説明

エンジン装置

【課題】エンジン70への排気ガス浄化装置1の取り付け作業が簡単になる排気ガス浄化装置付きのエンジン装置を提供する。
【解決手段】本願発明のエンジン装置は、平面視でエンジン70の出力軸と交差する横方向に延びた円筒形状に形成した排気ガス浄化装置1を備える。前記エンジン70に支持体62を介して前記排気ガス浄化装置1を支持させる。前記エンジン70に設けた取付け部80の上面に前記支持体62を載せる。前記取付け部80の上面に、先付け締結具87にて前記支持体62を仮止めしてから、後付け締結具88にて前記支持体62を前記取付け部80の上面に締結することによって、前記取付け部80の上面に前記支持体62を介して前記排気ガス浄化装置1を着脱可能に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)等を除去する排気ガス浄化装置を備えたエンジン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディーゼルエンジンの排気経路中に、排気ガス浄化装置(後処理装置)としてディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を設け、DPFの酸化触媒又はスートフィルタ等によって、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスを浄化処理する技術が知られている(例えば特許文献1〜2参照)。
【0003】
また、DPFにおいて、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスの温度を検出する温度センサや、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスの圧力を検出する圧力センサを設ける技術も公知である(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、DPFにおいて、外側ケースの内部に内側ケースを二重構造に設け、酸化触媒又はスートフィルタ等を内側ケースに内設させる技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0005】
また、DPFにおいて、酸化触媒を入れたケースと、スートフィルタを入れたケースとを、ボルトによって締結するフランジを介して分離可能に連結する技術も知られている(例えば特許文献4〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−263593号公報
【特許文献2】特開2001−73748号公報
【特許文献3】特開2005−194949号公報
【特許文献4】特開2009−228516号公報
【特許文献5】特開2009−91982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、エンジンや機体側にDPFを組付ける場合、1人の作業者が両手でDPFを持上げて所定の姿勢に支持した状態で、もう1人の作業者が取付けボルトを締付けて、DPFを固定する必要があるから、DPFの組立工数を削減できない等の問題がある。
【0008】
一方、チェンブロック等の吊上げ機を利用してDPFを持上げることによって、1人の作業者が、取付けボルトを締付けて、エンジンや機体側にDPFを固定することができたが、吊上げ機を設置した場所での作業に限定される。DPFの着脱作業時間を簡単に短縮できない。即ち、DPFの組付け作業性又はメンテナンス作業性を向上できない等の問題がある。
【0009】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したエンジン装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、平面視でエンジン(70)の出力軸と交差する横方向に延びた円筒形状に形成した排気ガス浄化装置(1)を備え、前記エンジン(70)に支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を支持させているエンジン装置において、前記エンジン(70)に設けた取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を載せ、前記取付け部(80)の上面に、先付け締結具(87)にて前記支持体(62)を仮止めしてから、後付け締結具(88)にて前記支持体を前記取付け部(80)の上面に締結することによって、前記取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を着脱可能に固定しているというものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジン装置において、前記取付け部(80)の上面に形成したネジ孔(87b)(87b)に、前記支持体(62)に形成したボルト貫通孔(87a)(88a)を介して前記先付け締結具(87)及び前記後付け締結具(88)を締結する構造であって、前記支持体(62)には、前記ボルト貫通孔(87a)に前記先付け締結具(87)を係入させるための切欠き溝(89)を形成し、前記エンジン(70)に前記排気ガス浄化装置(1)を組み付けるときに不完全に螺着した前記先付け締結具(87)に前記切欠き溝(89)の開口部が向くように、前記支持体(62)の側縁部で前記切欠き溝(89)を開放させているというものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によると、平面視でエンジン(70)の出力軸と交差する横方向に延びた円筒形状に形成した排気ガス浄化装置(1)を備え、前記エンジン(70)に支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を支持させているエンジン装置において、前記エンジン(70)に設けた取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を載せ、前記取付け部(80)の上面に、先付け締結具(87)にて前記支持体(62)を仮止めしてから、後付け締結具(88)にて前記支持体(62)を前記取付け部(80)の上面に締結することによって、前記取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を着脱可能に固定しているから、前記エンジン(70)に前記排気ガス浄化装置(1)を組み付ける際はまず、前記先付け締結具(87)によって、前記支持体(62)を前記取付け部(80)の上面に仮止めする。当該仮止め状態では、前記排気ガス浄化装置(1)から作業者が両手を離せることになる。そして、作業者は両手を自由に使える状態で前記後付け締結具(88)を締め付けて前記支持体(62)を前記取付け部(80)の上面に固定すればよい。従って、作業者が一人であったとしても、重量物である前記排気ガス浄化装置(1)を簡単に着脱作業でき、前記排気ガス浄化装置(1)の組付け作業性を向上できる。
【0013】
請求項2の発明によると、前記取付け部(80)の上面に形成したネジ孔(87b)(87b)に、前記支持体(62)に形成したボルト貫通孔(87a)(88a)を介して前記先付け締結具(87)及び前記後付け締結具(88)を締結する構造であって、前記支持体(62)には、前記ボルト貫通孔(87a)に前記先付け締結具(87)を係入させるための切欠き溝(89)を形成し、前記エンジン(70)に前記排気ガス浄化装置(1)を組み付けるときに不完全に螺着した前記先付け締結具(87)に前記切欠き溝(89)の開口部が向くように、前記支持体(62)の側縁部で前記切欠き溝(89)を開放させているから、前記排気ガス浄化装置(1)の組付け作業時に、前記取付け部(80)上の前記先付け締結具(87)に前記支持体(62)を引っ掛けて仮止めしながら位置合せできる。従って、前記エンジン(70)側の取付け部(80)に、前記支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を簡単に組み付けできる。また、仮止め状態では、前記排気ガス浄化装置(1)の荷重にて生ずる前記支持体(62)の回転モーメントを、前記切欠き溝(89)の縁部を介して前記先付け締結具(87)で受け止めできる。つまり、仮止めに際して、前記排気ガス浄化装置(1)の荷重を前記支持体(62)で確実に支持できる。従って、重量物である前記排気ガス浄化装置(1)の組付け作業性向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態を示すDPFの断面説明図である。
【図2】DPFの外観斜視図である。
【図3】DPFの外観平面図である。
【図4】DPFの外観底面図である。
【図5】DPFの外観正面図である。
【図6】DPFの外観側面図である。
【図7】DPFの上流側の断面側面図である。
【図8】DPFの下流側の断面側面図である。
【図9】DPFの分解断面説明図である。
【図10】挟持フランジ(半円弧体)の分離側面図である。
【図11】触媒側接合フランジの拡大側面断面図である。
【図12】温度センサ用のセンサボス体の取付け部を示す拡大断面図である。
【図13】DPFを設けたディーゼルエンジンの平面図である。
【図14】DPFを設けたディーゼルエンジンの背面図である。
【図15】DPFを設けたディーゼルエンジンの左側図である。
【図16】DPFを設けたディーゼルエンジンの右側図である。
【図17】DPFを設けたディーゼルエンジンの背面斜視図である。
【図18】DPFを設けたディーゼルエンジンの平面斜視図である。
【図19】図18の部分拡大図である。
【図20】図19の組立(分解)説明図である。
【図21】図20の要部断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図13を参照して、本願発明を具体化した排気ガス浄化装置の第1実施形態を図面に基づいて説明する。排気ガス浄化装置としての連続再生式のディーゼルパティキュレートフィルタ1(以下、DPF1という)を備える。DPF1によって、ディーゼルエンジン70の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン70の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。
【0016】
図1、図6、図13に示す如く、排気ガス浄化装置としてのDPF1は、排気ガス中の粒子状物質(PM)等を捕集するためのものである。平面視でディーゼルエンジン70の出力軸(クランク軸)と交差する左右方向に長く延びた略円筒形状にDPF1を構成している。ディーゼルエンジン70のフライホイールハウジング78上にDPF1を配置する。DPF1の左右両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガス入口管16(排気ガス取入れ側)と、排気ガス出口管34(排気ガス排出側)とを、ディーゼルエンジン70の左右に振分けて設ける。DPF1の排気ガス取入れ側の排気ガス入口管16は、ディーゼルエンジン70の排気マニホールド71に着脱可能にボルト締結されている。DPF1の排気ガス排出側の排気ガス出口管34にテールパイプ107を接続させる。
【0017】
図1〜図6に示す如く、DPF1は、耐熱金属材料製のDPFケーシング60に、円筒型の内側ケース4,20を介して、例えば白金等のディーゼル酸化触媒2とハニカム構造のスートフィルタ3が直列に並べて収容された構造である。DPF1は、支持体としてのフランジ側ブラケット脚61とケーシング側ブラケット脚62を介して、フライホイールハウジング78に取付けられている。この場合、フランジ側ブラケット脚61の一端側は、DPFケーシング60の外周側に後述するフランジ40を介して着脱可能にボルト締結されている。ケーシング側ブラケット脚62の一端側は、DPFケーシング60の外周面に一体的に溶接固定されている。
【0018】
一方、図1〜6、図13、図18〜図21に示す如く、フランジ側ブラケット脚61の他端側は、フライホイールハウジング78上面のDPF取付け部80に、2本の後付けボルト88にて着脱可能に締結される。即ち、フランジ側ブラケット脚61にボルト貫通孔88aを開設する。DPF取付け部80にネジ孔88bを上向きに開設する。DPF取付け部80の扁平な上面にフランジ側ブラケット脚61を載せ、ネジ孔88bにボルト貫通孔88aを介して後付けボルト88を締結させて、フライホイールハウジング78上面にフランジ側ブラケット脚61を介してDPF1を着脱可能に固定させるように構成している。
【0019】
また、ケーシング側ブラケット脚62の他端側は、フライホイールハウジング78の上面(DPF取付け部)に、先付けボルト87と後付けボルト88にて着脱可能に締結される。即ち、ケーシング側ブラケット脚62にボルト貫通孔87a,88aを開設する。DPF取付け部80にネジ孔87bを上向きに開設する。DPF取付け部80の扁平な上面にケーシング側ブラケット脚62を載せ、ネジ孔87bにボルト貫通孔87a,88aを介して先付けボルト87及び後付けボルト88を締結させ、フライホイールハウジング78上面にケーシング側ブラケット脚62を介してDPF1を着脱可能に固定させるように構成している。
【0020】
さらに、図19〜図21に示す如く、ケーシング側ブラケット脚62の他端側には、ボルト貫通孔87aに先付けボルト87を係入させるための切欠き溝89が形成されている。ディーゼルエンジン70にDPF1を組付けるときに、切欠き溝89の開口部が先頭に位置するように、ケーシング側ブラケット脚62の前端縁に切欠き溝89が開放されている。なお、切欠き溝89の開放縁部は、末広がり状(先広がり状)のテーパに形成されている。
【0021】
上記の構成により、図21に示す如く、ディーゼルエンジン70にDPF1を組付ける場合、先ず、フライホイールハウジング78上面のDPF取付け部80にネジ孔87bを介して先付けボルト87を不完全に螺着させる。DPF取付け部80上面から、ケーシング側ブラケット脚62の板厚以上に先付けボルト87の頭部が離反した状態で、DPF取付け部80に先付けボルト87を支持させる。そして、作業者が両手でDPF1を持上げて、先付けボルト87の頭部に切欠き溝89を介してケーシング側ブラケット脚62のネジ孔87bを係止させ、フライホイールハウジング78上面にDPF1を仮止めする。その状態でDPF1から作業者が両手を離すことができる。
【0022】
その後、フランジ側ブラケット脚61とケーシング側ブラケット脚62とを、3本の後付けボルト88によってフライホイールハウジング78上面のDPF取付け部80に締結させる。一方、埋込みボルト17aと入口フランジ用ナット17bを介して、排気マニホールド71に入口フランジ体17を締結させ、排気マニホールド71に排気ガス入口管16を固着させる。なお、ケーシング側ブラケット脚62の上縁側に工具逃がし用ノッチ62aを形成し、入口フランジ用ナット17bを締付けるときに、レンチ(締付け工具)がケーシング側ブラケット脚62の上縁側に当接するのを、工具逃がし用ノッチ62aにて防止できる。
【0023】
次いで、フライホイールハウジング78上面のDPF取付け部80に先付けボルト87を完全に締結させて、排気マニホールド71の排気ガス出口側とフライホイールハウジング78上面とにDPF1を着脱可能に固着させ、ディーゼルエンジン70にDPF1を組付ける作業を完了する。なお、DPFケーシング60の着脱方向の前面側に、切欠き溝89を介してケーシング側ブラケット脚62の前側縁にボルト差込み用のボルト貫通孔87aを開放したから、先付けボルト87を不完全な締結(半固定)姿勢に仮止め装着した状態で、DPFケーシング60を両手で持ち上げて、ディーゼルエンジン70(又は本機)の取付け部位、即ちフライホイールハウジング78上面に移動させることによって、その先付けボルト87に切欠き溝89を介してボルト貫通孔87aを係合できる。
【0024】
即ち、作業者は、DPFケーシング60から手を離した状態で、後付ボルト88(ボルト)を締付けてフランジ側ブラケット脚61及びケーシング側ブラケット脚62を締結できる。なお、前記と逆の手順にてDPF1を取外すことができる。その結果、DPF1(DPFケーシング60)は、前記各ブラケット脚61,62と排気マニホールド71とにより、高剛性部材であるフライホイールハウジング78の上部で、ディーゼルエンジン70の後部に安定良く連結支持できる。また、1人の作業者によって、ディーゼルエンジン70へのDPF1の着脱作業を実行できる。
【0025】
上記の構成により、ディーゼルエンジン70の排気ガスは、ディーゼルエンジン70の排気マニホールド71から、DPFケーシング60内のディーゼル酸化触媒2側に流入し、ディーゼル酸化触媒2からスートフィルタ3側に移動して浄化処理される。排気ガス中の粒子状物質は、スートフィルタ3における各セル間の多孔質形状の仕切り壁を通り抜けできない。即ち、排気ガス中の粒子状物質は、スートフィルタ3に捕集される。その後、ディーゼル酸化触媒2及びスートフィルタ3を通過した排気ガスがテールパイプ107に放出される。
【0026】
排気ガスがディーゼル酸化触媒2及びスートフィルタ3を通過する際に、排気ガスの温度が再生可能温度(例えば約300℃)を超えていることによって、ディーゼル酸化触媒2の作用にて、排気ガス中のNO(一酸化窒素)が不安定なNO2(二酸化窒素)に酸化される。そして、NO2がNOに戻る際に放出するO(酸素)によって、スートフィルタ3に捕集された粒子状物質が酸化除去される。なお、スートフィルタ3に粒子状物質が堆積した場合、再生可能温度以上に排気ガスの温度を保持することによって、粒子状物質が酸化除去されるから、スートフィルタ3の粒子状物質の捕集能力が回復する(スートフィルタ3が再生する)。
【0027】
図1及び図9を参照して、ディーゼルエンジン70が排出した排気ガスを浄化する排気ガス浄化体(フィルタ)の一例であるディーゼル酸化触媒2を組付ける構造を説明する。ディーゼル酸化触媒2は、耐熱金属材料製で略円筒型の触媒内側ケース4内に設けられている。触媒内側ケース4は、耐熱金属材料製で略円筒型の触媒外側ケース5内に設けられている。すなわち、ディーゼル酸化触媒2の外側に、セラミックファイバー製でマット状の触媒断熱材6を介して、触媒内側ケース4を被嵌させている。ディーゼル酸化触媒2と触媒内側ケース4の間に触媒断熱材6を圧入して、ディーゼル酸化触媒2を保護している。
【0028】
また、触媒内側ケース4の外側に、端面L字状の薄板製支持体7を介して触媒外側ケース5を被嵌させている。触媒外側ケース5は、前述したDPFケーシング60を構成する要素の1つである。なお、触媒断熱材6によってディーゼル酸化触媒2が保護される。触媒内側ケース4に伝わる触媒外側ケース5の応力(機械振動、変形力)を薄板製支持体7にて低減させる。
【0029】
図1及び図9に示す如く、触媒内側ケース4及び触媒外側ケース5の一側端部に円板状の側蓋体8を溶接にて固着している。側蓋体8の外面側には外蓋体9がボルト及びナットにて締結されている。ディーゼル酸化触媒2のガス流入側端面2aと側蓋体8とは、一定距離L1(ガス流入空間11)だけ離間させる。ディーゼル酸化触媒2のガス流入側端面2aと左側蓋体8との間に排気ガス流入空間11を形成する。触媒内側ケース4及び触媒外側ケース5には、排気ガス流入空間11に臨む排気ガス流入口12を開口させる。触媒内側ケース4の開口縁と触媒外側ケース5の開口縁の間に閉塞リング体15を挟持状に固着する。触媒内側ケース4の開口縁と触媒外側ケース5の開口縁の間の隙間が閉塞リング体15にて閉鎖されるから、触媒内側ケース4と触媒外側ケース5の間に排気ガスが流入するのを防止できる。
【0030】
図1〜6、図9に示す如く、排気ガス流入口12が形成された触媒外側ケース5の外側面に排気ガス入口管16を配置する。排気ガス入口管16の一方の開口端部に入口フランジ体17を溶接固定する。ディーゼルエンジン70の排気マニホールド71に入口フランジ体17を着脱可能にボルト締結する。排気マニホールド71に排気ガス入口管16の一方の開口端部を連通させる。排気ガス入口管16の他方の開口端部は、排気ガス流入口12を外側から覆うようにして、触媒外側ケース5の外側面に溶接されている。なお、触媒外側ケース5の外側面と入口フランジ体17の側縁の間に一対の補強ブラケット体18を溶接固定し、排気マニホールド71と排気ガス入口管16の連結強度を確保している。
【0031】
上記の構成により、ディーゼルエンジン70の排気ガスが、排気マニホールド71から排気ガス入口管16に入り、排気ガス入口管16から排気ガス流入口12を介して排気ガス流入空間11に入り、ディーゼル酸化触媒2にこの左側のガス流入側端面2aから供給される。ディーゼル酸化触媒2の酸化作用によって、二酸化窒素(NO2)が生成される。
【0032】
図1及び図9を参照して、ディーゼルエンジン70が排出した排気ガスを浄化する排気ガス浄化体(フィルタ)の一例であるスートフィルタ3を組付ける構造を説明する。スートフィルタ3は、耐熱金属材料製で略円筒型のフィルタ内側ケース20内に設ける。フィルタ内側ケース20は、耐熱金属材料製で略円筒型のフィルタ外側ケース21内に設ける。即ち、スートフィルタ3の外側に、セラミックファイバー製でマット状のフィルタ断熱材22を介して、フィルタ内側ケース20を被嵌させている。フィルタ外側ケース21は、触媒外側ケース5と共に、前述したDPFケーシング60を構成する要素の1つである。なお、スートフィルタ3とフィルタ内側ケース20の間にフィルタ断熱材22を圧入して、スートフィルタ3を保護している。
【0033】
図1及び図9に示す如く、稜線が直線の円筒状に形成された触媒内側ケース4は、ディーゼル酸化触媒2を収容する上流側筒部4aと、後述するフィルタ内側ケース20が挿入される下流側筒部4bとにより構成されている。なお、上流側筒部4aと下流側筒部4bとは略同一径の円筒である。さらに、触媒内側ケース4の外周に溶接固定する薄板状リング形の触媒側接合フランジ25と、フィルタ内側ケース20の外周に溶接固定する薄板状リング形のフィルタ側接合フランジ26を備える。触媒側接合フランジ25と、フィルタ側接合フランジ26は、断面端面がL形状のドーナツ形に形成している。
【0034】
触媒内側ケース4の下流側筒部4bの端部に、触媒側接合フランジ25のL形断面端面の内周側を溶接固定する。触媒外側ケース5の外周側(放射方向)に向けて、触媒側接合フランジ25のL形断面端面の外周側を突出させる。触媒側接合フランジ25のL形断面端面の折り曲げ角部に段部25aを形成する。触媒外側ケース5の下流側の端部が段部25aに溶接固定されている。
【0035】
一方、フィルタ内側ケース20の外周のうち、排気ガス移動方向の中途部に、フィルタ側接合フランジ26のL形断面端面の内周側を溶接固定する。フィルタ外側ケース21の外周側(放射方向)に向けて、フィルタ側接合フランジ26のL形断面端面の外周側を突出させる。フィルタ側接合フランジ26のL形断面端面の折り曲げ角部に段部26aを形成する。フィルタ外側ケース21の上流側の端部が段部26aに溶接固定されている。なお、フィルタ内側ケース20は、稜線が直線の円筒状に形成されている。フィルタ内側ケース20の排気ガス上流側端部と下流側端部とは略同一径の円筒である。
【0036】
また、ディーゼル酸化触媒2の外径とスートフィルタ3の外径とを等しく形成する。フィルタ断熱材22の厚みに比べて、触媒断熱材6の厚みを大きく形成している。一方、触媒内側ケース4とフィルタ内側ケース20は、同一板厚の材料にて形成する。触媒内側ケース4の下流側筒部4bの内径に比べ、フィルタ内側ケース20の外径を小さく形成する。触媒内側ケース4の内周面とフィルタ内側ケース20の外周面の間に下流側隙間23を形成する。下流側隙間23は、前記各ケース4,20の板厚(例えば1,5ミリメートル)よりも大きな寸法(例えば2ミリメートル)に形成する。例えば、前記各ケース4,20が、錆びたり、熱変形しても、触媒内側ケース4の下流側筒部4bにフィルタ内側ケース20の排気ガス上流側端部を簡単に出入できる。
【0037】
図1〜図5、図9、図12に示す如く、ガスケット24を介して触媒側接合フランジ25とフィルタ側接合フランジ26とを突き合わせる。各外側ケース5,21の外周側を囲う一対の厚板状の中央挟持フランジ51,52にて、各接合フランジ25,26を排気ガス移動方向の両側から挟む。ボルト27及びナット28にて、各中央挟持フランジ51,52を締結して、各接合フランジ25,26を挟持することにより、触媒外側ケース5とフィルタ外側ケース21とが着脱可能に連結される。
【0038】
図1、図12に示す如く、各中央挟持フランジ51,52及び各接合フランジ25,26を介して、触媒外側ケース5の下流側端部にフィルタ外側ケース21の上流側端部を連結した状態では、ディーゼル酸化触媒2とスートフィルタ3の間に触媒下流側空間29が形成される。即ち、ディーゼル酸化触媒2の下流側端部と、スートフィルタ3(フィルタ内側ケース20)の上流側端部とが、センサ取付け用間隔L2だけ離れて対峙する。
【0039】
図1及び図9に示すように、触媒内側ケース4における上流側筒部4aの排気ガス移動方向の円筒長さL3よりも、触媒外側ケース5の排気ガス移動方向の円筒長さL4を長く形成する。フィルタ内側ケース20の排気ガス移動方向の円筒長さL5よりも、フィルタ外側ケース21の排気ガス移動方向の円筒長さL6が短く形成されている。触媒下流側空間29のセンサ取付け用間隔L2と、触媒内側ケース4の上流側筒部4aの円筒長さL3と、フィルタ内側ケース20の円筒長さL5とを加算した長さ(L2+L3+L5)が、触媒外側ケース5の円筒長さL4と、フィルタ外側ケース21の円筒長さL6とを加算した長さ(L4+L6)にほぼ等しくなるように構成されている。
【0040】
また、フィルタ内側ケース20の上流側の端部は、フィルタ外側ケース21の上流側の端部から、各ケース20,21の長さの差(L7≒L5−L6)だけ突出している。そのため、触媒外側ケース5にフィルタ外側ケース21を連結した状態では、フィルタ外側ケース21から突出したフィルタ内側ケース20の上流側寸法L7だけ、触媒外側ケース5の下流側(触媒内側ケース4の下流側筒部4b)に、フィルタ内側ケース20の上流側の端部が挿入される。即ち、下流側筒部4b(触媒下流側空間29)内に、フィルタ内側ケース20の上流側が抜出し可能に挿入される。
【0041】
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒2の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ3内に一側端面(取入れ側端面)3aから供給される。ディーゼルエンジン70の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ3に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン70の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン70の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
【0042】
図1、図8及び図9に示す如く、ディーゼルエンジン70が排出した排気ガス音を減衰させる消音器30は、耐熱金属材料製で略円筒形の消音内側ケース31と、耐熱金属材料製で略円筒形の消音外側ケース32と、消音外側ケース32の下流側の側端部に溶接にて固着した円板状の側蓋体33とを有する。消音外側ケース32内に消音内側ケース31を設ける。消音外側ケース32は、触媒外側ケース5及びフィルタ外側ケース21と共に、前述したDPFケーシング60を構成する。なお、円筒形の消音外側ケース32の直径は、円筒形の触媒外側ケース5の直径又は円筒形のフィルタ外側ケース21の直径と略同一寸法である。
【0043】
消音内側ケース31の排気ガス移動方向の両側端部には、円盤状の内蓋体36,37がそれぞれ溶接にて固着されている。各内蓋体36,37の間には一対の排気ガス導入管38が設けられている。各排気ガス導入管38の上流側端部は上流内蓋体36を貫通している。各排気ガス導入管38の下流側端部は下流内蓋体37にて塞がれている。各排気ガス導入管38の中間部には複数の連通孔39が形成されている。各排気ガス導入管38内に連通孔39を介して膨張室45を連通している。膨張室45は、消音内側ケース31の内部(各内蓋体36,37の間)に形成されている。
【0044】
消音内側ケース31及び消音外側ケース32には、各排気ガス導入管38の間に配置した排気ガス出口管34を貫通させている。排気ガス出口管34の一端側が出口蓋体35によって閉塞されている。消音内側ケース31の内部における排気ガス出口管34の全体に多数の排気孔46が開設されている。各排気ガス導入管38が、複数の連通孔39、膨張室45及び多数の排気孔46を介して、排気ガス出口管34に連通されている。排気ガス出口管34の他端側にテールパイプ48を接続する。上記の構成により、消音内側ケース31の両排気ガス導入管38内に入り込んだ排気ガスは、複数の連通孔39、膨張室45及び多数の排気孔46を介して排気ガス出口管34を通過し、テールパイプ48を介して消音器30外に排出される。
【0045】
図1及び図9に示す如く、フィルタ内側ケース20の下流側の端部に、薄板状リング形のフィルタ出口側接合フランジ40の内径側が溶接固定されている。フィルタ外側ケース21の外周側(半径外側、放射方向)に向けてフィルタ出口側接合フランジ40の外径側を突出させる。フィルタ出口側接合フランジ40の外周側(端面L形の角隅部)に、フィルタ外側ケース21の下流側の端部が溶接固定されている。消音内側ケース31の上流側の端部に、消音外側ケース32の外周側(半径外側)にはみ出る薄板状の消音側接合フランジ41が溶接固定されている。なお、消音側接合フランジ41の排気ガス上流側に、消音内側ケース31の上流側を、所定円筒寸法L10だけ突出させる。消音側接合フランジ41の下流側で消音内側ケース31の外周面に、消音外側ケース32の上流側の端部が溶接固定されている。
【0046】
図1及び図7〜図10に示すように、ガスケット24を介してフィルタ出口側接合フランジ40と消音側接合フランジ41とを突き合わせ、各外側ケース21,32の外周側を囲う一対の厚板状の出口挟持フランジ53,54にて、各接合フランジ40,41を排気ガス移動方向の両側から挟持させる。ボルト42及びナット43にて、各接合フランジ40,41に各出口挟持フランジ53,54を締結することにより、フィルタ外側ケース21と消音外側ケース32とが着脱可能に連結される。
【0047】
図1及び図9に示すように、消音内側ケース31の排気ガス移動方向の円筒長さL8より、消音外側ケース32の排気ガス移動方向の円筒長さL9が短く形成されている。消音内側ケース31の上流側の端部は、消音外側ケース32の上流側の端部(接合フランジ41)から、各ケース31,32の長さの差(L10≒L8−L9)だけ突出している。即ち、フィルタ外側ケース21に消音外側ケース32を連結した状態では、消音内側ケース31の上流側の端部が突出した寸法L10だけ、フィルタ外側ケース21の下流側端部(フィルタ出口側接合フランジ40)内に形成されたフィルタ下流側空間49に、消音内側ケース31の上流側端部が挿入される。
【0048】
図1及び図7〜図10に示す如く、厚板状の中央挟持フランジ51(52)は、触媒外側ケース5(フィルタ外側ケース21)の周方向に複数(実施形態では2つ)に分割された半円弧体51a,51b(52a,52b)にて構成されている。実施形態の各半円弧体51a,51b(52a,52b)は円弧状(ほぼ半円状の馬蹄形)に形成されている。触媒外側ケース5にフィルタ外側ケース21を連結した状態では、各半円弧体51a,51b(52a,52b)の各端部が当接する。即ち、各半円弧体51a,51b(52a,52b)によって、触媒外側ケース5(フィルタ外側ケース21)の外周側が環状に囲われるように構成している。
【0049】
中央挟持フランジ51(52)には、周方向に沿った等間隔で、貫通穴付きのボルト締結部55が複数設けられている。実施形態では、1組の中央挟持フランジ51に付き8箇所のボルト締結部55を備えている。各半円弧体51a,51b(52a,52b)単位で見ると、円周方向に沿った等間隔で4箇所ずつボルト締結部55が設けられている。一方、触媒側接合フランジ25及びフィルタ側接合フランジ26には、中央挟持フランジ51(52)の各ボルト締結部55に対応するボルト孔56が貫通形成されている。
【0050】
触媒外側ケース5とフィルタ外側ケース21とを連結するに際しては、触媒外側ケース5の外周側を触媒側の両半円弧体51a,51bで囲うと共に、フィルタ外側ケース21の外周側をフィルタ側の両半円弧体52a,52bで囲い、ガスケット24を挟持した触媒側接合フランジ25とフィルタ側接合フランジ26とを、これら半円弧体群(中央挟持フランジ51,52)にて排気ガス移動方向の両側から挟持する。
【0051】
前記の状態で、両側の中央挟持フランジ51,52のボルト締結部55と、両接合フランジ25,26のボルト孔56とに、ボルト27を挿入してナット28で締め付ける。その結果、両接合フランジ25,26が両中央挟持フランジ51,52で挟み固定され、触媒外側ケース5とフィルタ外側ケース21との連結が完了する。ここで、触媒側の半円弧体51a,51bと、フィルタ側の半円弧体52a,52bとの端部同士の突合せ部分は、互いに72°位相をずらして位置させるように構成されている。
【0052】
図1及び図7〜図10に示す如く、厚板状の出口挟持フランジ53(54)は、フィルタ外側ケース21(消音外側ケース32)の周方向に複数(実施形態では2つ)に分割された半円弧体53a,53b(54a,54b)にて構成されている。実施形態の各半円弧体53a,53b(54a,54b)は、中央挟持フランジ51(52)の半円弧体51a,51b(52a,52b)と基本的に同じ形態のものである。出口挟持フランジ53(54)にも、周方向に沿った等間隔で、貫通穴付きのボルト締結部57が複数設けられている。一方、フィルタ出口側接合フランジ40及び消音側接合フランジ41には、出口挟持フランジ53(54)の各ボルト締結部57に対応するボルト孔58が貫通形成されている。
【0053】
フィルタ外側ケース21と消音外側ケース32とを連結するに際しては、フィルタ外側ケース21の外周側をフィルタ出口側の両半円弧体53a,53bで囲うと共に、消音外側ケース32の外周側を消音側の両半円弧体54a,54bで囲い、ガスケット24を挟持したフィルタ出口側接合フランジ40と消音側接合フランジ41とを、これら半円弧体群(出口挟持フランジ53,54)にて排気ガス移動方向の両側から挟持する。
【0054】
前記の状態で、両側の出口挟持フランジ53,54のボルト締結部57と、両接合フランジ40,41のボルト孔58とに、ボルト42を挿入してナット43で締め付ける。その結果、両接合フランジ40,41が両出口挟持フランジ53,54で挟み固定され、フィルタ外側ケース21と消音外側ケース32との連結が完了する。ここで、フィルタ出口側の半円弧体53a,53bと、消音側の半円弧体54a,54bとの端部同士の突合せ部分は、互いに72°位相をずらして位置させるように構成されている。
【0055】
図1及び図7〜図10に示す如く、挟持フランジ51〜54のうち少なくとも1つに、DPFケーシング60(外側ケース5,21,32)をディーゼルエンジン70に支持させる支持体としての左ブラケット脚61が取り付けられている。実施形態では、フィルタ出口側の出口挟持フランジ53のうち一方の半円弧体53aに、貫通穴付きの支持体締結部59が、隣り合うボルト締結部57の間に位置するように2箇所に一体形成されている。一方、左ブラケット脚61には、前述の支持体締結部59に対応する取付けボス部86が一体形成されている。
【0056】
上記の構成により、フィルタ出口側にある一方の半円弧体53aの支持体締結部59に、左ブラケット脚61の取付けボス部86をボルト締結することにより、フィルタ出口側の出口挟持フランジ53に左ブラケット脚61が着脱可能に固定される。右ブラケット脚62の一端側は、DPFケーシング60(触媒外側ケース5)の外周側に溶接固定され、左右両ブラケット脚61,62の他端側は、フライホイールハウジング78の上面に形成されたDPF取付部80にボルト締結されることは、先の説明の通りである。その結果、DPF1は、左右両ブラケット脚61,62とタービンケース101の排気ガス排出管103とにより、高剛性部材であるフライホイールハウジング78の上部に安定的に連結支持される。
【0057】
図1及び図7〜図10に示す如く、エンジン70が排出した排気ガスを浄化するガス浄化体(ディーゼル酸化触媒2,スートフィルタ3)と、ディーゼル酸化触媒2,スートフィルタ3を内蔵する各内側ケース4,20,31と、各内側ケース4,20,31を内蔵する各外側ケース5,21,32とを有している。また、前記各内側ケース4,20,31は、各外側ケース5,21,32の外周側にはみ出る接合フランジ25,26,40,41を介して、各外側ケース5,21,32に連結させる。ガス浄化体(ディーゼル酸化触媒2,スートフィルタ3)、各内側ケース4,20,31及び各外側ケース5,21,32の組合せを複数組備え、各接合フランジ25,26(40,41)を一対の挟持フランジ51,52(53,54)にて挟持固定することによって、複数の外側ケース5,21,32を連結する。
【0058】
したがって、隣り合う接合フランジ25,26(40,41)を、各挟持フランジ51,52(53,54)にて両側から挟み付けて圧接(密着)できる。しかも、挟持フランジ51〜54を外側ケース5,21,32に溶接することなく別体に構成するので、挟持フランジ51〜54と外側ケース5,21,32との関係において、溶接に起因する応力集中や歪の問題が生ずるおそれはない。このため、各接合フランジ25,26(40,41)の全体に略均一な圧接力を付与できると共に、挟持フランジ51〜54のシール面(挟持面)の面圧を高い状態に維持できる。その結果、各接合フランジ25,26(40,41)の間からの排気ガス漏れを確実に防止できる。
【0059】
図1及び図7〜図10に示す如く、各挟持フランジ51〜54は、外側ケース5,21,32の周方向に複数に分割された馬蹄形の半円弧体51a,51b(52a,52b,53a,53b,54a,54b)からなり、複数の半円弧体51a,51b(52a,52b,53a,53b,54a,54b)にて外側ケース5,21,32の外周側を囲うように構成している。したがって、複数の半円弧体51a,51b(52a,52b,53a,53b,54a,54b)で構成された挟持フランジ51〜54でありながら一体物と同様の組付け状態になる。このため、リング形状のものに比べて挟持フランジ51〜54の組付けが容易であり、組付け作業性を向上できる。また、加工コストや組付けコストを抑制しつつ、シール性の高いDPF1を構成できる。
【0060】
次に、図11を参照しながら、各接合フランジ25,26,40の詳細構造について説明する。各接合フランジ25,26,40はいずれも基本的に同じ構造であるから、触媒内側ケース4と触媒外側ケース5とに溶接固定される触媒側接合フランジ25を代表例として説明する。図11は実施形態における触媒側接合フランジ25の拡大側面断面図を示している。図11に示す如く、触媒側接合フランジ25は、この断面端面がL形の中間に、階段状に折り曲げられた段部25aを有する。段部25aに触媒外側ケース5の下流側端部を被嵌させ、触媒外側ケース5の下流側端部に段部25aを溶接固定させる。
【0061】
一方、触媒内側ケース4(触媒外側ケース5)の延長方向(排気ガス移動方向)に触媒側接合フランジ25のL形の内径側端部25bが延設される。触媒内側ケース4の下流側端部に内径側端部25bを被嵌させ、触媒内側ケース4に内径側端部25bを溶接固定させる。他方、触媒外側ケース5の外周から放射方向(鉛直方向)に向けて、触媒側接合フランジ25のL形の外径側端部25cを延設させる。触媒側接合フランジ25の断面端面L形状と段部25aの形成によって、触媒側接合フランジ25の高い剛性が確保されている。
【0062】
なお、挟持フランジ51,52と接合フランジ25,26に、各々のボルト孔56を介して、ボルト27を貫通させ、ナット28を螺着させて、挟持フランジ51,52と接合フランジ25,26を締結させるもので、触媒側接合フランジ25の外径側端部25cが挟持フランジ51,52にて挟持されるのは前述の通りである。
【0063】
次に、図1、図12に示す如く、DPF1に付設する上流側ガス温度センサ109(下流側ガス温度センサ112)について説明する。触媒内側ケース4の上流側筒部4aと下流側筒部4bの間で、触媒内側ケース4の外周面に円筒状のセンサボス体110の一端側を溶接固定する。触媒外側ケース5のセンサ取付け開口5aから、該ケース5の外側に向けて、放射方向にセンサボス体110の他端側を延長させる。センサボス体110の他端側にセンサ取付けボルト111を螺着する。センサ取付けボルト111に例えばサーミスタ形の上流側ガス温度センサ109を貫通させ、センサボス体110にセンサ取付けボルト111を介して上流側ガス温度センサ109を支持させる。触媒下流側空間29内に上流側ガス温度センサ109の検出部分を突入させている。
【0064】
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒2のガス流出側端面2bから排気ガスが排出されたとき、その排気ガス温度が上流側ガス温度センサ109にて検出される。なお、前記と同様に、図1に示す如く、センサボス体110にセンサ取付けボルト111を介して例えばサーミスタ形の下流側ガス温度センサ112を取付け、スートフィルタ3の他側端面(排出側端面)3bの排気ガスの温度を下流側ガス温度センサ112にて検出させる。
【0065】
次に、図10、図13〜図20を参照して、DPF1に付設する差圧センサ63の取付け構造について説明する。図13に示す如く、排気ガス圧力センサとして、差圧センサ63が設けられている。差圧センサ63は、DPF1内におけるスートフィルタ3を挟んだ上流側及び下流側間の排気ガスの圧力差を検出するためのものである。当該圧力差に基づいてスートフィルタ3の粒子状物質の堆積量が換算され、DPF1内の詰り状態を把握できるように構成している。即ち、差圧センサ63にて検出された排気ガスの圧力差に基づき、例えば図示しないアクセル制御手段又は吸気スロットル制御手段等を作動させることによって、スートフィルタ3の再生制御を自動的に実行できるように構成されている。
【0066】
図13〜図19に示す如く、消音側の入口挟持フランジ54にセンサブラケット66をボルト締結して、DPFケーシング60の上面側にセンサブラケット66を配置させる。差圧センサ63の検出本体67がセンサブラケット66に取付けられる。差圧センサ63の検出本体67には、上流側センサ配管68と下流側センサ配管69を介して上流側管継手体64と下流側管継手体65がそれぞれ接続される。DPFケーシング60には、前記センサボス体110と同様に、センサボス体113が配置される。管継手ボルト114によってセンサボス体113に上流側管継手体64(下流側管継手体65)が締結される。
【0067】
図10、図13〜図19に示す如く、消音側の入口挟持フランジ54の一部にセンサ支持部44を一体形成し、センサ支持部44にセンサブラケット66をボルト47にて締結している。フィルタ出口側の出口挟持フランジ53(排気ガス圧力センサ取付け用のフランジ体)に、ボルト42及びナット43を介して、消音側の入口挟持フランジ54(排気ガス浄化ケース取付け用のフランジ体)が着脱可能に締結されている。即ち、排気ガス圧力センサ取付け用のセンサブラケット66をセンサ支持部44に着脱可能に設け、フィルタ外側ケース(排気ガス浄化ケース)21の外側面に差圧センサ(排気ガス圧力センサ)63を配置している。
【0068】
図13、図15、図19に示す如く、排気ガス浄化ケースとしての触媒内側ケース4(又はフィルタ内側ケース20)に、センサ配管体としてのセンサボス体113を設ける。該センサボス体113に管継手ボルト114を介してセンサ配管接続用の上流側管継手体64(又は下流側管継手体65)を締結し、排気ガス浄化ケースとしての触媒外側ケース5(又はフィルタ外側ケース21)の外周形状に沿わせて、センサボス体113から排気ガス圧力センサとしての差圧センサ67に向けて、鋼管製の上流側センサ配管68(又は下流側センサ配管69)を延長させている。上流側センサ配管68(又は下流側センサ配管69)に、合成樹脂製の上流側可とう管137(又は下流側可とう管138)を介して、差圧センサ67が接続されている。
【0069】
上記の構成により、スートフィルタ3の流入側の排気ガス圧力と、スートフィルタ3の流出側の排気ガス圧力の差(排気ガスの差圧)が、差圧センサ67を介して検出される。スートフィルタ3に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ3に残留する粒子状物質の量が所定以上に増加したときに、差圧センサ67の検出結果に基づき、スートフィルタ3の粒子状物質量を減少させる再生制御(例えば排気温度を上昇させる制御)が実行される。再生制御可能範囲以上に、粒子状物質の残留量がさらに増加したときには、DPFケーシング60を着脱分解して、スートフィルタ3を掃除し、粒子状物質を人為的に除去するメンテナンス作業が行われる。
【0070】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、ディーゼルエンジン70が排出した排気ガスを浄化するガス浄化体としてのディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3と、ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3を内設させるガス浄化ハウジング60(触媒内側ケース4、触媒外側ケース5、フィルタ内側ケース20、フィルタ外側ケース21)を備える排気ガス浄化装置において、ガス浄化ハウジングとしてのDPFケーシング60を支持する支持ブラケットとしてのケーシング側ブラケット脚62を備える構造であって、ケーシング側ブラケット脚62にボルト貫通孔87aを形成し、ケーシング側ブラケット脚62に差込みガイドとしての切欠き溝89を形成し、前記ボルト貫通孔87aに切欠き溝89を介して取付けボルト(締結具)としての先付けボルト87を係脱させるように構成している。
【0071】
したがって、ケーシング側ブラケット脚62が連結されるディーゼルエンジン70側又は本機側の取付け部位(DPF取付部80)に半固定状態で仮止め用の先付けボルト87を装着した後、先付けボルト87に切欠き溝89を介してボルト貫通孔87aを係合させ、前記取付け部位にDPFケーシング60を支持させることができる。即ち、作業者は、DPFケーシング60から手を離した状態で、後付け用の取付けボルト88を締付けてケーシング側ブラケット脚62を締結できる。一人の作業者によってDPFケーシング60を着脱作業できる。重量物であるDPFケーシング60の組付け作業性を向上できる。
【0072】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、ケーシング側ブラケット脚62に開設したボルト差込み用切欠きによって切欠き溝89を形成し、切欠き溝89を介してケーシング側ブラケット脚62の側縁にボルト貫通孔87aを開放させ、仮止め状態の先付けボルト87に切欠き溝89を介してボルト貫通孔87aを係合させ、仮止め状態の先付けボルト87を介してDPFケーシング60(ガス浄化ハウジング)を支持可能に構成している。
【0073】
したがって、半固定状態で仮止めされた先付けボルト87に切欠き溝89を介してボルト貫通孔87aを係合できる。即ち、作業者は、DPFケーシング60から手を離した状態で、後付け用の取付けボルト88を締付けてケーシング側ブラケット脚62を締結できる。一人の作業者によってDPFケーシング60を着脱作業できる。重量物であるDPFケーシング60の組付け作業性を向上できる。
【0074】
図13及び図18〜図21から明らかなように、平面視でエンジン70の出力軸と交差する横方向に延びた円筒形状に形成した排気ガス浄化装置1を備え、前記エンジン70に支持体62を介して前記排気ガス浄化装置1を支持させているエンジン装置において、前記エンジン70に設けた取付け部80の上面に前記支持体62を載せ、前記取付け部80の上面に、先付け締結具87にて前記支持体62を仮止めしてから、後付け締結具88にて前記支持体62を前記取付け部80の上面に締結することによって、前記取付け部80の上面に前記支持体62を介して前記排気ガス浄化装置1を着脱可能に固定しているから、前記エンジン70に前記排気ガス浄化装置1を組み付ける際はまず、前記先付け締結具87によって、前記支持体62を前記取付け部80の上面に仮止めする。当該仮止め状態では、前記排気ガス浄化装置1から作業者が両手を離せることになる。そして、作業者は両手を自由に使える状態で前記後付け締結具88を締め付けて前記支持体62を前記取付け部80の上面に固定すればよい。従って、作業者が一人であったとしても、重量物である前記排気ガス浄化装置1を簡単に着脱作業でき、前記排気ガス浄化装置1の組付け作業性を向上できる。
【0075】
図13及び図18〜図21から明らかなように、前記取付け部80の上面に形成したネジ孔87b,87bに、前記支持体62に形成したボルト貫通孔87a,88aを介して前記先付け締結具87及び前記後付け締結具88を締結する構造であって、前記支持体62には、前記ボルト貫通孔87aに前記先付け締結具87を係入させるための切欠き溝89を形成し、前記エンジン70に前記排気ガス浄化装置1を組み付けるときに不完全に螺着した前記先付け締結具87に前記切欠き溝89の開口部が向くように、前記支持体62の側縁部で前記切欠き溝89を開放させているから、前記排気ガス浄化装置1の組付け作業時に、前記取付け部80上の前記先付け締結具87に前記支持体62を引っ掛けて仮止めしながら位置合せできる。従って、前記エンジン70側の取付け部80に、前記支持体62を介して前記排気ガス浄化装置1を簡単に組み付けできる。また、仮止め状態では、前記排気ガス浄化装置1の荷重にて生ずる前記支持体62の回転モーメントを、前記切欠き溝89の縁部を介して前記先付け締結具87で受け止めできる。つまり、仮止めに際して、前記排気ガス浄化装置1の荷重を前記支持体62で確実に支持できる。従って、重量物である前記排気ガス浄化装置1の組付け作業性向上に貢献する。
【0076】
図13及び図18〜図21から明らかなように、エンジン70に支持体61,62を介して排気ガス浄化装置1を支持させているエンジン装置において、前記排気ガス浄化装置1を構成するケーシング60の外周側に、フランジ体40を介して一方の前記支持体61の一端側を締結しているから、前記一方の支持体61を前記ケーシング60とは別個独立に構成することになる。このため、溶接に起因した応力集中や歪の問題を回避できる。前記ケーシング60に対する前記一方の支持体61の組付け作業性を向上できる。
【0077】
図13及び図18〜図21から明らかなように、前記エンジン70におけるフライホイールハウジング78上面に取付け部80を設け、前記取付け部80の上面に前記各支持体61,62を載せ、先付け締結具87及び後付け締結具88によって前記他方の支持体62を前記取付け部80の上面に締結してから、後付け締結具88,88によって前記一方の支持体61を前記取付け部80の上面に締結して、前記フライホイールハウジング78の前記取付け部80の上面に前記両支持体61,62を介して前記ケーシング60を着脱可能に固定しているから、前記エンジン70に前記排気ガス浄化装置1を組み付ける際はまず、前記先付け締結具87によって、前記他方の支持体62を前記取付け部80の上面に仮止めする。当該仮止め状態では、前記ケーシング60から作業者が両手を離せることになる。そして、作業者は両手を自由に使える状態で前記後付け締結具88を締め付けて前記両支持体61,62を前記取付け部80の上面に固定すればよい。従って、作業者が一人であったとしても、重量物である前記排気ガス浄化装置1(前記ケーシング60)を簡単に着脱作業でき、前記排気ガス浄化装置1(前記ケーシング60)の組付け作業性を向上できる。
【0078】
図13及び図18〜図21から明らかなように、横向きの排気ガス浄化装置1をエンジン70に支持させてなる排気ガス浄化装置付きエンジンにおいて、前記エンジン70側の取付け部80に、支持ステー62を介して前記排気ガス浄化装置1を取り付けるにあたり、前記支持ステー62に形成された切欠き溝89を、前記エンジン70側の取付け部80に取り付けた締結具87に係合させ、前記締結具87を介して前記排気ガス浄化装置1を支持可能に構成しているから、前記排気ガス浄化装置1の荷重によって生ずる前記支持ステー62の回転モーメントを、前記切欠き溝89の縁部を介して前記締結具87で受け止めできる。つまり、前記排気ガス浄化装置1の荷重を前記支持ステー62で確実に支持できる。従って、重量物である前記排気ガス浄化装置1の組付け作業性を向上できる。
【0079】
図13及び図18〜図21から明らかなように、横向きの排気ガス浄化装置1をエンジン70に支持させてなる排気ガス浄化装置付きエンジンにおける排気ガス浄化装置の取り付け方法において、前記エンジン70側の取付け部80に、支持ステー62を介して前記排気ガス浄化装置1を取り付けるにあたり、前記取付け部80に締結具87を仮止め状態で取り付けておき、前記支持ステー62を前記取付け部80で案内しながら、前記支持ステー62に形成された切欠き溝89を前記締結具87に係合させるから、前記排気ガス浄化装置1の組付け作業時に、前記支持ステー62を前記エンジン70側の前記取付け部80に仮止めしながら位置合せでき、前記エンジン70側の取付け部80に、支持ステー62を介して前記排気ガス浄化装置1を簡単に組み付けできる。
【0080】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3が内設された排気ガス浄化ケースとしての触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20の外側に外側ケース体としての触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を被嵌させ、触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20と触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21によってガス浄化ハウジングとしてのDPFケーシング60を形成し、触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21にケーシング側ブラケット脚62を一体的に固着させるように構成している。したがって、触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21によって、触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20の保温と、DPFケーシング60の剛性向上を容易に図ることができる。
【0081】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、複数組のガス浄化体(ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3)及び排気ガス浄化ケース(触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20)及び外側ケース体(触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21)を備え、前記複数のディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3の接続境界位置に対して、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を連結するためのフランジ体としての触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26をオフセットさせる一方、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21の少なくともいずれか一方にケーシング側ブラケット脚62を一体的に固着させるように構成している。
【0082】
したがって、ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3及び触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20の分解組立作業を簡略化できる。スートフィルタ3のスート詰り除去等のメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26によって排気ガス漏れ等を簡単に防止できる。
【0083】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、複数組のディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3及び触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20及び触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を備え、前記複数のディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3の接続境界位置に対して、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を連結するための触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26をオフセットさせる一方、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21のうち、排気ガス移動方向の寸法が長尺になる側の触媒外側ケース5に、切欠き溝89が形成されたケーシング側ブラケット脚62を固着させるように構成している。
【0084】
したがって、ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3及び触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20の分解組立作業を簡略化できる。ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3のスート詰り除去等のメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26によって排気ガス漏れ等を簡単に防止できる。また、長尺に形成された触媒外側ケース5を利用して、切欠き溝89が形成されたケーシング側ブラケット脚62を高剛性に組付けることができる。
【0085】
図1、図13、図18〜図21に示す如く、複数組のディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3及び触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20及び前記触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を備え、前記複数の前記ガス浄化体の接続境界位置に対して、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21を連結するための触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26をオフセットさせる一方、前記複数の触媒外側ケース5又はフィルタ外側ケース21のうち、排気ガス入口管16が設けられた触媒外側ケース5に、切欠き溝89が形成されたケーシング側ブラケット脚62を固着させるように構成している。
【0086】
したがって、ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3及び触媒内側ケース4又はフィルタ内側ケース20の分解組立作業を簡略化できる。ディーゼル酸化触媒2又はスートフィルタ3のスート詰り除去等のメンテナンス作業性を向上できるものでありながら、触媒側接合フランジ25又はフィルタ側接合フランジ26によって排気ガス漏れ等を簡単に防止できる。また、長尺に形成された触媒外側ケース5を利用して、切欠き溝89が形成されたケーシング側ブラケット脚62と、排気ガス入口管16を高剛性に組付けることができる。
【符号の説明】
【0087】
2 ディーゼル酸化触媒(ガス浄化体)
3 スートフィルタ(ガス浄化体)
4 触媒内側ケース
5 触媒外側ケース
16 排気ガス入口管
20 フィルタ内側ケース(排気ガス浄化ケース)
21 フィルタ外側ケース(排気ガス浄化ケース)
25 触媒側接合フランジ(フランジ体)
26 フィルタ側接合フランジ(フランジ体)
60 DPFケーシング(ガス浄化ハウジング)
62 ケーシング側ブラケット脚(支持ブラケット)
70 ディーゼルエンジン
80 DPF取付部
87 取付けボルト
87a ボルト孔
89 差込みガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視でエンジン(70)の出力軸と交差する横方向に延びた円筒形状に形成した排気ガス浄化装置(1)を備え、前記エンジン(70)に支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を支持させているエンジン装置において、
前記エンジン(70)に設けた取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を載せ、前記取付け部(80)の上面に、先付け締結具(87)にて前記支持体(62)を仮止めしてから、後付け締結具(88)にて前記支持体を前記取付け部(80)の上面に締結することによって、前記取付け部(80)の上面に前記支持体(62)を介して前記排気ガス浄化装置(1)を着脱可能に固定している、
エンジン装置。
【請求項2】
前記取付け部(80)の上面に形成したネジ孔(87b)(87b)に、前記支持体(62)に形成したボルト貫通孔(87a)(88a)を介して前記先付け締結具(87)及び前記後付け締結具(88)を締結する構造であって、
前記支持体(62)には、前記ボルト貫通孔(87a)に前記先付け締結具(87)を係入させるための切欠き溝(89)を形成し、前記エンジン(70)に前記排気ガス浄化装置(1)を組み付けるときに不完全に螺着した前記先付け締結具(87)に前記切欠き溝(89)の開口部が向くように、前記支持体(62)の側縁部で前記切欠き溝(89)を開放させている、
請求項1に記載のエンジン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−32776(P2013−32776A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215510(P2012−215510)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2010−60959(P2010−60959)の分割
【原出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】