説明

オス部材カバー及びカバー付きオス部材

【課題】オスルアーにカバーをかぶせた場合、ニードルレスポートとオスルアーでカバーを挟み込んでしまい、カバーのスリットがうまく開かない場合がある、という課題がある。

【解決手段】オス部材40に装着されるオス部材カバー10は、弾性的に圧縮変形可能な外周壁21と、外周壁の一端に設けられた天板23とを含み、可撓性を有する材料からなるカバー本体20と、立設部30とを備える。立設部30がニードルレスポートと当接することにより、外周壁が短縮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オス部材に装着されるオス部材カバーに関する。また、本発明は、オス部材にオス部材カバーが装着されたカバー付きオス部材に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に輸液や輸血を行ったり、手術において体外血液循環を行ったりする場合に、薬液や血液などの液状物を輸送するための経路(輸送ライン)を形成する必要がある。輸送ラインは、一般に容器や各種器具、チューブなどを接続することによって形成される。異なる部材を接続する方法として、オス部材としてのオスルアーとニードルレスポートとのスリップ接続が知られている(例えば特許文献1,2参照)。ニードルレスポートは、中央部に直線状のスリット(切り込み)が形成されたゴム等の弾性材料からなる隔壁部材(以下「セプタム」という)を備える。セプタムのスリットに、注射針等の鋭利な金属針が付いていない管状体(オスルアー)を挿入することにより、ニードルレスポートとオスルアーとを連通させることができる。ニードルレスポートからオスルアーを抜き去るとセプタムのスリットは直ちに閉じる。このように、セプタムはリシール性を有し、オスルアーを繰り返し抜き差しすることができる。
【0003】
薬液の中には、例えば一部の抗がん剤のように劇薬に指定されているものがある。このような危険な薬液が漏れ出して作業者の指等に付着したり、薬液の蒸気を作業者が吸引したりする事態は回避しなければならない。
【0004】
上述のスリップ接続では、ニードルレスポートからオスルアーを抜き去ると、セプタムのスリットは直ちに閉じるので、ニードルレスポートから液状物が漏れ出る可能性は一般に低い。しかしながら、ニードルレスポートに挿入する前及び抜き取った後のオスルアーは、外界に露出されているため、オスルアーから液状物が漏れ出る可能性がある。
【0005】
ニードルレスポートに接続されていないオスルアーから液状物が漏れ出る可能性を低減するために、オスルアーを伸縮可能なカバーで覆う方法が特許文献3,4に記載されている。このカバーのオスルアーの先端に対向する位置には、直線状のスリット(切り込み)が形成されている。オスルアーがニードルレスポートに接続されていないときには、オスルアーはカバーで覆われ、カバーのスリットは閉じている。オスルアーをニードルレスポートに接続しようとすると、オスルアーがカバーのスリットを貫通し、更にセプタムのスリットを貫通する。このとき、カバーは圧縮変形する。オスルアーをニードルレスポートから抜き取ると、カバーが伸長し、初期状態に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3389983号明細書
【特許文献2】特許第4163975号明細書
【特許文献3】国際公開第2010/061742号(図7,図8)
【特許文献4】国際公開第2010/061743号(図10,図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来のカバーのスリットは、ニードルレスポートとオスルアーでカバーを挟み込んでしまい、カバーのスリットがうまく開かない場合がある、という課題がある。
【0008】
本発明は、上記の従来のカバーの課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のオス部材カバーは、液状物が流れる流路が形成された筒形状を有するオス部材の少なくとも先端を覆うオス部材カバーであって、
弾性的に圧縮変形可能な外周壁と、前記外周壁の一端に設けられた天板とを含み、可撓
性を有する材料からなるカバー本体と、
前記天板には、前記天板を貫通する貫通部および、立設部が形成されており、
立設部がニードルレスポートなどの接続対象物と当接することにより、外周壁が短縮されることを特徴とするオス部材カバーである。
【0010】
本発明のカバー付きオス部材は、液状物が流れる流路が形成された筒形状を有するオス部材と、前記オス部材の少なくとも先端を覆うオス部材カバーとを備えたカバー付きオス部材であって、前記オス部材カバーが上記の本発明のオス部材カバーである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カバー本体の天板に立設部を設け、接続対象物と立設部が当接することで、圧縮荷重がカバー本体の外周壁に伝わる。そのため、天板が接続対象物とオス部材に挟まれることによって、天板を貫通する貫通部が開かないということをなくすことができ、カバー本体を確実に開口させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1Aは本発明の実施形態1にかかるオス部材カバーの上方から見た斜視図、図1Bはその下方から見た斜視図である。
【図2】図2Aは図1A及び図1Bに示したオス部材カバーの側面図、図2Bは図2AのD−D線を含む面に沿ったその矢視断面図である。
【図3】図3は本発明の実施形態にかかるカバー本体の上面図である。
【図4】図4は本発明の実施形態にかかるカバー付きオス部材の断面図である。
【図5】図5Aは本発明の実施形態1にかかるオス部材カバーが装着されたレバーロック式オスコネクタ及びニードルレスポートの非接続時の側面図、図5Bはその断面図である。
【図6】図6Aは本発明の実施形態1にかかるオス部材カバーが装着されたレバーロック式オスコネクタ及びニードルレスポートの接続時の側面図、図6Bはその断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記立設部は、請求項2に示されるように、略円筒形状であり、カバー本体の軸方向から立設部を見たときに、貫通部が立設部内にあることが好ましい。このようにすることで、外周壁を圧縮する力が外周壁全周に伝わり、外周壁が一部だけ圧縮されないということがなくなり、貫通部を容易に開口させることができる。
【0014】
また、請求項3に示されるように、立設部の肉厚は、外周壁の肉厚よりも厚いことが好ましい。このようにすることで、外周壁よりも立設部が先に圧縮されるということがなくなり、より確実に接続することが可能になる。
【0015】
請求項4に示されるように、前記開口内に露出した前記貫通部は「−」字状であることが好ましい。これにより、貫通部の開口形状を簡単化することができる。また、天板を圧縮する場合には、貫通部の長軸方向と直交する方向に少なくとも圧縮すればよいので、天板の設計を簡単化することができる。
【0016】
請求項5に示されるように、前記外周壁は蛇腹形状を有することが好ましい。これにより、オス部材の長手方向に弾性的に圧縮変形する外周壁を容易且つ低コストで提供することができる。
【0017】
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、以下の各図中の寸法は、実際の寸法および寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0018】
図1Aは本発明の実施形態1にかかるオス部材カバー(以下、単に「カバー」という)10の上方から見た斜視図、図1Bはその下方から見た斜視図、図2Aはその側面図、図2Bは図2AのD−D線を含む面に沿ったその矢視断面図である。本実施形態のカバー10は、カバー本体20と、カバー本体20の上部に設けられた立設部30とを備えている。以下の説明の便宜のために、図2A、図2Bの紙面の上側をカバー10の「上側」、下側をカバー10の「下側」と呼ぶ。但し、この上下は、カバー10の実際の使用状態の上下を意味するものではない。
【0019】
(カバー本体)
カバー本体20は、略筒形状を有する外周壁21と、外周壁21の上端に設けられた天板23と、外周壁21の下端に設けられた基部28とを備える。カバー本体20は可撓性(柔軟性)を有する材料(例えばシリコンゴム、イソプレンゴム)で一体的に形成することができる。
【0020】
カバー本体20の外周壁21は、その上下方向寸法が短縮するように弾性的に圧縮変形可能である。これを実現するために、本実施形態では、外周壁21は、厚さ0.1〜1.0mmの可撓性を有する円筒形状からなるが、その外寸法及び内寸法が一定範囲内で上下方向に一定周期で変化した蛇腹形状を有していてもよい。本実施形態では、外周壁21の水平方向に沿った断面形状は円形であるが、四角形、六角形等の多角形などの任意の形状であってもよい。
【0021】
カバー本体20の天板23の中央には、貫通部として、天板23を上下方向に貫通する直線状のスリット(貫通部)24が形成されている。上方から見たスリット24は、「−」(マイナス)字形状を呈している。
【0022】
カバー本体20の基部28は、カバー10をオス部材又はその基台に固定するためのものである。基部28の中央には、オス部材を挿入するための穴(貫通穴)29が形成されている。カバー10を固定するために、基部28に任意の係合形状、嵌合形状等(図示せず)が設けられていてもよい。
【0023】
(立設部)
図1Aに示されるように、カバー本体20の軸方向上側から天板23を見たとき、天板23にはスリット24を囲むようにして、円筒形状の立設部30が形成されている。また、本実施例では、軸方向に垂直な方向から見たとときに、外周壁21の延長線上に、天板23を挟んで立設部30が形成されているため、立設部30が接続対象物から受ける圧縮荷重が、そのまま外周壁21に伝わる。立設部30の肉厚は、外周壁の肉厚よりも厚いことが好ましい。例えば、外周壁の肉厚の1.2〜2.5倍の肉厚が好ましく、1.2〜1.8倍あるとより好ましい。また、立設部30の高さは軸方向上側から見た天板23の半径の0.1〜0.8倍が好ましく、0.3〜0.6倍あるとより好ましい。なお、本実施例では、立設部は円筒形状であるが、それに限らず、三角柱形状や、四角柱形状など、多角形状であってもよい。
【0024】
立設部30は、カバー本体20と一体に成形され、同一の材料からなることが好ましい。立設部30は、特に制限はないが、例えば、シリコンゴム、イソプレンゴム等を用いて、一体的に形成することができる。
【0025】
(カバー付きオス部材)
図4は、オスルアー40に上述したカバー10が装着されたカバー付きオス部材の断面図である。オスルアー40は、その長手方向に沿って液状物が流れる流路41が形成された筒形状を有している。オスルアー40の外周面は、その外径が基台48から離れるにしたがって小さくなるテーパ面であることが好ましい。オスルアー40は、セプタムのスリットに挿入可能な筒形状を有する公知のオスルアーであってもよい。カバー10は、その基部28をオスルアー40の基台48に固定することにより、オスルアー40に一体化されている。基部28の基台48に対する固定方法は、特に制限はなく、例えば係合、嵌合、接着、融着等、カバーをオスルアー40に固定するために用いられる公知の方法から適宜選択することができる。オスルアー40の先端43に、カバー本体20の天板23のスリット24が対向している。スリット24は圧縮力によって閉じられ、液密にシールされているので、流路41内の液状物は、スリット24を通過してカバー10外に漏れ出ることはない。好ましくは、オスルアー40の先端43に、天板23のスリット24が形成された部分が密着し、流路41の先端43側の開口が天板23により閉じられている。これにより、流路41内の液状物は、カバー10内に漏れ出ることがない。
【0026】
(カバーが装着されたレバーロック式オスコネクタ)
図5Aは、カバー10が装着されたレバーロック式オスコネクタ(以下、単に「オスコネクタ」という)50及びニードルレスポート70の側面図、図5Bはその断面図である。
【0027】
オスコネクタ50は、液状物が通る管体51を備える。管体51の一端は、ニードルレスポート70のセプタム71に挿入されるオスルアー40であり、その他端は柔軟なチューブ(図示せず)が接続される基端部52である。オスルアー40に、図4で説明したようにカバー10が装着されている。
【0028】
管体51と同軸の略円筒形状を有するフード55が、オスルアー40を取り囲むように、管体51に一体に設けられている。管体51を挟むように、管体51と略平行な一対のロックレバー60が設けられている。ロックレバー60は、その長手方向の略中央位置に設けられた支持片57にて管体51に接続されている。ロックレバー60は、支持片57に対して一方の側にロック片61を備え、他方の側に操作片65を備える。ロック片61がオスルアー40と直接対向するように、フード55が切り欠かれている。ロック片61のオスルアー40に対向する側の面の先端には、係合爪62が形成されている。
【0029】
ロック片61及び操作片65を含むロックレバー60は実質的に剛体とみなすことができる。一方、ロックレバー60を支持する支持片57は弾性的に湾曲可能である。従って、支持片57が湾曲することにより、一対のロックレバー60は弾性的に揺動する。例えば、操作片65を互いに接近するように変位させると、ロック片61は互いに離れるように変位する。
【0030】
ニードルレスポート70のセプタム71は、その中央部に直線状のスリット72が形成されたゴム等の弾性材料からなる円板状の隔壁部材である。セプタム71は、略円筒形状の基体部73とポートキャップ75とに挟持され固定されている。ポートキャップ75は、基体部73と嵌合する円筒部76と、円筒部76の一端に設けられた押さえ板77とを備える。押さえ板77の中央には円形の開口78が形成されている。セプタム71のスリット72は開口78内に露出している。円筒部76の外周面には、周方向に連続する環状突起79が形成されている。
【0031】
オスコネクタ50及びニードルレスポート70の構成は、本実施形態のカバー10を除
いて、特に制限はなく、例えば特許文献2に記載された公知の構成であってもよい。
【0032】
オスコネクタ50とニードルレスポート70との接続は以下のようにして行う。
【0033】
(オスコネクタとニードルレスポートとの接続)
図5A及び図5Bに示すように、ニードルレスポート70にオスコネクタ50を対向させ、ポートキャップ75がフード55内に挿入されるように、オスコネクタ50をニードルレスポート70に押し付ける。
【0034】
カバー10の立設部30が、ニードルレスポート70のポートキャップ75と当接する。立設部30がポートキャップ75から受けた押力は、天板23にほぼそのまま伝達される。その結果、オスルアー40の先端43が、カバー本体20の天板23に押し付けられ、天板23を弾性変形させて、スリット24内に侵入する。オスルアー43が押し付けられた天板23は容易に変形し、オスルアー43は天板23のスリット24内に容易に侵入する。そして、オスルアー40は、スリット24を貫通する。更に、オスルアー40は、セプタム71のスリット72に挿入される。この過程で、立設部30がポートキャップ75から受けた押力は、天板23から外周壁21に伝わり、外周壁21は下方向に弾性的に圧縮変形する。本実施例では、軸方向に垂直な方向から見たとときに、外周壁21の延長線上に、天板23を挟んで立設部30が形成されているため、立設部30がポートキャップ75から受ける圧縮荷重が、そのまま外周壁21に伝わる。
【0035】
オスルアー40がセプタム71に挿入され、オスルアー40とニードルレスポート70とが連通した状態で、ロックレバー60の係合爪62を、ポートキャップ75の環状突起79に係合させる。
【0036】
その結果、図6A及び図6Bに示すように、オスコネクタ50とニードルレスポート70とを接続することができる。立設部30がポートキャップ75と当接した状態で、オスルアー40が天板23のスリット24及びセプタム71のスリット72を貫通している。外周壁21は弾性的に圧縮変形している。
【0037】
オスコネクタ50とニードルレスポート70との分離は、以下のようにして行う。
【0038】
(オスコネクタとニードルレスポートの分離)
オスコネクタ50の一対の操作片65を互いに接近するように変位させ、ロック片61の係合爪62とポートキャップ75の環状突起79との係合を解除する。この状態で、オスコネクタ50をニードルレスポート70から引き抜く。外周壁21はその弾性回復力によって直ちに伸長する。オスルアー40が、天板23のスリット24から抜け出ると、スリット24は直ちに弾性回復して閉じる。また、セプタム71のスリット72も、オスルアー40が抜き去られると直ちに閉じる。かくして、図5A及び図5Bに示した初期状態に戻る。
【0039】
以上のように、本実施形態1によれば、カバー本体20の天板23に立設部30を設け、接続対象物と立設部30が当接することで、圧縮荷重がカバー本体20の外周壁21に伝わる。そのため、天板23が接続対象物とオスルアー40に挟まれることによって、天板23を貫通するスリット24が開かないということをなくすことができ、カバー本体20を確実に開口させることができる。さらに、オスルアー40を接続対象物から引き抜くと、カバー本体20の外周壁21は、その復元回復力によって直ちに伸長する。このとき、立設部30が円筒形状であり、カバー本体20の軸方向から立設部30を見たとき、スリット24が立設部30内にあると、外周壁21の復元回復力がより強くなる。その結果、オスルアー40が接続対象物と接続されていない状態のときに、オスルアー40の流路41内の液状物がスリット24を通過してカバー10外に漏れ出る可能性は、上述した従来のカバーに比べて、極めて低い。また、オスルアー40を天板23のスリット24に繰り返し抜き差ししても、スリット24のリシール性はほとんど低下しない。
【0040】
本実施形態1のカバー10は、従来のカバーに比べて、オスルアー40の外周面に対する摩擦力が大きくなる可能性がある。その結果、オスルアー40をセプタム71から引き抜いた後、外周壁21が直ちに伸長しない場合も考えられる。しかしながら、このような問題は、立設部30及び外周壁21の強度(弾性力)、天板23の厚さ等を調整することにより、解決可能である。
【0041】
上記の実施形態は例示に過ぎない。本発明は上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
【0042】
上記の実施形態では、レバーロック式オスコネクタ50に設けられたオスルアーにオス部材カバーを設ける例を説明したが、レバーロック式オスコネクタ50以外のオスコネクタに設けられたオスルアーに本発明のオス部材カバーを設けてもよい。
【0043】
上記の実施形態では、オス部材がオスルアーであり、メス部材がセプタムである場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メス部材がバイアル瓶のゴム栓であり、オス部材がこのゴム栓に穿刺される樹脂針であってもよい。本発明のオス部材は、相手方部材(メス部材)に対して挿入(穿刺を含む)することで連通される各種部材を包含する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の利用分野は特に制限はないが、輸液、輸血、体外血液循環などを行うための輸
送ラインで使用されるオス部材に好ましく利用することができる。また、患者に投与する
薬液等の調製をする際に使用される各種コネクタのオス部材に利用することもできる。特
に、漏出又は蒸発することを防止する必要がある危険な薬剤(例えば抗がん剤)等を取り
扱う分野で好ましく利用することができる。更に、医療用以外の食品などの液状物を取り
扱う各種分野で用されるオス部材に利用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
10 オス部材カバー(カバー)
20 カバー本体
21 外周壁
23 天板
24 スリット(貫通部)
28 基部
30 立設部
35 凹部
40 オスルアー(オス部材)
41 オスルアー(オス部材)の流路
43 オスルアー(オス部材)の先端
71 セプタム(メス部材、弾性隔壁部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物が流れる流路が形成された筒形状を有するオス部材の少なくとも先端を覆うオス部材カバーであって、
弾性的に圧縮変形可能な外周壁と、前記外周壁の一端に設けられた天板とを含み、可撓性を有する材料からなるカバー本体と、
前記天板には、前記天板を貫通する貫通部および、立設部が形成されており、
立設部が接続対象物と当接することにより、外周壁が短縮されることを特徴とするオス部材カバー。
【請求項2】
立設部は、略円筒形状であり、カバー本体の軸方向から立設部を見たときに、貫通部が立設部内にあることを特徴とする、請求項1に記載のオス部材カバー。
【請求項3】
立設部の肉厚は、外周壁の肉厚よりも厚いことを特徴とする、請求項1もしくは2に記載のオス部材カバー。
【請求項4】
前記開口内に露出した前記貫通部は「−」字状である請求項1〜3のいずれかに記載のオス部材カバー。
【請求項5】
前記外周壁は蛇腹形状を有する請求項1〜4のいずれかに記載のオス部材カバー。
【請求項6】
液状物が流れる流路が形成された筒形状を有するオス部材と、前記オス部材の少なくとも先端を覆うオス部材カバーとを備えたカバー付きオス部材であって、
前記オス部材カバーが請求項1〜5のいずれかに記載のオス部材カバーであることを特徴とするカバー付きオス部材。
【請求項7】
前記天板の前記貫通部は、前記オス部材の先端が対向する位置に設けられている請求項6に記載のカバー付きオス部材。
【請求項8】
前記オス部材が前記天板の前記貫通部を貫通していないとき、前記オス部材の流路の先端側の開口は前記天板により閉じられている請求項6もしくは7に記載のカバー付きオス部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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