説明

エンジンアンダカバー取付構造

【課題】空力性能を確保しつつ車内に浸入した大量の水を排水する。
【解決手段】エンジンアンダカバー10のフロントカバー14の後端部14Bをリヤカバー16の前端部16Aの下側に重ね、フロントカバー14の取付孔20とリヤカバー16の取付孔24とにクリップ22が車両下方側から挿通されている。フロントカバー14の取付孔20の直径はリヤカバー16の取付孔24の直径より大きくなっており、更に、フロントカバー14の取付孔20の周縁部に形成した隣接する切欠30の間の部位が変形部32となっている。このため、エンジンルーム内に浸入した大量の水によってフロントカバー14の後端部14Bが押圧された場合には、フロントカバー14の後端部14Bがクリップ22の係止部22Aから離脱して、リヤカバー16との間に水抜き用の開口部が形成されようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両に取付けられるエンジンアンダカバーの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の下面を覆うエンジンアンダカバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、エンジンアンダカバーに形成した水抜き穴を通してエンジンルーム内に浸入した水を車外に排水している。
【特許文献1】実公平2−39905号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のエンジンアンダカバー取付構造では、水抜き穴が小さい場合には、エンジンルーム内に大量の水が浸入した際に排水に長い時間を要する。また、水抜き穴が大きい場合には、空力性能が低下する。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、空力性能を確保しつつ車内に浸入した大量の水を排水可能なエンジンアンダカバー取付構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のエンジンアンダカバー取付構造は、エンジンアンダカバーの車両前方側の部位を構成し車両へ取付けられるフロントカバーと、エンジンアンダカバーの車両後方側の部位を構成し車両へ取付けられるリヤカバーと、前記フロントカバーの後部を前記リヤカバーの前部へ取付け、前記フロントカバーの上面側に水が浸入した場合に前記水の押圧力によって、前記フロントカバーの後部を前記リヤカバーの前部から離脱させて前記リヤカバーとの間に水抜き用の開口部を形成する取付手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
車両の下面を覆うエンジンアンダカバーがエンジンアンダカバーの車両前方側の部位を構成し車両へ取付けられるフロントカバーと、エンジンアンダカバーの車両後方側の部位を構成し車両へ取付けられるリヤカバーとを有しており、取付手段によって、フロントカバーの後部がリヤカバーの前部へ取付けられている。この結果、フロントカバーとリヤカバーとによって車両の下面を連続して覆うことができるため、空力性能が確保される。また、フロントカバーの上面側に大量の水が浸入した場合には、水の押圧力によって、取付手段が、フロントカバーの後部をリヤカバーの前部から離脱させてリヤカバーとの間に水抜き用の開口部を形成する。このため、フロントカバーの上面側に浸入した大量の水が開口部から車外へ排水される。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のエンジンアンダカバー取付構造において、前記取付手段は、前記フロントカバーに形成された取付孔に挿通され、下部に前記フロントカバーを支持する支持部が設けられており、前記フロントカバーの取付孔の周縁部には変形することで前記支持部を通過可能な変形部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
取付手段がフロントカバーに形成された取付孔に挿通されており、下部に設けられた支持部がフロントカバーを支持している。また、フロントカバーの上面側に大量の水が浸入した場合には、水の押圧力によって、フロントカバーの取付孔の周縁部に形成された変形部が変形することで、フロントカバーの取付孔が取付手段の支持部を通過する。このため、簡単な構成で水抜き用の開口部を形成できる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のエンジンアンダカバー取付構造において、前記取付手段は、前記リヤカバーの前部と前記フロントカバーの後部を車両に取付けており、前記フロントカバーの後部の取付保持力は前記リヤカバーの前部の取付保持力より小さいことを特徴とする。
【0010】
取付手段がリヤカバーの前部とフロントカバーの後部を車両に取付けており、フロントカバーの後部の取付保持力がリヤカバーの前部の取付保持力より小さい。このため、取付手段の数を少なくできると共にフロントカバーの上面側に大量の水が浸入した場合には、水の押圧力によって、フロントカバーの後部が車両から確実に離脱する。
【0011】
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載のエンジンアンダカバー取付構造において、前記取付手段は、前記フロントカバーの後部と前記リヤカバーの前部とを貫通する軸部材であることを特徴とする。
【0012】
取付手段がフロントカバーの後部とリヤカバーの前部とを貫通する軸部材であるため構成が簡単になる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明は、空力性能を確保しつつ車内に浸入した大量の水を排水できる。
【0014】
請求項2記載の本発明は、簡単な構成で車内に浸入した大量の水を確実に排水できる。
【0015】
請求項3記載の本発明は、取付手段の数を少なくできると共に車内に浸入した大量の水を確実に排水できる。
【0016】
請求項4記載の本発明は、簡単な構成で車内に浸入した大量の水を確実に排水できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明におけるエンジンアンダカバー取付構造の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0018】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0019】
図5に示される如く、本実施形態における自動車車体の前部の下面側にはエンジンアンダカバー10が配置されており、エンジンアンダカバー10は、車体前部に形成されたエンジンルームの下面を覆っている。
【0020】
エンジンアンダカバー10はエンジンアンダカバー10の車両前方側の部位(前部)を構成するフロントカバー14と、エンジンアンダカバー10の車両後方側の部位(後部)を構成するリヤカバー16とを備えている。フロントカバー14の車両下方側から見た形状は、前端部14Aが広幅で、後端部14Bが狭幅となった略台形状になっている。また、フロントカバー14の前端部14Aには、車幅方向に沿って所定の間隔で複数の取付孔18が形成されており、フロントカバー14の後端部14Bには、車幅方向に沿って所定の間隔で複数の取付孔20が形成されている。
【0021】
一方、リヤカバー16の車両下方側から見た形状は、前端部16Aが広幅で、後端部16Bが狭幅となった車幅方向に長い略台形状になっており、リヤカバー16の前端部16Aの幅は、フロントカバー14の後端部14Bの幅と略等しくなっている。また、リヤカバー16はフロントカバー14に比べて車両前後方向の長さが小さくなっており、リヤカバー16はフロントカバー14に比べて小さくなっている。
【0022】
リヤカバー16の前端部16Aには、車幅方向に沿って所定の間隔で複数の取付孔24が形成されており、リヤカバー16の後端部16Bには、車幅方向に沿って所定の間隔で複数の取付孔26が形成されている。
【0023】
図1に示される如く、フロントカバー14の後端部14Bは、リヤカバー16の前端部16Aの下側に重ねられており、フロントカバー14の取付孔20はリヤカバー16の取付孔24の下側に重ねられている。また、フロントカバー14の取付孔20とリヤカバー16の取付孔24とには、取付手段である軸部材としてのクリップ22が車両下方側から挿通されている。即ち、クリップ22はフロントカバー14の後端部14Bとリヤカバー16の前端部16Aとを車両下方側から車両上方側へ貫通しており、クリップ22はフロントカバー14の後部をリヤカバー16の前部に取付けている。
【0024】
クリップ22の上端部には、複数の係止部22Aが弾性変形可能に形成されている。これらの係止部22Aは、車両側の取付部となるクロスメンバメンバ25の前フランジ25Aに形成された取付孔28を弾性変形することで車両下方側から車両上方側へ通過可能となっており、取付孔28を通過後、取付孔28の周縁部の上側面に係止されるようになっている。
【0025】
また、クリップ22の下部(下端部)には円盤状の支持部22Bが形成されており、この支持部22Bがフロントカバー14の取付孔20の周縁部を車両下方側から支持している。
【0026】
図1及び図4に示される如く、クリップ22の支持部22Bの直径R1はフロントカバー14の取付孔20の直径R2より大きくなっており、フロントカバー14の取付孔20の直径R2はリヤカバー16の取付孔24の直径R3より大きくなっている。更に、リヤカバー16の取付孔24の直径R3は、クロスメンバメンバ25の取付孔28の直径R4より大きくなっている(R1>R2>R3>R4)。
【0027】
また、フロントカバー14の取付孔20の周縁部には、周方向に所定の間隔で三角形状の切欠30が半径方向外方へ向かって形成されており、隣接する切欠30の間の各部位が変形部32となっている。
【0028】
即ち、クリップ22は、リヤカバー16の前端部16Aとフロントカバー14の後端部14Bをクロスメンバメンバ25のフランジ25Aに取付けており、フロントカバー14の後端部14Bの車両への取付保持力F1は、リヤカバー16の車両への前端部16Aの取付保持力F2より小さくなっている。また、クリップ22の車両への取付保持力F3はリヤカバー16の前端部16Aの車両への取付保持力F2より大きくなっている(F3>F2>F1)。
【0029】
なお、取付保持力とは、リヤカバー16の前端部16A又はフロントカバー14の後端部14Bがクリップ22の支持部22Bから離脱するために必要な車両下方への荷重である。
【0030】
従って、フロントカバー14の後端部14Bがエンジンルーム内に浸入した大量の水によって、車両下方(図3の矢印A方向)へ押圧され、フロントカバー14の後端部14Bに取付保持力F1より大きな力が作用した場合には、フロントカバー14の後端部14Bに形成された取付孔20の変形部32が塑性変形又は弾性変形することで、取付孔20が広がり、フロントカバー14の後端部14Bがクリップ22の支持部22Bから離脱して、下方へ移動するようになっている。
【0031】
この時、水の押圧力(水圧)によって、図3に二点鎖線で示される如く、リヤカバー16が下方へ移動しても、クリップ22の支持部22Bがリヤカバー16の取付孔24の周縁部を車両下方側から支持するため、リヤカバー16をクリップ22に支持された状態に保持できるようになっている。
【0032】
図2に示される如く、フロントカバー14の前端部14Aに形成された各取付孔18には、ボルトやタッピングスクリュウからなる締結部材40が車両下方側から挿入されており、これらの締結部材40は、ラジエータサポートロア等の車両側のフロントカバー取付部42に締結されている。従って、フロントカバー14の前端部14Aは車両側に強固に固定されている。
【0033】
なお、車両下面の空力性能を向上するため、平板状とされたフロントカバー14の前後方向中間部14Cに対してフロントカバー14の前端部14Aと後端部14Bは車両上方へ凹んでいる。
【0034】
また、リヤカバー16の後端部16Bに形成された各取付孔26には、ボルトやタッピングスクリュウからなる締結部材44が車両下方側から挿入されており、これらの締結部材44は、クロスメンバメンバ25の後部25Bに締結されている。従って、リヤカバー16の後端部16Bは車両側に強固に固定されている。
【0035】
なお、車両下面の空力性能を向上するため、平板状とされたリヤカバー16の前後方向中間部16Cに対してリヤカバー16の前端部16Aと後端部16Bは車両上方へ凹んでいる。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0037】
本実施形態では、エンジンアンダカバー10を車体へ組付ける際に、フロントカバー14の後端部14Bをリヤカバー16の前端部16Aの下側に重ね、フロントカバー14の取付孔20、リヤカバー16の取付孔24及びクロスメンバメンバ25の取付孔28にクリップ22を車両下方側から挿通し、クリップ22の係止部22Aをクロスメンバメンバ25に形成された取付孔26の周縁部に係止させる。
【0038】
この結果、フロントカバー14とリヤカバー16とによってエンジンルームの下面を連続して覆うことができるため、車両の空力性能が確保される。また、エンジンアンダカバー10に水抜き用の孔を形成しないため、水抜き用の孔からの音漏れを無くすことができ、車両の車外・車室内騒音要求性能を低下させることも無い。更に、フロントカバー14の後端部14Bをリヤカバー16の前端部16Aの下側に重ねクリップ22で車両に固定するため、クリップ22の数を少なくできる。
【0039】
一方、クリップ22の支持部22Bの直径R1はフロントカバー14の取付孔20の直径R2より大きくなっており、フロントカバー14の取付孔20の直径R2はリヤカバー16の取付孔24の直径R3より大きくなっている。また、リヤカバー16の取付孔24の直径R3は、クロスメンバメンバ25の取付孔28の直径R4より大きくなっている(R1>R2>R3>R4)。更に、フロントカバー14の取付孔20の周縁部には、周方向に所定の間隔で三角形状の切欠30が半径方向外方へ向かって形成されており、隣接する切欠30の間の部位が変形部32となっている。
【0040】
この結果、フロントカバー14の後端部14Bの車両への取付保持力F1は、リヤカバー16の車両への前端部16Aの取付保持力F2より小さくなっている。また、クリップ22の車両への取付保持力F3はリヤカバー16の前端部16Aの車両への取付保持力F2より大きくなっている(F3>F2>F1)。
【0041】
従って、エンジンルーム内に大量の水(図2の矢印W1)が浸入し、水の水圧によってフロントカバー14の後端部14Bが、車両下方(図3の矢印A方向)へ押圧され、フロントカバー14の後端部14Bに取付保持力F1より大きな力が作用した場合には、フロントカバー14の後端部14Bに形成された取付孔20の変形部32が塑性変形又は弾性変形することで、取付孔20が広がる。この結果、図3に示される如く、フロントカバー14の後端部14Bがクリップ22の支持部22Bから離脱して下方へ移動する。なお、この時、フロントカバー14の前後方向中間部が撓む。
【0042】
このため、図3に示される如く、フロントカバー14とリヤカバー16との間に水抜き用の開口部50が形成され、この開口部50からフロントカバー14の上面側に浸入した大量の水(図3の矢印W1)が車外へ排水される。
【0043】
この時、フロントカバー14の前端部14Aと、リヤカバー16の前端部16A及び後端部16Bとは車両に支持されているため、フロントカバー14及びリヤカバー16の紛失を防止できる。
【0044】
また、意図した荷重でフロントカバー14の後端部14Bのみをクリップ22の支持部22Bから離脱させるので、フロントカバー14とリヤカバー16とに大きな負荷が作用するのを防止できる。この結果、フロントカバー14とリヤカバー16との損傷を防止できる。
【0045】
このため、フロントカバー14の後端部14Bに形成された取付孔20の変形部32が塑性変形した場合にはその変形を修復することで、フロントカバー14の後端部14Bを再度車両に取付けることができる。このため、車両のリペアビリティが向上する。
【0046】
従って、本実施形態では、車両の空力性能及び車外・車室内騒音要求性能を確保しつつ車内に浸入した大量の水を排水でき、更に車両のリペアビリティも向上できる。
【0047】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態において、フロントカバー14又はリヤカバー16に車両内に浸入した少量の水を排水するための小さな水抜き孔を追加形成した構成としても良い。
【0048】
また、上記実施形態では、クリップ22によって、フロントカバー14の後端部14Bとリヤカバー16の前端部16Aとを車両に固定したが、これに代えて、クリップ22等の取付手段によって、フロントカバー14の後端部14Bをリヤカバー16の前端部16Aに固定し、リヤカバー16の前端部16Aは他の取付手段によって車両に固定した構成としても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、取付手段である軸部材としてのクリップ22を車両下方側から挿通したが、クリップ22を車両上方側から挿通した構成としても良い。
【0050】
また、上記実施形態では、取付手段である軸部材としてクリップ22を使用したが、クリップ22に代えて、ボルト、スクリュウ等の他の軸部材を使用しても良い。また、取付手段は軸部材に限定されず、フロントカバー14の後部をリヤカバー16の前部へ取付け、フロントカバー14の上面側に水が浸入した場合に水の押圧力によって、フロントカバー14の後部をリヤカバー16の前部から離脱してリヤカバー16との間に水抜き用の開口部を形成する部材であれば軸部材以外の他の取付手段でも良い。
【0051】
また、上記実施形態では、フロントカバー14の取付孔20の直径R2をリヤカバー16の取付孔24の直径R3より大きくし(R2>R3)、更に、フロントカバー14の取付孔20の周縁部に変形部32を形成したが、これに代えて、フロントカバー14の取付孔20の直径R2をリヤカバー16の取付孔24の直径R3より大きく(R2>R3)するが、変形部32を形成しない円形としても良い。また、フロントカバー14の取付孔20の直径R2とリヤカバー16の取付孔24の直径R3とを同じにし、フロントカバー14の取付孔20の周縁部に変形部32を形成した構成としても良い。また、フロントカバー14の取付孔20の形状は、三角形状、星型形状等の他の形状としても良い。
【0052】
また、上記実施形態では、フロントカバー14の取付孔20の周縁部に変形部32を形成したが、これに代えて、クリップ22の支持部22Bに変形部を形成し、クリップ22の支持部22Bが変形することで、フロントカバー14の後部をリヤカバー16の前部から離脱させる構成としても良い。
【0053】
また、上記実施形態では、フロントカバー14の後端部14Bとリヤカバー16の前端部16A以外の部位において、フロントカバー14とリヤカバー16とを締結部材40、44によって車両へ取付けているが、フロントカバー14の後端部14Bに比べて取付保持力が大きくなる取付構造であれば、締結部材40、44に代えて、クリップ等の他の取付手段を使用しても良い。
【0054】
また、フロントカバー14及びリヤカバー16の形状は上記実施形態の形状に限定されない。
【0055】
また、フロントカバー14及びリヤカバー16の車両下面への取付位置は上記実施形態の取付位置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図5の1−1線に沿った拡大断面図である。
【図2】図5の2−2線に沿った拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエンジンアンダカバー取付構造の水抜き状態を示す図1に対応する断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエンジンアンダカバー取付構造の要部を示す車両下方から見た平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るエンジンアンダカバー取付構造を示す車両下方から見た平面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 エンジンアンダカバー
14 エンジンアンダカバーのフロントカバー
16 エンジンアンダカバーのリヤカバー
18 取付孔
20 取付孔
22 クリップ(取付手段、軸部材)
22A クリップの係止部
22B クリップの支持部
28 取付孔
30 切欠
32 変形部
50 水抜き用の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンアンダカバーの車両前方側の部位を構成し車両へ取付けられるフロントカバーと、
エンジンアンダカバーの車両後方側の部位を構成し車両へ取付けられるリヤカバーと、
前記フロントカバーの後部を前記リヤカバーの前部へ取付け、前記フロントカバーの上面側に水が浸入した場合に前記水の押圧力によって、前記フロントカバーの後部を前記リヤカバーの前部から離脱させて前記リヤカバーとの間に水抜き用の開口部を形成する取付手段と、
を有することを特徴とするエンジンアンダカバーの取付構造。
【請求項2】
前記取付手段は、前記フロントカバーに形成された取付孔に挿通され、下部に前記フロントカバーを支持する支持部が設けられており、前記フロントカバーの取付孔の周縁部には変形することで前記支持部を通過可能な変形部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンアンダカバーの取付構造。
【請求項3】
前記取付手段は、前記リヤカバーの前部と前記フロントカバーの後部を車両に取付けており、前記フロントカバーの後部の取付保持力は前記リヤカバーの前部の取付保持力より小さいことを特徴とする請求項1に記載のエンジンアンダカバーの取付構造。
【請求項4】
前記取付手段は、前記フロントカバーの後部と前記リヤカバーの前部とを貫通する軸部材であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンアンダカバーの取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate