説明

エレベータかご室の側壁部組立方法

【課題】かごパネルを突き合わせて締結するときの作業を簡易かつ容易に行なえ、側壁部の組立を能率よく進めることができるエレベータかご室の側壁部組立方法を提供する。
【解決手段】隣接して並べられるかごパネル1a,1bの相互を締結してかご室の側壁部を組立てる方法であって、かごパネル1a,1bはそれぞれ斜辺4を有し、一方のかごパネル1aの斜辺4には嵌合溝8が形成され、他方のかごパネル1bの斜辺4には嵌合突起14a,14bが設けられ、一方のかごパネル1aの斜辺4の上部に他方のかごパネル1bの斜辺を突き合わせるとともに、嵌合突起14a,14bを嵌合溝8に挿入し、この状態で一方のかごパネル1aの斜辺4に沿って他方のかごパネル1bを斜め下方にスライドさせて両斜辺同士の全長区間を対向合致させて側壁部を組立てる。両かごパネル1a,1bは、嵌合突起14a,14と嵌合溝8との嵌合で締結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、乗客が乗るエレベータのかご室の側壁部を組立てる組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかご室は、床部と側壁部と天井部とを備えている。側壁部は矩形の床部の三辺に起立して設けられ、互いに隣接して接合される複数のかごパネルにより構成されている。
【0003】
側壁部の組立は、エレベータの昇降路内において行なわれる。すなわち、床部が昇降路内に配置され、その床部の縁部に複数のかごパネルが互いに隣接するように並べられ、その互いに隣接するかごパネル相互を締結することで側壁部が組立てられる。
【0004】
かごパネル相互の締結は、かご室の外側からボルトナットを用いて行なわれるのが一般的である。
【0005】
しかし、かご室の外側から締結作業を行なうとなると、そのかご室の外側つまり昇降路内にその作業用の足場などを設置しなければならず、また近年昇降路内は省スペース化により狭くなっており、このためその外側からの作業は相当面倒となる。そこで、近年、締結作業をかご室の内側から行なえるようにすることが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−69754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、かご室の側壁部を組立てるための各かごパネルは、その接合される側縁が垂直となっており、このためそのかごパネルの側縁を突き合わせて締結するときの位置決めが面倒で、一方のかごパネルに対して他方のかごパネルを手作業で細かく移動させる微調整などを必要とし、組立作業の能率が低下する。
【0008】
この発明の実施形態は、このような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、かごパネルを突き合わせて締結するときの作業をかご室の内側から簡易かつ容易に行なえ、側壁部の組立を能率よく進めることができるエレベータかご室の側壁部組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、隣接して並べられるかごパネルの相互を締結してエレベータかご室の側壁部を組立てる組立方法であって、前記各かごパネルはそれぞれ斜辺を有し、一方のかごパネルの斜辺にはその長手方向に沿って嵌合溝が形成され、他方のかごパネルの斜辺には前記嵌合溝に嵌合可能な嵌合突起が設けられ、一方のかごパネルの斜辺の上部に他方のかごパネルの斜辺を突き合わせるとともに、前記嵌合突起を前記嵌合溝に挿入し、この状態で前記嵌合突起と前記嵌合溝とによるガイドで前記一方のかごパネルの斜辺に沿って前記他方のかごパネルを斜め下方にスライドさせて前記両斜辺同士の全長区間を対向合致させる工程を含み、前記嵌合突起と前記嵌合溝とを、前記一方のかごパネルと前記他方のかごパネルの斜辺同士の全長区間が対向合致するときにおけるその一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能させることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、前記嵌合突起が、外径の大きい頭部とその頭部の外径より小さい軸部とを有する断面T形をなし、前記嵌合溝が前記頭部の外径寸法よりも大きい挿入部と、この挿入部に連なり溝幅が挿入部の外径より小さく前記嵌合突起の軸部の外径より大きいガイド部とを有し、前記嵌合突起が前記挿入部を通して嵌合溝に挿入され、前記他方のかごパネルのスライドで前記軸部が前記ガイド部に移行して前記頭部が前記ガイド部と対向することで、前記一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、前記嵌合突起がピン状をなし、前記嵌合溝が前記ピン状の嵌合突起の外径寸法より大きい溝幅のガイド部と、前記ピン状の嵌合突起の外径寸法より小さい溝幅の狭幅部とを有し、前記嵌合突起が前記ガイド部を通して嵌合溝に挿入され、前記他方のかごパネルのスライドで前記嵌合突起が前記ガイド部から狭幅部に移行してその狭幅部に圧入することで、前記一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能することを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、前記嵌合突起の少なくともその外表面が弾性部となっていることを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明は、前記嵌合溝の縁部にはリブが一体に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、側壁部が二枚のかごパネルの組合せで長方形状に組立てられることを特徴としている。
【0015】
請求項7の発明は、側壁部が三枚のかごパネルの組合せで長方形状に組立てられることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の第1の実施形態における側壁部構成用のかごパネルを示す斜視図。
【図2】(A)は図1中のA−A線に沿う断面図、(B)は図1中のA−A線に沿う断面図。
【図3】その第1の実施形態における側壁部の組立手順を示す工程図。
【図4】図3中のC−C線に沿う断面図。
【図5】この発明の第2の実施形態における両かごパネル結合部の構造を示す断面図。
【図6】この発明の第3の実施形態における側壁部構成用のかごパネルを示す斜視図。
【図7】その第3の実施形態における両かごパネル結合部の構造を示す断面図。
【図8】この発明の第4の実施形態における側壁部構成用のかごパネルを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜図4には第1の実施形態を示してある。
【0019】
図1には、かご室の側板部を組立てるための一組のかごパネル1a,1bの外観斜視図を、図2(A)には図1におけるA−A線に沿う断面図、図2(B)には同じくB−B線に沿う断面図をそれぞれ示してある。かごパネル1a,1bは例えば鋼板からなり、それぞれ底辺2と、底辺2に対して直角の垂辺3と、底辺2と垂辺3との間の斜辺4とを有するほぼ三角形状に形成されている。
【0020】
かごパネル1a,1bは、その一方の面がかご室の内側に向ける化粧面5で、底辺2、垂辺3、斜辺4の各辺の縁部にはそれぞれ化粧面5の反対側にほぼ直角に折曲する折曲片6が一体に形成されている。
【0021】
そして、一方のかごパネル1aにおいては、斜辺4の縁部である折曲片6に、その長手方向に沿って長い嵌合溝8が形成されている。この嵌合溝8は、斜辺4の長手方向に延びるガイド部9と、このガイド部9の溝幅より大きな直径をなすほぼ円形状の一対の挿入部10a,10bとを有し、一対の挿入部10a,10bは嵌合溝8の上部寄りの位置に所定の間隔をあけて形成されている。また、嵌合溝8の縁部には折曲片6の内側に向って直角に折曲するリブ11が一体に形成されている。
【0022】
他方のかごパネル1bにおいては、斜辺4の縁部である折曲片6に、その長手方向に並んで一対の嵌合突起14a,14bが取り付けられている。これら嵌合突起14a,14bは、頭部15と軸部16とからなる断面T形をなし、頭部15は前記嵌合溝8における挿入部10a,10bの直径よりやや小さい外径寸法の円形で、軸部16はガイド部9の溝幅よりもごく僅かに小さい外径寸法の軸となっている。そして、嵌合突起14aと14bとの間隔距離は、嵌合溝8における挿入部10aと10bとの間隔距離と同じとなっている。
【0023】
次に、かご室の側壁部を組立てる手順について説明する。
【0024】
まず、図3(A)に示すように、かご室の内側において、かご室の床部20の一辺の縁部にかごパネル1a,1bのうちの一方のかごパネル1aをその化粧面5がかご室の内側に向くように取り付ける。すなわち、かごパネル1aの底辺2を床部20の縁部に据え付け、垂辺3が垂直に起立するようにかごパネル1aを床部20に取り付ける。この状態のもとでは、かごパネル1aの嵌合溝8の挿入部10a,10bが斜辺4の上部に位置している。
【0025】
次に、図1及び図3(B)に示すように、他方のかごパネル1bをその底辺2が水平で、垂辺3が下側に延びる逆さまの状態に保持し、このかごパネル1bの斜辺4の嵌合突起14a,14bを一方のかごパネル1aにおける嵌合溝8の挿入部10a,10bに対向させる。そして嵌合突起14a,14bを挿入部10a,10bに挿入し、他方のかごパネル1bにおける斜辺4の折曲片6を、一方のかごパネル1aにおける斜辺4の折曲片6に突き合わせ、この状態で他方のかごパネル1bを一方のかごパネル1aの斜辺4に沿って斜め下方にスライドさせる。
【0026】
図4には図3(B)におけるC−C線に沿う断面図を示してあり、この図4に示すように、かごパネル1bのスライドに応じて嵌合突起14a,14bは、その軸部16が嵌合溝8のガイド部9に移行し、その軸部16とガイド部9とでかごパネル1bのスライドがガイドされる。そして、かごパネル1bがスライドするときには、そのかごパネル1bの自重がスライドを助長する力として作用するから、軽い操作で円滑に能率よくかごパネル1bをスライドさせることができる。したがって、この作業はかご室の内側において容易に能率よく行なうことができる。
【0027】
そしてかごパネル1bがスライドすることで、嵌合突起14a,14bの軸部16がガイド部9の下端側の端部に移行して当接し、その当接で一方のかごパネル1aの斜辺4の全長区間と他方のかごパネル1bの斜辺4の全長区間とが対向合致するように位置決めされ、両かごパネル1a,1bにより長方形状の側壁部が構成される。
【0028】
嵌合突起14a,14bはその頭部15がガイド部9と対向することで嵌合溝8からの抜止めが図られ、また軸部16が嵌合溝8の両側縁で挟まれることで、両かごパネル1a,1bががたつくことなく結合される。つまり、嵌合突起14a,14bと嵌合溝8が両かごパネル1a,1bを締結して結合保持する締結保持手段として機能する。
【0029】
嵌合溝8の縁部にはその内側に折曲するリブ11が一体に形成されており、このため嵌合突起14a,14bと嵌合溝8との結合をより安定させることができ、また嵌合溝8の縁部を補強することができる。
【0030】
一対のかごパネル1a,1bで長方形状の一つの側壁部を据え付けた後には、その側壁部に隣接して他の一つの側壁部を同様の工程で据え付ける。すなわち、図3(C)に示すように既設のかごパネル1bの垂辺3に新規のかごパネル1aの垂辺3を突き当て、この新規のかごパネル1aの下部を床部20に締結する。そして図3(D)に示すように、新規のかごパネル1aの斜辺4に前述と同様の工程で、新規の他方のかごパネル1bを取り付けて長方形状の側壁部を組立てる。
【0031】
このようにして、床部20の縁部にかご室のサイズに応じる所要数の側壁部を据え付け、さらに同様の工程で床部20の他の二辺の縁部にも側壁部を据え付けてかご室の側壁を構成する。
【0032】
かご室の側壁を構成した後には、かご室の前面側となる床部20の残りの一辺にかごドア装置を据え付け、さらに側壁の上部に天井部を据え付ける。
【0033】
なお、かご室のサイズが小さいときには、床部20の一つの縁部に一つの側壁部のみを据え付けて側壁とする場合もある。
【0034】
図5には第2の実施形態を示してある。この実施形態においては、かごパネル1bの斜辺4に設けられた嵌合突起14a,14bの少なくとも軸部16の外表面が適度な弾性を有する弾性部となっている。すなわち、例えば、軸部16の外表面にゴムやウレタンなどの高分子材料からなる一定の厚さの弾性材22が貼り付けられている。そして弾性材22を含む軸部16の外径寸法が、かごパネル1aの斜辺4に形成された嵌合溝8におけるガイド部9の溝幅よりやや大きくなっている。
【0035】
この実施形態においては、一方のかごパネル1aの斜辺4に対して他方のかごパネル1bの斜辺4が斜め下方にスライドして嵌合突起14a,14bの軸部16が嵌合溝8に沿って移行するときに、その軸部16の外表面の弾性材22が僅かに弾性的に変形して嵌合溝8のガイド部9に嵌合し、この状態で軸部16がガイド部9に沿って移行してガイド部9の下端側の端部に当接する。そして、その当接で一方のかごパネル1aの斜辺4の全長区間と他方のかごパネル1bの斜辺4の全長区間とが対向合致し、両かごパネル1a,1bが位置決めされる。
【0036】
この場合、軸部16の弾性材22が嵌合溝8の両側縁に弾性的に接触しており、このため軸部16の軸方向の移動がその弾性力で食い止められ、位置決めされた両かごパネル1a,1bの結合をより強め、その相互のがたつきをより確実に防止することができる。
【0037】
なお、この実施形態では、嵌合突起14a,14bの軸部16の外表面に弾性材22を取り付けるようにしたが、嵌合突起14a,14bの全体をゴムやウレタンなどの弾性材で形成するような場合であってもよい。
【0038】
図6及び図7には第3の実施形態を示してある。この実施形態においては、かごパネル1bの斜辺4における嵌合突起14a,14bが全長同一外径のピン状となっている。そして、かごパネル1aの斜辺4における嵌合溝8は、ピン状の嵌合突起14a,14bの外径寸法よりやや大きい溝幅のガイド部23と、このガイド部23の中間部及び端部に設けられ、ピン状の嵌合突起14a,14bの外径寸法よりやや狭い溝幅の狭幅部24a,24bとを有している。狭幅部24a,24bは、一方のかごパネル1aの斜辺4の全長区間と他方のかごパネル1bの斜辺4の全長区間とが対向合致するときに、ピン状の嵌合突起14a,14bが位置する個所に形成されている。
【0039】
この実施形態においては、側壁部を組立てる際、図7(A)に示すように、まずかごパネル1bの嵌合突起14a,14bをかごパネル1aの嵌合溝8の最上部分のガイド部23、及び狭幅部24aの下側部分のガイド部23に挿入して一方のかごパネル1aの斜辺4の上部に他方のかごパネル1bを突き合わせる。そして他方のかごパネル1bを一方のかごパネル1aの斜辺4に沿って下方にスライドさせ、嵌合突起14a,14bをガイド部23に沿って下方に移行させ、一方のかごパネル1aの斜辺4の全長区間と他方のかごパネル1bの斜辺4の全長区間とを対向合致させる。
【0040】
一方のかごパネル1aの斜辺4の全長区間と他方のかごパネル1bの斜辺4の全長区間とが対向合致するときには、図7(B)に示すように嵌合突起14a,14bが嵌合溝8の狭幅部24a,24bにそれぞれ圧入し、この圧入で両かごパネル1a,1bが位置決めされる。
【0041】
したがって、嵌合突起14a,14bの軸方向の移動がその圧入で食い止められ、位置決めされた両かごパネル1a,1bの結合がより強固となり、その相互のがたつきをより確実に防止することができる。
【0042】
また、嵌合突起14a,14bが狭幅部24a,24bに達するまでの区間、つまりガイド部23の区間ではその溝幅が嵌合突起14a,14bの外径寸法より大きな幅となっているから、一方のかごパネル1aの斜辺4に対して他方のかごパネル1bを斜め下方にスライドさせるときの円滑性が良好となり、その操作の作業性が向上する。
【0043】
なお、この第3の実施形態においても、前記ピン状の嵌合突起14a,14bを前記第2の実施形態の場合と同様に、少なくともその外表面を適度な弾性を有する弾性部とすることも可能である。
【0044】
前記各実施形態では、二枚のかごパネル1a,1bを組合わせて一つの側壁部を組立てる場合の例であるが、図8に第4の実施形態として示すように、第1、第2、第3の三枚のかごパネル1a,1b,1cの組合わせで一つの側壁部を組立てることも可能である。
【0045】
この場合における第1及び第2のかごパネル1a,1bは、外径形状が同じで、それぞれ底辺2、垂辺3、斜辺4を有するほぼ三角形状をなしている。そしてこれら第1及び第2の二つのかごパネル1a,1bは、その各斜辺4が互いに向き合うように床部20の縁部に締結される。
【0046】
第1及び第2の二つのかごパネル1a,1bの斜辺4が互いに向き合うことで、その斜辺4の対向間に三角形の空間が形成されるが、第3のかごパネル1cは、その三角形の空間形状に対応する二等辺三角形状、すなわち一つの底辺2と二つの斜辺4a,4bを有する三角形状に形成されている。
【0047】
そして、二等辺三角形状のかごパネル1cの一方の斜辺4aには、前記第1〜第3の実施形態のいずれかの場合と同様の嵌合突起が設けられ、その斜辺4aに対応する第1のかごパネル1aの斜辺4にその嵌合突起に対応する嵌合溝が形成されている。
【0048】
この実施形態においては、床部20にまず第1及び第2のかごパネル1a,1bを据え付ける。次に、その第1及び第2のかごパネル1a,1bの斜辺4間の空間内に第3のかごパネル1cをその頂点を下方に向けて差し込む。
【0049】
この際、第3のかごパネル1cの斜辺4aの嵌合突起を第1のかごパネル1aの斜辺4の嵌合溝に挿入し、その第3のかごパネル1cの斜辺4aを第1のかごパネル1aの斜辺4に突き合わせ、この状態で第3のかごパネル1cを第1のかごパネル1aの斜辺4に沿って斜め下方にスライドさせ、第3のかごパネル1cの他方の斜辺4bを第2のかごパネル1bの斜辺4に密着させる。
【0050】
第3のかごパネル1cの双方の斜辺4a,4bが第1及び第2の斜辺4にそれぞれ密着したときには、第3のかごパネル1cの嵌合突起と第1のかごパネル1aの嵌合溝との嵌合で第3のかごパネル1cが第1のかごパネル1aに結合される。そして、これら第1、第2、第3のかごパネル1a,1b,1cで側壁部が構成される。
【0051】
なお、以上説明したこの発明の幾つかの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。その実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1a.1b.1c…かごパネル
4.4a.4b…斜辺
5…化粧面
6…折曲片
8…嵌合溝
9…ガイド部
10a.10b…挿入部
11…リブ
14a.14b…嵌合突起
15…頭部
16…軸部
20…床部
22…弾性材
23…ガイド部
24a.24b…狭幅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接して並べられるかごパネルの相互を締結してエレベータかご室の側壁部を組立てる組立方法であって、
前記各かごパネルはそれぞれ斜辺を有し、一方のかごパネルの斜辺にはその長手方向に沿って嵌合溝が形成され、他方のかごパネルの斜辺には前記嵌合溝に嵌合可能な嵌合突起が設けられ、一方のかごパネルの斜辺の上部に他方のかごパネルの斜辺を突き合わせるとともに、前記嵌合突起を前記嵌合溝に挿入し、この状態で前記嵌合突起と前記嵌合溝とによるガイドで前記一方のかごパネルの斜辺に沿って前記他方のかごパネルを斜め下方にスライドさせて前記両斜辺同士の全長区間を対向合致させる工程を含み、前記嵌合突起と前記嵌合溝とを、前記一方のかごパネルと前記他方のかごパネルの斜辺同士の全長区間が対向合致するときにおけるその一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能させることを特徴とするエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項2】
前記嵌合突起は、外径の大きい頭部とその頭部の外径より小さい軸部とを有する断面T形をなし、前記嵌合溝は前記頭部の外径寸法よりも大きい挿入部と、この挿入部に連なり溝幅が挿入部の外径より小さく前記嵌合突起の軸部の外径より大きいガイド部とを有し、前記嵌合突起は前記挿入部を通して嵌合溝に挿入され、前記他方のかごパネルのスライドで前記軸部が前記ガイド部に移行して前記頭部が前記ガイド部と対向することで、前記一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能することを特徴とする請求項1記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項3】
前記嵌合突起はピン状をなし、前記嵌合溝は前記ピン状の嵌合突起の外径寸法より大きい溝幅のガイド部と、前記ピン状の嵌合突起の外径寸法より小さい溝幅の狭幅部とを有し、前記嵌合突起は前記ガイド部を通して嵌合溝に挿入され、前記他方のかごパネルのスライドで前記嵌合突起が前記ガイド部から狭幅部に移行してその狭幅部に圧入することで、前記一方のかごパネルと他方のかごパネルとを締結して結合保持する締結保持手段として機能することを特徴とする請求項1記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項4】
前記嵌合突起は少なくともその外表面が弾性部となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項5】
前記嵌合溝の縁部にはリブが一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項6】
側壁部が二枚のかごパネルの組合せで長方形状に組立てられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。
【請求項7】
側壁部が三枚のかごパネルの組合せで長方形状に組立てられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータかご室の側壁部組立方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−137163(P2012−137163A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291232(P2010−291232)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】