説明

オレフィン並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体の製造のための統合的方法

FCC反応器、再生器、水蒸気改質装置、空気分離装置、アンモニア製造装置及び尿素製造装置を用いて、オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体化学製品の製造するための統合的方法を記載する。この方法は、関与する全ての流れを最大に利用し、したがってエネルギー効率を高めることの他に、大気中へのCO排出量を最少にすることと、付加価値の低い重質画分(常圧残渣)を軽質オレフィンの製造に利用することを同時に可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の範囲
本発明は、軽質オレフィン、アンモニア及び尿素を製造するための統合的方法の分野に関し、該方法のエネルギー効率の改良及び排出物の発生量減少を意図する。より具体的には、本発明は、好ましくは軽質オレフィン製造のための流動接触分解方法と、アンモニア(NH)及び尿素のような窒素肥料の製造装置の原料として用いられる、水素(H)、窒素(N)及び二酸化炭素(CO)のような中間体を製造するための、水蒸気改質及び空気分離装置(ASU)による水素発生方法との統合に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の基礎
人口増加、穀物の世界備蓄の低下及びバイオ燃料生産の増加を含めた一群の要因は、1996年〜2008年間の平均31%の世界の肥料消費量増加と共に、肥料の需要増大を招来している。
【0003】
この需要の大部分は、窒素肥料に関連している。これらの肥料は、それらの組成中に主要栄養素として窒素を有しており、あらゆる合成窒素化合物の出発物質である無水アンモニア(NH)の製造から派生している。無水アンモニアは、大気からの窒素と、例えば天然ガス及びナフサのような、種々な供給源からの水素との直接反応によって得られるガスである。
【0004】
天然ガスは、アンモニア製造のために必要な水素の生成のための主要な原料物質である。アンモニアの世界生産量の約90%は、その主要な供給源として天然ガスを用いており、このことは、窒素肥料製造の将来の計画を実行可能にするための重要な要因であると思われる。
【0005】
それにも拘わらず、後にアンモニア製造に用いるための水素の生産に天然ガスを用いることは、その入手可能性及びその価格の変動性に関連して問題を有する。
【0006】
このことに加えて、アンモニア製造の原料物質として天然ガスを用いる場合には、アンモニアと二酸化炭素とが、その後の尿素合成のための化学量論量で生成されず、その結果、二酸化炭素(CO)に比べて、過剰なアンモニアが生成されることが知られている。したがって、尿素の製造に消費されるアンモニアの全てに対して、二酸化炭素の追加量を加えることが必要になる。
【0007】
一般には、この量は、合成ガス(例えば天然ガス又はナフサのような炭化水素の水蒸気改質及び/又はオートサーマル改質から得られる、水素、二酸化炭素及び窒素の混合物)の製造に熱を与えるための天然ガスの燃焼によって得られる。
【0008】
天然ガスの燃焼から得られる二酸化炭素を尿素製造装置に用いるためには、一般にアミンの水溶液を用いて該二酸化炭素を回収又は分離又は吸収しなければならない。
【0009】
しかし、これらの回収方法は、処理が困難である、酸化アミンのような廃棄物を多量に生ずるのみでなく、実行及び制御が困難である、多くの独立した化学反応を含むという不利益点を有する。
【0010】
アンモニア及び尿素のそれぞれの製造のための水素及び二酸化炭素の供給源としての天然ガスの使用に関連した問題を克服するために現在用いられている代替策の1つは、例えば石炭、石油コークス(coal,petroleum coke)及びその他の廃棄物のような原料のガス化による水素発生である。この場合に、炭化水素は、空気−分離装置(ASU)において空気から窒素を分離除去した後に得られる、純粋な酸素の存在下でガス化される。
【0011】
アンモニアを製造するためのガス化方法と天然ガスプラントとの統合は、充分なエネルギー効率を与えていない。特に、該方法の要求を満たすために充分な水蒸気発生が存在していない。
【0012】
肥料、より具体的には、アンモニア及び尿素を製造するための統合的方法のエネルギー効率を高め、CO排出量を減ずるために、多くの研究が進行中である。
【0013】
米国特許出願第2007/0245787号は、ポリカーボネートを同時生成し、CO排出量の少ない、化石燃料の部分的酸化に基づく、アンモニア及び窒素肥料の製造方法を開示している。化石燃料は、空気中の酸素及び放電プラズマ中の水蒸気と反応して、ポリカーボネート、水素及び窒素を生成し、これらはその後分離され、精製されて、アンモニアの合成に用いられる。
【0014】
米国特許第2004/28595号は、天然ガスのオートサーマル改質から得られる、窒素と水素との混合物からのアンモニアの製造方法を既に開示している。天然ガスをオートサーマル改質装置に、改質触媒の存在下900〜1200℃の温度及び40〜100barの圧力において、酸素に富む流れと共に供給する。改質装置を出る粗合成ガスを冷却して、シフト反応器に移して、COをHに転化し、このようにして、乾燥状態でH含量の高い合成ガスに転化する。該合成ガスに次に、精製方法を施して、CO、CO及びCHを除去し、N−H混合物を生成して、この混合物をアンモニアの合成に用いる。
【0015】
米国特許第6,586,480号は、液体炭化水素及びアンモニアを製造するための統合的方法を開示している。この場合には、水蒸気と酸素含有混合物とによる天然ガスの改質から得られる合成ガスの流れをフィッシャー−トロプッシュプロセスに通して、液体炭化水素、二酸化炭素、窒素及び水素を生成する。分離後に、窒素と水素の流れをアンモニア製造プロセスに供給する。この場合には、フィッシャー−トロプッシュ反応器においてCOがHの一部と反応して、液体炭化水素を生成するので、慣用的な方法におけるようにCOをHに転化するために、シフト装置を用いる必要がない。
【0016】
米国特許第6,723,876号は、アンモニア及び尿素を製造するための統合的方法を既に記載している。この資料では、合成ガスから製造されるアンモニアが二酸化炭素と反応して、カルバミン酸アンモニウムを生成し、これが分解されて、尿素を生成する。
【0017】
それにも拘わらず、文献には、関与する全ての流れを最大に利用し、それによって達成されるエネルギー効率を高める、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法については記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許出願第2007/0245787号公報
【特許文献2】米国特許第2004/28595号公報
【特許文献3】米国特許第6,586,480号公報
【特許文献4】米国特許第6,723,876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、好ましくは軽質オレフィンより具体的にはエテン及びプロペンを製造するための、流動接触分解装置、水蒸気改質による水素発生装置、及び空気分離装置を合併する方法であって、それにより生成される流れがアンモニア及び尿素の合成方法に用いられる、方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
より具体的には、本発明の範囲は、好ましくは、例えば、非限定的に、エテン及びプロペンのような軽質オレフィンの生成を最大にするような条件下で作動するように調整された流動接触分解装置を包含する統合的方法に関する。この方法では、該装置は、表面にコークスがたまった分解触媒を再生するために、不活性ガス−該不活性ガスは好ましくは、COである−と混合された酸素に富む流れを用い、用いられる酸素は、副生成物として純粋な窒素の流れをも同様に生成する空気分離装置において生成される。この方法では、慣用的な流動接触分解装置による場合とは異なって、触媒の表面に生ずるコークスを焼却するための、不活性ガス−好ましくはCO−と混合された酸素に富む流れの使用が、再生器を出るCOに富む流れを生じる。また、本発明の範囲内で、該統合的方法は水蒸気改質装置をも包含し、該装置は原料として流動接触分解装置に由来する炭化水素の流れを用いる。この流れは好ましくは水素とC〜C範囲の炭化水素(燃料ガス)及び/又はC〜C範囲の炭化水素(液化石油ガス)及び/又は5以上の炭素原子を有し220℃未満の沸点範囲を有する炭化水素(ナフサ)を含む。他方で、改質装置に由来する混合物は、基本的にはCO、CO及びHを含み、シフト反応器に送達され得、触媒の存在下でCOを水蒸気と反応させることによってCOをHに転化する。その結果のCOとHとの混合物は、PSA装置のようなCOとHの分離装置に送達して、純粋なHの流れを得るために適している。また、本発明の範囲内で、該統合的方法は、改質装置及びシフト反応器において生成される純粋なHの流れの使用を含み、該流れは、空気分離装置において生成される純粋なNの流れと共にアンモニア製造装置に送達され、その一方では、製造されるアンモニアは、流動接触分解装置の再生器において生成されるCOに富む流れと共に、尿素を製造するための反応器に送達され得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、FCC触媒の再生段階中に生成されるCOが尿素の合成に利用されるので、二酸化炭素の排出を低減することを可能にする。
【0022】
窒素肥料の合成に用いられる慣用的な水蒸気改質装置−そこでは、天然ガスに由来するメタンを含む原料の部分酸化のために及び窒素の供給源としても、水蒸気の他に空気が用いられる−で起こることとは対照的に、本発明では、水蒸気改質装置のための原料は分子量がより大きい炭化水素(燃料ガス、LPG及び/又はナフサ)を含み、改質は水蒸気によって行われるのみである。改質に水蒸気のみが用いられるので、空気の使用のために設計された大規模な装置を用いることはもはや必要でない。
【0023】
本発明はまた、分解触媒の再生と窒素化肥料の製造との両方のための酸素及び窒素の供給源として、空気の単独供給源を用いることによって、より大きいエネルギー効率を得ることを可能にする。
【0024】
このような状況であるので、本発明は、関与する流れの全てを最大に利用することによって、得られるエネルギー効率を高めることに加えて、大気へのCO排出を低減し、同時に付加価値の低い重質原料を軽質オレフィンの製造に利用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の方法のフローダイヤグラムを簡略形で説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
全体として、本発明は、流動接触分解による軽質オレフィンの製造を、アンモニア及び尿素の合成のための中間体の製造と統合する方法に関する。
【0027】
この方法では、空気分離装置及び水蒸気改質装置と共にFCC反応器及び再生器を備える流動接触分解装置(FCC)が、アンモニア及び尿素、肥料として有用である製品の製造のための中間体、その特別の場合には水素、窒素及び二酸化炭素、を生成する。
【0028】
したがって、本発明による軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法は、次の段階:
(a)250℃超の初期沸点を有する石油精製からの炭化水素の流れを含む原料を、FCC変換器に供給する段階であって、それにより該原料と、アルミナ−好ましくは20〜50質量%−及びゼオライト−好ましくは20〜45質量%−を含有する触媒を接触させる段階であり、該ゼオライトが好ましくはY、USY、RE−Y、RE−USY及び/又はZSM−5(ここでREは0.5〜5質量%の濃度での希土類元素を表す)であり、5〜30%のシリカ及びカオリンをも含有してもよく、500℃〜700℃の範囲の温度及び0.10MPa〜0.45MPaの範囲の圧力で作動する、段階、
(b)該反応器を出る際に、炭化水素の生成物及び失活した触媒を、分離する段階、
(c)該失活した触媒を水蒸気による精留ゾーンに、そこから再生器に、送達する段階であって、該触媒の粒子上にたまったコークスをOと不活性ガスとの混合物によって焼却する段階であり、不活性ガスは好ましくはCOでありOの15〜35質量%の割合−好ましくは20〜30%−であり、Oは空気分離装置に由来する、段階、
(d)該空気分離装置から得られるNの流れをアンモニア製造装置に送達する段階、
(e)該FCC再生器で生成されるCOの流れを回収し、このCO流れは70〜90%、好ましくは75〜85%、の割合で該再生器に再循環され得て、及び該流れの残部を尿素製造装置に送達する、段階、
(f)該FCC反応器で得られる炭化水素の該流れを回収して、それらを炭化水素の沸点に従って他の流れ:水素とC〜Cの範囲の炭化水素(燃料ガス)を含む第1流、C〜Cの範囲の炭化水素(LPG)を含む第2流、及び5以上の炭素原子と220℃未満の沸点を有する炭化水素(ナフサ)を含む第3流、並びに慣用的なFCC方法に従う他の流れ、に分離する段階、
(g)燃料ガスを含む該流れからエテンに相当する画分を及びLPGを含む該流れからプロペンに相当する画分を回収する段階であって、該エテンと該プロペンは最終生成物である、段階、
(h)エテンを含まない燃料ガスの該流れ及びプロペンを含まないLPGの該流れ及び/又は該FCCから得られるナフサの該流れを、水蒸気改質装置を−場合によりCOシフト反応器及び水素分離装置をも−備える水素発生装置に、送達する段階、
(i)該水素発生装置から得られる水素の流れを該アンモニア製造装置に送達する段階、
(j)場合により、該水素発生装置から得られる二酸化炭素の流れを尿素製造装置に送達する段階、
を含む。
【0029】
添付の図1に表されるスキーム図は、FCC反応器、再生器、空気分離装置、水素発生器、アンモニア製造装置及び尿素製造装置を包含する、本発明による方法における流れを例示する。この方法では、250℃超の初期沸点を有する炭化水素を含む常圧残渣(AR)原料(1)は、流動接触分解(FCC)反応器(2)に供給され、該反応器は、アルミナ−好ましくは20〜50重量%−及びゼオライト−好ましくは20〜45重量%−を含有する触媒を用い、該ゼオライトは好ましくはY、USY、RE−Y、RE−USY及び/又はZSM−5(ここでREは、0.5〜5重量%の濃度での希土類元素を表す)であり、該触媒は5〜30%のシリカ及びカオリンをも含有してもよく、好ましくは軽質オレフィンを最大化するような、500℃〜700℃、好ましくは550℃〜650℃、より好ましくは580℃〜620℃の範囲内の温度、及び0.10MPa〜0.45MPaの範囲の圧力、の条件で作動する。
【0030】
分解反応後にFCC反応器を出る際に、失活した触媒(3)は反応生成物から分離される。
【0031】
失活した触媒(3)は次に、酸素燃焼(oxycombustion)による再生段階を通過する。空気分離装置(6)において空気の流れ(18)から分離された純粋な酸素の流れ(5)を用いて、再生器(4)において失活した触媒上にたまったコークスを焼却する。
【0032】
酸素燃焼の使用は、再循環COの流れ(7)の使用と共に、燃焼ガス中のCO濃度を98%まで効果的に高めることを可能にし、その結果、回収をさらに容易にして、このCOに富む流れ(8)が尿素製造装置(9)で用いられることを可能にする。
【0033】
再生した触媒(10)は、この方法における吸熱反応に熱を与えるために充分な高温で、FCC反応器に戻る。
【0034】
FCC方法で回収される炭化水素の流れは:燃料ガス、LPG、軽質オレフィン(C=及びC=)、ナフサ(C〜220℃)、及びその他の炭化水素(>220℃)を含む。これらの流れは、エテン及びプロペンを含む第1流(11)と燃料ガス、LPG及び/又はナフサを包含しうる第2流(12)の回収によって分離される。
【0035】
燃料ガス、LPG及び/又はナフサを含む流れ(12)は、水素発生装置(13)に送達されて、2つの流れ:場合により尿素製造装置に送達される、COの流れ(14)、及びアンモニア製造装置(16)に送達される水素の流れ(15)、を生じる。
【0036】
該アンモニア製造装置(16)はまた、該空気分離装置(6)からの窒素の流れ(17)を原料として受け入れる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
エテン及びプロペンを含む流れ(11)は次に、基本的な石油化学製品の製造のために利用される。アンモニアの流れ(19)と尿素の流れ(20)は、最終生成物として回収するか又は他の肥料製造方法のための原料として用い得る。
【符号の説明】
【0038】
1 常圧残渣(AR)原料
2 流動接触分解(FCC)反応器
3 失活した触媒
4 再生器
5 純粋な酸素の流れ
6 空気分離装置
7 再循環COの流れ
8 COに富む流れ
9 尿素製造装置
10 再生触媒
11 エテンとプロペンを含む第1流
12 燃料ガス、LPG及び/又はナフサを包含しうる第2流
13 水素発生装置
14 COの流れ
15 水素の流れ
16 アンモニア製造装置
17 窒素の流れ
18 空気の流れ
19 アンモニアの流れ
20 尿素の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、次の段階:
(a)軽質炭化水素の流れを得るために、石油精製からの炭化水素の原料をFCC変換器に供給して、該原料を流動床反応器中のアルミナ及びゼオライトを含有する触媒と接触させる段階、
(b)該反応器を出る際に、該軽質炭化水素の生成物及び失活した触媒を、分離する段階、
(c)該失活した触媒を精留ゾーンに、そこから再生器に、送達する段階であって、該触媒の粒子上にたまったコークスをOとOの15〜35質量%の割合の不活性ガスとの混合物によって焼却する段階であり、Oは空気分離装置に由来する、段階、
(d)該空気分離装置から得られるNの流れをアンモニア製造装置に送達する段階、
(e)該再生器で生成されるCOの流れを回収し、70〜90%を該再生器に再循環し、及び該流れの残部を尿素製造装置に送達する段階、
(f)該FCC反応器で得られた軽質炭化水素の該流れを回収して、それを他の流れ:水素とC〜Cの範囲の炭化水素(燃料ガス)を含む第1流、C〜Cの範囲の炭化水素(LPG)を含む第2流、及び220℃未満の沸点を有する炭素原子数5以上の炭化水素(ナフサ)を含む第3流、並びに慣用的なFCC方法に従う他の流れ、に分離する段階、
(g)燃料ガスを含む該流れからエテンに相当する画分を及びLPGを含む該流れからプロペンに相当する画分を回収する段階であって、該エテンと該プロペンは最終生成物である、段階、
(h)エテンを含まない燃料ガスの該流れ及びプロペンを含まないLPGの該流れ及び/又はFCCにおいて得られるナフサの該流れを、水蒸気改質装置を備える水素発生装置に送達する段階であって、それにより水素及び別のCOの流れを得る、段階、
(i)該水素発生装置において得られる水素の該流れをアンモニア製造装置に送達する段階、
(j)該水素発生装置において得られる二酸化炭素の該流れを尿素製造装置に送達する段階、
を含むことを特徴とする、統合的方法。
【請求項2】
請求項1に記載の、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、該流動床反応器が500℃〜700℃の範囲の温度及び0.10MPa〜0.45MPaの範囲の圧力において作動することを特徴とする、統合的方法。
【請求項3】
請求項1に記載の、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、該FCC反応器への該原料が250℃超の初期沸点を有する石油精製からの炭化水素の流れ(AR)を含むことを特徴とする、統合的方法。
【請求項4】
請求項1に記載の、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、石油精製からの炭化水素の該原料と接触する該触媒が、20〜50質量%の濃度のアルミナ及び20〜45質量%の濃度のゼオライトを含み、5〜30質量%のシリカ及びカオリンをも含有してもよいことを特徴とする、統合的方法。
【請求項5】
請求項4に記載の、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、石油精製からの炭化水素の該原料と接触する該触媒中に存在する該ゼオライトが、Y、USY、RE−Y、RE−USY及びZSM−5を含む群から選択されることを特徴とする、統合的方法。
【請求項6】
請求項5に記載の、軽質オレフィン、並びにアンモニア及び尿素の製造のための中間体、の製造のための統合的方法であって、該RE−Y及びRE−USYゼオライトの希土類元素(RE)含量が0.5〜5質量%であることを特徴とする、統合的方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−512182(P2012−512182A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541033(P2011−541033)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/BR2009/000343
【国際公開番号】WO2010/069018
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(591005349)ペトロレオ ブラジレイロ ソシエダ アノニマ − ペトロブラス (25)
【Fターム(参考)】