説明

エレベーター

本発明は乗客と荷物が重量変化に応じて釣り合いおもりが、ケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺し、消費電力を低減できるように構造が改善されたエレベーターに関するものである。本発明のエレベーターは、乗客数や荷物の重量を考慮し、変速機のギア比を調整することにより、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる。また、本発明のエレベーターは、電子制御可変容量型油圧モーターを使用する場合、乗客と荷物の重量変化に応じて釣り合いおもりが、ケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺するように調整し、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客と荷物を垂直移動させる装備、すなわち、エレベーターに関するものである。さらに詳細には乗客と荷物の重量変化に応じて、釣り合いおもりが、ケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺し、消費電力を低減できるように構造が改善されたエレベーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にエレベーターは図1に示すように、乗客と荷物を運搬するケージ(1)と、ケージ(1)とワイヤーロープ(4)によって連結される釣り合いおもり(2)と、前記ワイヤーロープ(4)が巻回される滑車装置(3)を具備する。前記滑車装置(3)は電動機に連結され、前記電動機の動力によってある一つの方向に回転することにより、ケージ(1)を昇降させることができる。前記釣り合いおもり(2)は、エレベーターを設ける時に所定重量(N)を有するようにセッティングされる。
【0003】
ところが、前記のような一般的なエレベーターの場合には、ケージ自体の重量(M)と乗客および荷物の重量(P)は一定せず、状況によって多様なケースがあり得る。このとき、電動機ではケージ(1)自体の重量(M)と、乗客および荷物の重量(P)が一定しないため、ケージ(1)の駆動のために多くの電力が必要になる。
【0004】
前記構成では、エレベーターの消費電力を少しでも減らすために、ケージ(1)に釣り合いおもり(2)が滑車(3)を介して連結された構成である。しかし、釣り合いおもり(2)はケージ(1)の重量を完全に相殺することができない。それは、乗客と荷物の重量が常に変化するからである。したがって、釣り合いおもりが乗客および荷物の重量変化に応じて、ケージの重量を最大限に相殺できるのみならず、消費電力を低減することができるエレベーターが切実に要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであって、エレベーターで乗客と荷物の重量変化に応じて釣り合いおもりが、ケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺し、消費電力を低減できるように構造が改善されたエレベーターを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明のエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放するケージ巻上機と;前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対し、釣り合いを提供するように所定負荷を提供する釣り合いおもりと;前記ケージ巻上機の動力を伝達されて回転し、前記釣り合いおもりを移動させる釣り合いおもり巻上機と;前記釣り合いおもり巻上機と前記ケージ巻上機の間に設けられて動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択されて各巻上機の間の動力を伝達する電子制御変速機と;前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記釣り合いおもりの重量と、前記ケージと前記釣り合いおもりそれぞれの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と前記釣り合いおもりの重量が、バランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とする。
【0007】
ここで、前記ケージと前記釣り合いおもりそれぞれの下部に連結され、前記建物の最下階の底に接触するように設けられるワイヤーロープをさらに含むことが好ましい。
【0008】
また、前記ケージ巻上機は、前記電動機と前記電子制御変速機を連結する駆動軸に設けられ、前記釣り合いおもり巻上機は、前記電子制御変速機に連結され、前記駆動軸の動力を伝達される従動軸に設けられることが好ましい。
【0009】
また、前記釣り合いおもりと、前記釣り合いおもり巻上機はそれぞれ複数が設けられ、前記電子制御変速機を介し、前記釣り合いおもり巻上機に連結された駆動軸から動力を伝達される従動軸と;前記従動軸と前記それぞれの釣り合いおもり巻上機の間に設けられ、前記制御ユニットによって選択的に動作されて動力を伝達する複数の電子制御クラッチをさらに含むことが好ましい。
【0010】
また、前記電子制御変速機は、前記駆動軸に設けられたブレーキと;前記駆動軸に移動可能に設けられ、互いに異なる半径を有する複数のスライディングギアと;前記従動軸に位置固定され、前記複数のスライディングギアと選択的にギア連結される複数の固定ギアと;を含むことが好ましい。
【0011】
また、前記電子制御クラッチは、前記従動軸に設けられた固定ギアと;前記釣り合いおもり巻上機の軸に設けられるブレーキと;前記釣り合いおもり巻上機の軸に移動可能に設けられ、前記固定ギアと選択的に連結されるスライディングギアと;を含むことが好ましい。
【0012】
また、前記電子制御変速機は、前記駆動軸に設けられる第1ブレーキと;前記従動軸に設けられる第2ブレーキと;前記駆動軸に移動可能に設けられ、互いに異なる半径を有する複数のスライディングギアと;前記従動軸に設けられ、前記スライディングギアと選択的にギア連結される複数の固定ギア;を含むことが好ましい。
【0013】
また、前記電子制御変速機は無段変速機であることが好ましい。
【0014】
また、前記目的を達成するための本発明のもう一つの側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放する第1巻上機と;前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対して釣り合いを提供するように、所定負荷を提供するバランス維持部材と;前記第1巻上機の動力を伝達されて回転し、前記バランス維持部材を移動させる第2巻上機と;前記第1および第2巻上機の間に設けられて動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択されて第1巻上機の動力を、前記第2巻上機に伝達する電子制御変速機と;前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持部材による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と、前記バランス維持部材の負荷がバランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とする。
【0015】
ここで、前記バランス維持部材は、所定重量を有し、一端は前記建物の底に配置し、他端は前記建物の上部に配置し、前記第2巻上機に連結され、前記第2巻上機の巻回する方向に沿っていずれかの一方が、前記建物の底または上部の方に巻回されて配置し、他側は解放するように設けられる所定長さのチェーン構造を含むことが好ましい。
【0016】
また、前記チェーン構造は、所定長さおよび重量を有する複数のバーと;前記バーの両端を回転可能に支持するように所定長さを有するチェーンローラ;を含むことが好ましい。
【0017】
また、前記第2巻上機は、前記チェーンローラを移動させるためのスプロケットホイールを含むことが好ましい。
【0018】
また、前記ケージの下部に連結され、前記建物の底に接触するように設けられたワイヤーロープをさらに含むことが好ましい。
【0019】
また、前記第1巻上機は、前記電動機と前記電子制御変速機に連結される駆動軸に設けられ、 前記第2巻上機は、前記電子制御変速機に連結され、前記駆動軸から動力を伝達される従動軸に設けられることが好ましい。
【0020】
また、前記目的を達成するすための本発明のもう一つの側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放するケージ巻上機と;前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対して、釣り合いを提供するように所定負荷を提供するバランス維持手段と;前記ケージ巻上機と前記バランス維持手段の間に設けられて動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択され、前記ケージ巻上機の動力を、前記バランス維持手段に伝達する電子制御変速機と;前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持手段による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と、前記バランス維持手段の負荷がバランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、前記バランス維持手段は、液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;前記電子制御変速機によって前記ケージ巻上機の駆動軸から動力を伝達される従動軸に連動して動作し、前記上部および下部液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、位置エネルギーを変更する液体移動ユニット;を含むことが好ましい。
【0022】
また、前記液体移動ユニットは、前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;前記パイプに設けられる少なくとも一つの油圧モーターと;一端は前記駆動軸に連結され、回転時に前記油圧モーターを駆動させる油圧モーター軸;を含むことが好ましい。
【0023】
また、前記油圧モーター軸と前記従動軸は、傘歯車によって連結されることが好ましい。
【0024】
また、前記油圧モーターは複数個で構成されており、前記油圧モーターの連結方式は、直列および並列に構成されるモーター連結方式のうち、いずれか一つ以上が使用可能である。
【0025】
また、前記油圧モーター軸は、前記複数の油圧モーターを共有するように配置されることが好ましい。
【0026】
また、前記ケージの下部には、前記建物の底に接触するようにワイヤーロープが連結されることが好ましい。
【0027】
また、前記液体移動ユニットは、前記上部および下部液体タンクを経由するように設けられ、両方向に移動可能な閉ループ形の移送チェーンと;前記移送チェーンに所定間隔に設けられ、前記移送チェーンの移動方向に沿って、いずれかの液体タンクの液体を他の液体タンクに運ぶバケットと;前記移送チェーンを移動させるように、前記駆動軸に設けられるスプロケットホイール;を含むことが好ましい。
【0028】
また、前記バケットには一対の突起がそれぞれ設けられ、前記上部および下部液体タンクそれぞれには、前記バケットの突起を干渉して、前記バケットに含まれた液体を注ぐようにする止め板;が設けられることが好ましい。
【0029】
また、前記バランス維持手段は、密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと、高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させる油圧モーターと;前記電子制御変速機によって、前記ケージ巻上機の駆動軸から動力を伝達される従動軸によって駆動され、前記油圧モーターを駆動させる油圧モーター軸;を含むことが好ましい。
【0030】
また、前記目的を達成するための本発明のまた他の側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動し、釣り合いを提供する釣り合いおもりと;前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;前記電動機によって駆動され、前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;前記釣り合いプーリーの軸と、前記釣り合いプーリーの軸から動力を選択的に伝達されて駆動される従動軸の間に設けられる電子制御変速機と;前記電子制御変速機を制御する制御ユニットと;前記従動軸によって駆動され、前記駆動軸に負荷を提供し、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段と;を含むことを特徴とする。
【0031】
ここで、前記バランス維持手段は、密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと、高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させる油圧モーターと;を含み、前記従動軸は前記油圧モーターの軸であることが好ましい。
【0032】
また、前記目的を達成するための本発明の他の側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放するケージ巻上機と;前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対して、釣り合いを提供するように所定負荷を提供するバランス維持手段と;前記ケージ巻上機と、前記バランス維持手段の間に設けられて動力を選択的に遮断するブレーキ;および前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持手段による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と前記バランス維持手段の負荷が平衡するように、前記ブレーキと前記バランス維持手段の駆動を制御する制御ユニットと;を含み、前記バランス維持手段は、液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;前記パイプに設けられ、前記制御ユニットによって制御され、前記ブレーキの軸に連結される出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度が制御可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含むことを特徴とする。
【0033】
ここで、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と前記ブレーキの軸は、傘歯車によって連結されることが好ましい。
【0034】
また、前記ケージの下部には前記建物の底に接触するようにワイヤーロープが連結されることが好ましい。
【0035】
また、前記目的を達成するための本発明の他の側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動し、釣り合いを提供する釣り合いおもりと;前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;前記電動機によって駆動され、前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;前記釣り合いプーリーの軸から動力を選択的に伝達されて駆動されるブレーキ軸の間に設けられる電子制御ブレーキと;前記ブレーキ軸によって駆動され、前記釣り合いプーリーの軸に負荷を提供し、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段;および前記バランス維持手段と前記電子制御ブレーキの動作を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とする。
【0036】
ここで、前記バランス維持手段は、密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、前記制御ユニットによって制御され、その出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度の調整が可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含み、前記ブレーキの軸は、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と連結されることが好ましい。
【0037】
また、前記ブレーキ軸と前記出力軸は一体に設けられることが好ましい。
【0038】
また、前記目的を達成するための本発明の他の側面によるエレベーターは、建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、電動機と;乗客と荷物を運搬するように、前記建物に昇降可能に設けられるケージと;前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動し、釣り合いを提供する釣り合いおもりと;前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;前記電動機によって駆動され、前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;前記ケージ巻上機の軸から動力を選択的に伝達されて駆動されるブレーキ軸の間に設けられる電子制御ブレーキと;前記ブレーキ軸によって駆動され、前記ケージ巻上機の軸に負荷を提供して、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段;および前記バランス維持手段と前記電子制御ブレーキの動作を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とする。
【0039】
ここで、前記バランス維持手段は、密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと、高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、前記制御ユニットによって制御され、その出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度の調整が可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含み、前記ブレーキの軸は、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と連結されることが好ましい。
【0040】
また、前記ブレーキ軸と前記出力軸は傘歯車によって連結されることが好ましい。
【0041】
また、前記バランス維持手段は、液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;前記パイプに設けられ、前記制御ユニットによって制御され、前記電子制御ブレーキの軸に連結される出力軸の1回転当たりの排除容積を調整し、出力トルクと回転速度が制御可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含むことが好ましい。
【0042】
また、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と前記ブレーキの軸は、傘歯車によって連結されることが好ましい。
【発明の効果】
【0043】
本発明のエレベーターによれば、乗客数や荷物の重量を考慮し、変速機のギア比を調整することにより、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる利点がある。
【0044】
また、本発明のエレベーターによれば、電子制御可変容量型油圧モーターを使用して、乗客と荷物の重量変化に応じて釣り合いおもりが、ケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺するように調整し、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下添付された図面を参照して本発明の実施例によるエレベーターを詳しく説明する。
【0046】
先ず、図1に示された従来のエレベーターの問題点をより具体的に説明する。
【0047】
図1のようにケージ(1)が、釣り合いおもり(2)と滑車(3)を介して連結された場合にケージ(1)に作用する力と加速度式は
(M +P +N)× A = -(M +P −N)× G
A = -(M +P −N)/(M +P +N)× G
の通りである。この式によれば、PとMの和がNと同じである場合、A(ケージ(1)の加速度)は0である。しかし、ここで、Pが増加してPとMの和が、Nより増大するとAは負の値を有し、ケージ(1)は、地面に向かって加速度を持って落下する。ここで、Gは重力加速度を示す。
【0048】
また、力Fを追加した場合、ケージ(1)に作用する力と加速度式は、
(M +P +N)× A = F -(M +P −N)× G
F =(M +P +N)× A +(M +P −N)× G
の通りである。力Fの成分のうち、(M +P +N)× Aは、加速または減速として発生し、(M +P −N)× Gは、加速や減速とは関係なく重力から発生し、停止している時や等速運動する時にも作用する力である。この式からM、N、PとAが大きくなるほど大きなFが必要になることがわかる。(M +P −N)の値が0になれば、Gによって発生する部分を無くすことがわかる。また、MとNが固定されてPが変化する場合(M +P −N)× Gを減らすのに限界があることがわかる。
【0049】
図2は本発明の第1実施例によるエレベーターを概略的に示している構成図である。図2を参照すれば、ケージ(11)と、前記ケージ(11)がワイヤーロープ(13)によって連結される第1巻上機(5)と、釣り合いおもり(12)と、前記釣り合いおもり(12)がワイヤーロープ(14)によって連結される第2巻上機(6)と、前記第1および第2巻上機(5、6)の軸それぞれに設けられ、互いに噛み合う駆動ギアおよび従動ギア(7、8)を具備する。前記第1巻上機(5)の軸は図に示していない電動機に連結されて動力を伝達されて回転する。
【0050】
ここで、前記第1および第2巻上機(5、6)の車輪の直径は、計算の便宜のために同じものを例をあげて説明する。ここでケージ(11)に連結された巻上機(5)の軸に連結された第1ギア(7)に対する釣り合いおもり巻上機(6)の軸に連結された第1ギア(8)の半径の比をギア比Kと定義する。図2のギア比Kは、K = E / Dであり、このとき、ケージ(11)に作用する力と加速度式は、
(M +P +N / K)× A = -(M +P −N / K)× G
A = -(M +P −N / K)/(M +P +N / K)× G
の通りである。釣り合いおもり(12)側の第2ギア(8)が大きいほど、すなわち、Kが大きいほど Nの重量効果が小さく作用することがわかる。
【0051】
力Fを追加した時のケージ(11)に作用する力と加速度式は、
(M +P +N / K)× A = F -(M +P −N / K)× G
F =(M +P +N / K)× A +(M +P −N / K)× G
の通りである。MとNが固定され、Pが変化する場合にもKを調整することによって、(M +P −N / K)× Gの値を減らせることがわかる。
【0052】
エレベーターを動かすのに必要とされるエネルギーは、エレベーターを動かす事の式で得ることができ、仕事はW = F x S(ここで、Wは仕事、SはFの力を続けて作用して移動した距離、Wの単位:J、Fの単位:N、Sの単位:m)であるので、エネルギーの消費はFに比例する。
【0053】
式のみで理解しにくいので、例をあげてエネルギー節約が実現できる過程を説明する。1階の間の高さが3.2メートルの建物で、先ず、10階、すなわち、32メートルを上がる場合を説明する。エレベーターの出発と到着時の加速度は2m/secとし、最高速度は240m/min(4m/sec)とする。
【0054】
エレベーターが出発で加速度2m/secに動くと、2秒後に最高速度4m/secに達し、以後、加速なしに等速運動してから出発後、8秒に28mの高さに行った時から減速を2m/secとすると、出発から10秒後に32mの高さに到着して停止する。
【0055】
図1に示している従来のエレベーターに適用して投入した仕事の計算結果は次のようである。
【0056】
先ず、0から2秒まで;
F1 =(M +P +N)× 2 +(M +P −N )× 9.8
W1 = F1 × 4 =(M +P +N)× 8 +(M +P −N)× 39.2
2から8秒まで
F2 =(M +P +N)× 0 +(M +P −N)× 9.8
W2 = F2 × 24 =(M +P −N)× 235.2
8から10秒まで;
F3 =(M +P +N)×(-2)+(M +P −N)× 9.8
W3 = F3 × 4 =(M +P +N)×(-8)+(M +P −N)× 39.2
であり、全体0から10秒までは、
W = W1 +W2 +W3=(M +P +N)× 8 +(M +P −N)× 39.2 +(M +P −N)× 235.2+(M +P +N)×(-8)+(M +P −N)× 39.2=(M +P −N)× 313.6である。
【0057】
また、従来のエレベーターを利用して上に5階を移動する場合、同じ計算式を適用した結果、W =(M +P −N)× 156.8(16m)のような式を得ることができ、15階の場合、W =(M +P −N)× 470.4(48m)の通りである。
【0058】
今度は本発明に第1実施例のように、ギア比Kを有するギア(7、8)を適用したエレベーターに対して、同じ計算をすると、次のような式を得ることができる。
【0059】
10階32mを動かした場合:W =(M +P −N / K)× 313.6
5階16mを動かした場合:W =(M +P −N / K)× 156.8
15階48mを動かした場合:W =(M +P −N / K)× 470.4
より具体的な結果は、乗客1人の重量を60kg、MとNをそれぞれ1000kgにして乗客2人、5人、10人、15人、20人が、5階、10階、15階を移動した時のエネルギー投入分を全部計算すると、次の表1のような結果を得ることができる。
【0060】
ここで単位はJ(Joule)である。
【表1】

【0061】
また、Nの重量をやや異にして、乗客1人の重量を60kg、Mを1000kg、Nを1600kgとして、乗客2人、5人、10人、15人、20人が、5階、10階、15階を移動した時のエネルギー投入分を計算すると次の表2の通りである。
【表2】

【0062】
表2のように、10人の場合に0の値が出るのは、摩擦による損失などを考慮せず、エネルギー保存が成立する物理的公式による計算であるためである。ケージ(1)と釣り合いおもり(2)側が釣り合いを取ったので、重力による力は0として作用しており、出発させる時に必要な加速度のための力が、停止させる時に必要な減速と相殺しているためである。この場合、実際には加速させる時と減速をさせる時にもエネルギーが必要である。
【0063】
このように、Nの重量に応じて全体の合計は多く変わることがわかる。
【0064】
一方、Nはエレベーターが駆動中に容易に変えられるものではないが、エレベーターを作る時に一度乗客数による使用頻度を共に考慮して最適の状態に決定すると、従来よりエネルギー消費量を減らすことができる。
【0065】
以下では、本発明の第1実施例によるエレベータでも同じ計算を繰り返すが、乗客数によって他のギア比(K)を変えて適用して運用した結果を見る。先ず、乗客1人の重量を60kg、Mは1000kgとして前述の実験と同じようにして、Nを2200kgとし、乗客が2人の場合、K = 2、乗客が5人の場合、K = 1.7、乗客が10人の場合 K = 1.4、乗客が15人の場合、K = 1.2、乗客が20人の場合、K = 1として運用する。計算した結果は次の表3のようである。
【表3】

【0066】
また、前記表3のような結果を示している条件のうち、乗客数を異にして計算した結果は、次の表4のようである。
【表4】

【0067】
前記表3および図4にわかるように、乗客数に応じて(M +P −N / K)の絶対値が最小になるようにするKを適用すると、最小のエネルギーを使用してエレベーターを駆動させることができるということがわかる。
【0068】
以上の簡単な例にわかるように、本発明の第1実施例によるエレベーターが、エネルギーを114778Jと397018Jを消費する場合に、既存のエレベーターは2935296Jと1580544Jを消費する。これにより、10倍ほどのエネルギー消費に差が発生することを表している。
【0069】
このような結果を得るために本発明の第2実施例によるエレベーターは、前記Kを可変させることができる構成を有するのに大きな特徴がある。すなわち、図3および図4を参照すれば、本発明の第2実施例によるエレベーターは、ケージ(31)と、釣り合いおもり(35)と、重量センサ(34)と、第1および第2巻上機(23、25)と、電動機(27)と、電子制御変速機(21)と、制御ユニット(29)とを具備する。
【0070】
前記ケージ(31)は乗客や荷物を乗せるものであり、ワイヤーロープ(47)によって第1巻上機(23)に連結されている。前記ケージ(31)には、ケージの位置を感知するためのケージ位置感知センサー(32)が設けられる。そしてケージ(31)には、乗せた乗客と荷物それぞれの重量の合計を感知するための重量センサ(34)が設けられる。前記各センサー(32、34)で感知された信号は前記制御ユニット(29)に伝達される。
【0071】
前記第1巻上機(23)は、電動機(27)によって回転するように連結されている。したがって、電動機(27)がいずれかの方向に駆動すると、第1巻上機(23)は、いずれかの方向に回転しながらワイヤーロープ(47)を巻回し、解放することによってケージ(31)を昇降させる。
【0072】
ここで、前記電動機(27)は、前記制御ユニット(29)によって駆動制御される。そして電動機(27)の駆動軸(22)に前記第1巻上機(23)が回転可能に結合された構成を有する。
【0073】
前記釣り合いおもり(35)はワイヤーロープ(49)によって第2巻上機(25)と連結される。第2巻上機(25)は従動軸(24)に結合される。したがって、従動軸(24)の回転方向に沿って、釣り合いおもり(35)は選択的に昇降される。ここで、釣り合いおもり(35)には、釣り合いおもりの位置、すなわち、高さを感知するための位置感知センサー(37)が設けられる。この位置感知センサー(37)で感知された情報は前記制御ユニット(29)に伝達される。
【0074】
前記駆動軸(22)と従動軸(24)は、電子制御変速機(21)によって選択的に連結される。
【0075】
前記電子制御変速機(21)は図4に示すように、駆動軸(22)に設けられる第1ブレーキ(71)と、 従動軸(24)に設けられる第2ブレーキ(73)と、駆動軸(22)に設けられる複数の駆動ギア(61、62、63、64)と、従動軸(24)に設けられる複数の従動ギア(65、66、67、68)を具備する。前記各駆動ギア(61、62、63、64)は互いに異なる半径を有し、前記制御ユニット(29)の制御動作によって駆動軸(22)に沿って、スライディング可能に設けられる。したがって、駆動ギア(61、62、63、64)のうちいずれかが、前記従動ギア(65、66、67、68)のうちいずれかとギア連結されて動力を伝達することができる。前記従動ギア(65、66、67、68)は従動軸(24)に位置固定され、前記駆動ギア(61、62、63、64)のうちいずれかと選択的に連結することができる。前記第1ブレーキ(71)および第2ブレーキ(73)は、制御ユニット(29)によって駆動制御されることによって、駆動軸(22)と従動軸(24)を選択的に停止させ、回転可能な状態に解除する役割をする。図4に互いに噛み合った駆動ギア(61)と従動ギア(65)それぞれの半径(R、S)が同じことを例をあげて図に示している。このように、制御ユニット(29)の制御動作によってギア連結および分離され、所定のギア比(K)を有するように連結される電子制御変速機(21)を設けることにより、制御ユニット(29)は前記表3および表4の実験例のように様々な変数を考慮し、最小のエネルギーを消費するように、前記電子制御変速機(21)を駆動制御してギア比(K)を設定することができる。
【0076】
すなわち、前記制御ユニット(29)は前述の説明のように、前記センサー(32、34、37)から伝達された情報を基づいて、電動機(27)と電子制御変速機(21)の駆動を制御する。また、図3に示すように、制御ユニット(29)は、各階別に設けられた階別スイッチ(39)と信号連結線(41)によって連結されている。そして、制御ユニット(29)は、信号連結線(43)によってケージ(31)内に設けられた室内スイッチ(33)と連結されて信号を伝達される。図3に図面符号51は、電動機と制御ユニット(29)を連結する信号線を、53は電子制御変速機(21)と制御ユニット(29)を連結する信号線を、45は制御ユニット(29)と前記位置感知センサー(37)を連結する信号線を、55および57は電源線をそれぞれ示す。
【0077】
前記構成を有するエレベーターの場合、制御ユニット(29)は、階別スイッチ(39または室内スイッチ(33)から信号を伝達されて運転方向とともに、次に停止する階を決定し、荷重と釣り合いおもり(35)の位置情報を参照し、電子制御変速機(21)の噛み合って接続するギアを選択する。その次に、制御ユニット(29)は電動機(27)を制御し、ケージ(31)を次の目標階に移動させる。電子制御変速機(21)の動作を具体的に説明すると、制御ユニット(29)から接続ギアを変更するようにする命令を受けると、二つのブレーキ(71、73)を介して、二つの巻上機(23、25)に連結された軸(22、24)を動かせないように固定する。そして、スライディングギア(61、62、63、64)を動かしてギア接続を変更し、ギア変更が完了した後、二つのブレーキ(71、73)を解除する。
【0078】
以上の説明のように、本発明の第2実施例によるエレベーターの場合、変速装置、すなわち、電子制御変速機(21)を適用することによって、エレベーターの駆動中に釣り合いおもり(35)の重量自体を変えることができないが、ケージ(31)に作用する釣り合いおもりの重量をエレベーターの駆動中に乗客と荷物に応じて別に適用できるので、釣り合いおもり(35)の重量を変えることと同じ効果を得ることができる。
【0079】
一方、本発明の第2実施例の場合に適用するK値を常に(M +P −N / K)の絶対値が最小になるようにして動作制御するのが困難である。すなわち、前述の説明の例において、Kの値が大きいほど、釣り合いおもり(35)の移動距離が短くなり、Kの値に応じてケージ(31)の移動距離と対比、釣り合いおもり(35)の移動距離が異なるので、場合によって、釣り合いおもり(35)の現在位置が最適のKを適用できない位置にあり得るからである。したがって、実際においてKは、ケージ(31)と釣り合いおもり(35)の現在位置、乗客数、乗客の移動希望位置によって別々に適用される。したがって、実際、本発明の第2実施例に他のエレベーターを運転する場合には、上述で比較した理論的な実験例の実験値よりかなり減少した電力消費減少が予想されるものと理解しなければならない。
【0080】
本発明の第2実施例によるエレベーターの運転に必要なエネルギー消費を減少させることができる根本的な源泉は、釣り合いおもり(35)が位置エネルギーを保存して必要時に必要なだけ使用できるように構成した点にあるといえる。従来のエレベーターは、ケージ(1)が乗客が満員になる時、最上階から最下階まで移動すると、釣り合いおもり(2)は反対に最下階から最上階まで移動する。次に、ケージ(1)が空の状態で最下階から最上階まで移動すると、釣り合いおもり(2)は、最上階から最下階まで移動する。すなわち、この過程で、先ず、釣り合いおもり(2)が最上階に移動して保存された位置エネルギーが、次の移動によって必要でなくなる。乗客や荷物もエレベーターを利用して上がっただけ、また下がるが、順序が変わるので、釣り合いおもり(2)にとっては、大きな位置エネルギー保存能力が必要である。
【0081】
したがって、本発明の第2実施例によるエレベーターにおいては、釣り合いおもり(35)の位置エネルギー保存能力を最大化するためには、釣り合いおもり(35)の重量を増やし、ギア比(K)を高くして釣り合いおもり(35)の移動距離を短くすることが好ましい。釣り合いおもり(35)の重量Nを11000kgとし、同じ計算を繰り返し、乗客数によって異なるギア比(K)を適用して運用した結果を見る。先ず、乗客1人の重量を60kg、Mは1000kgで、前の実験と同一にし、乗客が2人ではK = 10、乗客が5人ではK = 9、乗客が10人ではK = 7、乗客が15人ではK = 6、乗客が20人ではK = 5として運用する。計算した結果は次の表5のようである。
【表5】

【0082】
また、 乗客数を異にする場合には次の表6のような結果を得ることができる。
【表6】

【0083】
以上の実験例にわかるように、場合によって、エネルギーの消費は同じような結果を得るが、釣り合いおもりに適用されるギア比(K)が高くなることによって、釣り合いおもり(35)の移動距離を短くできる。したがって、エレベーターの運転中にギア比(K)の選択において、釣り合いおもり(35)の移動可能の残余距離に余裕が生じて有利になる。
【0084】
すなわち、図1に示す釣り合いおもり(2)の位置は、ケージ(1)の位置によって定められ、ふたつの移動距離も常に同じである。それは滑車(3)を挟んで互いに結合されているためである。
【0085】
図2のようにギアを使用した場合、ケージ(11)側のギア(7)に対する釣り合いおもり(12)側のギア(8)のギア比をKとした場合、重量バランスをとるギア比と、ギア比によるケージ(11)と、釣り合いおもり(12)の移動距離を比較して見れば、
K = E / D
(M +P)× E = N × D、(F = 0、A = 0 である場合)
E / D = N /(M +P)
K = N /(M +P)になる。
【0086】
これにより、重量バランスをとるギア比Kは、随時変わる乗客の重量Pによって変化するが、釣り合いおもり(12)の重量Nが大きいほど大きくなることが分かる。ケージ(11)の移動距離をC、釣り合いおもり(12)の移動距離をYとする場合、
C: Y = E: D
Y = C × D / E
Y = C / K
になる。これにより、釣り合いおもり(12)の移動距離Yは、ギア比Kが大きいほど小くなることが分かる。ギア比Kを変更してエレベーターを運転する場合、その度に、釣り合いおもり(12)のケージに対する相対的な移動距離が変化するため、釣り合いおもり(12)の現在位置はケージ(11)の位置から分からないし、移動距離も互いに関連がなく、その時々のギア比Kによって変化することがわかる。
【0087】
本発明による釣り合いおもり(35)は、ケージ(31)の位置によって位置が決定されず、移動距離もどんなギアを選択するかによって異なる。釣り合いおもり(35)の現在位置と移動距離が、ケージ(31)の現在位置と移動距離とは独立したものから分かることは、ギアを選択することにおいて、重量バランスのみを考慮することはできない。例えば、図4のエレベーターが地上1階から10階まで運転しており、現在ケージ(31)は1階に、釣り合いおもり(35)が5階にあると仮定し、乗客が1階から定員の最大まで乗った時を仮定する。重量バランスを考慮すればギア比を最も低い状態に運転しなければならない。ケージ(31)と連結された巻上機(23)の駆動軸(22)に連結されたギアにとっては、直径が最も大きな駆動ギア(61)と釣り合いおもり(35)と連結された巻上機(25)の従動軸(24)に連結されたギアにとっては、直径が最も小さな固定ギア(65)が噛み合っていれば、このような状態になるはずである。図4にある電子制御変速機(21)は、この場合、二つのギア(61、65)の直径(R、S)が同じで、ケージ(31)と釣り合いおもり(35)の移動距離が同じになる。乗客の目的地が5階であれば、このまま運転することができる。しかし、乗客の目的地が10階であれば、ケージ(31)の移動距離が現在5階から1階まで動くことができる釣り合いおもり(35)の最大移動可能距離より長くて、ギア比を変えるしかない。釣り合いおもり(35)側のギアを直径が大きなものを選ぶほど、釣り合いおもり(35)の移動距離は短くなるので、直径Sが直径Rの二倍以上のギア(63、67)を噛み合わなければならない。直径Sが直径Rの二倍であるギアが噛み合った場合、ケージ(31)は、1階から10階まで移動する間に、釣り合いおもり(35)は5階から1階まで移動する。問題はケージ(31)側と釣り合いおもり(35)側が重量バランスをとることができず、電動機(27)がさらに多くのエネルギーを消費しなければならない。以上のように、釣り合いおもり(35)の重量が大きくて、ギア比を大きく操作できれば、それで、釣り合いおもり(35)の移動距離を短くして、重量の釣り合いどおりギア比を操作できる場合が多いほど、エレベーター操作に困難さを伴うことがなく、エネルギーが節約されることがわかる。
【0088】
上の式のうち、重量バランスをとるギア比に対する式をまた説明すると、
K = N /(M +P)
で、乗客の重量Pの変化に応じて重量バランスをとることができるKは変わる。しかし、実際ギア方式の電子制御変速機(21)は、いくつかの制限されたギア比を有することができるので、常に上の計算値と同じギア比を選択できず、近似値を選択するようになる。また、所定ギア比によるケージ(11)と、釣り合いおもり(12)の移動距離に対する式をまた説明すると、
Y = C / K
であり、これは、また、
K = C / Y
のようである。これはケージ(11)の移動距離Cと釣り合いおもり(12)の移動距離Yに望ましいギア比Kに対する式として解釈することができる。上と例のように重量バランスをあきらめて、ケージ(11)の移動距離と釣り合いおもり(12)の移動可能な残り距離の比によってギアを選択しなければならない場合にも、ギア比Kは上の式による等しい値を設定できず、選択可能なギア比はいくつかの制限されたギア比のうち、最も近似したものと選択しなければならない。このような二つの点は、無段変速機方式の電子制御変速機を使用すると解消することができる。すなわち、無段変速機方式は重量バランスをとることにおいて、近似値の選択ではなく、計算された値をそのまま適用することができ、移動距離に基づいて、ギア比の設定にも近似値を選択せずに計算された値をそのまま適用できるので、少しでもエネルギーの浪費を減らすことができる。
【実施例】
【0089】
図5を参照すれば、本発明の第3実施例によるエレベーターが開示されている。図5を参照すれば、第1巻上機(23)の駆動軸(22)に電子制御変速機(21′)によって連結される従動軸(24)に、第2および第3巻上機(88、98)が第1および第2電子制御クラッチ(81、91)によって連結された構成に特徴がある。したがって、前記第2および第3巻上機(88、98)それぞれに釣り合いおもり(89、99)が、それぞれワイヤーロープによって連結されている。
【0090】
前記電子制御変速機(21′)と、第1および第2電子制御クラッチ(81、91)は、制御ユニット(30)によって選択的に駆動制御される。前記のように電子制御クラッチ(81、91)および巻上機(88、98)を別途に備えた釣り合いおもり(89、99)を使用すると、複数の釣り合いおもりを使用することができる。複数の釣り合いおもりを使用する時には選択した釣り合いおもりと、選択しない釣り合いおもりに区分して運転することができる。
【0091】
ここで、前記第1電子制御クラッチ(81)は、従動軸(24)に設けられた固定ギア(87)と、第2巻上機(88)の軸に設けられるスライディングギア(85)とブレーキ(83)とを具備する。スライディングギア(85)は、制御ユニット(30)の制御によって固定ギア(87)と選択的に連結および解除される。前記第2電子制御クラッチ(91)は、従動軸(24)に固定される固定ギア(97)と、第3巻上機(98)の軸に設けられるスライディングギア(95)と、ブレーキ(93)とを具備する。前記構成によれば、電子制御変速機(21´)は、従動軸(24)にブレーキを設ける必要がなくなって、ブレーキを除いた部分は、図4で説明した電子制御変速機(21)と同じ構成を有するようになる。
【0092】
前記構成を有するエレベーターの場合、例えば一つの釣り合いおもり(89)を選択したと言えば、選択した釣り合いおもり(89)および第2巻上機(88)に連結された第1電子制御クラッチ(81)内部の二つのギア(85、87)は噛み合って接続する。選択しない残りの釣り合いおもり(99)および第3巻上機(98)に連結された電子制御クラッチ(91)内部の二つのギア(95、97)は、中立の状態に置いてブレーキ(93)はかけておく。電子制御変速機(21´)内部の駆動軸(22)設けられたブレーキ(71)と前記選択した釣り合いおもり(89)に連結された電子制御クラッチ(81)内部のブレーキ(83)は、電子制御変速機(21´)のギアが中立にあるとか、制御ユニット(30)の信号がある時に動作し、それぞれケージ(31)と釣り合いおもり(89)が動かないように固定する。出勤時間や退勤時間などのように、一方の方向への移動が集中される時期には選択した釣り合いおもり(89)が、最下階や最上階に移動して、これ以上、重量バランスをとることができない状況が発生しやすい。このとき、他の釣り合いおもり(99)を選択してケージ(31)の重量バランスをとることができる役割をする。本実施例では、二つの釣り合いおもり(89、99)を設けたことを例であげたが、三つ以上多数の釣り合いおもり備えて順次に利用できることは当然である。
【0093】
力学的に見れば、人々が建物の上層にたくさん移動すると、釣り合いおもり(89、99)は次第に最下階に移動し、人々が建物の下層にたくさん移動すると、釣り合いおもり(89、99)は次第に最上階に移動して位置エネルギーを保存すると見られる。位置エネルギーは釣り合いおもり(89、99)によってよく保存され、エレベーターは両方へ重量の釣り合いがとられた滑車のように動作すると見られる。図5で図面符号54、80、90は、信号線をそれぞれ示す。
【0094】
図6は本発明の第4実施例によるエレベーターの概略的な構成図である。図6を参照すれば、ケージ(11)の底と釣り合いおもり(12)の底にワイヤーロープ(125、126)をそれぞれ連結し、建物の最下階(100)に接触するようにした構成が開示されている。高層エレベーターの巻上機(5、6)からケージ(11)や釣り合いおもり(12)までの距離変化が大きいため、ワイヤーロープ(13、14)の重量変化を無視することができない。
【0095】
ケージと(11)釣り合いおもり(12)の底にそれぞれの巻上機(5、6)に連結されたワイヤーロープ(13、14)のようなワイヤーロープ(125、126)を連結して建物の最下階(100)に接触するように設置することによって、ケージ(11)や釣り合いおもり(12)の位置が変化しても巻上機(5、6)に適用される重量に変化がないようにする。従来のエレベーターでも釣り合いロープが設けられて使用された。従来のエレベーターではケージの位置と釣り合いおもりの位置が相対的に一定位置にあることによって、釣り合いプーリーを使用して釣り合いロープが建物の底に接触しなくても良いし、全体釣り合いロープの長さも建物の高さを超えない長さとして運転することができた。しかし、本発明によるエレベーターは、ケージ(11)の位置と釣り合いおもり(12)の位置が独立的で、従来の方式をそれ以上使用できないので、このような問題を解決する新しい方式が必要であった。
【0096】
図7は、本発明の第5実施例によるエレベーターを説明するための概略的な図面であり、図6の釣り合いおもり(12)と、釣り合いおもり巻上機(6)をチェーンまたは重いバーを連結したチェーン構造(134)に取り替えたエレベーターの構造を示している。チェーン構造(134)の形態は、従来のエレベーターで釣り合いおもりの設置運転空間に設けられる利点がある。図7に示すように、建物の最下階(100)と建物の最上階にコンテナ(137、136)を置き、チェーンまたはチェーン構造 (14)を積むとき、釣り合いおもりの役割ができる部分は、車輪(131)の軸から建物の最下階までの長さで下部コンテナに積もったチェーンまたはチェーン構造(134)の高さを除いて、また、上部コンテナ(136)のチェーンまたはチェーン構造(134)の積もった位置で、車輪(131)の軸までの高さを除いた長さのチェーンまたはチェーン構造(134)に該当する。図5のように釣り合いおもり(89、99)を二つ使用する方法と比較すると、釣り合いおもりを運転中に交換しなければならないという煩わしさが無くなることが分かる。
【0097】
単純化して簡単な例をあげて説明する。各階が3m高さの10階建物に各階に体重が50kgの人が、20人ずつ勤める建物があるとしよう、朝に出勤して夕方にみな退勤するとする場合、みな出勤した時の位置エネルギーの増加は、
50kg × 20 = 1000kg
1000 × 3 × 1 +1000 × 3 × 2 +1000 × 3 × 3 +1000 × 3 × 4 +1000 × 3 × 5 +1000 × 3 × 6 +1000 × 3 ×7 +1000× 3 × 8 +1000 × 3 × 9 = 135000kgfmの通りである。すべての人々が退勤する時、135000kgfmの位置エネルギー減少が起こるが、これを保存することができる装置が必要である。
【0098】
135000 /(9 × 3 )= 5000kg
すなわち、10階に5000kgを置くと、全体の位置エネルギーを保存することができる。1mの重量が200kgのチェーン構造を使用すると、25mのチェーン構造(134)が上部コンテナ(136)にあり、建物高さ27m程度のチェーン構造が下ろされていなければならないので、52mのチェーン構造があれば、位置エネルギーをよく保存するなかで、エレベーターを運転することができる。釣り合いおもりの重量は、約200kg×27 = 5400kgとなる。ケージ(11)の重量を考慮して電子制御変速機のギア比を決めることができる。ケージ(11)の重量が1350kgで乗客が1350kgまで乗ることができるとすれば、ギア比は 4:1から2:1の間でいろんな段階を作らなければならない。チェーン構造(134)の単位長さあたりの重量を決定するのに考慮すべきことは、増減する位置エネルギーの大きさ、建物の高さ、ケージの重量、最大乗客数などである。
【0099】
図8は図7のチェーン構造(134)の一例としてチェーン(151)を示している図面である。前記チェーン(151)は金属材質で所定の太さに形成される。
【0100】
図9と図10は、チェーン構造(134)の他の例を示している図面であって、前記チェーン構造は所定の長さおよび重量を有する複数個のバーと、前記重いバーの両端を回転可能に支持するように、所定の長さを有するチェーンローラを含む構成を有することができる。前記のような構成のチェーン構造(134)を移動させるための車輪(131)の一例が図11に示されている。図11を参照すれば、軸(172)に所定距離離れるように、スプロケットホイール(171)が結合された構成を有する。図9と図10のチェーン構造は、チェーンを例をあげて説明したが、前記チェーン構造にチェーン代りにワイヤーロープが代わりに使用することもできる。
【0101】
図12は回転ポンプの一種であるギアポンプであり、図13はベーンポンプである。これらは油圧ポンプと油圧モーターの役割を同時に果たすことができ、用途と構造によってギアポンプ、ギアモーター、ベーンポンプ、ベーンモーターと呼ばれる。図12で図面符号181は流入側を、182は排出側をそれぞれ示しており、183はギアを示す。図13で図面符号191は流入側を、192は排出側を、193は回転子、194はベーンを、195はスプリングをそれぞれ示す。このような構成を有するギアモーターと、ベーンモーターそれぞれは、産業全般にわたって広く使用されるので、詳しいことは省略する。
【0102】
図14は本発明の第6実施例によるエレベーターを示している図面である。ここで、油圧モーター(203、204、205、206)と、液体を使用した負荷提供装置を用いて図3で示す釣り合いおもり(35)と、釣り合いおもり巻上機(25)を代替した例を詳しく説明する。図6の場合には釣り合いおもり(12)、釣り合いおもり巻上機(6)と、釣り合いおもり(12)の底から建物の最下階まで接触するように連結したワイヤーロープ(126)を取り替える。
【0103】
ここで使用可能な油圧モーター(203、204、205、206)の種類は、ギアモーター(図12)のように油圧モーターと油圧ポンプの役割を交互に行える装置でなければならない。また、このような油圧モーター(203、204、205、206)は、ギアモーター(図12)の場合のように、排出量が油圧モーター軸の回転数と一定の比例関係があるべきである。油圧モーターの回転力は液体の圧力に比例し、油圧モーターの単位回転当たりの排出量に比例する。すなわち、作用する圧力が強いほど、そして、油圧モーターの容量が大きいほど、さらに大きな回転力を発揮する。
【0104】
本発明の油圧モーターは複数個で構成することができ、前記油圧モーターの連結方式は、直列および並列に構成されるモーター連結方式のうち、いずれか一つ以上が使用された方式である可能性がある。
【0105】
油圧モーター(203、204、205、206)の直列連結は、電池を直列に連結して電圧を上げるのと同じような効果を発揮する。下部液体タンク(212)から上部液体タンク(210)までの高さが大きい場合、液体全体の圧力を複数の油圧モーター(203、204、205、206)に分散することができ、また、高い位置まで液体を引き上げることができる。すなわち、下部液体タンク(212)の位置から上部液体タンク(210)の位置まで、距離を二等分または三等分した位置に油圧モーター(203、204、205、206)を配置し、液体パイプ(207、208、209)を連結し、油圧モーターの軸(202)を互いに連結すると、このような効果を得ることができ、連結された油圧モーター軸(202)の回転力は、それぞれの油圧モーターの回転力を合計したものと同じである。
【0106】
油圧モーター(203-206)の並列連結は、電池を並列に連結して電流を増やすのと同じような効果を発揮する。液体の圧力が同じ位置に配置した複数の油圧モーター軸(202)を互いに連結し、液体パイプ(207、208、209)をそれぞれの油圧モーター(203-206)に連結した時、油圧モーター軸(202)の有する回転力は、それぞれの油圧モーター(203-206)の回転力の和と等しい。油圧モーター軸(202)の単位回転当たり、全体液体排出量が並列連結された油圧モーター(203-206)の数だけ増加するからである。図14の全ての油圧モーター(203、204、205、206)の軸(202)は連結されているので、この軸(202)の回転力はそれぞれの油圧モーター(203、204、205、206)の回転力の和と等しい。ここで前記軸(202)の端部には傘歯車(201)が設けれ、この傘歯車(201)は電子制御変速機の従動軸、すなわち、固定ギア(8)の軸に設けられた傘歯車(200)とギア連結される。図14で図面符号211と213は液体の表面を示す。そして、図面符号215と216のそれぞれは、他のエレベーターの油圧モーターに連結されることができるパイプを示す。すなわち、前記各液体タンク(210、212)に含まれた液体を利用して他のエレベーターにも使用することができる。
【0107】
油圧モーター(203、204、205、206)の直列連結によって、上部液体タンク(210)から下部液体タンク(212)までの全体液体圧力を均一に分散し、並列連結によって必要な釣り合いおもりの役割を果たせる十分な回転力を得るのに必要十分な液体の排出量を得るように装置する。このように設けられた油圧モーター(203、204、205、206)は、油圧が一定であるために、常に一定の回転力を提供する。また、このような回転力は、液体が流れる方向や油圧モーターの軸(202)が回転する方向とは関係なく、同じ大きさ、同じ方向に作用する。これは、まるで重力のために、物を持ち上げる中と、または物を下げる中に、常に下に同じ重力が作用しているものと同じである。互いに連結された油圧モーターの軸(202)は、電子制御変速機内部の噛み合ったギア (7、8)を介して、ケージ巻上機(5)に連結されるが、電動機(27)の回転方向に沿ってケージ(11)の移動方向と油圧モーター軸(202)の回転方向と液体の流れる方向が決定される。乗客が上に移動すると、液体は下に移動し、乗客が下に移動すると、液体は上に移動する。乗客の重量に応じて、電子制御変速機内部の噛み合ったギア(7、 8)を調整することができる。ケージ(11)が同じ速度で移動しても、ギア変速によって油圧モーター軸(202)の相対的な速度が異なり、乗客数が増加するほど、ギア変速を異にして液体の移動する速度が早くなる。
【0108】
理想的な油圧モーターと電子制御変速機を使用してエネルギー損失が無いと仮定すると、乗客の移動による位置エネルギーの変化が、液体の位置エネルギー変化に現れる。一般的な位置エネルギーの公式は
M × G × H
(M質量、G 重力加速度、H 高さ)である。
【0109】
70kgである乗客10人が10mの上に移動すると、7000kgfm位置エネルギーが増加する。下部液体タンク(212)で上部液体タンク(210)の位置が100mで、液体の1L(Liter)重量が1kgとすれば、70Lの液体が下に移動するように(70 × 1 × 100 =7000kgfm)なる。同じ数の乗客が反対方向に 10m移動すると、70Lの液体が上に移動する。このように、このような装置は乗客の位置エネルギー変化に対応する液体の位置エネルギー変化に変換して、位置エネルギーを保存して再利用すると言える。ここで、ケージ(11)の重量を考慮しなかった。ケージ(11)の重量を考慮すると、常に同じケージ(11)の重量が上下方向に移動するが、液体の対応する移動として常に相殺可能であるが、ケージ(11)の重量に該当するほどの多くの量の液体を常に上下方向に移動しなければならないので、油圧モーター(203、204、205、206)の容量がそれほど大きな油圧モーターを使用するか、油圧モーター軸(202)の回転速度を速めなければならない負担を有するようになる。また、液体タンク(210、212)もそれほど大きくしなければならない。このような負担を減らし、変化する乗客の位置エネルギー分だけ、液体の位置エネルギーに変換して保存および再利用する方法は、釣り合いおもりを油圧モーターと並行して使用するものである。このような方式のエレベーターが図15に開示されている。
【0110】
図15は本発明の第7実施例によるエレベーターを示している概略的な図面である。図15を参照すれば、釣り合いおもり(12)とケージ(11)がワイヤーロープ(221、222)によって連結され、各ワイヤーロープ(221、222)は巻上機(223)と釣り合いプーリー(227)によって支持された構成を有する。巻上機(223)は電動機の駆動軸(224)に設けられる。そして、傘歯車(200)が設けられた従動軸(226)は、電子制御変速機(225)によって駆動軸(224)連結される。前記傘歯車(200)に負荷を提供するいわゆる負荷提供装置は、図14に示された同じ構成が適用される。すなわち、前記傘歯車(200)にギアポンプ(203-206)の軸(202)に設けられた傘歯車(201)がギア連結される。そして、各ギアポンプ(203-206)は駆動時、パイプ(207、208、209)を通じて上部液体タンク(210)と、下部液体タンク(212)の液体を移動させることができる。
【0111】
このような構成によれば、ケージ(11)自体の重量は固定的であり、このような重量は釣り合いおもり(12)によって互いに相殺させ、変化が大きい乗客の重量を油圧モーター(203、204、205、206)、液体と電子制御変速機(225)を介して相殺することができる。図14は構造が簡単な代わりに大きな容量の油圧モーターと液体タンクを使用しなければならないのに比べて、図15は構造が複雑な代わりに小さな容量の油圧モーター(203-206)と小さな液体タンク(210、212)を必要とする。
【0112】
また、変速機と油圧モーターの役割を一度に可能な装置では、可変容量型モーターがある。したがって、電子制御が可能な可変容量型モーターを使用すると、別途の電子制御変速機を使用しなくても同じ機能を遂行することができる。
【0113】
一つの建物にある多数のエレベーターは、上部液体タンク(210)と下部液体タンク(212)を共有して使用が可能である。
【0114】
図15では従来のエレベーターに使用する釣り合いおもり(12)をそのまま使用し、ケージ(11)自体の重量は釣り合いおもり(12)が相殺するようにし、変化する乗客の重量を油圧モーター(203-206)と、液体と電子制御変速機(225)を使用して相殺する特徴を見られる。このように釣り合いおもり(12)を同時に使用した方式は、図7のチェーンまたはチェーン構造と電子制御変速機を使用する場合と、図16で説明するバケットコンベヤと電子制御変速機を使用する場合にも一緒に適用することができる。
【0115】
図16ではバケットコンベヤを示している。バケット(231、257、260)は、ローラーチェーン (251)に沿って動く。ローラーチェーン (251)は、矢印(258)が示すように両方向に動くことができる。図16でローラーチェーン (251)が矢印(258)の右に動くと、上部液体タンク(253)の液体が下部液体タンク(255)に移動するようになる。それは補助車輪(245)を通ったバケット(260)に液体が含まれて上に上がり、補助車輪(246)とスプロケットホイール(241)を順に通って、補助車輪(242)を通ると、止め板(248)にバケット(231)の突起棒(233、図17参照 )がかかって、バケット(231)に含まれた液体が注がれるからである。
【0116】
ここで、バケット(231)には突起棒(233)が一対が設けられる。そして、バケット(231)の両側には回動ピン(232)が設けられる。前記回動ピン(232)は図18に示すように、ローラーチェーン (251)に回動可能に支持される。
【0117】
一方、図16でローラーチェーン(251)が矢印(258)の左に動くと、下部液体タンク(255)の液体が上部液体タンク(253)に移動するようになる。その過程を説明すると、補助車輪(242)の下を通ってスプロケットホイール(241)に向かう時、バケット(231)に液体が含まれ、液体が含まれたバケット(231)はスプロケットホイール(241)、補助車輪(246)(245)を順に通るようになる。液体が含まれたバケット(231)は、補助車輪(244)に向かって上がる時、バケット(231)の突起棒(233)が止め板(247)にかかって、バケットに含まれた液体が注がれる。以上のように、ローラーチェーン(251)の回転方向によって液体の移動方向が決定されることを確認することができる。
【0118】
スプロケットホイール(241)にとっては、常に多数のバケット(231)に液体が含まれた状態で支持されているので、大きな回転力を受ける。このような回転力は、前で説明した様々なモデルのエレベーターに適用することができる。すなわち、図7のスプロケットホイール(131)は、図16のスプロケットホイール(241)に代えることができる。図面で回転方向を変えれば良い。図14と図15の傘歯車(200)は、図16のスプロケットホイール(241)の軸に傘歯車を備えた後に接続連結されることができる。
【0119】
ここで油圧モーター(203-206)を使用する方法とバケットコンベヤを使用する方法を比べると、液体を上に移動して位置エネルギーを保存する原理は結局、同じことが分かる。但し、機械的摩擦によるエネルギー損失と、構造の複雑性と、管理および設置費用などが選択の基準になる。
【0120】
図19は本発明の第8実施例によるエレベーターを示すものであり、電子制御変速機(225)によって駆動軸(224)と連結された従動軸(226)に連結されるバランス維持手段として、軸(278)が回転可能に連結された油圧モーター(279)と、前記油圧モーター(279)を挟んで設けられる液化ガスタンク(272)と、高圧液体タンク(275)と、常圧液体タンク(281)を具備する。前記液化ガスタンク(272)内には所定レベル(271)の液化ガスが収容されている。この液化ガスタンク(272)は、パイプ(273)によって高圧液体タンク(275)に連結される。前記高圧液体タンク(275)内部には、所定レベル(276)の液体が貯蔵され、その液体の上に所定レベル(274)に液化ガスが層構造を形成するように収容される。
【0121】
前記高圧液体タンク(275)は、パイプ(277)によって油圧モーター(279)に連結される。そして、油圧モーター(279)の他側は、パイプ(280)によって常圧液体タンク(281)と連結される。常圧液体タンク(281)は、液体が所定レベル(282)に貯蔵される。
【0122】
前記構成の前記液化ガスが貯蔵される液化ガスタンク(272)の蒸気圧を利用して、高圧液体タンク(275)内部の液体の高い圧力を一定に維持し、これを再利用するシステムからなる。
【0123】
建物の内部にそれも建物の最上階に大きな液体タンクを置くことは建物の安全に影響があり得り、最上階の近くに使用可能な空間が無い建物もある。また、最上階から建物の最下階まで液体パイプを設置することも煩わしい。建物の最下階のように低く、下部液体タンクの近くに上部液体タンクを設置することができれば、いろいろな長所がある。その中の一つが液体タンクの貯蔵容量を必要なだけ、いくらでも大きくすることができる。
【0124】
アンモニア、アンモニアと水蒸気の混合物、二酸化炭素、二酸化硫黄、塩素、プロパンなどは、常温で液化が可能であり、それぞれ他の臨界圧力の特性を有しいる。このようなガスのうち、一つを選択して液化ガスタンク(272)に入れ、液化ガスパイプ(273)を通じて高圧液体タンク(275)の上部に連結する。選択したガスによる蒸気圧が、高圧液体タンク(275)に作用して、高圧液体タンク(275)の内部は液体の量とは関係なく、常に一定圧力を維持するようになる。すなわち、高圧液体タンク(275)内部で液体の量が減少すると、ガスがある上の空間が増えて圧力が低くなり、圧力が低くなると、液化ガスが気化して圧力を増加させる。反対に液体の量が増加すると、ガスがある上の空間が減って圧力が上がり、圧力が上がると、ガスは液化して圧力が低くなって一定圧力を維持するようになる。液体は液体パイプ(277)を通じて連結された油圧モーター(279)に一定圧力を作用する。
【0125】
油圧モーター(279)を通過した液体は常圧液体タンク(281)の底に連結された液体パイプ(280)を通じて常圧液体タンク(281)に入って行く。ガスは液体によく溶けてはならないし、臨界圧力が大きなものを選択するのが高い圧力を得るのに効果的である。選択したガスが選択した液体によく溶ける時は、高圧液体タンク(275)内部にビニルフィルム(284)のようなガスや液体が通過することができない膜を設けてガスと液体を隔離させることができる。ビニルフィルム(284)は、液体が高圧液体タンク(275)をいっぱいに満たすことができる大きさに作り、ビニルフィルム(284)の上側にも若干の液体を入れ、ビニルフィルムと高圧液体タンク(275)がくっつかないでよく滑るようにすることが好ましい。ビニルフィルム(284)の上下は、常に同じ圧力なので、圧力によってビニルフィルム(284)が破れる事は無い。このような装置を通じて低い所に設置した液化ガスタンク(272)と、高圧液体タンク(275)が、図14と図15の高い所に設置した上部液体タンク(210)を代替することができる。多様な物質の臨界温度と臨界圧力を説明すると、アンモニア132℃、111.2気圧、二酸化炭素31℃、72.8気圧、二酸化硫黄157.2℃、77.7気圧、塩素144℃、76気圧などである。このような物質は、常温で臨界圧力以上に圧力を高く加えると、液化して高い蒸気圧を維持する。
【0126】
図20は本発明の第9実施例によるエレベーターを示している概略的な構成図である。図20を参照すれば、釣り合いプーリー(227)を変更して、釣り合いプーリー(227)に釣り合いプーリー軸(228)を連結し、釣り合いプーリー軸(228)に電子制御変速機(225)を連結した後、電子制御変速機(225)の他の軸(278)に図19に示すようなバランス維持手段、すなわち、油圧モーター(279)を連結し、図19と同じ作用効果が得られることが分かる。このような構成を有する場合、エレベーターは建物の最上階から建物の最下階まで液体パイプを設ける必要がなく、また、油圧モーターの(279)位置から建物の最上階まで連結する軸(278)を排除できるため、部品数が減り、構成が簡単であるという利点がある。
【0127】
図21は本発明の第10実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図である。これを具体的に説明すると、図14に示されたエレベーターの構成において、ギア(7、8)を含む変速機と油圧モーター(203、204、205、206)を、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)に代えた変形例と理解することができる。
【0128】
すなわち、前述の図面4で説明した電子制御変速機(21、225)のうち、ブレーキ(71)に該当する部分、すなわち、電子制御ブレーキ(293)を巻上機(223)の軸(224)に設け、図に示していない制御ユニットによって制御されるようにすることにより、前記軸(224)を固定させることができる。前記電子制御可変容量型油圧モーター(291)は、可変容量型油圧モーターが軸の1回転当たりの排除容積を調整することにより、吸入する液体の圧力と速度に対して相対的な出力軸のトルクと回転速度を制御することができる点を利用したものであり、一般的な可変容量型油圧モーターに図に示していない制御ユニットを連結した構成と理解することができる。
【0129】
電子制御可変容量型油圧モーター(291)には、上部液体タンク(210)からパイプ(207)を通じて、常に一定の油圧が作用する。電子制御可変容量型油圧モーター(291)の液体排出速度は、電子制御可変容量型油圧モーターの軸(292)の回転速度と、1回転当たりの排除容積の調整結果によって変化する。前記制御ユニットは、電子制御可変容量型油圧モーター(291)の軸(292)の1回転あたりの排除容積を調整して前記軸(292)のトルクを調整することができる。このような電子制御可変容量型油圧モーター(291)の軸(292)のトルクは、ケージ(11)とケージ内部の乗客と、荷物の重量によって発生する前記ブレーキ(293)の軸(230)のトルクを相殺する大きさになるように調整される。電動機(27)の回転によるブレーキ(293)の軸(230)の回転速度によって傘歯車(200、201)を通じて連結された電子制御可変容量型油圧モーター(291)の軸(292)の回転速度が決定され、先に調整された電子制御可変容量型油圧モーター軸(292)の1回転当たり排除容積によって電子制御可変容量型油圧モーター(291)を通過し、パイプ(207)内部を流れる液体の運転速度が決定される。電子制御可変容量型油圧モーター軸(292)の1回転当たり排除容積を0に調整した時は、パイプ(207)内部を流れる液体の移動が停止られ、電子制御可変容量型油圧モーター軸(292)は、回転による負荷のない状態、すなわち、空回り状態になる。これは図14で使用された電子制御変速機(21、225)が中立ギア状態でブレーキ(73)をかけるような状態になる。したがって、電子制御可変容量型油圧モーター(291)を使用する場合、図14に示された電子制御変速機(21、225)の従動軸に設けられたブレーキ(73)は別に設ける必要がないことがわかる。このような可変容量型油圧モーターではベーン型とピストン型がある。このような可変容量型油圧モーターは油圧ポンプの役割を兼ねることができる。したがって、電動機(27)の回転方向に沿ってケージ(11)が上に移動する時には、電子制御可変容量型油圧モーター(291)は油圧モーターとして作用し、上部液体タンク(210)内部の液体を下部液体タンク(212)に流し、トルクを発生してケージ(11)を上に上げるのに必要な電動機の
電力を低減することができる。反対に、ケージ(11)が下に移動する時には、電子制御可変容量型油圧モーター(291)は、油圧ポンプとして作用し、下部液体タンク(212)に含まれた液体を上部液体タンク(210)に汲み上げて、ケージ(11)の下向き移動によって損失の恐れがある位置エネルギーを保存することができる。
【0130】
このような作用によって一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)は、図14に示しているギア(7、8)を含む変速機と、油圧モーター(203、204、205、206)を代替できることがわかる。
【0131】
一方、図21では前述の図面で説明した構成要素と同じ構成要素に対しては同じ参照番号を付与し、これに対する別途の説明は省略した。
【0132】
図22は本発明の第11実施例によるエレベーターを示している概略的な構成図である。図22は図15に示している変速機(225)の中で、変速機部分と油圧モーター(203、204、205、206)を、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)に代えた様子を示したものである。ここで、前記電子制御可変容量型油圧モーター(291)の作動に対する詳しい説明は、図21に対する説明と同じなので、繰り返す説明は省略し、他の構成要素に対する具体的な説明は、図15によって説明した内容と同じなので、詳しい説明は省略する。
【0133】
図23は本発明の第12実施例によるエレベーターを示している概略的な構成図である。図23は図19に示された変速機(225)をブレーキ(293)のみ残し、残りの変速ギア(図示せず)と油圧モーター(279)を、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)に代えた様子を示している。図23でも図19と同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付与した。そして、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)が、どのように変速機と油圧モーターの役割を果たすことができるかは、前述した図21によって説明したので、詳しい説明は省略する。
【0134】
図24は本発明の第13実施例によるエレベーターを示している概略的な構成図である。図24は図20に示している変速機(225)を中で、ブレーキ(293)のみ残し、変速機部分、すなわち、変速ギアと油圧モーター(279)を、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)に代えた様子を示している。図24でも図20に示された図面の図面符号と同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付与した。そして、一つの電子制御可変容量型油圧モーター(291)が、どのように変速機と油圧モーターの役割をするかは、図21によって説明した内容により十分に理解できるため、詳しい説明は省略する。
【0135】
以上のように、本発明の特定の好ましい実施例に対して図に示して説明した。しかし、本発明は上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を一脱することなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を持った者なら、誰でも多様な変形実施が可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明のエレベーターを利用すると、乗客数や荷物の重量を考慮して、変速機のギア比を調整することにより、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる利点がある。
【0137】
また、本発明のエレベーターを利用すると、電子制御可変容量型油圧モーターを使用して、乗客と荷物の重量変化に応じ、釣り合いおもりがケージ、乗客および荷物の重量を最大限に相殺するように調整し、エレベーターの運転時に消費電力を低減することができる
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】従来のエレベーターを説明するための概略的な図。
【図2】本発明の第1実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図3】本発明の第2実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図4】図3の要部を示す構成図。
【図5】本発明の第2実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図6】本発明の第3実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図7】本発明の第4実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図8】図7に示しているチェーン構造の一例をを説明するための図面。
【図9】図7に示されたチェーン構造の他の例を示している図面。
【図10】図7に示されたチェーン構造の他の例を示している図面。
【図11】図7に示されたスプロケットホイールを示している斜視図。
【図12】ギアポンプを示している図面。
【図13】ベーンポンプを示している図面。
【図14】本発明の第5実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図15】本発明の第6実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図16】本発明の第7実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図17】図16に示されたバケットを示す斜視図。
【図18】図17に示されたバケットが、ローラーチェーンに支持された状態を示している斜視図。
【図19】本発明の第8実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図20】本発明の第9実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図21】本発明の第10実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図22】本発明の第11実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図23】本発明の第12実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【図24】本発明の第13実施例によるエレベーターを説明するための概略的な構成図。
【符号の説明】
【0139】
1、11、31 ケージ
2、12、35、89、99 釣り合いおもり
4、13、14、47、49 ワイヤーロープ
5、23 ケージ巻上機
6、25、88、98 釣り合いおもり巻上機
21、21´、225 電子制御変速機
27 電動機
29、30 制御ユニット
81、91 電子制御クラッチ
203、204、205、206、279 油圧モーター
210、253 上部液体タンク
212、255 下部液体タンク
223 巻上機
227 釣り合いプーリー
284 ビニルフィルム
291 電子制御可変容量型油圧モーター
293 ブレーキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻き、ロープを解放するケージ巻上機と;
前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対し、釣り合いを提供するように所定負荷を提供する釣り合いおもりと;
前記ケージ巻上機の動力を伝達されて回転し、前記釣り合いおもりを移動させる釣り合いおもり巻上機と;
前記釣り合いおもり巻上機と前記ケージ巻上機の間に設けられて動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択され、各巻上機の間の動力を伝達する電子制御変速機と;
前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記釣り合いおもりの重量と、前記ケージと前記釣り合いおもりそれぞれの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と前記釣り合いおもりの重量が、バランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニット;
を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項2】
前記ケージと前記釣り合いおもりそれぞれの下部に連結され、前記建物の最下階の底に接触するように設けられるワイヤーロープを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記ケージ巻上機は、前記電動機と前記電子制御変速機を連結する駆動軸に設けられ、
前記釣り合いおもり巻上機は、前記電子制御変速機に連結され、前記駆動軸の動力を伝達される従動軸に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記釣り合いおもりと前記釣り合いおもり巻上機は、それぞれ複数が設けられ、
前記電子制御変速機を介して前記釣り合いおもり巻上機に連結された駆動軸から動力を伝達される従動軸と;
前記従動軸と前記それぞれの釣り合いおもり巻上機の間に設けられ、前記制御ユニットによって選択的に動作され、動力を伝達する複数の電子制御クラッチをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
【請求項5】
前記電子制御変速機は、
前記駆動軸に設けられたブレーキと;
前記駆動軸に移動可能に設けられ、互いに異なる半径を有する複数のスライディングギアと;
前記従動軸に位置固定され、前記複数のスライディングギアと選択的にギア連結される複数の固定ギアと;を含むことを特徴とする請求項4に記載のエレベーター。
【請求項6】
前記電子制御クラッチは、
前記従動軸に設けられた固定ギアと;
前記釣り合いおもり巻上機の軸に設けられるブレーキと;
前記釣り合いおもり巻上機の軸に移動可能に設けられ、前記固定ギアと選択的に連結されるスライディングギアと;
を含むことを特徴とする請求項5に記載のエレベーター。
【請求項7】
前記電子制御変速機は、
前記駆動軸に設けられる第1ブレーキと;
前記従動軸に設けられる第2ブレーキと;
前記駆動軸に移動可能に設けられ、互いに異なる半径を有する複数のスライディングギアと;
前記従動軸に設けられ、前記スライディングギアと選択的にギア連結される複数の固定ギアと;を含むことを特徴とする請求項3に記載のエレベーター。
【請求項8】
前記電子制御変速機は、無段変速機であることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
【請求項9】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻き、解放する第1巻上機と;
前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対し、釣り合いを提供するように、所定負荷を提供するバランス維持部材と;
前記第1巻上機の動力を伝達されて回転し、前記バランス維持部材を移動させる第2巻上機と;
前記第1および第2巻上機の間に設けられて動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択され、第1巻上機の動力を前記第2巻上機に伝達する電子制御変速機と;
前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持部材による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と、前記バランス維持部材の負荷がバランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニットと;
を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項10】
前記バランス維持部材は、
所定重量を有し、一端は前記建物の底に配置され、他端は前記建物の上部に配置され、前記第2巻上機に連結されて前記第2巻上機の巻回する方向に沿っていずれかの一方が、前記建物の底または上部の方に巻回されて配置され、他側は解放するように設けられる所定長さのチェーン構造を含むことを特徴とする請求項9に記載のエレベーター。
【請求項11】
前記チェーン構造は、
所定長さおよび重量を有する複数のバーと;
前記バーの両端を回転可能に支持するように所定長さを有するチェーンローラと;を含むことを特徴とする請求項10に記載のエレベーター。
【請求項12】
前記第2巻上機は、前記チェーンローラを移動させるためのスプロケットホイールを含むことを特徴とする請求項11に記載のエレベーター。
【請求項13】
前記ケージの下部に連結され、前記建物の底に接触するように設けられたワイヤーロープをさらに含むことを特徴とする請求項10乃至12のうちのいずれかに記載のエレベーター。
【請求項14】
前記第1巻上機は、前記電動機と前記電子制御変速機に連結される駆動軸に設けられ、
前記第2巻上機は、前記電子制御変速機に連結されて前記駆動軸から動力を伝達される従動軸に設けられたことを特徴とする請求項10に記載のエレベーター。
【請求項15】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放するケージ巻上機と;
前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対し、釣り合いを提供するように所定負荷を提供するバランス維持手段と;
前記ケージ巻上機と前記バランス維持手段の間に設けられ、動力を選択的に伝達し、入力信号によって所定ギア比に選択され、前記ケージ巻上機の動力を前記バランス維持手段に伝達する電子制御変速機と;
前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持手段による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と前記バランス維持手段の負荷が、バランスをとることができるギア比を選択するように、前記電子制御変速機を制御する制御ユニットと;
を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項16】
前記バランス維持手段は、
液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;
前記電子制御変速機によって前記ケージ巻上機の駆動軸から動力を伝達される従動軸に連動されて動作し、前記上部および下部液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、位置エネルギーを変更する液体移動ユニットと;を含むことを特徴とする請求項15に記載のエレベーター。
【請求項17】
前記液体移動ユニットは、
前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;
前記パイプに設けられる少なくとも一つの油圧モーターと;
一端は前記駆動軸に連結され、回転時に前記油圧モーターを駆動させる油圧モーター軸と;を含むことを特徴とする請求項16に記載のエレベーター。
【請求項18】
前記油圧モーター軸と前記従動軸は傘歯車によって連結されることを特徴とする請求項17に記載のエレベーター。
【請求項19】
前記油圧モーターは複数個から構成されており、前記油圧モーターの連結方式は、直列および並列に構成されるモーター連結方式のうちいずれか一つ以上が使用された方式であることを特徴とする請求項17に記載のエレベーター。
【請求項20】
前記油圧モーター軸は、前記複数の油圧モーターを共有するように配置されたことを特徴とする請求項19に記載のエレベーター。
【請求項21】
前記ケージの下部には、前記建物の底に接触するように、ワイヤーロープが連結されたことを特徴とする請求項16に記載のエレベーター。
【請求項22】
前記液体移動ユニットは、
前記上部および下部液体タンクを経由するように設けられ、両方向に移動可能な閉ループ形の移送チェーンと;
前記移送チェーンに所定間隔に設けられ、前記移送チェーンの移動方向に沿っていずれかの液体タンクの液体を他の液体タンクに運ぶバケットと;
前記移送チェーンを移動させるように、前記駆動軸に設けられるスプロケットホイールと;を含むことを特徴とする請求項16に記載のエレベーター。
【請求項23】
前記バケットには一対の突起がそれぞれ設けられ、
前記上部および下部液体タンクそれぞれには、前記バケットの突起を干渉し、前記バケットに含まれた液体を注ぐようにする止め板;が設けられたことを特徴とする請求項22に記載のエレベーター。
【請求項24】
前記バランス維持手段は、
密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;
密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;
前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および
前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させる油圧モーターと;
前記電子制御変速機によって前記ケージ巻上機の駆動軸から動力を伝達される従動軸によって駆動され、前記油圧モーターを駆動させる油圧モーター軸と;を含むことを特徴とする請求項15に記載のエレベーター。
【請求項25】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動して釣り合いを提供する釣り合いおもりと;
前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;
前記電動機によって駆動されて前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;
前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;
前記釣り合いプーリーの軸と、前記釣り合いプーリーの軸から動力を選択的に伝達されて駆動される従動軸の間に設けられる電子制御変速機と;
前記電子制御変速機を制御する制御ユニットと;
前記従動軸によって駆動され、前記駆動軸に負荷を提供し、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段と;を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項26】
前記バランス維持手段は、
密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;
密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;
前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および
前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させる油圧モーターと;を含み、
前記従動軸は、前記油圧モーターの軸であることを特徴とする請求項25に記載のエレベーター。
【請求項27】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記電動機によって回転駆動され、前記ケージに連結されたワイヤーロープを巻回し、解放するケージ巻上機と;
前記ケージとそのケージによって運搬される乗客および荷物の所定重量に対して釣り合いを提供するように所定負荷を提供するバランス維持手段と;
前記ケージ巻上機と前記バランス維持手段の間に設けられて動力を選択的に遮断するブレーキ;および
前記ケージの重量と、前記乗客と荷物の重量と、前記バランス維持手段による負荷と、前記ケージの位置を考慮し、前記ケージの方の重量と前記バランス維持手段の負荷が平衡するように前記ブレーキと前記バランス維持手段の駆動を制御する制御ユニット ;を含み、
前記バランス維持手段は、
液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;
前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;
前記パイプに設けられ、前記制御ユニットによって制御され、前記ブレーキの軸に連結される出力軸の1回転当たりの排除容積を調整して、出力トルクと回転速度が制御可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項28】
前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と前記ブレーキの軸は、傘歯車によって連結されることを特徴とする請求項27に記載のエレベーター。
【請求項29】
前記ケージの下部には、前記建物の底に接触するように、ワイヤーロープが連結されたことを特徴とする請求項26に記載のエレベーター。
【請求項30】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動し、釣り合いを提供する釣り合いおもりと;
前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;
前記電動機によって駆動されて前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;
前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;
前記釣り合いプーリーの軸から動力を選択的に伝達されて駆動されるブレーキ軸の間に設けられる電子制御ブレーキと;
前記ブレーキ軸によって駆動され、前記釣り合いプーリーの軸に負荷を提供し、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段;および
前記バランス維持手段と前記電子制御ブレーキの動作を制御する制御ユニットと;
を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項31】
前記バランス維持手段は、
密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;
密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;
前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク;および
前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、前記制御ユニットによって制御され、その出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度の調整が可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含み、前記ブレーキの軸は、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と連結されることを特徴とする請求項30に記載のエレベーター。
【請求項32】
前記ブレーキ軸と前記出力軸は、一体に設けられたことを特徴とする請求項31に記載のエレベーター。
【請求項33】
建物の最下階から最上階まで運転し、乗客と荷物を運搬するためのエレベーターにおいて、
電動機と;
乗客と荷物を運搬するように前記建物に昇降可能に設けられるケージと;
前記ケージに対応する所定重量を有し、前記ケージの反対方向に移動し、釣り合いを提供する釣り合いおもりと;
前記ケージと前記釣り合いおもりを連結する閉ループ形のワイヤーロープと;
前記電動機によって駆動されて前記ワイヤーロープを循環させるケージ巻上機と;
前記ワイヤーロープの移動を支持するように、前記ケージ巻上機に対応する位置に設けられる釣り合いプーリーと;
前記ケージ巻上機の軸から動力を選択的に伝達されて駆動されるブレーキ軸の間に設けられる電子制御ブレーキと;
前記ブレーキ軸によって駆動され、前記ケージ巻上機の軸に負荷を提供し、前記ケージによって運搬される乗客と荷物の重量を相殺させるバランス維持手段;および
前記バランス維持手段と前記電子制御ブレーキの動作を制御する制御ユニット;を含むことを特徴とするエレベーター。
【請求項34】
前記バランス維持手段は、
密閉されて所定の液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクと;
密閉されて前記液化ガスタンクと連結され、内部に前記液化ガスタンクに移動可能な液化ガスおよび液体が収容される高圧液体タンクと;
前記高圧液体タンクとパイプによって連結され、常圧の液体が貯蔵される常圧液体タンク ; および
前記パイプに設けられ、駆動方向に沿って前記常圧液体タンクと高圧液体タンクの液体をいずれかの一方に移動させ、前記制御ユニットによって制御され、その出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度の調整が可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含み、
前記ブレーキの軸は、前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と連結されることを特徴とする請求項33に記載のエレベーター。
【請求項35】
前記ブレーキ軸と前記出力軸は、傘歯車によって連結されることを特徴とする請求項34に記載のエレベーター。
【請求項36】
前記バランス維持手段は、
液体がそれぞれ収容される上部および下部液体タンクと;
前記上部および下部液体タンクを連結するパイプと;
前記パイプに設けられ、前記制御ユニットによって制御され、前記電子制御ブレーキの軸に連結される出力軸の1回転当たり排除容積を調整し、出力トルクと回転速度が制御可能な電子制御可変容量型油圧モーターと;を含むことを特徴とする請求項33に記載のエレベーター。
【請求項37】
前記電子制御可変容量型油圧モーターの出力軸と前記ブレーキの軸は、傘歯車によって連結されることを特徴とする請求項36に記載のエレベーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−521726(P2008−521726A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542910(P2007−542910)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003958
【国際公開番号】WO2006/057510
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(507117832)
【Fターム(参考)】