説明

エンターテインメント装置、制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体

【課題】 簡易な構成を用いて、プレイヤが自分の好きな任意の音楽を聴きながらプレイすることができるエンターテインメント装置を提供することである。
【解決手段】 外部音声信号AL及びARは、アンプ28L及び28Rを介して、ボリュームコントロール回路10に入力される。ボリュームコントロール回路10は、プロセッサ3からの制御信号Sに従って、外部音声信号AL及びARの音量を調整して、ミキシング回路32L及び32Rに与える。ミキシング回路32L及び32Rは、外部音声信号AL及びARとプロセッサ3が生成した内部音声信号ALs及びARsとを合成する。プロセッサ3は、ボイスや効果音を生成する場合、制御信号Sにより、外部音声信号AL及びARの音量を絞り、それら以外では、音量を元に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが音楽を聴きながらプレイするエンターテインメント装置及びそれらの関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本件出願人によるエンターテインメントシステムが開示されている。このエンターテインメントシステムは、予め格納された音楽データに応じて音楽が再生され、この音楽に合わせて、画面に表示するオブジェクトを落下させる。プレイヤは、落下してくるオブジェクトに従ってマットを踏み込むと、音楽に合った足踏みを行うことができる。
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/107884号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のエンターテインメントシステムでは、再生される音楽は予め決められており、プレイヤが好きな任意の音楽でのプレイを行うことができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成を用いて、プレイヤが自分の好きな任意の音楽を聴きながらプレイすることができるエンターテインメント装置及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によれば、エンターテインメント装置は、映像信号を生成する映像信号生成手段と、内部音声信号を生成する音声信号生成手段と、プレイヤの入力操作を検知する入力手段が検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御する制御手段と、前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成する合成手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、内部音声信号と外部音声信号とが合成される。従って、プレイヤは、自分の好きな任意の音楽等を外部音声信号として入力することにより、自分の好きな音楽等を聴きながら入力操作(プレイ)を行うことができる(第1の効果)。また、内部音声信号により、ボイス(人間の言語(言葉)を表す音声信号)や効果音等を生成できるので、様々な演出を提供できる(第2の効果)。しかも、内部音声信号と外部音声信号との合成は簡易な構成により実現可能であるため、簡易な構成を用いて、第1及び第2の効果を奏することができる(第3の効果)。
【0008】
ちなみに、外部音声信号を解析等して、生成する映像に反映することも可能であるが、解析のためのソフトウェアやハードウェアが必要となり、上記第3の効果を得られず、コストの増加を招来する。一方、内部音声信号のみを使用する場合、上記第2効果を得ることはできるが、固定された音楽でのプレイしか行えず、上記第1の効果を得ることができない。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、エンターテインメント装置は、プレイヤの入力操作を検知する入力手段と、映像信号を生成する映像信号生成手段と、内部音声信号を生成する音声信号生成手段と、前記入力手段が検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御する制御手段と、前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成する合成手段と、を備える。
【0010】
この構成によれば、上記第1の観点によるエンターテインメント装置と同様の効果を奏する。
【0011】
上記第1及び第2の観点によるエンターテインメント装置は、前記外部音声信号の音量を制御し、制御後の外部音声信号を前記合成手段に与える音量制御手段をさらに備える。
【0012】
この構成によれば、合成される外部音声信号の音量を制御できるので、内部音声信号を強調したい時間帯や外部音声信号が不要な時間帯に、外部音声信号の音量を小さくし若しくは0にして、プレイヤに内部音声信号が良く聞こえるようにしたり、入力操作に集中してもらうために外部音声信号が聞こえないようにしたりできる。一方、それらの時間帯以外の時間帯では、外部音声信号の音量を元に戻し、再びプレイヤが外部音声信号を聴きながらプレイできるようにすることが可能である。
【0013】
このエンターテインメント装置において、前記音量制御手段は、第1タイミングで前記外部音声信号の音量が当該第1タイミング時より小さくなるように制御し、第2タイミングで前記外部音声信号の音量が当該第2タイミング時より大きくなるように制御する。
【0014】
この構成によれば、第1タイミングで外部音声信号の音量を小さくすることにより、第1タイミングから第2タイミングまでの間、内部音声信号を強調したり、プレイヤに入力操作に集中してもらうために外部音声信号が聞こえないようにしたりできる。
【0015】
例えば、前記第1タイミングは、前記内部音声信号としてのボイスが生成されるタイミング、又は、前記映像信号としての、選択画面、メニュー画面、説明画面、ユーザ登録画面、結果画面、データ管理画面、及びキャリブレーション画面のうちのいずれかが生成されるタイミングであり、前記第2タイミングは、前記ボイス、前記選択画面、前記メニュー画面、前記説明画面、前記ユーザ登録画面、前記結果画面、前記データ管理画面、及び前記キャリブレーション画面のうち、前記第1タイミングで生成されたものが終了するタイミングである。
【0016】
また、例えば、前記入力手段は、押しボタン、方向キー、及びジョイスティックのうち少なくとも1つを含むゲームコントローラ、加速度センサ、ジャイロスコープ、及び傾斜センサのうち少なくとも1つを含むコントローラ、足で操作するコントローラ、撮像装置、運動機器、ポインティングデバイス、並びに打撃を検知するコントローラのうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の第3の観点によれば、制御方法は、映像信号を生成するステップと、内部音声信号を生成するステップと、プレイヤの入力操作を検知するステップと、検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御するステップと、前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成した音声信号を生成する前に、前記外部音声信号の音量を制御するステップと、を含む。
【0018】
この構成によれば、合成される外部音声信号の音量を制御できるので、内部音声信号を強調したい時間帯や外部音声信号が不要な時間帯に、外部音声信号の音量を小さくし若しくは0にして、プレイヤに内部音声信号が良く聞こえるようにしたり、入力操作に集中してもらうために外部音声信号が聞こえないようにしたりできる。一方、それらの時間帯以外の時間帯では、外部音声信号の音量を元に戻し、再びプレイヤが外部音声信号を聴きながらプレイできるようにすることが可能である。
【0019】
本発明の第4の観点によれば、コンピュータプログラムは、上記第3の観点による制御方法をコンピュータに実行させる。
【0020】
この構成によれば、上記第3の観点による制御方法と同様の効果を奏する。
【0021】
本発明の第5の観点によれば、記録媒体は、上記第4の観点によるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
この構成によれば、上記第3の観点による制御方法と同様の効果を奏する。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲において、記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態によるエンターテインメントシステム(エンターテインメント装置)の電気的構成を示す図である。図1を参照して、このエンターテインメントシステムは、情報処理装置1、入力装置(コントローラ)12、表示装置11、スピーカ8、及びオーディオプレーヤ9を備える。情報処理装置1は、プロセッサ3、外部メモリ7、及びオーディオ回路5を含む。
【0026】
オーディオプレーヤ9としては、プレイヤが所有する任意のオーディオプレーヤを使用でき、本システムに専用である必要はない。また、オーディオプレーヤ9は、例えば、CDやDVD等の光ディスクに記録した音楽を再生する機器、ハードディスクや半導体メモリに記録した音楽を再生するデジタルオーディオプレーヤ等である。もちろん、オーディオプレーヤ9は、他の記録媒体に記録した音楽を再生するものであってもよい。
【0027】
表示装置11は、例えば、テレビジョンモニタやパーソナルコンピュータ用のモニタ等ある。スピーカ8は、例えば、テレビジョンモニタのスピーカやパーソナルコンピュータ用のモニタのスピーカ等である。
【0028】
入力装置12は、プレイヤによって操作され、情報処理装置1に入力を与えるものである。入力装置12は、例えば、ジョイスティック、押しボタン及び方向キーのうちの少なくとも1つを備えたゲームコントローラである。入力装置12は、例えば、各々プレイヤの入力操作を検出する所定数の入力部(例えばスイッチ)を有し、各入力部からの操作信号を受け付け、それらをプロセッサ3に与えるコントローラである。この場合、このコントローラは、プレイヤが、各入力部を手で操作するものであってもよいし、マット型にして足で踏み込んで操作するものであってもよい。
【0029】
また、入力装置12は、例えば、加速度センサを備えたコントローラである。この場合、入力装置12は、プレイヤが入力装置12を動かした時の加速度を検知して、加速度信号又はその解析結果を情報処理装置1に与える。そして、情報処理装置1は、受け取った加速度信号を解析して、若しくは、受け取った解析結果に基づいて、プレイヤの動作を認識し、入力操作を判断する。
【0030】
入力装置12は、例えば、ジャイロスコープを備えたコントローラである。この場合、入力装置12は、プレイヤが入力装置12を動かした時の角速度を検知して、角速度信号又はその解析結果を情報処理装置1に与える。そして、情報処理装置1は、受け取った角速度信号を解析して、若しくは、受け取った解析結果に基づいて、プレイヤの動作を認識し、入力操作を判断する。
【0031】
入力装置12は、例えば、傾きを検知する傾斜センサを備えたコントローラである。この場合、入力装置12は、プレイヤが入力装置12を動かした時の傾斜を検知して、傾斜情報又はその解析結果を情報処理装置1に与える。そして、情報処理装置1は、受け取った傾斜情報を解析して、若しくは、受け取った解析結果に基づいて、プレイヤの動作を認識し、入力操作を判断する。
【0032】
さらに、入力装置12は、例えば、CCDやイメージセンサ等の撮像装置である。この場合、入力装置12は、プレイヤの動きを撮影し、その画像又は画像処理結果を情報処理装置1に与えるものである。そして、情報処理装置1は、受け取った画像を解析して、若しくは、受け取った画像処理結果に基づいて、プレイヤの動きを検出し、入力操作を判断する。この場合、プレイヤに光を再帰反射する再帰反射部材を把持又は装着し、これに、発光装置(例えば赤外発光ダイオード)により間欠的に光(例えば赤外光)を照射し、点灯時画像と消灯時画像との差分画像に基づいて(差分処理)、再帰反射部材、つまり、プレイヤの動きを検出することもできる。ただし、再帰反射部材に代えて、赤外発光ダイオードのような自発光装置を搭載した装置をプレイヤに装着又は把持させることもできる。この場合は、差分処理を行わないので、上記の差分処理のための発光装置は不要である。
【0033】
なお、上記のストロボ撮影(発光装置の点滅)及び差分処理は、好適な例を示しただけであって、これらの処理は必須の要素ではない。つまり、発光装置を点滅せず、差分をとらなくてもよいし、発光装置がなくてもよい。照射する光は赤外光に限られない。また、再帰反射部材は必須の要素ではなく、撮像画像を解析して、プレイヤが把持等する入力装置あるいは身体の特定部位(例えば手や足など)が検知できればよい。
【0034】
さらに、例えば、プレイヤに撮像装置を備えた電子機器を持たせて、これを入力装置12とすることもできる。この場合、表示装置11の画面の縁に沿って複数のマーカを取り付ける。このマーカを入力装置12の撮像装置で撮影し、撮影画像又はその処理結果を情報処理装置1に与える。そして、情報処理装置1は、受け取った撮影画像を解析して、又は、受け取った画像処理結果に基づいて、プレイヤが画面のどこを指し示しているかを判断する。マーカは、例えば、赤外発光ダイオード等の発光装置である。また、マーカを再帰反射部材とすることもできる。この場合は、入力装置12に、発光装置を取り付ける。さらに、発光装置を点滅させて、上記のように差分画像を処理することもできる。
【0035】
さらに、入力装置12は、例えば、トレッドミルやエクササイズバイク等のエルゴメータ、ステッパ、及びウエイトトレーニングマシンといった運動機器(エクササイズマシン)である。この場合、入力装置12は、その駆動部分の動きの情報を情報処理装置1に与える。そして、情報処理装置1は、受け取った情報に基づいて、プレイヤの入力操作を判断する。
【0036】
さらに、入力装置12は、例えば、マウス、トラックボール及びキーボード等のポインティングデバイスである。
【0037】
さらに、入力装置12は、例えば、プレイヤの打撃を検出して、打撃情報又はその解析結果を情報処理装置1に与えるものである。打撃は、例えば、スイッチ、ピエゾ素子などにより検出する。
【0038】
さて、プロセッサ3には、外部メモリ7が接続される。外部メモリ7は、例えば、フラッシュメモリ、ROM、及び/又はRAM等により構成される。外部メモリ7は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、後述のフローチャートに示す各種処理をプロセッサ3に実行させる制御プログラム(アプリケーションプルグラムを含む。)が格納される。画像データ領域には、表示装置11に表示される画面を構成するすべての画像データが格納されている。音声データ領域には、音楽、ボイス及び効果音等ための音声データが格納されている。ここで、ボイスは、人間の言語(言葉)を表す音声信号を意味する。
【0039】
プロセッサ3は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、映像信号VD並びに内部音声信号ALs及びARsを生成する。映像信号VDは、表示装置11に与えられる。
【0040】
プロセッサ3が生成した内部音声信号(アナログ)ALs及びARs、並びに、オーディオプレーヤ9から入力される外部音声信号(アナログ)AL及びARは、オーディオ回路5に与えられ、ミキシングされて、音声信号AL及びARとしてスピーカ8に与えられる。また、プロセッサ3は、外部音声信号AL及びARの音量を制御するための制御信号Sをオーディオ回路5に与える。
【0041】
プロセッサ3は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、グラフィックスプロセサ、サウンドプロセサおよびDMAコントローラ等の各種機能ブロックを含むとともに、アナログ信号を取り込むときに用いられるA/Dコンバータ、赤外線信号やキー操作信号のような入力デジタル信号を受けかつ出力デジタル信号を外部機器に与える入出力制御回路、及び内部メモリ等を含む。
【0042】
なお、入力装置12は、その仕様に応じて、有線又は無線によって、A/Dコンバータ又は入出力制御回路に接続される。
【0043】
CPUは、外部メモリ7に格納された制御プログラムを実行する。A/Dコンバータからのデジタル信号および入出力制御回路からのデジタル信号はCPUに与えられ、CPUは、制御プログラムに従って、それらの信号に応じて必要な演算を実行する。グラフィックスプロセサは、外部メモリ7に格納された画像データに対して、CPUの演算結果によって必要になったグラフィック処理を実行して、表示装置11に表示する画像を表す映像信号VDを生成する。サウンドプロセサは、外部メモリ7に格納された音声データに対して、CPUの演算結果によって必要になったサウンド処理を実行して、音楽、ボイス及び効果音等を表す音声信号ALs,ARsを生成する。内部メモリは、例えば、RAMにより構成され、ワーキング領域、カウンタ領域、レジスタ領域、テンポラリデータ領域、及び/又はフラグ領域等として利用される。
【0044】
図2は、図1のオーディオ回路5の回路図である。図2を参照して、このオーディオ回路5は、アンプ(バッファ)28L,28R、ボリュームコントロール回路10、ミキシング回路32L,32R、並びにアンプ(バッファ)34L,34Rを含む。
【0045】
オーディオプレーヤ9から入力された外部音声信号AL及びARは、それぞれ、アンプ28L及び28Rで増幅されて、ボリュームコントロール回路10に与えられる。ボリュームコントロール回路10は、プロセッサ3からの制御信号Sに従って、外部音声信号AL及びARの音量を制御し、それぞれ、ミキシング回路32L及び32Rに出力する。ミキシング回路32Lは、プロセッサ3が生成した内部音声信号ALsと、音量が制御された外部音声信号ALとをミキシングしてアンプ34Lに出力する。アンプ34Lは、ミキシング回路32Lから入力された音声信号を増幅して、音声信号ALとして出力する。ミキシング回路32Rは、プロセッサ3が生成した内部音声信号ARsと、音量が制御された外部音声信号ARとをミキシングしてアンプ34Rに出力する。アンプ34Rは、ミキシング回路32Rから入力された音声信号を増幅して、音声信号ARとして出力する。
【0046】
図3は、図2のミキシング回路32L及び32Rの回路図である。図3を参照して、ミキシング回路32Lは、コンデンサ51,55及び抵抗素子53,57を含む。コンデンサ51の一方端は、ボリュームコントロール回路10の出力に接続され、音量が制御された外部音声信号ALが与えられ、他方端は、抵抗素子53の一方端に接続される。抵抗素子53の他方端は、抵抗素子57の一方端及びアンプ34Lの入力に接続される。抵抗素子57の他方端は、コンデンサ55の一方端に接続される。コンデンサ55の他方端は、プロセッサ3に接続されて、内部音声信号ALsが与えられる。
【0047】
コンデンサ51及び55は、直流成分をカットするためのものである。抵抗素子53及び55は、外部音声信号ALと内部音声信号ALsとの合成比率を決定するためのものである。
【0048】
ミキシング回路32Rの構成は、ミキシング回路32Lの構成と同じであり、説明を省略する。ただし、上記説明において、内部音声信号ALsを内部音声信号ARsと読み替え、外部音声信号ALを外部音声信号ARと読み替える。
【0049】
図4は、図1のプロセッサが実行する全体処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS1にて、プロセッサ3は、複数のコンテンツ(contents)を列挙した選択画面を表示装置11に表示して、プレイヤによる入力装置12の操作に応じて、1つコンテンツ(content)を選択する。ステップS3にて、プロセッサ3は、音楽モードを選択するための画面を表示装置11に表示して、プレイヤによる入力装置12の操作に応じて、音楽モードを選択する。音楽モードは、内部音楽モード及び外部音楽モードが用意される。内部音楽モードは、プロセッサ3が外部メモリ7に格納された音声データに基づいて音楽の内部音声信号ALs及びARsを生成するモードである。従って、このモードでは、プレイヤは、プロセッサ3が生成した音楽を聴きながら入力装置12を操作(プレイ)することになる。もちろん、このモードでも、ボイスや効果音が内部音声信号ALs及びARsとして生成される。一方、外部音楽モードは、プロセッサ3は、音楽を生成せず、効果音やボイスのみを生成し、外部のオーディオプレーヤ9から入力される外部音声信号AL及びARを有効にする。従って、このモードでは、プレイヤは、外部音声信号AL及びARが表す音楽を聴きながら入力装置12を操作(プレイ)することになる。
【0050】
さて、ステップS5では、プロセッサ3は、外部メモリ7に格納された制御プログラムを実行し、入力装置12が検知したプレイヤの入力操作に応じて、情報処理を実行する。ステップS7にて、プロセッサ3は、ステップS5の処理結果に従って、表示装置11に表示する画像(画面)を表す映像信号VDを更新する。ステップS9にて、プロセッサ3は、ステップS5の処理結果に従って、音声処理を実行し、スピーカ8から出力する音楽、ボイス及び効果音等を表す音声信号ALs,ARsを生成し、ステップS5に戻る。以上の結果、プレイヤの入力操作に応じて、映像信号VD並びに内部音声信号ALs及びARsが制御されるが、映像信号VDのみ、又は、内部音声信号ALs及びARsのみを制御することもできる。
【0051】
なお、ステップS5の情報処理は、プレイヤにプレイ(例えば、ビデオゲーム、運動及び脳トレーニング等)を行わせるための映像や音声の制御、入力操作に応じて映像や音声を制御して、入力に対する応答を返す処理であり、プレイヤのプレイ中に実行される処理である。
【0052】
図5は、図4のステップS3の音楽モード選択処理の流れを示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS31にて、プロセッサ3は、音楽モードを選択するための画面(映像信号VD)を生成して、表示装置11に与える。ステップS33にて、プロセッサ3は、入力装置12が検知したプレイヤの入力操作に応じて、ステップS35又はステップS37のいずれかに進む。つまり、プレイヤの入力操作が、外部音楽モードを選択している場合はステップS35に進み、内部音楽モードを選択している場合はステップS37に進む。
【0053】
ステップS35では、プロセッサ3は、音楽モードを外部音楽モードに設定してリターンする。一方、ステップS37では、プロセッサ3は、音楽モードを内部音楽モードに設定して、リターンする。
【0054】
図6は、図4のステップS5で実行される処理の1つである音量制御の流れを示すフローチャートである。図6を参照して、ステップS50にて、プロセッサ3は、現在の音楽モードが外部音楽モードの場合ステップS51に進み、それ以外、つまり、内部音楽モードの場合リターンする。
【0055】
ステップS51にて、プロセッサ3は、所定のボイス(例えば、通知や指示等)又は画像(例えば、プレイ直前の説明画面等)の生成タイミングが到来したか否かを判断し、到来した場合ステップS53に進み、それ以外はステップS55に進む。ステップS53では、プロセッサ3は、ボリュームコントロール回路10から出力される外部音声信号AL及びARの音量を現在(つまり、上記の生成タイミング時)より小さくする制御信号Sをボリュームコントロール回路10に与える。もちろん、この場合、プロセッサ3は、ボリュームコントロール回路10から出力される外部音声信号AL及びARの音量を0にする制御信号Sをボリュームコントロール回路10に与えることもできる。
【0056】
ステップS51で「NO」が判断された後又はステップS53の後、ステップS55では、プロセッサ3は、所定のボイス又は画像の終了タイミングが到来したか否かを判断し、到来した場合ステップS57に進み、それ以外はリターンする。ステップS57では、プロセッサ3は、ボリュームコントロール回路10から出力される外部音声信号AL及びARの音量を現在(つまり、上記の終了タイミング時)より大きくする制御信号Sをボリュームコントロール回路10に与えて、リターンする。例えば、ステップS57では、プロセッサ3は、ボリュームコントロール回路10から出力される外部音声信号AL及びARの音量を元に(つまり、ステップS53で音量を小さくする前に)戻す制御信号Sをボリュームコントロール回路10に与える。
【0057】
以上の結果、所定のボイス又は画像の生成タイミングで外部音声信号AL及びARの音量を小さく(若しくは0に)することにより、当該生成タイミングから終了タイミングまでの間、内部音声信号ALs及びARsを強調したり、プレイヤに入力操作に集中してもらうために外部音声信号AL及びARが聞こえないようにしたりできる。
【0058】
ここで、プロセッサ3は、初期設定において、外部音楽モードを設定するものとする。従って、プレイ中の情報処理(ステップS5)では、プレイヤが設定した音楽モードに従うが、それ以外の場面(例えば、選択画面、メニュー画面、説明画面、ユーザ登録画面、結果画面、データ管理画面、あるいはキャリブレーション画面を表示する場面)では、外部音楽モードの処理が実行される。
【0059】
つまり、プロセッサ3は、映像信号VDとしての、選択画面、メニュー画面、説明画面、ユーザ登録画面、結果画面、データ管理画面、及びキャリブレーション画面のうちのいずれかを生成するタイミングで、ステップS53と同じ処理を実行する。そして、生成した画面が終了するタイミングで、プロセッサ3は、ステップS57と同じ処理を実行する。
【0060】
このような、プレイ中でない場合の画面操作は、後々の処理や全体の処理に広く影響を及ぼす可能性があるので、プレイヤに特に入力操作に集中及び画面を注視してもらうため、外部音声信号AL及びARを無効にするのである。
【0061】
また、プロセッサ3は、プレイ中でない場合において、内部音声信号ALs及びARsとしてのボイス(例えば、通知、指示及び説明等)の生成タイミング及び終了タイミングで、それぞれ、ステップS53及びS57と同じ処理を実行する。
【0062】
プレイ中であるかどうかに関係なく、ボイスは、プレイヤに特に伝えたい事柄を音声にしており、また、外部音声信号AL及びARに埋もれてしまっては、ボイスを生成する意味がない。このため、ボイスを生成する時には、外部音声信号AL及びARを無効にして、内部音声信号ALs及びARsとしてのボイスを強調する。
【0063】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、内部音声信号ALs及びARsと外部音声信号AL及びARとが合成される。従って、プレイヤは、自分の好きな任意の音楽等を外部音声信号AL及びARとして入力することにより、自分の好きな音楽等を聴きながら入力装置12による入力操作(プレイ)を行うことができる(第1の効果)。また、内部音声信号ALs及びARsにより、ボイスや効果音等を生成できるので、様々な演出を提供できる(第2の効果)。しかも、図3から明らかなように、内部音声信号ALs及びARsと外部音声信号AL及びARとの合成は簡易な回路により実現可能であるため、簡易な構成を用いて、第1及び第2の効果を奏することができる(第3の効果)。なお、コンデンサ51及び55並びに抵抗素子53及び55は設けなくてもよい(つまり、接続だけで合成)。また、コンデンサ51及び55のみ、抵抗素子53及び55のみを設けてもよい。
【0064】
ちなみに、外部音声信号AL及びARを解析等して、生成する映像に反映することも可能であるが、解析のためのソフトウェアやハードウェアが必要となり、上記第3の効果を得られず、コストの増加を招来する。一方、内部音声信号ALs及びARsのみを使用する場合、上記第2効果を得ることはできるが、固定された音楽でのプレイしか行えず、上記第1の効果を得ることができない。
【0065】
また、本実施の形態では、プロセッサ3は、制御信号Sにより、合成される外部音声信号AL及びARの音量を制御できるので、内部音声信号ALs及びARsを強調したい時間帯(例えば、ボイスを生成する時間帯)や外部音声信号AL及びARが不要な時間帯(例えば、選択画面、メニュー画面、説明画面、ユーザ登録画面、結果画面、データ管理画面、又は、キャリブレーション画面等を表示する時間帯)に、外部音声信号AL及びARの音量を小さくし若しくは0にして、プレイヤに内部音声信号ALs及びARsが良く聞こえるようにしたり、入力操作に集中してもらうために外部音声信号AL及びARが聞こえないようにしたりできる。一方、それらの時間帯以外の時間帯では、外部音声信号AL及びARの音量を元に戻し、再びプレイヤが外部音声信号AL及びARを聴きながらプレイできるようにすることが可能である。
【0066】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0067】
(1)上記では、外部から入力する音声(audio)の例として、音楽を挙げた。ただし、音楽に限らず、音響、ボイス及びサウンド等、その他の音でもよい。
【0068】
また、上記では、外部からの音声信号は、オーディオプレーヤ9から入力された。また、マイクロフォンにより、音声を電気信号に変換したものを、外部から情報処理装置1に入力される音声信号とすることもできる。さらに、外部から情報処理装置1に入力される音声信号は、LANやインターネット等の通信回線を介して与えられるものでもよい。
【0069】
(2)上記した入力装置12は一例であり、検知したプレイヤの入力操作を電気信号に変換して情報処理装置1に入力できるものであれば、上記例以外の入力装置を適用できる。
【0070】
(3)上記では、プロセッサ3は、初期設定において、外部音楽モードを設定した。ただし、プロセッサ3は、初期設定において、内部音楽モードを設定することもできる。
【0071】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本発明の新規な特徴は、特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、発明そのもの及びその他の特徴と効果は、添付図面を参照して具体的な実施例の詳細な説明を読むことにより容易に理解される。
【0073】
【図1】本発明の実施の形態によるエンターテインメントシステム(エンターテインメント装置)の全体構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1のオーディオ回路5の回路図である。
【図3】図2のミキシング回路32L及び32Rの回路図である。
【図4】図1のプロセッサ3による全体処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS2の音楽モード選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS5の処理の1つである音量制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1…情報処理装置、3…プロセッサ、5…オーディオ回路、7…外部メモリ、9…オーディオプレーヤ、11…表示装置、8…スピーカ、12…入力装置、32L及び32R…ミキシング回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を生成する映像信号生成手段と、
内部音声信号を生成する音声信号生成手段と、
プレイヤの入力操作を検知する入力手段が検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御する制御手段と、
前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成する合成手段と、を備えるエンターテインメント装置。
【請求項2】
プレイヤの入力操作を検知する入力手段と、
映像信号を生成する映像信号生成手段と、
内部音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記入力手段が検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御する制御手段と、
前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成する合成手段と、を備えるエンターテインメント装置。
【請求項3】
前記外部音声信号の音量を制御し、制御後の外部音声信号を前記合成手段に与える音量制御手段をさらに備える請求項1又は2記載のエンターテインメント装置。
【請求項4】
前記音量制御手段は、第1タイミングで前記外部音声信号の音量が当該第1タイミング時より小さくなるように制御し、第2タイミングで前記外部音声信号の音量が当該第2タイミング時より大きくなるように制御する、請求項3記載のエンターテインメント装置。
【請求項5】
前記第1タイミングは、前記内部音声信号としてのボイスが生成されるタイミング、又は、前記映像信号としての、選択画面、メニュー画面、説明画面、ユーザ登録画面、結果画面、データ管理画面、及びキャリブレーション画面のうちのいずれかが生成されるタイミングであり、
前記第2タイミングは、前記ボイス、前記選択画面、前記メニュー画面、前記説明画面、前記ユーザ登録画面、前記結果画面、前記データ管理画面、及び前記キャリブレーション画面のうち、前記第1タイミングで生成されたものが終了するタイミングである、請求項4記載のエンターテインメント装置。
【請求項6】
前記入力手段は、押しボタン、方向キー、及びジョイスティックのうち少なくとも1つを含むゲームコントローラ、加速度センサ、ジャイロスコープ、及び傾斜センサのうち少なくとも1つを含むコントローラ、足で操作するコントローラ、撮像装置、運動機器、ポインティングデバイス、並びに打撃を検知するコントローラのうちの少なくとも1つを含む請求項1から5のいずれかに記載のエンターテインメント装置。
【請求項7】
映像信号を生成するステップと、
内部音声信号を生成するステップと、
プレイヤの入力操作を検知するステップと、
検知した前記プレイヤの入力操作に応じて、前記映像信号及び前記内部音声信号のうちの少なくとも一方を制御するステップと、
前記内部音声信号と、外部から入力された外部音声信号と、を合成した音声信号を生成する前に、前記外部音声信号の音量を制御するステップと、を含む制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−82082(P2010−82082A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252973(P2008−252973)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】