、分子量が100〜1000の範囲である。油は、最終用途によって、油滑性の高めの油、酸化および熱的破壊に対する抵抗が大きい他の油などが選択される。選択した油に応じて、ワックス状固体を選択して油に加える。加えた油の量が、形成されるゲルの粘度および融点に影響を与える。
【0019】
以下で、油とワックス状固体とのみから下記の重量比で調製される担体ゲルの具体例を示す。
担体ゲル1:
大豆油 70%
微結晶ワックス* 30%
担体ゲル2:
カノーラ油 58%
大豆油 20%
水添大豆油 15%
カンデリラワックス 7%
担体ゲル3:
カノーラ油 55%
大豆油 15%
水添大豆油 15%
ベリーワックス 15%
担体ゲル4:
カノーラ油 58%
大豆油 16%
紅花油 7%
EVA共重合体(AC400) 19%
担体ゲル5:
カノーラ油 57%
大豆油 13%
水添大豆油 15%
蜜蝋 15%
担体ゲル6:
大豆油 75%
水添大豆油 15%
微結晶ワックス* 10%
*Honeywell Int'lから入手したAstorwax3040
【0020】
前述の各例では、特定の成分と量とを用いて説明される下記の手順が用いられる。
カノーラ油 1160g 58%
大豆油 320g 16%
紅花油 140g 7%
EVA(A−C400) 380g 19%
計 2000g 100%
【0021】
ゲルは2段プロセスで製造される。第1段では、油を、周囲温度25.2℃(77.5°F)で、大きなガラス(pyrex)ビーカーに装入し、混合物をホットプレートの上で加熱する。混合物の温度が82℃(180°F)に上昇したら、EVAを徐々に加えながら、混合物を十分に攪拌するために混合物内に挿入された手持ち式プロペラミキサーで混合してコロイド溶液を生成する。混合物は最初濁っているが、99.5℃(211°F)に加熱すると透明なコロイド溶液になる。その後、混合物を氷水中で室温(25℃)まで冷却する。第2段では、冷却したコロイド溶液の入っているビーカーを、コロイド溶液中にホモジナイザの分散用ブレードを挿入したままで冷水浴に入れる。ホモジナイザは、定格で115V7Aの電流に規格されたBalder Electric Co.の電動モーターを用いており、このモーターは、末端にGreereoモデルIL分散用ブレード(シリアル番号 3−02827B)を持つシャフトに駆動的に接続している。ホモジナイザは、ビーカーに形成されたゲルの温度が約13℃上昇して38℃になるが、49℃(120°F)よりは高くならないように、温度を約38℃(100°F)に保つため充分な冷却水を使用しながら、加減抵抗器で制御しながら駆動した。形成されたゲルは硬かったが、スパチュラを用いて容易にビーカーから取り出すことができた。取り出されたゲルは、大きなジャー中、大気に曝された状態で室温で8時間置かれてから、ジャーが密封された。
【0022】
ゲルの試料は、NPIRIグラインドゲージ上に引きおろされ、10μmより大きいワックス状の粒子は存在しないことが確認された。
【0023】
より大きな規模の場合、第1段で、比較的高剪断のコロイド溶液作成用のミキサーを搭載した一般的なジャケット付タンク内でスラリーを作成することが望ましい。まず、混合しながら、加えたワックス状固体の融点よりも高温に、ダウサーム(Dowtherm)でタンクを加熱してから、ジャケット内のダウサームを氷冷流体に置換し、スラリーを急冷する。第2段では、熱交換器の壁面を掻くためのブレードを有する高剪断ミキサーを装備したジャケット型熱交換器に、冷却スラリーをポンプ注入する。そのような装置は、市場で高剪断ボーテータ(Votator)と呼ばれるが、ボーテータの約43℃(110°F)という比較的高温下、ゲルをさらに冷却する受けドラムへポンプ注入することが可能な硬いゲルを連続的に形成するために十分なエネルギーを放散する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成油を含有せず、本質的に、重量割合の少ないワックス状固体と重量割合の多い天然植物油とから構成される担体ゲルであって、該ゲルは分散相として均一に分散された約0.1μm〜10μmの範囲の粒子径を有するワックス状固体を含有し、該ゲルはBrookfieldのモデルDヘリパススタンドに取り付けられたモデルDV−II+粘度計で測定された値として、T−Aバーを用いて0.5rpmで測定された25℃で10,000cPないしT−Fバーを用いて0.1rpmで測定された25℃で約100,000cPの範囲の粘度を有し、実質的に海面位での40℃の大気雰囲気中、容器中に封入状態で、少なくとも30日間安定である、
本質的に無水で、疎水性、実質的に顔料を含有せず、均一で安定した担体ゲル。
【請求項2】
前記植物油が0〜15重量%の水添植物油を含む請求項1記載の担体ゲル。
【請求項3】
前記植物油が約55%〜95%の範囲の量で存在し、ワックス状固体が約5%〜40%の範囲の量で存在する請求項1記載の担体ゲル。
【請求項4】
前記植物油が約60重量%〜90重量%の範囲の量で存在し、ワックス状固体が約10%〜25%の範囲の量で存在する請求項3記載の担体ゲル。
【請求項5】
重量割合の少ないワックス状固体と重量割合の多い天然植物油との混合物を、ワックス状固体の融点よりは高いがどちらかの成分が分解される温度よりは低い温度に加熱し、
前記混合物を約38℃(100°F)未満の温度まで冷却して、初期の粘度が25℃で約2,000cP〜50,000cPの範囲であるスラリーを形成し、
温度を少なくとも5℃上昇させ得るエネルギーを加えながらスラリーを継続的に混合することによって、レオペクシー性凝集体を形成すると同時に、該凝集体を49℃(120°F)より低い温度に冷却し、
その後、該レオペクシー性凝集体を周囲温度まで冷却し、
30℃で24時間目視できるスランプがなく、かつBrookfieldのモデルDヘリパススタンドに取り付けられたモデルDV−II+粘度計で測定された値として、T−Aバーを用いて0.5rpmで測定された25℃で10,000cPないしT−Fバーを用いて0.1rpmで測定された25℃で約100,000cPの範囲の粘度を有する、低温かつ安定性担体ゲルを回収することを含む担体ゲルの製造方法。
【請求項6】
前記ゲルの安定性を強化するために、低温かつ安定性ゲルを少なくとも8時間大気中に放置する請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記混合物を、前記ワックス状固体の融点よりも約5℃〜20℃高い温度まで加熱することを含み、かつ前記植物油が約55%〜95%の範囲の量で存在し、前記ワックス状固体が約5%〜45%の範囲の量で存在する請求項5記載の方法。
【請求項8】
重量割合の少ないワックス状固体と重量割合の多い天然植物油との混合物を、ワックス状固体の融点よりは高いがどちらかの成分が分解される温度よりは低い温度に加熱し、
前記混合物を約38℃(100°F)未満に冷却して、初期の粘度が25℃で約2,000cP〜50,000cPの範囲であるスラリーを形成し、
スラリーに十分なエネルギーを加えて継続的に混合し、温度を少なくとも5℃上昇させることによって、レオペクシー性凝集体を形成すると同時に、該凝集体を49℃(120°F)より低い温度に冷却し、
その後、該レオペクシー性凝集体を周囲温度まで冷却し、
30℃で24時間目視できるスランプがなく、かつBrookfieldのモデルDヘリパススタンドに取り付けられたモデルDV−II+粘度計で測定された値として、T−Aバーを用いて0.5rpmで測定された25℃で10,000cPないしT−Fバーを用いて0.1rpmで測定された25℃で約100,000cPの範囲の粘度を有する、低温かつ安定性担体ゲルを回収することにより製造されたエモリエント担体ゲル。
【請求項9】
前記ゲルの安定性を強化するために、低温かつ安定性ゲルを少なくとも8時間大気中に放置する請求項8記載の担体ゲル。
【請求項10】
前記混合物を、前記ワックス状固体の融点よりも約5℃〜20℃高い温度まで加熱することを含み、かつ前記植物油が約55%〜95%の範囲の量で存在し、前記ワックス状固体が約5%〜45%の範囲の量で存在する請求項8記載の担体ゲル。

【公表番号】特表2007−502322(P2007−502322A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532468(P2006−532468)
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/012839
【国際公開番号】WO2004/100869
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(305023528)リアクト−エヌティーアイ,エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】