説明

オゾン水生成方法、オゾン水及びオゾン水生成装置

【課題】 高濃度オゾン水を効率よく生成することのできるオゾン水生成方法を提供する。
【解決手段】 オゾン水生成を次の工程で行う。原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程(P1)と、当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と(P2)、によりオゾン水生成を行う。濃度調整オゾン水の濃度と同じ濃度で同じ量のオゾン水を生成することに比べ、それよりも濃度が高い原オゾン水を少量生成しておき、この原オゾン水に混合用水を混合するほうが、効率よく濃度調整オゾン水の生成を行うことができる。また、原オゾン水の生成量は少なくて足りるから、原オゾン水の生成装置を小型化することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オゾン水生成方法、オゾン水及びオゾン水生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オゾン水生成装置として、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載されたオゾン水生成装置(以下、「第1の従来装置」という)は、原水となる被処理水を通過させるための管路と、管路の途中に設けられたオゾン注入器と、オゾン注入器上流の管路外壁に設けられた永久磁石と、コイル状に構成された管からなる攪拌部と、を備えている。オゾン注入器は、通過する被処理水の中にオゾンを散気させるためのものであり、上記オゾンは、オゾン注入器外部から供給される。永久磁石は、管路を流れる被処理水に、その管路の軸線方向に対し直交する方向から磁力を作用させるように配されている。永久磁石が設けられた理由を特許文献1は、永久磁石の磁力を利用して被処理水をイオン化すると共にクラスターを細分化することによって、オゾン溶解性を向上させるため、と説明する。また、永久磁石の磁界(磁力)を貫くように被処理水(水道水)を流すことによって、被処理水のイオン化が促進され、クラスターが細分化される旨が、特許文献1に永久磁石の磁力方向を管路の軸線に対し直交させた理由として記載されている。さらに、特許文献1は、オゾン注入器の上流に設けてある永久磁石を、上流の代わりに下流に設けること、上流と下流の双方に設けることを併せて開示しているが、何れにしろ、使用される磁石は、あくまでも管路内を流れる被処理水、すなわち、安定状態にある被処理水に対して磁力を作用させることを目的としたものである。攪拌部は、乱流を発生させることによりオゾン水の攪拌を目的とするものである。
【特許文献1】特開2003−19486号公報(段落0006、0009、0010、0019、0020、0021、0021、0026、図1参照)
【0003】
他方、特許文献2には、温水にオゾンを溶解させて温オゾン水を生成するオゾン水吹き付け装置(以下、「第2の従来装置」という)が開示されている。第2の従来装置は、鶏卵に吹き付けて洗浄を行うための温オゾン水を生成するための装置である。上記温オゾン水のオゾン濃度は、1〜3ppm、同じく温度は40℃に設定されている。
【特許文献2】特開平11−235135号公報(段落0034、0035、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1の従来装置は、コイル状の攪拌部を有することから装置全体が大型化してしまう。まして、大量のオゾン水を生成しようとすればするほど、大型化が避けられない。また、第1の従来装置は、管路内を流れる被処理水に対して永久磁石の磁力を作用させるように構成されているが、たとえ、その作用方向を流れる被処理水に対する直交方向と一致させたものであっても、高い溶解度(高溶解度)をもった高濃度オゾン水を簡単に生成することはできない。この点は、後述する発明者らが行った実験結果をもって立証する。すなわち、気体を液体に混合するために磁石を使用するとしても、従来の生成装置が採用する磁石の使用方法では気体の溶解度の高い気体混合液を得ることは難しい。
【0005】
他方、前述したように、第2の従来装置が温水にオゾンを溶解させてオゾン濃度1〜3ppm、温度は40℃の温オゾン水を生成する旨が、特許文献2に記載されている。しかし、40℃の温オゾン水を生成するためには生成途中の熱損失を無視したとしても40℃の温水にオゾンを溶解させる必要がある。この点に疑問が残る。気体中の成分の液体中への溶解度を表す定数の一つであるヘンリー定数が小さいほど溶けやすいものであり、ヘンリー定数は液体温度が低いほど小さくなることは、よく知られている。この点、非特許文献1には、水に対するオゾンの溶解度について、次の記述がある。すなわち、M.Maifertの値によれば、たとえば15℃のときのヘンリー定数が2880であったのに対し、32℃では同じく7130、さらに、40℃では同じく12750と記述されている。このことから、30℃を超える温水にオゾンを溶解させようとしても、その効率は極端に悪いため、膨大な量のオゾンが必要となり、この結果、やはり装置全体が大型化してしまうという問題点があった。また、膨大量のオゾンを用いて生成したとしても、40℃のオゾン水のオゾン濃度は、せいぜい3ppmが限度であろう。
【非特許文献1】杉光英俊著、「オゾンの基礎と応用」P37,株式会社光琳(2004年)
【0006】
本発明が解決しようとする第1の課題は、小型ながら高濃度のオゾン水を効率よく生成することのできるオゾン水生成装置、オゾン水生成方法を提供することにある。さらに、第2の課題として、温度が30℃以上であり、かつ、オゾン濃度が3ppmを超えるオゾン水(温オゾン水)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた発明者は、まず、気液混合によって高濃度のオゾン水を生成し、この生成したオゾン水を原オゾン水として、この原オゾン水に水(混合用水)を混合することによって求める濃度のオゾン水を生成可能であることを知見した。つまり、混合用水を混合することによって、原オゾン水と混合用水との総量と等しい量のオゾン水を得ることができるから、上記総量のオゾン水を生成する生成装置に比べ原オゾン水の生成装置であれば小型のもので済ますことができるからである。混合用水の混合によって、原オゾン水のオゾン濃度が低下するが、その低下分は、原オゾン水の濃度を予め高く設定しておくことによって目的濃度のオゾン水を生成すればよい。温オゾン水を生成する場合は、混合用水を予め加熱しておく。さらに詳しい内容については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項記載の発明を説明するに当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において、かつ、発明カテゴリーの違いや記載の順番等に関わらず、他の請求項記載の発明にも適用があるものとする。
【0008】
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項1の生成方法」という)は、原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程と、当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と、を含むことを特徴とする。原オゾン水を生成するに当たって、pH調整等を行うための添加物は用いない。添加物による人畜、環境等への悪影響を排除するためである。ここで、原水には、たとえば、地下水、水道水、河川水、雨水等の自然水のほか、純水等も含まれる。
【0009】
請求項1の生成方法によれば、小型ながら大量のオゾン水を生成することができる。すなわち、オゾン水生成にはその生成量に応じた生成設備が必要であるところ、濃度の高い原オゾン水を生成しておき、この原オゾン水に混合用水を混合することによって大量のオゾン水(濃度調整オゾン水)を生成することができる。濃度調整オゾン水のオゾン濃度は混合用水を混合することによって低下するが、その低下分だけ原オゾン水のオゾン濃度を高めておけばよい。つまり、単位量当たりの濃度調整オゾン水のオゾン濃度を求めるオゾン濃度(希望オゾン濃度)とすれば、調整オゾン濃度(希望オゾン濃度)から逆算して、原オゾン水のオゾン濃度と混合用水の量を算出することができる。同量同濃度のオゾン水を得ようとする場合に、そのオゾン水全部を生成する従来のオゾン水生成方法に比べ、希望オゾン濃度よりも高い濃度の原オゾン水を少量だけ生成しこれに混合用水を混合させる請求項1の生成方法のほうが生成方法実施のための設備を小型化することができる。換言すれば、小型ながら大量のオゾン水を生成することが可能になる。
【0010】
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項2の生成方法」という)では、請求項1の生成方法を前提として、前記原オゾン水生成工程において、磁力を作用させながらオゾン混合を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2の生成方法によれば、請求項1の生成方法の作用効果に加え、磁力作用を受けた原水(オゾン水)及び/又はオゾンは、その磁力作用により混合が促進され、原オゾン水生成を効率よく行うことができる。効率よくオゾン水生成ができれば、その分、生成方法実施のための設備の小型化に貢献する。
【0012】
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項3の生成方法」という)は、請求項1又は2の生成方法を前提として、前記原オゾン水生成工程において、混合用水をベンチュリ効果によって原オゾン水に混合することを特徴とする。
【0013】
請求項3の生成方法によれば、請求項1又は2の生成方法の作用効果を前提として、原オゾン水に対する混合用水の混合を円滑に行うことができる。すなわち、管の小径部に流入するときの原オゾン水の圧力は、小径路に近づくにつれて一気に増加し、小径路通過後に一気に減少するから、その圧力減少する際の負圧状態を利用して混合用水を吸引混合させる。吸引された混合用水は、上記圧力変化と、小径路通過に伴う原オゾン水の流れの変化等が複雑に絡み合い、一気に攪拌混合される。
【0014】
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項4の生成方法」という)は、請求項1乃至3いずれかの生成方法を前提として、前記オゾン水のオゾン濃度が、4〜20ppmであり、濃度調整オゾン水のオゾン濃度が、1〜15ppmであることを特徴とする。
【0015】
請求項4の生成方法によれば、請求項1乃至3いずれかの生成方法の作用効果を前提として、4〜20ppmの原オゾン水を生成し、この生成したオゾン水に混合用水を混合して1〜15ppmの濃度調整オゾン水を生成することができる。1〜15ppmのオゾン水であれば、各種の洗浄、殺菌、脱色等のほとんどを賄うことができる。
【0016】
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項5の生成方法」という)は、請求項1乃至3いずれかの生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度よりも前記混合用水の温度の方が高くなるように、当該混合用水を加熱する加熱工程を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項5の生成方法によれば、請求項1乃至3の生成方法の作用効果に加え、原オゾン水の温度よりも高い温度の濃度調整オゾン水を生成することができる。発明が解決しようとする課題の欄においてヘンリー定数との関係において説明したように、オゾン水生成のための液温は低いほうがオゾン溶解に都合よい。他方、たとえば、鶏卵や食器等の洗浄殺菌、搾乳装置(ミルキングパーラー)の消毒殺菌、生物実験用器具等の殺菌消毒、衣類等の洗濯、人や動物等への殺菌消毒のためにオゾン水を使用するなら、そのオゾン水は生成当時の温度よりも高い温度であるべき場合がある。請求項5の生成方法によれば、オゾン溶解に適した温度で原オゾン水の生成を行い、原オゾン水よりも高い温度の混合用水を混合して使用に適した温度まで高めれば、上記例において求められるオゾン水を手軽に、かつ、確実に生成することができる。
【0018】
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項6の生成方法」という)は、請求項5の生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、前記混合用水の温度が60℃以上であることを特徴とする。
【0019】
請求項6の生成方法によれば、20℃以上の濃度調整オゾン水を生成することができる。ここで、たとえば、温度40℃濃度4ppmのオゾン水を得ようとしたときに、40℃(又はそれ以上)の温水にオゾンを溶解させようとしても、前述したヘンリー定数(40℃で12750)の数値に照らしてオゾンを溶解させることは極めて難しい。したがって、4ppmまでオゾン濃度を高めることはほぼ不可能である。後述する実施例において詳細を述べるが、本願発明者らが行った実験によれば、温度17℃濃度10.3ppmの原オゾン水40容積%に、60℃の混合用水60容積%を混合させたところ、混合後10秒において温度41℃濃度4.1ppmの濃度調整オゾン水100容積%を得ることができた。このように原オゾン水のオゾン濃度、温度、混合容量と、混合用水の温度と混合容量を適宜組み合わせることによって30℃以上の温度の高濃度オゾン水を生成することができる。
【0020】
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項7の生成方法」という)は、請求項5の生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、前記濃度調整オゾン水の温度が、30〜60℃であることを特徴とする。
【0021】
請求項7の生成方法によれば、上記範囲を満たす濃度調整オゾン水を生成することができる。濃度調整オゾン水の温度を30〜50℃としたのは、係る範囲の温度領域が最もオゾン水の需要が多いと考えられるからであり、たとえば、原オゾン水のオゾン濃度を高めることにより、また、濃度調整オゾン水の生成量を少なくすることにより、上記範囲を超える温度及び/又はオゾン濃度の濃度調整オゾン水を生成することを妨げない。
【0022】
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項8の生成方法」という)は、請求項2乃至7いずれかの生成方法を前提として、前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmであることを特徴とする。
【0023】
請求項8の生成方法によれば、オゾンの気泡粒径Rが0<R<50nmであるため、オゾン水から浮力を受けることがほとんどない。このため、気泡は、浮上せずにオゾン水の中に安定して滞留する。安定して滞留するオゾン気泡は、オゾン水から容易に脱気しない。このため、高溶解度をもった高濃度の原オゾン水ひいては濃度調整オゾン水を生成することができる。
【0024】
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係るオゾン水(以下、適宜「請求項9のオゾン水」という)は、請求項7のオゾン水生成方法によって生成した濃度調整オゾン水であって、温度30〜50℃であり、かつ、オゾン濃度1〜15ppmであることを特徴とする。
【0025】
請求項9のオゾン水は、請求項7の生成方法によって生成したものであって、上記範囲のオゾン水を生成することが可能になる。上記範囲のオゾン水であれば、鶏卵や食器等の洗浄殺菌、生物実験用器具等の殺菌消毒、衣類等の洗濯、人や動物等への殺菌消毒のために最適である。
【0026】
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係るオゾン水(以下、適宜「請求項10のオゾン水」という)は、請求項9のオゾン水であって、前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmであることを特徴とする。
【0027】
請求項10のオゾン水によれば、オゾンの気泡粒径Rが0<R<50nmであるため、オゾン水から浮力を受けることがほとんどない。このため、気泡は、浮上せずにオゾン水の中に安定して滞留する。安定して滞留するオゾン気泡は、オゾン水から容易に脱気しない。このため、高溶解度をもった高濃度の原オゾン水ひいては濃度調整オゾン水を生成することができる。さらに、容易に脱気しないことから、すなわち、散布等しても有害であるオゾンが充満しないから、人体や動物等に対して直接散布することもできる。
【0028】
請求項11記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項11の生成装置」という)は、原水を通過させるための配管と、当該配管の途中に設けた気液混合構造と、当該気液混合構造にオゾンを供給するためのオゾン供給構造と、により原オゾン水を生成可能に構成してあり、さらに、当該原オゾン水に混合用水を混合して原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成するための濃度調整オゾン水生成構造を設けてあることを特徴とする。
【0029】
請求項11の生成装置によれば、小型ながら大量のオゾン水を生成することができる。すなわち、オゾン水生成にはその生成量に応じた生成設備が必要であるところ、気液混合構造において濃度の高い原オゾン水を生成しておき、濃度調整オゾン水生成構造において上記原オゾン水に混合用水を混合することによって大量のオゾン水(濃度調整オゾン水)を生成することができる。濃度調整オゾン水のオゾン濃度は混合用水を混合することによって低下するが、その低下分だけ原オゾン水のオゾン濃度を高めておけばよい。つまり、単位量当たりの濃度調整オゾン水のオゾン濃度を求めるオゾン濃度(希望オゾン濃度)とすれば、調整オゾン濃度(希望オゾン濃度)から逆算して、原オゾン水のオゾン濃度と混合用水の量を算出することができる。同量同濃度のオゾン水を得ようとする場合に、そのオゾン水全部を生成する従来のオゾン水生成装置に比べ、希望オゾン濃度よりも高い濃度の原オゾン水を少量だけ生成しこれに混合用水を混合させる請求項1の生成装置のほうが生成方法実施のための設備を小型化することができる。換言すれば、小型ながら大量のオゾン水を生成することが可能になる。
【0030】
請求項12記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項12の生成装置」という)には、請求項11のオゾン水生成装置の基本構成を備えさせた上で、前記気液混合構造には、内部に磁力を作用させるための磁石を設けてあることを特徴とする。
【0031】
請求項12の生成装置によれば、請求項11の生成装置の作用効果に加え、気液混合構造に磁石を設けたことから、磁石の磁力を原水(原オゾン水)とオゾンとを混合させる過程において作用させることになる。これによって、原水(原オゾン水)だけでなく、原水(原オゾン水)に溶解していないオゾンにも磁力作用が及ぶ。オゾンを混合するときの原水(原オゾン水)は、大小さまざまな大きさの気泡を含み、その流れはきわめて不規則な乱流である。したがって、原水(原オゾン水)やオゾンに作用する磁力の方向はきわめて不規則であり、かつ、不安定である。不規則かつ不安定な磁力作用が、高溶解度をもった高濃度オゾン水の生成に効果的であることは後述する実験結果により明らかである一方、その因果関係は現在解明中である。
【0032】
(請求項13記載の発明の特徴)
請求項13記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項13の生成装置」という)には、請求項11又は12の生成装置の基本構成を備えさせた上で、前記気液混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する気体供給パイプと、を含めて構成してあり、当該気体供給パイプの接続端には、前記気体供給構造を接続してある。
【0033】
請求項13の生成装置によれば、請求項11又は12の生成装置の作用効果と基本的に同じ作用効果を奏するが、気液混合構造における作用効果が次のとおりとなる。すなわち、配管からベンチュリ管に流入するときの原オゾン水の圧力は、小径路に近づくにつれて一気に増加し、小径路通過後に一気に減少する。圧力減少する際のベンチュリ管内部は真空又は真空に近い負圧状態となり、この負圧状態によって気体供給パイプによって供給されたオゾンが原水(原オゾン水)内に吸引される。吸引された気体は、上記圧力変化と、小径路通過に伴う原オゾン水の流れの変化等が複雑に絡み合い、一気に攪拌混合される。
【0034】
(請求項14記載の発明の特徴)
請求項14記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項14の生成装置」という)には、請求項13の生成装置の基本構成を備えさせた上で、前記磁石が、前記ベンチュリ管の少なくとも小径路及び/又は小径路の近傍に磁力を作用させられるように構成してある。
【0035】
請求項14の生成装置によれば、請求項13の生成装置の作用効果に加え、ベンチュリ管を通過する際及び/又は通過前後の原水(原オゾン水)に対して最も効率よく磁力を作用させることができる。発明者らの実験によれば、上記のとおり磁力を作用させたときに、最も効率よく高溶解度をもった高濃度の濃度調整オゾン水を生成することができた。その理由は、次のとおり推測される。すなわち、同じベンチュリ管に同じ磁石を設ける場合に、上記作用が生じるように設けることによってベンチュリ管の小径路を通過する際又はその通過前後は、原水(原オゾン水)に圧力変化が生じたりオゾンが吸引されたりするなど、原水(原オゾン水)の状態に大きな変化が生じる。この変化に合わせ原水(原オゾン水)に磁力を作用させることが、高溶解度・高濃度を実現する要因であると思われる。また、常磁性体であるオゾン気泡に磁力を作用させることも、高溶解度・高濃度実現に寄与していると推測される。
【0036】
(請求項15記載の発明の特徴)
請求項15記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項15の生成装置」という)には、請求項12乃至14いずれかの生成装置の基本構成に加え、前記磁石が、一方の磁石片と他方の磁石片とを含む磁気回路によって構成してあり、当該一方の磁石片と当該他方の磁石片とを、前記ベンチュリ管を挟んで対向させてある。
【0037】
請求項15の生成装置の生成装置によれば、請求項12乃至14いずれかの生成装置の作用効果に加え、磁気回路を構成することによってベンチュリ管内部の必要な箇所に集中的に磁力を作用させることができる。
【0038】
(請求項16記載の発明の特徴)
請求項16記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項16の生成装置」という)には、請求項12乃至15いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記磁石の磁力が、2000〜20000ガウスに設定してある。
【0039】
請求項16の生成装置によれば、請求項12乃至15いずれかの生成装置の作用効果に加え、磁石の構成を簡単に、かつ、経済的に行うことができる。すなわち、上記磁力を持った磁石であれば、市場調達が容易であるから特別な磁石を用意する必要がない。特別な磁石ではないから安価である。上記範囲を超える磁力を持った磁石の採用を妨げる趣旨でないことはいうまでもない。
【0040】
(請求項17記載の発明の特徴)
請求項17記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項17の生成装置」という)には、請求項12乃至16何れかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記気液混合構造を通過した原水(原オゾン水)を循環させて当該気液混合構造を再度通過させるための循環構造を、さらに含めて構成してあり、当該循環構造が、前記配管を含めて構成してある。
【0041】
請求項17の生成装置によれば、請求項12乃至16何れかの生成装置の作用効果に加え、循環構造を有することによって、原水(原オゾン水)を循環させることができ、この循環によって原水(原オゾン水)に対するオゾン注入を繰り返して行うことができる。繰り返してオゾン注入を行えば、オゾン注入を一旦終えた原水(原オゾン水)再度オゾン注入することによって、前者よりも後者のほうがオゾン溶解度並びにオゾン濃度を高めることが可能になる。循環させる回数は、求めるオゾン溶解度やオゾン濃度に応じて装置使用者が決定するとよい。
【0042】
(請求項18記載の発明の特徴)
請求項18記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項18の生成装置」という)には、請求項17の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記循環構造の途中には、循環させる原オゾン水を一旦貯留させるための貯留タンクを設けてある。
【0043】
請求項18の生成装置によれば、請求項17の生成装置の作用効果に加え、オゾン水を一旦、貯留タンクに貯留することができ、この貯留によって原オゾン水を安定状態に置き、これによって、原オゾン水に対するオゾン溶解を熟成類似の作用によって促進させることができる。
【0044】
(請求項19記載の発明の特徴)
請求項19記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項19の生成装置」という)には、請求項18の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記貯留タンク内の原オゾン水を5〜20℃の範囲に保持するための温度保持構造を設けてある。
【0045】
請求項19の生成装置によれば、請求項18の生成装置の作用効果に加え、温度保持構造を有することによって、原オゾン水の温度を上記範囲に保持することができる。オゾン水生成に使用する原水は長い配管内を搬送される場合が多く、そのような場合に搬送される原水は天候の影響を受けやすい。特に、夏季における温度上昇が著しい。また、原水(オゾン水)を循環させるためには循環のためのエネルギーが必要であり、そのようなエネルギー源として、たとえば、ポンプがある。上記したエネルギー源は、一般に発熱を伴いその熱が原水(オゾン水)の温度を高める場合がある。オゾン溶解は温度の影響を受け、温度が高くなると溶解度の低下が見られる。この点は、発明が解決しようとする課題の欄において既述した。そこで、原水(オゾン水)の温度を所定範囲に保つことによって、オゾン溶解を促進させる。他方、たとえば、寒冷地において原水(原オゾン水)が凍結する恐れがある場合は、ヒーター装置を設けて原水(原オゾン水)を加温するように構成してもよい。原水(原オゾン水)の冷却又は加温を不要とするのであれば、温度保持構造自体を省略してもよいし、設けてある温度保持構造の運転を停止してもよい。
【0046】
(請求項20記載の発明の特徴)
請求項20記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項20の生成装置」という)には、請求項18又は19の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記循環構造途中の前記気液混合構造下流かつ前記貯留タンク上流には、当該循環構造を通過する原オゾン水を一旦貯留してオゾン溶解を促進するための溶解促進槽を設けてある。
【0047】
請求項20の生成装置によれば、請求項18又は19の生成装置の作用効果に加え、溶解促進槽の働きによって原オゾン水に対するオゾン溶解が促進される。溶解促進槽に貯留されたオゾン水は、その貯留によって安定状態に置かれる。安定状態に置かれた原オゾン水は、それに対するオゾン溶解が熟成類似の作用によって促進される。気液混合構造において動的に溶解させられたオゾンは、溶解促進槽において静的に溶解させられ、両者の作用によって原オゾン水に対するオゾンの溶解が飛躍的に促進される。
【0048】
(請求項21記載の発明の特徴)
請求項21記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項21の生成装置」という)には、請求項20の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記溶解促進槽の頂部には、貯留してある原オゾン水から脱気したオゾンを排出可能とする脱気構造を設けてある。
【0049】
請求項21の生成装置によれば、請求項21の生成装置の作用効果に加え、原オゾン水が循環する過程において原オゾン水に溶解しなかったオゾンを装置外へ排出することができる。未溶解のオゾンを排出することによって、原オゾン水が含むオゾンは、溶解度の高いものであって低いものが排除される。したがって、真にオゾン溶解度の高い原オゾン水が生成される。ここで、オゾンの溶解度が高い、ということは、原オゾン水中に溶解しているオゾンの気泡径がナノメートル単位、好ましくは、たとえば、50nm未満であること、さらに好ましくは30nmであることをいう。上記気泡径の気泡であれば、原オゾン水から容易に脱気しないからである。
【0050】
(請求項22記載の発明の特徴)
請求項22記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項22の生成装置」という)には、請求項11乃至21いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記混合用水混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する混合用水供給パイプと、を含めて構成してあり、当該混合用水供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある。
【0051】
請求項22の生成装置によれば、請求項11乃至21いずれかの生成装置の作用効果に加え、原オゾン水に対する混合用水の混合を円滑に行うことができる。すなわち、管の小径部に流入するときの原オゾン水の圧力は、小径路に近づくにつれて一気に増加し、小径路通過後に一気に減少するから、その圧力減少する際の負圧状態を利用して混合用水を吸引混合させる。吸引された混合用水は、上記圧力変化と、小径路通過に伴う原オゾン水の流れの変化等が複雑に絡み合い、一気に攪拌混合される。
【0052】
(請求項23記載の発明の特徴)
請求項23記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項22の生成装置」という)には、請求項11乃至22いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記混合用水混合構造が、前記原オゾン水の温度よりも高い温度まで前記混合用水を加熱するための加熱構造を含めて構成してある。加熱構造は、オゾン水生成装置の本体内又は本体外のいずれでもよい。さらに、内外両者に設けてもよい。たとえば、本体内に設けたヒーターが後二者に該当し、本体外に設けた湯沸かし器(ボイラー)が最前者に該当する。
【0053】
請求項23の生成装置によれば、請求項11乃至22の生成装置の作用効果に加え、原オゾン水の温度よりも高い温度の濃度調整オゾン水を生成することができる。発明が解決しようとする課題の欄においてヘンリー定数との関係において説明したように、オゾン水生成のための液温は低いほうがオゾン溶解に都合よい。他方、たとえば、鶏卵や食器等の洗浄殺菌、生物実験用器具等の殺菌消毒、衣類等の洗濯、人や動物等への殺菌消毒のためにオゾン水を使用するなら、そのオゾン水は生成当時の温度よりも高い温度であるべき場合がある。請求項23の生成装置によれば、オゾン溶解に適した温度で原オゾン水の生成を行い、原オゾン水よりも高い温度の混合用水を混合して使用に適した温度まで高めれば、上記例において求められる濃度調整オゾン水を手軽に、かつ、確実に生成することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、小型ながら高濃度のオゾン水を効率よく生成することのできるオゾン水生成装置、オゾン水生成方法を提供することができる。さらに、混合用水を所定温度の温水とすることにより、温度が30℃以上であり、かつ、オゾン濃度が3ppmを超えるオゾン水(温オゾン水)を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
各図を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。図1は、本実施形態に係るオゾン水生成方法の工程を示すブロック図である。図2は、オゾン水生成装置の概略ブロック図である。図3は、気液混合構造の正面図である。図4は、図3に示す気液混合構造の左側面図である。図5は、図4に示す気液混合構造のX−X断面図である。図6は、図4に示す気液混合構造の概略平面図である。図7は、気液混合構造の変形例を示す正面図である。図8は、溶解促進構造の縦断面図である。図9は、オゾン水生成装置の変形例を示すブロック図である。図10は、比較対象となる気液混合構造の正面図である。
【0056】
(オゾン水生成方法)
図1を参照しながら、本実施形態に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「本生成方法」という)について説明する。本生成方法における最初の工程は、原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する工程である(P1)。原水には、図外の水道や井戸水等から供給を受けた自然水を好適に用いることができる。オゾンは、同じく図外のオゾン供給装置から供給を受ける。符号151はエジェクターを、符号153は循環ポンプを、それぞれ示している。エジェクター151は、流体を流す管の一部に小径部(くびれ)を設け、この小径部と大径部との間の流体圧力差が生じるというベンチュリ効果を利用して流体混合を行わせるための装置である。原水がエジェクター151内を通過するときに、上記ベンチュリ効果によってその原水の中にオゾンが吸引混合されるようになっている。循環ポンプ153は、一旦エジェクター151を通過した原水(既に、オゾン水になっている)を循環させて再度エジェクター151を通過させる役目を担っている。エジェクター151を通過する度にオゾンを混合させてオゾン溶解度とオゾン濃度を高めるためである。循環は、オゾン溶解度やオゾン濃度が求める値に達するまで繰り返して行うとよい。循環不要であれば、循環ポンプ153自体を省略してもよい。エジェクター151に磁石(図示を省略)を設けておき、原水(原オゾン水)とオゾンに磁力が作用するように構成すること、さらに、原水(原オゾン水)の温度が5〜20℃の範囲を超えないように温度調整すること、が好ましい。効率よく高溶解度・高濃度オゾン水を生成することができるからである。原オゾン水は、たとえば、4〜20ppm程度の濃度とする。
【0057】
次に、原オゾン水生成工程で生成した原オゾン水に混合用水を混合する(P2)。この混合によって、濃度調整オゾン水が生成される。混合用水は、原水と同様に、水道水や井戸水等の自然水が好適である。原水の水源と同じ水源から混合用水を取得するようにすれば、複数の水源を用意する必要がなくなるので、好都合である。求める濃度調整オゾン水濃度よりも高い濃度の原オゾン水を生成しておき、後から混合用水を混合して求める濃度にまで調整するようにしたので、混合用水の混合を行わずに当初から濃度調整オゾン水を生成する場合に比べてオゾン水生成の効率が高い。他方、濃度調整オゾン水の温度を原オゾン水の温度よりも高くしたいとき、たとえば、鶏卵を洗浄するために40℃前後の濃度調整オゾン水(温オゾン水)を必要とするとき、混合用水を所定温度にまで加熱してから(P3)、混合する。混合用水の所定温度は、必要とする濃度調整オゾン水の温度及び必要なオゾン濃度から逆算して設定する。この設定に際して、原オゾン水のオゾン濃度や温度、さらに、原オゾン水と混合用水との混合割合等を併せて考慮すべきことは、言うまでもない。本実施形態に係るオゾン水生成方法によれば、濃度3〜15ppmの濃度調整オゾン水を効率よく生成することができる。さらに、混合用水を加熱した場合に、たとえば、温度30〜50℃、オゾン濃度1〜15ppmのオゾン水を手軽に、かつ、確実に生成することができる。上記オゾン水であれば、適切な温度とオゾン濃度を備えているから、鶏卵や食器等の洗浄殺菌、生物実験用器具等の殺菌消毒、衣類等の洗濯、人や動物等への殺菌消毒のために最適である。
【0058】
(オゾン水生成装置の構造)
次に、図2を参照しながら、上記したオゾン水生成方法を実施するためのオゾン水生成装置の構造について説明する。オゾン水生成装置1は、貯留タンク3と、オゾンを生成して供給するためのオゾン供給構造5と、貯留タンク3から取り出した原水(原オゾン水)を貯留タンク3に戻すための循環構造7と、循環構造7の途中に設けた気液混合構造9及び溶解促進槽11と、貯留タンク3の排水側に付設した濃度調整オゾン水生成構造13と、から概ね構成してある。以下の説明は、説明の都合上、貯留タンク3、濃度調整オゾン水生成構造13、オゾン供給構造5、気液混合構造9、溶解促進槽11を行った後、最後に循環構造7について行う。なお、本実施形態におけるオゾン水生成装置は、たとえば、図2に符号101で示す鶏卵洗浄装置に洗浄用の温オゾン水を供給するために使用することができる。さらに、図示は省略するが、食器洗浄装置、搾乳装置の洗浄装置、生物実験用器具等の殺菌消毒装置、衣類等の洗濯装置、人や動物等への殺菌消毒装置等に対するオゾン水供給源としても使用可能である。
【0059】
(貯留タンク周辺の構造)
図2に示すように、貯留タンク3には取水バルブ3vを介して原水(本実施形態では井戸水)を注入可能に構成してある。貯留タンク3は取水した原水、及び、後述する循環構造7を介して循環させた原オゾン水を貯留するためのものである。貯留タンク3に貯留された原オゾン水は、貯留タンク3に付随させた攪拌ポンプ3aによって循環攪拌されるようになっていて、攪拌ポンプ3aの直下流に設けた冷却構造3bによって、たとえば、5〜15℃の範囲に保持されるようになっている。冷却構造3bを攪拌ポンプ3aの直下流に設けたのは、攪拌ポンプ3aが発生させた熱を、その拡散前に取り除くことにより貯留タンク3内の原オゾン水を上記温度内に効率よく保持するためである。原オゾン水の温度を上記範囲に温度設定したのは、オゾン溶解を効率よく行い、かつ、溶解させたオゾンを容易に脱気させないために適当であると考えられるからである。また、貯留タンク3を設けた理由は、原オゾン水を一旦貯留することによって安定状態に置き、これによって、原オゾン水に対するオゾン溶解を熟成類似の作用によって促進させるためである。なお、たとえば、寒冷地等において原オゾン水が凍結する恐れがある場合は、上記冷却構造3bの代わりに、又は、上記冷却構造3bとともにヒーター装置を用いて原オゾン水を加温するように構成してもよい。
【0060】
(濃度調整オゾン水生成構造)
図2を参照しながら、濃度調整オゾン水生成構造について説明する。本実施形態における濃度調整オゾン水生成構造13は、図外から取水した井戸水を、貯留タンク3から取り出した原オゾン水に混合するための装置であって、取水管13aの途中に設けた流量調整バルブ13bと、流量調整バルブ13bの下流側に設けたエジェクター13cと、から概ね構成してある。エジェクター13cは、後述する気液混合構造9のベンチュリ管21と略同じ構造に構成してある。ただ、ベンチュリ管21は気液混合を目的とするのに対しエジェクター13cは液液混合を目的とするので、後者のほうが前者よりも各部位の寸法が一般的に大きくなっている。符号13mは、ベンチュリ管21が有する磁気回路25と同様に機能する磁気回路を示している。磁気回路13mは、これが不要であれば省略可能である。エジェクター13cは液液混合に極めて好適なものであるが、エジェクター以外の液液混合構造を採用することを妨げるものではない。なお、本実施形態では、混合用水の温度を原オゾン水の温度よりも高くすることを目的として流量調整バルブ13bの上流にボイラー14を設けてある。ボイラー14は、取水管13a内を流れる混合用水を加熱するための加熱構造として機能する。ボイラー14は比較的多量の混合用水を得るときに便利であるが、それほど多量の混合用水を必要としない場合はこのボイラー14の代わりに、図外の湯沸かし器から混合用水を取水するようにしてもよい。貯留タンク3からの原オゾン水の取り出しは取出管3fの途中に設けた取出ポンプ3cによって行われ、取り出された原オゾン水にはエジェクター13cの中で加熱された混合用水が混合される。混合によって得られたオゾン水が、濃度調整オゾン水である。エジェクター13cを通過した濃度調整オゾン水は、供給管13dによってオゾン水供給先に供給されるようになっている。
【0061】
(オゾン供給構造)
本実施形態におけるオゾン供給構造5は、オゾンを生成供給するための装置である。必要なオゾン量を供給可能なものであれば、オゾン供給構造5が採用するオゾン発生原理等に何ら制限はない。オゾン供給構造5によって生成されたオゾンは、オゾン供給管5aの途中に設けた電磁バルブ5bを介して気液混合構造9に供給されるようになっている。
【0062】
(気液混合構造)
図2乃至7を参照しながら気液混合構造9の詳細について説明する。気液混合構造9は、ベンチュリ管21と、オゾン供給パイプ23と、磁気回路25と、により概ね構成してある。ベンチュリ管21は、上流側(図3の向かって右側)から送られた原水(循環後は原オゾン水)を下流側(図3の向かって左側)へ通過させるためのパイプ状の外観を有している(図3参照)。ベンチュリ管21を長手方向に貫く中空部は、上流側から下流側に向かって上流側大経路21a、絞り傾斜路21b、小径路21c、開放傾斜路21d及び下流側大経路21eの順に連通している。上流側大経路21aは、軸線方向に対して50度前後の急角度をもって絞り方向に傾斜する絞り傾斜路21bを介して小径路21cに繋げられ、その後、開放傾斜路21dによって同じく軸線方向に対して30度前後の緩やかな角度を持って開放される。開放傾斜路21dは、上流側大経路21aと同じ外径の下流側大経路21eに繋がっている。他方、小径路21cには、そこに気体供給パイプ21fの開口端を臨ませてある。気体供給パイプ21fの供給端にはオゾン供給構造5と連通する気体供給管5aが接続してある。小径路21cの中、又は、その近傍は、ベンチュリ効果によって原水(原オゾン水)の圧力変化によって真空又は真空に近い状態になるため、開口端に及んだオゾンは吸引され乱流化した原水(原オゾン水)内に散気(混合)される。なお、図5に示す符号21gは、ベンチュリ管21と気体供給パイプ21fとの間を補強するためのリブを、同じく符号21hは、上流側大経路21aと下流側大経路21eとの間を補強するためのリブを、それぞれ示している。
【0063】
ベンチュリ管21には、磁気回路25をネジ(図示を省略)固定してある。磁気回路25は、ベンチュリ管21を挟んで対向する一方の磁石片25a及び他方の磁石片25bと、一方の磁石片25aと他方の磁石片25bとを連結するとともに、ベンチュリ管21への磁石片取り付けの機能を有する断面U字状(図4参照)の連結部材25cと、により構成してある。磁石片25aと磁石片25bとは、小径路21c(図4では破線で示す。図6を併せて参照)及び/又はその近傍(特に、下流側)をその磁力線(磁界)が最も多く通過するように配するとよい。ただ、実際には、小径路21cのみに磁力線を集中させることは技術的困難を伴うことから、小径路21c及び小径路21cの近傍の双方に磁力線を通過させることになろう。原水(原オゾン水)とオゾンの双方に磁力を作用させることによって、原水(原オゾン水)に対して最も効率よくオゾンを溶解させることができると考えられるからである。磁石片25a及び磁石片25bは、7,000ガウス前後の磁力を持つネオジュウム磁石によって構成してある。磁力は強いほうがオゾン溶解効果が高いと思われるが、少なくとも2,000ガウス以上のものが望まれる。ここで、7,000ガウスの磁石を採用したのは、その調達容易性と経済性にある。7,000ガウス以上の磁力を持つ磁石(天然磁石、電磁石等)の採用を妨げる趣旨ではない。連結部材25cは、磁束漏れを抑制して磁力作用が原オゾン水等にできるだけ集中するように、磁力透磁率(μ)の大きい部材(たとえば、鉄)によって構成してある。なお、磁気回路25とともに、又は、これに代えてベンチュリ管21の外側に1又は2以上の磁石21mを設けてもよい(図7参照)。磁気回路25と同様に原オゾン水及びオゾンに磁力を作用させるためである。原オゾン水(オゾン)に磁力を作用させるためである。磁石21mの磁力は、上記同様に少なくとも2,000ガウス以上が好ましい。
【0064】
(気液混合構造の作用効果)
以上の構成により、上流側大経路21aを通過した原水(原オゾン水)は、絞り傾斜路21bを通過するときに圧縮されて水圧が急激に高まり、同時に通過速度も急激に上昇する。高圧・高速のピークは、小径路21cに達したときである。小径路21cを通過した原オゾン水は、開放傾斜路21dの中で急激に減圧・減速し、後続する原オゾン水との衝突の衝撃等を受け乱流化する。その後、原オゾン水は下流側大経路21eを抜け、気液混合構造9の外へ出る。散気されたオゾンは、原オゾン水の乱流に巻き込まれ大小様々な大きさの気泡となり攪拌作用を受ける。小径路21c及び少なくともその下流を流れる原オゾン水(オゾン)には、上記攪拌作用とともに磁気回路25の働きによる磁力作用を受ける。すなわち、原オゾン水の水圧を圧力頂点(ピーク)に至るまで増圧させ当該圧力頂点に至った直後に減圧させるとともに当該圧力頂点に至った(及び/又は頂点に至った直後の)原オゾン水にオゾンを供給する、ことを磁界の中で行うことになる。攪拌作用と磁界の磁力作用が相乗効果を生み、その結果、原オゾン水にオゾンが溶解し高溶解度を持った高濃度の原オゾン水が生成される。
【0065】
(溶解促進槽)
図2及び7を参照しながら、溶解促進槽11について説明する。溶解促進槽11は、天板11aと底板11bとによって上下端を密閉した円筒状の外壁11cによって、その外観を構成してある。天板11aの下面には、その下面から垂下する円筒状の内壁11dを設けてある。内壁11dに囲まれた空間が、原オゾン水を貯留するための貯留室11fとなる。内壁11dの外径は外壁11cの外径よりも小さく設定してあり、これによって、内壁11dと外壁11cとの間に所定幅の壁間通路11gが形成される。他方、内壁11dの下端は、底板11bまで届かず、底板11bとの間に所定幅の間隙を形成する。この間隙は、下端連通路11eとして機能する。すなわち、内壁11dが囲む貯留室11fは、下端連通路11eを介して壁間通路11gと連通している。他方、内壁11dの天板11aの近傍には複数の連通孔11dh,11dh,・・を貫通させてあり、貯留室11fと壁間通路11gとは各連通孔11dhを介しても連通している。底板11bの上面略中央には、細長の揚水管11jを起立させてある。揚水管11jの中空部下端11hは、底板11bを貫通する入水孔11bhと連通し、中空部上端は、揚水管11j上端に形成した多数の小孔11jh,・・を介して貯留室11fと連通している。揚水管11jの上端は、内壁11dが有する連通孔11dhの位置よりも僅か下に位置させてある。外壁11cの高さ方向上から略4分の1付近には、排水孔11chを貫通させてある。つまり、壁間通路11gは、排水孔11chを介して外部と連通している。
【0066】
天板11aの略中央には、揚水孔11ahを貫通させてある。揚水孔11ahは、天板11aの外部に配した気液分離装置11kの内部に連通している。気液分離装置11kは、揚水孔11ahを介して貯留室11fから押し上げられる原オゾン水と、この原オゾン水から脱気するオゾンとを分離排出するための脱気構造として機能する。気液分離装置11kによって分離されたオゾンは、図外のオゾン分解装置によって分解して無害化した後に装置外部に放出するようになっている。本実施形態における原オゾン水に対するオゾン溶解度はきわめて高く、したがって、脱気するオゾンは極めて少ないが、より安全性を高めるためにオゾン分解装置を設けたのである。揚水管11jによって貯留室11f内に送り込まれた原オゾン水は、後続する原オゾン水に押されて下降する。下端に達した原オゾン水は下端連通路11eを折り返して壁間通路11g内を上昇し、排水孔11chを介して外部に排水される。また、一部の原オゾン水は気液分離装置11k内に押し上げられる。この間、熟成類似の作用によってオゾンが原オゾン水に溶解して高溶解度の原オゾン水を生成する。他方、溶解し切れなかったり、一旦は溶解したが脱気したオゾンがある場合に、そのオゾンは気液分離装置11k内に上昇しそこで分離される。したがって、原オゾン水から溶解しきれないオゾンは、そのほとんどを排除することができる。この結果、溶解促進槽11を通過した原オゾン水のオゾン溶解度は、飛躍的に高くなっている。
【0067】
(循環構造)
図2を参照しながら、循環構造について説明する。循環構造7は、気液混合構造9を通過した原オゾン水(既に原水から原オゾン水になっている)を循環させて再度、気液混合構造9を通過させる機能を有している。再度、気液混合構造9を通過させるのは、既にオゾンを溶解させた原オゾン水に再度オゾンを注入することによって、オゾンの溶解度と濃度をさらに高めるためである。循環構造7は、循環ポンプ7aを駆動源とし、貯留タンク3と溶解促進槽11を主要な構成要素とする。すなわち、循環ポンプ7aは、貯留タンク3から配管7bを介して取り出した原水(原オゾン水)を配管7b途中に設けた気液混合構造9に圧送する。圧送によって気液混合構造9を通過した原水(原オゾン水)は、溶解促進槽11を抜け貯留タンク3に戻される。循環構造7は、上記した工程を必要に応じて繰り返して実施可能に構成してある。循環させる回数は、生成しようとする原オゾン水のオゾン溶解度やオゾン濃度等を得るために自由に設定することができる。なお、符号7cは、循環ポンプ7aが発生した熱を冷却して原水(原オゾン水)の温度上昇を抑えるための冷却構造を示している。
【0068】
(オゾン水生成装置の変形例)
次に、図9を参照しながら、オゾン水生成装置の変形例について説明する。本変形例に係るオゾン水生成装置1´は、前述した本実施形態に係るオゾン水生成装置1を小型・簡略化したものであって、小型化することによって省略可能となった部材を省略したものである。具体的には、オゾン水生成装置1が有している攪拌ポンプ3a、冷却構造3b、溶解促進槽11及び取出ポンプ3cを省略してある。さらに、装置外部から温水(混合用水)の供給を受けるように構成してあるので、変形例に係る濃度調整オゾン水生成構造13´はボイラー14を備えていない。そこで、以下の説明では、オゾン水生成装置1とオゾン水生成装置1´との間で異なる点について説明するとともに、両者共通の点については図2で使用した符号と同じ符号を図9に示すにとめその説明を省略する。
【0069】
まず、循環構造の違いについて説明する。本変形例に係る循環構造7´では、溶解促進槽11を省略して気液混合構造9を通過した原オゾン水が直接貯留タンク3に戻るように構成してある。溶解促進槽11を省略することにより、溶解促進槽11が備えている気液分離装置11kも省略されることになるが、その代わりに、気液分離装置11kと同じ構造を備えた気液分離装置3kを貯留タンク3の頂部に設けてある。僅かながら脱気したオゾンを外部へ排出するためである。濃度調整オゾン水生成構造13´は、図外の温水供給装置(たとえば、湯沸かし器)から温水(混合用水)の供給を受けるための温水ライン13jと、図外の井戸水(原水)の供給を受けるための冷水ライン13kと、温水ライン13jと冷水ライン13kを合流させた合流ライン13rを、まず、備えている。合流ライン13rに流入する温水と冷水の混合比率は、温水ライン13jのバルブ13jvと、冷水ライン13kのバルブ13kvによって調整可能としてある。温水と冷水との混合比率を調整することによって、両者を合流させてなる温水(混合用水)の温度が設定される。合流ライン13rには、混合用水用バルブ13vが設けてあり、エジェクター13cに供給する混合用水の量を調整可能に構成してある。貯留タンク3とエジェクター13cとの連通は取出管3f´を介して行うようになっている。簡易・小型化を図るために、取出ポンプは設けてない。貯留タンク3から原オゾン水を取り出すための駆動源は、エジェクター13c内で生じるベンチュリ効果による吸引力に依存させてある。
【0070】
(実験例)
図3及び10を参照しながら、実験例について説明する。ここで、示す実験例は、背景技術の欄において説明した磁石の使用方法と本発明に係る磁石の使用方法の違いによって、オゾンの溶解度や濃度に著しい差が生じることを主として示すためのものである。本実験例では、本件発明に係る気液混合構造として図3に示す気液混合構造(以下、「本件構造」という)を使用し、比較対象となる気液混合構造として図10に示す気液混合構造(以下、「比較構造」という)を使用した。比較構造には、本件構造と基本的に同じ構造を備えさせてあるが、磁気回路25の取付位置のみを異ならせてある。理解し易くするために図10に示す磁気回路には、気液混合構造9の上流側にあるものに符号25´aを、下流側にあるものに符号25´bを、それぞれ付してある。整理すると、図3に示す本件構造は、磁気回路25と一体となった気液混合構造9を備え、図10に示す比較構造は、気液混合構造9の上流側配管に磁気回路25´aを、同じく下流側配管に磁気回路25´bを、それぞれ同時に又は選択的に取り付け取り外しできるように構成してある。
【0071】
(濃度比較実験)
表1及び2を参照しながら、濃度比較実験について説明する。表1は、原オゾン水のオゾン濃度と濃度上昇時間との関係を示している。表2は、表1に示す原オゾン水のオゾン濃度が生成装置の運転停止後にゼロになるまでに要する時間を示している。ゼロになるまでの時間が長ければ長いほどオゾン溶解度が高いことを示す。表1及び2において、記号「□」は本件装置を用いて生成した原オゾン水(以下、「本件オゾン水」という)を、記号「×」は比較装置から磁気回路のみを取り外した気液混合構造を用いて生成した原オゾン水(以下、「磁気なしオゾン水」という)を、記号「△」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´aとにより生成した原オゾン水(以下、「上流側磁気オゾン水」という)を、記号「○」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´bとにより生成した原オゾン水(以下、「下流側磁気オゾン水」という)を、そして、記号「◇」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´a及び磁気回路25´bの双方とにより生成した原オゾン水(以下、「両側磁気オゾン水」という)を、それぞれ示している。原オゾン水の温度は5℃、周囲湿度は36〜43%、周囲温度は17℃であった。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
表1が示すように、生成装置運転開始後の生成時間35分で本件オゾン水はオゾン濃度20ppmに到達したが、同条件下において、磁気なしオゾン水はオゾン濃度8ppm前後、下流側磁気オゾン水はオゾン濃度11ppm前後、上流側磁気オゾン水はオゾン濃度12ppm前後、両側磁気オゾン水はオゾン濃度13ppm前後までしか上昇しなかった。このことから、まず、磁気回路を設けることにより設けない場合に比べてオゾン濃度を高められること、次に、同じ磁気回路を設けるとしても気液混合構造と一体化させた場合と気液混合構造以外の箇所に設けた場合とでは前者の方が後者よりも少なくとも7ppm高い原オゾン水を生成可能であること、が分かった。つまり、オゾン濃度について本件オゾン水は、両側磁気オゾン水に比べて略54%((20−13)/13×100)高い、という結果を得た。
【0075】
表2が示すように、オゾン濃度20ppmに達した本件オゾン水のオゾン濃度がゼロになるまでに32時間以上要したのに対し、比較対象となる原オゾン水のうち最も長くかかった両側磁気オゾン水のオゾン濃度は13ppmからゼロになるまでの時間は略3.5時間しか要しなかった。したがって、本件オゾン水は両側磁気オゾン水に比べて10倍近い時間オゾンを含有していたことになる。換言すると、両側磁気オゾン水に比べて本件オゾン水は、同じ時間をかけて同量のオゾンを注入し溶解させたオゾンを10倍近い時間保持していたことになる。本件オゾン水のオゾン溶解度の高さを端的に示している。
【0076】
(オゾン気泡の粒径測定実験)
表3及び4を参照しながら、本件オゾン水が含有するオゾン気泡の粒径測定実験について説明する。表3及び4は、本件オゾン水に含まれるオゾン気泡の粒径分布を示す(左側縦軸参照)。本測定実験では、オゾン濃度とオゾン濃度保持時間との関係から4種類の本件オゾン水を測定対象とした。まず、オゾン濃度を3ppmと14ppmの2種類とし、次に、各濃度それぞれ当該濃度に達した直後の原オゾン水(以下、各々「3ppm直後オゾン水」「14ppm直後オゾン水」という)と、当該濃度に達した後その濃度を15分間維持させた原オゾン水(以下、各々「3ppm維持オゾン水」「14ppm維持オゾン水」という)と、に分けた。つまり、「3ppm直後オゾン水」「3ppm維持オゾン水」「14ppm直後オゾン水」「14ppm維持オゾン水」の4種類が、本測定実験に係る測定対象である。ここで、本測定実験に使用した本件オゾン水の原水には、水道水を0.05μm(50nm)の微粒子絶対濾過の逆浸透膜で濾過して得た純水を用いた。本実験で純水を得るために使用した装置は、セナー株式会社製超純水装置(型名:Model・UHP)である。水道水には50nm以上の不純物(たとえば、鉄分やマグネシウム)が含まれているため、濾過してない原水から生成した原オゾン水を測定対象としても、そこに含まれる不純物を測定してしまい測定誤差が生じかねないので、濾過によって予め不純物を取り除いておくことによってオゾンの気泡粒径の正しい測定ができるようにするためである。水道水以外の原水、たとえば、井戸水や河川水についても同じことがいえる。オゾン気泡の粒径測定に使用した測定器は、動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所(HORIBA,Ltd):型式LB500))である。原水から不純物を濾過せずともオゾン気泡の粒径を正しく測定できる手段があれば、その手段を用いて測定可能であることはいうまでもない。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
まず、表3に基づいて、3ppm直後オゾン水と3ppm維持オゾン水について考察する。表3右端のグラフが3ppm直後オゾン水を示し、同じく左端のグラフが3ppm維持オゾン水を示している。3ppm直後オゾン水は、1.3μm(1300nm)〜6.0μm(6000nm)の粒径を持ったオゾン気泡を含有していることが分かった。他方、3ppm維持オゾン水は、0.0034nm(3.40nm)〜0.0050μm(5.00nm)の粒径を持ったオゾン気泡を含有していることが分かった。
【0080】
次に、表4に基づいて14ppm直後オゾン水と14ppm維持オゾン水について考察する。表4右端のグラフが14ppm直後オゾン水を示し、同じく左端のグラフが14ppm維持オゾン水を示している。14ppm直後オゾン水は、2.3μm(2300nm)〜6.0μm(6000nm)の粒径を持ったオゾン気泡を含有していることが分かった。他方、14ppm維持オゾン水は、0.0034nm(3.40nm)〜0.0058μm(5.80nm)の粒径を持ったオゾン気泡を含有していることが分かった。
【0081】
上記実験から明らかになった第1の点は、同じ濃度を持った原オゾン水であっても、当該濃度に達した直後の原オゾン水(直後オゾン水)と当該濃度を所定時間維持した原オゾン水(維持オゾン水)とでは含有されるオゾン気泡の粒径(以下、「気泡粒径」という)が異なるということである。3ppmオゾン水の場合、直後オゾン水の気泡粒径最小値は、維持オゾン水の気泡粒径最大値の、260倍(1300/5.0)の大きさを持っている。同様に14ppmオゾン水の場合は、約400倍(2300/5.8)の大きさを持っている。つまり、当該濃度を所定時間維持すること、すなわち、原オゾン水を循環させることによって気泡粒径を小さくすることができるということである。気泡粒径50未満のオゾン気泡であれば安定して水溶液中に浮遊させることができる。本願発明に係るオゾン水生成方法によれば、オゾン気泡の粒径Rが、50nm未満(0<R<50nm)のオゾン気泡を含有する原オゾン水、すなわち、溶解度の高い原オゾン水を得られることが分かった。これが、実験から明らかになった第2の点である。なお、本実験によれば、オゾン気泡の粒径Rの実測最低値は3.4nmであり、それ以下の値は計測されていない。計測されないのは測定装置の測定能力の限界に起因すると思われる。他方、オゾン気泡の粒径Rは、濃度達成直後に比べ濃度維持後の方が小さくなっていることから、粒径小型化の延長線上には限りなくゼロに近い粒径Rを持ったオゾン気泡が存在しうることが容易に想像できる。
【0082】
(pH測定実験)
なお、上記4種類の原オゾン水、すなわち、「3ppm直後オゾン水」「3ppm維持オゾン水」「14ppm直後オゾン水」及び「14ppm維持オゾン水」についてpH測定実験を行った。その結果は、表5及び6に線グラフで示してある(右側縦軸参照)。いずれの原オゾン水についても、オゾン溶解の前後においてpH7.3前後を示した。すなわち、オゾン溶解は原水のpHにほとんど変化を与えないことがわかった。井戸水や水道水は概ね中性(pH6.5〜7.5)を示すことから、気液混合方式によって生成した本件オゾン水は、pHを調整するための添加物を添加しなくても中性を示すことがわかった。もっとも、原水がアルカリ性である場合は、オゾン溶解が原オゾン水のpHを変化させないことからアルカリ性の原オゾン水が生成される場合もあり得よう。
【0083】
上記実験結果を総括する。上記実験対象となった本件オゾン水は、何ら添加物を加えることなく原水にオゾンを混合させるという気液混合によって生成されたものである。さらに、オゾン溶解度が高いため常圧下においても容易にオゾンが脱気しない。したがって、無添加とオゾン脱気がない点で、たとえば、家畜や人体に散布しても安全である。この点は、原オゾン水となる本件オゾン水に混合用水を混合して得た濃度調整オゾン水についても同じであることは言うまでもない。
【0084】
(混合実験)
次に、原オゾン水に混合用水(温水)を混合して得た濃度調整オゾン水の温度とオゾン濃度の変化についての実験結果について説明する。本混合実験では、原オゾン水と混合用水とを混合して2リットルの濃度調整オゾン水を生成した。ここで、原オゾン水の濃度と、混合用水との混合比率と、を各々変化させることによって濃度調整オゾン水を生成し、この生成した濃度調整オゾン水の温度と濃度とを時系列的に観察した。具体的には、それぞれビーカーに入れた原オゾン水と混合用水とを、用意しておいた空ビーカーに同時に注ぎいれ、注ぎいれたオゾン水の温度とオゾン濃度とを時間を計りながら計測した。このときの、天気は晴れ、室温28℃であった。
【0085】
表5及び6を参照しながら、第1回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は60.0℃であり、原オゾン水の温度は17.0℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.3ppmであった。混合比率は6:4、すなわち、混合用水は1.2リットルに対し原オゾン水は0.8リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は41.0℃、オゾン濃度は4.1ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は40.5℃、オゾン濃度は3.4ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は40.0℃、オゾン濃度は2.7であった。
【0086】
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
表7及び8を参照しながら、第2回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は22.0℃(加熱せず)であり、原オゾン水の温度は18.0℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.3ppmであった。混合比率は6:4、すなわち、混合用水は1.2リットルに対し原オゾン水は0.8リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は20.0℃、オゾン濃度は6.1ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は21.0℃、オゾン濃度は5.9ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は21.0℃、オゾン濃度は5.6ppmであった。
【0089】
【表7】

【0090】
【表8】

【0091】
表9及び10を参照しながら、第3回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は58.0℃であり、原オゾン水の温度は18.2℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.0ppmであった。混合比率は5:5、すなわち、混合用水は1.0リットルに対し原オゾン水は1.0リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は35.5℃、オゾン濃度は5.2ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は35.0℃、オゾン濃度は5.1ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は35.0℃、オゾン濃度は4.6ppmであった。
【0092】
【表9】

【0093】
【表10】

【0094】
表11及び12を参照しながら、第4回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は90.0℃であり、原オゾン水の温度は19.0℃であった。原オゾン水のオゾン濃度9.7ppmであった。混合比率は3:7、すなわち、混合用水は0.6リットルに対し原オゾン水は1.4リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は32.0℃、オゾン濃度は7.4ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は31.5℃、オゾン濃度は6.8ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は31.5℃、オゾン濃度は6.3ppmであった。
【0095】
【表11】

【0096】
【表12】

【0097】
表13及び14を参照しながら、第5回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は80.0℃であり、原オゾン水の温度は17.1℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.3ppmであった。混合比率は4:6、すなわち、混合用水は0.8リットルに対し原オゾン水は1.2リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は37.5℃、オゾン濃度は6.5ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は37.5℃、オゾン濃度は5.8ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は37.0℃、オゾン濃度は5.0ppmであった。
【0098】
【表13】

【0099】
【表14】

【0100】
表15及び16を参照しながら、第6回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は80.0℃であり、原オゾン水の温度は18.5℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.6ppmであった。混合比率は4:6、すなわち、混合用水は0.8リットルに対し原オゾン水は1.2リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は37.5℃、オゾン濃度は6.6ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は37.5℃、オゾン濃度は6.0ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は36.5℃、オゾン濃度は5.4ppmであった。
【0101】
【表15】

【0102】
【表16】

【0103】
表17及び18を参照しながら、第7回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は78.5℃であり、原オゾン水の温度は17.4℃であった。原オゾン水のオゾン濃度10.4ppmであった。混合比率は4:6、すなわち、混合用水は0.8リットルに対し原オゾン水は1.2リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は37.5℃、オゾン濃度は6.8ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は36.5℃、オゾン濃度は6.0ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は36.5℃、オゾン濃度は5.1ppmであった。
【0104】
【表17】

【0105】
【表18】

【0106】
表19及び20を参照しながら、第8回目の実験結果について説明する。ここで、混合用水の温度は70.0℃であり、原オゾン水の温度は19.5℃であった。原オゾン水のオゾン濃度9.0ppmであった。混合比率は4:6、すなわち、混合用水は0.8リットルに対し原オゾン水は1.2リットルとした。混合後10秒経過したときの濃度調整オゾン水の温度は35.5℃、オゾン濃度は6.1ppmであった。さらに、30秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は35.0℃、オゾン濃度は5.6ppm、60秒経過後の濃度調整オゾン水の温度は34.0℃、オゾン濃度は4.7ppmであった。
【0107】
【表19】

【0108】
【表20】

【0109】
ここで、混合実験の総括を行う。上記8回の混合実験の結果、たとえば、生成後10秒経過したときの濃度調整オゾン水を、温度に着目して比べると、20.0℃(オゾン濃度6.1ppm(第2回目))が最低温度であり、41.0℃(オゾン濃度4.1ppm(第1回目))が最高温度であった。他方、オゾン濃度に着目すると、4.1ppm(温度41.0℃(第1回目))が最低濃度であり、7.4ppm(温度32.0℃(第4回目))が最高濃度であった。原オゾン水の温度は、17.0℃(第1回目)から19.5℃(第8回目)であった。これらの結果から、温水にオゾンを溶解するオゾン水生成方法では実現できなかった温度40℃オゾン濃度4ppm以上のオゾン水を生成可能であることがわかった。したがって、上記濃度調整オゾン水は、鶏卵や食器等の洗浄殺菌、搾乳装置(ミルキングパーラー)の消毒殺菌、生物実験用器具等の殺菌消毒、衣類等の洗濯、人や動物等への殺菌消毒のために最適であることがわかった。
【0110】
さらに、先に行った濃度比較実験が示すように、原オゾン水のオゾン濃度は、少なくとも20ppmまで上昇させることが可能であり、そのような20ppmの原オゾン水に混合する混合用水の混合比率と温度を適宜組み合わせることにより、少なくとも温度30〜50℃であり、かつ、オゾン濃度1〜15ppmの濃度調整オゾン水を生成可能であることが分かった。さらに、先に行ったオゾン気泡の粒径測定実験から明らかなように、原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmである。このオゾン気泡粒径は混合用水を混合したとしても、変化しないか、熱膨張により変化してもごく僅か大きくなるだけであろうことが推測される。したがって、含有されるオゾン気泡は、濃度調整オゾン水から受ける浮力は極めて小さいものであり、その結果、濃度調整オゾン水の水温が上記範囲にあってもオゾンが脱気しないのであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本実施形態に係るオゾン水生成方法の工程を示すブロック図である。
【図2】オゾン水生成装置の概略ブロック図である。
【図3】気液混合構造の正面図である。
【図4】図3に示す気液混合構造の左側面図である。
【図5】図4に示す気液混合構造のX−X断面図である。
【図6】図4に示す気液混合構造の概略平面図である。
【図7】気液混合構造の変形例を示す正面図である。
【図8】溶解促進構造の縦断面図である。
【図9】オゾン水生成装置の変形例を示すブロック図である。
【図10】比較対象となる気液混合構造の正面図である。
【符号の説明】
【0112】
1 オゾン水生成装置
3 貯留タンク
3a 攪拌ポンプ
3b 冷却構造
3c 取出ポンプ
5 オゾン供給構造
7 循環構造
7a 循環ポンプ
7c 冷却構造
9 気液混合構造
11 溶解促進槽
13c エジェクター
21 ベンチュリ管
21a 上流側大径路
21b 絞り傾斜路
21c 小径路
21d 開放傾斜路
21e 下流側大径路オゾン
21f 供給パイプ
25 磁気回路
25a 一方の磁石片
25b 他方の磁石片
11k 気液分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程と、
当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と、を含む
ことを特徴とするオゾン水生成方法。
【請求項2】
前記原オゾン水生成工程において、磁力を作用させながらオゾン混合を行う
ことを特徴とする請求項1記載のオゾン水生成方法。
【請求項3】
前記原オゾン水生成工程において、混合用水をベンチュリ効果によって原オゾン水に混合する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のオゾン水生成方法。
【請求項4】
前記オゾン水のオゾン濃度が、4〜20ppmであり、
前記濃度調整オゾン水のオゾン濃度が、1〜15ppmである
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のオゾン水生成方法。
【請求項5】
前記原オゾン水の温度よりも前記混合用水の温度の方が高くなるように、当該混合用水を加熱する加熱工程を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のオゾン水生成方法。
【請求項6】
前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、
前記混合用水の温度が60℃以上である
ことを特徴とする請求項5記載のオゾン水生成方法。
【請求項7】
前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、
前記濃度調整オゾン水の温度が、30〜50℃である
ことを特徴とする請求項5記載のオゾン水生成方法。
【請求項8】
前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmである
ことを特徴とする請求項2乃至7いずれか記載のオゾン水生成方法。
【請求項9】
請求項7記載のオゾン水生成方法によって生成した
温度30〜50℃であり、かつ、オゾン濃度1〜15ppmである
ことを特徴とするオゾン水。
【請求項10】
前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmである
ことを特徴とする請求項9記載のオゾン水。
【請求項11】
原水を通過させるための配管と、
当該配管の途中に設けた気液混合構造と、
当該気液混合構造にオゾンを供給するためのオゾン供給構造と、により原オゾン水を生成可能に構成してあり、さらに、
当該原オゾン水に混合用水を混合して原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成するための濃度調整オゾン水生成構造を設けてある
ことを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項12】
前記気液混合構造には、内部に磁力を作用させるための磁石を設けてある
ことを特徴とする請求項11記載のオゾン水生成装置。
【請求項13】
前記気液混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有するオゾン供給パイプと、を含めて構成してあり、
当該オゾン供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある
ことを特徴とする請求項11又は12記載のオゾン水生成装置。
【請求項14】
前記磁石が、前記ベンチュリ管の少なくとも小径路及び/又は小径路近傍に磁力を作用させられるように構成してある
ことを特徴とする請求項13記載のオゾン水生成装置。
【請求項15】
前記磁石が、一方の磁石片と他方の磁石片とを含む磁気回路によって構成してあり、
当該一方の磁石片と当該他方の磁石片とを、前記ベンチュリ管を挟んで対向させてある
ことを特徴とする請求項12乃至14いずれか記載のオゾン水生成装置。
【請求項16】
前記磁石の磁力が、2000〜20000ガウスに設定してある
ことを特徴とする請求項12乃至15いずれか記載のオゾン水生成装置。
【請求項17】
前記気液混合構造を通過した原水及び/又は原オゾン水を循環させて当該気液混合構造を再度通過させるための循環構造を、さらに含めて構成してあり、
当該循環構造が、前記配管を含めて構成してある
ことを特徴とする請求項12乃至16いずれか記載のオゾン水生成装置。
【請求項18】
前記循環構造の途中には、循環させる原オゾン水を一旦貯留させるための貯留タンクを設けてある
ことを特徴とする請求項17記載のオゾン水生成装置。
【請求項19】
前記貯留タンク内の原オゾン水を5〜20℃の範囲に保持するための温度保持構造を設けてある
ことを特徴とする請求項18記載のオゾン水生成装置。
【請求項20】
前記循環構造途中の前記気液混合構造下流かつ前記貯留タンク上流には、当該循環構造を通過する原オゾン水を一旦貯留してオゾン溶解を促進するための溶解促進槽を設けてある
ことを特徴とする請求項18又は19記載のオゾン水生成装置。
【請求項21】
前記溶解促進槽の頂部には、貯留してある原オゾン水から脱気したオゾンを排出可能とする脱気構造を設けてある
ことを特徴とする請求項20記載のオゾン水生成装置。
【請求項22】
前記混合用水混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する混合用水供給パイプと、を含めて構成してあり、
当該混合用水供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある
ことを特徴とする請求項11乃至21いずれか記載のオゾン水生成装置。
【請求項23】
前記混合用水混合構造が、前記原オゾン水の温度よりも高い温度まで前記混合用水を加熱するための加熱構造を含めて構成してある
ことを特徴とする請求項11乃至22いずれか記載のオゾン水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−301487(P2007−301487A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133148(P2006−133148)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(503428747)
【出願人】(503428471)
【Fターム(参考)】