説明

オレフィンから不飽和アルデヒドを製造するための混合金属酸化物触媒の製造法

本発明は、イソブチレンなどのオレフィンを気相接触酸化して、メタクロレインなどの不飽和アルデヒドを製造するための触媒の製造方法に関する。この触媒は、モリブデン、ビスマス、鉄、セシウム、タングステン、コバルト、ニッケル、アンチモン、マグネシウム及び亜鉛の酸化物を含有する。この方法は、1パートで水不溶性成分、かつもう一つのパートでは水溶性成分を用いた、触媒の2パート合成法である。水不溶性成分は、共沈殿して、金属成分の酸化物を取り込んだ沈殿担体からなる中間の触媒前駆体を形成する。中間の触媒前駆体は、ろ過され、かつ硝酸塩を除去するために水洗される。中間の触媒前駆体は、残存水溶性成分でスラリー化される。最終の触媒前駆体は、水を除去し、かつ水溶性成分を取り込むことにより作成される。この2パート法は、最終触媒前駆体中の硝酸塩の量を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気、又は分子状酸素を含有するその他の気体の存在下で、イソブチレンを気相接触酸化することによりメタクロレインを製造するなどの、オレフィンから不飽和アルデヒドを製造するための、モリブデン、ビスマス、鉄、セシウム、アンチモン、及びその他の金属の酸化物を含有する混合金属酸化物触媒を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、イソブチレンをメタクロレインに酸化する触媒は、所望の元素を含有する化合物を溶液又は懸濁液中で混合し、その結果得た濃縮物を乾燥して作成した混合金属酸化物である。その後、乾燥された生成物が焼成される。この焼成された製品は、用途に適したメッシュサイズに粉砕され、又は成形されてもよい。この作成された触媒は、特定の表面積をもつように調製できる。この触媒は、触媒の物理特性を改良するために、シリカ、シリカ含有材料、炭化ケイ素、アルミナなどの適切な担体上に担持させることができる。プロピレン又はイソブチレンの接触気相酸化によりアクロレイン又はメタクロレイン製造に用いる多くの触媒製造法が、開示されている。
【0003】
米国特許第4,816,603号は、メタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、式:
MoBiFeNiSbk
(式中、Xはカリウム、ルビジウム及び/又はセシウムであり、Yはリン、硫黄、ケイ素、セレン、ゲルマニウム及び/又はホウ素であり、Zは亜鉛及び/又は鉛であり、Aはマグネシウム、コバルト、マンガン及び/又は錫であり、aは12、bは0.001から2、cは0.01から3、dは0.01から8、eは0.01から10、fは0.01から5、gは0.01から2、hは0から5、iは0.01から5、jは0から10、かつkは原子価を満たすための十分な数である)で表される触媒を開示している。開示された製造法は、モリブデン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム及び硝酸ルビジウムを含む溶液A、及び硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム及び硝酸亜鉛を含む溶液Bを作成して、溶液Bを溶液Aに加えてスラリーを形成し、三酸化アンチモンをこのスラリーに添加することであった。
【0004】
米国特許第4,511,671号は、メタクロレイン製造用の触媒であって、式:
MoBiFeefghx
(式中、Aはニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一種、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又はタリウムの少なくとも一種、Cはリン、テルル、アンチモン、錫、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン及び/又は亜鉛の少なくとも一種、Dはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム及び/又はチタンの少なくとも一種であり、aは12、bは0から10、cは0.1から10、dは0.1から20、eは2から20、fは0から10、gは0から4、hは0から30であり、かつxは原子価により決まる)で表される触媒を開示している。開示された製造方法は、硝酸コバルト及び硝酸第二鉄を水に溶解すること、及びこれとは別に、硝酸ビスマスを水及び硝酸に溶解することであった。この2種の溶液を混合し、次に水に溶解したパラモリブデン酸アンモニウム、及びパラタングステン酸アンモニウムのもう一つの溶液に加えた。また、水に溶解した硝酸セシウムの溶液、及びシリカゾルの溶液を加えた。
【0005】
米国特許第4,556,731号は、メタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、式:
FeMo12x
(式中、Aはカリウム、ルビジウム、セシウム、又はそれらの混合物などのアルカリ金属、タリウム、銀、又はそれらの混合物、Bはコバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、ベリリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、又はそれらの混合物、Xはビスマス、テルル、又はそれらの混合物、Mは(1)Cr+W、Ge+W、Mn+Sb、Cr+P、Ge+P、Cu+W、Cu+Sn、Mn+Cr、Pr+W、Ce+W、Sn+Mn、Mn+Ge、又はそれらの組み合わせ、(2)Cr、Sb、Ce、Pn、Ge、B、Sn、Cu、又はそれらの組み合わせ、又は(3)Mg+P、Mg+Cu、Mg+Cr、Mg+Cr+W、Mg+W、Mg+Sn、又はそれらの組み合わせであり、aは0から5、bは0から20、cは0から20、dは0から20、eは0.01から12であり、かつxは原子価の必要条件を満たす)で表される触媒を開示している。開示された製造方法は、モリブデン酸アンモニウム、リン酸、水及びシリカゾルを含む溶液A、及び硝酸第二鉄、硝酸ビスマス、硝酸ニッケル、硝酸コバルト及び硝酸カリウムを含む溶液Bを作成し、続いて溶液Bを溶液Aに加えることであった。
【0006】
米国特許第5,245,083号は、メタクロレインを製造するための触媒であって、式:
MoaBibFecdfg
(式中、XはNi及び/又はCo、ZはW、Be、Mg、S、Ca、Sr、Ba、Te、Se、Ce、Ge、Mn、Zn、Cr、Ag、Sb、Pb、As、B、P、Nb、Cu、Cd、Sn、Al、Zr及びTiの少なくとも一つであり、aは12、bは0.1から10、cは0から20、dは0から20、fは0から4、gは原子価の必要条件を満たす)で表される組成物(1)、と式:
Monp
(式中、AはK、Rb及びCsの少なくとも一つであり、mは2、nは1から9、pは3n+1である)で表される組成物(2)との混合物からなる触媒を開示する。この製造方法は、水中にパラモリブデン酸アンモニウムを含む溶液A、水中に硝酸コバルト及び硝酸第二鉄を含む溶液B、硝酸水溶液中の硝酸ビスマスからなる溶液Cを作成し、溶液B及び溶液Cを溶液Aに加えることであった。これとは別に、モリブデン酸アンモニウムを水に溶解して溶液を作成し、これに硝酸セシウム及び硝酸を加えた。得られた2種の組成物を混合して触媒を作成した。比較例では、唯一の組成物を作成して触媒とするように硝酸セシウムを溶液Aに溶解した。
【0007】
米国特許第4,537,874号は、不飽和アルデヒド製造用の触媒であって、式:
BiabFecModefghx
(式中、Aはニッケル及び/又はコバルト、Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びタリウムの少なくとも一種、Cはリン、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウム、鉛及びニオブの少なくとも一種、Dはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム及びチタンの少なくとも一種であり、aは0.1から10.0、bは0.5から10.0、cは0.1から10.0、dは12、eは2.0から20.0、fは0.001から10.0、gは0から10.0、hは0から30であり、xは原子価の必要条件を満たす)で表される触媒を開示する。a/bの比は、ビスマスがタングステンときわめて安定に結合し、かつ三酸化ビスマス及びモリブデン酸ビスマスが生成しないような、0.01から6.0である。開示された製造方法は、硝酸ビスマスを水及び硝酸に溶解して溶液を作成し、これにアンモニア水溶液を加えて白色沈殿を生成させ、黄色粉末として回収することであった。これとは別に、硝酸コバルト、硝酸第二鉄、シリカゾル及び硝酸カリウムの水性液をモリブデン酸アンモニウムの水溶液に加えて懸濁液を作成し、これに黄色粉末を加えた。一実施例では、タングステン酸ナトリウムの水性液を硝酸ビスマス溶液に加えた。
【0008】
米国特許第5,728,894号は、メタクロレインを製造するための触媒であって、式:
Mo12BiaCebcFedefx
(式中、AはCo、又は原子比が0.7以下のCo及びMgの混合物、BはRb、Cs又はそれらの混合物であり、aは0から8、bは0から8、cは0から1.2、dは0から2.5、eは1.0から12、fは0から2.0であり、xは原子価の必要条件を満たす)で表される触媒を開示する。鉄に対するビスマス及びセリウムの相対的原子比は、0<d/(a+b+c)≦0.9でなければならない。ビスマス、セリウム及びカリウムの相対的原子比は、0.05≦b/(a+b+c)≦0.7でなければならない。カリウムに対するビスマス及びセリウムの相対的原子比は、0<c/(a+b+c)≦0.4でなければならない。ビスマス、セリウム、カリウム、鉄及びコバルトは、この開示された発明にとって不可欠な元素である。開示された製造方法は、ヘプタモリブデン酸アンモニウム及び水を含む溶液A、及び硝酸ビスマス、硝酸セリウム、硝酸鉄、硝酸セシウム、硝酸カリウム及び硝酸コバルトを含む溶液Bを作成し、かつ溶液Aと溶液Bを混合したことである。
【0009】
米国特許第4,916,103号は、プロピレンをアクロレイン及びアクリル酸に酸化するための触媒であって、モリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、又はニッケル、リン;ヒ素、アンチモン、錫、タリウム、タングステン、アルカリ土類金属、亜鉛及び/又はクロムの少なくとも一つ;及びナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及び/又はインジウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。開示された製造方法は、ヘプタモリブデン酸アンモニウムを水及び水酸化カリウムに溶解して溶液を作成し、これにモリブデン酸鉄、硝酸コバルト、タングステン酸ビスマス、及びシリカゾル溶液を加えたことであった。
【0010】
米国特許第5,166,119号は、メタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、タングステン、ビスマス、鉄、アンチモン;ニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一つ;セシウム及び/又はタリウムの少なくとも一つ;マグネシウム、マンガン、亜鉛、バリウム及び/又はクロムの少なくとも一つ;及びリン、ホウ素、硫黄、ケイ素、セリウム、カリウム及び/又はルビジウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。開示された製造方法は、水中にモリブデン酸アンモニウム及び硝酸セシウムを含む溶液A、硝酸及び水中に硝酸ビスマス、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト及び硝酸マグネシウムを含む溶液Bを作成し、溶液Bを溶液Aに加えたことであった。一実施例では、溶液Bは硝酸ビスマス及び硝酸コバルトを含み、硝酸鉄及び硝酸亜鉛を含む追加の溶液Cを作成して、溶液Bに加えた。
【0011】
米国特許第5,276,178号は、メタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、タングステン、ビスマス、鉄;ニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一つ;アルカリ金属及び/又はタリウムの少なくとも一つ;アルカリ土類金属の少なくとも一つ;リン、テルル、アンチモン、錫、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素及び/又は亜鉛の少なくとも一つ;ケイ素、アルミニウム、チタン及び/又はジルコニウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。開示された製造方法は、硝酸コバルト及び硝酸鉄を水に溶解した、硝酸ビスマスを水性硝酸に溶解した、硝酸セシウムを水に溶解した、及びパラモリブデン酸アンモニウム及びパラタングステン酸アンモニウムを水に溶解したことであった。最初の3つの溶液及びシリカゾルを、最後の溶液に加えた。より少ない量のセシウムを含む第二の触媒を作成し、第一の触媒とともにイソブチレンの酸化に用いた。別の実施例では、パラタングステン酸アンモニウムを用いず、硝酸セシウムの代わりに硝酸タリウム及び硝酸ストロンチウムを用い、酸化テルル、硝酸鉛及び硝酸亜鉛を加え、かつシリカゾルの代わりに二酸化チタンを用いた。別の実施例では、硝酸セシウムの代わりに硝酸カリウム、硝酸バリウム及び硝酸ベリリウムを用い、三酸化アンチモン及び硝酸マンガンを加え、かつシリカゾルの代わりに硝酸ジルコニウムを用いた。
【0012】
米国特許第5,532,199号は、アクロレイン及びアクリル酸、又はメタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、ビスマス、鉄;ニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一つ;マグネシウム、亜鉛、マンガン、錫及び/又は鉛の少なくとも一つ;リン、ホウ素、硫黄、テルル、ケイ素、セレン、ゲルマニウム、セリウム、ニオブ、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、タングステン及び/又はアンチモンの少なくとも一つ;及びカリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム及び/又はタリウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。開示された製造方法は、パラモリブデン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、硝酸セシウム及び三酸化アンチモンを水に加えて第一の溶液を作成し、かつ硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛及びホウ酸を、硝酸及び水に加えて第二の溶液を作成し、これを第一の溶液に加えたことであった。
【0013】
米国特許第5,602,280号は、アクロレイン及びアクリル酸、又はメタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、ビスマス、鉄;ニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一つ;マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、錫及び/又は鉛の少なくとも一つ;リン、ホウ素、ヒ素、テルル、タングステン、アンチモン及び/又はケイ素の少なくとも一つ;かつカリウム、ルビジウム、セシウム及び/又はタリウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。製造方法は、水中にモリブデン酸アンモニウム及びシリカゾルを含む溶液A、水中に硝酸ニッケル(又は硝酸セシウム)、硝酸コバルト、硝酸第二鉄及び硝酸タリウムを含む溶液B、及び硝酸及び水中に硝酸ビスマスを含む溶液Cを作成し、溶液B及び溶液Cの混合物を溶液Aに加えたことである。
【0014】
米国特許第5,856,259号は、メタクロレイン及びメタクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、ビスマス、鉄;ニッケル及び/又はコバルトの少なくとも一つ;マグネシウム、亜鉛、マンガン、錫及び/又は鉛の少なくとも一つ;リン、ホウ素、硫黄、テルル、ケイ素、ゲルマニウム、セリウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、タングステン及びアンチモンの少なくとも一つ;かつカリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム及び/又はタリウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。製造方法は、水中にパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、二酸化チタン及び二酸化テルルを含む第一溶液、硝酸水溶液中に硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸マグネシウム及び硝酸セシウムを含む第二溶液を作成し、かつこの第二溶液を第一溶液に加えたことである。別の実施例では、水中にパラモリブデン酸アンモニウム、二酸化ケイ素及びパラタングステン酸アンモニウムを含む第一溶液、及び硝酸水溶液中に硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸セシウム、硝酸ルビジウム及び硝酸カリウムを含む第二溶液を作成し、かつこの第二溶液を第一溶液に加えた。別の実施例では、パラモリブデン酸アンモニウム及び二酸化ジルコニウムの第一溶液、及び硝酸水溶液中にリン酸、硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸コバルト、硝酸マンガン、硝酸鉛、硝酸セシウム、硝酸ナトリウムを含む第二溶液を作成し、かつこの第二溶液を第一溶液に加えた。別の実施例では、水中にパラモリブデン酸アンモニウム、酸化錫及び二酸化ゲルマニウム含む第一溶液、及び硝酸水溶液中にホウ酸、硫酸、硝酸ビスマス、硝酸第二鉄、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸タリウム及び硝酸セシウムを含む第二溶液を作成し、かつこの第二溶液を第一溶液に加えた。
【0015】
米国特許第6,028,220号は、アクロレイン及びアクリル酸製造用の触媒であって、モリブデン、ビスマス、ニッケル、コバルト、鉄;錫、亜鉛、タングステン、クロム、マンガン、マグネシウム、アンチモン及び/又はチタンの少なくとも一つ;及びカリウム、ルビジウム、タリウム及び/又はセシウムの少なくとも一つを含有する触媒を開示する。開示された製造方法は、水中にモリブデン酸アンモニウム及び硝酸カリウムを含む溶液A、水中に硝酸コバルト、硝酸ニッケル及び硝酸第二鉄を含む溶液B、及び水及び硝酸中に硝酸ビスマスを含む溶液Cを作成し、かつ溶液B及び溶液Cの混合物を溶液Aに加えた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
先行技術は、メタクロレイン製造用の、モリブデン、ビスマス、鉄、セシウム、及びその他の金属を含有する混合金属酸化物触媒を製造する異なる方法を開示している。特殊な製造方法の利点、又は水溶性化合物及び水不溶性化合物を別々に作成し、次に混合して触媒を作成するという添加順序は開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、一般式:
Mo12BiabFecCsgmM'm'x
(式中、Mはアンチモン、リン、ホウ素、硫黄、ケイ素、アルミニウム、チタン、テルル、バナジウム、ジルコニウム及びニオブのうちの一種以上であり、M'はコバルト、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ルビジウム、タリウム、マンガン、バリウム、クロム、セリウム、錫、鉛、カドミウム及び銅から選ばれた一種以上であり、aは0.1から1.5の範囲、bは0から9、cは0.2から5.0の範囲、gは0.1から1.5の範囲、mは0から9の範囲、m'は0から9の範囲、かつxはその他の成分の原子価により決まる)で表される触媒の製造方法に関する。
【0018】
この触媒の製造方法は、一般的には、溶液又はスラリー中で、モリブデン、ビスマス、鉄、セシウム、タングステンの金属化合物、M及びM'を混合し、かつ触媒前駆体を沈殿させ、これを焼成して混合金属酸化物触媒を作成することである。この金属化合物は、塩(例えば、硝酸塩、ハロゲン化物、アンモニア、有機酸、無機酸)、酸化物、水酸化物、炭酸塩、オキシハロゲン化物、硫酸塩、及び高温下で酸素と交換して金属化合物が金属酸化物になるようなその他の基であってもよい。好ましくは、モリブデン化合物及びタングステン化合物は、アンモニウム塩であり、ビスマス化合物、第二鉄化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物、セシウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、タリウム化合物、マンガン化合物、バリウム化合物、クロム化合物、ホウ素化合物、硫黄化合物、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、セリウム化合物、テルル化合物、錫化合物、バナジウム化合物、ジルコニウム化合物、鉛化合物、カドミウム化合物、銅化合物及びニオブ化合物は、硝酸塩、酸化物、又は酸であり、かつアンチモン化合物は酸化物である。
【0019】
本発明の方法は、1パートで水不溶性成分、及びもう一つのパートでは水溶性成分を用いた、触媒の2パート合成法である。水不溶性成分は、共沈殿して、金属成分の酸化物を取り込んだ沈殿担体からなる中間の触媒前駆体を形成する。中間の触媒前駆体は、ろ過され、かつ硝酸塩を除去するために水洗される。中間の触媒前駆体は、残存水溶性成分でスラリー化される。最終の触媒前駆体は、水を除去し、かつ水溶性成分を取り込むことにより作成される。
【0020】
この2パート法は、最終の触媒前駆体中の硝酸塩量を減少させる。触媒を作成するため触媒前駆体を焼成する時に、発熱反応で硝酸塩が分解して、触媒を損傷及び失活させる「ホットスポット」を発生させる。また、硝酸塩は、環境上望ましくない気体を発生する恐れがある。
【0021】
本発明は、プロピレン又はイソプロピレンを酸化して、アクロレイン又はメタクロレインを製造する方法に関する。本発明の触媒の正確な化学構造は、知られていない。しかし、触媒が、酸化物及び/又は全成分の複合酸化物の均一な混合物であると推定されている。この触媒は、式:
Mo12BiabFecCsgmM'm'x
(式中、Mはアンチモン、リン、ホウ素、硫黄、ケイ素、アルミニウム、チタン、テルル、バナジウム、ジルコニウム及びニオブのうちの一種以上であり、M'はコバルト、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ルビジウム、タリウム、マンガン、バリウム、クロム、セリウム、錫、鉛、カドミウム及び銅から選ばれた一種以上であり、aは0.1から1.5の範囲、bは0から9、cは0.2から5.0の範囲、gは0.1から1.5の範囲、mは0から9の範囲、m'は0から9の範囲、かつxはその他の成分の原子価により決まる)で表される混合金属酸化物である
【0022】
最も好ましくは、この触媒は、式:
Mo12BiabFecCodNieSbfCsgMghZnix
(式中、bは0から4、dは0から9、eは0から9、fは0から2.0、hは0から1.5、iは0から2.0である)で表される。
【0023】
この触媒の製造方法は、一般的には、金属化合物の溶液又はスラリーを作成し、かつ触媒前駆体を沈殿させ、これを焼成して混合金属酸化物触媒を作成することである。この金属化合物は、塩(例えば、硝酸塩、ハロゲン化物、アンモニア、有機酸、無機酸)、酸化物、水酸化物、炭酸塩、オキシハロゲン化物、硫酸塩、及び高温下で酸素と交換して金属化合物が金属酸化物になるようなその他の基であってもよい。より好ましくは、モリブデン化合物及びタングステン化合物は、それぞれパラモリブデン酸アンモニウム又はモリブデン酸アンモニウム、及びパラタングステン酸アンモニウム又はタングステン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩であり、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル、セシウム、マグネシウム、亜鉛、リン、カリウム、ルビジウム、タリウム、マンガン、バリウム、クロム、ホウ素、硫黄、ケイ素、アルミニウム、チタン、セリウム、テルル、錫、バナジウム、ジルコニウム、鉛、カドミウム、銅及びニオブの化合物は、硝酸塩、酸化物、又は酸であり、かつアンチモン化合物は、酸化アンチモン又は三酸化アンチモンなどの酸化物である。ビスマス、鉄、セシウム、コバルト、ニッケル、マグネシウム及び亜鉛については、硝酸塩であることが好ましい。
【0024】
本発明は、成分の特殊な添加順序により左右される。
【0025】
特許請求した発明の触媒製造の実施例は、パラモリブデン酸アンモニウム又はモリブデン酸アンモニウムなどのモリブデンのアンモニウム塩、場合によりパラタングステン酸アンモニウム又はタングステン酸アンモニウムなどタングステンのアンモニウム塩、酸に溶解させた硝酸ビスマス、硝酸鉄及び硝酸セシウムのスラリーを作成すること、及び水中で硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム及び硝酸亜鉛の溶液を作成して硝酸二価金属塩の溶液を作成することである。このスラリーを共沈殿させて水不溶性金属成分の酸化物を取り込んだ沈殿担体からなる中間の触媒前駆体を形成させる。この中間の触媒前駆体は、ろ過され、かつ硝酸塩を除去するために水洗される。中間の触媒前駆体は、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム及び硝酸亜鉛などの硝酸二価金属塩溶液と共にスラリー化される。酸化アンチモンは固体として添加されてもよい。このスラリーは、2から24時間、好ましくは8から18時間、最も好ましくは5から10時間熟成することができる。このスラリーの液体分を蒸発除去し、固体沈殿物を乾燥、焼成して触媒を得る。スプレードライ法により液体を除去し、かつ固体沈殿物の乾燥を同時に行ってもよい。この液体は、50℃から125℃の温度で蒸発可能である。
【0026】
触媒前駆体の乾燥は、空気中又は活性気体中、及びオーブン中又はスプレードライヤー中で行うことができる。乾燥は、100〜150℃の温度で2〜5時間、空気中のオーブンで行うことが好ましい。
【0027】
触媒前駆体を焼成する一つの目的は、金属成分の酸化物を得ることである。この触媒前駆体は、200〜600℃の温度で1〜12時間焼成することができる。焼成は、2ステージで行うことができ、1ステージは150〜400℃の温度で1〜5時間、もう一つのステージは460〜600℃の温度で4〜8時間で行うことができる。2ステージ焼成では、好ましくは、第一ステージは、290〜310℃の温度で2時間、かつ第二ステージは、460〜500℃の温度で6時間であり、昇温速度は0.5から20℃/分、好ましくは5から10℃/分である。脱窒素は、第一ステップで起きる。代替の方法では、最初のステップ又は脱窒素の代わりに、焼成は、常温から、0.5から20℃/分の昇温勾配、好ましくは5から10℃/分の昇温勾配で、450〜500℃の温度で1〜4時間、1ステージで行われる。焼成は、高温のオーブン又はキルンで行ってもよい。
【0028】
この触媒は、所定サイズの触媒粒子を得るために、篩い分け、成型、及び業界で知られたその他の手段を用いて処理することができる。所望の粒子サイズ及び粒子サイズ分布は、反応装置の設計(サイズ、形状、構造など)、プロセスのために意図された圧力低下、及びプロセスの流れに関係する。2ステージの焼成のために、触媒は、第一ステージの焼成後かつ第二ステージの焼成前に、篩い分け又は成形することができる。産業的な方法では、触媒前駆体は、スプレードライ後かつ焼成前に、篩い分け及び成形することができる。
【0029】
本発明の混合金属酸化物触媒のX‐線回折パターンは、別の方法で製造された触媒と実質的に異ならない。上記実施例の触媒組成物は、Cu Kα放射を用いて測定した時、約9.6、14.2、23.0、26.7及び28.0度に、回折角2θの回折ピークを有する特徴的なX‐線回折を示す。比較例の触媒のX‐線回折パターンは、同一回折ピークを示す。
【0030】
本発明の触媒は、非担持触媒又は担持触媒として使用することができる。非担持触媒の表面積は、0.1から150m2/g、好ましくは1から20m2/gである。担持触媒の場合、担体は、触媒の活性成分の如何なる成分にも化学的に非反応性であり、好ましくはシリカ、アルミナ、ニオビア、チタニア、ジルコニア又はそれらの混合物である不活性固体でなければならない。触媒は、初期湿潤、スラリー化反応及びスプレードライを含む業界で知られた方法により、担体に付着させることができる。触媒は、形状、サイズ又は粒子分布により制約されず、かつプロセスの反応装置に適するように成形することができる。実施例は、粉末、顆粒、球、円筒、サドルなどである。
【0031】
この触媒を、プロピレン又はイソブチレン、酸素、水、及び窒素などの不活性気体を含む供給原料ガスの気相接触酸化に用いて、アクロレイン又はメタクロレインを作成する。酸素は、精製された形態で、又は空気又は酸素‐希釈気体混合物などの気体を含有する酸素の形態で供給することができる。希釈気体は、窒素、プロセス条件下で気体状である炭化水素、又は二酸化炭素でもよい。反応温度は、好ましくは250〜450℃、最も好ましくは370〜410℃である。反応装置は、固定層又は流動層反応装置でもよい。反応圧力は、0から100psigでよい。空間速度は、800から8,000hr-1でよい。
【0032】
本発明を一般的に説明したが、以下の実施例は、本発明の特別な実施形態として、かつそれらの実施及び利点を例証するために与えられる。この実施例は、説明のために与えられるものであり、かつ如何なる手段に従ってでも特許明細書および特許請求の範囲を限定する意図がないことが理解される。
【実施例1】
【0033】
43.57gのパラモリブデン酸アンモニウム四水化物及び1.66gのパラタングステン酸アンモニウム水化物を、約90mLの水に加えて、58分間かけて室温から95℃に加熱し、金属塩を溶解した。
【0034】
これとは別に、9.97gの硝酸ビスマス水化物及び19.93gの硝酸第二鉄水化物を、1.84gの濃硝酸及び9.4gの水の溶液に溶解した。
【0035】
30分間かけて、ビスマス、鉄溶液を、モリブデン酸溶液に加えた。
【0036】
ビスマス溶液添加後の約16分に、2.41gの硝酸セシウムを加えた。
【0037】
次に、3分後に、2.11gの三酸化アンチモンを加えた。
【0038】
95℃で約10時間、溶液を分解させた。生成した黄色沈殿物をろ過して、約224mLの水で洗浄した。洗浄したフィルターケーキを約100mLの水を用いてスラリー化した。
【0039】
これとは別に、23.92gの硝酸ニッケル水化物、12.03gの硝酸コバルト水化物、2.64gの硝酸マグネシウム水化物、及び3.24gの硝酸亜鉛水化物を約100mLの水に溶解し、スラリーに加えた。このスラリーをよく混合した。
【0040】
このスラリーを50℃にて、るつぼ内で蒸発させて、湿潤ペーストを作成した。5L/分までの空気流量を用いて、1.2ft3のマッフル炉内で、120℃で2時間、このペーストを乾燥した。この乾燥ペーストを、回転炉内で、10℃/分の昇温勾配及び200mL/分の空気流量を用いて、約480℃で2時間焼成した。この触媒を、反応装置試験のためにサイズを合わせた。
【実施例2】
【0041】
43.58gのパラモリブデン酸アンモニウム四水化物及び1.65gのパラタングステン酸アンモニウム水化物を、約87mLの水に加えた。この溶液を攪拌して、室温から95℃に加熱し、約60分間で金属塩を溶解した。
【0042】
これとは別に、9.97gの硝酸ビスマス水化物を、1.83gの濃硝酸及び9.3gの水の溶液に溶解した。
【0043】
これとは別に、19.94gの硝酸第二鉄水化物、23.91gの硝酸ニッケル水化物、12.04gの硝酸コバルト水化物、2.64gの硝酸マグネシウム水化物、及び3.24gの硝酸亜鉛水化物を約86mLの水に溶解した。
【0044】
攪拌しながら、硝酸ビスマス溶液を硝酸第二鉄溶液に加えた。次に、攪拌しながら(約220rpm)、約31分間かけて、滴状様式で、金属硝酸塩溶液をモリブデン酸塩溶液に加えた。
【0045】
金属硝酸塩溶液の添加時に、滴下した溶液の温度を85℃にした。添加後、温度を95℃に上昇させた。
【0046】
金属硝酸塩溶液の添加直後、2.4gの固体硝酸セシウムを全量一度に加えた。次に、2.12gの固体三酸化アンチモンを5分間かけてスラリーに加えた。
【0047】
この溶液は、95℃で約6時間分解された。
【0048】
分解後、この溶液を煮詰めてペーストを作成した。5L/分までの空気流量を用いて、1.2ft3のマッフル炉内で、約120℃で2時間、このペーストを乾燥した。
【0049】
このケーキを、回転炉内で、10℃/分の昇温勾配及び200mL/分の空気流量を用いて、約480℃で2時間焼成し、試験反応装置に充填するためにサイズを合わせた。
【0050】
以下に記載した硝酸塩含量は、脱窒素及び焼成前の触媒前駆体ケーキに対してイオンクロマトグラフィにより得た。両試料は、1回の水性液抽出及びそれに続きろ過した後分析した。両試料は、空気中120℃で2時間乾燥し、乾燥ケーキにした。
実施例:16.0重量%の硝酸塩
比較例:22.8重量%の硝酸塩
硝酸塩の理論量は約33%である。22.8%と33%の間の差異は、恐らく乾燥時のロス、及び一回の洗浄からフィルターケーキに残留した硝酸塩に起因している。
【0051】
硝酸塩は、ろ過により約30%に減少する。乾燥時に失われた量を考慮する時、ろ過により除去された硝酸塩の量は増加するであろう。乾燥時の硝酸ロスの全ては、ドライヤー流出気体を洗浄するための必要条件及び爆発につながるドライヤーバグハウス内の硝酸塩堆積の可能性が原因で、望ましくないと考えられる。
【0052】
上記の教示に照らして、本発明の多くの変性及び変更が可能であることは、明らかである。それ故、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に特に説明した方法以外に本発明を実施できることが、理解されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンを酸化して不飽和アルデヒドを製造するための触媒の製造法であって、
(a)モリブデン、ビスマス、鉄、セシウム、及びM化合物を水又は酸に溶解すること、その際Mは、アンチモン、リン、ホウ素、硫黄、ケイ素、アルミニウム、チタン、テルル、バナジウム、ジルコニウム、及びニオブのうちの一種以上であること、
(b)触媒前駆体を沈殿させること、
(c)液体を除去して固体を形成すること、
(d)固体を水洗すること、
(e)固体を乾燥すること、
(f)固体をM'化合物の溶液と接触させること、その際M'は、コバルト、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ルビジウム、タリウム、マンガン、バリウム、クロム、セリウム、錫、鉛、及び銅から選ばれた一種以上であること、
(g)固体を乾燥すること、及び
(h)固体を焼成して金属酸化物を形成し、一般式:
Mo12BiabFecCsgmM'm'x
(式中、aは0.1から1.5の範囲であり、bは0から9であり、cは0.2から5.0の範囲であり、gは0.1から1.5の範囲であり、mは0から9の範囲であり、m'は0から9の範囲であり、かつxはその他の成分の原子価により決まる)で表される触媒を形成することを含む方法。
【請求項2】
モリブデン化合物がアンモニウム塩である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モリブデン化合物が、パラモリブデン酸アンモニウム、又はモリブデン酸アンモニウムである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
タングステン化合物がアンモニウム塩である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
タングステン化合物が、パラタングステン酸アンモニウム、又はタングステン酸アンモニウムである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ビスマス化合物が硝酸塩である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
鉄化合物が硝酸塩である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
M'がコバルト化合物である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コバルト化合物が硝酸塩である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
M'がニッケル化合物である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ニッケル化合物が硝酸塩である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Mがアンチモン化合物である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アンチモン化合物が酸化物である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
セシウム化合物が硝酸塩である請求項1に記載の方法。
【請求項15】
M'が亜鉛化合物である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
亜鉛化合物が硝酸塩である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
触媒が式:
Mo12BiabFecCodNieSbfCsgMghZnix
(式中、bが0から4、dが0から9、eが0から9、fが0から2.0、hが0から1.5、iが0から2.0である)で表される請求項1に記載の方法。
【請求項18】
触媒が、Cu Kα放射を用いて測定した時、9.6、14.2、23.0、26.7、及び28.0度に、回折角2θの回折ピークをもつX‐線回折パターンを示す請求項1に記載の方法。
【請求項19】
gが0.4から1.5の範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項20】
40℃から100℃の範囲の温度で、化合物が溶解され、沈殿が起きる請求項1に記載の方法。
【請求項21】
60℃から95℃の範囲の温度で、化合物が溶解され、沈殿が起きる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
液体を除去する前に、2から24時間熟成することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
熟成が8から18時間である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
熟成が5から10時間である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
固体が、200〜600℃の温度で1〜12時間焼成される請求項1に記載の方法。
【請求項26】
固体が2ステージで焼成され、一つのステージが150〜400℃の温度で1〜5時間、別のステージが460〜600℃の温度で4〜8時間である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
2ステージ焼成が、290〜310℃の温度で2時間の第一ステージ、460〜500℃の温度で6時間の第二ステージである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
固体が、450〜500℃の温度で1〜4時間の1ステージで焼成される請求項1に記載の方法。
【請求項29】
温度が、0.5から20℃/分の速度で、第一ステージから第二ステージに昇温する請求項27に記載の方法。
【請求項30】
温度が、5から10℃/分の速度で昇温する請求項29に記載の方法。
【請求項31】
温度が、常温から焼成温度まで0.5から20℃/分の速度で昇温する請求項28に記載の方法。
【請求項32】
温度が、5から10℃/分の速度で昇温する請求項31に記載の方法。


【公表番号】特表2007−514538(P2007−514538A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545504(P2006−545504)
【出願日】平成16年12月19日(2004.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/042551
【国際公開番号】WO2005/062806
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(502093335)サウジ ベイシック インダストリーズ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】