説明

エレクトロルミネッセンス光源

透明基板(2)と、該基板を通して光を放射するエレクトロルミネッセンス層構造体と、前記基板とエレクトロルミネッセンス層構造体との間に配置され、前記基板(2)に光が入射したとき該光を不均一な角度分布にする第1の光取り出し層(3)と、前記光(7)の伝搬方向における前記基板(2)の上方に設けられ、前記光の不均一な角度分布に適合し前記エレクトロルミネッセンス光源からの効果的な光取り出しを可能にする表面構造を備えた第2の光取り出し層(1)とを備えていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス光源。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光取り出し効率を向上させる層を備えたエレクトロルミネッセンス光源に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に設けられ光を放射するエレクトロルミネッセンス層(EL層)を有する多数の薄層(EL層構造)を備えたエレクトロルミネッセンス光源(EL光源)が知られている。典型的な構造は、基板と、透明電極(アノード)として基板上に設けられたITO(インジウムスズオキシド)導電層と、光放出材料を有するエレクトロルミネッセンス層と、金属、好ましくは仕事関数が低い金属で作られた電極(カソード)とを備えている。一般的に、(透明基板を通して放射を行う)底部エミッタと(基板と逆側への透明カプセルデバイスを通して放射を行う)頂部エミッタに区別される。頂部エミッタでは、基板が不透明でもよい。
【0003】
エレクトロルミネッセンス光源の問題は、EL層で生成された光をエレクトロルミネッセンス光源から取り出す効率が低い、ことである。これは、EL層からEL光源の出射位置までの光学経路に沿って起こる、光学的に厚い媒体(屈折率n2)から光学的に薄い媒体(1≦n1<n2を満たす屈折率n1)への複数回の入射に起因する。このような2つの媒体の境界面では、入射する角度がα=arc sin(n1/n2)より大きい場合、全反射が起こる。ここで、入射角とは、光線の伝播の方向と、表面法線とも言われる境界面に対する法線の間の角度である。
【0004】
全反射に起因した光取り出し効率損失は、透明な基板、例えばガラスから空気中に光が放射される場合や、透明電極から基板中に光が放射される場合に起こる。EL層からほぼ等方的に放射された光が透明電極に伝搬される場合は、これらの層の屈折率が近似しているので、あまり問題にはならない。付加的な改善策が講じられないと、全反射によって、エレクトロルミネッセンス光源の取り出し効率損失が、EL層で最初に生成された光の26%以下になってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献US2005/0007000は、容積拡散層、表面拡散層、微細構造化面を備えた層、反射防止層および光取り出し層等の光取り出し効率を向上させることができる複数の層(光取り出し層)を開示しており、これらの層は、共通の粗さまたは微細構造化面を備えた2つの副層を備えている。これらの層を、透明電極と透明基板の間、及び/又は、基板の光放射方向に設けることができる。実現可能なエレクトロルミネッセンス光源では、光取り出し効率が実質的に50%未満であるため、光取り出し効率向上に対するニーズが依然として存在している。
【0006】
従って、本発明の目的は、光取り出し効率が改善されたエレクトロルミネッセンス光源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、透明基板と、該基板を通して光を放射するエレクトロルミネッセンス層構造体と、前記基板とエレクトロルミネッセンス層構造体との間に配置され前記基板に光が入射したとき該光を不均一な角度分布にする第1の光取り出し層と、前記光の伝搬方向における前記基板の上方に設けられ、前記光の不均一な角度分布に適合して前記エレクトロルミネッセンス光源からの効果的な光取り出しを可能にする表面構造を備えた第2の光取り出し層とを備えているエレクトロルミネッセンス光源によって達成される。ここで、不均一な角度分布は、コサイン分布から逸脱した角度分布である。
【0008】
従来は、光取り出し効率の最適化のためには、第2の光取り出し層の構造は、入射角度の分布に適合しなければならないとは考えられていない。基板と空気の境界面における入射角分布は、付加的な第1の光取り出し層が、透明電極と透明基板の間に存在するかどうかに大きく依存し、この層は光の角度分布(光線の伝播の方向と層の法線の間の角度)に影響する。基板と、角度分布のために最適化された第2の光取り出し層の表面構造で光の所定の角度分布を発生させることにより、互いに調整されない1または2以上の光取り出し層を有するEL光源で発光効率より優れた発光効率(EL層において生成した光子の数に対する、EL光源から取り出された光子の数)が達成される。互いに調整されていない光取り出し層の場合には、第1の光取り出し層が、EL光源からの光取り出しを改善することなく、基板への光取り出しを改善することができる。
【0009】
この関係において、不均一な角度分布が、最大値を有し、この最大値を中心とした±15°の角度範囲に、70%より多い光、好ましくは80%より多い光、さらに好ましくは90%より多い光が含まれることが好ましい。より多くの光が基板中に取り出され、その入射角は狭い範囲のみで実質的に変化し、より適切に、第2の光取り出し層を角度分布に適合できる。
【0010】
ここで、エレクトロルミネッセンス光源は、不均一な角度分布の最大値が45°より大きい角度、好ましくは60°よりも大きい角度、さらに好ましくは75°よりも大きい角度であるのが好ましい。大きな角度で基板に入射する光線に対し効果的な第2の光取り出し層の光取り出し面構造を、特に良好に製造できる。ここで、光伝播方向と、基板と第1の光取り出し層の界面の表面法線の間の角度が、光の入射角として定義される。
不均一な角度分布生成のためには、第1の光取り出し層の厚さH2が、100nmないし10μmであるのが好ましい。
【0011】
第1の光取り出し層が、少なくとも第1の材料と第2の材料とを含むことがさらに好ましい。
第1の材料が屈折率n1を有し、該第2の材料が屈折率n2を有し、且つ屈折率n1とn2の差が0.1と2.5の間であることが、特に好ましい。このようにすると、二つの材料は、十分に光学的に異なり、光の角度分布に対し十分に効果を有する。
【0012】
好ましい態様において、該第1の材料は、該第1の光取り出し層の表面に対して平行な平面内の多数の構造要素の略周期的な構造として第2の材料中に設けられ、構造要素は、球形、円筒型、ピラミッド型、立方体又は楕円形の本体を含む立体形状として設計される。この周期的で、従ってグリッド状(grid like)の構造により、基板中での光内部取り出しは、より効果的かつ、統計的に分散させられた粒子を有する散乱層より明確に達成される。生成された基板中の光の角度分布を変化させてもよく、より詳細には、より小さい角度平均(angleson average)で基板中の光を取り出す散乱グリッドで、変化させてもよい。
【0013】
さらに、光伝播方向で、構造要素が高さH1を有し、かつ該第一の光取り出し層の厚さH2が、H1とH1の10倍の値との間の値を有するのが好ましい。
【0014】
基板中への効果的な光取り出しのため、構造要素の合計数Nで、2つの隣接した構造要素の間の間隔aiは、平均間隔a0から外れることができ、該間隔aiの分布n(ai)は以下の式に適合する:
【数1】

(式中、0<s<0.4である)。基板中への光取り出しは、理想的なグリッドにおいて正確な周期性からのこの特定の偏向により、付加的に増加できる。
【0015】
不均一な角度分布を有する光取り出しのため、四角錐構造、三角錐構造、六角錐構造(hexagonal pyramidal structure)、長円体のドーム構造(ellipsoidal dome structure)又は錐体構造を含む第二の光取り出し層の表面構造が特に好ましい。
【0016】
このため、光伝播方向で、第2の光取り出し層の表面構造の高さHrが、10μmよりも大きく、かつ基板の厚さの5倍よりも小さいことが特に好ましい。
第2の光取り出し層が、基板の屈折率以上の屈折率を有することが好ましく、これにより基板から光が出る際の、基板と第2の取り出し層の境界面での全反射が回避される。
【0017】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかであり、かつ明確にされるが、本発明はこれらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示されているように、底部放射のエレクトロルミネッセンス光源は、概略的には、ホウケイ酸ガラス(屈折率1.45)、石英ガラス(屈折率1.50)、又はPMMA(屈折率1.49)等の平面の透明基板2に設けられた有機又は無機のエレクトロルミネッセンス層5の層構造を備え、このエレクトロルミネッセンス層は、透明電極4と、少なくとも部分的に反射性の電極6との間に配置されている。EL層は、いくつかの副層を備えてもよい。有機EL層の場合、仕事関数が低い材料の電子供給層が、典型的にはカソードである電極6とEL層5との間、及び典型的にはアノードである電極4とEL層5との間に配置され、付加的にホール輸送層が配置されている。底部放射光源では、光7は、基板を通って観察者に届く。
【0019】
透明電極4は、例えば、p-ドープしたシリコン、インジウム-ドープした酸化スズ(ITO)又はアンチモン-ドープした酸化スズ(ATO)を備えているのがよい。特に高い導電性を有する有機材料、例えばポリスチレンスルホン酸中のポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)(PEDT/PSS、Baytron P、HC Starck社製)から、透明電極を製造することも可能である。好ましくは、電極4は、1.6ないし2.0の屈折率を有するITOを含む。反射電極6は、それ自身が、例えばアルミニウム、銅、銀、金などの反射材料であるのがよく、又は付加的に反射層構造を有してもよい。光ビーム7の方向で見たとき、反射層又は層構造体が電極6の下方に配置されている場合、電極6は透明であるのがよい。電極6は、構造化されるか、例えば、伝導性の材料又は伝導性の材料群の多数の平行なストリップで構成されるのがよい。変形例として、構造化する代わりに、電極6を平面として設計して良い。
【0020】
本発明のエレクトロルミネッセンス光源は、透明電極4と透明基板2の間に設けられた第1の光取り出し層3を備え、この光取り出し層は、透明電極4を出て基板2に不均一な角分布n(β)で入る光11を取り出すためのものであり、図2に示されているように、βは、光11の伝播の方向と、第1の光取り出し層3と基板2の境界面に対する垂線12(層法線)の間の角度を意味する。基板中に取り出された光の角度分布n(β)が十分に不均一、すなわち角度分布がコサイン分布から逸脱していれば、基板2の空気との境界面に配置され且つ第1の光取り出し層2により生成された特定の角度分布n(β)に特別に適合する表面構造8を有する第2の光取り出し層1が、光取り出し層3及び1を有しないEL光源、又は互いに適合しない1または2以上の光取り出し層を有するEL光源より優れた光取り出し効率をもたらす。
【0021】
第1の光取り出し層2により生成された基板2中での光の角度分布に対して適合する表面構造である、第2の光取り出し層1の表面構造8は、この場合において、四角錐構造、三角錐構造、六角錐構造(hexagonal pyramidal structure)、長円体のドーム構造(ellipsoidal dome structure)及び/又は錐体構造を含む。
【0022】
構造化された層は、例えば射出成形により製造でき、薄いフィルム及びリソグラフィー法により基板に積層されるか、基板に直接設けられる。透明な基板は、屈折率が1.4ないし3.0となるように製造できる。第2の光取り出し層のための好ましい材料は、第2の光取り出し層と基板の境界面での全反射を避けるべく、基板の屈折率以上の屈折率を有している。空気との屈折率の差を可能な限り小さく維持し、空気との境界面で反射する光の成分を最小にするため、基板と同じ屈折率を有する材料が好ましい。第2の光取り出し層の最適な材料は、例えば、石英ガラス(n=1.54)、プレクシグラス(PMMA、n=1.49)、又は同様の屈折率を有する他のプラスチック、例えばPMMI(n=1.53)である。好ましい表面構造は、光の伝播の方向で、10μmより大きくかつ基板の厚さの5倍より小さい高さを有する。
【0023】
基板中に取り出された光を不均一な角度分布にする第1の光取り出し層は、屈折率が局部的に異なる層、又は光の屈折、光の散乱或いは光の反射を生じさせる中心部材が規則的に或いは不規則に配置されたマトリックス材の層でもよい。この中心部材は、例えば、マトリックス材料中の空気含有物、傷、或いは界面、マトリックス材料中の粒子、マトリックス材料より高い/又は低い屈折率あるいは反射表面を有する材料の構造体、又は同じ効果を有する他の中心部材であってもよい。
【0024】
第1の光取り出し層は、蒸着、スパッタリング、あるいは、第1及び/又は第2の材料を構造化するためのマスキング、リソグラフィー及び/又はエッチング工程との組み合わせ、又は統計的に分散された粒子を有する懸濁液を用いたいわゆる(so-termed)スピンコーティング等の湿式化学法により製造できる。第1の光取り出し層3は、異なる材料特性を有する2以上の副層を含むこともできる。第2の光取り出し層の厚さH2が、100nmないし10μmであるのが好ましい。
【0025】
一態様においては、エレクトロルミネッセンス光源からの光取り出し効率が最適化され、この光源は、少なくとも1種類の第1の材料9で作られ統計的な分布の反射性または屈折性の粒子を有する第2の材料10の散乱層としての光取り出し層3と、表面構造8として、急な側壁を有するチャネルを備えた実質的に平坦な表面を有する第2の光取り出し層1とを備えている。適切な粒子パラメーター(サイズ及び数など)での光の伝播方向7前方への散乱の確率が、第2の光取り出し層の光学距離と共に増加するので、反射性及び/又は散乱性の粒子を有する第1の光取り出し層が、取り出された光を、基板2内で小さい光11の伝播角度βが支配的である不均一な角度分布n(β)にする。基板内で小さな伝播角度βを有する光が、空気との境界面で確実に全反射の影響を受けないようにするため、第1の光取り出し層の表面構造は、光の伝播方向7に対して垂直で大きな平面領域を有するべきである。臨界角より大きな伝播角度を有する光の成分の効果的な取り出しは、平面領域の間のチャネルによりもたらされ、このチャネルの側面は、適切な深さを有し、かつ20°ないし30°の範囲における基板の層法線を有する角度を含む。該チャネルの適切な深さは、大きな伝播角度βを有する光線の伝播方向において、全ての側面の突出した表面が、該平面領域の突出した表面よりも明確に大きい場合に得られる。
【0026】
散乱層である第1の光取り出し層から基板中への反射効果を用いた効果的な光取り出しは、第1及び第2の材料の屈折率の値が、0.1ないし2.5だけ異なっている場合に好ましく達成される。高い屈折率を有する適切な材料は、例えば、二酸化チタン(n=2.52-2.71)、硫酸鉛(n=3.90)、ダイアモンド(N=2.47)又は硫酸亜鉛(n=2.3)である。低い屈折率を有する材料は、例えば、石英ガラス(n=1.46)、フッ化マグネシウム(n=1.38)又はPMMA(n=1.49)である。金属は、例えば反射効果を用いた対応する散乱層の材料に適している。
【0027】
好ましい態様において、第1の光取り出し層3は第1の材料9を含み、この第1の材料は第2の材料中に、詳細には多数の構造要素の周期的な構造として第2の光取り出し層3の表面に対して平行な平面の中に配置され、この構造要素は立体形状として設計される。図2参照。この場合において、この構造要素は、図2に示されているように、第1の光取り出し層3と基板2の間の境界面、又は第1の光取り出し層3の中でグリッド状に配置できる。周期的な構造は、光学的なグリッドを表され、その特性は、当業者が周期的な構造を変動することにより、EL層により放射された光の波長、層構造及び基板の光学特性に対して適応できる。好ましい態様において、第1の材料9の構造要素の高さH1、隣接する構造要素の間の間隔ai及び第1の光取り出し層の厚さH2を有する周期的な構造は、45°より大きい主に大きな伝播角度βを有する外部取り出しされた光の角分布n(β)が、基板2内で生成されるように選択される。効果的な取り出しは、第1の光取り出し層3の厚さH2が構造要素の高さH1とH1の10倍の値に間である場合に、特に好ましく達成できる。図2に示す態様において、構造要素は、円筒状の本体を有する。しかしながら、効果的な光取り出しを達成するために、構造要素は球体、ピラミッド型、立方体、長円体又は他の本体を含むこともできる。同様に、隣接する構造要素の間隔は、完全に周期的である必要はなく、平均間隔a0の周囲で容易に変動できる。光取り出しのための特に好ましい間隔はaiであり、以下の分布n(ai)に従って平均間隔a0の周囲で変動する:
【数2】

(式中0<s<0.4である。)
【0028】
基板2の中の大きな伝播角度βを有する光が空気との境界面で全反射の影響を確実に受けないようにするため、最大値が大きな角度となる不均一な角度分布に適合した第2の光取り出し層の層1の表面構造8は、本質的には、基板2の表面に対して平行である平面領域を有するべきではない。例えば、ピラミッド型の構造の側面は、側面と基板の層法線の間の小さな角度を含み、第2の光取り出し層の表面で全反射を伴うことなく、空気に対して直接的に大きな伝播角度βと共に光を取り出すべきである。
【0029】
本発明のエレクトロルミネッセンス光源の態様の例は、光が基板中に入った場合、該光の不均一な角分布を生成するための第1の光取り出し層、ここで該第1の光取り出し層の厚さH2は700んmになり、第1の光取り出し層の第1及び第2の材料の屈折率n1及びn2はそれぞれ1.42及び1.94となり、第1の光取り出し層における構造要素の高さH1は220nmになり、並びに各構造要素の間の平均間隔a0は650nmになる。
【0030】
図及び記載を用いて説明された態様は、エレクトロルミネッセンス光源からの光取り出しを向上するための例としてのみ表され、本特許の請求項がこれら例に限定されると解釈してはならない。代わりの態様が当業者にとって可能であり、態様は同様に本特許の請求項の保護の範囲により転換される。従属項の番号は、請求項の他の組み合わせが本発明の好ましい態様を表さない事を暗示してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従ったエレクトロルミネッセンス光源の層構造を示す。
【図2】グリッド状構造としての第一の光取り出し層を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板(2)と、
該基板を通して光を放射するエレクトロルミネッセンス層構造体と、
前記基板とエレクトロルミネッセンス層構造体との間に配置され、前記基板(2)に光が入射したとき該光を不均一な角度分布にする第1の光取り出し層(3)と、
前記光(7)の伝搬方向における前記基板(2)の上方に設けられ、前記光の不均一な角度分布に適合し前記エレクトロルミネッセンス光源からの効果的な光取り出しを可能にする表面構造を備えている第2の光取り出し層(1)とを備えている、
ことを特徴とするエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項2】
前記不均一な角度分布が最大値を有し、
前記最大値を中心とした±15°の角度範囲に、70%を越える光(11)、好ましくは80%を越える光(11)、さらに好ましくは90%を越える光(11)が含まれる、
請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項3】
前記不均一な角度分布の最大値が、45°より大きい角度、好ましくは60°より大きい角度、さらに好ましくは75°より大きい角度である、
請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項4】
前記第1の光取り出し層(3)の厚さH2が、100nmないし10μmである、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項5】
前記第1の光取り出し層(3)が、少なくとも第1材料(9)と第2の材料(10)を含む、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項6】
前記第1の材料(9)の屈折率がn1であり、第2の材料(10)の屈折率がn2であり、屈折率n1とn2の間の差が0.1ないし2.5である、
請求項5に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項7】
前記第1の材料(9)が前記第2の材料(10)内で、実質的には多数の構造要素の周期的な構造で、前記第1の光取り出し層(3)の表面に平行な平面に設けられ、
前記構造要素が球形、円筒状、ピラミッド型、立方体又は長円体の本体を含む空間体として設計される、
請求項5又は6に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項8】
前記構造要素が、光伝播方向の高さH1を有し、前記第1の光取り出し層(3)の厚さH3が、H1からH1の10倍の値の間の値である、
請求項7に記載するエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項9】
前記構造要素の合計数Nで、2つの隣接する前記構造要素の間の間隔aiが、平均間隔a0から逸脱でき、かつ間隔aiの分布n(ai)が以下の式に適合する、
(式中、0<s<10.4である)
【数1】

請求項7または8に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項10】
前記第2の光取り出し層(1)の表面構造(8)が、四角錐構造、三角錐構造、六角錐構造、長円体のドーム構造又は錐体構造を含む、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項11】
光(7)の伝播の方向における前記第2の光取り出し層(1)の表面構造(8)の高さHrが、10μmより大きく、かつ前記基板の厚さの5倍より小さい、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス光源。
【請求項12】
前記第2の光取り出し層(1)が、前記基板(2)の屈折率以上、かつ3未満の屈折率を有する、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載するエレクトロルミネッセンス光源。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−541368(P2008−541368A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510691(P2008−510691)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051385
【国際公開番号】WO2006/120610
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】