説明

エレベータドアの制御装置

【課題】エレベータドアの開閉動作が再開し、再び障害物が検出された場合に、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができるエレベータドアの制御装置を提供する。
【解決手段】ドア21の開閉動作に支障を与える障害物を検出する障害物検出装置52と、ドア21の開閉動作時に障害物検出装置52が障害物を検出した場合に、ドア21の開閉動作を反転または停止させるドア開閉制御手段と、ドア開閉制御手段によってドア21が反転または停止された後、再びドア21が開閉動作する場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21の通常の開閉動作時に設定する第1運動エネルギーEaよりも小さな第2運動エネルギーEbを設定する状況判断部37と、ドア21の質量Mdおよびドア運動エネルギー指令値Keに基づいて、ドア21の開閉速度パターンVpを生成する速度パターン生成部38とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のエレベータドアの制御装置としては、開閉中のエレベータドアの動作が阻害されたときに、エレベータドアを一旦停止した後、通常速度よりも遅い開閉速度でエレベータドアの開閉動作を再開するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0002】
また、別の従来のエレベータドアの制御装置としては、エレベータドアに設けられたセーフティシューと、セーフティシューの動作回数を検出する動作回数検出手段と、エレベータドアの戸閉速度を制御する速度制御手段とを備えており、この構成により、セーフティシューの動作回数が所定回数以上になったときに、通常速度よりも遅い開閉速度でエレベータドアの戸閉動作を再開するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
上記特許文献1および2に記載の従来装置では、セーフティシュー等によって人やものといった障害物が検出され、エレベータドアの開閉動作が反転または停止した後、再びエレベータドアが開閉動作する場合に、通常速度よりも遅い開閉速度を設定することが示されている。
しかしながら、これら従来装置では、通常速度よりも遅い開閉速度(障害物検出後の再開閉速度)が、どのような指標に基づいて設定されるのかということについては、何ら開示されていない。
【0004】
一般的にエレベータドアの開閉速度としては、エレベータドアと障害物との接触(例えば衝突動作等)をあらかじめ考慮して決定することが望ましいことは明らかである。
そこで、衝突等の瞬間的な現象を考慮するために、エレベータドアが持つ運動エネルギー(ドア運動エネルギー指令値)を指標として開閉速度を設定する技術について開示されたエレベータドアの制御装置がある(例えば、特許文献3、4参照)。
しかしながら、上記特許文献3および4に記載の従来装置では、障害物検出後の再開閉速度に関する技術については、特に開示されていない。
【0005】
【特許文献1】実開昭54−66363号公報
【特許文献2】特開平7−267542号公報
【特許文献3】国際公開WO2004/028951号公報
【特許文献4】特開平10−17250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、従来のエレベータドアの制御装置では、障害物検出後の再開閉速度について、どのような指標に基づいて設定されるのかということは、明らかにされていないという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エレベータドアの開閉動作に支障する障害物が検出された場合に、ドア運動エネルギー指令値を切り替えることにより、エレベータドアの開閉動作が再開した後、再び障害物が検出された場合に、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができるエレベータドアの制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るエレベータドアの制御装置は、エレベータドアの開閉動作に支障を与える障害物を検出する障害物検出手段と、開閉速度パターンに応じてエレベータドアの開閉動作を制御するとともに、エレベータドアの開閉動作時に障害物検出手段が障害物を検出した場合に、エレベータドアの開閉動作を反転または停止させるドア開閉制御手段と、ドア開閉制御手段によってエレベータドアの開閉動作が反転または停止された後、再びエレベータドアが開閉動作する場合に、エレベータドアに対するドア運動エネルギー指令値として、エレベータドアの通常の開閉動作時に設定する第1運動エネルギーよりも小さな第2運動エネルギーを設定する運動エネルギー設定手段と、エレベータドアの質量およびドア運動エネルギー指令値に基づいて、エレベータドアの開閉速度パターンを生成する速度パターン生成手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明のエレベータドアの制御装置によれば、障害物が検出されてエレベータドアの開閉動作が反転または停止された後、再びエレベータドアが開閉動作する場合に、運動エネルギー設定手段は、ドア運動エネルギー指令値として、エレベータドアの通常の開閉動作時に設定する第1運動エネルギーよりも小さな第2運動エネルギーを設定する。また、速度パターン生成手段は、エレベータドアの質量と第2運動エネルギーとに基づいて、エレベータドアの開閉速度の速度パターンを生成する。
そのため、エレベータドアの開閉動作が再開した後、再び障害物が検出された場合に、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエレベータドアの制御装置が適用されるエレベータドア装置、すなわち、エレベータドア21およびその駆動部を示す構成図である。ここでは、2枚のエレベータドア21(以下、「ドア21」と略称する)が、それぞれ図中の矢印方向に戸開動作している状態を示している。
図1において、ドア21の上端部には、ガイドレール23に沿って回転移動自在のガイドローラ22が設けられている。これにより、ドア21は、ガイドレール23に沿って開閉動作可能に構成されている。
【0012】
また、ドア21の上端部には、連結具24の一端が固定されており、連結具24の他端は、プーリ26に巻回された突出ベルト25の各対向位置に固定されている。
プーリ26は、モータ29により減速機構を介して回転駆動される。減速機構は、プーリ26と同一回転中心の減速プーリ27と、減速プーリ27およびモータ29の中心軸に巻回されたベルト28とにより構成される。
【0013】
モータ29の回転トルクは、ベルト28、減速プーリ27、プーリ26、突出ベルト25および連結具24を介して、ドア21に伝達され、ドア21を開閉駆動する。
なお、図1においては、代表的にかごドア装置を示しているが、エレベータ乗り場の乗り場ドア(図示せず)もかごドアと連動して開閉駆動される。
【0014】
図2は、この発明の実施の形態1に係るエレベータドアの制御装置をモータ29とともに示す機能ブロック図である。
図2において、エレベータドアの制御装置は、ドア21の運転状況を管理してドア21を開閉制御する制御マイコン30と、制御マイコン30の制御下でモータ29を駆動する制御基板40と、モータ29の回転速度を検出して回転速度信号Rsを出力するパルスエンコーダ51と、ドア21の開閉動作に支障を与える障害物を検出して障害物検出信号Lsを出力する障害物検出装置52(障害物検出手段)とを備えている。
【0015】
制御マイコン30は、速度指令生成部31と、速度アンプ32と、電流アンプ33と、PWMユニット34と、入出力ポート35と、ドア質量算出部36(ドア質量算出手段)と、状況判断部37(運動エネルギー設定手段)と、速度パターン生成部38(速度パターン生成手段)とを含んでいる。
【0016】
速度指令生成部31は、モータ29に対する速度指令V*を生成する。速度アンプ32は、速度指令V*に基づいてトルク指令Tr*を生成する。電流アンプ33は、トルク指令Tr*に基づいて電圧指令v*を生成する。PWMユニット34は、電圧指令v*に応じたPWM信号を生成する。入出力ポート35は、外部との間で信号を入出力する。ドア質量算出部36は、ドア21の質量(ドア質量Md)を算出する。状況判断部37は、障害物検出装置52からの障害物検出信号Lsに応じてドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keを設定する。速度パターン生成部38は、ドア質量Mdおよびドア運動エネルギー指令値Keに基づいてドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
【0017】
制御マイコン30は、入出力ポート35を介して、パルスエンコーダ51からの回転速度信号Rs、障害物検出装置52からの障害物検出信号Ls、かごの呼び登録等の図示しない外部信号、および図示しない外部のセンサ情報を取り込み、ドア21の運転状況を管理するとともに、制御基板40を介してモータ29を制御し、ドア21を開閉制御する。
ここで、制御マイコン30は、CPUとプログラムを格納したメモリとを有するマイクロプロセッサ(図示せず)で構成されており、入出力ポート35を除く制御マイコン30の各ブロックは、メモリ内にソフトウェアとして記憶されている。
【0018】
制御基板40は、PWMユニット34からのPWM信号に基づいてゲート信号を生成するゲート信号生成部41と、直流電源を構成するコンバータ42と、直流電源を安定化する平滑コンデンサ43と、ゲート信号生成部41からのゲート信号により駆動されるインバータ44と、モータ29のU相電流およびV相電流(駆動電流)を検出してU相電流信号iuおよびV相電流信号ivを出力する電流センサ45とを含んでいる。
制御基板40は、インバータ44の出力電圧により、ドア駆動用の3相(U相、V相、W相)のモータ29を駆動する。
【0019】
ここで、コンバータ42およびインバータ44は、ゲート信号に基づいてモータ29を駆動するためのパワー回路を構成している。
また、電流センサ45からのU相電流信号iuおよびV相電流信号ivは、入出力ポート35を介して、制御マイコン30内の電流アンプ33およびドア質量算出部36に入力される。
【0020】
パルスエンコーダ51からの回転速度信号Rsは、入出力ポート35を介して、制御マイコン30内の速度アンプ32およびドア質量算出部36に入力される。
また、障害物検出装置52からの障害物検出信号Lsは、入出力ポート35を介して、制御マイコン30内の速度指令生成部31および状況判断部37に入力される。
【0021】
制御マイコン30内において、ドア質量算出部36は、入出力ポート35を介して入力されるU相電流信号iuおよびV相電流信号ivと、パルスエンコーダ51からの回転速度信号Rsとに基づいて、ドア21の動作中にドア質量Mdを算出する。
なお、ドア質量Mdは、エレベータの据え付け時に、メモリ内に記憶されてもよい。
また、速度指令生成部31、速度アンプ32、電流アンプ33およびPWMユニット34からなるドア開閉制御手段は、ドア21の開閉動作時に障害物検出装置52が障害物を検出し、障害物検出信号Lsが入力された場合に、ドア21の開閉動作を反転または停止(以下、「ドア21を反転または停止」と略記する)させる。
【0022】
状況判断部37は、障害物検出装置52が障害物を検出せず、ドア21が通常の開閉動作をしている場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーを設定する。
また、状況判断部37は、障害物検出装置52が障害物を検出し、ドア開閉制御手段によってドア21が反転または停止された後、再びドア21が開閉動作する場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーよりも小さな第2運動エネルギーを設定する。
【0023】
ドア質量算出部36からのドア質量Md、状況判断部37からのドア運動エネルギー指令値Keおよび後述する速度パターン形状指令P*(破線参照)は、速度パターン生成部38に入力される。
PWMユニット34は、制御基板40内のゲート信号生成部41にPWM信号を出力し、ゲート信号生成部41を介してインバータ44をPWM駆動する。
【0024】
ここで、障害物検出装置52は、ドア21の戸閉動作時に障害物がドア21に挟まれたことを検出する挟まれ検出装置(挟まれ検出手段)、およびドア21の戸開動作時に障害物がドア21に引き込まれたことを検出する引き込まれ検出装置(引き込まれ検出手段)の少なくとも一方を含んでいる。
【0025】
挟まれ検出装置としては、例えば、かごドアの先端に設けられ、ドア21の戸閉動作時に障害物がドア21に挟まれたことを検出するセーフティシューや、ドア21にかかる戸閉方向のドア負荷が所定値を超えた場合に、障害物がドア21に挟まれたことを検出する挟まれ負荷検出手段等が挙げられる。
また、引き込まれ検出装置としては、例えば、ドア21にかかる戸開方向のドア負荷が所定値を超えた場合に、障害物がドア21に引き込まれたことを検出する引き込まれ負荷検出手段等が挙げられる。
また、挟まれ検出装置および引き込まれ検出装置は、上記のような接触式のものに限定されず、例えば、赤外線ビームを遮光することによって障害物を検出する非接触式のものであってもよい。
【0026】
なお、挟まれ負荷検出手段および引き込まれ負荷検出手段は、制御マイコン30のメモリ内にソフトウェアとして記憶されてもよい。
このとき、挟まれ負荷検出手段および引き込まれ負荷検出手段は、入出力ポート35を介して入力されるU相電流信号iuおよびV相電流信号ivと、パルスエンコーダ51からの回転速度信号Rsとに基づいて、ドア21の動作中にドア負荷を検出する。
また、挟まれ負荷検出手段および引き込まれ負荷検出手段は、一体的に構成されて、回転速度信号Rsから得られるモータ29の回転方向に応じて、障害物がドア21に挟まれたこと、あるいは障害物がドア21に引き込まれたことを検出してもよい。
【0027】
以下、図1および図2とともに、図3のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1によるエレベータドアの制御装置の動作について説明する。
図3において、まず、制御マイコン30は、ドア21の開閉動作を開始する(ステップS11)。
続いて、障害物検出装置52が障害物を検出したか、例えば、ドア21の戸閉動作時に障害物がドア21に挟まれたことをセーフティシューが検出したか否かを判定する(ステップS12)。
【0028】
ステップS12において、障害物検出装置52が障害物を検出していない(すなわち、No)と判定された場合には、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時、例えば、次の停止階床でのドア21の開閉動作時におけるドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaを設定する(ステップS13)。
次に、速度パターン生成部38は、ドア質量算出部36で算出されたドア質量Mdを取り込み、ドア質量Mdおよび状況判断部37からのドア運動エネルギー指令値Keに基づいて、ドア21の開閉速度パターンVpを生成して(ステップS14)、ステップS11に移行する。
【0029】
一方、ステップS12において、障害物検出装置52が障害物を検出した(すなわち、Yes)と判定された場合には、ドア開閉制御手段は、ドア21を反転または停止させる(ステップS15)。
続いて、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時、例えば、ドア21が反転された後、再び開閉動作するときにおけるドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さな第2運動エネルギーEbを設定し(ステップS16)、ステップS14に移行する。
【0030】
この発明の実施の形態1に係るエレベータドアの制御装置によれば、障害物検出装置52が障害物を検出し、ドア開閉制御手段によってドア21が反転または停止された後、再びドア21が開閉動作する場合に、状況判断部37は、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さな第2運動エネルギーEbを設定する。このとき、速度パターン生成部38は、ドア質量Mdと第2運動エネルギーEbとに基づいて、ドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
【0031】
そのため、ドア21が反転または停止された後、再び開閉動作する場合に、ドア21の開閉速度が障害物の検出前の開閉速度よりも低くなる。
したがって、障害物をドア21から取り除くための時間を確保して、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が再び検出する確率を低くすることができるので、エレベータの運行効率を向上させることができる。
また、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が再び検出した場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
【0032】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、障害物検出装置52の種類とは無関係に、すなわち、障害物検出装置52が挟まれ検出装置であるか引き込まれ検出装置であるかとは無関係に、状況判断部37が第2運動エネルギーを設定するとともに、速度パターン生成部38が開閉速度パターンVpを生成した。
しかしながら、第2運動エネルギーおよび開閉速度パターンVpは、障害物検出装置52の種類に応じてそれぞれ可変設定されてもよい。
【0033】
以下、障害物検出装置52の種類に応じて第2運動エネルギーおよび開閉速度パターンVpを可変設定する処理について説明する。
この発明の実施の形態2に係るエレベータドアの制御装置は、障害物検出装置52として、前述した挟まれ検出装置と引き込まれ検出装置とをそれぞれ有している。
【0034】
このとき、状況判断部37は、障害物検出装置52が障害物を検出した後、再びドア21が開閉動作する場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーよりも小さく、かつ障害物検出装置52の種類に応じた第2運動エネルギーを設定する。また、状況判断部37は、障害物検出装置52の種類に応じて、開閉速度パターンVpの形状を含む速度パターン形状指令P*を出力する。
なお、第2運動エネルギーは、障害物検出装置52の種類に応じて任意に設定される。
【0035】
また、速度パターン生成部38は、速度パターン形状指令P*、ドア質量Mdおよびドア運動エネルギー指令値Keに基づいて、障害物検出装置52の種類に応じたドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
その他の構成は、前述した実施の形態1と同様なので、詳述を省略する。
【0036】
以下、図1および図2とともに、図4のフローチャートおよび図5の説明図を参照しながら、この発明の実施の形態2によるエレベータドアの制御装置の動作について説明する。
図4において、まず、制御マイコン30は、ドア21の開閉動作を開始する(ステップS21)。
【0037】
続いて、引き込まれ検出装置が障害物を検出したか、例えば、ドア21の戸開動作時に、障害物がドア21に引き込まれたことを引き込まれ負荷検出手段が検出したか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、引き込まれ検出装置が障害物を検出していない(すなわち、No)と判定された場合には、挟まれ検出装置が障害物を検出したか、例えば、ドア21の戸閉動作時に、障害物がドア21に挟まれたことを挟まれ負荷検出手段が検出したか否かを判定する(ステップS23)。
【0038】
ステップS23において、挟まれ検出装置が障害物を検出していない(すなわち、No)と判定された場合には、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時におけるドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaを設定する(ステップS24)。
次に、速度パターン生成部38は、ドア質量算出部36で算出されたドア質量Mdを取り込み、ドア質量Mdおよび状況判断部37からの第1運動エネルギーEaに基づいて、ドア21の開閉速度パターンVpとしてパターンaを生成し(ステップS25)、ステップS21に移行する。
ここで、パターンaは、図5に実線で示すようなパターンとなる。
【0039】
一方、ステップS23において、挟まれ検出装置が障害物を検出した(すなわち、Yes)と判定された場合には、ドア開閉制御手段は、ドア21を反転または停止させる(ステップS26)。
続いて、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時におけるドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さく、かつ挟まれ検出装置に対応した第2運動エネルギーEcを設定するとともに、速度パターン形状指令P*を出力する(ステップS27)。
【0040】
次に、速度パターン生成部38は、ドア質量算出部36で算出されたドア質量Mdを取り込み、ドア質量Md、速度パターン形状指令P*および状況判断部37からの第2運動エネルギーEcに基づいて、挟まれ検出装置に対応したドア21の開閉速度パターンVpとしてパターンcを生成し(ステップS28)、ステップS21に移行する。
ここで、パターンcは、図5に破線で示すような形状となり、障害物がドア21に挟まれることを防止するために、緩やかに減速するパターンとなる。
【0041】
一方、ステップS22において、引き込まれ検出装置が障害物を検出した(すなわち、Yes)と判定された場合には、ドア開閉制御手段は、ドア21を反転または停止させる(ステップS29)。
続いて、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時におけるドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さく、かつ引き込まれ検出装置に対応した第2運動エネルギーEdを設定するとともに、速度パターン形状指令P*を出力する(ステップS30)。
【0042】
次に、速度パターン生成部38は、ドア質量算出部36で算出されたドア質量Mdを取り込み、ドア質量Md、速度パターン形状指令P*および状況判断部37からの第2運動エネルギーEdに基づいて、引き込まれ検出装置に対応したドア21の開閉速度パターンVpとしてパターンdを生成し(ステップS31)、ステップS21に移行する。
ここで、パターンdは、図5に一点鎖線で示すような形状となり、障害物がドア21に引き込まれることを防止するために、緩やかに加速するパターンとなる。
【0043】
この発明の実施の形態2に係るエレベータドアの制御装置によれば、障害物検出装置52が障害物を検出した後、再びドア21が開閉動作する場合に、状況判断部37は、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さく、かつ障害物検出装置52の種類に応じた第2運動エネルギーEc、Edを設定する。このとき、速度パターン生成部38は、速度パターン形状指令P*、ドア質量Mdおよび第2運動エネルギーEc、Edに基づいて、障害物検出装置52の種類に応じたドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
【0044】
そのため、障害物をドア21から取り除くための時間を確保して、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が再び検出する確率をより低くすることができるので、エレベータの運行効率をさらに向上させることができる。
また、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が再び検出した場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃をさらに低減することができる。
【0045】
実施の形態3.
上記実施の形態1および2では、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度(回数)とは無関係に、状況判断部37が第2運動エネルギーを設定するとともに、速度パターン生成部38が開閉速度パターンVpを生成した。
しかしながら、第2運動エネルギーおよび開閉速度パターンVpは、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じてそれぞれ可変設定されてもよい。
【0046】
以下、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じて第2運動エネルギーおよび開閉速度パターンVpを可変設定する処理について説明する。
この発明の実施の形態3に係るエレベータドアの制御装置において、状況判断部37は、障害物検出装置52が障害物を検出した後、再びドア21が開閉動作する場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーよりも小さく、かつ障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じた第2運動エネルギーを設定する。
【0047】
また、状況判断部37は、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じて、開閉速度パターンVpの形状を含む速度パターン形状指令P*を出力する。
なお、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度は、制御マイコン30のメモリ内に記憶される。
また、速度パターン生成部38は、速度パターン形状指令P*、ドア質量Mdおよびドア運動エネルギー指令値Keに基づいて、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じたドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
その他の構成は、前述した実施の形態2と同様なので、詳述を省略する。
【0048】
以下、図1および図2とともに、図6のフローチャートおよび図7の説明図を参照しながら、この発明の実施の形態3によるエレベータドアの制御装置の動作について説明する。
図6において、前述した実施の形態2(図4参照)と同様の処理(ステップS21〜S25)については、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
【0049】
まず、ステップS22において、引き込まれ検出装置が障害物を検出した(すなわち、Yes)と判定された場合には、ドア開閉制御手段は、ドア21を反転または停止させる(ステップS41)。
続いて、状況判断部37は、次のドア21の開閉動作時におけるドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さく、かつ引き込まれ検出装置が障害物の検出を繰り返す頻度に応じた第2運動エネルギーEeを設定するとともに、速度パターン形状指令P*を出力する(ステップS42)。
【0050】
ここで、引き込まれ検出装置が複数回繰り返して障害物を検出した場合について考える。
まず、引き込まれ検出装置が1回目に障害物を検出した場合、状況判断部37は、第2運動エネルギーEeとして、運動エネルギーEe1を設定する。
続いて、引き込まれ検出装置が2回繰り返して障害物を検出した場合、状況判断部37は、第2運動エネルギーEeとして、運動エネルギーEe1よりも小さな運動エネルギーEe2を設定する。
以下、引き込まれ検出装置が障害物の検出を繰り返す回数が増える毎に、状況判断部37は、第2運動エネルギーEeとして、前回の運動エネルギーよりも小さな運動エネルギーを設定する。
【0051】
次に、速度パターン生成部38は、ドア質量算出部36で算出されたドア質量Mdを取り込み、ドア質量Md、速度パターン形状指令P*および状況判断部37からの第2運動エネルギーEeに基づいて、引き込まれ検出装置が障害物の検出を繰り返す頻度に応じたドア21の開閉速度パターンVpとしてパターンeを生成し(ステップS43)、ステップS21に移行する。
【0052】
ここで、パターンeは、図7に示すようなパターンとなる。図7において、引き込まれ検出装置が1回目に障害物を検出した場合のパターンがe1(一点鎖線参照)となる。また、引き込まれ検出装置が2回繰り返して障害物を検出した場合のパターンがe2(破線参照)となる。また、引き込まれ検出装置が3回繰り返して障害物を検出した場合のパターンがe3(二点鎖線参照)となる。
【0053】
なお、ステップS23において、挟まれ検出手段が障害物を検出したと判定された場合については、上記と同様の処理により、ドア21が反転または停止され(ステップS44)、第2運動エネルギーEfが設定されるとともに(ステップS45)、パターンfが生成される(ステップS46)。
【0054】
この発明の実施の形態3に係るエレベータドアの制御装置によれば、障害物検出装置52が障害物を検出した後、再びドア21が開閉動作する場合に、状況判断部37は、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、第1運動エネルギーEaよりも小さく、かつ障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じた第2運動エネルギーEe、Efを設定する。このとき、速度パターン生成部38は、速度パターン形状指令P*、ドア質量Mdおよび第2運動エネルギーEe、Efに基づいて、障害物検出装置52が障害物の検出を繰り返す頻度に応じたドア21の開閉速度パターンVpを生成する。
【0055】
そのため、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が複数回繰り返して検出する確率を低くすることができるので、エレベータの運行効率を向上させることができる。
また、障害物がドア21に挟まれたこと、または障害物がドア21に引き込まれたことを障害物検出装置52が複数回繰り返して検出した場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
【0056】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、エレベータの利用者とは無関係に、状況判断部37が第1運動エネルギーを設定した。
しかしながら、これに限定されず、第1運動エネルギーは、エレベータの利用者に応じて可変設定されてもよい。
以下、エレベータの利用者に応じて第1運動エネルギーを可変設定する処理について説明する。
【0057】
図8は、この発明の実施の形態4に係るエレベータドアの制御装置をモータ29とともに示す機能ブロック図である。
図8において、エレベータドアの制御装置は、制御マイコン30に代えて、制御マイコン30Aを備えている。
制御マイコン30Aは、付加情報設定部39を含んでいる。また、制御マイコン30Aは、状況判断部37に代えて状況判断部37A(運動エネルギー設定手段)を含んでいる。
【0058】
付加情報設定部39は、エレベータを主に利用する利用者を付加情報Qsとして記憶している。付加情報設定部39からの付加情報Qsは、状況判断部37Aに入力される。
ここで、エレベータを主に利用する利用者とは、エレベータが設置された施設を利用する人、またはその利用者の中で割合が高い人、または利用の対象としている人を指している。
具体的には、駅舎に設置されたエレベータであれば、車椅子利用者がエレベータを主に利用する利用者となる。また、幼稚園、小学校であれば子供、老人ホームであれば高齢者、病院であれば患者等がそれぞれエレベータを主に利用する利用者となる。
【0059】
状況判断部37Aは、付加情報設定部39からの付加情報Qsに含まれる利用者が、所定の利用者であるか否かを判定する。
状況判断部37Aは、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者でない場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーを設定する。
また、状況判断部37Aは、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者である場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、エレベータの利用者に応じた第1運動エネルギーを設定する。
【0060】
以下、図1および図8とともに、図9のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態4によるエレベータドアの制御装置の動作について説明する。
なお、図9のフローチャートに示す処理は、図3のステップS13、または図4、6のステップS24の処理と置き換えられるものである。
【0061】
まず、状況判断部37Aは、付加情報設定部39からの付加情報Qsに含まれる利用者が、所定の利用者Gであるか否かを判定する(ステップS51)。すなわち、エレベータを主に利用する利用者が、所定の利用者Gであるか否かを判定する。
ここで、エレベータが設置された施設が例えば老人ホームである場合には、所定の利用者Gは、高齢者となる。
【0062】
ステップS51において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Gではない(すなわち、No)と判定された場合には、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーEaを設定して(ステップS52)、図9の処理を終了する。
ここで、第1運動エネルギーEaは、前述した実施の形態1〜3で示した第1運動エネルギーEaと同一の値である。
【0063】
一方、ステップS51において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Gである(すなわち、Yes)と判定された場合には、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、利用者Gに応じた第1運動エネルギーEgを設定して(ステップS53)、図9の処理を終了する。
ここで、第1運動エネルギーEgは、第1運動エネルギーEaよりも小さな値であり、利用者Gが高齢者である場合には、例えば第1運動エネルギーEaの半分程度の値となる。
【0064】
この発明の実施の形態4に係るエレベータドアの制御装置によれば、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Gである場合に、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、利用者Gに応じた第1運動エネルギーEgを設定する。
そのため、障害物がドア21に挟まれたり引き込まれたりした場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
【0065】
なお、上記実施の形態4では、付加情報設定部39に記憶されたエレベータの利用者に応じて状況判断部37Aが第1運動エネルギーを可変設定するとした。
しかしながら、これに限定されず、状況判断部37Aは、エレベータの運転実績に応じて第1運動エネルギーを可変設定しても良い。
ここで、エレベータの運行実績とは、例えば障害物検出装置52が障害物を検出した実績を指しており、制御マイコン30Aのメモリに記憶される。
【0066】
状況判断部37Aは、障害物検出装置52が障害物を検出する頻度が高い時間帯に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーよりも小さな値を、第1運動エネルギーとして設定する。
そのため、障害物がドア21に挟まれたり引き込まれたりした場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
【0067】
実施の形態5.
上記実施の形態4では、エレベータを主に利用する利用者が、例えば車椅子利用者、子供、高齢者および患者のうちの1種類である場合について説明した。
しかしながら、エレベータを主に利用する利用者は、複数種類存在してもよい。
【0068】
以下、エレベータを主に利用する利用者が複数種類存在する場合について説明する。
この発明の実施の形態5に係るエレベータドアの制御装置において、付加情報設定部39は、エレベータを主に利用する利用者を、各利用者がエレベータを利用する利用時間帯(利用日時)と対応させて記憶している。
【0069】
状況判断部37Aは、付加情報設定部39からの付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者であり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれているか否かを判定する。
状況判断部37Aは、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者でないか、付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれていない場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーを設定する。
また、状況判断部37Aは、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者であり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれている場合に、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、エレベータの利用者に応じた第1運動エネルギーを設定する。
その他の構成は、前述した実施の形態4と同様なので、詳述を省略する。
【0070】
以下、図1および図8とともに、図10のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態5によるエレベータドアの制御装置の動作について説明する。
なお、図10のフローチャートに示す処理は、図3のステップS13、または図4、6のステップS24の処理と置き換えられるものである。
【0071】
まず、状況判断部37Aは、付加情報設定部39からの付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Hであり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれているか否かを判定する(ステップS61)。
ステップS61において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Hでないか、付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれていない(すなわち、No)と判定された場合には、状況判断部37Aは、付加情報設定部39からの付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Jであり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれているか否かを判定する(ステップS62)。
【0072】
ステップS62において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Jでないか、付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれていない(すなわち、No)と判定された場合には、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーEaを設定して(ステップS63)、図10の処理を終了する。
ここで、第1運動エネルギーEaは、前述した実施の形態1〜4で示した第1運動エネルギーEaと同一の値である。
【0073】
一方、ステップS61において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Hであり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれている(すなわち、Yes)と判定された場合には、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、利用者Hに応じた第1運動エネルギーEhを設定して(ステップS64)、図10の処理を終了する。
【0074】
また一方、ステップS62において、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Jであり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれている(すなわち、Yes)と判定された場合には、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、利用者Jに応じた第1運動エネルギーEjを設定して(ステップS65)、図10の処理を終了する。
ここで、第1運動エネルギーEh、Ejは、第1運動エネルギーEaよりも小さな値であり、例えば第1運動エネルギーEaの半分程度の値となる。
【0075】
この発明の実施の形態5に係るエレベータドアの制御装置によれば、付加情報Qsに含まれる利用者が所定の利用者Hまたは利用者Jであり、かつ付加情報Qsに含まれる利用時間帯が現在時刻に含まれている場合に、状況判断部37Aは、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、利用者Gまたは利用者Jに応じた第1運動エネルギーEgまたは第1運動エネルギーEjを設定する。
【0076】
そのため、障害物がドア21に挟まれたり引き込まれたりした場合であっても、障害物に対して与えられる衝撃を低減することができる。
また、所定の利用者がいない場合や、所定の利用者に対応した利用時間帯以外の時間帯において、ドア21に対するドア運動エネルギー指令値Keとして、ドア21が通常の開閉動作をするための第1運動エネルギーEaを設定することができるので、エレベータの運行効率を向上させることができる。
【0077】
なお、上記実施の形態5では、利用日時の例として、各利用者がエレベータを利用する利用時間帯を挙げたが、これに限定されず、利用日時は、月、週、曜日、特定日または季節であってもよい。
この場合も、上記実施の形態5と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータドアの制御装置が適用されるエレベータドア装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るエレベータドアの制御装置をモータとともに示す機能ブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるエレベータドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2によるエレベータドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2による速度パターン形状を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるエレベータドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3による速度パターン形状を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係るエレベータドアの制御装置をモータとともに示す機能ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態4によるエレベータドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態5によるエレベータドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
21 エレベータドア、29 モータ、31 速度指令生成部(ドア開閉制御手段)、32 速度アンプ(ドア開閉制御手段)、33 電流アンプ(ドア開閉制御手段)、34 PWMユニット(ドア開閉制御手段)、36 ドア質量算出部(ドア質量算出手段)、37、37A 状況判断部(運動エネルギー設定手段)、38 速度パターン生成部(速度パターン生成手段)、52 障害物検出装置(障害物検出手段)、Ke ドア運動エネルギー指令値、Md ドア質量、Vp 開閉速度パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータドアの開閉動作に支障を与える障害物を検出する障害物検出手段と、
開閉速度パターンに応じて前記エレベータドアの開閉動作を制御するとともに、前記エレベータドアの開閉動作時に前記障害物検出手段が前記障害物を検出した場合に、前記エレベータドアの開閉動作を反転または停止させるドア開閉制御手段と、
前記ドア開閉制御手段によって前記エレベータドアの開閉動作が反転または停止された後、再び前記エレベータドアが開閉動作する場合に、前記エレベータドアに対するドア運動エネルギー指令値として、前記エレベータドアの通常の開閉動作時に設定する第1運動エネルギーよりも小さな第2運動エネルギーを設定する運動エネルギー設定手段と、
前記エレベータドアの質量および前記ドア運動エネルギー指令値に基づいて、前記エレベータドアの前記開閉速度パターンを生成する速度パターン生成手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータドアの制御装置。
【請求項2】
前記障害物検出手段は、前記障害物が前記エレベータドアに挟まれたことを検出する挟まれ検出手段、および前記障害物が前記エレベータドアに引き込まれたことを検出する引き込まれ検出手段の少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項3】
前記運動エネルギー設定手段は、前記障害物検出手段の種類に応じて前記第2運動エネルギーを可変設定することを特徴とする請求項2に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項4】
前記速度パターン生成手段は、前記障害物検出手段の種類に応じて前記開閉速度パターンを可変設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項5】
前記運動エネルギー設定手段は、前記障害物検出手段が前記障害物の検出を繰り返す回数に応じて、前記第2運動エネルギーを可変設定することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項6】
前記速度パターン生成手段は、前記障害物検出手段が前記障害物の検出を繰り返す回数に応じて、前記開閉速度パターンを可変設定することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項7】
前記運動エネルギー設定手段は、エレベータの利用者に応じて前記第1運動エネルギーを可変設定することを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか1項に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項8】
前記運動エネルギー設定手段は、前記利用者が前記エレベータを利用する利用日時に応じて前記第1運動エネルギーを可変設定することを特徴とする請求項7に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項9】
前記運動エネルギー設定手段は、エレベータの運転実績に応じて前記第1運動エネルギーを可変設定することを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか1項に記載のエレベータドアの制御装置。
【請求項10】
前記エレベータドアを駆動するモータに通電される駆動電流と、前記モータの回転速度とに基づいて、前記エレベータドアの質量を算出するドア質量算出手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項9までの何れか1項に記載のエレベータドアの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−96563(P2009−96563A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266621(P2007−266621)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】