説明

エラストマー性不織布積層体とその生産方法

エラストマー性不織布積層体と、エラストマー性不織布積層体を生産する方法とが、実証される。エラストマー性不織布積層体は、第一の不織布、第二の不織布、及び複数の弾性ストランドを含有する。複数の弾性ストランドは、第一の不織布に付着され、ひずみが解放されると、ひずみ下で波形化した中間積層体を作り出す。第二の不織布は、波形化した中間積層体に結合され、次に機械的に活性化されて、エラストマー性不織布積層体を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストランド弾性体と不織布を層状にした材料に関するものであり、本明細書においてこれをエラストマー性不織布積層体と呼ぶ。そのエラストマー性不織布積層体は、様々な物品に使用可能であり、並びに乳児おむつ、大人失禁用物品、女性用衛生物品、幼児水泳おむつ、食事用胸当て、創傷被覆材、及び費用効果的な伸縮性材料が望ましいいずれか他の物品などの、使い捨て流体取扱い物品中で特に有用である。本発明は又、エラストマー性不織布積層体を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て流体取扱い物品は、高速コンバーティングライン上で、布地、フィルム、発泡体、弾性体などの連続ウェブを使用して生産されることが多い。これらの物品の多くは、好ましくは、弾性の領域又は構成要素を包含する。これらの弾性構成要素は、通常は、少なくとも1つの側、好ましくは2つの側が不織布により覆われる。この不織布−弾性体−不織布の組み合わせを、本発明書の以降においてエラストマー性不織布積層体と呼ぶ。その積層体の不織布部分は、柔軟性と、積層体が引っ張られた時に使用中の積層体を通して着用者の皮膚が見えないようにする不透明性とを提供する。不透明性は、積層体の構造的な一体性の表示をももたらす。
【0003】
エラストマー性不織布積層体は通常、不織布に結合された弾性体を包含する。弾性体は、弾性フィルム、弾性ストランドを包含することができる。1つのそのような積層体においては、非弾性の不織布は、弾性体が伸張状態の間に弾性体に結合され、その結果、弾性体が弛緩すると、不織布が弾性体に結合された点の間で寄り集まって波形を形成する。得られた積層体は、結合点間で集まった不織布により弾性体が伸びることができる程度まで、伸張可能である。この方法は、ライブストレッチと呼ばれ、これについては本明細書で更に説明される。米国特許第4,720,415号(バンダーウィーレン(Vander Wielen)ら、1988年1月19日発行)は、このタイプのエラストマー性積層体の例を開示している。エラストマー性不織布積層体の不織布部分が永久的に変形されないので、材料の不透明特性は、損なわれない。したがって、積層体は、弛緩状態でも、張力下でも、良好な不透明度を提供する。しかしながら、波形を補うために、追加の不織布材料が必要になる。
【0004】
ストランドは、必要な材料がより少なく、配置及び伸張特性において柔軟性をもたらすので、エラストマー性不織布積層体用には、弾性ストランドが、一般に費用及び機能の両観点から弾性フィルムより好ましい。弾性ストランドは、通常は接着剤で不織布に付着されるが、これでは、残留接着剤がストランド間に露出するという結果になり得ることが多い。露出した接着剤は、下流のコンバーティング操作及びエラストマー性不織布のロール上への巻取りに問題となる恐れがある。しかも、露出した弾性ストランドは、消費者に望まれる柔らかさ及び快適さを呈するのに邪魔になる。結果として、エラストマー性不織布積層体は、弾性ストランドを挟む2層の不織布を含むことが多い。そのような実施形態の場合、エラストマー性不織布積層体の伸張特性は、ストランドをひずみ下にある間に両方の不織布層に同時に付着して、両不織布層に波形を形成することにより維持可能である。波形化した不織布の二層により、積層体の不透明特性は強化されるが、第二の不織布層の波形効果を補うために更なる材料が必要とされる。
【0005】
エラストマー性不織布積層体を生産する別の方法は、「ゼロひずみ」ストレッチ積層ウェブを必要とし、これは、実質的に引っ張り無し(「ゼロひずみ」)状態の間に同一の広がりを持つ表面の少なくとも一部に沿って相互に固定された、少なくとも2プライの材料を含む。「ゼロひずみ」ストレッチ積層体に使用されるプライの1つは、伸張性及びエラストマー性、すなわち付加引っ張り力が解放された後では実質的に引っ張り前の寸法に戻る材料からなる。エラストマー性プライに固定された第二のプライは、伸張可能であるが、必ずしもエラストマー性ではない。伸張すると、第二のプライは、少なくともある程度まで永久的に伸び、その結果、付加張力が解放されても、元のひずみ無し形状に完全には戻らない。その伸張性は、機械的な活性化により誘起されるものであり、これには、米国特許第5,143,679号(ウェーバー(Weber)ら、1992年9月1日発行)、米国特許第5,156,793号(ブエル(Buell)、1992年10月20日発行)、及び米国特許第5,167,897号(ウェーバー(Weber)、1992年12月1日発行)に記載されるような、波形噛み合いロール間で積層体を噛み合わせることが含まれる。機械的な活性化は、非エラストマー性不織布材料を塑性的に変形させ、噛み合いが生じた区域内で、材料厚さを減少して薄いスポットを作り出す。この薄いスポットは、特に積層体が張力下にある時に、不透明度の低下を示す。しかしながら、ライブストレッチで生じるように集まるのとは対照的に、積層体の不織布部分が塑性的に変形するので、エラストマー性積層体を形成するのに必要な材料がより少ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、消費者に望まれる所望の弾性、不透明性、及び柔軟性を有しながら、より少ない弾性体、より少ない不織布材料、より少ない接着剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用する、エラストマー性不織布積層体を提供することが有益である。特に、ライブストレッチの利点とゼロひずみストレッチ積層体の利点とを組み合わせたような、エラストマー性不織布材料を提供することが有益である。そのような材料を作製する方法及び装置を提供することも有益である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当技術分野において見出された問題点の1つ以上を解決するために、エラストマー性不織布積層体とこれを生産するための方法とが提供される。中間積層体が、約20%〜約500%の範囲の第一のひずみ下で第一の不織布の第一の結合面に付着されて、第一の不織布の機械方向に延びる、複数の弾性ストランドを含んで形成される。複数の弾性ストランドは、ひずみが解放されると収縮して第一の不織布の第一の横断方向に波形を形成し、これにより、中間積層体が第一の機械方向に伸張可能になる。第二の不織布が、第二の機械方向、第二の横断方向、及び第二の結合面を有して、第一の不織布の第一の結合面に向かい合わせの関係に配置される。第二の不織布の第二の結合面は、複数の弾性ストランド上のひずみの少なくとも一部が解放されている間に、複数の弾性ストランドの少なくとも一部に付着される。第二の不織布が、機械的に活性化されて、中間積層体と共に伸張可能にされる。第二の不織布は、好ましくは第二の機械方向が第一の機械方向に垂直となるように第一の不織布に関して配置され、及び好ましくは第二の横断方向に機械的に活性化されて第二の横断方向に伸張可能にされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明と見なされる主題を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明から更によく理解されると考えられる。どの図面も必ずしも一定比率ではない。
【0009】
本発明の方法、材料、及び装置は、より費用効果的及び/又は消費者に望ましいエラストマー性不織布積層体を提供するように設計されており、使い捨て流体取扱い物品を含む様々な物品中で使用するのに好適である。そのエラストマー性不織布積層体は、少なくとも1層の波形化不織布、弾性ストランド層、及び平らな層の不織布で構成された、不織布/弾性体/不織布の積層を含む。積層体が機械的に活性化される時、平らな層の不織布は、横断方向にひずみを受け(塑性的に変形し)、一方、弾性ストランド及び波形化不織布は、ひずみを受けるが塑性変形が生じない程度に受ける。
【0010】
(定義)
次の術語は、本明細書において、本明細書に提示される更なる詳細と共に、その用語の平易な意味に一致して使用される。
【0011】
用語「活性化させる」又は「活性化」は、不織布、又は弾性体と不織布の積層体をより伸張可能にする方法を指す。
【0012】
「ライブストレッチ」には、弾性体を伸張することと、伸張した弾性体を不織布に結合することが含まれる。伸張された弾性体は、結合の後で解放されると収縮して、「波形化した」不織布という結果が得られる。波形化した不織布は、不織布が少なくとも1つの当初の平らな寸法に達するほぼその点まで波形部分が引っ張られる時に、伸張することができる。弾性体は、不織布に結合された時の弛緩長さの好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも100%伸張される。
【0013】
「坪量」は、所与の表面積に対する平面状材料の重量を指す。坪量は通常、平方メートル当りグラム(gsm)で測定される。エラストマー性積層体の坪量は通常、ひずみ無し形状で測定される。
【0014】
「コンバーティング設備」は、使い捨て流体取扱い物品の1つ以上の構成要素を生産するいずれかの生産機器を指し、構成要素は後に仕上り使い捨て流体取扱い物品に組み入れられる。「コンバーティング設備」は又、消費者が使用する完全な仕上り使い捨て流体取扱い物品を生産してもよい。
【0015】
「使い捨て流体取扱い物品」は、普通は流体を吸収及び/又は保持する物品具を指す。ある場合には、その句は、着用者の身体に当てて又は近接して置かれて、身体から排出される排泄物及び/又は滲出物を吸収して保持する物品を指し、乳児おむつ、幼児トレーニングパンツ、大人失禁用物品、女性用衛生物品、幼児水泳おむつ、創傷被覆材などのパーソナルケア物品を包含する。使い捨て流体取扱い物品は、一般に、乳幼児及びその他の失禁症者により胴体下部周りで着用される。
【0016】
用語「使い捨て」は、本明細書において、洗濯又は他の方法で回復してその本来の機能に対して再使用することが一般に意図されていない製品を記述するのに使用される。これらは通常、1回又は2回の使用の後で廃棄されることが意図される。そのような使い捨て物品は、リサイクルされるか、堆肥化されるか、又は環境に適合した他の方法で処分されることが好ましい。
【0017】
「弾性」、「エラストマー」、又は「エラストマー性」は、弾性特性を示すポリマーを指す。これらには、弛緩した初期長さに力をかけると、初期長さより10%を超える伸張長さに伸張又は伸びることができ、及びかけた力を解放すると、ほぼその初期長さを実質的に回復する、いかなる材料をも含まれる。
【0018】
「押出成形機」又は「エクストルーダー」は、本明細書において、ポリマーなどの材料の溶融流を1つ以上の押出し金型を通して押出し可能ないかなる機械をも指す。
【0019】
用語「押し出す」又は「押出し」は、本明細書において、加熱されたエラストマーが1つ以上の押出し金型に押し通されて弾性体の溶融流を形成し、冷却されると固体になる、プロセスを指す。
【0020】
用語「溶融流」は、本明細書において、ポリマーなどの加熱された液体材料の押出成形機を出る線状沈降物を指す。その流れは、ポリマー材料の連続フィラメント、不連続繊維、又は連続フィルムを含んでもよい。冷却した時に、溶融流はストランド弾性体を形成する。
【0021】
用語「結合された」は、本明細書において、材料又は構成要素が直接又は間接的に(1つ以上の中間部材により)別の材料又は構成要素に固定された構成を包含する。間接結合の例には、接着剤がある。直接結合には、熱又は圧力接着が含まれる。結合は、当技術分野において既知のいかなる手段をも含むことができ、例えば、接着剤、熱接着、圧力接着、超音波接着などが挙げられる。
【0022】
用語「不織布」は、本明細書において、連続(長)フィラメント(繊維)及び/又は不連続(短)フィラメント(繊維)から、スパンボンドやメルトブローンなどのプロセスにより作製された材料を指す。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントのパターンを有さない。
【0023】
用語「力の壁」は、本明細書において、所与の材料に対するひずみを10%増加するのに必要な力が少なくとも約20%の増加になる状況を指す。
【0024】
不織布は通常、機械方向及び横断方向を有するとして記述される。機械方向は、不織布が製造される方向である。横断方向は、機械方向に対して垂直方向である。不織布は通常、機械方向を有して形成され、これが製造の長い又はロール巻きされる方向に対応する。機械方向は又、不織布中の繊維配向の主方向でもある。
【0025】
図1Aは、本発明によるエラストマー性不織布積層体20の三次元分解図であり、構成要素の説明を助けるために要素を離してある。積層体20は、第一の不織布21と、第二の不織布22と、ストランド弾性体の長さ231を有する複数の弾性ストランド23とを含む。第一の不織布21は、第一の結合面211及び第一の外面212を有する。第二の不織布22は、第二の結合面221、第二の外面222、及び第二の対向する横断方向端部225を有する。任意の第一の接着剤28が、第一の結合面211と複数の弾性ストランド23の間の少なくとも一部に配置されている。任意の第二の接着剤29が、第二の結合面221と弾性ストランド23の間の少なくとも一部に配置されている。第一の接着剤及び/又は第二の接着剤は、フィンドレイ(FINDLEY)H2031又は当技術分野において既知の他のいかなる接着剤としてもよい。
【0026】
図1Aは、第一の不織布をストランド弾性体23に結合した後で生じる、波形山215及び波形谷216を有する第一の不織布21の波形を誇張した形体で示す。波形は、交互する不規則な波形山215及び波形谷216を説明するために使用されている。図1A、1Bでは第二の不織布22の波形に対して平らな第一の接着剤28が示されるが、第一の接着剤28は、実際には、第一の不織布21が平らな形状で弾性ストランドがひずみ下にある間に、弾性ストランド23に取付け前の第一の結合面211に塗布される。図1Cは、ライブストレッチを使用してストランド弾性体23に結合された時の、第一の接着剤28と第一の不織布21の実際の波形を示す。
【0027】
図1Aに示されるように、第一の不織布21は、好ましくは、第一の横断方向214に波形化される。波形山215及び波形谷216がほぼ第一の機械方向213で交互する時、波形の方向は、波形山215及び波形谷216が延びる方向、すなわち第一の横断方向214である。一旦波形化されると、不織布及び/又は不織布弾性積層体は、波形方向に垂直に延伸性となる。波形の振幅は、好ましくは、図1AのZ方向に測定して、波形化前の不織布の厚さの20倍未満である。波形の振幅は、より好ましくは、図1AのZ方向に測定して、波形化前の不織布の厚さの10倍未満である。
【0028】
第一の不織布は、ライブストレッチ、又は機械的活性化の使用で波形化されてもよいが、好ましくは、波形はライブストレッチの使用で形成される。上で定義されたように、ライブストレッチは、弾性ストランドがひずみ下にある間に、弾性ストランドを不織布に結合するプロセスを伴う。波形は、ひずみが解放される又は他の方法で除去されると不織布中に形成される。
【0029】
ひずみは、複数の弾性ストランドの荷重下における長さ増加のパーセントとして測定される。例えば、自由状態で伸張可能なストランド長さ15cmを有するストランドは、15cmのストランド弾性体が18cm長さになるような荷重を受けることができる。この長さ増加3cmは、15cmの20%(3/15)すなわち20%ひずみである。第一のひずみは、約20%〜約500%、好ましくは約100%〜約400%、より好ましくは約150%〜約300%とすることができる。
【0030】
図1Aに示すように、ひずみを受けた弾性ストランド23を、通常は第一の接着剤28で、第一の結合面211に結合することができる。一旦結合すると、第一のひずみの少なくとも一部は、第一の不織布21と複数の弾性ストランド23の結合部分から除去可能となる。ひずみが除去されるにつれて、複数の弾性ストランドは、元のひずみ前の長さ231に向かって収縮する。この収縮が、観察される第一の不織布の波形化を引き起し、伸張性の不織布を作り出す。結合された弾性ストランド23と第一の不織布21(第二の不織布と結合される前)は、本明細書において、中間積層体と呼ばれる。
【0031】
ライブストレッチの結果として、弾性体が第一の不織布を第一の機械方向に共に引き寄せてより短いがより稠密化した不織布を作り出すので、第一の不織布は、波形化の後では坪量及び不透明度が増加する。第一の不織布の坪量は、波形化すると、約15%〜約400%の範囲で増加して、約12gsm〜約100gsmの範囲の波形化坪量を有する波形化した第一の不織布という結果になる。好ましくは、第一の不織布の波形化坪量は、約12gsm〜約50gsmの範囲である。
【0032】
図1Aに示されるように、第一の不織布21は、y軸方向に対応する第一の機械方向213と、x軸方向に対応する第一の横断方向214とを有する。第二の不織布22は、x軸方向に対応する第二の機械方向223と、y軸方向に対応する第二の横断方向224とを有する。ストランド弾性体の長さ231は、第一の機械方向213へ延びて、第二の横断方向端部225が、第二の横断方向224において相互に対向して位置する。
【0033】
第一の不織布21と第二の不織布22は、第一の不織布21の第一の機械方向213が、第二の不織布22の第二の機械方向223にほぼ垂直であって、ストランド弾性体の長さ231にほぼ並行であるような、相互に関する向きとすることができる。繊維が通常は機械方向に向くので、繊維間の空間が見通し線を作り出し、これは、機械方向が平行な不織布からなる積層体を通してさえ見えることがある。機械方向が垂直な不織布からなる積層体を形成することによって繊維方向を交差させると、積層体を通す可視性が低下し、これにより不透明度が強化される。
【0034】
参照した垂直方向はおおよそであって、第二の不織布の第二の機械方向223に対する第一の不織布の第一の機械方向213の約±5度〜約±15度の範囲の小さな変動は、向きに関連する効果に著しい影響を及ぼさない。
【0035】
第二の不織布は、弾性ストランド及び/又は第一の不織布(中間積層体)に結合された後で第二の横断方向に機械的に活性化されて、第二の横断方向に延伸性となる。機械的活性化とは、不織布がその表面に沿う方向に伸張されて、不織布内の繊維が部分的に真直化されることによりその方向に容易に拡大可能になるように、不織布内の不織布繊維が破断及び/又は伸張される方法を指す。
【0036】
第二の不織布は、機械的活性化にかけられる時、隣接リングロール歯間で「引っ張られる」及び伸張されるので、通常は密度が局所的に低下する。繊維の破断及び伸張は、不織布の坪量を著しく低下させることがある。実際、第二の不織布の坪量は、機械的活性化の結果として、4倍(four fold)以上低下することがある。第一の不織布はライブストレッチの結果として共に引っ張られる又は波形化しているので、機械的活性化は、第一の不織布の密度には最小限の影響しか及ぼさない。
【0037】
一実施形態では、第一の不織布に付着された複数の弾性ストランドは、第二の不織布と結合する前に第二のひずみをかけられて、第二のひずみが解放されると、第二の不織布に伸張性をもたらすことができる。この実施形態の場合、第二のひずみは通常、引き続く積層体の機械的活性化が第一の不織布ではなく第二の不織布の変形という結果になるように、第一のひずみ未満である。別の方法としては、第二の不織布は、弾性ストランドとの結合前に機械的に活性化されてもよい。例えば、第二の不織布が機械的に活性化されて、機械的活性化された第二の不織布に複数の弾性ストランドが結合される時に、第二のひずみが、複数の弾性ストランドにかけられてもよい。
【0038】
本発明のエラストマー性不織布積層体は、幾つかの好ましい性能特性を有し、その組み合わせも又、本発明独自であり得る。例えば、エラストマー性不織布積層体は、不透明度、伸張性、及び力の壁の好ましい組み合わせを有することができ、これらにより、使い捨て流体取扱い物品中の使用に特に望ましいものになる。
【0039】
不透明度は、材料を通る光の透過の抑制であり、及び材料の見通し性と呼ばれることが多い。不透明度が大きければ大きい程、材料を通る光の透過は少なくなる。光の透過は、ASTM−D2244−85、又はPCT国際公開特許WO01/49230(ジョーダン(Jordan)ら、2001年7月12日公開)の試験方法に従って測定することができる。
【0040】
本発明は、ひずみ下のエラストマー性不織布積層体の不透明度を改善するように設計されている。より高い不透明度が望ましいのは、多数の消費者が不透明度を厚さ及び品質と同等視しがちであるからである。不織布中のフィラメント(繊維)は、機械方向に向いて横断方向繊維間に空間を有する傾向がある。横断方向繊維間の空間を通して光が透過することができるので、不織布の不透明度は、空間を最小限にすることにより増加される。
【0041】
先に説明したように、第二の不織布の第二の横断方向への機械的活性化により、第二の不織布が第二の横断方向へ伸張されて、少なくとも部分的に横断方向に向く繊維を引き離し(破断し)、一方、機械方向に向く繊維間の空間を増加させる。結果として、機械的活性化は、第二の不織布の密度と透明度を低下させる。
【0042】
対照的に、ライブストレッチにより、複数の弾性ストランドが、第一の不織布を第一の機械方向へ共に引っ張って、波形を有するより短いがより稠密な不織布を形成する。結果として、波形化した第二の不織布は、密度と不透明度が増加する。その結果、波形化した第一の不織布を機械的に活性化した第二の不織布と結合することにより、第一の不織布の不透明度の増加が、第二の不織布が受けた不透明度の低下を補う。また、先に説明したように、第一及び第二の不織布の機械方向を垂直に向けることにより、積層体の不透明度を更に増強することができる。
【0043】
第一の不織布に作り出された波形は、積層体の不透明度を増強するのに加えて、エラストマー性不織布積層体中に望ましい力の壁をもたらす。図2は、ヒステリシスグラフ500を示す。グラフ500は、x軸とy軸を有する。X軸はひずみパーセントであり、Y軸は力である。エラストマー性不織布積層体に力がかけられる時、結果として得られるひずみは、一般に力の増加と共に増加して、ついには力の壁AAに到達する。図2に示されるように、力の壁AAは、X軸上の点Aと点Dの間の領域で生じる。力の壁AAは、ひずみを10%増加させるのに必要な力が少なくとも約20%増加する時に生じる。点Bは、エラストマー性不織布積層体への力の荷重中にかけられるピーク力である。初期の力負荷の間には、力ひずみ曲線は、概ね第一の線L1の点Oと点Bの間を追従する。力除去の間には、力ひずみ曲線は、概ね第二の線L2の点Bと点Cの間を追従する。力を除去しても、エラストマー性不織布積層体は、その当初の長さに完全には戻らないことがある。結果として、点Cは、点Oと一致することもしないこともある。当初の点Oと点Cの間の距離は、材料のセット又は簡単に「セット」と呼ばれる。好ましくは、使用中のエラストマー性不織布積層体上の最大目標ひずみは、点Aと点Dの間で生じる。エラストマー性不織布積層体が2回目の荷重をかけられる時、最初の荷重で作り出されたと同じ曲線を追従することもしないこともある。エラストマー性不織布積層体の次の力負荷サイクルにおいて所与のひずみ値を達成するのに必要な力は、通常はより小さい。
【0044】
エラストマー性不織布積層体の主機能は、伸縮性があることである。好ましくは、エラストマー性不織布積層体は、力の壁に到達する前に少なくとも50%ひずみ可能である。好ましくは、エラストマー性不織布積層体は、力の壁に到達する前に少なくとも100%ひずみ可能である。より好ましくは、エラストマー性不織布積層体は、力の壁に到達する前に少なくとも200%ひずみ可能である。設計選定とエラストマー性不織布積層体の特定の適用に従って、力の壁は、50%を超える、100%、200%、又は250%を超えるひずみで到達とすることができる。
【0045】
第一の不織布21及び第二の不織布22は、当技術分野において既知のいかなる不織布材料を含んでもよい。第一の不織布及び第二の不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリアミド、又はそのような材料の組み合わせで作製された繊維を含んでもよい。1つの材料の繊維又は異なる材料若しくは材料の組み合わせの繊維を、第一及び/又は第二の不織布に使用してもよい。
【0046】
当技術分野において既知のいかなるプロセスをも使用して、第一の不織布及び/又は第二の不織布を作製することができる。代表的なプロセスとして、スパンボンド、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)、スパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンド(SMMS)、カード加工などが挙げられる。特に受容可能な不織布には、高伸びカード加工(HEC)不織布と深活性化ポリプロピレン(DAPP)不織布とが含まれる。メルトブローン不織布は、第二の不織布として使用可能であるが、好ましくはない。メルトブローン不織布は、他のプロセスにより作製された不織布ほど良く機械的に活性化されない。しかしながら、第一の不織布は活性化されずにライブストレッチを使用するので、メルトブローン不織布は、第一の不織布としてうまく作用することができる。
【0047】
第一の不織布及び第二の不織布は、内部的に結合した繊維を含んでもよく、これらとして、ニードルパンチされた繊維、水流交絡された繊維、スパンボンドされた繊維、熱接着された繊維、レイテックス(laytex)接着や粉体接着などの様々なタイプの化学接着による結合繊維などが挙げられる。好ましくは、第一の不織布及び/又は第二の不織布の坪量は、約10gsm〜約40gsmの範囲内である。より好ましくは、第一の不織布の坪量は、約10gsm〜約20gsmの範囲内であり、第二の不織布の坪量は、約20gsm〜約60gsmの範囲内である。
【0048】
第一の不織布及び/又は第二の不織布は、2層以上の不織布材料を含んでもよい。例えば、第一の不織布は、別の不織布に接着結合された不織布を含んで、次にこれが複数の弾性ストランドに結合されてもよい。同様に、第二の不織布は、別の不織布に接着結合された不織布を含み、これらの組み合わせが中間積層体に結合されて、次に活性化されてもよい。
【0049】
弾性ストランド23は、好ましくは、第一の不織布21と第二の不織布22との間を概ね平行な間隔の関係で延びる。しかしながら、弾性ストランド23は、いかなる所望の形状に配置されてもよい。例えば、ストランドは、個々のストランドの厚さ又はそれらの間の空間を変化させることにより、エラストマー性不織布積層体に特定の力プロファイルをもたらすように配置されてもよい。更に、弾性ストランド23は、第一及び第二の不織布の第一及び第二の機械方向に対して斜めに又はある角度に向けられて、多方向伸張性を有するエラストマー性不織布積層体を提供してもよい。例えば、ストランドは、第一と第二の不織布の間で向きを付けられて結合されてもよく、並びに次に、第二の不織布が第二の機械方向及び第二の横断方向両方に機械的に活性化されて、エラストマー性不織布積層体の機械方向及び横断方向両方に伸張特性をもたらしてもよい。
【0050】
加えて、弾性ストランドの形状には制限がない。例えば、典型的な弾性ストランドは円形断面形状であるが、時には、複数の弾性ストランドは、3葉(tri-lobal)形、又は平らな(すなわち「リボン」状)形状などの異なる形状を有することがある。更に、弾性ストランドの厚さ又は直径は、特定の用途に適応するために変化することができる。
【0051】
複数の弾性ストランドは、好ましくは、弾力的に弾性の熱可塑性材料で作製される。弾性ストランドは、金型を通して押し出されて所望のストランド弾性体の直径及び/又は形状を達成する、液体の弾性体から作製することができる。弾性ストランドは、好ましくは、約0.15mm〜約0.5mmの間の範囲の直径と、約600kg/m〜約1250kg/mの範囲の密度とを有する、スチレンブロックコポリマー、ポリウレタン、又はラテックスゴムである。
【0052】
第一の不織布と第二の不織布と複数の弾性ストランドは、当技術分野において既知のいかなる結合手段によって結合されてもよい。好適な結合手段及び/又は結合方法の幾つかの例として、接着剤、粘着剤、熱接着、圧力接着、機械的結合、超音波接着、及び/又はそのような材料のいずれかの既知の結合方法のいずれかの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本発明によるエラストマー性不織布積層体は、図3に示される方法及び装置の使用により生産可能である。示されるように、ストランド弾性体供給源300から供給される複数の弾性ストランド23が、第一の速度V1のコンベアー304によって速度V3で回転している対のローラ340へ搬送される。図3に示されるストランド弾性体供給源300は、液体弾性体を任意の計量ポンプ302へ、及び次に押し出し金型303へ押し出す、押出成形機301を含んでもよい。計量ポンプ302は、温度変化やプロセス変動などを経る弾性体の流れを計量及び制御する。液体弾性体のストランドは、押し出し金型303を通ってコンベアー304上へ出る。コンベアー304は、複数の弾性ストランド23が第一の不織布21に結合する前に冷却して固化するように使用される。この方法により、弾性ストランド23の直径(又は他の断面形状)を容易に変化させることができる。この変化は、押出成形機301内の圧力の変化により、及び/又は計量ポンプ302の速度の変化により達成することができる。一実施形態では、押出成形機は、ある速度で運転される押出しスクリューを含む。押出しスクリューの速度及び/又は型を変化させると、押出成形機の圧力を変化させることができる。また、押出し金型303は、溶融熱可塑性材料のストランドが通って押出される、交換可能な金型プレートを含むことができる。別の方法としては、ストランド弾性体供給源300は、弾性ストランドのコンテナ(例えば箱)又は弾性ストランドのロールなどの、予め作製された弾性ストランドの供給源であってもよい。
【0054】
供給源320から供給される第一の不織布は、第二の速度V2で対のローラ340へ搬送される。図3に示される第一の不織布供給源320は、不織布の連続作製機又は予め作製された不織布のロールを含んでもよい。例えば、第一の不織布供給源320は、必要に応じて巻き戻されるように配置されたロール上の予め作製された不織布であってもよい。別の方法としては、第一の不織布供給源320は、不織布の生産に普通に使用されるいずれかの好適な市販機械設備を使用する、連続作製供給源を含んでもよい。
【0055】
第一の接着剤が、対のローラ340のニップ341の上流に配置された接着剤供給源から、第一の不織布21の第一の結合面211へ塗布される。複数の弾性ストランド23が、コンベアー304からニップ341へ第一の速度V1で供給される。第一の不織布21が、第一の不織布供給源320からニップ341へ第二の速度V2で供給され、接着剤をコーティングされた第一の結合面211が、複数の弾性ストランド23に接触してこれを第一の不織布21に結合させると共に中間積層体24を形成するようになっている。
【0056】
図3の装置30の運転の間、第一の不織布の第二の速度V2は、複数の弾性ストランド23の第一の速度V1より速い。ニップ341において、弾性ストランドの第一の速度V1と第一の不織布の速度V2の間の速度差のために第一の機械方向213へ伸ばされる結果として、第一のひずみが、弾性ストランド23上に作り出される。対のローラ340が回転して、第二の速度V2にほぼ等しい表面速度V3を作り出す。第一の速度V1と第二の速度V2の間の速度差が大きければ大きい程、結果として得られる第一のひずみはより大きくなる。本発明の場合、速度差によって、約20%〜約500%の範囲の第一のひずみが、複数の弾性ストランド23上に作り出される。
【0057】
中間積層体24が、ニップ341からアンビルドラム350へ進行する。アンビル350は、回転線速度V4を有し、及び中間積層体24をアンビル表面251上の適所に保持するように設計されている。中間積層体24をアンビルドラム表面251上の適所に保持するための一手段として、アンビルドラム350内のアンビルドラム部分真空によるものがある。アンビルドラム表面251は、アンビル穿孔352の配列を含んで真空をアンビルドラム表面251上に提供し、これが第一の不織布21をアンビルドラム表面251に対して密に引っ張ってもよい。アンビルドラム350は、1つ又は幾つかの別個の部品及び構成要素を含んでもよい。それぞれの構成要素が、製造プロセス中に必要に応じて、局所真空を保持及び解放してもよい。
【0058】
アンビルドラム250は、中間積層体24が第一の切断手段370により切断された後でさえも、中間積層体24の複数の弾性ストランド23上に第二のひずみを作り出して保持することが可能である。アンビルドラム真空は、第一の不織布の少なくとも一部の移動を妨害し、これにより、複数の弾性ストランドが完全に収縮して第二のひずみを解放することを阻止される。第二のひずみは、第一の速度V1と第三の速度V3と回転する時のアンビル速度V4の間の差により決定される。これは又、真空の強さにも依存する。第二のひずみは、一般に第一のひずみより小さい。第二のひずみは、好ましくは、約2%〜約150%である。
【0059】
第一の切断機370が、中間積層体24を切断点25においてほぼ第一の横断方向214に切断する(図4に示す)。第一の切断機370は、当技術分野において既知のいかなる切断手段であってもよい。代表的な切断手段として、ブレード、超音波、ウォータージェット、熱(溶融)などが挙げられる。
【0060】
任意の第二の接着剤29が、中間積層体24を形成する第一の結合面211/弾性ストランド23に、第二の接着剤供給源360から塗布されてもよい。第二の接着剤塗布機360は、図3では第一の切断機370の前に配置されて示されるが、別の方法としては第一の切断機370の後であってトランスファープレス381の前に配置されてもよい。
【0061】
図3に示されるように、第二の不織布供給源380から供給される第二の不織布22は、米国特許第5,693,165号(シュミッツ(Schmitz)、1997年12月2日発行)に記載されるフェスツーン装置480を介して、トランスファープレス381へ向けて第二の機械方向223に搬送される。フェスツーン装置480は、プロセス速度V5で走行している連続不織布(例えば、第二の不織布22)が休止することを可能にする回転速度及び/又は並進速度を有するローラ481の配置である。
【0062】
中間積層体24が、アンビルドラム350上でトランスファープレス381の下の適所に回転される。トランスファープレス381は、中間積層体24を第二の不織布22と結合するための手段を提供するものであり、コンバーティング設備の一部であってもよい。図4に示されるように、プレス381は、フェスツーン装置480により休止された第二の不織布22を、切断後の中間積層体24の上に押し下げる。プレス381がアンビルから離れて上がる時、中間積層体24の切断片が、付着した第二の不織布22と共にアンビル表面251から持ち上げられて、図4に示される機械的活性化源390へ進行する。
【0063】
機械的活性化源390は、リングロール又は他の噛み合い歯配置を含む当技術分野において既知のいかなる手段を含んでもよい。機械的活性化は又、米国特許出願番号09/854,009(グリア(Greer)、2001年5月11日出願)に開示されるような、超音波活性化と組み合わされてもよい。代替実施形態では、第二の不織布22が機械的活性化源390に向って第二の横断方向224へ引き寄せられるのを防止するために、第二の不織布22の第二の対向する横断方向端部225が適所に固定される。これによって、第二の不織布上の第二の横断方向224のひずみが増加し、不織布積層体20の第二の横断方向224への伸張性が増加するという結果が得られる。更に、別の実施形態では、第二の不織布22は、中間積層体24との結合前に機械的活性化手段により機械的に活性化されてもよく、これは、活性化された第二の不織布22に結合する前の中間積層体24にひずみを予め付与することを含む場合がある。
【0064】
第二の不織布22が中間積層体24と結合されると、第二の不織布22は、機械的に活性化されて、次に使い捨ておむつのシャーシなどの物品に組み込まれてもよい。例えば、エラストマー性不織布積層体は、使い捨ておむつの伸び可能なサイドパネルを形成するようにされてもよい。
【0065】
別の方法としては、第二の不織布22が中間積層体24に結合されて不織布積層体を形成し、これが次に第三の不織布に、第二の不織布の外面が第三の不織布の結合面に結合されることにより結合されて、不織布三重積層体を形成してもよい。第二及び第三の不織布は、機械的に活性化されて、エラストマー性の不織布三重積層体を形成する。第三の不織布は、おむつなどの吸収性物品のバックシートを含んでもよく、中間積層体の追加並びに引き続く第二及び第三の不織布の機械的活性化が、エラストマー性の不織布バックシートを作り出す。
【0066】
代替方法では、エラストマー性不織布積層体は、ロール上に集積されて、将来の消費のために貯蔵されてもよい。そのような方法が図5に示される。示されるように、ストランド弾性体供給源1300から供給される複数の弾性ストランド23が、第一の速度V1のコンベアー1304により、回転して表面速度V3を提供する対のローラ1340へ搬送される。供給源1320から供給される第一の不織布21は、第二の速度V2で対のローラ1340へ搬送される。第二の速度V2は、第三の速度V3にほぼ等しく、その両方とも、第一の速度V1より速い。第一の接着剤128が、対のローラ1340のニップ1341の上流に配置された接着剤供給源1330から、第一の不織布21の第一の結合面1211へ塗布される。複数の弾性ストランド23が、コンベアー1304からニップ1341へ第一の速度V1で供給される。第一の不織布21が、第一の不織布供給源1320からニップ1341へ第二の速度V2で供給されて、接着剤をコーティングされた第一の結合面1211が、複数の弾性ストランド23に接触してこれを第一の不織布21に結合させ、及び中間積層体24に形成するようになっている。第一の不織布21と複数の弾性ストランド23の間の速度差の結果として、第一のひずみが、複数の弾性ストランド上に付与される。
【0067】
中間積層体24は、減速した速度でニップ1341から第二の対のローラ2340へ進み、複数の弾性ストランド上に付与された第一のひずみを少なくとも部分的に弛緩させて、中間積層体24に波形を形成する。供給源2320から供給された第二の不織布22は、第一の速度V1より僅かに速い第三の速度V3で対のローラ2340へ搬送される。好ましくは、第三の速度V3は、第一の速度V1より10%速い。中間積層体24及び第二の不織布22は、ニップ2341の中を通過して、第二の不織布22を中間積層体24に結合する。ニップ2341を出る時には、積層体は、第二の不織布22による抑制の結果としてエラストマー性ではない。積層体は、好ましくは、エラストマー性積層体がその弾性の一部を失い得るクリープを積層体が貯蔵中に経験するのを低減するために、エラストマー性ではない状態でロール上に集積される。積層体は、後に、その積層体を利用するコンバーティング設備で第二の不織布を機械的に活性化されることにより、エラストマー性にされる。別の方法としては、積層体は、ニップ2341から機械的活性化源(図示せず)へ進められて、将来の使用のためにロール2350上に集積の前に、第二の不織布22を機械的に活性化されることも可能である。
【0068】
図6に示されるプロセスに従う別の実施形態では、先に説明したものと類似ではあるが、エラストマー性不織布積層体は、3層の不織布を含む。この実施形態場合、第一の不織布21は、複数の弾性ストランドが第一のひずみ下にある間に、複数の弾性ストランド23を間に挟む向かい合わせの関係で第二の不織布27と結合される。第一及び第二の不織布21、27と、複数の弾性ストランド23とは、第一のひずみが解放されると、波形化したエラストマー性積層体26を形成する。波形化したエラストマー性積層体26は、ローラ3340の間を通り、ここで次に、ニップ3341において第三の不織布28に結合されて、三重積層体30を形成する。三重積層体30の第三の不織布28は、最終的には、複数の弾性ストランド23に平行な方向に機械的に活性化されて、エラストマー性不織布積層体を提供する。
【0069】
図6に示されるように、三重積層体30は、好ましくは、クリープを回避するために、第三の不織布を活性化する前にロール3350上に集積される。この実施形態の場合、第三の不織布28は、後に、コンバーティング設備においてコンバーティング操作の一部として機械的に活性化される。
【0070】
別の方法としては、波形化したエラストマー性積層体26は、将来の使用のためにロール上に集積されて、後に、コンバーティング操作の一部として第三の不織布28に結合されてもよい。例えば、第三の不織布28は、波形化した不織布に結合される前にある種の加工を受ける、使い捨ておむつのバックシートの一部を形成してもよい。結合されると、第三の不織布が機械的に活性化されて、伸張性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1A】エラストマー性不織布積層体の三次元分解図。
【図1B】zx平面をy方向に見る時の、エラストマー性不織布積層体の分解断面図。
【図1C】zy平面をx方向に見る時の、エラストマー性不織布積層体の別の分解断面図。
【図2】力の壁を有する、代表的なエラストマー性不織布積層体の力対ひずみのヒステリシス曲線の例。
【図3】不織布弾性体積層体を生産するためのオンライン積層装置の一部の簡略図。
【図4】不織布弾性体積層体を生産するためのオンライン積層装置の一部の別の方向から見る簡略図。
【図5】ロール上に集積される不織布積層体を生産するためのオンライン積層装置の一部の簡略図。
【図6】ロール上に集積される不織布三重積層体を生産するためのオンライン積層装置の一部の簡略図。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー性不織布積層体であって:
a)第一の結合面及び第一の機械方向を有する第一の不織布と、
b)前記第一の不織布の前記第一の機械方向に延び及び前記第一の結合面に付着されて中間積層体を形成する複数の弾性ストランドであって、前記複数の弾性ストランドは前記弾性ストランドの長さに沿う第一のひずみ下にあり、前記第一のひずみが解放されると前記第一の不織布に波形を形成して前記中間積層体を前記第一の機械方向に伸張可能にするものである、複数の弾性ストランドと、
c)第二の結合面、第二の機械方向、及び第二の横断方向を有する第二の不織布であって、前記第二の結合面は、前記第一のひずみが前記弾性ストランドから解放された時に、前記弾性ストランド及び前記第一の不織布の前記第一の結合面の一部に付着されて不織布積層体を形成し、前記第二の不織布が、機械的に活性化されて、前記第二の不織布を前記中間積層体と共に伸張可能にする、第二の不織布とを含むエラストマー性不織布積層体。
【請求項2】
前記エラストマー性不織布積層体が、力の壁に到達する前に前記第一の機械方向に少なくとも約50%の伸張性を有する、好ましくは力の壁に到達する前に前記第一の機械方向に少なくとも約100%の伸張性を有する、請求項1に記載のエラストマー性不織布積層体。
【請求項3】
前記弾性ストランド、前記第一の不織布の前記第一の結合面、及び前記第二の不織布の前記第二の結合面が、接着剤、超音波接着、熱接着、圧力接着、又はこれらの組み合わせにより付着される、請求項1に記載のエラストマー性不織布積層体。
【請求項4】
前記複数の弾性ストランド上の前記ストランド弾性体の長さに沿う前記第一のひずみが、約20%〜約500%の範囲である、請求項1に記載のエラストマー性不織布積層体。
【請求項5】
前記第二の不織布の前記第二の機械方向が、前記第一の不織布の前記第一の機械方向にほぼ垂直であり、それにより前記第二の不織布が、前記第二の横断方向に機械的に活性化されて、前記第二の不織布を前記第二の横断方向に伸張可能にする、請求項1に記載のエラストマー性不織布積層体。
【請求項6】
エラストマー性不織布積層体を製造するための方法であって、前記方法が:
a)第一の結合面、第一の機械方向、及び第一の横断方向を有する第一の不織布を提供する段階と、
b)それぞれのストランドがストランド弾性体長さを有する、複数の弾性ストランドを提供する段階と、
c)前記複数の弾性ストランドに、前記ストランド弾性体長さに沿って約20%〜約500%の第一のひずみを提供する段階と、
d)前記ひずみを付与された複数の弾性ストランドを前記第一の結合面の上に、前記ストランド弾性体長さを前記第一の機械方向にほぼ並行に長手方向に置く段階と、
e)前記複数の弾性ストランドの少なくとも一部を前記第一の結合面に結合して、中間積層体を形成する段階と、
f)前記第一のひずみの少なくとも一部を解放する段階と、
g)第二の結合面、第二の機械方向、及び第二の横断方向を有する第二の不織布を提供する段階と、
h)前記複数の弾性ストランドの少なくとも一部を前記第二の結合面に結合して、不織布積層体を形成する段階と、
i)少なくとも前記第二の不織布を機械的に活性化して、エラストマー性不織布積層体を提供する段階とを含む方法。
【請求項7】
前記中間積層体をアンビルドラム上に固定する段階を更に含み、前記アンビルドラムは、アンビル穿孔が配列されたアンビル表面を有し、前記中間積層体が、前記アンビル穿孔を通る少なくとも部分真空により前記アンビル表面に対して保持される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の弾性ストランドの少なくとも一部を前記第二の不織布の前記第二の結合面に結合する前に、前記中間積層体を前記第一の横断方向に切断する段階を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第二の機械方向が前記第一の機械方向にほぼ垂直であり、それにより前記第二の不織布が、前記第二の横断方向に機械的に活性化されて、前記第二の横断方向に前記第二の不織布の伸張性を提供する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第二の不織布が第二の対向する横断方向端部を有し、及び、前記方法が、前記第二の不織布を活性化している間に、少なくとも前記第二の不織布を前記第二の対向する横断方向端部で固定する段階を更に含む、請求項9に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−520701(P2006−520701A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518921(P2005−518921)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/009594
【国際公開番号】WO2004/087416
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】