説明

オフフック検出装置

【課題】普及型の電話機であっても受話器が外されたことを検出することができるオフフック検出装置を提供する。
【解決手段】電話機11と公衆回線13との間にオフフック検出装置1を接続する。電話機11の受話器12が外されオフフック状態へ移行した際に生じる電流を検出部31で検出し、この電流に基づいてオフフック状態である旨を出力部51の接点出力コネクタ52から出力する。接点出力コネクタ52は、受話器12の状態に応じて出力端子間の回路を開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機の受話器の状態を検出するオフフック検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスなどでは、交換機を介して電話機が接続されたり、特別な電話機が使用されている。
【0003】
このため、オフィス等の電話機においては、受話器が外されてオフフック(off−hook)状態になったことを検知して外部に通知することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般の家庭では、普及型の電話機が使用されており、受話器が外されたことを検知して外部に通知することができなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、普及型の電話機であっても受話器が外されたことを検出することができるオフフック検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明のオフフック検出装置においては、電話機と該電話機を接続する公衆回線との間に接続されるオフフック検出装置であって、前記電話機の受話器が外されオフフック状態へ移行した際に生じる電流変化を検出する検出手段と、該検出手段が検出した前記電流変化に基づいて前記オフフック状態を検出し、その旨を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とし、前記出力手段は、前記電流変化に基づいて出力端子間を電気的に開閉する。
【0007】
すなわち、このオフフック検出装置を使用する際には、当該オフフック検出装置を電話機と公衆回線との間に接続する。
【0008】
この状態において、前記電話機の受話器が外され、オンフック(on−hook)状態からオフフック(off−hook)状態へ移行した際には、電流変化が生ずる。すると、この電流変化が検出され、当該電流変化に基づいて、前記オフフック状態が検出される。
【0009】
そして、このオフフック状態が検出された際には、その旨が出力される。
【0010】
このため、前記オフフック状態を示す旨の出力を外部装置に入力することによって、前記電話機の受話器が外されたことが当該外部装置で検出される。
【0011】
このとき、出力端子は、前記オンフック状態又は前記オフフック状態に応じて、電気的に開閉される。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明のオフフック検出装置にあっては、電話機と公衆回線との間に接続するとともに、当該オフフック検出装置からの出力を外部装置で入力することによって、前記電話機の受話器が外されたことを知ることができる。
【0013】
このため、一般に普及している電話機であっても、交換機等を用いること無く、受話器が外されたオフフック(off−hook)状態を外部装置等によって検知することができる。これにより、当該電話機の受話器が外されたことを、前記外部装置を介して外部に通知することもできる。
【0014】
また、このオフフック検出装置にあっては、前記オンフック状態又は前記オフフック状態に応じて出力端子を電気的に開閉することができる。
【0015】
このため、前記出力端子を、例えば照明回路に接続することによって前記受話器が外され前記オフクック状態となった際に照明を点灯する等、前記受話器の操作状態に基づいて他の機器を作動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるオフフック検出装置1を示す図であり、当該オフフック検出装置1の使用状態が示されている。
【0017】
このオフフック検出装置1は、電話機11の受話器12が外されたか否かを検出する装置であり、例えば一般家庭等で使用されている普及型の電話機11と、該電話機11が接続される公衆回線13との間に接続して使用する装置である。
【0018】
すなわち、前記オフフック検出装置1のケーシング21には、LINE側モジュラージャック22が設けられており、該LINE側モジュラージャック22は、追加用電話線23の一端に設けられたプラグ24を抜き差し可能に接続できるように構成されている。この追加用電話線23の他端に設けられたプラグ25は、室内の壁面等に設けられたモジュラージャック26に抜き差し可能に接続できるように構成されており、このモジュラージャック26は、電話局からの公衆回線(局線)13に接続されている。
【0019】
前記LINE側モジュラージャック22は、検出部31を介してTEL側モジュラージャック32に接続されており、該TEL側モジュラージャック32は、前記ケーシング21に固定されている。このTEL側モジュラージャック32には、前記電話機11に接続された電話線33のプラグ34が抜き差し可能に接続されるように構成されており、前記電話機11を、前記検出部31を介して前記公衆回線13に接続できるように構成されている。
【0020】
前記電話機11は、プッシュボタン等を備えた電話機本体41と、該電話機本体41にカールコード42を介して接続された前記受話器12とからなり、該受話器12は、前記電話機本体41の保持部43に保持した状態で当該電話機本体41より突出した図外のスイッチ部をオン操作する一方、前記電話機本体41の前記保持部43から取り外した状態で前記スイッチ部をオフ操作するように構成されている。
【0021】
これにより、前記保持部43から前記受話器12を取り外して前記スイッチ部をオフにし、オフフック(off−hook)を形成することで、当該電話機11による通話を可能とする一方、前記保持部43に前記受話器12を置いて前記スイッチ部をオンにし、オンフック(on−hook)状態を形成することで、当該電話機11による通話を切断できるうよう構成されている。
【0022】
前記検出部31は、前記オンフック状態から前記オフフック状態へ移行した際に、前記公衆回線13と前記電話機11間で閉回路が形成されることによって生ずる電流変化を検出する検出手段を構成しており、この検出部31は、出力部51に接続されている。
【0023】
この出力部51は、前記検出部31が検出した前記電流変化に基づいて前記オフフック状態を検出し、その旨を接点出力コネクタ52から出力するように構成されており、該接点出力コネクタ52は、前記ケーシング21に固定され、外部機器を接続できるように構成されている。
【0024】
図2は、当該オフフック検出装置1を示す回路図であり、前記LINE側モジュラージャック22の第1出力端子101は、前記TEL側モジュラージャック32の第1出力端子102に直接接続されている。また、前記LINE側モジュラージャック22の第2端子103は、前記ダイオードブリッジ回路104の第1入力105に接続されており、該ダイオードブリッジ回路104の第2入力106には、前記TEL側モジュラージャック32の第2端子107が接続されている。
【0025】
これにより、前記TEL側モジュラージャック32に接続された前記電話機11が前記オフクック状態となり、当該電話機11と前記公衆回線13とが閉回路を形成した際に、前記公衆回線13からの電力が前記ダイオードブリッジ回路104に供給され、当該ダイオードブリッジ回路104の前記両入力端子105,106間に印加された前記公衆回線13からの電力を当該ダイオードブリッジ回路104で整流してプラス出力111及びマイナス出力112から出力するように構成されている。
【0026】
すなわち、前記ダイオードブリッジ回路104は、前記オンフック状態から前記オフフック状態へ移行した際に前記電話機11と前記公衆回線13間に流れる電流に応じて直流電圧を出力する検出手段を構成している。
【0027】
前記ダイオードブリッジ回路104の前記プラス出力111及びマイナス出力112間には、直列接続された抵抗121及び発光ダイオード122と、平滑コンデンサ123と、ツェナーダイオード124とが並列接続されている。また、前記プラス出力111は、制限抵抗125を介して光絶縁素子126の第1端子127に接続されており、前記マイナス端子112は、前記光絶縁素子126の第2端子128に接続されている。
【0028】
前記光絶縁素子126において、前記第1端子127と前記第2端子128間には、内蔵の発光ダイオード131が接続されており、前記光絶縁素子126の第3端子132と第4端子133間には、PhotoMOS等で構成されたスイッチング回路134が形成されている。このスイッチング回路134は、前記発光ダイオード131からの光を受けた際に、回路を閉じる一方、前記発光ダイオード131が消灯した際に、回路を開くように構成されており、前記第3端子132は前記接点出力コネクタ52の第1出力端子135に、前記第4端子133は前記接点出力コネクタ52の第2出力端子136に接続されている。
【0029】
これにより、前記光絶縁素子126は、前記ダイオードブリッジ回路104から電力供給を受けて内蔵の発光ダイオード131を点灯した際に、前記スイッチング回路134によって前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間を閉じる一方、前記ダイオードブリッジ回路104から電力供給が遮断され内蔵の発光ダイオード131を消灯した際に、前記スイッチング回路134によって前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間を開くように構成されており、前記ダイオードブリッジ回路104からの出力に基づいて前記オフフック状態あるいは前記オフフック状態を検出して、その旨を出力する出力手段を構成するとともに、前記ダイオードブリッジ回路104からの出力に応じて前記接点出力コネクタ52の前記両出力端子135,136間を電気的に開閉することによって、前記電話機11が前記オフフック状態又は前記オンフック状態にあるかを出力できるように構成されている。
【0030】
また、前記発光ダイオード131内蔵の前記光絶縁素子126を用いることによって、前記接点出力コネクタ52の前記両出力端子135,136を前記公衆回線13とを光絶縁できるように構成されている。
【0031】
以上の構成に係る本実施の形態において、前記オフフック検出装置1を使用する際には、壁面等のモジュラージャック26に接続された追加用電話線23をLINE側モジュラージャック22接続するとともに、電話機11に接続された電話線33のプラグ34をTEL側モジュラージャック32に接続することによって、当該オフフック検出装置1を前記電話機11と前記公衆回線13との間に接続する。
【0032】
この状態において前記電話機11の受話器12が保持部43に置かれたオンフック(on−hook)状態では、前記電話機11と前記公衆回線13が形成する回路が開かれているため、前記ダイオードブリッジ回路104には、前記公衆回線13からの電力が遮断され電流が流れず、当該ダイオードブリッジ回路104からは電力が出力されない。そして、前記光絶縁素子126では、内蔵の発光ダイオード131を消灯し、前記スイッチング回路134が当該光絶縁素子126の第3端子132と第4端子133間を開くことによって、前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間を開く。
【0033】
一方、前記電話機11の受話器12が保持部43から外されたオフフック(off−hook)状態では、前記電話機11と前記公衆回線13が形成する回路が閉じられ、直流ループが生成される。すると、前記ダイオードブリッジ回路104には、前記公衆回線13からの電力が供給され電流が流れ、当該ダイオードブリッジ回路104からは電力が出力される。また、前記光絶縁素子126では、内蔵の発光ダイオード131が発光し、前記スイッチング回路134が当該光絶縁素子126の第3端子132と第4端子133間を閉じることによって、前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間が閉じられる。
【0034】
ここで、前記公衆回線13と前記接点出力コネクタ52の前記両出力端子135,136とは、前記光絶縁素子126によって絶縁されている。このため、前記公衆回線13(局線)側及び前記接点出力コネクタ52に接続される外部機器に対して相互に影響を与えない。
【0035】
このように、前記電話機11の前記受話器12が外され、前記オンフック(on−hook)状態から前記オフフック(off−hook)状態へ移行した際には、前記検出部31を構成する前記ダイオードブリッジ回路104を流れる電流に変化が生じ、この電流変化を検出することで、当該電流変化に基づいて前記オンフック状態か前記オフフック状態かを検出することができる。
【0036】
そして、前記オンフック状態が検出された際には、前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間が開かれる一方、前記オフフック状態が検出された際には、前記接点出力コネクタ52の両出力端子135,136間が閉じられることによって、その旨が前記接点出力コネクタ52から接点出力として出力される。
【0037】
このため、前記接点出力コネクタ52に外部装置を接続して、該外部装置によって接点出力を検出することにより、前記両出力端子135,136間が開かれている場合には、前記電話機11がオンフック状態であり、前記両出力端子135,136間が閉じられている場合には、前記電話機11がオフクック状態であることを把握することができる。
【0038】
このため、一般に普及している前記電話機11であっても、交換機等を用いること無く、前記受話器12が外されたオフフック(off−hook)状態を外部装置等によって検知することができる。これにより、当該電話機11の受話器12が外されたことを、前記外部装置を介して外部に通知することもできる。
【0039】
また、前記オンフック状態又は前記オフフック状態に応じて、前記接点出力コネクタ52の前記両出力端子135,136間を電気的に開閉することができる。
【0040】
このため、例えば前記接点出力コネクタ52の前記第1出力端子135に電源の一方の極を接続するとともに、電源の他方の極が接続された照明の他方の端子を、前記第2出力端子136に接続することによって、前記受話器12が外され前記オフクック状態となった際に前記照明を点灯する等、前記受話器12の操作状態に基づいて他の機器を作動することができる。
【0041】
そして、前記ケーシング21に設けられた前記各モジュラージャック22,32は、壁面等に設けられたモジュラージャック26と同形状のものが使用されており、通常電話線の接続に使用するRJ−11コネクタを、そのまま接続することができる。
【0042】
これにより、既存設備に本実施の形態のオフフック検出装置1を付加する際には、追加用電話線23を一本追加するだけで対応することができ、特別な工事が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0044】
1 オフフック検出装置
11 電話機
12 受話器
13 公衆回線
31 検出部
51 出力部
52 接点出力コネクタ
135 第1出力端子
136 第2出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機と該電話機を接続する公衆回線との間に接続されるオフフック検出装置であって、
前記電話機の受話器が外されオフフック状態へ移行した際に生じる電流変化を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した前記電流変化に基づいて前記オフフック状態を検出し、その旨を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とし、
前記出力手段は、前記電流変化に基づいて出力端子間を電気的に開閉することを特徴としたオフフック検出装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−98904(P2008−98904A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277590(P2006−277590)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】