説明

エレベータ監視装置

【課題】監視者が回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を容易に確認することができるエレベータ監視装置を得る。
【解決手段】状態が力行状態と回生状態とに切り替わるモータを有した巻胴式巻上機と、モータの状態が力行状態である場合にモータに電力を送り、モータの状態が回生状態である場合にモータに発生する電力が送られる蓄電装置と、モータの駆動に連動して昇降するかごとを備えたエレベータ装置を監視するエレベータ監視装置であって、蓄電装置からモータに送られる電力を検出する電力検出装置と、電力検出装置の検出結果に基づいて、蓄電装置からモータに送られる電力量を表示する電力量表示装置とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータ装置を監視するエレベータ監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータ装置からかごの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、かごの位置を表示するエレベータ監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−231068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エレベータ監視装置は、エレベータ装置が巻上機のモータに発生する回生電力を利用してかごを移動させる場合に、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を表示することができない。したがって、エレベータ監視装置を利用してエレベータ装置を監視する監視者は、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を確認することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、監視者が回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を容易に確認することができるエレベータ監視装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ監視装置は、状態が力行状態と回生状態とに切り替わるモータを有した巻胴式巻上機と、前記モータの状態が前記力行状態である場合に前記モータに電力を送り、前記モータの状態が前記回生状態である場合に前記モータに発生する電力が送られる蓄電装置と、前記モータの駆動に連動して昇降するかごとを備えたエレベータ装置を監視するエレベータ監視装置であって、前記蓄電装置から前記モータに送られる電力を検出する電力検出装置と、前記電力検出装置の検出結果に基づいて、前記蓄電装置から前記モータに送られる電力量を表示する電力量表示装置とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータ監視装置によれば、状態が力行状態と回生状態とに切り替わるモータを有した巻胴式巻上機と、モータの状態が力行状態である場合にモータに電力を送り、モータの状態が回生状態である場合にモータに発生する電力が送られる蓄電装置と、モータの駆動に連動して昇降するかごとを備えたエレベータ装置を監視するエレベータ監視装置であって、蓄電装置からモータに送られる電力を検出する電力検出装置と、電力検出装置の検出結果に基づいて、蓄電装置からモータに送られる電力量を表示する電力量表示装置とを備えているので、電力量表示装置は、モータに発生した電力を蓄えた蓄電装置からモータに送られる電力量を表示する。これにより、電力量表示装置には、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量が表示される。その結果、監視者は、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムを示す構成図である。
【図2】図1の表示装置を示す構成図である。
【図3】図1のエレベータ監視装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2の省電力量表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータシステムを示す構成図である。図において、昇降路(図示せず)には、乗客が乗り降りするかご1が昇降可能に設けられている。かご1の上部には、かご1の上部から上方に延びたロープ2が設けられている。ロープ2の上部は、モータ31を有した巻胴式巻上機3に巻き掛けられている。モータ31は、状態が力行状態と回生状態とに切り替わるようになっている。力行状態とは、モータ31に電力が供給されることによりかご1を上昇させる状態である。回生状態とは、かご1が下降する際にモータ31に発生する起電力を用いて電力を発生する状態である。かご1は、モータ31の駆動に連動して昇降する。
【0010】
モータ31には、モータ31の回転位置ωを検出するエンコーダ装置4が設けられている。エンコーダ装置4が検出するモータ31の回転位置ωの情報は、制御装置5に送られる。制御装置5は、エンコーダ装置4から送られる回転位置ωの情報に基づいて、かご1の位置を検出する。また、制御装置5は、エンコーダ装置4から送られる回転位置ωの情報に基づいて、かご1が上昇しているのか、または、かご1が下降しているのかを判定する。また、制御装置5は、モータ31の駆動を制御するようになっている。
【0011】
巻胴式巻上機3には、送電装置6が電気的に接続されている。送電装置6には、蓄電装置7および太陽電池8が電気的に接続されている。モータ31の状態が力行状態である場合には、蓄電装置7の電力および太陽電池8の電力が送電装置6を介してモータ31に送られる。モータ31の状態が回生状態である場合には、モータ31に発生する電力が送電装置6を介して蓄電装置7に送られる。送電装置6は、電力が蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる場合には、電力を直流から交流に変換する。また、送電装置6は、電力がモータ31から蓄電装置7に送られる場合には、電力を交流から直流に変換する。
【0012】
蓄電装置7には、充電状態検出装置9が電気的に接続されている。充電状態検出装置9は、蓄電装置7の充電状態を検出する。充電状態検出装置9が検出する蓄電装置7の充電状態としては、正常状態、充電不足状態、満充電状態および過充電状態が挙げられる。正常状態とは、蓄電装置7に蓄えられている電力量が、かご1を昇降させることができる最低限の電力量よりも多く、かつ、満充電状態における蓄電装置7に蓄えられている電力量よりも少ない状態である。充電不足状態とは、蓄電装置7に蓄えられている電力量が、かご1を昇降させることができる最低限の電力量に満たない状態である。充電状態検出装置9が検出する蓄電装置7の充電状態の情報は、制御装置5に送られる。
【0013】
また、蓄電装置7には、充電装置10が電気的に接続されている。充電装置10には、交流電源装置(外部電源装置)11が電気的に接続されている。交流電源装置11の電力が充電装置10を介して蓄電装置7に送られるようになっている。充電装置10は、交流電源装置11から蓄電装置7への電力の回路を開閉する開閉スイッチ101と、交流電源装置11から蓄電装置7へ送られる電力を交流から直流に変換するコンバータ102とを有している。開閉スイッチ101は、交流電源装置11の電力が蓄電装置7に送られるON位置と、交流電源装置11から蓄電装置7への送電が遮断されるOFF位置との間で変位する。図1には、接続線を示していないが、開閉スイッチ101の開閉動作は、制御装置5により制御される。
【0014】
制御装置5は、蓄電装置7の充電状態が充電不足状態であり、モータ31に発生する電力および太陽電池8の電力が蓄電装置7に送られていない場合には、開閉スイッチ101の位置をON位置にして、交流電源装置11の電力により蓄電装置7を充電する。また、制御装置5は、開閉スイッチ101の位置をON位置にした後、モータ31に発生する電力または太陽電池8の電力が蓄電装置7に送られると、開閉スイッチ101の位置をOFF位置にする。
【0015】
送電装置6および蓄電装置7と太陽電池8との間には、太陽電池電力切替スイッチ12が設けられている。太陽電池電力切替スイッチ12は、パワーコンディショナ装置13を介して、交流電源装置11に電気的に接続されている。太陽電池電力切替スイッチ12は、太陽電池8側の接点121と、送電装置6および蓄電装置7側の接点122と、パワーコンディショナ装置13側の接点123とを有している。太陽電池電力切替スイッチ12は、接点121と接点122とを導通させる通常位置と、接点121と接点123とを導通させる放電位置との間で変位するようになっている。接点121と接点122とが導通する場合には、接点121と接点123とは導通しない。接点121と接点123とが導通する場合には、接点121と接点122とは導通しない。太陽電池電力切替スイッチ12の位置が通常位置である場合には、太陽電池8の電力が蓄電装置7に送られ、また、送電装置6を介してモータ31に送られる。太陽電池電力切替スイッチ12の位置が放電位置である場合には、太陽電池8の電力がパワーコンディショナ装置13を介して交流電源装置11に送られる。図1には、接続線を示していないが、太陽電池電力切替スイッチ12の切替動作は、制御装置5により制御される。
【0016】
送電装置6と蓄電装置7との間には、モータ電力切替スイッチ14が設けられている。モータ電力切替スイッチ14は、太陽電池電力切替スイッチ12を介して、パワーコンディショナ装置13に電気的に接続されている。モータ電力切替スイッチ14は、蓄電装置7側の接点141と、送電装置6側の接点142と、パワーコンディショナ装置13側の接点143とを有している。モータ電力切替スイッチ14は、接点141と接点142とを導通させる通常位置と、接点142と接点143とを導通させる放電位置との間で変位するようになっている。接点141と接点142とが導通する場合には、接点142と接点143とは導通しない。接点142と接点143とが導通する場合には、接点141と接点142とは導通しない。モータ電力切替スイッチ14の位置が通常位置である場合には、送電装置6と蓄電装置7との間で電力が送受される。モータ電力切替スイッチ14の位置が放電位置である場合には、モータ31に発生する電力がパワーコンディショナ装置13を介して交流電源装置11に送られる。図1には、接続線を示していないが、モータ電力切替スイッチ14の切替動作は、制御装置5により制御される。
【0017】
制御装置5は、蓄電装置7の充電状態が満充電状態である場合には、太陽電池電力切替スイッチ12を放電位置に変位させ、さらに、モータ電力切替スイッチ14を放電位置に変位させる。また、制御装置5は、蓄電装置7の充電状態が正常状態または充電不足状態である場合には、太陽電池電力切替スイッチ12を通常位置に変位させ、さらに、モータ電力切替スイッチ14を通常位置に変位させる。
【0018】
太陽電池8と接点121との間には、接点121から太陽電池8に向かって電流が流れることを防止するダイオード15が設けられている。ダイオード15により、モータ31に発生する電力が太陽電池8に流れることが防止される。
【0019】
接点123と接点143との間には、接点123から接点143に向かって電流が流れることを防止するダイオード16が設けられている。ダイオード16により、交流電源装置11の電力が、パワーコンディショナ装置13を介して送電装置6に流れることが防止される。
【0020】
太陽電池8に発生した電力は、かご操作盤および乗場操作盤を含んだ操作機器17に送られるようになっている。太陽電池8と操作機器17との間には、操作機器17から太陽電池8に向かって電流が流れることを防止するダイオード18が設けられている。
【0021】
太陽電池8は、太陽電池8が発生する電力の電圧を検出する電圧検出装置81を有している。太陽電池8は、太陽電池8に発生する電力の電圧値が所定の電圧値を超えた場合に、電力を供給する。図1には、接続線を示していないが、電圧検出装置81が検出する太陽電池8の電圧値の情報は、制御装置5に送られる。
【0022】
エレベータ装置は、かご1、ロープ2、巻胴式巻上機3、エンコーダ装置4、制御装置5、送電装置6、蓄電装置7、太陽電池8、充電状態検出装置9、充電装置10、交流電源装置11、太陽電池電力切替スイッチ12、パワーコンディショナ装置13、モータ電力切替スイッチ14、ダイオード15、ダイオード16、操作機器17およびダイオード18から構成されている。
【0023】
エレベータ装置を監視するエレベータ監視装置は、蓄電装置7からモータ31に送られる電力および太陽電池8からモータ31に送られる電力を検出する電力検出装置19と、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量を算出する電力量算出装置20と、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量が目標電力量に達したか否かを判定する判定装置21と、エレベータ装置の状態を表示する表示装置22とを備えている。
【0024】
電力量算出装置20には、電力検出装置19の検出結果が送られるようになっている。電力量算出装置20は、電力検出装置19の検出結果を積算して、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量を算出する。
【0025】
電力量算出装置20の算出結果は、判定装置21および表示装置22に送られるようになっている。判定装置21は、電力量算出装置20の算出結果と予め設定された目標電力量とを比較する。判定装置21は、電力量算出装置20が算出する電力量が目標電力量よりも大きい場合には、目標が達成されたことを示す達成信号を表示装置22に送る。また、判定装置21は、電力量算出装置20が算出する電力量が目標電力量に達していない場合には、目標が達成されていないことを示す未達成信号を表示装置22に送る。
【0026】
表示装置22は、制御装置5に電気的に接続されている。図2は図1の表示装置22を示す構成図である。表示装置22は、かご1の位置を表示する運転表示装置221と、送電装置6、蓄電装置7、太陽電池8および交流電源装置11の間の電力の流れを示すエネルギーフロー表示装置222と、エレベータ装置の省電力量を表示する省電力量表示装置(電力量表示装置)223とを有している。
【0027】
制御装置5は、運転表示装置221に、かご1の位置の情報を送る。運転表示装置221は、制御装置5から送られるかご1の位置の情報に基づいて、かご1の位置を表示する。
【0028】
制御装置5は、モータ31の状態を示す情報、太陽電池電力切替スイッチ12の位置を示す情報、モータ電力切替スイッチ14の位置を示す情報および太陽電池8に発生する電力の電圧値が所定の電圧値を超えたか否かを示す情報をエネルギーフロー表示装置222に送るようになっている。エネルギーフロー表示装置222は、モータ31の状態を示す情報、太陽電池電力切替スイッチ12の位置を示す情報、モータ電力切替スイッチ14の位置を示す情報および太陽電池8に発生する電力の電圧値が所定の電圧値を超えたか否かを示す情報に基づいて、モータ31と、蓄電装置7と、太陽電池8と、交流電源装置11との間の電力の流れを表示する。
【0029】
具体的には、エネルギーフロー表示装置222は、モータ31の状態が力行状態である場合に、蓄電装置7からモータ31に電力が送られることを表示し、モータ31の状態が回生状態である場合に、モータ31から蓄電装置7に電力が送られることを表示する。また、エネルギーフロー表示装置222は、太陽電池8の電圧値が所定の電圧値を超えた場合に、太陽電池8の電力が蓄電装置7およびモータ31に送られることを表示する。また、エネルギーフロー表示装置222は、蓄電装置7の充電状態が満充電状態である場合に、モータ31に発生する電力が蓄電装置7から交流電源装置11に切り替えて送られることを表示する。また、エネルギーフロー表示装置222は、蓄電装置7の充電状態が満充電状態である場合に、太陽電池8の電力が蓄電装置7から交流電源装置11に切り替えて送られることを表示する。
【0030】
省電力量表示装置223は、電力量算出装置20の算出結果に基づいて、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量を棒グラフにして表示する。蓄電装置7からモータ31に送られる電力は、モータ31の回生電力が蓄電装置7に蓄電された電力であるので、蓄電装置7からモータ31に送られる電力量は、エレベータ装置の省電力量となる。また、太陽電池8からモータ31に送られる電力は、交流電源装置11などの外部の電源装置から入力された電力とは異なるので、太陽電池8からモータ31に送られる電力量は、エレベータ装置の省電力量となる。つまり、省電力量表示装置223は、電力量算出装置20の算出結果に基づいて、エレベータ装置の省電力量を表示する。
【0031】
また、省電力量表示装置223は、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量からCO削減量を算出し、算出したCO削減量を棒グラフにして表示する。また、省電力量表示装置223は、判定装置21から送られる信号に基づいて、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量が目標電力量に達しているか否かを表示する。具体的には、省電力量表示装置223は、判定装置21から達成信号が送られる場合には青色に点灯し、判定装置21から未達成信号が送られる場合には赤色に点灯する。
【0032】
エレベータシステムは、エレベータ装置およびエレベータ監視装置から構成されている。
【0033】
次に、エレベータ監視装置の動作について説明する。図3は図1のエレベータ監視装置の動作を示すフローチャートである。図において、まず、運転表示装置221、エネルギーフロー表示装置222および省電力量表示装置223のそれぞれは、初期画面を表示する(ステップS101)。
【0034】
その後、制御装置5は、電圧検出装置81の検出結果に基づいて、太陽電池8の電力値が所定の電圧値を超えたか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102で、太陽電池8の電力値が所定の電圧値を超えていないと制御装置5が判定すると、ステップS102が繰り返される。一方、ステップS102で、太陽電池8の電力値が所定の電圧値を超えたと制御装置5が判定すると、エネルギーフロー表示装置222は、太陽電池8の電力が蓄電装置7およびモータ31に送られることを表示する(ステップS103)。
【0035】
その後、制御装置5は、エンコーダ装置4の検出結果に基づいて、かご1が移動したか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104で、かご1が移動していないと制御装置5が判定すると、ステップS104が繰り返される。一方、ステップS104で、かご1が移動したと制御装置5が判定すると、運転表示装置221は、かご1の位置を表示する(ステップS105)。
【0036】
その後、制御装置5は、エンコーダ装置4の検出結果に基づいて、かご1が上昇したか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106で、かご1が上昇したと制御装置5が判定すると、エネルギーフロー表示装置222は、モータ31の状態が力行状態であることを表示し(ステップS107)、さらに、蓄電装置7および太陽電池8のそれぞれの電力がモータ31に送られることを表示する。一方、ステップS106で、かご1が上昇していないと制御装置5が判定すると、エネルギーフロー表示装置222は、モータ31の状態が回生状態であることを表示し(ステップS108)、さらに、モータ31に発生する電力が蓄電装置7に送られることを表示する。
【0037】
その後、制御装置5は、充電状態検出装置9の検出結果に基づいて、蓄電装置7の状態が満充電状態であるか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109で、蓄電装置7の状態が満充電状態ではないと制御装置5が判定すると、ステップS109が繰り返される。一方、ステップS109で、蓄電装置7の状態が満充電状態であると制御装置5が判定すると、エネルギーフロー表示装置222は、モータ31から交流電源装置11への電力の帰還を表示する(ステップS110)。
【0038】
次に、省電力量表示装置223の動作について説明する。図4は図2の省電力量表示装置223の動作を示すフローチャートである。図において、まず、電力検出装置19は、蓄電装置7からモータ31に送られる電力および太陽電池8からモータ31に送られる電力を検出する(ステップS201)。その後、省電力量表示装置223は、エレベータ装置の省電力量およびCO削減量を表示する(ステップS202)。
【0039】
その後、省電力量表示装置223は、判定装置21の判定結果に基づいて、省電力量が目標値以上であるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203で、省電力量が目標値以上ではないと省電力量表示装置223が判定すると、ステップS201に戻る。一方、ステップS203で、省電力量が目標値以上であると省電力量表示装置223が判定すると、省電力量表示装置223は、省電力量が目標値に達成したことを表示する(ステップS204)。
【0040】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータ監視装置によれば、状態が力行状態と回生状態とに切り替わるモータ31を有した巻胴式巻上機3と、モータ31の状態が力行状態である場合にモータ31に電力を送り、モータ31の状態が回生状態である場合にモータ31に発生する電力が送られる蓄電装置7と、モータ31の駆動に連動して昇降するかご1とを備えたエレベータ装置を監視するエレベータ監視装置であって、蓄電装置7からモータ31に送られる電力を検出する電力検出装置19と、電力検出装置19の検出結果に基づいて、蓄電装置7からモータ31に送られる電力量を表示する省電力量表示装置223とを備えているので、省電力量表示装置223は、モータ31に発生した電力を蓄えた蓄電装置7からモータ31に送られる電力量を表示する。これにより、省電力量表示装置223には、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量が表示される。その結果、監視者は、回生電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を容易に確認することができる。
【0041】
また、電力検出装置19は、太陽電池8により発生する電力であって太陽電池8からモータ31に送られる電力をさらに検出し、省電力量表示装置223は、電力検出装置19の検出結果に基づいて、蓄電装置7および太陽電池8からモータ31に送られる電力量を表示するので、モータ31の回生電力に加えて、太陽電池8に発生する電力による電力量も、省電力量として表示される。その結果、監視者は、回生電力および太陽電池8の電力を利用することによるエレベータ装置の省電力量を容易に確認することができる。
【0042】
また、蓄電装置7とモータ31との間の送電の方向を表示するエネルギーフロー表示装置222をさらに備え、エネルギーフロー表示装置222は、モータ31の状態が力行状態である場合に、蓄電装置7からモータ31に電力が送られることを表示し、モータ31の状態が回生状態である場合に、モータ31から蓄電装置7に電力が送られることを表示するので、監視者は、蓄電装置7とモータ31との間の送電の方向を容易に確認することができる。
【0043】
また、エネルギーフロー表示装置222は、蓄電装置7またはモータ31に送る電力を発生する太陽電池8の電力値が所定の電圧値を超えた場合に、太陽電池8の電力が蓄電装置7またはモータ31に送られることをさらに表示するので、監視者は、蓄電装置7と、モータ31と、太陽電池8との間の送電の方向を容易に確認することができる。
【0044】
また、エネルギーフロー表示装置222は、蓄電装置7の充電状態が満充電状態である場合に、モータ31に発生する電力が蓄電装置7から交流電源装置11に切り替えて送られることをさらに表示するので、監視者は、回生電流が交流電源装置11に放出されることを容易に確認することができる。
【0045】
また、エネルギーフロー表示装置222は、蓄電装置7の充電状態が満充電状態である場合に、蓄電装置7に送る電力を発生する太陽電池8の電力が蓄電装置7から交流電源装置11に切り替えて送られることをさらに表示するので、監視者は、太陽電池8の電力が交流電源装置11に放出されることを容易に確認することができる。
【0046】
なお、上記実施の形態1では、充電装置10を備えたエレベータ装置について説明したが、充電装置10を備えないエレベータ装置であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 かご、2 ロープ、3 巻胴式巻上機、4 エンコーダ装置、5 制御装置、6 送電装置、7 蓄電装置、8 太陽電池、9 充電状態検出装置、10 充電装置、11 交流電源装置(外部電源装置)、12 太陽電池電力切替スイッチ、13 パワーコンディショナ装置、14 モータ電力切替スイッチ、15 ダイオード、16 ダイオード、17 操作機器、18 ダイオード、19 電力検出装置、20 電力量算出装置、21 判定装置、22 表示装置、31 モータ、81 電圧検出装置、101 開閉スイッチ、102 コンバータ、121 接点、122 接点、123 接点、141 接点、142 接点、143 接点、221 運転表示装置、222 エネルギーフロー表示装置、223 省電力量表示装置(電力量表示装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態が力行状態と回生状態とに切り替わるモータを有した巻胴式巻上機と、前記モータの状態が前記力行状態である場合に前記モータに電力を送り、前記モータの状態が前記回生状態である場合に前記モータに発生する電力が送られる蓄電装置と、前記モータの駆動に連動して昇降するかごとを備えたエレベータ装置を監視するエレベータ監視装置であって、
前記蓄電装置から前記モータに送られる電力を検出する電力検出装置と、
前記電力検出装置の検出結果に基づいて、前記蓄電装置から前記モータに送られる電力量を表示する電力量表示装置と
を備えたことを特徴とするエレベータ監視装置。
【請求項2】
前記電力検出装置は、太陽電池により発生する電力であって前記太陽電池から前記モータに送られる電力をさらに検出し、
前記電力量表示装置は、前記電力検出装置の検出結果に基づいて、前記蓄電装置および前記太陽電池から前記モータに送られる電力量を表示することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ監視装置。
【請求項3】
前記蓄電装置と前記モータとの間の送電の方向を表示するエネルギーフロー表示装置をさらに備え、
前記エネルギーフロー表示装置は、前記モータの状態が前記力行状態である場合に、前記蓄電装置から前記モータに電力が送られることを表示し、前記モータの状態が前記回生状態である場合に、前記モータから前記蓄電装置に電力が送られることを表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ監視装置。
【請求項4】
前記エネルギーフロー表示装置は、前記蓄電装置または前記モータに送る電力を発生する太陽電池の電力値が所定の電圧値を超えた場合に、前記太陽電池の電力が前記蓄電装置または前記モータに送られることをさらに表示することを特徴とする請求項3に記載のエレベータ監視装置。
【請求項5】
前記エネルギーフロー表示装置は、前記蓄電装置の充電状態が満充電状態である場合に、前記モータに発生する電力が前記蓄電装置から外部電源装置に切り替えて送られることをさらに表示することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエレベータ監視装置。
【請求項6】
前記エネルギーフロー表示装置は、前記蓄電装置の充電状態が満充電状態である場合に、前記蓄電装置に送る電力を発生する太陽電池の電力が前記蓄電装置から外部電源装置に切り替えて送られることをさらに表示することを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れか1項に記載のエレベータ監視装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate