説明

オフィス支援サーバ及びオフィス支援システム

【課題】オフィスレイアウトに関する専門知識のない一般ユーザが容易にオフィスレイアウトを行うことが可能で、また自らがレイアウトしオフィスの実態を直感的かつより正確に理解する。
【解決手段】ユーザ情報、オフィスのレイアウト依頼及びレイアウト内容に関する各種指示(レイアウト指示)を公衆通信回線を介してユーザ端末から受信する通信部と、オフィスを構成する各種機器のカタログデータを記憶するデータ記憶部と、該通信部からレイアウト依頼が入力されると、カタログデータ及び前記レイアウト指示に基づいて各種機器のカタログ情報をユーザに提示しつつユーザとの対話形式でレイアウト図を作成し、当該レイアウト図を通信部にユーザ端末に向けて送信させる情報処理手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス支援サーバ及びオフィス支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスのレイアウトを自動生成する装置として、下記特許文献1,2に開示された技術がある。
特許文献1に開示されたオフィスレイアウトの自動設計提供システムは、オフィスレイアウトを業務とする専門業者が使用するためのものであり、システム構成が複雑であると共に操作するためには極めて高度な専門性が要求されるプロ仕様のものである。
一方、特許文献2に開示されたオフィスレイアウト生成装置は、顧客が端末を利用してネットワーク上のシステム管理サーバにアクセスし、このシステム管理サーバに所定のオフィスレイアウト要件を提供することによりオフィスレイアウトを自動生成させるものである。また、このオフィスレイアウト生成装置は、オフィスレイアウトの自動生成機能に加えて、オフィスレイアウトの見積機能やレイアウト工事の発注機能を備えている。
【特許文献1】特開2002−049651号公報
【特許文献2】特開2001−184375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記2件の従来技術のうち、前者には、オフィスレイアウトに関する専門知識を有しない一般ユーザは使用することが極めて困難であるという問題がある。
また、後者には、一般ユーザの使用は可能なものの、使用するオフィス機器やレイアウトされたオフィスをユーザが直感的に理解できないという問題がある。すなわち、特許文献2におけるオフィスレイアウト要件は什器(オフィス機器)の種類や個数及び配置形態等に関するものであり、したがって特許文献2のオフィスレイアウト生成装置は、個々の什器の詳細仕様を確認しつつレイアウトを行うものではないので、顧客はレイアウトされたオフィスの実態を直感的かつ正確に理解できない。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、オフィスレイアウトに関する専門知識のない一般ユーザが容易にオフィスレイアウトを行うことが可能で、また自らがレイアウトしオフィスの実態を直感的かつより正確に理解することが可能なオフィス支援サーバ及びオフィス支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、オフィス支援サーバに係る第1の解決手段として、ユーザ情報、オフィスのレイアウト依頼及びレイアウト内容に関する各種指示(レイアウト指示)を公衆通信回線を介してユーザ端末から受信する通信部と、オフィスを構成する各種機器のカタログデータを記憶するデータ記憶部と、該通信部からレイアウト依頼が入力されると、前記カタログデータ及び前記レイアウト指示に基づいて各種機器のカタログ情報をユーザに提示しつつユーザとの対話形式でレイアウト図を作成し、当該レイアウト図を前記通信部にユーザ端末に向けて送信させる情報処理手段とを具備する、という手段を採用する。
【0006】
オフィス支援サーバに係る第2の解決手段として、上記第1の手段において、通信部は、ユーザ自らがレイアウトを行う内容あるいは専門家にレイアウトを委託する内容の何れかを示す依頼形態を受信し、情報処理手段は、依頼形態がユーザ自らがレイアウトを行う内容の場合はユーザとの対話形式でオフィスレイアウト図を作成し、依頼形態が専門家にレイアウトを委託する内容の場合には、ユーザ情報及びレイアウト依頼を通信部に運用者端末に向けて送信させる、という手段を採用する。
【0007】
オフィス支援サーバに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の手段において、データ記憶部は、オフィスの新規立ち上げ、移転あるいは改装に必要なオフィス情報をさらに記憶し、情報処理手段は、通信部がユーザ端末から受信する要求に応じてオフィス情報を前記データ記憶部から読み出して通信部に送信させる、という手段を採用する。
【0008】
一方、本発明では、オフィス支援システムに係る解決手段として、上記第1〜第3のいずれかのオフィス支援サーバと、一般のユーザが使用するユーザ端末と、前記オフィス支援サーバと前記ユーザ端末とを相互接続する公衆通信回線とを具備する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各種機器のカタログ情報をユーザに提示しつつユーザとの対話形式でレイアウト図を作成するので、オフィスレイアウトに関する専門知識のない一般ユーザが容易にオフィスレイアウトを行うことが可能であり、また自らがレイアウトしオフィスの実態を直感的かつより正確に理解することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るオフィス支援システムのシステム構成を示すブロック図である。このブロック図に示すように、本オフィス支援システムは、インターネット1(公衆通信回線)を介して相互接続されたオフィス支援サーバ2と運用業者端末3と代理店端末4とによって構成されるが、システムの中心となると共に本オフィス支援システムを利用する不特定の一般ユーザに対して窓口となる装置はオフィス支援サーバ2(ウェブサーバ)である。一般ユーザは、ユーザ端末T1〜Tnを用いてオフィス支援サーバ2にアクセスすることにより、本オフィス支援システムを利用する。各ユーザ端末T1〜Tnは、近年広く一般に普及しているウェブブラウザや電子メール機能が搭載されたPC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータである。
【0011】
オフィス支援サーバ2は、通信部2a、データ記憶部2b、プログラム記憶部2c及び演算部2dを備えるウェブサーバであり、各ユーザ端末T1〜Tnに対してオフィスに関する各種のサービス(オフィス関連サービス)を提供する。このオフィス関連サービスは、一般ユーザが希望するオフィスのレイアウトを行うオフィスレイアウトサービスと、各種のオフィス情報を提供するオフィス情報提供サービスを主とするものである。
【0012】
本オフィス支援システムは、利用者である一般ユーザとして特に個人や小規模団体(構成員が数十名程度の団体)を想定しており、これら個人や小規模団体が新規にオフィスを立ち上げる場合やオフィスを移転する場合あるいは既存のオフィスを改装する場合等に、一般ユーザが必要とするオフィスのレイアウトや各種のオフィス情報をオフィス関連サービスとして提供することを目的としている。
【0013】
通信部2aは、インターネット1のTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)に準拠した仕様のものであり、各ユーザ端末T1〜Tnからのアクセスを受け付けてユーザ情報等の各種情報を受信する一方、演算部2dから入力されたオフィス関連サービスに関わる各種情報を各ユーザ端末T1〜Tnに送信する。データ記憶部2bは、図示する機器カタログデータ、レイアウト事例データ、ページデータ及び顧客データ等を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスク装置である。
【0014】
機器カタログデータは、各種机や椅子あるいはロッカー等の各種オフィス機器に関するデータであり、より具体的には各種オフィス機器の種別、商品名、型番、写真、3次元形状、色、価格及び特徴等を内容とするものである。このような機器カタログデータは、オフィス機器毎に整理されてデータ記憶部2bに記憶されている。レイアウト事例データは、オフィスのレイアウト事例を示す画像データである。データ記憶部2bには複数のレイアウト事例に関するレイアウト事例データがいくつかの種別に分類されて記憶されている。
【0015】
ページデータは、各ユーザ端末T1〜Tnに提示する情報提供ページ(ホームページ)を構成するデータであり、情報提供ページの構成や文字等をHTML(HyperText Markup Language)等のハイパーリンク言語で記載されたメインファイルや当該メインファイルに関連付けられた画像データや音声データ等からなる。上記情報提供ページには、各ユーザ端末T1〜Tnがアクセスしてきたときに初期画面として表示されるメインページや当該メインページ上に設けられた操作ボタンやリンク付文字列を操作することによって表示される各種のサブページがあるが、ページデータは、このようなメインページや各種サブページ毎にデータ記憶部2bに記憶されている。
【0016】
顧客データは、各ユーザ端末T1〜Tnを用いてオフィス支援サーバ2にアクセスしてきた一般ユーザの個人情報に関わるデータである。詳細については後述するが、一般ユーザが上記オフィスレイアウトサービスを受ける場合には個人情報を入力する必要があり、データ記憶部2bは、上記個人情報を顧客データとして各顧客(各一般ユーザ)毎に記憶する。
【0017】
プログラム記憶部2cは、演算部2dが実行する各種プログラムを記憶する記憶装置である。この各種プログラムには、オフィス支援サーバ2をウェブサーバとして機能させるためのサーバプログラムとオフィスレイアウトサービスを機能として実現するためのレイアウトプログラムがある。
【0018】
演算部2dは、各種プログラムをプログラム記憶部2cから取得して実行するものであり、CPU(Central Processing Unit)、内部メモリ、CPUと上記通信部2a、データ記憶部2b及びプログラム記憶部2cとの信号の授受を仲介する各種のインターフェース回路等から構成されている。
【0019】
演算部2dは定常的にサーバプログラムを実行することによりオフィス支援サーバ2をウェブサーバとして機能させるが、上記オフィス情報提供サービスは、演算部2dがサーバプログラムを実行することによって、つまりオフィス支援サーバ2がウェブサーバとして機能することによって実現される。一方、上記オフィスレイアウトサービスは、オフィス支援サーバ2がウェブサーバとして機能している状態において、通信部2aが各ユーザ端末T1〜Tnからオフィスのレイアウト依頼を受け付けて、この結果、演算部2dがレイアウトプログラムを起動させることによって実現される。
【0020】
運用業者端末3は、上述したオフィス支援サーバ2をインターネット1上で運用する運用業者が所持する端末であり、ウェブブラウザや電子メール機能が搭載されたPC等の汎用コンピュータである。詳細は後述するが、オフィス支援サーバ2は、必要に応じて一般ユーザの要望や顧客情報を運用業者端末3に提供する。運用業者端末3は、オフィス支援サーバ2から情報通知があると、その内容に応じてオフィス支援サーバ2あるいは代理店端末4と連携して一般ユーザの要望に対応するために用いられる。また、運用業者端末3は、上述した機器カタログデータ、レイアウト事例データ、ページデータあるいはサーバプログラムやレイアウトプログラムをオフィス支援サーバ2にアップロードする場合にも用いられる。なお、オフィス支援サーバ2の運用業者は、例えばオフィス機器の詳細を把握しているオフィス機器メーカである。
【0021】
代理店端末4は、運用業者と代理店契約を締結している代理店業者が所持する端末であり、ウェブブラウザや電子メール機能が搭載されたPC等の汎用コンピュータである。この代理店業者は、運用業者に代わってオフィス機器の販売やオフィス工事の施工を行う者である。詳細は後述するが、代理店端末4は、運用業者が代理店業者と連携する上で必要な情報を運用業者端末3との間でやり取りするために使用される。なお、図1には1台の代理店端末4のみが記載されているが、代理店業者が複数ある場合には、当然に代理店端末4も代理店業者数に応じて複数台となる。
【0022】
次に、このような本オフィス支援システムを用いたオフィス関連サービスの詳細を、オフィス支援サーバ2の動きを中心として詳しく説明する。なお、以下の説明では、複数のユーザ端末T1〜Tnのうち、ユーザ端末T1からオフィス支援サーバ2にアクセスがあった場合を一例として説明する。
【0023】
図2は、オフィス支援サーバ2の動作、つまりサーバプログラムやレイアウトプログラムに基づく演算部2dの処理動作を示すフローチャートである。オフィス支援サーバ2は常時稼動状態にあり、アクセスしてきたユーザ端末T1に対して初期画面であるメインページを提示する。すなわち、演算部2dは、定常的にはサーバプログラムを実行しており、通信部2aからアクセスの発生が通知されると、データ記憶部2からメインページのページデータを読み出して通信部2aに提供してユーザ端末T1に向けて送信させる(ステップS1)。
【0024】
図3は、メインページの主要部を示す模式図である。この図3に示すように、メインページには、オフィスを新規立ち上げや移転あるいは改装等に関係するオフィス情報を閲覧するための各種操作ボタンや一般ユーザがオフィスのレイアウトを希望する場合に操作する操作ボタン等が設けられている。ユーザ端末T1を操作する一般ユーザは、当該ユーザ端末T1に表示された上記メインページの中から必要に応じて特定の操作ボタンを選択・操作することによりオフィス支援依頼をオフィス支援サーバ2に対して行う。このオフィス支援依頼は、具体的には各種のオフィス情報の提供をオフィス支援サーバ2に依頼するもの(オフィス情報依頼)あるいは自らが希望するオフィスのレイアウトを依頼するもの(レイアウト依頼)である。
【0025】
すなわち、演算部2dは、通信部2aがユーザ端末T1から受信したメインページに関する選択・操作がオフィス情報依頼(つまり、オフィス情報提供サービスの提供依頼)あるいはレイアウト依頼(つまり、オフィスレイアウトサービスの提供依頼)の何れかであるかを判断し(ステップS2)、この判断結果に応じてステップS3あるいはステップS4の処理を択一的に行う。つまり、演算部2dは、例えばオフィス情報依頼があった場合はオフィス情報提供処理を実行し(ステップS3)、一方、レイアウト依頼があった場合には、当該レイアウト依頼を受け付ける上での必要条件である顧客情報の受付処理を実行する(ステップS4)。
【0026】
演算部2dは、上記オフィス情報提供処理(ステップS3)において、一般ユーザが選択・操作した操作ボタンに予め関連付けられているページデータをデータ記憶部2bから読み出すことにより当該ページデータが示すサブページを通信部2aにユーザ端末T1に向けて送信させる。この結果、一般ユーザはメインページ上で自らが選択・操作した操作ボタンに関係するオフィス情報を閲覧する。
【0027】
一方、演算部2dは、上記顧客情報の受付処理(ステップS4)において、顧客情報を入力するためのサブページ(顧客情報入力ページ)のページデータをデータ記憶部2bから読み出して通信部2aにユーザ端末T1に向けて送信させる。この結果、ユーザ端末T1には顧客情報入力ページが表示され、一般ユーザは、この顧客情報入力ページの記入欄に必要事項を書き込むことによって自らの個人情報をオフィス支援サーバ2に送信する。この結果、通信部2aは、このユーザ端末T1の一般ユーザの個人情報を受信して演算部2dに出力する。そして、演算部2dは、この個人情報を顧客データとしてデータ記憶部2bに記憶させる。
【0028】
このようにしてユーザ端末T1を操作する一般ユーザの個人情報をレイアウト依頼をした顧客の顧客情報として取得すると、演算部2dは、ステップS2におけるレイアウト依頼がセルフレイアウト依頼かあるいはプロレイアウト依頼かを判断する(ステップS5)。ここで、セルフレイアウトとは、一般ユーザ自らが対話形式で自らが希望するオフィスのレイアウトを行うものであり、一方、プロレイアウトは、一般ユーザ自らがオフィスのレイアウトを行うのではなく、オフィスレイアウトの専門家が一般ユーザの要求に基づいてオフィスのレイアウトを行うものである。ユーザ端末T1を操作する一般ユーザは、当該ユーザ端末T1に表示されたメインページにおいて、セルフレイアウト依頼あるいはプロレイアウト依頼の何れかを選択する。
【0029】
例えば一般ユーザがセルフレイアウト依頼をした場合、上記ステップS5の判断は「Self」となる。この結果、演算部2dは、オフィスレイアウトサービスへのログイン処理(ステップS6)を行った後に、プログラム記憶部2dからレイアウトプログラムを取得して起動させることによってセルフレイアウト処理を実行する(ステップS7)。
【0030】
オフィスレイアウトに関する専門知識の乏しい一般ユーザがオフィスのレイアウトを行う場合、専門家が行うような高度なオフィスレイアウトはできない。しかし、このセルフレイアウト処理では、一般ユーザがオフィス機器のカタログの中からオフィスにレイアウトする機器を選択することによって自らが希望するオフィスのレイアウトを行うことができる。
【0031】
図4は、このセルフレイアウト処理においてユーザ端末T1に表示されるレイアウト作業画面の模式図である。演算部2dは、上記ログイン処理が完了すると、このレイアウト作業画面を通信部2aにユーザ端末T1に向けて送信させ、この結果、ユーザ端末T1には上記レイアウト作業画面が表示される。また、演算部2dは、このレイアウト作業画面の一部(例えば「レイアウト図表示領域」の上部位置)に、一般ユーザがレイアウトしようとするオフィスの外形や固定構造物を「図形選択領域」に表示された各種図形を用いて「レイアウト図表示領域」に作図するように促す初期操作案内を表示させる。
【0032】
この初期操作案内に従って、一般ユーザ自らがレイアウトしようとするオフィスの外形や固定構造物を「レイアウト図表示領域」に作図し、レイアウト作業画面上に設けられた作図完了ボタンを操作すると、演算部2dは、「機器選択領域」に表示されたオフィス機器を選択してオフィス内部のレイアウトを行うことを促すレイアウト操作案内をレイアウト作業画面の一部に表示させる。
【0033】
例えばパーティションを用いてオフィス内部をいくつかの部屋に間仕切りする場合、一般ユーザは、「機器選択領域」に表示された種別選択ボタンを操作することによりオフィス機器の種別としてパーティションを選択する。この結果、「機器選択領域」には複数のパーティションの仕様(代表寸法や色等)が表示され、一般ユーザがこの中から特定のパーティションを選択すると、当該特定のパーティションの写真及び3次元形状図等の詳細情報がレイアウト作業画面上に子画面表示される。
【0034】
一般ユーザは、このような詳細情報に基づいてパーティションの詳細を確認した上で最終的にオフィス内部に配置するパーティションを選択し、オフィス内部の所望の位置に配置する。そして、各部屋に設置する机や椅子あるいはロッカー等、その他のオフィス機器についても、上述したパーティションの場合と同様に選択して各部屋に配置することによりレイアウトを行う。そして、一般ユーザは、このようにしてレイアウトが終了すると、レイアウト作業画面上に設けられたレイアウト終了操作ボタンを操作する。
【0035】
すなわち、演算部2dは、通信部2aにレイアウト作業画面をユーザ端末T1に向けて送信させると、上記初期操作案内を引き続きユーザ端末T1に向けて送信させて、レイアウト作業画面上に初期操作案内を表示させると、作図完了ボタンが操作されるまで待機状態となる。そして、演算部2dは、この初期操作案内に応じて一般ユーザが作図を完了して作図完了ボタンを操作し、当該操作の発生が通信部2aから入力されると、「機器選択領域」の各種操作ボタンが操作されるまで待機する状態となる。
【0036】
そして、演算部2dは、上述したように種別選択ボタンが操作されると、当該種別選択ボタンに応じたオフィス機器の機器カタログデータをデータ記憶部2bから読み出して「機器選択領域」に上記種別に該当する複数のオフィス機器の仕様(代表寸法や色等)を表示させ、さらに特定のオフィス機器が選択されると、当該選択されたオフィス機器の詳細情報を機器カタログデータに基づいて子画面表示させる。そして、演算部2dは、レイアウト終了操作ボタンが操作されると、セルフレイアウト図をユーザ端末T1の一般ユーザの顧客情報としてデータ記憶部2bに記憶させて、ルフレイアウト処理を終了する。
【0037】
図4の「レイアウト図表示領域」には、セルフレイアウト処理の結果として得られたレイアウト図の一例として、床面を基準とした各種オフィス機器のレイアウト図(平面図)が示されている。このレイアウト図に示された各種機器の形状は、データ記憶部2bに記憶された機器カタログデータに基づいて描画されるものであり、したがって実際のオフィス機器の形状を忠実に表現している。
【0038】
また、機器カタログデータは、各種オフィス機器の3次元形状をデータの1つとして含んでいるので、演算部2dは、レイアウト作業画面上に設けられた表示変更操作ボタンが操作されると、上記3次元形状データに基づいて立体図(斜視図)としてのレイアウト図(図5参照)を作画してユーザ端末T1に表示させる。一般ユーザは、この立体図を確認することによって、オフィス支援サーバ2との対話に基づいて自らが行ったセルフレイアウトの結果をより直感的かつより正確に把握することができる。
【0039】
演算部2dは、このようにしてセルフレイアウト処理が終了すると、当該セルフレイアウト処理に基づくセルフレイアウト図に関する発注依頼(見積り依頼をも含むもの)の要否及びセルフレイアウト図を基礎とするプロレイアウト依頼の要否を問うサブページを通信部2aにユーザ端末T1に向けて送信させ、このサブページに対して一般ユーザが発注あるいはプロレイアウト依頼を要求するか否かを判断する(ステップS8)。
【0040】
そして、演算部2dは、通信部2aが見積りあるいはプロレイアウト依頼をユーザ端末T1から受信すると、依頼内容(発注依頼かあるいはプロレイアウト依頼か)と共にユーザ端末T1の一般ユーザの顧客情報を運用業者端末3に転送し(ステップS9)、さらにユーザ端末T1からログアウト要求を受信すると(ステップS10)、ユーザ端末T1に関する全ての処理を終了する。
【0041】
運用業者は、運用業者端末3が依頼内容及び顧客情報を受信すると、顧客情報を顧客データベースに登録すると共に、依頼内容に応じた処置を取る。つまり、運用業者は、依頼内容が発注依頼の場合は、セルフレイアウト図を検討し、受注可能と判断すると見積書を作成してユーザ端末T1の一般ユーザに提供して正式に受注する一方、何らかの問題によりこのままでは受注不可能と判断すると、ユーザ端末T1の一般ユーザにプロレイアウトを勧める。また、運用業者は、依頼内容がプロレイアウト依頼の場合には、ユーザ端末T1の一般ユーザの顧客情報を一般ユーザに最寄の代理店業者の代理店端末4に転送し、セルフレイアウト図の再検討とプロレイアウトを委託する。
【0042】
代理店業者は、代理店端末4が上記セルフレイアウト図の再検討とプロレイアウトの委託を受信すると、オフィスレイアウトの専門家の視点で一般ユーザのセルフレイアウト図を再検討し、セルフレイアウト図の問題点を一般ユーザとの間で協議した後にプロレイアウトを実施してプロレイアウト図を一般ユーザに提示する。なお、上記代理店業者と一般ユーザとの間での協議においては、当然に見積もり金額についても協議されて最終的な受注/失注が決定される。
【0043】
ところで、上述したステップS5において、ユーザ端末T1の一般ユーザがプロレイアウト依頼をした場合、上記ステップS5における判断は「Pro」となる。この結果、演算部2dは、通信部2aにユーザ端末T1の一般ユーザの顧客情報とプロレイアウト依頼とを運用業者端末3に向けて転送させる(ステップS11)。運用業者は、運用業者端末3がプロレイアウト依頼及び顧客情報を受信すると、顧客情報を顧客データベースに登録すると共に一般ユーザに連絡を取ってその要望を把握した上でプロレイアウトを委託する。
【0044】
代理店業者は、代理店端末4がプロレイアウトの委託を受信すると、一般ユーザに連絡を取って一般ユーザのオフィスレイアウトの関する要望を確信し、この確認結果に基づいてプロレイアウトを実施し、プロレイアウト図を一般ユーザに提示する。この場合も、上述したように上記代理店業者と一般ユーザとの間で見積もりについて協議が行われ、最終的な受注/失注が決定される。
【0045】
以上のような本オフィス支援システムによれば、オフィスレイアウトに関する専門知識の乏しい一般ユーザは、ユーザ端末T1〜Tnを用いてオフィス支援サーバ2にアクセスすることにより、オフィスに配置する各種のオフィス機器のカタログ情報を参照しつつ対話形式で容易にセルフレイアウトを行うことができる。
また、一般ユーザは、ユーザ端末T1〜Tnを用いてオフィス支援サーバ2にアクセスすることにより、自らのセルフレイアウト図に基づくプロレイアウトあるいはセルフレイアウト図を伴わないプロレイアウトを専門家に対して容易に依頼することができる。
さらに、一般ユーザは、ユーザ端末T1〜Tnを用いてオフィス支援サーバ2にアクセスすることにより、オフィス情報を容易に閲覧することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係わるオフィス支援システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における演算部2dの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態におけるメインページの主要部を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態のセルフレイアウト処理においてユーザ端末T1に表示される画面(平面図としてのレイアウト図を示す画面)の模式図である。
【図5】本発明の一実施形態のセルフレイアウト処理においてユーザ端末T1に表示される画面(立体図としてのレイアウト図を示す画面)の模式図である。
【符号の説明】
【0047】
1…インターネット(公衆通信回線)、2…オフィス支援サーバ、2a…通信部、2b…データ記憶部、2c…プログラム記憶部、2d…演算部、3…運用業者端末、4…代理店端末、T1〜Tn…各ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ情報、オフィスのレイアウト依頼及びレイアウト内容に関する各種指示(レイアウト指示)を公衆通信回線を介してユーザ端末から受信する通信部と、
オフィスを構成する各種機器のカタログデータを記憶するデータ記憶部と、
該通信部からレイアウト依頼が入力されると、前記カタログデータ及び前記レイアウト指示に基づいて各種機器のカタログ情報をユーザに提示しつつユーザとの対話形式でレイアウト図を作成し、当該レイアウト図を前記通信部にユーザ端末に向けて送信させる情報処理手段と
を具備することを特徴とするオフィス支援サーバ。
【請求項2】
通信部は、ユーザ自らがレイアウトを行う内容あるいは専門家にレイアウトを委託する内容の何れかを示す依頼形態を受信し、
情報処理手段は、依頼形態がユーザ自らがレイアウトを行う内容の場合はユーザとの対話形式でオフィスレイアウト図を作成し、依頼形態が専門家にレイアウトを委託する内容の場合には、ユーザ情報及びレイアウト依頼を通信部に運用者端末に向けて送信させる
ことを特徴とする請求項1記載のオフィス支援サーバ。
【請求項3】
データ記憶部は、オフィスの新規立ち上げ、移転あるいは改装に必要なオフィス情報をさらに記憶し、
情報処理手段は、通信部がユーザ端末から受信する要求に応じてオフィス情報を前記データ記憶部から読み出して通信部に送信させる
ことを特徴とする請求項1または2記載のオフィス支援サーバ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載されたオフィス支援サーバと、
一般のユーザが使用するユーザ端末と、
前記オフィス支援サーバと前記ユーザ端末とを相互接続する公衆通信回線と
を具備することを特徴とするオフィス支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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