説明

オイル塗布ローラ、定着装置、及び画像形成装置

【課題】 オイル透過制御膜の稼働中に当接ローラとの摺擦により端部から剥がれが発生することを防止し、搬送状態、画像品質を長期にわたり良好な状態に保つオイル塗布ローラおよびこれを備えた定着装置を提供する。
【解決手段】 電子写真方式を採用する画像形成装置の定着装置に用いられ、加熱ローラ及び加圧ローラ3表面に離型性を向上させるためのシリコンオイル等を塗布し、かつ、その表面に付着した異物を除去するクリーニングローラ1と当接しており、オイル含浸層5が芯金4上に形成され、表層に、前記オイル含浸層5からのオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜6を被覆した構成を有するオイル塗布ローラにおいて、オイル透過制御膜端部7はオイル透過制御膜端部重なり部8と同一長さの切り込み13を備え、この切り込み13を境界に、交互に上側、下側となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状物体表面に、押圧によって含浸層から滲み出させた液状物質を塗布する装置、とくに電子写真装置の定着装置において、離型性を向上させるべく、ローラ表面に微量のシリコンオイル等を塗布するオイル塗布ローラおよびこれを使用する定着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真装置の定着部において、シリコンオイル含浸層を芯金上に形成した塗布ローラの表層に、含浸層からのシリコンオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜を被覆する構成が提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
特許文献1には、肉厚多孔質組織材の表面に対して多孔質ポリテトラフルオロエチレンの空隙組織にシリコンゴムと離型オイルとの混合物を含浸させた後、架橋して形成されるオイル透過量制御層を設けたことを特徴とする複写機用オイル塗布機構が開示されている。
特許文献2はオイル含浸層を開示し、特許文献3は塗布ローラにおける芯金を中空とし、そこにもオイル保持機構を持たせる技術を開示し、そして特許文献4はローラ軸方向端部にはシート状のオイル透過制御膜を設けず、この部分に脱着可能なシール部材を設ける技術を開示している。
いずれも、オイル透過制御膜のシリコンオイル含浸層への巻き付け端部の形状を規定するものではないため、稼働時の摺擦によりオイル透過制御膜端部からの剥がれの発生を防止する機能、構成を有していない。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラ、オイル塗布ローラ、クリーニングローラからなり(以下、加熱ローラ及び加圧ローラ、クリーニングローラを総じて当接ローラという。)、オイル塗布ローラ、クリーニングローラが加熱ローラ及び加圧ローラにより連れ回りする。
かかる定着装置では、オイル塗布ローラ表面に巻き付けられたオイル透過制御膜の巻き付け端部は、オイル塗布ローラおよび当接ローラの回転方向によらず、いずれかの当接ローラで巻き付けが弛むか、または捲れる方向に摺擦する。
【特許文献1】特開昭62−178992号公報
【特許文献2】特許第3273151号
【特許文献3】特開平8−297427号公報
【特許文献4】特開2002−40858公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、巻き付けが弛むか、または捲れる方向への摺擦が繰り返されると、端部からオイル透過制御膜が剥がれ、適正量のオイル塗布の機能を失い、転写紙の加熱ローラ及び加圧ローラからの離型性低下による搬送不良の発生、もしくは画像品質が劣化する原因となるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、オイル透過制御膜の稼働中に当接ローラとの摺擦により端部から剥がれが発生することを防止し、搬送状態、画像品質を長期にわたり良好な状態に保つオイル塗布ローラおよびこれを備えた定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電子写真式画像形成装置に装備されて転写材上の未定着トナー像を定着させる定着装置であって、定着ローラと、定着ローラの表面に離型用のオイルを塗布するオイル塗布ローラと、該オイル塗布ローラ表面の異物を除去するクリーニングローラと、を備えたものにおいて、前記オイル塗布ローラは、芯金上にオイル含浸層を備え、該オイル含浸層の表層に該オイル含浸層からのオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜をその周方向両端部が所定の周方向幅に亘って重なり合うように被覆した構成を有し、前記オイル透過制御膜の少なくとも一方の周方向端部には、軸方向に沿った任意のピッチにて周方向へ延びる複数の切り込み線が形成されており、前記各切り込み線の周方向長は、オイル透過制御膜の周方向端部同志の重なり部の重なり幅と同等であり、各切り込み線間に形成される小片は、一つ置きに周方向へ折り返されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記オイル透過制御膜の軸方向一端部に位置する前記小片は、軸方向他端部に位置する前記小片と同じ方向に位置していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、又は2において、前記オイル透過制御膜端部の切り込み線の奥側端部には丸穴を備えていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2、又は3において、前記オイル透過制御膜端部に形成された前記小片は、台形状であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4において、前記オイル透過制御膜の端部に形成した前記切り込み線間の間隔は、前記オイル塗布ローラの軸方向概略両端部と、概略中央部とで異なっていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5において、前記オイル塗布ローラがクリーニングローラに当接するさいに、前記オイル透過制御膜端部が締まる方向に摺擦するように構成されていることを特徴とする。
請求項7の発明に係る定着装置は、請求項1乃至6の何れか一項に記載のオイル塗布ローラを備えたことを特徴とする。
請求項8の画像形成装置は、請求項7に記載の定着装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、表層のオイル透過制御膜のオイル含浸層への巻き付け端部が一定間隔で交互に上側、下側となっているため、当接ローラと摺擦するさいに、オイル透過半透膜端部が弛む、あるいは捲れる方向に摺擦する部位は一部だけであり、それ以外の部分ではオイル透過制御膜端部が締まる方向に摺擦するので、オイル透過制御膜端部から剥がれが発生することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1はオイル塗布ローラのオイル透過制御膜の巻き付け端部がクリーニングローラと当接している定着装置の構成を示す概略図である。図2はオイル塗布ローラのオイル透過制御膜の巻き付け端部が加熱ローラ及び加圧ローラと当接している定着装置の構成を示す概略図である。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラ3(定着ローラ)、オイル(離型剤)塗布ローラ2、クリーニングローラ1からなる(以下、加熱ローラ及び加圧ローラ3、クリーニングローラ1を総じて当接ローラという)。この定着装置は、電子写真式画像形成装置において、未定着トナー像を担持した転写材を通紙させる過程で、加熱しながら加圧することによってトナーを定着させる手段である。オイル塗布ローラ2、クリーニングローラ1が加熱ローラ及び加圧ローラ3からの駆動力により連れ回りする。
図1または図2に示す定着装置においては、オイル塗布ローラ2表面に巻き付けられたオイル透過制御膜6の巻き付け端部7は、オイル塗布ローラ2および当接ローラ1、3の回転方向によらず、いずれかの当接ローラ1、3との当接によって巻き付け状態が弛むか、または捲れる方向に摺擦する。
前述したように、巻き付が状態が弛むか、または捲れる方向への摺擦が繰り返されると、巻き付け端部7からオイル透過制御膜6が剥がれはじめ、適正量のオイル塗布の機能を失い、加熱ローラ及び加圧ローラ3からの転写紙の離型性低下による搬送不良の発生、もしくは画像品質が劣化する原因となる。
【0007】
図3は本発明によるオイル塗布ローラを示す概略図である。図4は図3のオイル塗布ローラの正面図である。図3および図4において、オイル塗布ローラ2は周方向に平行な平面での断面図で示されている。SUM22−Dからなるφ8材を芯金4とし、この芯金4表面に熱硬化型シリコン接着剤(図では省略)を塗布している。
その後、シリコンゴム複合ポリエステルウレタンフォームを主材料として、東レ製シリコンオイル、SH200CV−300CSを70g含浸させたオイル含浸層5を芯金4表面に接着する。
さらに、その外周に熱硬化型シリコン接着剤(図では省略)を塗布し、ジャパンゴアテックス社製のゴアテックスJGM−152−02(シート状)をオイル透過制御膜6として巻き付け、接着して外径φ24のオイル塗布ローラ2を構成した。
このとき、図3に示すとおり、オイル透過制御膜6は周方向端部7に端部同士の重なり部8を生じるが、この重なり部8の幅がローラ周方向に5mmとなるように周方向の長さを調整する。
軸方向はローラ端部面10をオイル透過制御膜6の折り込みにより覆い得る長さとする。図中、符号9はローラ端部分、11はオイル塗布ローラ2周面の概略端部分、12は概略中央部分、13はオイル透過制御膜6の端部7に設けた切り込みを示している。
本発明では、電子写真式画像形成装置に装備されて転写材上の未定着トナー像を定着させる定着装置であって、定着ローラ3と、定着ローラ3の表面に離型用のオイルを塗布するオイル塗布ローラ2と、該オイル塗布ローラ表面の異物を除去するクリーニングローラ1と、を備えたものにおいて、オイル塗布ローラ2は、芯金4上にオイル含浸層5を備え、該オイル含浸層5の表層に該オイル含浸層からのオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜6をその周方向両端部7が所定の周方向幅に亘って重なり合うように被覆した構成を有し、オイル透過制御膜6の少なくとも一方の周方向端部7には、軸方向に沿った任意のピッチにて周方向へ延びる複数の切り込み線13が形成されており、各切り込み線13の周方向長は、オイル透過制御膜の周方向端部同志の重なり部8の重なり幅と同一長さと同等であり、各切り込み線間に形成される小片13aは、一つ置きに周方向へ折り返されている。
【0008】
図5はオイル透過制御膜を示す展開図である。図6は図5のA部拡大図である。図7はA部切り込み角度を説明する概略図である。図5乃至図7に示すとおり、端部7に切り込み13を、切り込み間の間隔P=10mm、切り込み線の長さD=5mmとして設けた状態でオイル透過制御膜6をビク型にて裁断した。
オイル透過制御膜端部7の切り込み13は、図5乃至図7に示すように、奥側に丸穴14を設けている。このため、摺擦、または押圧によるストレスを受けても切り込み13が必要長さ以上に奥側に裂けていくことを防止できる。
図6では明瞭に示されないが、オイル透過制御膜端部7の切り込み13の軸方向間隔Pは、オイル塗布ローラ軸方向概略両端部11と、概略中央部12で異なっている。これにより、鼓、もしくは太鼓形状の加熱ローラ及び加圧ローラ3が、より強く当接する部位の間隔Pを小さくしておくことにより、弛む、または捲れる方向へのストレスを低減できるため、オイル透過制御膜端部7からの剥がれ発生をより効果的に低減できる。つまり、例えば、概略中央部12が相手方ローラと強く当接する場合にはその間隔Pを両端部11における間隔Pよりも狭くする。
裁断したオイル透過制御膜6を、図4に示すとおり、端部7が切り込み13を境界に交互に上下に重なるようにオイル含浸層5上に巻き付けた。言い換えれば、切り込み13間に形成される小片13aを一つ置きに上側へ折り曲げることにより、端部7を凹凸状に構成する。このとき、オイル透過制御膜端部重なり部8にも熱硬化型シリコン接着剤塗布した。
このようにして、表層のオイル透過制御膜6のオイル含浸層5への巻き付け開始部または終了部(オイル透過制御膜端部7)には、オイル透過制御膜端部重なり8と同一長さDの切り込み13が設けられ、その切り込み13を境界に、小片13aが交互に上側、下側となっているオイル塗布ローラ2を作製した。
上記構成にて作製したオイル塗布ローラ2を使用して、図1または図2に示すように定着装置を構成し、つづみ量0.2の加熱ローラ及び加圧ローラ3を回転駆動源として連続回転させた。1対の加熱ローラ及び加圧ローラ3間に転写紙を通紙し、オイル塗布ローラ2のオイル透過制御膜端部7の剥がれ発生を観察した。
また、オイル透過制御膜端部7の重なり部8の上側、下側位置関係は、ローラ軸方向両端部で同一方向としている。
オイル透過制御膜端部7の小片13aの上下位置関係は、両端の塗布ローラ軸方向端部9で同一の上側、下側の位置関係となっている。また、端部7はクリーニングローラ1に当接するさいに締まる(緩まない)方向となるように設置される。
このように、オイル透過制御膜端部7の小片13aの上下位置を、オイル塗布ローラ両軸方向端部9で同一の位置関係としているので、摺擦により生じる摩擦がより大きいクリーニングローラ1側で巻き付けが締まる方向に合わせることができ、より発生し易いローラ軸方向端部9からのオイル透過制御膜端部7の剥がれ発生を防止することができる。
つまり、オイル透過制御膜の軸方向一端部に位置する小片は、軸方向他端部に位置する小片と同じ方向に位置している。つまり、両端部にある各小片は、共に上向きに折り返されているか、共に折り返されていないかのどちらかである。
【0009】
図8はx<yの台形形状の重なり部を有するオイル塗布ローラの側面図である。また、定着装置は、図7に示すように、オイル透過制御膜端部切り込み13を、ローラ周方向Rに対して一定角度θ(θ≠0)として設けている。
図8に示すように、重なり部8形状をx<yの台形形状とし、オイル塗布ローラ2はクリーニングローラ1との摺擦部で端部7が締まる方向に示すように構成した。xは隣接し合う切り込み部13の下端部間の長さであり、yは上端部間の長さである。
そして加熱ローラ及び加圧ローラ3を回転駆動源として連続回転させ、1対の加熱ローラ及び加圧ローラ3間に転写紙を通紙し、オイル塗布ローラ2のオイル透過制御膜端部7の剥がれ発生を観察した。
本発明による構成のオイル塗布ローラ2(以下、A〜Fローラという)と、オイル透過制御膜をローラ全長にわたり同一方向に巻き付けたオイル塗布ローラ(以下、Zローラという)との構成の比較を表1に、オイル制御膜端部7の剥がれ発生、またはオイル透過制御膜切り込み13奥側の破損発生までの通紙枚数比較を表2に示す。
(表1)

(表2)

表2において、※1:Cローラでは、丸穴がないためにオイル透過制御膜切り込み13奥側から破れが発生した。※2:Fローラでは、オイル透過制御膜6が剥がれる前にオイル切れが発生した。
【0010】
図9はx=yであり、両端部に切り込みを設けたオイル透過制御膜の展開図である。図10はx<yで両端部に切り込みを設けたオイル透過制御膜の展開図である。図11は、図9に示すオイル透過制御膜を用いて構成されたオイル塗布ローラの側面図である。図12は、図10に示すオイル透過制御膜を用いて構成されたオイル塗布ローラの側面図である。
なお、上記実施の形態では、図5に示すように、オイル透過制御膜端部切り込み13は、オイル透過制御膜6のオイル含浸層5への巻付け方向(すなわちローラの周方向)の一方の端部にのみ設けている。
しかしながら、図9または図10に示す、オイル透過制御膜6の巻き付け方向(ローラ周方向)両側の端部7に切り込み13を設けたオイル透過制御膜6、すなわち、x=yで端部7に切り込み13を設けたオイル透過制御膜6、またはx<yで端部7に切り込み13を設けたオイル透過制御膜6を用いた、図11または図12に示す構成のオイル塗布ローラであっても同様の効果が得られる。
すなわち、図11のオイル塗布ローラ2は、x=yで両端部7に切り込み13を設けたオイル透過制御膜6を用いて構成され、図12のオイル塗布ローラ2は、x<yで端部7に切り込み13を設けたオイル透過制御膜6を用いて構成されている。
図12の例では、オイル透過制御膜端部重なり部8の形状を、x<yの関係である台形形状としているので、オイル透過制御膜端部角γを鈍角とすることができ、より効果的に剥がれ発生を防止できる。
本発明によるオイル塗布ローラ2は、電子写真方式を採用する画像形成装置の定着部に用いられる。オイル塗布ローラ2は加熱ローラ及び加圧ローラ3表面に離型性を向上させるためのシリコンオイル等を塗布し、かつ、その表面に付着した異物を除去するクリーニングローラ1と当接している。
オイル塗布ローラ2には、オイル含浸層5が芯金4上に形成され、表層を、オイル含浸層5からのオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜6が被覆する構成である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】オイル塗布ローラのオイル透過制御膜の巻き付け端部がクリーニングローラと当接している定着装置の構成を示す概略図である。
【図2】オイル塗布ローラのオイル透過制御膜の巻き付け端部が加熱ローラ及び加圧ローラと当接している定着装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明によるオイル塗布ローラを示す概略図である。
【図4】図3のオイル塗布ローラの正面図である。
【図5】オイル透過制御膜を示す展開図である。
【図6】図5のA部拡大図である。
【図7】A部切り込み角度を説明する概略図である。
【図8】x<yの台形形状の重なり部を有するオイル塗布ローラの側面図である。
【図9】x=yで端部に切り込みを設けたオイル透過制御膜の展開図である。
【図10】x<yで端部に切り込みを設けたオイル透過制御膜の展開図である。
【図11】図9に示すオイル透過制御膜を用いて構成されたオイル塗布ローラの側面図である。
【図12】図10に示すオイル透過制御膜を用いて構成されたオイル塗布ローラの側面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 クリーニングローラ
2 オイル塗布ローラ
3 加熱ローラ及び加圧ローラ
4 芯金
5 オイル含浸層
6 オイル透過制御膜
7 オイル透過制御膜端部(オイル含浸層への巻き付け開始部または終了部)
8 オイル透過制御膜重なり部
9 ローラ軸方向端部
10 ローラ端面
11 ローラ軸方向概略端部
12 ローラ軸方向概略中央部
13 オイル透過制御膜切り込み
14 オイル透過制御膜丸穴
L 切り込み長さ
P 切り込み間隔
R ローラ周方向
x 重なり部形状長さ
y 重なり部形状長さ
θ 切り込みと周方向のなす角
γ オイル透過制御膜端部角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真式画像形成装置に装備されて転写材上の未定着トナー像を定着させる定着装置であって、定着ローラと、定着ローラの表面に離型用のオイルを塗布するオイル塗布ローラと、該オイル塗布ローラ表面の異物を除去するクリーニングローラと、を備えたものにおいて、
前記オイル塗布ローラは、芯金上にオイル含浸層を備え、該オイル含浸層の表層に該オイル含浸層からのオイル滲み出し量を調整するシート状のオイル透過制御膜をその周方向両端部が所定の周方向幅に亘って重なり合うように被覆した構成を有し、
前記オイル透過制御膜の少なくとも一方の周方向端部には、軸方向に沿った任意のピッチにて周方向へ延びる複数の切り込み線が形成されており、
前記各切り込み線の周方向長は、オイル透過制御膜の周方向端部同志の重なり部の重なり幅と同等であり、
各切り込み線間に形成される小片は、一つ置きに周方向へ折り返されていることを特徴とするオイル塗布ローラ。
【請求項2】
前記オイル透過制御膜の軸方向一端部に位置する前記小片は、軸方向他端部に位置する前記小片と同じ方向に位置していることを特徴とする請求項1記載のオイル塗布ローラ。
【請求項3】
前記オイル透過制御膜端部の切り込み線の奥側端部には丸穴を備えていることを特徴とする請求項1、又は2記載のオイル塗布ローラ。
【請求項4】
前記オイル透過制御膜端部に形成された前記小片は、台形状であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のオイル塗布ローラ。
【請求項5】
前記オイル透過制御膜の端部に形成した前記切り込み線間の間隔は、前記オイル塗布ローラの軸方向概略両端部と、概略中央部とで異なっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のオイル塗布ローラ。
【請求項6】
前記オイル塗布ローラがクリーニングローラに当接するさいに、前記透過制御膜端部が締まる方向に摺擦するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のオイル塗布ローラ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のオイル塗布ローラを備えたことを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項7に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−25071(P2007−25071A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204780(P2005−204780)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】