エレベータの戸閉安全装置
【課題】ペットの紐や電気掃除機の電源コードまたは携帯PHS用ストラップなどの紐状物体が挟まれたことを確実に検出できるようにしたエレベータの戸閉安全装置を得る。
【解決手段】戸1の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒6に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝6aが上下方向に設けられた接触棒6と、接触棒の内側に縦方向に延長するように設けられた中枠7と、接触棒と中枠との間に設けられ、接触棒を中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構6b、9と、接触棒が中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチ8とを備える。
【解決手段】戸1の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒6に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝6aが上下方向に設けられた接触棒6と、接触棒の内側に縦方向に延長するように設けられた中枠7と、接触棒と中枠との間に設けられ、接触棒を中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構6b、9と、接触棒が中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチ8とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペットの紐や電気掃除機のコードような紐状物体がエレベータの戸に挟まれたまま、かごが走行してしまうのを防止するエレベータの戸閉安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの戸閉装置に広く使用されている戸閉安全装置の代表的な例を図11、図12に示す(例えば、特許文献1参照)。図中、1は出入口を開閉するかごの戸、2はかごの戸1の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒2の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒2の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒2に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒2が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。このエレベータの戸安全装置では、かごの戸1の戸閉時に、かごの戸1の先端に突出した接触棒2に出入口の障害物が当たると、リンク3a、3bで支持された接触棒2が引込むことで検出スイッチ3cが作動し、かごの戸1を反転させるものである。しかし、かごの戸1の先端の接触棒2が検出できる障害物が限られるという問題があった。
例えば、ペットと一緒にエレベータに乗る乗客においては、他の乗客のペットと鉢合わせをした場合、ペットが驚いて逃げ出し、エレベータと乗場をペットを繋いでいる紐や綱が挟まれた状態で戸閉し、そのままかごが走行してしまうと事故の発生に繋がる恐れがある。ペットが突然かごから飛び出した時にエレベータのかごが動き出すと、持っていた紐や綱で乗客が手を負傷する可能性がある。また、かごの動き出しによって紐や綱が引っ張られ、ペットの首が絞められる可能性もある。また、エレベータ清掃の際、乗場コンセントに電気掃除機の電源コードを差したままかご室内を掃除することがある。この時、他の階からの呼びに応答し、掃除機の電源コードを挟んだまま戸閉して、エレベータのかごが動き出すと、掃除機の電源コードが引っ張られて思わぬ事故となる恐れがある。
【0003】
また、従来技術として、乗客輸送車の扉閉動作時、扉閉動作の異物がセーフティシューに触れると扉閉動作を停止させる停止手段を備えた輸送機用扉装置において、乗客輸送車の乗降方向でセーフティシューと乗客輸送車の乗降用ドアとの間に配置され、乗降用ドアの戸閉速度が減速かつ低速時に、扉閉方向に戸当り部から突出し、扉全閉時は戸当り部と重なるように配置された検出体を備える輸送機用扉装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】実開昭56−135985号公報
【特許文献2】特開2006−199461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の従来の戸閉安全装置では、ペットの紐や電気掃除機の電源コードや携帯PHS用ストラップなどの紐状物体は検出しにくいといった問題があった。
また、特許文献2記載の従来技術では、輸送機であるエレベータが走行を開始した場合、異物が検出体に接触した後、検出体が後退しスイッチが動作する構成であるため、エレベータが一旦は動いてしまうのでそれが危険に繋がるという問題がある。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ペットの紐や電気掃除機の電源コードまたは携帯PHS用ストラップなどの紐状物体が挟まれたことを確実に検出できるようにしたエレベータの戸閉安全装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータの戸閉安全装置においては、戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた接触棒と、接触棒の内側に上下方向に延長するように設けられた中枠と、接触棒と中枠との間に設けられ、接触棒を中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構と、接触棒が中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチとを備えたものである。
【0008】
また、この発明に係るエレベータの戸閉安全装置においては、戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、接触棒と、接触棒と戸の間に設けられ、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた検出プレートと、検出プレートを接触棒に対して上下方向にスライド可能に取り付けるリンク機構と、検出プレートと戸との間に設けられ、常時検出プレートを所定の高さ位置に保持する保持機構と、検出プレートが接触棒に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチとを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、接触棒は従来のようにリンクで出入口の障害物を検出する機能をそのまま残し、新たに接触棒又は検出プレートに鋸歯状溝を設け、接触棒又は検出プレートを上下スライド可能に構成し、上下動を検出する紐状物体検出スイッチを設けたので、ペットの紐などの紐状物体も検出できる。また紐状物体が絡んでの予測のつかないような事故も未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の要部構成を示す斜視図、図3は図2のA−A線に沿った断面図、図4は図2のB−B線に沿った部分拡大断面図、図5は図2のC−C線に沿った拡大断面図、図6は図2のD−D線に沿った部分拡大断面図、図7は紐状物体がかごの戸と乗場の戸に挟まれた状態を示す図3相当の断面図である。
【0011】
図において、1は出入口を開閉するかごの戸、6はかごの戸1の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒6の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒6に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒6の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒6に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒6に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒6が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。5は敷居上面、5aは出入口上枠である。
この発明による上記接触棒6は次のように構成されている。すなわち、6aは接触棒6の戸当り側先端部に上下方向に設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝、6bは接触棒6の上下部にそれぞれ設けられた上下一対のスライド用長穴で、接触棒6を上下方向にスライド可能にする上下スライド機構の一つを構成するものである。7は接触棒6の内側に重合されて上下方向に延長するように設けられた中枠、7aは中枠7の中央部の戸当り側に設けられた三角溝カム、7bはこの三角溝カム7aに嵌り込まれるコロ、7eはコロ7bを先端部に備えたコロ付きリンクで、コロ7bはピン7gにより回転可能に軸支されている。7cは接触棒6の内面とコロ付きリンク7eとの間に設けられたバネで、このバネ7cはコロ7bを常時三角溝カム7aに嵌り込むように付勢している。7dは接触棒6の内側に設けられた軸受からなるリンク支持部で、コロ付きリンク7eをピン7fにより回転可能に軸支している。8は接触棒6の内側に設けられた紐状物体検出スイッチで、接触棒6が上下方向に移動して上記コロ7bが三角溝カム7aから押し出されると、コロ付きリンク7eがピン7fを支点として時計方向に回転することにより、コロ付きリンク7eの下端部の動きにより紐状物体検出スイッチ8が作動するようになっている。そして、この紐状物体検出スイッチ8が作動すると、かごの戸1を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する。9は中枠7の上下部を上部リンク3a及び下部リンク3bで支持するピンで、このピン9の両端部を接触棒6のスライド用長穴6bに通すことにより、接触棒6を上下の長穴6bの範囲で上下向にスライド可能とし、上下スライド機構の一つを構成するものである。なお、16は乗場の戸、17はペットの紐などからなる紐状物体である。
【0012】
以上のように、かごの戸1の戸当り側先端部に取り付けられた接触棒6は、その内側に中枠7を備えており、中枠7の上下部を上部リンク3a及び下部リンク3bにピン9により支持し、このピン9の両端部を接触棒6のスライド用長穴6bに通すことにより、接触棒6を上下の長穴6bの範囲で上下方向にスライド可能としている。また、中枠7の中央高さにコロ付きリンク7eのコロ7bがバネ7cの付勢力で三角溝カム7aに押し付けられて前記接触棒6の上下高さ位置が保持されている。かごの戸1が戸閉した時に、ペットの紐などからなる紐状物体17がかごの戸1に挟まれると、図7に示すように、紐状物体17が接触棒6の鋸歯状溝6aを横切った状態になる。この状態で紐状物体17を引き抜こうと引っ張ると、或いはまたはエレベータの動きにより紐状物体17が引っ張られると、鋸歯状溝6aに紐状物体17が確実に引っ掛り、接触棒6が上方または下方に引き寄せられる。その結果、前記コロ7bが三角溝カム7aから押し出され、コロ付きリンク7eがピン7fを支点として時計方向に回転し、コロ付きリンク7eの下端部の動きにより紐状物体検出スイッチ8が作動し、エレベータの運転を阻止する。同時にかご戸1を反転させる。但し、エレベータがドアーゾーンを大きく超えて外れている場合は、戸開動作は大きく開かないように戸開閉寸法を規制し、図示省略した別の戸開制限スイッチで制御することにより、戸開した開口から昇降路へペットが逃げて、2次災害が発生しないように未然に防止する。
【0013】
この実施の形態1によれば、接触棒6は従来のようにリンク3a、3bで出入口の障害物を検出する機能をそのまま残し、新たに接触棒6に鋸歯状溝6aを設け、中枠7を基準に接触棒6を上下スライド可能に構成し、上下動を検出する紐状物体検出スイッチ8を設けたので、ペットの紐などの紐状物体17も検出できる。また紐状物体が絡んでの予測のつかないような事故も未然に防ぐことができる。
【0014】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図、図9は図8のE部分を拡大して示す要部詳細図、図10は図8のF−F線に沿った部分拡大断面図である。
【0015】
図において、1は出入口を開閉するかごの戸、2はかごの戸1の戸当り側先端部に上下向に設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒2の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒2の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒6に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒6が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。5は敷居上面、5aは出入口上枠である。10はかごの戸1と接触棒2との間に配置されたこの発明による検出プレートである。10aは検出プレート10の戸当り側先端部に上下向に亘って設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝、10b、10cは検出プレート10の反戸当り側の中央部にそれぞれ設けられた2つの三角溝カム、11は検出プレート10の上下部をピン11aにより軸支しているリンク、12は上部取付板3から上方に延長された検出プレート取付部で、リンク11の他端をピン11aにより軸支している。13は下部取付板3から下方に延長された検出プレート取付部で、リンク11の他端をピン11aにより軸支している。14ははかごの戸1の中央部に設けられた中央部取付板、15は中央部取付板14に取り付けられたコロ付き押えロッド、15aはコロ付き押えロッド15の先端部に設けられたコロで、一方の三角溝カム10cに嵌り込んでいる。15bはバネ押え、15cはバネ押え15bとガイド15dとの間に設けられたバネで、このバネ15cはコロ15aを常時一方の三角溝カム10cに嵌り込むように付勢している。16は中央取付板14に取り付けられた紐状物体検出スイッチで、検出プレート10が上下方向に移動して上記コロ15aが三角溝カム10cから押し出されると、紐状検出スイッチ16の操作レバー先端のコロ16aが他方の三角溝カム10bから押し出されることにより、紐状物体検出スイッチ16が作動する。そして、この紐状物体検出スイッチ16が作動すると、かごの戸1を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する。
【0016】
以上のように、接触棒2を従来と同じ構造とし、かごの戸1と接触棒2との間に配置された検出プレート10の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝10aを設け、この検出プレート10に紐状物体17の検出機能を持たせたものである。検出プレート10の上下部をリンク11により支持し、検出プレート10の中央部高さに三角溝カム10b、10cを2つ並べて、その一方の三角溝カム10cには先端にコロ15aを備えたバネ付きの押えロッド15を嵌り込ませることにより、検出プレート10を押え、その高さを保持している。他方の三角溝カム10bには紐状物体検出スイッチ16の操作レバー先端のコロ16aが嵌り込むようになっている。かごの戸1が戸閉した時に、ペットの紐などからなる紐状物体17がかごの戸1に挟まれると、紐状物体17が検出プレート10の鋸歯状溝10aを横切った状態になる。この状態で紐状物体17を引き抜こうと引っ張ると、或いはまたはエレベータの動きにより紐状物体17が引っ張られると、鋸歯状溝10aに紐が確実に引っ掛り、検出プレート10が上方または下方に引き寄せられる。その結果、紐状物体検出スイッチ16が作動し、エレベータの運転を阻止する。同時にかご戸1を反転させる。但し、エレベータがドアーゾーンを大きく外れて越えている場合は、戸開動作は大きく開かないように戸開閉寸法を規制し、図示省略した別の戸開制限スイッチで制御することにより、戸開した開口から昇降路へペットが逃げて、2次災害が発生しないように未然に防止する。
【0017】
この実施の形態1によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の要部構成を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿った部分拡大断面図である。
【図5】図2のC−C線に沿った拡大断面図である。
【図6】図2のD−D線に沿った部分拡大断面図である。
【図7】紐状物体がかごの戸と乗場の戸に挟まれた状態を示す図3相当の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図9】図8のE部分を拡大して示す要部詳細図である。
【図10】図8のF−F線に沿った部分拡大断面図である。
【図11】従来のエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図12】図11のG−G線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 かごの戸
2 接触棒
3 取付板
3a、3bはリンク
3c 検出スイッチ
4、4a、4b ピン
5 敷居上面
5a 出入口上枠
6 接触棒
6a 鋸歯状溝
6b スライド用長穴
7 中枠
7a 三角溝カム
7b コロ
7c バネ
7d 軸受(リンク支持部)
7e コロ付きリンク
7f、7g ピン
8 紐状物体検出スイッチ
10 検出プレート
10a 鋸歯状溝
10b、10c 三角溝カム
11 リンク
11a ピン
12、13、14 取付板
15 コロ付きロッド
15a コロ
15b バネ押え
15c バネ
15d ガイド
16 紐状物体検出スイッチ
16a コロ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペットの紐や電気掃除機のコードような紐状物体がエレベータの戸に挟まれたまま、かごが走行してしまうのを防止するエレベータの戸閉安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの戸閉装置に広く使用されている戸閉安全装置の代表的な例を図11、図12に示す(例えば、特許文献1参照)。図中、1は出入口を開閉するかごの戸、2はかごの戸1の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒2の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒2の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒2に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒2が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。このエレベータの戸安全装置では、かごの戸1の戸閉時に、かごの戸1の先端に突出した接触棒2に出入口の障害物が当たると、リンク3a、3bで支持された接触棒2が引込むことで検出スイッチ3cが作動し、かごの戸1を反転させるものである。しかし、かごの戸1の先端の接触棒2が検出できる障害物が限られるという問題があった。
例えば、ペットと一緒にエレベータに乗る乗客においては、他の乗客のペットと鉢合わせをした場合、ペットが驚いて逃げ出し、エレベータと乗場をペットを繋いでいる紐や綱が挟まれた状態で戸閉し、そのままかごが走行してしまうと事故の発生に繋がる恐れがある。ペットが突然かごから飛び出した時にエレベータのかごが動き出すと、持っていた紐や綱で乗客が手を負傷する可能性がある。また、かごの動き出しによって紐や綱が引っ張られ、ペットの首が絞められる可能性もある。また、エレベータ清掃の際、乗場コンセントに電気掃除機の電源コードを差したままかご室内を掃除することがある。この時、他の階からの呼びに応答し、掃除機の電源コードを挟んだまま戸閉して、エレベータのかごが動き出すと、掃除機の電源コードが引っ張られて思わぬ事故となる恐れがある。
【0003】
また、従来技術として、乗客輸送車の扉閉動作時、扉閉動作の異物がセーフティシューに触れると扉閉動作を停止させる停止手段を備えた輸送機用扉装置において、乗客輸送車の乗降方向でセーフティシューと乗客輸送車の乗降用ドアとの間に配置され、乗降用ドアの戸閉速度が減速かつ低速時に、扉閉方向に戸当り部から突出し、扉全閉時は戸当り部と重なるように配置された検出体を備える輸送機用扉装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】実開昭56−135985号公報
【特許文献2】特開2006−199461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の従来の戸閉安全装置では、ペットの紐や電気掃除機の電源コードや携帯PHS用ストラップなどの紐状物体は検出しにくいといった問題があった。
また、特許文献2記載の従来技術では、輸送機であるエレベータが走行を開始した場合、異物が検出体に接触した後、検出体が後退しスイッチが動作する構成であるため、エレベータが一旦は動いてしまうのでそれが危険に繋がるという問題がある。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ペットの紐や電気掃除機の電源コードまたは携帯PHS用ストラップなどの紐状物体が挟まれたことを確実に検出できるようにしたエレベータの戸閉安全装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータの戸閉安全装置においては、戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた接触棒と、接触棒の内側に上下方向に延長するように設けられた中枠と、接触棒と中枠との間に設けられ、接触棒を中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構と、接触棒が中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチとを備えたものである。
【0008】
また、この発明に係るエレベータの戸閉安全装置においては、戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるものにおいて、接触棒と、接触棒と戸の間に設けられ、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた検出プレートと、検出プレートを接触棒に対して上下方向にスライド可能に取り付けるリンク機構と、検出プレートと戸との間に設けられ、常時検出プレートを所定の高さ位置に保持する保持機構と、検出プレートが接触棒に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチとを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、接触棒は従来のようにリンクで出入口の障害物を検出する機能をそのまま残し、新たに接触棒又は検出プレートに鋸歯状溝を設け、接触棒又は検出プレートを上下スライド可能に構成し、上下動を検出する紐状物体検出スイッチを設けたので、ペットの紐などの紐状物体も検出できる。また紐状物体が絡んでの予測のつかないような事故も未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の要部構成を示す斜視図、図3は図2のA−A線に沿った断面図、図4は図2のB−B線に沿った部分拡大断面図、図5は図2のC−C線に沿った拡大断面図、図6は図2のD−D線に沿った部分拡大断面図、図7は紐状物体がかごの戸と乗場の戸に挟まれた状態を示す図3相当の断面図である。
【0011】
図において、1は出入口を開閉するかごの戸、6はかごの戸1の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒6の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒6に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒6の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒6に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒6に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒6が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。5は敷居上面、5aは出入口上枠である。
この発明による上記接触棒6は次のように構成されている。すなわち、6aは接触棒6の戸当り側先端部に上下方向に設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝、6bは接触棒6の上下部にそれぞれ設けられた上下一対のスライド用長穴で、接触棒6を上下方向にスライド可能にする上下スライド機構の一つを構成するものである。7は接触棒6の内側に重合されて上下方向に延長するように設けられた中枠、7aは中枠7の中央部の戸当り側に設けられた三角溝カム、7bはこの三角溝カム7aに嵌り込まれるコロ、7eはコロ7bを先端部に備えたコロ付きリンクで、コロ7bはピン7gにより回転可能に軸支されている。7cは接触棒6の内面とコロ付きリンク7eとの間に設けられたバネで、このバネ7cはコロ7bを常時三角溝カム7aに嵌り込むように付勢している。7dは接触棒6の内側に設けられた軸受からなるリンク支持部で、コロ付きリンク7eをピン7fにより回転可能に軸支している。8は接触棒6の内側に設けられた紐状物体検出スイッチで、接触棒6が上下方向に移動して上記コロ7bが三角溝カム7aから押し出されると、コロ付きリンク7eがピン7fを支点として時計方向に回転することにより、コロ付きリンク7eの下端部の動きにより紐状物体検出スイッチ8が作動するようになっている。そして、この紐状物体検出スイッチ8が作動すると、かごの戸1を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する。9は中枠7の上下部を上部リンク3a及び下部リンク3bで支持するピンで、このピン9の両端部を接触棒6のスライド用長穴6bに通すことにより、接触棒6を上下の長穴6bの範囲で上下向にスライド可能とし、上下スライド機構の一つを構成するものである。なお、16は乗場の戸、17はペットの紐などからなる紐状物体である。
【0012】
以上のように、かごの戸1の戸当り側先端部に取り付けられた接触棒6は、その内側に中枠7を備えており、中枠7の上下部を上部リンク3a及び下部リンク3bにピン9により支持し、このピン9の両端部を接触棒6のスライド用長穴6bに通すことにより、接触棒6を上下の長穴6bの範囲で上下方向にスライド可能としている。また、中枠7の中央高さにコロ付きリンク7eのコロ7bがバネ7cの付勢力で三角溝カム7aに押し付けられて前記接触棒6の上下高さ位置が保持されている。かごの戸1が戸閉した時に、ペットの紐などからなる紐状物体17がかごの戸1に挟まれると、図7に示すように、紐状物体17が接触棒6の鋸歯状溝6aを横切った状態になる。この状態で紐状物体17を引き抜こうと引っ張ると、或いはまたはエレベータの動きにより紐状物体17が引っ張られると、鋸歯状溝6aに紐状物体17が確実に引っ掛り、接触棒6が上方または下方に引き寄せられる。その結果、前記コロ7bが三角溝カム7aから押し出され、コロ付きリンク7eがピン7fを支点として時計方向に回転し、コロ付きリンク7eの下端部の動きにより紐状物体検出スイッチ8が作動し、エレベータの運転を阻止する。同時にかご戸1を反転させる。但し、エレベータがドアーゾーンを大きく超えて外れている場合は、戸開動作は大きく開かないように戸開閉寸法を規制し、図示省略した別の戸開制限スイッチで制御することにより、戸開した開口から昇降路へペットが逃げて、2次災害が発生しないように未然に防止する。
【0013】
この実施の形態1によれば、接触棒6は従来のようにリンク3a、3bで出入口の障害物を検出する機能をそのまま残し、新たに接触棒6に鋸歯状溝6aを設け、中枠7を基準に接触棒6を上下スライド可能に構成し、上下動を検出する紐状物体検出スイッチ8を設けたので、ペットの紐などの紐状物体17も検出できる。また紐状物体が絡んでの予測のつかないような事故も未然に防ぐことができる。
【0014】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図、図9は図8のE部分を拡大して示す要部詳細図、図10は図8のF−F線に沿った部分拡大断面図である。
【0015】
図において、1は出入口を開閉するかごの戸、2はかごの戸1の戸当り側先端部に上下向に設けられた接触棒、3はかごの戸1の上下2個所に設けられた上部及び下部取付板、3aは接触棒2の上部と上部取付板3とを連結する上部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、中央部がピン4aにより上部取付板3に取り付けられている。3bは接触棒2の下部と下部取付板3とを連結する下部リンクで、上端部がピン4により接触棒2に取り付けられ、下端部がピン4bにより下部取付板3に取り付けられている。3cは上部取付板3に設けられた検出スイッチで、上部リンク3aの下端部の動きにより作動される。すなわち、かごの戸1の先端に突出した接触棒6に出入口の障害物が当たると、リンク支持された接触棒6が引っ込むことで、上部リンク3aの下端部が検出スイッチ3cを作動させてかごの戸1を反転させる。5は敷居上面、5aは出入口上枠である。10はかごの戸1と接触棒2との間に配置されたこの発明による検出プレートである。10aは検出プレート10の戸当り側先端部に上下向に亘って設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝、10b、10cは検出プレート10の反戸当り側の中央部にそれぞれ設けられた2つの三角溝カム、11は検出プレート10の上下部をピン11aにより軸支しているリンク、12は上部取付板3から上方に延長された検出プレート取付部で、リンク11の他端をピン11aにより軸支している。13は下部取付板3から下方に延長された検出プレート取付部で、リンク11の他端をピン11aにより軸支している。14ははかごの戸1の中央部に設けられた中央部取付板、15は中央部取付板14に取り付けられたコロ付き押えロッド、15aはコロ付き押えロッド15の先端部に設けられたコロで、一方の三角溝カム10cに嵌り込んでいる。15bはバネ押え、15cはバネ押え15bとガイド15dとの間に設けられたバネで、このバネ15cはコロ15aを常時一方の三角溝カム10cに嵌り込むように付勢している。16は中央取付板14に取り付けられた紐状物体検出スイッチで、検出プレート10が上下方向に移動して上記コロ15aが三角溝カム10cから押し出されると、紐状検出スイッチ16の操作レバー先端のコロ16aが他方の三角溝カム10bから押し出されることにより、紐状物体検出スイッチ16が作動する。そして、この紐状物体検出スイッチ16が作動すると、かごの戸1を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する。
【0016】
以上のように、接触棒2を従来と同じ構造とし、かごの戸1と接触棒2との間に配置された検出プレート10の戸当り側先端部に上下方向に亘って設けられた多数の溝からなる鋸歯状溝10aを設け、この検出プレート10に紐状物体17の検出機能を持たせたものである。検出プレート10の上下部をリンク11により支持し、検出プレート10の中央部高さに三角溝カム10b、10cを2つ並べて、その一方の三角溝カム10cには先端にコロ15aを備えたバネ付きの押えロッド15を嵌り込ませることにより、検出プレート10を押え、その高さを保持している。他方の三角溝カム10bには紐状物体検出スイッチ16の操作レバー先端のコロ16aが嵌り込むようになっている。かごの戸1が戸閉した時に、ペットの紐などからなる紐状物体17がかごの戸1に挟まれると、紐状物体17が検出プレート10の鋸歯状溝10aを横切った状態になる。この状態で紐状物体17を引き抜こうと引っ張ると、或いはまたはエレベータの動きにより紐状物体17が引っ張られると、鋸歯状溝10aに紐が確実に引っ掛り、検出プレート10が上方または下方に引き寄せられる。その結果、紐状物体検出スイッチ16が作動し、エレベータの運転を阻止する。同時にかご戸1を反転させる。但し、エレベータがドアーゾーンを大きく外れて越えている場合は、戸開動作は大きく開かないように戸開閉寸法を規制し、図示省略した別の戸開制限スイッチで制御することにより、戸開した開口から昇降路へペットが逃げて、2次災害が発生しないように未然に防止する。
【0017】
この実施の形態1によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータの戸閉安全装置の要部構成を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿った部分拡大断面図である。
【図5】図2のC−C線に沿った拡大断面図である。
【図6】図2のD−D線に沿った部分拡大断面図である。
【図7】紐状物体がかごの戸と乗場の戸に挟まれた状態を示す図3相当の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2におけるエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図9】図8のE部分を拡大して示す要部詳細図である。
【図10】図8のF−F線に沿った部分拡大断面図である。
【図11】従来のエレベータの戸閉安全装置の構成を示す正面図である。
【図12】図11のG−G線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 かごの戸
2 接触棒
3 取付板
3a、3bはリンク
3c 検出スイッチ
4、4a、4b ピン
5 敷居上面
5a 出入口上枠
6 接触棒
6a 鋸歯状溝
6b スライド用長穴
7 中枠
7a 三角溝カム
7b コロ
7c バネ
7d 軸受(リンク支持部)
7e コロ付きリンク
7f、7g ピン
8 紐状物体検出スイッチ
10 検出プレート
10a 鋸歯状溝
10b、10c 三角溝カム
11 リンク
11a ピン
12、13、14 取付板
15 コロ付きロッド
15a コロ
15b バネ押え
15c バネ
15d ガイド
16 紐状物体検出スイッチ
16a コロ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるエレベータの戸安全装置において、
先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた接触棒と、
前記接触棒の内側に上下方向に延長するように設けられた中枠と、
前記接触棒と前記中枠との間に設けられ、前記接触棒を前記中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構と、
前記接触棒が前記中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチと、
を備えたことを特徴とするエレベータ戸安全装置。
【請求項2】
中枠は、三角溝カムと、前記三角溝カムに嵌り込まれるコロ付きリンクと、前記コロ付きリンクを付勢するバネと、前記コロ付きリンクを回転支持するリンク支持部とを備え、前記コロ付きリンクのコロが前記バネの付勢力で前記三角溝カムに押し付けられて接触棒の上下高さ位置を保持しており、戸閉時に前記接触棒が中枠に対して上下方向にスライドすると、前記コロ付きリンクのコロがバネの付勢力に抗して前記三角溝カムから押し出され、前記リンク支持部を支点に前記コロ付きリンクを回転させて紐状物体検出スイッチを作動させることを特徴とする請求項1項に記載のエレベータ戸安全装置。
【請求項3】
戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるエレベータの戸安全装置において、
接触棒と、
前記接触棒と戸の間に設けられ、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた検出プレートと、
前記検出プレートを前記接触棒に対して上下方向にスライド可能に取り付けるリンク機構と、
前記検出プレートと前記戸との間に設けられ、常時前記検出プレートを所定の高さ位置に保持する保持機構と、
前記検出プレートが前記接触棒に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチと、
を備えたことを特徴とするエレベータ戸安全装置。
【請求項4】
検出プレートは、上下にリンク機構を備え、中央部に三角溝カムを2つ備え、一方の三角溝カムには先端にコロ付きのバネで支持されたコロ付き押え装置で押し付けることにより前記検出プレート高さ位置を保持しており、他方の三角溝カムには先端にコロ付きの紐状物体検出スイッチを設け、戸閉時に前記検出プレートが上下方向にスライドすると、前記コロ付き押え装置のコロがバネの付勢力に抗して前記一方の三角溝カムから押し出されるとともに、前記紐状検出スイッチの先端コロが他方の三角溝カムから押し出されて前記紐状物体検出スイッチを作動を作動させることを特徴とする請求項3記載のエレベータ戸安全装置。
【請求項5】
戸反転動作は戸開ゾーンを大きく外れるときは戸開放寸法を規制するように制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ戸安全装置。
【請求項1】
戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるエレベータの戸安全装置において、
先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた接触棒と、
前記接触棒の内側に上下方向に延長するように設けられた中枠と、
前記接触棒と前記中枠との間に設けられ、前記接触棒を前記中枠に対して上下方向にスライド可能に取り付ける前記上下スライド機構と、
前記接触棒が前記中枠に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチと、
を備えたことを特徴とするエレベータ戸安全装置。
【請求項2】
中枠は、三角溝カムと、前記三角溝カムに嵌り込まれるコロ付きリンクと、前記コロ付きリンクを付勢するバネと、前記コロ付きリンクを回転支持するリンク支持部とを備え、前記コロ付きリンクのコロが前記バネの付勢力で前記三角溝カムに押し付けられて接触棒の上下高さ位置を保持しており、戸閉時に前記接触棒が中枠に対して上下方向にスライドすると、前記コロ付きリンクのコロがバネの付勢力に抗して前記三角溝カムから押し出され、前記リンク支持部を支点に前記コロ付きリンクを回転させて紐状物体検出スイッチを作動させることを特徴とする請求項1項に記載のエレベータ戸安全装置。
【請求項3】
戸の先端に上下方向に亘って突出して設けられた接触棒に障害物が当たると引込み、戸を反転させるエレベータの戸安全装置において、
接触棒と、
前記接触棒と戸の間に設けられ、先端部に多数の溝からなる鋸歯状の溝が上下方向に設けられた検出プレートと、
前記検出プレートを前記接触棒に対して上下方向にスライド可能に取り付けるリンク機構と、
前記検出プレートと前記戸との間に設けられ、常時前記検出プレートを所定の高さ位置に保持する保持機構と、
前記検出プレートが前記接触棒に対して上下方向にスライドした時に動作し、戸を反転させるとともに、エレベータの運転を阻止する紐状物体検出スイッチと、
を備えたことを特徴とするエレベータ戸安全装置。
【請求項4】
検出プレートは、上下にリンク機構を備え、中央部に三角溝カムを2つ備え、一方の三角溝カムには先端にコロ付きのバネで支持されたコロ付き押え装置で押し付けることにより前記検出プレート高さ位置を保持しており、他方の三角溝カムには先端にコロ付きの紐状物体検出スイッチを設け、戸閉時に前記検出プレートが上下方向にスライドすると、前記コロ付き押え装置のコロがバネの付勢力に抗して前記一方の三角溝カムから押し出されるとともに、前記紐状検出スイッチの先端コロが他方の三角溝カムから押し出されて前記紐状物体検出スイッチを作動を作動させることを特徴とする請求項3記載のエレベータ戸安全装置。
【請求項5】
戸反転動作は戸開ゾーンを大きく外れるときは戸開放寸法を規制するように制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ戸安全装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−297120(P2008−297120A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148457(P2007−148457)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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