説明

エレクトロルミネセンス素子

ピリジン化合物を含有する有機層を含むエレクトロルミネセンス素子に関する。ピリジン化合物は、耐久性のある青色発光の有機エレクトロルミネセンス層に適切な成分である。エレクトロルミネセンス素子は、フルカラーディスプレーパネル、例えば、携帯電話、テレビ受信機及びパーソナルコンピュータスクリーンで利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子、特に耐久性のある青色発色有機エレクトロルミネセンス層を含むEL素子に関する。有機エレクトロルミネセンス層は、特定のピリジン化合物を含む。
【0002】
本発明は、少なくとも1種の青色発光ピリジン化合物を含有する有機発光層を含むエレクトロルミネセンス素子を目的とする。
【0003】
A. Kurfuerst et al., Collect. Czech. Chem. Commun. 54 (1989) 462-472 は、下記式:
【0004】
【化45】

【0005】
のフォトルミネセンス2,4,6−トリアリールピリジン、
並びに下記式:
【0006】
【化46】

【0007】
の二量体ピリジンに関する。
【0008】
CS262586は、下記式:
【0009】
【化47】

【0010】
〔式中、Arは、下記式:
【0011】
【化48】

【0012】
である〕で示されるフォトルミネセンスピリジン化合物を開示する。
【0013】
EP−A−1,202,608は、正孔輸送層を構成する、下記式:
【0014】
【化49】

【0015】
〔式中、Rは下記式:
【0016】
【化50】

【0017】
であり、そしてXは、C又はNである〕で示されるカルバゾール化合物を含むEL素子を開示する。
【0018】
JP2002324678は、下記式:
【0019】
【化51】

【0020】
〔式中、
Ar11、Ar21及びAr31は、アリーレン基を示し、Ar12、Ar22及びAr32は、置換基又は水素を示し、ここで、Ar11、Ar21、Ar31、Ar12、Ar22及びAr32の少なくとも1つは、縮合環アリール構造であるか又は縮合環ヘテロアリール構造であるかのいずれかであり;Arは、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を示す〕で示される少なくとも1種の化合物を含む発光要素に関し;そして2つ以上の環を含む縮合環基を有する少なくとも1種のアミン誘導体を、発光層に含有している。Arがヘテロアリーレン基を示す上記式の化合物の例としては、下記の2つの化合物が明示されている:
【0021】
【化52】

【0022】
(ここで、Rは、下記式:
【0023】
【化53】

【0024】
の基である)。
【0025】
優れた発光特性及び耐久性を有する発光要素を提供することが、本発明の目的である。
【0026】
したがって、本発明は、陽極、陰極及びその間に挟まれている1つ又は複数の有機化合物層を含むエレクトロルミネセンス素子に関し、ここで前記有機化合物層は、下記式:
【0027】
【化54】

【0028】
〔式中、
基W、X及びYの少なくとも1つは、下記式:
【0029】
【化55】

【0030】
の基であるか、あるいは
基W、X及びYの少なくとも1つは、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル又はピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよく、
他の基は、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に下記式:
【0031】
【化56】

【0032】
の基であり、
ここで、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであるか;あるいは
11′及びR12、R12′及びR13、R15′及びR16、R16′及びR17、R44′及びR46並びに/又はR45′及びR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819>SiR1819、又は下記式:
【0033】
【化57】

【0034】
から選択される二価基L1であり、
ここで、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル;C1〜C18アルコキシ;C6〜C18アリール;C7〜C18アラルキルであり;
11及びR11′、R12及びR12′、R13及びR13′、R13′及びR14、R14及びR15、R15及びR15′、R16及びR16′、R17′及びR17、R41及びR41′、R42及びR42′、R42′及びR43、R41′及びR43、R44及びR44′、R45及びR45′、R46及びR46′、R47及びR47′、R46′及びR48並びに/又はR47′及びR48は、それぞれ下記式:
【0035】
【化58】

【0036】
の二価基であり、
ここで、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリールであり;
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071;C6〜C30アリール;又はGで置換されているC6〜C30アリール;C1〜C18アルキル;又はEで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキルであり、特に下記式:
【0037】
【化59】

【0038】
であり、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであり;
43及びR48は、互いに独立して、H、E;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071(ここでR70及びR71は、互いに独立して、Gで置換されていてもよいC6〜C18アリール基である);C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであるか、又は、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル若しくはピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよいか;あるいはR70及びR71は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成し、
Dは、−CO−;−COO−;−OCOO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR5−;−SiR1112−;−POR5−;−CR9=CR10−;又は−C≡C−であり;
Eは、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;又はハロゲン、特にF若しくはClであり;Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、ここで、R5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるか;あるいは
5及びR6は、一緒になって、5員又は6員環、特に下記式:
【0039】
【化60】

【0040】
を形成し;
7は、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
8は、C7〜C12アルキルアリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
9及びR10は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;そして
11及びR12は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるが;但し、Yが下記式:
【0041】
【化61】

【0042】
であり、X及びWが下記式:
【0043】
【化62】

【0044】
である;Yが下記式:
【0045】
【化63】

【0046】
であり、Xが、下記式:
【0047】
【化64】

【0048】
であり、Wが下記式:
【0049】
【化65】

【0050】
である;Y及びWが下記式:
【0051】
【化66】

【0052】
であり、Xが下記式:
【0053】
【化67】

【0054】
である;Wが下記式:
【0055】
【化68】

【0056】
であり、Xが、下記式:
【0057】
【化69】

【0058】
であり、Yが下記式:
【0059】
【化70】

【0060】
である式Iの化合物が除外される〕
で示されるピリジン化合物含む。
【0061】
一般に、1つ又は複数のピリジン化合物は、約520nm以下、特に約310nm〜約520nmで発光する。
【0062】
1つ又は複数のピリジン化合物は、好ましくは約(0.12、0.05)〜約(0.16、0.10)のNTSC座標、とりわけ約(0.14、0.08)のNTSC座標を有する。
【0063】
1つ又は複数のピジン化合物は、約150℃を超える、好ましくは約200℃を超える、最も好ましくは約250℃を超える融点を有する。
【0064】
適切なTg、すなわちガラス移転温度を有する本発明の有機層を得るため、本発明の有機化合物は、約150℃を超える、例えば約200℃を超える、例えば約250℃を超える、例えば約300℃を超える融点を有することが有益である。
【0065】
本発明のエレクトロルミネセンス素子は、そうでなければ、例えば米国特許第5,518,824号、同第6,225,467号、同第6,280,859、同第5,629,389号、同第5,486,406号、同第5,104,740号、同第5,116,708号及び同第6,057,048号(これらの関連する開示部分は、参照として本明細書に組み込まれる)に記載されているように、当該技術で既知のように設計される。
例えば、有機EL素子は、基板;ベース電極;正孔注入層;正孔輸送層;発光層;電子輸送層;電子注入層;トップ電極;接触及び封止のような1つ以上の層を含有する。
この構造は、一般的な場合であり、追加の層を有してもよく、又は1つの層が複数のタスクを行うように層を除いて簡素化してもよい。例えば、最も簡素な有機EL素子は、発光の機能を含む全ての機能を行う有機層を挟む2つの電極から構成される。
【0066】
好ましいEL素子は、この順番で、
(a)陽極、
(b)正孔注入層及び/又は正孔輸送層、
(c)発光層、
(d)場合により電子輸送層、及び
(e)陰極
を含む。
【0067】
特に本発明の有機化合物は光エミッターとして機能し、発光層の中に含有されるか、又は発光層を形成する。
本発明の発光化合物は、固体状態で強い蛍光を示し、優れた電界適用発光特性を有する。更に本発明の発光化合物は、金属電極からの正孔の注入及び正孔の輸送に優れており、並びに金属電極からの電子の注入及び電子の輸送に優れている。これらは発光物質として有効に使用され、他の正孔輸送物質、他の電子輸送物質又は他のドーパントと組み合わせて使用してもよい。
【0068】
本発明の有機化合物は、均一な薄膜を形成する。したがって発光層を本発明の有機化合物のみで形成してもよい。
あるいは、発光層は、必要に応じて既知の発光物質、既知のドーパント、既知の正孔輸送物質又は既知の電子輸送物質を含有してもよい。有機EL素子において、消光により引き起こされる輝度及び寿命の低下は、多層構造で形成することによって防止できる。発光物質、ドーパント、正孔注入物質及び電子注入物質は、必要に応じて組み合わせて使用することができる。更に、ドーパントは、発光輝度及び発光効率を改善し、赤色又は青色発光を付与できる。更に、正孔輸送領域、発光層及び電子輸送領域は、それぞれ、少なくとも2つの層の層構造を有することができる。この場合、正孔輸送領域では、電極からの正孔が注入される層は、「正孔注入層」と呼ばれ、正孔注入層から正孔を受け取り、正孔を発光層へ輸送する層は、「正孔輸送層」と呼ばれる。電子輸送領域では、電極からの電子が注入される層は、「電子注入層」と呼ばれ、電子注入層から電子を受け取り、電子を発光層へ輸送する層は、「電子輸送層」と呼ばれる。これらの層は、物質のエネルギーレベル及び耐熱性、並びに有機層又は金属電極への付着性のような要因に応じて選択され、使用される。
本発明の有機化合物と一緒に発光層で使用してもよい発光物質又はドーパントには、例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタオペリレン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾオキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン、及び色素レーザー又は漂白用の蛍光色素が含まれる。
発光層で使用できる本発明のピリジン化合物及び1個又は複数の上記化合物は、発光層を形成する任意の混合比率で使用することができる。すなわち、本発明の有機化合物は、上記化合物と本発明の有機化合物のと組み合わせに応じて、発光層を形成する主要成分を提供することができるか、又は別の主要物質のドーピング物質であることもできる。
正孔注入物質は、正孔を輸送することができ、陽極から正孔を受け取ることができ、発光層又は発光物質へ正孔を注入する優れた効果を有し、発光層で発生した励起子の電子注入領域又は電子注入物質への移動を防止し、そして薄膜を形成する優れた能力を有する化合物から選択される。適切な正孔注入物質には、例えば、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン、これらの誘導体、並びにポリビニルカルバゾール、ポリシラン及び導電性ポリマーのようなポリマー物質が含まれる。
本発明の有機EL素子において、より有効な正孔注入物質は、芳香族第三級アミン誘導体又はフタロシアニン誘導体である。特に限定されるものではないが、第三級アミン誘導体の特定の例には、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テトラ(4−メチルフェニル)−1,1′−フェニル−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テトラ(4−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(1−ナフチル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N′−ジ(メチルフェニル)−N,N′−ジ(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、及びこれらの芳香族第三級アミン構造を有するオリゴマー又はポリマーが含まれる。
特に限定されるものではないが、フタロシアニン(Pc)誘導体の特定の例には、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、ClSiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc及びGaPc−O−GaPc.のようなフタロシアニン誘導体又はナフタロシアニン誘導体が含まれる。
正孔輸送層は、素子の駆動電圧を低下することができ、ピリジン発光層中で注入された電荷再結合の閉じ込めを改善することができる。正孔注入層について記載された従来の任意の適切な芳香族アミン正孔輸送物質を、この層を形成するために選択することができる。
【0069】
正孔輸送物質の好ましい種類は、下記式:
【0070】
【化71】

【0071】
〔式中、R61及びR62は、水素原子又はC1〜C3アルキル基であり;R63〜R66は、水素、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、C6〜C30アリール基などからなる群より独立して選択される置換基である〕で示される4,4′−ビス(9−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル化合物から構成される。4,4′−ビス(9−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル化合物の例示には、4,4′−ビス(9−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル及び4,4′−ビス(3−メチル−9−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニルなどが含まれる。電子輸送層は、本発明の素子に必ずしも必要ではないが、EL素子の電子注入特性及び発光の均一性を改善するという主要目的で場合により、好ましく使用される。この層で利用できる電子輸送化合物の例示には、米国特許第4,539,507号、同第5,151,629号及び同第5,150,006号(これらの開示は全体として本明細書に参照として組み込まれる)で開示されている8−ヒドロキシキノリンの金属キレート化合物が含まれる。
特に限定されるものではないが、金属錯体化合物の特定の例には、リチウム8−ヒドロキシキノリネート、亜鉛ビス(8−ヒドロキシキノリネート)、銅ビス(8−ヒドロキシキノリネート)、マンガンビス(8−ヒドロキシキノリネート)、アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノリネート)、アルミニウムトリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリネート)、ガリウムトリス(8−ヒドロキシキノリネート)、ベリリウムビス(10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリネート)、亜鉛ビス(10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリネート)、クロロガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(o−クレゾレート)、アルミニウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(1−ナフトレート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(2−ナフトレート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)フェノレート、亜鉛ビス(o−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノレート)、亜鉛ビス(o−(2−ベンゾチアゾリル)フェノレート)及び亜鉛ビス(o−(2−ベンゾトリアゾリル)フェノレート)が含まれる。窒素含有5員誘導体は、好ましくはオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール又はトリアゾール誘導体である。特に限定されるものではないが、上記の窒素含有5員誘導体の特定の例には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、1,4−ビス(2−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリル)ベンゼン、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス〔2−(5−フェニルオキサジアゾリル)〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン〕、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス〔2−(5−フェニルチアゾリル)〕ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール及び1,4−ビス〔2−(5−フェニルトリアゾリル)〕ベンゼンが含まれる。別の種類の電子輸送物質は、ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキアジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト〕リチウム;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔5−(p−tert−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔5−(p−tert−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(3−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔5−(4−クロロフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−α−(2−ヒドロキシナフチル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(2−チオフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラト〕亜鉛;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラト〕ベリリウム;ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラト〕亜鉛;及びビス〔2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラト〕ベリリウムなどのようなオキサジアゾール金属キレート化合物である。
本発明の有機EL素子において、発光層は、本発明の発光有機物質に加えて、少なくとも1つの他の発光物質、他のドーパント、他の正孔注入物質及び他の電子注入物質を含有してもよい。温度、湿度及び周囲環境に対する安定性において本発明の有機EL素子を改善するために、保護層を素子の表面に形成するか、又は素子全体をシリコーン油などで密封してもよい。有機EL素子の陽極に使用される電気伝導性の物質は、4eVを超える仕事関数を有する物質から適切に選択される。電気伝導性の物質には、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム、これらの合金、ITO基板又はNESA基板に使用される酸化スズ及び酸化インジウムのような金属酸化物、並びにポリチオフェン及びポリピロールのような有機導電性ポリマーが含まれる。
陰極に使用される電気伝導性の物質は、4eVより小さい仕事関数を有する物質から適切に選択される。電気伝導性の物質には、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム及びこれらの合金であるが、電気伝導性の物質はこれらに限定されるものではない。合金の例には、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム及びリチウム/アルミニウムが含まれるが、合金はこれらに限定されるものではない。陽極及び陰極は、それぞれ、必要に応じて2層以上で形成される層構造を有することができる。
有機EL素子の有効な発光のため、少なくとも1つの電極は、望ましくは、素子の発光波長領域で実質的に透明である。更に基板も望ましくは透明である。透明電極は、所定の光透過率が確保されるように、付着法又はスパッタリング法により上記の電気伝導性の物質から製造される。発光表面側の電極は、例えば、少なくとも10%の光透過率を有する。基板は、適切な機械的強度及び熱強度を有し、透明性を有する限り特に限定されない。例えば、ガラス基板、並びにポリエチレン基板、ポリエチレンテレフタレート基板、ポリエーテルスルホン基板及びポリプロピレン基板のような透明な樹脂の基板から選択される。
本発明の有機EL素子において、それぞれの層は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法及びイオンプレーティング法のような乾式皮膜形成法、並びにスピンコート法、浸漬法及び流し塗法のような湿式皮膜形成法のいずれか1つにより形成できる。それぞれの層の厚さは特に限定されていないが、それぞれの層は、適切な厚さを有することが求められる。層厚が大きすぎると、非能率的に、高い圧力が所定の発光を達成するために必要となる。層厚が小さすぎると、層は、ピンホールなどを有する傾向があり、電界が印加されたときに十分なな発光輝度を得ることが困難になる。それぞれに層の厚さは、例えば、約5nm〜約10μm、例えば約10nm〜約0.2μmの範囲である。
湿式皮膜形成法において、意図される層を形成する物質は、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン及びジオキサンのような適切な溶媒に溶解又は分散され、薄膜は、溶液又は分散液から形成される。溶媒は、上記の溶媒に限定されるものではない。被膜形成性を改善し、どの層でもピンホールの発生を防止するために、層を形成する上記溶液又は分散液は、適切な樹脂及び適切な添加剤を含有することができる。使用できる樹脂には、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート及びセルロース、これらのコポリマーのような絶縁性樹脂、ポリ−N−ビニルカルボゾール及びポリシランのような光伝導性樹脂、並びにポリチオフェン及びポリピロールのような導電性ポリマーが含まれる。上記の添加剤には、酸化防止剤、UV吸収剤及び可塑剤が含まれる。
本発明の発光有機物質が有機EL素子の発光層に使用される場合、有機EL素子は、発光効率及び最大発光輝度のような有機EL素子特性が改善されうる。
【0072】
更に、本発明の有機EL素子は、熱及び電流に対して極めて安定し、低作動電圧で使用可能な発光輝度を与える。従来の素子で問題となる劣化を著しく低減することができる。
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビセット(an on-wall television1 set)のフラットパネル・ディスプレー、平面発光装置、コピー機又はプリンターの光源、液晶ディスプレー又はカウンターの光源、掲示板ディスプレー及び信号灯に適用されるため、重要な産業的価値を有する。
【0073】
本発明の物質は、有機EL素子、電子写真受光器、光電変換器、太陽電池、イメージセンサ、色素レーザーなどの分野で使用することができる。
【0074】
式Iのピリジン化合物は新規である。したがって、本発明の更なる主題は、下記式:
【0075】
【化72】

【0076】
〔式中、
基W、X及びYの少なくとも1つは、下記式:
【0077】
【化73】

【0078】
の基であるか、あるいは
基W、X及びYの少なくとも1つは、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル又はピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよく、
他の基は、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に下記式:
【0079】
【化74】

【0080】
の基であり、
ここで、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであるか;あるいは
11′及びR12、R12′及びR13、R15′及びR16、R16′及びR17、R44′及びR46並びに/又はR45′及びR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819、>SiR1819、又は下記式:
【0081】
【化75】

【0082】
から選択される二価基L1であり、
ここで、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル;C1〜C18アルコキシ;C6〜C18アリール;C7〜C18アラルキルであり;
11及びR11′、R12及びR12′、R13及びR13′、R13′及びR14、R14及びR15、R15及びR15′、R16及びR16′、R17′及びR17、R41及びR41′、R42及びR42′、R42′及びR43、R41′及びR43、R44及びR44′、R45及びR45′、R46及びR46′、R47及びR47′、R46′及びR48並びに/又はR47′及びR48は、それぞれ下記式:
【0083】
【化76】

【0084】
の二価基であり、
ここで、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリールであり;
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071;C6〜C30アリール;又はGで置換されているC6〜C30アリール;C1〜C18アルキル;又はEで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキルであり、特に下記式:
【0085】
【化77】

【0086】
であり、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであり;
43及びR48は、互いに独立して、H、E;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071(ここでR70及びR71は、互いに独立して、Gで置換されていてもよいC6〜C18アリール基である);C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであるか、又は、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル若しくはピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよいか;あるいはR70及びR71は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成し、
あるいはR70及びR71は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成し、
Dは、−CO−;−COO−;−OCOO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR5−;−SiR1112−;−POR5−;−CR9=CR10−;又は−C≡C−であり;
Eは、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;又はハロゲン、特にF若しくはClであり;Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、ここで、R5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるか;あるいは
5及びR6は、一緒になって、5員又は6員環、特に下記式:
【0087】
【化78】

【0088】
を形成し;
7は、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
8は、C7〜C12アルキルアリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
9及びR10は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;そして
11及びR12は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるが;但し、Yが下記式:
【0089】
【化79】

【0090】
であり、X及びWが下記式:
【0091】
【化80】

【0092】
である;Yが下記式:
【0093】
【化81】

【0094】
であり、Xが、下記式:
【0095】
【化82】

【0096】
であり、Wが下記式:
【0097】
【化83】

【0098】
である;Y及びWが下記式:
【0099】
【化84】

【0100】
であり、Xが下記式:
【0101】
【化85】

【0102】
である;Wが下記式:
【0103】
【化86】

【0104】
であり、Xが、下記式:
【0105】
【化87】

【0106】
であり、Yが下記式:
【0107】
【化88】

【0108】
である式Iの化合物が除外される〕
で示されるピリジン化合物である。
【0109】
Wは、好ましくは下記式:
【0110】
【化89】

【0111】
〔式中、
13、R13′、R15及びR15′は、Hであり、R20は、H、特に下記式:
【0112】
【化90】

【0113】
であるか;あるいは
13及びR15は、Hであり、R13′及びR15′は、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか;あるいは
13、R15及びR15′は、Hであり、R13′及びR20は、下記式:
【0114】
【化91】

【0115】
であるか;又は
20、R15及びR15′は、Hであり、R13及びR13′は、下記式:
【0116】
【化92】

【0117】
であり、
ここで、
30、R31、R32及びR33は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、そして
XびYは、上記で定義されたとおりである〕
で示される基である。
【0118】
本発明によると、基W、X及びYの少なくとも1つ、好ましくは基W、X及びYの2つ、最も好ましくは基W、X及びYの3つ全ては、下記式:
【0119】
【化93】

【0120】
の基である。
【0121】
したがって、本発明の一つの好ましい実施態様において、ピリジン化合物は、W及びY、又はW及びX(=X及びY)が、互いに独立して、下記式:
【0122】
【化94】

【0123】
特に、
【0124】
【化95】

【0125】
の基であり、そして
Xが、下記式:
【0126】
【化96】

【0127】
の基であり、
ここで、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47、R47′、R43及びR48が、上記で定義されたとおりであり、特にH、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、又はフェニルである
式Iの化合物である。
【0128】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′、並びにR14、R43及びR48は、互いに独立して、H、E;又はC1〜C8アルキルであり、特にH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ又はフェニルであり;ここでEは、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;−OCOOR7;又はハロゲン、特にFであり;ここでR5及びR6は、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり;
7は、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり;そして
8は、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであるか;あるいは
11及びR11′、R12及びR12′、R13及びR13′、R13′及びR14、R41及びR41′、R41′及びR43、R44及びR44′、R46及びR46′、R46′及びR48並びに/又はR47′及びR48は、それぞれ下記式:
【0129】
【化97】

【0130】
の二価基である。
【0131】
本発明の一つのより好ましい実施態様において、W、X及びYは、互いに独立して、下記式:
【0132】
【化98】

【0133】
〔式中、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;E;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであり;そしてD、E、R14、R18及びR19は、上記で定義されたとおりである〕で示される基であるか、あるいは
Wは、式:−W1−W2−W3の基であり、
Xは式:−X1−X2−X3の基であり、そして
Yは式:−Y1−Y2−Y3の基であり、ここで、W1、W2、X1、X2、Y1及びY2は、互いに独立して、下記式:
【0134】
【化99】

【0135】
の基であり、そしてW3、X3及びY3は、互いに独立して、下記式:
【0136】
【化100】

【0137】
の基であり、
ここでR14は上記で定義されたとおりである。
【0138】
W、X及びYは、異なることができるが、好ましくは同じ意味を有する。
【0139】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′が、互いに独立して、H、E;又はC1〜C8アルキルであり、ここで、
Eが、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;−OCOOR7;又はハロゲンであり、ここで、R5及びR6が、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり;
7が、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり;そして
8が、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルである
式Iのピリジン化合物が好ましい。
【0140】
更に好ましい実施態様において、本発明は、下記式:
【0141】
【化101】

【0142】
〔式中、
Xは、下記式:
【0143】
【化102】

【0144】
であり、そして
W及びYは、式:−W1−(W2e−W3の基であり、ここで、eは0又は1であり、
1は、下記式:
【0145】
【化103】

【0146】
の基であり、
2は、下記式:
【化104】


の基であり、
3は、下記式:
【0147】
【化105】

【0148】
の基であり、
ここで、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R18、R19、R41、R41′、R42、R42′、R43、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、47及びR47′は、上記で定義されたとおりであるか、又はR15′及びR41、若しくはR15′及びR45は、炭素−炭素単結合を表わすか、あるいはX、W及びYは、式:−W1−W2−W3の基であり、ここでW1、W2及びW3は上記で定義されたとおりである〕
で示される化合物である。
【0149】
前記の実施態様において、
Xが、下記式:
【0150】
【化106】

【0151】
であり、そして
W及びYが、式:−W1−W2−W3の基であり、ここで、
1が、下記式:
【0152】
【化107】

【0153】
の基であり、
2が、下記式:
【0154】
【化108】

【0155】
の基であり、
3が、下記式:
【0156】
【化109】

【0157】
の基であり、
ここで、
14が、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、そして
18及びR19が、互いに独立して、C1〜C8アルキルである
式Iの化合物が特に好ましい。
【0158】
更に好ましい実施態様において、本発明は、下記式:
【0159】
【化110】

【0160】
〔式中、Xは、下記式:
【0161】
【化111】

【0162】
の基であり、これはGで場合により置換されていてもよく、Arは、下記式:
【0163】
【化112】

【0164】
の基であり、これはGで場合により置換されていてもよいか、あるいはXは、下記式:
【0165】
【化113】

【0166】
の基である〕で示される化合物である。
【0167】
更に好ましい実施態様において、本発明は、下記式:
【0168】
【化114】

【0169】
〔式中、
Xは、下記式:
【0170】
【化115】

【0171】
であり、そして
W及びYは、基Ar1−Ar2であり、ここで、
Ar1は、下記式:
【0172】
【化116】

【0173】
の基であり、
Ar2は、下記式:
【0174】
【化117】

【0175】
の基であり、
ここで、
30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであり;
eは、1又は2の整数であるか、あるいは
X、W及びYは、基Ar1−Ar2であり、ここでAr1及びAr2は、上記で定義されたとおりであり、
D、E、G、R11、R11′、R12、R12′、R41、R41′、R42、R42′及びR14は、上記で定義されたとおりである〕
で示される化合物である。
【0176】
前記の実施態様において、
Xが、下記式:
【0177】
【化118】

【0178】
であり、そして
W及びYが、基Ar1−Ar2であり、ここで、
Ar1が、下記式:
【0179】
【化119】

【0180】
の基であり、
Ar2が、下記式:
【0181】
【化120】

【0182】
の基であり、
eが、1又は2の整数であり、
14が、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか、あるいは
X、W及びYが、基Ar1−Ar2であり、ここでAr1及びAr2が、上記で定義されたとおりである
式Iの化合物が特に好ましい。
【0183】
更に好ましい実施態様において、本発明は、下記式:
【0184】
【化121】

【0185】
〔式中、
Xは、下記式:
【0186】
【化122】

【0187】
であり、そして
W及びYは、式:−W1−(W2b−W3の基であり、ここでbは0又は1であり、
1及びW2は、互いに独立して、下記式:
【0188】
【化123】

【0189】
の基であり、
3は、下記式:
【0190】
【化124】

【0191】
の基又は−NR6061であり、ここでR60及びR61は、互いに独立して、下記式:
【0192】
【化125】

【0193】
の基であり、
ここで、R52、R53及びR54は、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基又はシロキサニル基であり、ここで、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R18、R19、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、上記で定義されたとおりであるか、あるいはX、W及びYは、式:−W1−(W2b−W3の基であり、ここでb、W1、W2及びW3は、上記で定義されたとおりである〕
で示される化合物である。
【0194】
前記の実施態様において、
Xが、下記式:
【0195】
【化126】

【0196】
であり、そして
W及びYが、式:−W1−(W2b−W3の基であり、ここでbが0又は1であり、
1が、下記式:
【0197】
【化127】

【0198】
の基であり、
2が、下記式:
【0199】
【化128】

【0200】
の基であり、
3が、下記式:
【0201】
【化129】

【0202】
の基又は−NR6061であり、ここでR60及びR61が、互いに独立して、下記式:
【0203】
【化130】

【0204】
の基であり、
14が、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、そして
18及びR19が、互いに独立して、C1〜C8アルキルである
式Iの化合物が特に好ましい。
【0205】
特に好ましいものは、
W、X及びYが、互いに独立して、下記式:
【0206】
【化131】

【0207】
の基であり、
ここでR13、R13′、R15及びR15′が、Hであり、R20は、H、特に下記式:
【0208】
【化132】

【0209】
であるか、あるいは
13及びR15が、Hであり、R13′及びR15′が、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20が、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか;あるいは
13、R15及びR15′が、Hであり、R13′及びR20が、下記式:
【0210】
【化133】

【0211】
であるか、あるいは
20、R15及びR15′が、Hであり、R13及びR13′が、下記式:
【0212】
【化134】

【0213】
であり、
ここで、
30、R31、R32及びR33が、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか、あるいは
W、X及びYが、互いに独立して、下記式:
【0214】
【化135】

【0215】
の基であり、
ここで、R18及びR19が、互いに独立して、C1〜C8アルキルである
式Iのピリジン化合物である。
【0216】
好ましいピリジン化合物の特定の例は、下記:
【0217】
【化136】












【0218】
である。
【0219】
本発明のピリジン化合物は、既知の手順に従うか又は同様にして調製できる。下記式:
【0220】
【化137】

【0221】
の本発明のピリジン化合物は、例えば、下記式:
【0222】
【化138】

【0223】
〔式中、R100は、クロロ又はブロモ、好ましくはブロモのようなハロゲンを表わすか( F. Kroehnke, Synthesis 1976, 1を参照)、又は下記式:
【0224】
【化139】

【0225】
(ここで、aは2又は3である)の意味を有するE1を表わす〕で示される誘導体を、
ボロン酸誘導体:
1−Arと、又は
100がハロゲンではない場合は、
Hal−Ar
(ここで、Halは、ハロゲン、好ましくはブロモを表わし、
Arは、置換されていてもよいC12〜C30アリール、特に下記式:
【0226】
【化140】

【0227】
である)と
μ−ハロ(トリイソプロピルホスフィン)(η3−アリル)パラジウム(II)型のアリルパラジウム触媒の存在下で反応させる(例えば、WO99/47474を参照すること)ことを含む方法に従って、調製することができる。
【0228】
従って、下記式:
【0229】
【化141】

【0230】
の本発明の非対称置換ピリジン化合物は、例えば、式1(F. Kroehnke, Synthesis 1976, 1を参照):
【0231】
【化142】

【0232】
の誘導体を、ボロン酸誘導体:E1−Ar(ここでE1は上記で定義されたとおりである)と反応させることを含む方法に従って、調製することができる。
【0233】
1〜C18アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルのような、分岐鎖状又は非分岐鎖状基である。
【0234】
1〜C18アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ又はtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ及びオクタデシルオキシである。
【0235】
2〜C18アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル又はn−オクタデカ−4−エニルのような、直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基である。
【0236】
2〜24アルキニルは直鎖状又は分岐鎖状であり、好ましくは、非置換又は置換されていてよい、C2〜8アルキニル、例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル又は1−テトラコシン−24−イルである。
4〜C18シクロアルキルは、好ましくは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロドデシルのようなC5〜C12シクロアルキルである。シクロヘキシル及びシクロドデシルが最も好ましい。
【0237】
用語「アリール基」は、典型的には、フェニル、インデニル、アズレニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニリル又はクアドフェニリル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フェナントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル、ピレニル又はアントラセニル、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−フェナントリル、2−又は9−フルオレニル、3−又は4−ビフェニルのようなC6〜C30アリールであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。C6〜C30アリールの例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−又は4−ビフェニル、9−フェナントリル、2−又は9−フルオレニルであり、これらは非置換であるか、又は置換されていてもよい。
【0238】
7〜C24アラルキル基は、好ましくは、置換されていてもよいC7〜C18アラルキル基であり、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシル又はω−フェニル−ドコシル、好ましくはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル又はω−フェニル−オクタデシルのようなC7〜C18アラルキル基であり、特に好ましくはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル又はω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルのようなC7〜C12アラルキル基であり、ここで、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基の両方は、非置換であるか又は置換されていてもよい。
【0239】
例えばC7〜C12アルキルアリールは、例えば、2−、3−若しくは4−メチルフェニル、2−、3−若しくは4−エチルフェニル、3−若しくは4−イソプロピルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、又は3,4,5−トリメチルフェニルのような、1、2又は3個のC1〜C6アルキル基で置換されているフェニル基である。
【0240】
用語「ヘテロアリール基」、特にC2〜C30ヘテロアリールは、窒素、酸素又は硫黄が考えられるヘテロ原子である環であり、典型的には、少なくとも6個の共役π電子を有する原子5〜18個の不飽和複素環基であり、例えば、チエニル、ベンゾ〔b〕チエニル、ジベンゾ〔b,d〕チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、2H−クロメニル、キサンテニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1H−ピロリジニル、イソインドリル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、3H−インドリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル又はフェノキサジニルであり、好ましくは上記の単環式又は二環式の複素環基であり、これらは非置換であるか又は置換されていてもよい。
【0241】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。
【0242】
5及びR6で形成される5員又は6員環の例は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1つの追加のヘテロ原子を有することができる、3〜5個の炭素原子を有するヘテロシクロアルカン又はヘテロシクロアルケンであり、例えば下記式:
【0243】
【化143】

【0244】
であり、これは二環式系の一部であってもよく、例えば、下記式:
【0245】
【化144】

【0246】
であり、これはGで場合により置換されていてもよい。
【0247】
上記の基のために可能である置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基又シリル基である。
【0248】
上記で記載されているように、前述の基は、Eで置換されていてもよい及び/又は、所望であれば、Dで中断されていてもよい。中断は、当然のことながら、基が、単結合により互いに結合している少なくとも2つの炭素原子を含有する場合にのみ可能であり;C6〜C18アリールは中断されておらず;中断されているアリールアルキル又はアルキルアリールは、アルキル部分にD単位を含有している。1つ以上のEで置換されている及び/又は1つ以上のD単位で中断されているC1〜C18アルキルは、例えば、(CH2CH2O)n−Rx(ここで、nは1〜9の範囲の数であり、そしてRxは、H又はC1〜C10アルキル若しくはC2〜C10アルカノイル(例えば、CO−CH(C25)C49)、CH2−CH(ORy′)−CH2−O−Ryであり、ここで、Ryは、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、C7〜C15フェニルアルキルであり、そしてRy′はRyと同じ定義を包含するか又はHである);C1〜C8アルキレン−COO−Rz、例えば、CH2COORz、CH(CH3)COORz、C(CH32COORz(ここで、Rzは、H、C1〜C18アルキル、(CH2CH2O)1〜9−Rxであり、そしてRxは、上記の定義を包含する);CH2CH2−O−CO−CH=CH2;CH2CH(OH)CH2−O−CO−C(CH3)=CH2である。
【0249】
エレクトロルミネセンス素子は、フルカラーディスプレーパネル、例えば、携帯電話、テレビ受信機及びパーソナルコンピュータスクリーンで利用することができる。
【0250】
下記の実施例は本発明を説明する。実施例において、そして本出願の全体を通して、発光物質という用語は、本発明のピリジン化合物を意味する。
【0251】
実施例
実施例1
2,4,6−トリス−(p−ブロモフェニル)−ピリジンは、A. Hopff, A. Heer Chimia (1959) 13, 105-107で記載されたようにして調製できる。
【0252】
【化145】

【0253】
トルオール20ml中の2,4,6−トリス−(p−ブロモフェニル)−ピリジン0.300g(0.550mmol)に、4−ビフェニルボロン酸0.38g(1.93mmol)を加えた。反応混合物にアルゴンを通した。水2ml中の炭酸セシウム0.95g(2.92mmol)を反応混合物に滴加した。次に触媒(WO99/47474)20mgを加えた。反応混合物を4時間還流し、次に固体を濾取した。生成物をジメチルホルムアミドから結晶化した(収量:0.31g(74%);融点:315〜317℃)。
【0254】
適用例1
発光物質として本発明の化合物A1、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール及びポリカーボネート樹脂を重量比5:3:2でテトラヒドロフランに溶解し、溶液を、ITO電極をもつ清浄なガラス基板にスピンコートして、100nmの厚さを有する発光層を形成した。マグネシウム/インジウムの混合比10/1を有するマグネシウム/インジウム合金の150nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率の発光を示した。
【0255】
適用例2
本発明の化合物A1を、ITO電極をもつ清浄なガラス基板上に蒸着して、100nmの厚さを有する発光層を形成した。マグネシウム/銀の混合比10/1を有するマグネシウム/銀合金の100nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。106トルの真空下、室温の基板温度での付着により、発光層を形成した。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率を有する発光を示した。
【0256】
適用例3
本発明の化合物A1を、塩化メチレンテトラヒドロフランに溶解に溶解し、溶液を、ITO電極をもつ清浄なガラス基板上にスピンコートして、50nmの厚さを有する発光層を形成した。次に、アルミニウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(2−ナフトレート)を蒸着して、10nmの厚さを有する電子輸送層を形成し、マグネシウム/アルミニウムの混合比10/1を有するマグネシウム/アルミニウム合金の100nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。106トルの真空下、室温の基板温度での付着により、発光層及び電子注入層を形成した。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率を有する発光を示した。
【0257】
適用例4
正孔輸送物質(H−1)〜(H−6)の1つを、ITO電極をもつ清浄なガラス基板上に蒸着して、30nmの厚さを有する正孔輸送層を形成した。次に、本発明の化合物A1を蒸着して、30nmの厚さを有する発光層を形成した。更に、電子輸送物質(E−1)〜(E−6)の1つを蒸着して、30nmの厚さを有する電子輸送層を形成した。マグネシウム/銀の混合比10/1を有するマグネシウム/銀合金の150nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。106トルの真空下、室温の基板温度での付着により、それぞれの層を形成した。これらの例で得られた有機EL素子は、全て高い輝度及び効率を示した。
【0258】
【化146】



【0259】
適用例5
ITO電極をもつ清浄なガラス基板上に、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミンを蒸着して、25nmの厚さを有する正孔注入層を形成した。更に、正孔輸送物質(H−1)を蒸着して、5nmの厚さを有する正孔輸送層を形成した。次に、発光物質の化合物A1を蒸着して、20nmの厚さを有する発光層を形成した。更に、電子輸送物質(E−1)を蒸着して、30nmの厚さを有する電子輸送層を形成した。次にマグネシウム/銀の混合比10/1を有するマグネシウム/銀合金の150nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率を有する発光を示した。
【0260】
適用例6
正孔輸送物質(H−5)を、ITO電極をもつ清浄なガラス基板上に蒸着して、20nmの厚さを有する正孔輸送層を形成した。次に、発光物質として化合物A1を蒸着して、20nmの厚さを有する発光層を形成した。更に、電子輸送物質(E−2)を蒸着して、20nmの厚さを有する第1電子輸送層を形成した。次に、電子輸送物質(E−5)を蒸着して、10nmの厚さを有する第2電子輸送層を形成し、マグネシウム/銀の混合比10/1を有するマグネシウム/銀合金の150nmの厚さを有する電極を、その上に形成して、有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率を有する発光を示した。
【0261】
適用例7
有機EL素子は、発光層を、化合物A1とドーパント化合物(D−1)〜(D−7)の1つとを重量比100:1で蒸着して形成した30nm厚の発光層と代える以外は、例4と同様に調製した。これらの例で得られた有機EL素子は、全て高い輝度特性を示し、意図する発光色を与えた。
【0262】
【化147】

【0263】
適用例8
ITO電極をもつ清浄なガラス基板上に、N,N′−1−ナフチル−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン及び5,10−ジフェニルアントラセンを蒸着して、正孔注入層を形成した。更に、4,4′−ビス(9−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニルを蒸着して、正孔輸送層を形成した。次に、発光物質として化合物A1を蒸着して、発光層を形成した。次にマグネシウム/銀の混合比9/1を有するマグネシウム/銀合金の電極をその上に形成して、有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた輝度及び効率を有する発光を示した。
【0264】
本発明の適用例で得られた有機EL素子は、優れた発光輝度を示し、高い発光効率を達成した。上記例で得られた有機EL素子を3(mA/cm2)で連続的に発光させると、全ての有機EL素子は、安定した状態を維持する。本発明の発光物質は極めて高い蛍光量子効率を有するので、発光物質を使用する有機EL素子は、低い電流が印加された領域で高い輝度の発光を達成し、発光層が追加的にドーピング物質を使用する場合、有機EL素子は、最大発光輝度及び最大発光効率が改善される。更に、異なる蛍光色を有するドーピング物質を、本発明の発光物質に加えることによって、異なる発光色を有する発光素子が得られる。本発明の有機EL素子は、発光効率、発光輝度及び長寿命の素子という点で改善を達成し、組み合わせて使用される発光物質、ドーパント、正孔輸送物質、電子輸送物質、増感剤、樹脂及び電極物質、並びに素子の製造方法にどのような制限も加えることはない。発光物質として本発明の物質を使用する有機EL素子は、従来の素子と比較して、高い発光効率及び長い寿命をもつ高い輝度を有する発光を達成する。本発明の発光物質及び本発明の有機EL素子によると、高輝度、高発光効率及び長寿命を有する有機EL素子を達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


〔式中、
基W、X及びYの少なくとも1つは、下記式:
【化2】


の基であるか、あるいは
基W、X及びYの少なくとも1つは、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル又はピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよく、
他の基は、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に下記式:
【化3】


の基であり、
ここで、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであるか;あるいは
11′及びR12、R12′及びR13、R15′及びR16、R16′及びR17、R44′及びR46並びに/又はR45′及びR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819>SiR1819、又は下記式:
【化4】


から選択される二価基L1であり、
ここで、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル;C1〜C18アルコキシ;C6〜C18アリール;C7〜C18アラルキルであるか;あるいは
11及びR11′、R12及びR12′、R13及びR13′、R13′及びR14、R14及びR15、R15及びR15′、R16及びR16′、R17′及びR17、R41及びR41′、R42及びR42′、R42′及びR43、R41′及びR43、R44及びR44′、R45及びR45′、R46及びR46′、R47及びR47′、R46′及びR48並びに/又はR47′及びR48は、それぞれ下記式:
【化5】


の二価基であり、
ここで、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリールであり;
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071;C6〜C30アリール;又はGで置換されているC6〜C30アリール;C1〜C18アルキル;又はEで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキルであり、特に下記式:
【化6】


であり、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/又はDで中断されているC1〜C18アルキル;E;C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであり;
43及びR48は、互いに独立して、H、E;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C2〜C30ヘテロアリール;又はGで置換されているC2〜C30ヘテロアリール;−NR7071(ここでR70及びR71は、互いに独立して、Gで置換されていることができるC6〜C18アリール基である);C7〜C18アラルキル;Gで置換されているC7〜C18アラルキルであるか、又は、ナフチル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル若しくはピレニルのような縮合C10〜C30アリール基であり、これは1つ以上の基Gで置換されていてもよいか;あるいは
70及びR71は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環を形成し、
Dは、−CO−;−COO−;−OCOO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR5−;−SiR6162−;−POR5−;−CR63=CR64−;又は−C≡C−であり;
Eは、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;又はハロゲンであり;
Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、ここで、
5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるか;あるいは
5及びR6は、一緒になって、5員又は6員環、特に下記式:
【化7】


を形成し;
7は、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
8は、C7〜C12アルキルアリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;
61及びR62は、互いに独立して、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであり;そして
63及びR64は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されているC1〜C18アルキルであるが;但し、Yが下記式:
【化8】


であり、X及びWが下記式:
【化9】


である;Yが下記式:
【化10】


であり、Xが下記式:
【化11】


であり、Wが下記式:
【化12】


である;Y及びWが下記式:
【化13】


であり、Xが下記式:
【化14】


である;Wが下記式:
【化15】


であり、Xが下記式:
【化16】


であり、Yが下記式:
【化17】


である式Iの化合物が除外される〕
で示されるピリジン化合物。
【請求項2】
W、X及びYが、互いに独立して、下記式:
【化18】


〔式中、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;E;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであり;そして
D、E、R14、R18及びR19は、請求項1で定義されている〕で示される基であるか、あるいは
Wが、式:−W1−W2−W3の基であり、
Xが、式:−X1−X2−X3の基であり、そして
Yが、式:−Y1−Y2−Y3の基であり、ここで、W1、W2、X1、X2、Y1及びY2が、互いに独立して、下記式:
【化19】


の基であり、そしてW3、X3及びY3が、互いに独立して、下記式:
【化20】


の基であり、
ここでR14は上記で定義されたとおりである
請求項1に記載の式Iのピリジン化合物。
【請求項3】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′、並びにR14、R43及びR48が、互いに独立して、H、E;又はC1〜C8アルキルであり;ここでEが、−OR5;−SR5;−NR56;−COR8;−COOR7;−CONR56;−CN;−OCOOR7;又はFであり;ここでR5及びR6が、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり;
7が、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり;そして
8が、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルである
請求項1又は2に記載のピリジン化合物。
【請求項4】
W、X及びYが、下記式:
【化21】


〔式中、
13、R13′、R15及びR15′は、Hであり、R20は、H、特に下記式:
【化22】


であるか;あるいは
13及びR15は、Hであり、R13′及びR15′は、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか;あるいは
13、R15及びR15′は、Hであり、R13′及びR20は、下記式:
【化23】


であるか;あるいは
20、R15及びR15′は、Hであり、R13及びR13′は、下記式:
【化24】


であり、
ここで
30、R31、R32及びR33は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシである〕
で示される基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のピリジン化合物。
【請求項5】
W、X及びYが、互いに独立して、下記式:
【化25】


の基であり、
ここでR18及びR19が、互いに独立して、C1〜C8アルキルである
請求項1〜3のいずれか1項に記載のピリジン化合物。
【請求項6】
Xが、下記式:
【化26】


であり、
W及びYが、式:−W1−(W2b−W3の基であり、ここでbが0又は1であり、
1及びW2が、互いに独立して、下記式:
【化27】


の基であり、
3が、下記式:
【化28】


の基又は−NR6061であり、ここでR60及びR61が、互いに独立して、下記式:
【化29】


の基であり、
ここで、R52、R53及びR54が、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基又はシロキサニル基であり、ここで、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R18、R19、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′が、請求項1で定義されたとおりであるか、又はX、W及びYが、式:−W1−(W2b−W3の基であり、ここでb、W1、W2及びW3が、上記で定義されたとおりである
請求項1に記載のピリジン化合物。
【請求項7】
W及びY、又はW及びX(=Y及びX)が、互いに独立して、下記式:
【化30】


の基であり、そして
Xが、下記式:
【化31】


の基であり、
ここで、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47、R47′、R43及びR48が、請求項1で定義されたとおりであり、特にH、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、又はフェニルである
請求項1に記載のピリジン化合物。
【請求項8】
Xが、下記式:
【化32】


であり、そして
W及びYが、基Ar1−Ar2であり、ここで、
Ar1が、下記式:
【化33】


の基であり、
Ar2が、下記式:
【化34】


の基であり、
ここで、
30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38が、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール;Gで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;Eで置換されている及び/若しくはDで中断されているC1〜C18アルキル;C7〜C18アラルキル:又はGで置換されているC7〜C18アラルキルであり;
eが、1又は2の整数であるか、あるいは
X、W及びYが、基Ar1−Ar2であり、ここでAr1及びAr2が、上記で定義されたとおりであり、
D、E、G、R11、R11′、R12、R12′、R41、R41′、R42、R42′及びR14が、請求項1で定義されたとおりである
請求項1に記載のピリジン化合物。
【請求項9】
Yが、下記式:
【化35】


であり、X及びWが下記式:
【化36】


である;Yが下記式:
【化37】


であり、Xが、下記式:
【化38】


であり、Wが下記式:
【化39】


である;Y及びWが下記式:
【化40】


であり、Xが下記式:
【化41】


である;Wが下記式:
【化42】


であり、Xが、下記式:
【化43】


であり、Yが下記式:
【化44】


である式Iの化合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式Iのピリジン化合物を含むエレクトロルミネセンス素子。
【請求項10】
エレクトロルミネセンス素子が、下記の順番で、
(a)陽極
(b)正孔注入層及び/又は正孔輸送層
(c)発光層
(d)場合により電子輸送層、及び
(e)陰極
を含む、請求項9に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項11】
式Iのピリジン化合物が発光層を形成する、請求項10に記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項12】
電子写真受光器、光電変換器、太陽電池、イメージセンサ、色素レーザー及びエレクトロルミネセンス素子のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式Iのピリジン化合物の使用。

【公表番号】特表2007−504199(P2007−504199A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525141(P2006−525141)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051930
【国際公開番号】WO2005/023960
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】