エレベータ
【課題】車椅子の乗客をより多く乗せ、災害発生時の車椅子利用者の輸送効率を向上させることが可能なエレベータを提供する。
【解決手段】かご3と、折り畳み位置及び展開位置をとる一対の仕切り部材10a、10bと、展開時に分割される上下2つのかご室空間の上かごドア21及び下かごドア22と、これらのかごドアからのドア開閉力で戸開閉する乗場ドア19と、乗場ドア19に設けられた係止部26、27と、係止部26、27に係合する係合装置23と、係合装置23が上側の係止部26と係合し乗降口及び下室が対面する上室位置、および係合装置23が下側の係止部27と係合し乗降口及び上室が対面する下室位置にかご3を昇降させる制御装置とを備え、上室位置では仕切り部材10a、10bの上面を乗場床面14と同じ高さにされ上かごドア21が戸開し、下室位置ではかご床面が乗場床面14と同じ高さにされ下かごドア22が戸開する。
【解決手段】かご3と、折り畳み位置及び展開位置をとる一対の仕切り部材10a、10bと、展開時に分割される上下2つのかご室空間の上かごドア21及び下かごドア22と、これらのかごドアからのドア開閉力で戸開閉する乗場ドア19と、乗場ドア19に設けられた係止部26、27と、係止部26、27に係合する係合装置23と、係合装置23が上側の係止部26と係合し乗降口及び下室が対面する上室位置、および係合装置23が下側の係止部27と係合し乗降口及び上室が対面する下室位置にかご3を昇降させる制御装置とを備え、上室位置では仕切り部材10a、10bの上面を乗場床面14と同じ高さにされ上かごドア21が戸開し、下室位置ではかご床面が乗場床面14と同じ高さにされ下かごドア22が戸開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
火災等の災害が発生した際に車椅子を必要とする住人がエレベータを使って避難する場合、エレベータは、車椅子の乗客を最優先にして避難階へと輸送する。複数台の車椅子がかごに乗込む場合、車椅子の配置スペースに余裕を持たせるため、かご重量が定員乗車時の積載重量にまで達しない状況でエレベータは戸閉する。積載重量をオーバしない範囲内の人数でエレベータは車椅子を運ぶ。
【0003】
従来、乗降口周りの間取りの自由度が高くかつ車椅子の利用者にとって利便性を上げるようにしたエレベータのカゴが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、避難運転時に、通常運転時の定員よりも多くの人員を輸送することを可能とした避難用エレベータ装置が提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−255258号公報
【特許文献2】特開2006−44889号公報
【特許文献3】特開2005−219876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来技術では、エレベータが車椅子の乗客を優先して避難運転する場合、空間的にはキャパシタンスを超過したとしても、積載重量としては満員に至らず、輸送効率が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、車椅子の乗客をより多く乗せ、災害発生時の車椅子利用者の輸送効率を向上させることが可能なエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、本発明の一態様によれば、かご床、このかご床に立設されかご室内壁を形成する側板を有するかごと、このかごに設けられ、前記かご室内壁面に沿って折り畳まれる位置および室内側へ展開した位置をとり、この展開したときの上面を車椅子の車輪が接地される面とする一対の仕切り部材と、これらの仕切り部材が展開したときに分割される上室および下室の出入口にそれぞれ設けられた左右一対の上かごドアおよび左右一対の下かごドアと、これらの上かごドアおよび下かごドアから伝達されるドア開閉力によって各乗場の乗降口を開閉する各階床の乗場ドアと、各乗場ドアに互いに上下平行に左右一対設けられた複数の係止部と、上側の一対の係止部および下側の一対の係止部のうちの一方又は両方に係合する係合装置と、この係合装置が前記上側の一対の係止部と係合し前記乗降口及び前記下室が対面する上室位置、および前記係合装置が前記下側の一対の係止部と係合しこの乗降口及び前記上室が対面する下室位置に前記かごを昇降制御し、戸開閉制御を行う制御装置と、を備え、この制御装置は、前記上室位置では前記一対の仕切り部材の前記上面を乗場床面と同じ高さにして前記一対の上かごドアを戸開し、前記下室位置では前記かご床面を前記乗場床面と同じ高さにして前記一対の下かごドアを戸開することを特徴とするエレベータが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、かご室空間が上下に分割されるため、車椅子の乗車スペースを確保することができ、車椅子の乗客をより多く乗車させることが可能になる。災害発生時、車椅子利用者の輸送効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成図である。
【図2】乗りかごの正面図である。
【図3】乗場において戸開途中のかごの斜視図である。
【図4】通常停止用着床検出スイッチの拡大図である。
【図5】避難運転時のエレベータの運行制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】居住階への配車から下降開始までの動きを説明するための図である。
【図7】車椅子避難時の乗車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】避難階への着床から降車後までの動きを説明するための図である。
【図9】(a)は下側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図であり、(b)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るエレベータが行う降車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートの処理に続く処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】最下階から車椅子を非難させる場合の動きを説明するための図である。
【図13】(a)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図であり、(b)は通常の状態にされたかご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るエレベータについて、図1乃至図13を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成図である。図2は乗りかごの正面図である。エレベータ1は、昇降路2内に設置されたかご3と、メインロープ4が巻掛けられた巻上機5と、昇降路2内に設けられたカウンタウェイト6と、エレベータ運転の全体制御を行う制御盤7と、戸開閉を行うドア装置8とを備える。
【0012】
かご3は、かご室の向かい合う側壁9に、これらの側壁面に沿って折り畳まれる位置と、室内側へ突出した位置をとる一対の仕切り床10a、10b(仕切り部材)を設けている。かご3は、これらの仕切り床10a、10bを展開させた状態でかご室空間を、上室11、下室12の上下2つの空間に分割可能な構造を有する。仕切り床10a、10bは例えばそれぞれ板厚を有する2枚の縦長の床板、枠体又は長台である。これらの仕切り床10a、10bの長手方向の各端部が互いに向かい合う側壁9の面上に、ヒンジ機構40を介して水平かつ平行に取付けられている。一対の仕切り床10a、10bの板面はともに天井を向く位置と、これらの板面がともに側壁面を向く位置とをとる。人が折り畳むこと及び拡げることにより、各位置でこれらの仕切り床10a、10bは固定されるようになっている。
【0013】
本実施形態に係るエレベータ1は、仕切り床10a、10bを人が展開させて固定した状態で、各階の乗場13にてかご着床位置を高さ方向2箇所の位置に移動し停止可能としている。各階で上室位置、下室位置の2箇所のかご高さ位置において車椅子が乗降可能にされている。2箇所とは、仕切り床10a、10bの上面17(車椅子の車輪が接地される面)が乗場13の乗場床面14と同一面になるように上室11が乗降口15の下半分に対面するかご高さと、かご3の床板面16が乗場床面14と同一面になるように下室12が乗降口15の下半分と対面するかご高さとを指す。上室11が乗降口15の下半分に対面するかご高さにおいて、仕切り床10a、10bの上面17を車輪接地面として車椅子が乗降し、下室12が乗降口15の下半分に対面するかご高さにおいてはかご床面16を車輪接地面として車椅子が乗降するようにかご位置が設定されている。
【0014】
つまり、かご室内壁に折り畳み式の仕切り床10a、10bを設け、避難運転を行う際に仕切り床10a、10bをセットすることで、かご3内に上下2つの空間を作ることができるようになっている。かご3が通常停止時は下の空間に車椅子乗客が乗込み、一旦ドアを閉じてかご3を下げてドアを開けることで、上の空間に車椅子乗客が乗込むことができるようになっている。
【0015】
また、仕切り床10aの端部付近と、かご室の側壁9との間には、マイクロスイッチなどの仕切り床スイッチ41(仕切り検出スイッチ)が取付けられている。他方の仕切り床10bの端部付近と他の側壁9との間にも仕切り床スイッチ41が取付けられている。この仕切り床スイッチ41は2つの接点が接離する機構を有し、仕切り床10aが側壁9から離れた状態と、仕切り床10aが側壁9に折り畳まれた状態とを検出し、検出した信号を、かご3の操作盤を介して制御盤7へ通知可能になっている。この仕切り床スイッチ41は、仕切り床10aの位置が水平に展開した展開位置であることを検出した場合、制御盤7は、各階でかご3を上下2箇所で停止させる運転を行えるようになっている。
【0016】
ドア装置18はかご着床時に乗場13に対向して戸開閉動作し、それ以外の時は戸閉する。このドア装置18は、乗場13の乗降口15に設けられた一対2枚の乗場ドア19と、かご3のかご出入口20の上方に設けられた一対2枚の上かごドア21と、かご出入口20の下方に設けられた一対2枚の下かごドア22と、上かごドア21を乗場ドア19に係合させる係合装置23と、下かごドア22を乗場ドア19に係合させる係合装置24とを有する。
【0017】
乗場ドア19には、2枚のドアパネル25と、いずれか一方のドアパネル25のパネル面のうち、かご3に臨むパネル面の上方に設けられたインターロック26(係止部)と、同じパネル面の下方に設けられたインターロック27(係止部)とが設けられている。インターロック26、27はともに係合装置23に係合可能である。
【0018】
一方、かご3側では、上かごドア21と、下かごドア22とにそれぞれ左右一対上下二組の計4枚のドアパネルが設けられている。かご3側には、4枚のドアパネルの各上端を懸垂した状態でこれらのドアパネルへ開閉力を与える図示しないロープ式連動機構が設けられている。この連動機構は、上かごドア21の2枚のドアパネルの懸垂位置よりも下方に位置する懸垂位置で下かごドア22の2枚のドアパネルを懸垂する。上かごドア21の2枚のドアパネルと、下かごドア22の2枚のドアパネルとは前後に位置をずらして配置される。
【0019】
上かごドア21の係合装置23がインターロック26の突起部材を挟み込んだ状態でドア開閉力がかご3から乗場ドア19へ伝達される。係合装置23がインターロック27の突起部材を挟み込込んだ状態でドア開閉力がかご3から乗場ドア19へ伝達される。
【0020】
本実施形態では、係合装置23と、係合装置24とは独立に動作するように制御される。これらの係合装置23、24への動作指令は、かご3内のかご操作盤を介して制御盤7より行われる。
【0021】
また、図1の昇降路2の乗場ドア敷居の下方には、着床検出板28が設けられている。かご3にはそれぞれこの着床検出板28を検出するための2つの着床検出スイッチが設けられている。2つの着床検出スイッチのうちの一方は通常停止用着床検出スイッチ29である。他方の着床検出スイッチは車椅子避難運転用着床検出スイッチ30である(同図では図示されていない)。2つの着床検出スイッチを図3、図4に示す。
【0022】
図3は乗場13にて戸開途中のかご3の斜視図である。図4は通常停止用着床検出スイッチ29の拡大図である。これらの図中、既出の符号はそれぞれ上述したものと同じ要素を表す。通常停止用着床検出スイッチ29は通常停止時の着床検出に使用されるスイッチである。通常停止用着床検出スイッチ29は、例えばかごドア敷居の一端側に取付けられた光電式の着床検出器である。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30は車椅子避難用運転の上室11に乗降する時の着床検出に使用されるスイッチであり、かご3の側壁外側の高さ方向中央部に設けられる。
【0023】
更に詳述すると、かご室が昇降する際、通常停止用着床検出スイッチ29は光を射出し、着床検出板28はこの光を通常停止用着床検出スイッチ29に向けて反射し、着床しようとする階床の所定位置に到達したか否かが検出される。通常停止用着床検出スイッチ29、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30からの着床検出信号は制御盤7へ送られる。
【0024】
図4に示すように、通常停止用着床検出スイッチ29は3つの着床スイッチ29a、29b、29cを有する。着床スイッチ29aは、下降側着床ゾーンを検出する。着床スイッチ29bは目的階レベルを検出する。着床スイッチ29cは上昇側着床ゾーンを検出する。かご3が上昇して目的階に着床する際、目的階付近の着床検出板28からの着床検出信号によって、下降側着床ゾーン用の着床スイッチ29a、目的階レベル用の着床スイッチ29bの順にオンされ、その後、上昇側着床ゾーン用の着床スイッチ29cがオンされることによって上昇時のかご3の着床ゾーンへの到達が検出されるようになっている。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30も、それぞれこれらの着床スイッチ29a、29b、29cと同等の機能を有する3つの着床スイッチを有し、通常停止用着床検出スイッチ29の検出方法と同様の検出方法でゾーン検出を行う。
【0025】
本実施形態に係るエレベータ1では、かご室内壁の仕切り床10a、10bを下ろすと、仕切り床スイッチ41が動作する。かご3を半分下にずらしても、戸開できる構成となっている。通常停止用着床検出スイッチ29以外に、上空間用の車椅子避難運転用着床検出スイッチ30も設置されていることになる。
【0026】
このような構成の本実施形態に係るエレベータ1が平常運転を行う場合、一対の仕切り床10a、10bの位置がいずれも折り畳み位置であることを仕切り床スイッチ41から制御盤7は読込む。制御盤7はかご室が仕切られていないと判断する。この場合、制御盤7はエレベータ1の運行制御を平常モードで行う。平常運転モードでは、制御盤7は、かご3のかご位置、各階床の乗場13の乗場呼び登録、及びかご呼び登録に応じて目的階を決定し、走行方向指令、速度指令を巻上機5に対して出力する。巻上機5の駆動によりメインロープ6を介してかご3及びカウンタウェイト6が昇降路2内で互いに反対方向に向かって昇降動作する。
【0027】
次に、火災などの災害が発生した場合、火災発生信号を制御盤7は建物側から受信する。
【0028】
図5は避難運転時のエレベータ1の運行制御方法を説明するためのフローチャートである。制御盤7は常時建物に設置されている火災感知器が動作し、火災検出信号を受信したかどうかを判断している(ステップA1)。ステップA1において、火災感知器が作動していない場合、Noルートを通り、ステップA2において制御盤7は、エレベータ1の運転モードを平常運転モードにする。この場合、避難運転制御の処理は終了する。
【0029】
ステップA1において、火災検出信号を制御盤7が受信すると、制御盤7はエレベータ1の運転モードを管制運転モードに切替えし、かご内操作盤及び乗場操作盤に対して火災の発生の旨を報知させる。例えば制御盤7はかご3を最寄階まで移動させ、そこで戸開状態を一定時間保つ。制御盤7はかご内及び各階のスピーカに音声アナウンスを放送させ、表示機器に警報を表示させる。火災感知器が作動している場合、Yesルートを通り、ステップA3において、制御盤7は、かご室内の仕切り床スイッチ41の状態を読む。ステップA3において、仕切り床10a、10bの位置が折り畳み位置である場合、Noルートを通り、平常運転を行う(ステップA2)。
【0030】
この状況下で付き添い者等は仕切り床10a、10bを傾けて倒す。これらの仕切り床10a、10bは展開位置にされ、かご室空間は、上室11と、下室12との2つの空間に分割される。ステップA3において、仕切り床スイッチ41から、仕切り床10a、10bが展開位置であることを制御盤7が検出した場合、Yesルートを通り、ステップA4において、制御盤7は車椅子避難用の運行を実施する。
【0031】
以下、地下1階が存在する場合において、車椅子の利用者の居住階である上層階から、避難階である1階へ、複数の車椅子を輸送する避難運転を説明する。
【0032】
(1)乗車時の車椅子避難用運転
居住階での乗車時の運転を図6から図7を参照して述べる。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。これらの図の間で同じ符号を付された要素は互いに同じものである。
【0033】
図6は居住階への配車から下降開始までの動きを説明するための図である。図6(a)に示すように、制御盤7は空のかご3を居住階に配車する。付き添い者等が、折り畳み位置にある仕切り床10a、10bを下ろし、図6(b)に示すように、仕切り床10a、10は展開位置にセットされる。
【0034】
図7は車椅子避難時の乗車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図7のステップB1において、制御盤7は戸開を行う。図6(c)に示すように、乗場14から車椅子42が下室12へ乗車する。
【0036】
更にステップB2において、制御盤7はかご3内又は乗場13の操作盤の戸閉ボタンが押下されているかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間はNoルートを通り、戸開を続ける(ステップB1)。ステップB2において、戸閉ボタンが押下されたことを検知すると、Yesルートを通り、ステップB3において、制御盤7は戸閉を行う。引き続き、ステップB4において上かごドア21、下かごドア22が完全に閉じたかどうかを制御盤7は判定する。これらのドアが閉まり切っていない場合、Noルートを通り、制御盤7はステップB2の処理を行う。
【0037】
ステップB4において上かごドア21、下かごドア22が閉まり切っている場合、Yesルートを通り、制御盤7は、ステップB5において上室11へ乗降させるための車椅子避難運転用着床検出スイッチ30の監視をオンにする。これは、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30を有効にし、適切なかご位置を制御盤7が探すためである。
【0038】
引き続き、ステップB6において、制御盤7は、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30からのスイッチ出力の監視を有効にした状態でかご3を下方向に低速で運転させる。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30は着床検出板28からの反射光を光電出力し続ける。この低速運転の際、制御盤7はエレベータ1の運転モードを、上空間乗降モードにしかご位置が上室11用になったかどうかを着床検出信号により判断するモードにしている。
【0039】
ステップB7において、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しい着床ゾーンに入ったかどうかを制御盤7は判定する。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しく位置を表す信号が得られない場合、Noルートを通り、ステップB6の処理を制御盤7は続ける。ステップB7において車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しい位置を示す信号を受信すると、制御盤7は下室位置を検知したことを判定し、Yesルートを通り、ステップB8においてかご3の移動を止める。かご床面16が乗場床面14と一致したかご位置でかご3は停止する。制御盤7は戸開を行う。各乗場13に放送装置や警報装置を予め付けておき、この戸開時に、かご室のスピーカや乗場13のスピーカから上室11への乗車が可能である旨の音声アナウンスを鳴らしてもよい。上室11に車椅子42が乗車する状況を図6(d)に示す。
【0040】
次に、ステップB9において、制御盤7は戸閉ボタンが押下されているかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間、制御盤7は戸開を続ける(Noルート)。戸閉を検知すると、Yesルートを通り、ステップB10において、制御盤7は戸閉を行う。ステップB11において上かごドア21、下かごドア22が完全に閉じたかどうかを制御盤7は判定し、4枚全てのドアパネルが閉か否かを判定し(Noルート)、全閉である場合、Yesルートを通り、制御盤7は処理を終える。これにより、上室11への車椅子42の乗込みが完了する。制御盤7は、かご3を避難階である1階へ下降させる。車椅子42の乗込みが終わり、図6(e)に示すように、かご3が1階へ向かう。乗車時、車椅子42の向きは前向き、あるいは後向きのいずれでもよい。
【0041】
(2)降車時の車椅子避難用運転
避難階での降車時の運転を図8から図10を参照して述べる。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。これらの図の間で同じ符号を付された要素は互いに同じものである。
【0042】
図8は避難階への着床から降車後までの動きを説明するための図であり、同図の階床は1階を表す。かご3の最下降位置においてかご下最下端がピットと干渉しないように、避難階よりも下階の地下階が存在するものとする。図8(a)に示すように、制御盤7は上室11、下室12に車椅子42を乗せた状態のかご3を1階で着床させる。1階にて下室12が乗降口15に対面するときに制御盤7は戸開し、車椅子42を降ろす。
【0043】
図9(a)は下側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、下室12内の車椅子42は避難を完了する。降車時、状況に応じて車椅子42の向きは前向き、あるいは後向きのいずれでもよい。
【0044】
また、降車完了後、制御盤7は避難階で更に下方にかご位置を調整しながら移動させ、1階の上室位置で着床させる。図8(b)に示すように、上室11から車椅子42が降車する。図9(b)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、上室11内の車椅子42が避難を完了する。その後、図8(c)に示すように、仕切り床10a、10bを乗場14にいる人が折り畳み、元の位置に戻す。以後、制御盤7は通常運転モードを実行可能になる。
【0045】
このようにして、本実施形態に係るエレベータ1ではかご室を上下分割して車椅子42の乗客をより多く乗せることができるようになる。災害発生時の車椅子利用者の輸送効率を向上させることができるようになる。例えば5分当たりの輸送利用者数で表した輸送効率を向上させることができる。
【0046】
かご室内壁の仕切り床10a、10bを下ろすと、スイッチ動作し、車椅子避難用運転に切替わる。下空間に車椅子乗客が乗込んで戸を閉めた後は、かご3を半分ずらして再度戸開し、上空間に車椅子乗客が乗込むことが可能になる。避難階での降車時は、下空間の車椅子乗客が降りた後、戸閉してかご3を下に半分ずらし、再度戸開して上空間の車椅子乗客が降車する。
【0047】
従って、車椅子の重さが定格積載量以内であれば、従来例の2倍の車椅子乗客の乗込みが可能である。
【0048】
(変形例)
この変形例に係るエレベータは、下室12に乗車中の車椅子42の車輪の移動を阻止する図示しない車輪止めを設ける。一例として、床面16上に出没可能にされかご室内の間口方向に亘って延びる車輪止めをかご床下側に設置しておく。更に車輪止めにはこの車輪止めを床面16上に突出するように付勢する付勢部材と、床面16上で突出した状態に固定する固定部材と、この固定部材による車輪止めへの固定を解除する解除部材とが設けられるようにする。この車輪止めが、車椅子の安全バーとして機能するよう設置されている。
【0049】
車輪止めの出没は自動化されてもよい。車輪止めがかご床空間内に押し込まれた状態と、床面16から現れる状態とを切替える駆動機構を、かご床空間内に設けておく。更に、この駆動機構の動作をオン又はオフにするためのスイッチボタンを、かご室内あるいは乗場操作盤に設けておく。これにより、下室12内に車椅子が導かれた場合でも、人がボタンを押すだけで、床面16から車輪止めが上昇するようにできる。
【0050】
地下1階の一つ上の地上1階にて上室11の車椅子42が乗場13に降車中、乗場ドア19が戸開しているため、この車椅子42が昇降路2とかごドアパネル1枚を隔てて対面する場合が生じる場合があるが、この変形例に係るエレベータによれば、この車椅子42の乗車後、安全バーを作動させることにより安全性の向上および下室12内の人に対する安心を提供することができるようになる。
【0051】
あるいは、車椅子の移動を阻止するための車輪止めとしては、側壁9と床面16との間に設けられた巾木部付近などに室内方向へ出っ張らせた車輪止めでもよい。これにより、安全性の向上を図れる。
【0052】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態での説明は、上層階から1階に下降して着床する場合の例である。上室11の上面17が乗場13の乗場床面14と同一面であるとき、地下1階までの昇降路2のスペースが存在するため、下室12はこの乗場床面14よりも下方に位置することができた。しかし、建物に地下1階が設けられていない場合、上記実施形態の運転を実行することができない。あるいは、建物に地下階が設けられていた場合でも、上層階から最下階の地下階へ車椅子42を輸送する際、地下階ではかご室を2分割した状態で上記運転を実行することができない。
【0053】
本発明の第2の実施形態に係るエレベータは、地下階がない建物の地上1階を避難階とする避難運転を行うものである。本実施形態に係るエレベータによる運行は、上層階から最下階へかご3を下降運転する場合、最下階から1階床手前の階にて一旦、上室11の車椅子42を降ろし、この1階床手前の階にて車椅子42の利用者を待機させた後、かご3がこの階を離れ、避難階へ移動して下室12の車椅子42を降ろし、再度1階床手前の階へ戻ってきて待機中の車椅子42を連れて最下階から避難させるというものである。このエレベータの構成は第1の実施形態のエレベータ1の構成と同じである。
【0054】
このような構成の本実施形態に係るエレベータは通常時、仕切り床10a、10bが折り畳み位置である場合、平常運転を行う。一方、仕切り床10a、10bが展開位置にセットされたことを制御盤7が検出すると、車椅子避難用の運転制御を開始する。
【0055】
(1)乗車時の車椅子避難用運転
居住階である上層階での乗車からかご3の下降の開始までの動きは図6の例と同じである。乗車時の運転制御方法も図7の例と同じである。
【0056】
(2)降車時の車椅子避難用運転
図10は本発明の第2の実施形態に係るエレベータが行う降車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。図11は図10のフローチャートの処理に続く処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
上室11へ車椅子42の乗込みが完了した後、ステップC1において、制御盤7は、かご3を一旦、避難階である1階よりも1階床手前の2階に着床させる。この着床では、制御盤7は、運転モードを上空間乗降モードにしている。かご位置が下室12用の位置になったかどうかを、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30の出力を監視しながら、乗降口15に下室12が向き合うように適切なかご位置を制御盤7は探す。
【0058】
ステップC2において、制御盤7は戸開を行う。図12(a)に示すように、2階の乗場14から車椅子42が下室12から降車する。図12(a)から図12(e)には、2階と1階とが示されている。2階の乗場14に車椅子42が待機する。図13(a)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。かご内スピーカは、上室11内の全ての車椅子42の利用者に対し、2階で全員降車するよう協力を呼びかける放送を行う。
【0059】
ステップC3において、戸閉ボタンの出力を見て、制御盤7は車椅子42が乗場14に全員移ったかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間はNoルートを通り、戸開を続ける(ステップC2)。ステップC3において、戸閉ボタンが押下されると、Yesルートを通り、ステップC4において、制御盤7は戸閉を行う。全閉し切らない場合(ステップC5のNoルート)、戸開を続ける。
【0060】
ステップC5において全閉を検出すると、Yesルートを通り、制御盤7は、ステップC6において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにし、かご3を1階床分下降させる。図12(b)のように、1階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるかご位置でかご3を停止させる。ステップC7において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。
【0061】
また、かご室の仕切り床10a、10bを人が元の位置に戻す。図12(c)のように、仕切り床10a、10bが折り畳み位置に格納されたことが仕切り検出スイッチ41により検出される。この作業の間、戸閉ボタンの押下が判定される(ステップC8)。
【0062】
戸閉を検知すると、ステップC9において制御盤7は戸閉を行う。ステップC10において全閉を制御盤7は判定し、全閉になるまで判定を続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、図11のステップD1において、今度は逆方向にかご3を動かす処理を制御盤7は行う。
【0063】
即ちステップD1において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにした状態で、1階に位置していたかご3を1階床分だけ2階へ向かって上昇させる。2階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるかご位置でかご3を2階に停止させる。ステップD2において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。
【0064】
図12(d)のように、乗場13に待機している元々上室11に乗車していた車椅子42が同じかご3の分割されていない状態のかご室に乗込む。
【0065】
乗車中、制御盤7は戸閉ボタンが押されたかどうかを判定し続け(ステップD3のNoルート)、戸閉ボタンの押下を検知すると、Yesルートを通り、ステップD4において制御盤7は戸閉を行う。制御盤7はステップD5において全閉かどうかを判定し、全閉になるまで判定を続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、ステップD6において、2階に位置していたかご3を1階床分だけ1階へ向かって下降させる。このステップD6において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにした状態で、1階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるように、着床位置を取得し続ける。図12(e)のように、制御盤7はかご3を1階に着床させる。
【0066】
ステップD7において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。図13(b)は通常の状態にされたかご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、かご室内の車椅子42が1階へ避難する。2階の乗場13で一旦待機していた車椅子42も全て避難が完了する。
【0067】
この後、制御盤7は戸閉し(ステップD9)、更にステップD10において全閉かどうかを判定し続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、処理を終える。降車時の車椅子避難用運転が終了する。
【0068】
本発明のこの実施形態によれば、建物に地下1階がない場合でも、かご室を2分割することによって、輸送効率を上げることができる。最下階が地下階である場合も同様である。
【0069】
(他の実施形態)
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0070】
上記の実施形態では、仕切り床を仕切り部材として用いたが、仕切り部材には、折り畳み式のベビーベッドのように、寝台状の台を長手方向中央部で折り畳み可能とし、手摺りを引っ張ると台が展開する機構を有する部材を用いることができる。
【0071】
また、仕切り部材は、それぞれ折り畳まれたときに互いに向き合う端部を有する上台枠と下台枠とからなり、これらの端部を、これらの上台枠、下台枠が水平に展開される展開状態と、上、下各台枠の支脚が近づいてきて上台枠、下台枠が逆V字状に折り畳まれた垂直状態との間で折り畳み展開可能に連結して構成される。
【0072】
あるいは、この機構は、それぞれヒンジによって互いに複数連結された複数の枠体と、これらの枠体によって支持される台と、これらの枠体の下方に設けられ床面を走行するスライダとを設けて構成してもよい。これらの枠体はいずれも縮退して折り畳まれる位置と、枠体がすべて伸展して展開される位置とをとり、全体として、台が収納される状態と、台が水平に張り出される状態とをとるようにする。
【0073】
あるいは、駐車場等で自動的に上下昇降する門扉の例と同様の構造を用いてもよい。仕切り床10aを垂直位置と水平位置とに昇降させる1組の昇降装置と、仕切り床10bを垂直位置と水平位置とに昇降させる他の1組の昇降装置とをかご室に設けておく。各昇降装置は、2本の支柱をかご室の一側壁に沿ってかご床上に立設して有し、これらの支柱にアームを介して仕切り床10a、10bを支持させる。この状態で各昇降装置が仕切り床10a、10bをかご奥行き方向に平行な軸の周りに回転させながら上下方向に昇降させる。両側で4本の支柱が一対の仕切り床を開閉することにより、上記実施形態の例と同じ効果を得られる。
【0074】
本発明は、車椅子以外の車両、例えば三輪車や自転車、台車、玩具を利用してもよい。本発明はコンテナエレベータとして車両を上下に輸送する運転に使用することもできる。これらの変形をして実施したに過ぎない発明に対しても本発明の優位性は何ら損なわれるものではない。これらの変形した発明の実施は特許請求の範囲に規定された発明の範囲及びその均等範囲内に入る。
【0075】
通常停止用着床検出スイッチ29、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30には磁気式スイッチが用いられてもよい。
【0076】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…エレベータ、2…昇降路、3…かご、4…メインロープ、5…巻上機、6…カウンタウェイト、7…制御盤、8…ドア装置、9…側壁、10…仕切り床、10a、10b(仕切り部材)、11…上室、12…下室、13…乗場、14…乗場床面、15…乗降口、16…かご床面、17…上面、18…ドア装置、19…乗場ドア、20…かご出入口、21…上かごドア、22…下かごドア、23…係合装置、24…係合装置、25…ドアパネル、26…インターロック、27…インターロック、28…着床検出板、29…通常停止用着床検出スイッチ(着床検出スイッチ)、29a、29b、29c…着床スイッチ、30…車椅子避難運転用着床検出スイッチ、40…ヒンジ機構、41…仕切り床スイッチ(仕切り検出スイッチ)、42…車椅子。
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
火災等の災害が発生した際に車椅子を必要とする住人がエレベータを使って避難する場合、エレベータは、車椅子の乗客を最優先にして避難階へと輸送する。複数台の車椅子がかごに乗込む場合、車椅子の配置スペースに余裕を持たせるため、かご重量が定員乗車時の積載重量にまで達しない状況でエレベータは戸閉する。積載重量をオーバしない範囲内の人数でエレベータは車椅子を運ぶ。
【0003】
従来、乗降口周りの間取りの自由度が高くかつ車椅子の利用者にとって利便性を上げるようにしたエレベータのカゴが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、避難運転時に、通常運転時の定員よりも多くの人員を輸送することを可能とした避難用エレベータ装置が提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−255258号公報
【特許文献2】特開2006−44889号公報
【特許文献3】特開2005−219876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来技術では、エレベータが車椅子の乗客を優先して避難運転する場合、空間的にはキャパシタンスを超過したとしても、積載重量としては満員に至らず、輸送効率が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、車椅子の乗客をより多く乗せ、災害発生時の車椅子利用者の輸送効率を向上させることが可能なエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、本発明の一態様によれば、かご床、このかご床に立設されかご室内壁を形成する側板を有するかごと、このかごに設けられ、前記かご室内壁面に沿って折り畳まれる位置および室内側へ展開した位置をとり、この展開したときの上面を車椅子の車輪が接地される面とする一対の仕切り部材と、これらの仕切り部材が展開したときに分割される上室および下室の出入口にそれぞれ設けられた左右一対の上かごドアおよび左右一対の下かごドアと、これらの上かごドアおよび下かごドアから伝達されるドア開閉力によって各乗場の乗降口を開閉する各階床の乗場ドアと、各乗場ドアに互いに上下平行に左右一対設けられた複数の係止部と、上側の一対の係止部および下側の一対の係止部のうちの一方又は両方に係合する係合装置と、この係合装置が前記上側の一対の係止部と係合し前記乗降口及び前記下室が対面する上室位置、および前記係合装置が前記下側の一対の係止部と係合しこの乗降口及び前記上室が対面する下室位置に前記かごを昇降制御し、戸開閉制御を行う制御装置と、を備え、この制御装置は、前記上室位置では前記一対の仕切り部材の前記上面を乗場床面と同じ高さにして前記一対の上かごドアを戸開し、前記下室位置では前記かご床面を前記乗場床面と同じ高さにして前記一対の下かごドアを戸開することを特徴とするエレベータが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、かご室空間が上下に分割されるため、車椅子の乗車スペースを確保することができ、車椅子の乗客をより多く乗車させることが可能になる。災害発生時、車椅子利用者の輸送効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成図である。
【図2】乗りかごの正面図である。
【図3】乗場において戸開途中のかごの斜視図である。
【図4】通常停止用着床検出スイッチの拡大図である。
【図5】避難運転時のエレベータの運行制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】居住階への配車から下降開始までの動きを説明するための図である。
【図7】車椅子避難時の乗車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】避難階への着床から降車後までの動きを説明するための図である。
【図9】(a)は下側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図であり、(b)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るエレベータが行う降車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のフローチャートの処理に続く処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】最下階から車椅子を非難させる場合の動きを説明するための図である。
【図13】(a)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図であり、(b)は通常の状態にされたかご室から車椅子が降車する場合のかごと乗場との配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るエレベータについて、図1乃至図13を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成図である。図2は乗りかごの正面図である。エレベータ1は、昇降路2内に設置されたかご3と、メインロープ4が巻掛けられた巻上機5と、昇降路2内に設けられたカウンタウェイト6と、エレベータ運転の全体制御を行う制御盤7と、戸開閉を行うドア装置8とを備える。
【0012】
かご3は、かご室の向かい合う側壁9に、これらの側壁面に沿って折り畳まれる位置と、室内側へ突出した位置をとる一対の仕切り床10a、10b(仕切り部材)を設けている。かご3は、これらの仕切り床10a、10bを展開させた状態でかご室空間を、上室11、下室12の上下2つの空間に分割可能な構造を有する。仕切り床10a、10bは例えばそれぞれ板厚を有する2枚の縦長の床板、枠体又は長台である。これらの仕切り床10a、10bの長手方向の各端部が互いに向かい合う側壁9の面上に、ヒンジ機構40を介して水平かつ平行に取付けられている。一対の仕切り床10a、10bの板面はともに天井を向く位置と、これらの板面がともに側壁面を向く位置とをとる。人が折り畳むこと及び拡げることにより、各位置でこれらの仕切り床10a、10bは固定されるようになっている。
【0013】
本実施形態に係るエレベータ1は、仕切り床10a、10bを人が展開させて固定した状態で、各階の乗場13にてかご着床位置を高さ方向2箇所の位置に移動し停止可能としている。各階で上室位置、下室位置の2箇所のかご高さ位置において車椅子が乗降可能にされている。2箇所とは、仕切り床10a、10bの上面17(車椅子の車輪が接地される面)が乗場13の乗場床面14と同一面になるように上室11が乗降口15の下半分に対面するかご高さと、かご3の床板面16が乗場床面14と同一面になるように下室12が乗降口15の下半分と対面するかご高さとを指す。上室11が乗降口15の下半分に対面するかご高さにおいて、仕切り床10a、10bの上面17を車輪接地面として車椅子が乗降し、下室12が乗降口15の下半分に対面するかご高さにおいてはかご床面16を車輪接地面として車椅子が乗降するようにかご位置が設定されている。
【0014】
つまり、かご室内壁に折り畳み式の仕切り床10a、10bを設け、避難運転を行う際に仕切り床10a、10bをセットすることで、かご3内に上下2つの空間を作ることができるようになっている。かご3が通常停止時は下の空間に車椅子乗客が乗込み、一旦ドアを閉じてかご3を下げてドアを開けることで、上の空間に車椅子乗客が乗込むことができるようになっている。
【0015】
また、仕切り床10aの端部付近と、かご室の側壁9との間には、マイクロスイッチなどの仕切り床スイッチ41(仕切り検出スイッチ)が取付けられている。他方の仕切り床10bの端部付近と他の側壁9との間にも仕切り床スイッチ41が取付けられている。この仕切り床スイッチ41は2つの接点が接離する機構を有し、仕切り床10aが側壁9から離れた状態と、仕切り床10aが側壁9に折り畳まれた状態とを検出し、検出した信号を、かご3の操作盤を介して制御盤7へ通知可能になっている。この仕切り床スイッチ41は、仕切り床10aの位置が水平に展開した展開位置であることを検出した場合、制御盤7は、各階でかご3を上下2箇所で停止させる運転を行えるようになっている。
【0016】
ドア装置18はかご着床時に乗場13に対向して戸開閉動作し、それ以外の時は戸閉する。このドア装置18は、乗場13の乗降口15に設けられた一対2枚の乗場ドア19と、かご3のかご出入口20の上方に設けられた一対2枚の上かごドア21と、かご出入口20の下方に設けられた一対2枚の下かごドア22と、上かごドア21を乗場ドア19に係合させる係合装置23と、下かごドア22を乗場ドア19に係合させる係合装置24とを有する。
【0017】
乗場ドア19には、2枚のドアパネル25と、いずれか一方のドアパネル25のパネル面のうち、かご3に臨むパネル面の上方に設けられたインターロック26(係止部)と、同じパネル面の下方に設けられたインターロック27(係止部)とが設けられている。インターロック26、27はともに係合装置23に係合可能である。
【0018】
一方、かご3側では、上かごドア21と、下かごドア22とにそれぞれ左右一対上下二組の計4枚のドアパネルが設けられている。かご3側には、4枚のドアパネルの各上端を懸垂した状態でこれらのドアパネルへ開閉力を与える図示しないロープ式連動機構が設けられている。この連動機構は、上かごドア21の2枚のドアパネルの懸垂位置よりも下方に位置する懸垂位置で下かごドア22の2枚のドアパネルを懸垂する。上かごドア21の2枚のドアパネルと、下かごドア22の2枚のドアパネルとは前後に位置をずらして配置される。
【0019】
上かごドア21の係合装置23がインターロック26の突起部材を挟み込んだ状態でドア開閉力がかご3から乗場ドア19へ伝達される。係合装置23がインターロック27の突起部材を挟み込込んだ状態でドア開閉力がかご3から乗場ドア19へ伝達される。
【0020】
本実施形態では、係合装置23と、係合装置24とは独立に動作するように制御される。これらの係合装置23、24への動作指令は、かご3内のかご操作盤を介して制御盤7より行われる。
【0021】
また、図1の昇降路2の乗場ドア敷居の下方には、着床検出板28が設けられている。かご3にはそれぞれこの着床検出板28を検出するための2つの着床検出スイッチが設けられている。2つの着床検出スイッチのうちの一方は通常停止用着床検出スイッチ29である。他方の着床検出スイッチは車椅子避難運転用着床検出スイッチ30である(同図では図示されていない)。2つの着床検出スイッチを図3、図4に示す。
【0022】
図3は乗場13にて戸開途中のかご3の斜視図である。図4は通常停止用着床検出スイッチ29の拡大図である。これらの図中、既出の符号はそれぞれ上述したものと同じ要素を表す。通常停止用着床検出スイッチ29は通常停止時の着床検出に使用されるスイッチである。通常停止用着床検出スイッチ29は、例えばかごドア敷居の一端側に取付けられた光電式の着床検出器である。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30は車椅子避難用運転の上室11に乗降する時の着床検出に使用されるスイッチであり、かご3の側壁外側の高さ方向中央部に設けられる。
【0023】
更に詳述すると、かご室が昇降する際、通常停止用着床検出スイッチ29は光を射出し、着床検出板28はこの光を通常停止用着床検出スイッチ29に向けて反射し、着床しようとする階床の所定位置に到達したか否かが検出される。通常停止用着床検出スイッチ29、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30からの着床検出信号は制御盤7へ送られる。
【0024】
図4に示すように、通常停止用着床検出スイッチ29は3つの着床スイッチ29a、29b、29cを有する。着床スイッチ29aは、下降側着床ゾーンを検出する。着床スイッチ29bは目的階レベルを検出する。着床スイッチ29cは上昇側着床ゾーンを検出する。かご3が上昇して目的階に着床する際、目的階付近の着床検出板28からの着床検出信号によって、下降側着床ゾーン用の着床スイッチ29a、目的階レベル用の着床スイッチ29bの順にオンされ、その後、上昇側着床ゾーン用の着床スイッチ29cがオンされることによって上昇時のかご3の着床ゾーンへの到達が検出されるようになっている。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30も、それぞれこれらの着床スイッチ29a、29b、29cと同等の機能を有する3つの着床スイッチを有し、通常停止用着床検出スイッチ29の検出方法と同様の検出方法でゾーン検出を行う。
【0025】
本実施形態に係るエレベータ1では、かご室内壁の仕切り床10a、10bを下ろすと、仕切り床スイッチ41が動作する。かご3を半分下にずらしても、戸開できる構成となっている。通常停止用着床検出スイッチ29以外に、上空間用の車椅子避難運転用着床検出スイッチ30も設置されていることになる。
【0026】
このような構成の本実施形態に係るエレベータ1が平常運転を行う場合、一対の仕切り床10a、10bの位置がいずれも折り畳み位置であることを仕切り床スイッチ41から制御盤7は読込む。制御盤7はかご室が仕切られていないと判断する。この場合、制御盤7はエレベータ1の運行制御を平常モードで行う。平常運転モードでは、制御盤7は、かご3のかご位置、各階床の乗場13の乗場呼び登録、及びかご呼び登録に応じて目的階を決定し、走行方向指令、速度指令を巻上機5に対して出力する。巻上機5の駆動によりメインロープ6を介してかご3及びカウンタウェイト6が昇降路2内で互いに反対方向に向かって昇降動作する。
【0027】
次に、火災などの災害が発生した場合、火災発生信号を制御盤7は建物側から受信する。
【0028】
図5は避難運転時のエレベータ1の運行制御方法を説明するためのフローチャートである。制御盤7は常時建物に設置されている火災感知器が動作し、火災検出信号を受信したかどうかを判断している(ステップA1)。ステップA1において、火災感知器が作動していない場合、Noルートを通り、ステップA2において制御盤7は、エレベータ1の運転モードを平常運転モードにする。この場合、避難運転制御の処理は終了する。
【0029】
ステップA1において、火災検出信号を制御盤7が受信すると、制御盤7はエレベータ1の運転モードを管制運転モードに切替えし、かご内操作盤及び乗場操作盤に対して火災の発生の旨を報知させる。例えば制御盤7はかご3を最寄階まで移動させ、そこで戸開状態を一定時間保つ。制御盤7はかご内及び各階のスピーカに音声アナウンスを放送させ、表示機器に警報を表示させる。火災感知器が作動している場合、Yesルートを通り、ステップA3において、制御盤7は、かご室内の仕切り床スイッチ41の状態を読む。ステップA3において、仕切り床10a、10bの位置が折り畳み位置である場合、Noルートを通り、平常運転を行う(ステップA2)。
【0030】
この状況下で付き添い者等は仕切り床10a、10bを傾けて倒す。これらの仕切り床10a、10bは展開位置にされ、かご室空間は、上室11と、下室12との2つの空間に分割される。ステップA3において、仕切り床スイッチ41から、仕切り床10a、10bが展開位置であることを制御盤7が検出した場合、Yesルートを通り、ステップA4において、制御盤7は車椅子避難用の運行を実施する。
【0031】
以下、地下1階が存在する場合において、車椅子の利用者の居住階である上層階から、避難階である1階へ、複数の車椅子を輸送する避難運転を説明する。
【0032】
(1)乗車時の車椅子避難用運転
居住階での乗車時の運転を図6から図7を参照して述べる。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。これらの図の間で同じ符号を付された要素は互いに同じものである。
【0033】
図6は居住階への配車から下降開始までの動きを説明するための図である。図6(a)に示すように、制御盤7は空のかご3を居住階に配車する。付き添い者等が、折り畳み位置にある仕切り床10a、10bを下ろし、図6(b)に示すように、仕切り床10a、10は展開位置にセットされる。
【0034】
図7は車椅子避難時の乗車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図7のステップB1において、制御盤7は戸開を行う。図6(c)に示すように、乗場14から車椅子42が下室12へ乗車する。
【0036】
更にステップB2において、制御盤7はかご3内又は乗場13の操作盤の戸閉ボタンが押下されているかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間はNoルートを通り、戸開を続ける(ステップB1)。ステップB2において、戸閉ボタンが押下されたことを検知すると、Yesルートを通り、ステップB3において、制御盤7は戸閉を行う。引き続き、ステップB4において上かごドア21、下かごドア22が完全に閉じたかどうかを制御盤7は判定する。これらのドアが閉まり切っていない場合、Noルートを通り、制御盤7はステップB2の処理を行う。
【0037】
ステップB4において上かごドア21、下かごドア22が閉まり切っている場合、Yesルートを通り、制御盤7は、ステップB5において上室11へ乗降させるための車椅子避難運転用着床検出スイッチ30の監視をオンにする。これは、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30を有効にし、適切なかご位置を制御盤7が探すためである。
【0038】
引き続き、ステップB6において、制御盤7は、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30からのスイッチ出力の監視を有効にした状態でかご3を下方向に低速で運転させる。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30は着床検出板28からの反射光を光電出力し続ける。この低速運転の際、制御盤7はエレベータ1の運転モードを、上空間乗降モードにしかご位置が上室11用になったかどうかを着床検出信号により判断するモードにしている。
【0039】
ステップB7において、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しい着床ゾーンに入ったかどうかを制御盤7は判定する。車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しく位置を表す信号が得られない場合、Noルートを通り、ステップB6の処理を制御盤7は続ける。ステップB7において車椅子避難運転用着床検出スイッチ30から正しい位置を示す信号を受信すると、制御盤7は下室位置を検知したことを判定し、Yesルートを通り、ステップB8においてかご3の移動を止める。かご床面16が乗場床面14と一致したかご位置でかご3は停止する。制御盤7は戸開を行う。各乗場13に放送装置や警報装置を予め付けておき、この戸開時に、かご室のスピーカや乗場13のスピーカから上室11への乗車が可能である旨の音声アナウンスを鳴らしてもよい。上室11に車椅子42が乗車する状況を図6(d)に示す。
【0040】
次に、ステップB9において、制御盤7は戸閉ボタンが押下されているかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間、制御盤7は戸開を続ける(Noルート)。戸閉を検知すると、Yesルートを通り、ステップB10において、制御盤7は戸閉を行う。ステップB11において上かごドア21、下かごドア22が完全に閉じたかどうかを制御盤7は判定し、4枚全てのドアパネルが閉か否かを判定し(Noルート)、全閉である場合、Yesルートを通り、制御盤7は処理を終える。これにより、上室11への車椅子42の乗込みが完了する。制御盤7は、かご3を避難階である1階へ下降させる。車椅子42の乗込みが終わり、図6(e)に示すように、かご3が1階へ向かう。乗車時、車椅子42の向きは前向き、あるいは後向きのいずれでもよい。
【0041】
(2)降車時の車椅子避難用運転
避難階での降車時の運転を図8から図10を参照して述べる。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。これらの図の間で同じ符号を付された要素は互いに同じものである。
【0042】
図8は避難階への着床から降車後までの動きを説明するための図であり、同図の階床は1階を表す。かご3の最下降位置においてかご下最下端がピットと干渉しないように、避難階よりも下階の地下階が存在するものとする。図8(a)に示すように、制御盤7は上室11、下室12に車椅子42を乗せた状態のかご3を1階で着床させる。1階にて下室12が乗降口15に対面するときに制御盤7は戸開し、車椅子42を降ろす。
【0043】
図9(a)は下側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、下室12内の車椅子42は避難を完了する。降車時、状況に応じて車椅子42の向きは前向き、あるいは後向きのいずれでもよい。
【0044】
また、降車完了後、制御盤7は避難階で更に下方にかご位置を調整しながら移動させ、1階の上室位置で着床させる。図8(b)に示すように、上室11から車椅子42が降車する。図9(b)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、上室11内の車椅子42が避難を完了する。その後、図8(c)に示すように、仕切り床10a、10bを乗場14にいる人が折り畳み、元の位置に戻す。以後、制御盤7は通常運転モードを実行可能になる。
【0045】
このようにして、本実施形態に係るエレベータ1ではかご室を上下分割して車椅子42の乗客をより多く乗せることができるようになる。災害発生時の車椅子利用者の輸送効率を向上させることができるようになる。例えば5分当たりの輸送利用者数で表した輸送効率を向上させることができる。
【0046】
かご室内壁の仕切り床10a、10bを下ろすと、スイッチ動作し、車椅子避難用運転に切替わる。下空間に車椅子乗客が乗込んで戸を閉めた後は、かご3を半分ずらして再度戸開し、上空間に車椅子乗客が乗込むことが可能になる。避難階での降車時は、下空間の車椅子乗客が降りた後、戸閉してかご3を下に半分ずらし、再度戸開して上空間の車椅子乗客が降車する。
【0047】
従って、車椅子の重さが定格積載量以内であれば、従来例の2倍の車椅子乗客の乗込みが可能である。
【0048】
(変形例)
この変形例に係るエレベータは、下室12に乗車中の車椅子42の車輪の移動を阻止する図示しない車輪止めを設ける。一例として、床面16上に出没可能にされかご室内の間口方向に亘って延びる車輪止めをかご床下側に設置しておく。更に車輪止めにはこの車輪止めを床面16上に突出するように付勢する付勢部材と、床面16上で突出した状態に固定する固定部材と、この固定部材による車輪止めへの固定を解除する解除部材とが設けられるようにする。この車輪止めが、車椅子の安全バーとして機能するよう設置されている。
【0049】
車輪止めの出没は自動化されてもよい。車輪止めがかご床空間内に押し込まれた状態と、床面16から現れる状態とを切替える駆動機構を、かご床空間内に設けておく。更に、この駆動機構の動作をオン又はオフにするためのスイッチボタンを、かご室内あるいは乗場操作盤に設けておく。これにより、下室12内に車椅子が導かれた場合でも、人がボタンを押すだけで、床面16から車輪止めが上昇するようにできる。
【0050】
地下1階の一つ上の地上1階にて上室11の車椅子42が乗場13に降車中、乗場ドア19が戸開しているため、この車椅子42が昇降路2とかごドアパネル1枚を隔てて対面する場合が生じる場合があるが、この変形例に係るエレベータによれば、この車椅子42の乗車後、安全バーを作動させることにより安全性の向上および下室12内の人に対する安心を提供することができるようになる。
【0051】
あるいは、車椅子の移動を阻止するための車輪止めとしては、側壁9と床面16との間に設けられた巾木部付近などに室内方向へ出っ張らせた車輪止めでもよい。これにより、安全性の向上を図れる。
【0052】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態での説明は、上層階から1階に下降して着床する場合の例である。上室11の上面17が乗場13の乗場床面14と同一面であるとき、地下1階までの昇降路2のスペースが存在するため、下室12はこの乗場床面14よりも下方に位置することができた。しかし、建物に地下1階が設けられていない場合、上記実施形態の運転を実行することができない。あるいは、建物に地下階が設けられていた場合でも、上層階から最下階の地下階へ車椅子42を輸送する際、地下階ではかご室を2分割した状態で上記運転を実行することができない。
【0053】
本発明の第2の実施形態に係るエレベータは、地下階がない建物の地上1階を避難階とする避難運転を行うものである。本実施形態に係るエレベータによる運行は、上層階から最下階へかご3を下降運転する場合、最下階から1階床手前の階にて一旦、上室11の車椅子42を降ろし、この1階床手前の階にて車椅子42の利用者を待機させた後、かご3がこの階を離れ、避難階へ移動して下室12の車椅子42を降ろし、再度1階床手前の階へ戻ってきて待機中の車椅子42を連れて最下階から避難させるというものである。このエレベータの構成は第1の実施形態のエレベータ1の構成と同じである。
【0054】
このような構成の本実施形態に係るエレベータは通常時、仕切り床10a、10bが折り畳み位置である場合、平常運転を行う。一方、仕切り床10a、10bが展開位置にセットされたことを制御盤7が検出すると、車椅子避難用の運転制御を開始する。
【0055】
(1)乗車時の車椅子避難用運転
居住階である上層階での乗車からかご3の下降の開始までの動きは図6の例と同じである。乗車時の運転制御方法も図7の例と同じである。
【0056】
(2)降車時の車椅子避難用運転
図10は本発明の第2の実施形態に係るエレベータが行う降車時の運転制御方法を説明するためのフローチャートである。図11は図10のフローチャートの処理に続く処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
上室11へ車椅子42の乗込みが完了した後、ステップC1において、制御盤7は、かご3を一旦、避難階である1階よりも1階床手前の2階に着床させる。この着床では、制御盤7は、運転モードを上空間乗降モードにしている。かご位置が下室12用の位置になったかどうかを、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30の出力を監視しながら、乗降口15に下室12が向き合うように適切なかご位置を制御盤7は探す。
【0058】
ステップC2において、制御盤7は戸開を行う。図12(a)に示すように、2階の乗場14から車椅子42が下室12から降車する。図12(a)から図12(e)には、2階と1階とが示されている。2階の乗場14に車椅子42が待機する。図13(a)は上側かご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。かご内スピーカは、上室11内の全ての車椅子42の利用者に対し、2階で全員降車するよう協力を呼びかける放送を行う。
【0059】
ステップC3において、戸閉ボタンの出力を見て、制御盤7は車椅子42が乗場14に全員移ったかどうかを判定する。戸閉ボタンが押下されていない間はNoルートを通り、戸開を続ける(ステップC2)。ステップC3において、戸閉ボタンが押下されると、Yesルートを通り、ステップC4において、制御盤7は戸閉を行う。全閉し切らない場合(ステップC5のNoルート)、戸開を続ける。
【0060】
ステップC5において全閉を検出すると、Yesルートを通り、制御盤7は、ステップC6において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにし、かご3を1階床分下降させる。図12(b)のように、1階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるかご位置でかご3を停止させる。ステップC7において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。
【0061】
また、かご室の仕切り床10a、10bを人が元の位置に戻す。図12(c)のように、仕切り床10a、10bが折り畳み位置に格納されたことが仕切り検出スイッチ41により検出される。この作業の間、戸閉ボタンの押下が判定される(ステップC8)。
【0062】
戸閉を検知すると、ステップC9において制御盤7は戸閉を行う。ステップC10において全閉を制御盤7は判定し、全閉になるまで判定を続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、図11のステップD1において、今度は逆方向にかご3を動かす処理を制御盤7は行う。
【0063】
即ちステップD1において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにした状態で、1階に位置していたかご3を1階床分だけ2階へ向かって上昇させる。2階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるかご位置でかご3を2階に停止させる。ステップD2において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。
【0064】
図12(d)のように、乗場13に待機している元々上室11に乗車していた車椅子42が同じかご3の分割されていない状態のかご室に乗込む。
【0065】
乗車中、制御盤7は戸閉ボタンが押されたかどうかを判定し続け(ステップD3のNoルート)、戸閉ボタンの押下を検知すると、Yesルートを通り、ステップD4において制御盤7は戸閉を行う。制御盤7はステップD5において全閉かどうかを判定し、全閉になるまで判定を続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、ステップD6において、2階に位置していたかご3を1階床分だけ1階へ向かって下降させる。このステップD6において制御盤7は、通常停止用着床検出スイッチ29の監視をオンにした状態で、1階の乗場13の乗場床面14と、かご床面16とが同一面になるように、着床位置を取得し続ける。図12(e)のように、制御盤7はかご3を1階に着床させる。
【0066】
ステップD7において、制御盤7は、制御盤7は戸開を行う。図13(b)は通常の状態にされたかご室から車椅子が降車する場合のかご3と乗場13との配置関係を示す図である。これにより、かご室内の車椅子42が1階へ避難する。2階の乗場13で一旦待機していた車椅子42も全て避難が完了する。
【0067】
この後、制御盤7は戸閉し(ステップD9)、更にステップD10において全閉かどうかを判定し続け(Noルート)、全閉になると、Yesルートを通り、処理を終える。降車時の車椅子避難用運転が終了する。
【0068】
本発明のこの実施形態によれば、建物に地下1階がない場合でも、かご室を2分割することによって、輸送効率を上げることができる。最下階が地下階である場合も同様である。
【0069】
(他の実施形態)
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0070】
上記の実施形態では、仕切り床を仕切り部材として用いたが、仕切り部材には、折り畳み式のベビーベッドのように、寝台状の台を長手方向中央部で折り畳み可能とし、手摺りを引っ張ると台が展開する機構を有する部材を用いることができる。
【0071】
また、仕切り部材は、それぞれ折り畳まれたときに互いに向き合う端部を有する上台枠と下台枠とからなり、これらの端部を、これらの上台枠、下台枠が水平に展開される展開状態と、上、下各台枠の支脚が近づいてきて上台枠、下台枠が逆V字状に折り畳まれた垂直状態との間で折り畳み展開可能に連結して構成される。
【0072】
あるいは、この機構は、それぞれヒンジによって互いに複数連結された複数の枠体と、これらの枠体によって支持される台と、これらの枠体の下方に設けられ床面を走行するスライダとを設けて構成してもよい。これらの枠体はいずれも縮退して折り畳まれる位置と、枠体がすべて伸展して展開される位置とをとり、全体として、台が収納される状態と、台が水平に張り出される状態とをとるようにする。
【0073】
あるいは、駐車場等で自動的に上下昇降する門扉の例と同様の構造を用いてもよい。仕切り床10aを垂直位置と水平位置とに昇降させる1組の昇降装置と、仕切り床10bを垂直位置と水平位置とに昇降させる他の1組の昇降装置とをかご室に設けておく。各昇降装置は、2本の支柱をかご室の一側壁に沿ってかご床上に立設して有し、これらの支柱にアームを介して仕切り床10a、10bを支持させる。この状態で各昇降装置が仕切り床10a、10bをかご奥行き方向に平行な軸の周りに回転させながら上下方向に昇降させる。両側で4本の支柱が一対の仕切り床を開閉することにより、上記実施形態の例と同じ効果を得られる。
【0074】
本発明は、車椅子以外の車両、例えば三輪車や自転車、台車、玩具を利用してもよい。本発明はコンテナエレベータとして車両を上下に輸送する運転に使用することもできる。これらの変形をして実施したに過ぎない発明に対しても本発明の優位性は何ら損なわれるものではない。これらの変形した発明の実施は特許請求の範囲に規定された発明の範囲及びその均等範囲内に入る。
【0075】
通常停止用着床検出スイッチ29、車椅子避難運転用着床検出スイッチ30には磁気式スイッチが用いられてもよい。
【0076】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…エレベータ、2…昇降路、3…かご、4…メインロープ、5…巻上機、6…カウンタウェイト、7…制御盤、8…ドア装置、9…側壁、10…仕切り床、10a、10b(仕切り部材)、11…上室、12…下室、13…乗場、14…乗場床面、15…乗降口、16…かご床面、17…上面、18…ドア装置、19…乗場ドア、20…かご出入口、21…上かごドア、22…下かごドア、23…係合装置、24…係合装置、25…ドアパネル、26…インターロック、27…インターロック、28…着床検出板、29…通常停止用着床検出スイッチ(着床検出スイッチ)、29a、29b、29c…着床スイッチ、30…車椅子避難運転用着床検出スイッチ、40…ヒンジ機構、41…仕切り床スイッチ(仕切り検出スイッチ)、42…車椅子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご床、このかご床に立設されかご室内壁を形成する側板を有するかごと、
このかごに設けられ、前記かご室内壁面に沿って折り畳まれる位置および室内側へ展開した位置をとり、この展開したときの上面を車椅子の車輪が接地される面とする一対の仕切り部材と、
これらの仕切り部材が展開したときに分割される上室および下室の出入口にそれぞれ設けられた左右一対の上かごドアおよび左右一対の下かごドアと、
これらの上かごドアおよび下かごドアから伝達されるドア開閉力によって各乗場の乗降口を開閉する各階床の乗場ドアと、
各乗場ドアに互いに上下平行に左右一対設けられた複数の係止部と、
上側の一対の係止部および下側の一対の係止部のうちの一方又は両方に係合する係合装置と、
この係合装置が前記上側の一対の係止部と係合し前記乗降口及び前記下室が対面する上室位置、および前記係合装置が前記下側の一対の係止部と係合しこの乗降口及び前記上室が対面する下室位置に前記かごを昇降制御し、戸開閉制御を行う制御装置と、を備え、
この制御装置は、前記上室位置では前記一対の仕切り部材の前記上面を乗場床面と同じ高さにして前記一対の上かごドアを戸開し、前記下室位置では前記かご床面を前記乗場床面と同じ高さにして前記一対の下かごドアを戸開することを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
各乗場に対応して昇降路に設けられ、前記乗場床面のレベルを示す着床検出板と、
各着床検出板に対して移動する前記かごにそれぞれ上下に設けられ、前記各着床検出板を検出したときに前記仕切り部材の前記上面のレベルを示す信号、および前記かご床面のレベルを示す信号を出力する複数の着床検出スイッチと、を更に備え、
前記制御装置は、これらの信号を用いて前記下室位置又は前記上室位置を取得することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】
前記一対の仕切り部材が、垂直に折り畳まれた折り畳み位置および水平に展開した展開位置のいずれかであることを検出する仕切り検出スイッチを更に備え、
この仕切り検出スイッチが前記展開位置を検出したときに、前記制御装置は、前記着床検出スイッチが出力する信号を用いて着床制御を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータ。
【請求項4】
前記かごに設けられた釦スイッチと、
この釦スイッチがオンにされたときに、前記一対の仕切り部材が前記折り畳み位置から前記展開位置になるように前記一対の仕切り部材を展開させる駆動機構と、を更に備え、
前記釦スイッチが押下されると前記一対の仕切り部材が下降しながら展開し、この展開と連動して前記制御装置は避難運転を実行することを特徴とする請求項3記載のエレベータ。
【請求項5】
前記上側の一対の係止部は前記乗場ドアの前記かごに臨むドアパネルの面の上半分に設けられ、前記下側の一対の係止部は前記面の下半分に設けられ、
前記下室位置では前記上側の一対の係止部が前記係合装置からの前記ドア開閉力を前記乗場ドアに伝達し、前記かご位置が前記上室位置では前記下側の一対の係止部が前記係合装置からの前記ドア開閉力を前記乗場ドアに伝達することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御装置による前記避難階が建物最下階である場合の避難運転は、
上層階において前記上室および前記下室に前記車椅子を乗せ、前記かごを前記最下階に至る階までのいずれか手前の階に移動させて、この階にて前記上室内の前記車椅子を降ろして前記車椅子を乗場に待機させ、
前記かごを前記手前の階から前記最下階に移動させて、この最下階にて前記下室内の前記車椅子を降ろして避難させ、
前記一対の仕切り部材が前記展開位置から前記折り畳み位置に折り畳まれた状態を検知し、
前記かごを前記最下階から前記手前の階に移動させて、前記乗場に待機中の前記車椅子を前記かご室内に乗せ、前記かごを前記最下階へ輸送して前記かご室内の前記車椅子を避難させることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【請求項1】
かご床、このかご床に立設されかご室内壁を形成する側板を有するかごと、
このかごに設けられ、前記かご室内壁面に沿って折り畳まれる位置および室内側へ展開した位置をとり、この展開したときの上面を車椅子の車輪が接地される面とする一対の仕切り部材と、
これらの仕切り部材が展開したときに分割される上室および下室の出入口にそれぞれ設けられた左右一対の上かごドアおよび左右一対の下かごドアと、
これらの上かごドアおよび下かごドアから伝達されるドア開閉力によって各乗場の乗降口を開閉する各階床の乗場ドアと、
各乗場ドアに互いに上下平行に左右一対設けられた複数の係止部と、
上側の一対の係止部および下側の一対の係止部のうちの一方又は両方に係合する係合装置と、
この係合装置が前記上側の一対の係止部と係合し前記乗降口及び前記下室が対面する上室位置、および前記係合装置が前記下側の一対の係止部と係合しこの乗降口及び前記上室が対面する下室位置に前記かごを昇降制御し、戸開閉制御を行う制御装置と、を備え、
この制御装置は、前記上室位置では前記一対の仕切り部材の前記上面を乗場床面と同じ高さにして前記一対の上かごドアを戸開し、前記下室位置では前記かご床面を前記乗場床面と同じ高さにして前記一対の下かごドアを戸開することを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
各乗場に対応して昇降路に設けられ、前記乗場床面のレベルを示す着床検出板と、
各着床検出板に対して移動する前記かごにそれぞれ上下に設けられ、前記各着床検出板を検出したときに前記仕切り部材の前記上面のレベルを示す信号、および前記かご床面のレベルを示す信号を出力する複数の着床検出スイッチと、を更に備え、
前記制御装置は、これらの信号を用いて前記下室位置又は前記上室位置を取得することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】
前記一対の仕切り部材が、垂直に折り畳まれた折り畳み位置および水平に展開した展開位置のいずれかであることを検出する仕切り検出スイッチを更に備え、
この仕切り検出スイッチが前記展開位置を検出したときに、前記制御装置は、前記着床検出スイッチが出力する信号を用いて着床制御を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータ。
【請求項4】
前記かごに設けられた釦スイッチと、
この釦スイッチがオンにされたときに、前記一対の仕切り部材が前記折り畳み位置から前記展開位置になるように前記一対の仕切り部材を展開させる駆動機構と、を更に備え、
前記釦スイッチが押下されると前記一対の仕切り部材が下降しながら展開し、この展開と連動して前記制御装置は避難運転を実行することを特徴とする請求項3記載のエレベータ。
【請求項5】
前記上側の一対の係止部は前記乗場ドアの前記かごに臨むドアパネルの面の上半分に設けられ、前記下側の一対の係止部は前記面の下半分に設けられ、
前記下室位置では前記上側の一対の係止部が前記係合装置からの前記ドア開閉力を前記乗場ドアに伝達し、前記かご位置が前記上室位置では前記下側の一対の係止部が前記係合装置からの前記ドア開閉力を前記乗場ドアに伝達することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御装置による前記避難階が建物最下階である場合の避難運転は、
上層階において前記上室および前記下室に前記車椅子を乗せ、前記かごを前記最下階に至る階までのいずれか手前の階に移動させて、この階にて前記上室内の前記車椅子を降ろして前記車椅子を乗場に待機させ、
前記かごを前記手前の階から前記最下階に移動させて、この最下階にて前記下室内の前記車椅子を降ろして避難させ、
前記一対の仕切り部材が前記展開位置から前記折り畳み位置に折り畳まれた状態を検知し、
前記かごを前記最下階から前記手前の階に移動させて、前記乗場に待機中の前記車椅子を前記かご室内に乗せ、前記かごを前記最下階へ輸送して前記かご室内の前記車椅子を避難させることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−136794(P2011−136794A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297796(P2009−297796)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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