説明

オレフィン類の気相触媒重合

[要旨] 複数の相互連結した重合区画で行われるオレフィン類の気相触媒重合方法であって、この方法は、反応条件下での触媒の存在下、該重合区画への1以上のモノマーの供給、および該重合区画からのポリマー物質の捕集を含む。この方法において、ポリマー粒子は、流動床が形成されている第1の重合区画内で成長し、少なくとも該ポリマー粒子の一部分は、該第1の重合区画を離れて第2の重合区画へ入り、そこを通ってそれらは下方へ流れ、該第2の重合区画を離れて第3の重合区画へ入り、そこを通って、急速な流動化または移送条件下でそれらは上方へ流れ、該第3の重合区画を離れて第1の重合区画中へ再導入され、このようにして、異なる重合区画の間でのポリマーの循環が確立される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合条件下、触媒の存在下に1以上のモノマーが供給され、生成したポリマーが排出される複数の相互に連結した重合区画中で行われる気相触媒重合、特にα-オレフィン類の重合のための方法に関する。
【0002】
高い活性と選択性を有するオレフィン重合触媒、特にチーグラー-ナッタ型、そして最近ではメタロセン型の開発は、オレフィン類の重合が、固形触媒の存在下、ガス状媒体中で行われる方法の工業的スケールについて広範囲に及ぶ使用をもたらした。
【0003】
気相重合方法に対して広く用いられている技術は流動床技術である。流動床気相方法において、ポリマーは垂直円筒形区域中に閉じ込められる。反応器に存在する反応ガスは、コンプレッサーにより吸い取られ、冷却され、そして構成モノマー類および水素の好適な量と共に、分配弁を通して床の底へ送り返される。ガス中への固体の連行は、反応器の上部の適当な必要な大きさ(空間高さ、すなわち床表面とガス排出点との間の空間;そこで、ガス速度は減少される)により、そしてあるデザインでは排出ガスライン中のサイクロンの介在により制限されている。
【0004】
循環ガスの流速は、最低限の流動化速度より上で、かつ「移送速度」より低い適当な範囲内の速度を確実にするようにセットされる。反応熱は、もっぱら循環ガスを冷却することにより除去される。触媒成分は、重合容器中に連続的に供給することができる。気相の組成は重合体の組成を制御する。反応器は、一定の圧力、通常1〜6 MPaの範囲で操作される。反応動力学は不活性ガスの添加により制御される。
【0005】
α-オレフィン類の重合における流動床反応器技術の信頼性への重要な寄与は、寸法を制御し、予め好適に処理した回転楕円体状触媒の採用、希釈剤としてのプロパンの使用によりなされた(WO 92/21706参照)。しかしながら、流動床技術は顕著な制限を有しており、そのいくつかを以下に詳細に論じる。
【0006】
A) 分子量分布
流動床反応器は、「連続的撹拌タンク反応器」(CSTR)の理想的な挙動に非常に密接に近づいているので、異なるタイプのポリマー鎖の均一な混合物である生成物を得ることが非常に困難である。事実、成長する重合粒子と接触するガス状混合物の組成は、反応器中の粒子の全滞留時間に対して本質的に同一である。結果として、流動床方法の主要な制限の一つは、得られるポリマーの分子量分布を広げることの困難さである。
【0007】
チーグラー-ナッタ型のTi-ベース触媒を用いる単独撹拌段階でのα-オレフィン類の連続重合において(モノマーと連鎖移動剤、通常水素の安定した組成も含む)、比較的狭い分子量分布を有するポリオレフィン類が得られることが一般に知られている。この特徴は、メタロセン触媒が使用される場合にはなおさら際立つ。分子量分布の幅は、ポリマーの流動学的挙動(それ故の溶融物の加工性)および生成物の最終機械的特性の両方に対して影響を有し、エチレンの(コ)ポリマーにとって特に重要な特性である。
【0008】
分子量分布を広げる目的に対し、それぞれにおいて、少なくとも異なる水素濃度での操作が可能となる連続する種々の反応器に基づく方法が、工業的重要性を獲得した。非常に広い分子量分布が必要とされるときにこれらの方法を用いても典型的に出くわす問題は、生成物の不十分な均一性である。特に重要なのは、ブロー成形方法および薄膜の製造における材料の均一性であり、そこでは少量の同質でない材料の存在さえもフィルム中に非溶融粒子の存在をもたらす(「フィッシュアイ」)。特許出願EP-574,821号において、2つの間でポリマーの相互再循環を有する異なった重合条件で操作する2つの反応器のシステムが提案されている。この概念が生成物の均一性の問題の解決に好適である場合でさえ、実験結果に示されているように、そのようなシステムは投資コストと一定の操作の複雑さを伴う。
【0009】
その他の場合において、広い分子量分布のポリマーは、単独反応器中、各触媒が、水素に対して異なる反応を与えるように調製されており、異なるチーグラー-ナッタ触媒の混合物の使用により得られる。それ自体の特性を有する顆粒のそれぞれの混合物が、反応器からの出口において得られることは明らかである。この経路により生成物の均一性を得ることは困難である。
【0010】
B) 反応熱の除去
最大の流動化速度は、全く狭い制限を受けやすい。反応熱、ポリマー寸法およびガス密度に依存して、反応器の生産性(反応器単位断面当たりの時間当たりの生産高として表される)に対する制限が必然的にあり、そこではガス混合物の露点より高いガス入口温度が望ましい。この制限は、特に、従来のチーグラー-ナッタ触媒で行われる、高級オレフィン類のリッチなガス組成を要する、高級なα-オレフィン類(ヘキセン、オクテン)とエチレンとの共重合において、工場生産高の減少を導く。
【0011】
伝統的技術の熱除去に関して、循環ガスの部分凝縮および反応器内部における温度制御をするために凝縮物の蒸発の潜熱の使用に基づき、制限を克服する多くの方法が提案されている(EP-89691、USP 5,352,749およびEP 699 213参照)。この技術は、「凝縮モード(condensing mode)」における操作と称される。「凝縮モード」における操作により、再循環流の冷却能力は、再循環流中に連行される(entrained)凝縮液の気化、および再循環流への参入と反応器との間のより大きな温度勾配の結果の両方により増大する。例えば、EP 699 213に従って、その露点より低い温度における再循環流の冷却後に、少なくとも凝縮液の一部が気相により分離され、流動床中に直接導入される。
【0012】
WO 00/69552およびWO 02/40146の明細書もまた、流動床反応器からの熱の除去改善に取組んでいる。これらの文献によれば、凝縮モードで操作するときには、流動床反応器に供給される液/ガス比の増加することが可能である。特定の流動床反応器がデザインされており、そこでは、反応区画が、ガス分配坂より上の箇所から流動床の上部表面より下に位置する箇所まで伸びている実質的に垂直の1以上の隔壁により2以上の区画に分離されている。好ましくは、該隔壁はパイプまたは中空の区画の形を有しており、それは反応区画と同軸である。WO 00/69552およびWO 02/40146の教唆によれば、流動床中に覆い隠されている該隔壁の存在は、ガスの全量に比例して流動床に供給され得る凝縮液の量を増加する。
【0013】
したがって、そのような流動床反応器は、凝縮モードで操作するとき、反応区画からの熱除去の増加を可能にするが、しかしながら、得られるポリマーの分子量分布を広げる能力の点では、(ポイントAで説明したように)なんら改善が達成されていない。事実、上記の特許による特定の流動床反応器もまた、「連続的撹拌タンク反応器」(CSTR)の理想的な挙動に非常に密接に近づいているが、異なるタイプのポリマー鎖の均一な混合物である生成物を得ることは可能ではない。事実、WO 00/69552およびWO 02/40146に記載されている反応器において、成長するポリマー粒子と接触するガス状混合物の組成は、反応器中の粒子の全滞留時間に対して本質的に同一である。
【0014】
もう一つの重合方法はWO 00/02929に記載されている。少なくとも2つの相互に連結した重合区画で行われ、気相中でのα-オレフィン類の触媒重合のために一つの方法が提供されており、該方法は、反応条件下での触媒の存在下、該重合区画への1以上のモノマーの供給、および連続する重合区画の間ポリマーの循環が確立されるように、該重合区画からのポリマー物質の捕集を含む。この方法は、得られるポリマーの分子量分布を広くするが、一方、同時に高い均一性レベルを維持する。しかしながら、WO 00/02929の方法は、新規なタイプの重合装置の使用を含み、したがって従来の流動床反応器には適用できない:これは上記の特許に教唆の方法を実行するために、従来の流動床反応器には、改装できないことを意味する。
【0015】
したがって、前述に鑑みて、重合方法が高い均一性レベルを維持しながら得られるポリマーの分子量分布を有意に広げることができ、適宜改装されたとき、従来の流動床反応器で容易に実行可能である重合方法の提供が望ましい。
【0016】
本出願人は、驚くべきことに、重合区画の間でのポリマーの循環が確立される多くの相互に連結した重合区画を備える流動床反応器でα-オレフィン類の重合が行われるときに、分子量分布の広域化を得、一方で同時に生成物の最大の均一性を維持するように異なるガス状組成で該重合区画を操作することが可能であることを見出した。
【0017】
したがって、本発明の目的は、複数の相互連結した重合区画で行われるオレフィン類の気相触媒重合方法であって、この方法は、反応条件下、触媒の存在下に該重合区画への1以上のモノマーの供給と該重合区画からのポリマー物質の捕集を含み、この方法において、ポリマー粒子は、流動床が形成されている第1の重合区画内で成長し、少なくとも該ポリマー粒子の一部分は、該第1の重合区画を離れて第2の重合区画へ入り、そこを通ってそれらは下方へ流れ、該第2の重合区画を離れて第3の重合区画へ入り、そこを通って、急速な流動化または移送条件下でそれらは上方へ流れ、該第3の重合区画を離れて第1の重合区画中へ再導入され、このようにして、異なる重合区画の間でのポリマーの循環が確立されるオレフィン類の気相触媒重合方法である。
【0018】
本発明の重合方法は、主に、ポリマー粒子およびモノマーの流動化の異なる条件が確立される、別個の重合区画の存在による多くの利点を有す。これは、上記の相互に連結した重合区画における反応条件を容易に区別化することを可能にするので、得られた生成物の分子量分布と均一性の両方に関して高い適応性に恵まれている重合方法を行わせる。
【0019】
本発明の方法において、第1の重合区画は流動床反応器中に設置でき、反応器にガス状モノマーが、流動床より下に位置する分配板を通して供給される。ポリマー粒子は分配板の上で成長し、流動床を形成し、流動化状態で保持される。これは、流動化ガスの速度が、流動床より高い領域への固体連行および粒子の持ち越しの現象を避けるために、ポリマー粒子の移送速度より十分下で維持されることを意味する。
【0020】
第1の重合区画で成長するいくらかのポリマー粒子は、第2の重合区画へ入る。第2の重合区画の入口は、一般に流動床の上限より下の第1の重合区画の上方区域中に設置されている。この第2の重合区画において成長するポリマー粒子は、重力の作用下に密度を高めた形態で下方へ流れる。ポリマーの嵩密度に近づく固体の密度の高い値(ポリマーにより塞がった反応器m3当たりのポリマーkg)は、該第2の重合区画中で達せられる:このようにして圧力の明確な増加が流れの方向に沿って得ることができる。
【0021】
本発明によれば、第2の重合区画を異なる方法でアレンジできる。例えば、第1の重合区画と同軸である垂直のパイプの内側に設置してもよい。本明細書全体を通して、用語「垂直」は、垂直のパイプおよび流動床反応器の垂直軸に対して僅かな傾斜を有するパイプの両方を意図する。
【0022】
代替として、第2の重合区画は、第1の重合区画の外部を走るパイプの中に設置してもよく、該パイプの入口は、該第1の重合区画の上部区域に直接接続されている。もう一つの態様において、第2の重合区画は、流動床の壁と流動床反応器と同軸で内部に設置された容器との間に形成されている環状のチャンバー内に設置してもよい。
【0023】
第3の重合区画は一般に、第1の重合区画の外部を走り、第2の重合区画の底を第1の重合区画に繋ぐパイプ内に設置される。上記の第3の重合区画において、急速な流動化または移送条件が課せられるので、ポリマー粒子は該第3の重合を通して上方へ流れ、次いで第1の重合区画に再導入される。好ましくは、このポリマー粒子は、第1の重合区画内に形成されている流動床の上限より、上に位置する箇所において第1の重合区画内に再導入される。知られているように、急速な流動化の状態は、流動化ガスの速度が粒子の移送速度より上のときに得られる。用語「移送速度」および「急速な流動化状態」は当業者に周知であり:それらの定義については、例えば「D. Geldart、Gas Fluidization Technology、第155ページ以降、J.Wiley & Sons Ltd., 1986」を参照されたし。
【0024】
急速な流動化条件は、第3の重合区画の入口に配置されているラインを通してガスを供給することにより確立され、このガスはポリマーの流れと同じ方向を有している。したがって、特別な機械的方法の補助なしにポリマー粒子を第3の重合区画に導入することが可能である。上記のガスの流速は、第3の重合区画において、ガスの見かけの速度がガス密度および粒径分布に依存して、一般に0.5〜15 m/sの間に含まれる程である。
【0025】
本発明のもう一つの態様において、第1の重合区画の流動床内で成長するポリマー粒子の一部が流動床の底を第3の重合区画に繋ぐパイプを通して第3の重合区画に直接入ることも意図されている。
【0026】
上記で定義した重合区画を通すポリマー粒子の連続的移動の結果として、ポリマーの「ループ」循環が、連続する重合区画に沿って設定される。このループ循環は、3つの重合区画とシステム内に導入されている損失水頭(head loss)との間の圧力のバランスに帰結する。
【0027】
本発明の方法は、特に、1以上のα-オレフィン類、CH2=CHR (ここで、Rは水素または炭素原子1〜12を有する炭化水素基である)の重合に適している。
本発明の特に有利な態様によれば、第1の重合区画内に存在するガス混合物は、部分的に第2の重合区画に入るのが防止できる。この効果は、第2の重合区画の上部領域に配置されている1以上の導入ラインを通して、第1の重合区画内に存在する混合物と異なる組成のガスおよび/または液体混合物を導入することにより達成できる。
【0028】
同様に、第2の重合区画に存在するガス混合物は、この第2の重合区画の底部または第3の重合区画の入口に配置されている1以上の導入ラインを通して、第2の重合区画内に存在する混合物と異なる組成のガスおよび/または液体混合物を導入することにより、部分的に第3の重合区画に入るのが防止される。
【0029】
上記の態様によれば、異なる作動条件は、分子量調節剤、モノマーおよびコモノマーの濃度に関して各重合区画内で確立され得る。そのように、異なる組成および/または異なる平均分子量を有するポリマー鎖は、本発明の異なる重合区画で得ることができ、このようにして幅広い分子量分布(MWD)および/または異なる組成を有するポリマーの均一のブレンドを有する最終ポリマーの獲得を導く。
【0030】
第2および/または第3の重合区画の入口において供給される異なる組成のガス混合物は、いわゆる「凝縮モード」中で操作するときに通常あるように、液化ガスで構成された液体の連行液滴を含むこともできる。以下の説明において、特定されていないときでも、気相またはガス混合物は連行液体の一部を含むことができる。
【0031】
好ましくは、第2の重合区画の入口における異なる組成のガス混合物の導入は、第2の重合区画の上限において上方へ正味のガス流を確立するほどである。確立された上方へのガスの流れは、第1の重合区画中に存在するガス混合物が、第2の重合区画へ入るのを防ぐ有利な効果を有する。
【0032】
ここで、本発明の範囲を制限することなく説明する目的で与えられている添付している図を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による方法の第1の態様を表した図である。
図2は、本発明による方法の第2の態様を表した図である。
図3は、本発明による方法の第3の態様を表した図である。
図4は、本発明による方法の更なる態様を表した図である。
図5は、図1の態様をさらに説明するために表した図である。
【0033】
図1を参照すると、第1の重合区画(1)は流動床内に設置されている。モノマーは、分配板4を通して供給され、流動ポリマー床1’は分配板4の上に形成されている。ポリマー粒子は、ポリマー粒子の移送速度より十分下の値で流動化ガスの速度を選択することにより流動化状態が維持される。流動床1’の上部で成長するポリマー粒子の一部は、垂直位置、好ましくは流動床と同軸に配置されているパイプ2’に入り、それを通して下方に流れる。
【0034】
この第2の重合区画(2)において、成長するポリマー粒子は、重力の作用下に密度を高めた形態で下方へ流れる。ポリマー粒子が垂直なパイプ2’の底に達したとき、それらは第3の重合区画(3)に入る。この第3の重合区画(3)は、流動床反応器に対して外部に配置されているパイプ3’内に設置され、該パイプ3’は、パイプ2’の底を、流動床1’の上に位置する箇所で流動床反応器と繋いでいる。上記の第3の重合区画(3)において、ポリマー粒子が該重合区画を通して上方へ流れ、次いで第1の重合区画(1)へ再導入されるように、急速な流動化または移送条件が必要とされている。
【0035】
図1の3つの重合区画(1)、(2)および(3)は互いに相互に連結され、材料バランスは反応器へのモノマーおよび触媒の供給ならびに反応器からのポリマーの排出により維持されている。
【0036】
一般に、第3の重合区画(3)における急速な流動化条件は、第2の重合区画(2)の底に配置されているライン9を通すガスおよび/または液体混合物の供給により確立される。前記のガス混合物は、ポリマーの流れの方向と同じに供給され、流動化ガスの再循環ライン6から反応器へ来る。ライン9を通して供給されるガス混合物は、第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へのポリマー粒子の移送も可能にする。
【0037】
ライン9を通して注入されるガス混合物の速度は、第3の重合区画(3)内に存在する操作条件下の移送速度より上でなければならず、そしてガス密度および固体の粒径分布に依存する。
【0038】
3つの重合区画の間のポリマー循環の制御は、第2の重合区画(2)を出るポリマー量の測定により達成され得る。これは固体の流れの制御、例えば機械弁(スライド弁、バタフライ弁、V-ボール弁など)または非機械弁(Lバルブ、Jバルブ、リバースシールなど)のような固体の流れの制御に好適な手段を用いることにより行なわれ得る。
【0039】
第1の重合区画(1)の上に、反応器本体は、一般に反応器の流動床部分の直径と比較して大きな直径である速度減少区域5を含む。速度減少区域5の先端部を出るガス状の反応混合物が、再循環ガス流6であり、主として未反応モノマーから成っている。この再循環ガス流6は、イソペンタンのような凝縮性不活性ガス、ならびに窒素のような非凝縮性不活性ガスを含んでもよい。この再循環ガス流6は、適当な場合には構成モノマーおよび/または分子量調節剤および/または不活性ガスが添加され、流動ポリマー床1’にガス状モノマーを供給するライン10を介して第1の重合区画(1)に、圧縮され、冷却され、移送される。
【0040】
再循環ライン6は、圧縮7および冷却8のための装置ならびにモノマー、分子量調節剤および必要に応じて不活性ガスを供給するためのライン13を備えている。速度減少区域5を出るガス状混合物の一部は、圧縮され冷却された後に、ポリマー粒子を第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へ移送すべく、第3の重合区画(3)における急速な流動化または移送条件を確立するために適当な速度で、ライン9を通して第2の重合区画(2)の底に供給される。
【0041】
反応ガスを冷却するための装置は、当業者の知識に従って、どんな適当な箇所にも設置できる。例えば、ジャケット熱交換器を、その内部の熱プロフィールのより良い制御のために、重合区画の周囲のいずれにも設置できる。
【0042】
一般に、種々の触媒成分が、好ましくは流動床1’の低部に設置されているライン12を通して第1の重合区画(1)に供給される。
【0043】
ポリマーは、第2の重合区画(2)の底に有利に配置されているライン11を通して排出されることができ、そこでは、連行ガスの量を最小限にするために、ポリマー粒子はさらに押し固められた形態で流れる。第2の重合区画(2)からのポリマーの排出区域の上流の適当な箇所に制御バルブを挿入することにより、生産されるポリマーの回収の連続的制御が可能になる。
【0044】
ポリマーが排出できる第2のラインを設けるために、第1の重合区画(1)の低部に排出ライン19を配置することも可能である。
【0045】
都合のよいことには、第1の重合区画に存在するガス混合物が、パイプ2’の内側を流れる密度が高まった固体により占有される体積の上限に近い箇所において、好ましくは配置されている1以上の導入ラインを通す異なる組成のガスおよび/または液体混合物を導入することにより、部分的に第2の重合区画へ入るのが防止される。図1の態様により、この効果は、第2の重合区画(2)の上部領域に好ましくは配置されているライン15を通して第2の重合区画(2)内へ、ガスおよび/または液体を供給することにより行なわれる。 このガスおよび/または液体混合物は、第1の重合区画(1)中に存在するガス混合物のものとは異なる適当な組成を有すべきで、ライン15を通して供給されるべきである。上記のガスおよび/または液体混合物は、第1の重合区画(1)中で反応するガス混合物を部分的または完全に置換する。
【0046】
ライン15を通して供給されるガス混合物の流速は、第2の重合区画(2)中に起源を持つポリマー粒子の流れ、特にそれらの頂点で向流するように制御することができ、このようにして、流動床1’から来るガス混合物に対してバリヤーとして作用する。数個の供給ライン17を、上記の重合区画全体にわたって気相組成をより良く制御するために、異なった高さで、第2の重合区画(2)に配置することも可能である。これらの供給ラインを通して導入されるガスおよび/または液体の組成は、ライン15により導入される流れのものと同一または異なることもできる。これらの付加的な供給ラインもライン15も不活性成分または凝縮したモノマー類の導入に用いられ得る。第2の重合区画(2)におけるそれらの蒸発は、反応熱の除去に寄与し、したがって、確実な方法で温度プロフィールの制御を可能にする。
【0047】
同様に、第2の重合区画(2)に沿って下方へ流れるガス混合物は、部分的に第3の重合区画(3)へ入るのが防止され得る。これは、一般に、第2の重合区画(2)の底部に配置されているライン16を通してガスおよび/または液体混合物を供給することにより達成され得る。ライン16を通して供給される前記のガスおよび/または液体混合物は、第2の重合区画(2)中に存在するガス混合物のものと異なる、適当な組成を有するべきである。このガス供給の流速は、第2の重合区画(2)の終末部分における局所圧力が増加するように調節でき、その結果、第2の重合区画(2)中を下方へ流れるガスの流れを減少し、このようにして、第2の重合区画(2)から来るガス混合物に対するバリヤーとして作用する。その上、ライン16を介する前記のガスの流れの導入は、第2の重合区画(2)の底と第3の重合区画(3)の入口との間のポリマーの流れのより良い制御を可能にする。
【0048】
ライン16の存在も本方法、特に、再循環するポリマーの制御に有利である。ライン16を通して導入されるガスは再循環ライン6から、好ましくは冷却装置8の下流から取得される。重合区画全体にわたって気相組成をより良く制御するために、異なった高さにおいて、第3の重合区画(3)に沿って数個の供給ライン18を配置することも可能である。これらの供給ラインを通して導入されるガスおよび/または液体の組成は、ライン16により導入される流れのものと同一または異なり得る。
【0049】
図1に示した態様から容易に理解できるように、本発明の重合方法は得られるポリオレフィン類の均一性レベルを顕著に改善でき、したがってポリマー特性の範囲を拡大できる。事実、3つの別個の反応環境を通すポリマー粒子の連続的循環により、粒子内の(異なるポリマータイプの)ポリマードメインを最小限にすることにより、生成物の均一性は最大限になる。
【0050】
今回、図2の態様を参照すると、第1の重合区画(1)は流動床反応器内に設置されている。モノマーは、分配板4を通して供給され、流動ポリマー床1’は分配板4の上に形成されている。成長するポリマー粒子は、ポリマー粒子の移送速度より下の満足な値で流動化ガスの速度を選択することにより流動化状態が維持される。第1の重合区画(1)の上方区域で成長するポリマー粒子の一部は、流動床1’を離れ、反応器の壁の穴を通って流動床反応器の外部を走るパイプ2’に入り、それを通って下方へ流れる。該パイプ2’の入口は流動床1’の片側上に配置され、このパイプ2’はその他の形であるけれども、好ましくは循環する横断面、例えば正多角形を有するのも好適である。
【0051】
この第2の重合区画(2)において、成長するポリマー粒子は、重力の作用下に密度を高めた形態で下方へ流れる。パイプ2’の最初の部分は、反応器の壁に関して実質的に傾いており、そこへのポリマー粒子の導入を可能にし、一方パイプ2’の残りの部分は実質的に垂直である。パイプ2’の底において、成長するポリマー粒子は第3の重合区画(3)に導入される。
【0052】
第3の重合区画(3)は、流動床反応器の外部を走るパイプ3’内に設置されており、該パイプ3’はパイプ2’の底を流動床1’の上に位置する箇所で流動床反応器と繋いでいる。上記の第3の重合区画(3)において、ポリマー粒子が該第3の重合区画(3)を通って速く流れ、次いで第1の重合区画(1)へ再導入されるように、急速な流動化または移送条件が必要とされている。
【0053】
一般に、第3の重合区画(3)における急速な流動化条件は、ライン9を通してガスおよび/または液体混合物の供給により確立される。該ガス混合物は、流動化ガスの再循環ライン6から反応器へ来る。ライン9を通して供給されるガス混合物は、第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へのポリマー粒子の移送も可能にする。
【0054】
速度減少区域5の先端部を出るガス状の反応混合物は、再循環ガス流6であり、主として未反応モノマーが含まれているが、凝縮性不活性ガスまたは非凝縮性不活性ガスも含むことができる。この再循環ガス流6は、適当な場合には構成モノマーおよび/または分子量調節剤および/または不活性ガスが添加され、流動ポリマー床1’にガス状モノマーを供給するライン10を介して第1の重合区画(1)に、圧縮され、冷却されて、移送される。再循環ライン6は、圧縮7および冷却8のための装置ならびにモノマー、分子量調節剤および必要に応じて不活性ガスを供給するためのライン13を備えている。
【0055】
速度減少区域5を離れるガス状混合物の一部は、圧縮され冷却された後に、ポリマー粒子を第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へ移送し、第3の重合区画(3)における急速な流動化または移送条件を確立するために適当な速度で、ライン9を通して第2の重合区画(2)の底に供給される。
【0056】
一般に、種々の触媒成分が、好ましくは流動床1’の低部に設置されているライン12を通して第1の重合区画(1)に供給される。ポリマーは、第2の重合区画(2)の底に有利に配置されているライン11を通して排出されることができ、そこでは、連行ガスの量を最小限にするために、ポリマー粒子はさらに押し固められた形態で流れる。ポリマーが排出され得る第2のラインを有するために、第1の重合区画(1)の低部に排出ライン19を配置することも可能である。
【0057】
都合のよいことには、第1の重合区画に存在するガス混合物が、第2の重合区画(2)の上限に近い箇所において、好ましくは配置されている1以上の導入ラインを通す異なる組成のガスおよび/または液体混合物の導入により、部分的に第2の重合区画へ入るのが防止される。図2の態様により、この効果は、第2の重合区画(2)の上部領域に好ましくは配置されているライン15を通して第2の重合区画(2)内へ、ガスおよび/または液体混合物を供給することにより行なわれる。
【0058】
このライン15を通して供給されるガスおよび/または液体混合物は、第1の重合区画(1)中に存在するガス混合物のものとは異なる適当な組成を有すべきである。ライン15の流速は、第2の重合区画(2)中に起源を持つポリマー粒子の流れ、特にそれらの頂点で向流するように制御することができ、このようにして、流動床1’から来るガス混合物に対してバリヤーとして作用する。
【0059】
数個の供給ライン17を、上記の重合区画全体にわたって気相組成をより良く制御するために、異なった高さで、第2の重合区画(2)に沿って配置することも可能である。これらの供給ラインを通して導入されるガスおよび/または液体の組成は、ライン15により導入される流れのものと同一または異なることもできる。これらの付加的な供給ラインもライン15も凝縮したモノマー類または不活性成分の導入に用いられ得る。第2の重合区画(2)におけるそれらの蒸発は、反応熱の除去に寄与し、したがって、確実な方法で温度プロフィールの制御を可能にする。
【0060】
同様に、第2の重合区画(2)に沿って下方へ流れるガス混合物は、部分的に第3の重合区画(3)へ入るのが防止され得る。これは、好ましくは第2の重合区画(2)の底部に配置されているライン16を通すガスおよび/または液体混合物を供給することにより達成され得る。ライン16を通して供給される前記のガスおよび/または液体混合物は、第2の重合区画(2)中に存在するガス混合物のものと異なる適当な組成を有するべきである。
【0061】
このガス供給の流速は、第2の重合区画(2)の終末部分における局所圧力が増加するように調節でき、その結果、第2の重合区画(2)中を下方へ流れるガスの流れを減少し、このようにして、第2の重合区画(2)から来るガス混合物に対するバリヤーとして作用する。その上、ライン16を介する前記のガスの流れの導入は、第2の重合区画(2)の底と第3の重合区画(3)の入口との間のポリマーの流れのより良い制御を可能にする。ライン16を通して導入されるガスは再循環ライン6から、好ましくは冷却装置8の下流から取得される。
【0062】
今回、図3の態様を参照すると、第1の重合区画(1)は流動床反応器内に設置されている。モノマーは、分配板4を通して供給され、流動ポリマー床1’は分配板4の上に形成されている。成長するポリマー粒子は、ポリマー粒子の移送速度より下の満足な値で流動化ガスの速度を選択することにより流動化状態が維持される。流動床1’の上方区域で成長するポリマー粒子の一部は、第1の重合区画(1)の内側に、好ましくは流動床反応器と同軸に配置されている容器2’との間に形成されている環状のチャンバーに入る。
【0063】
この態様によれば、上記の環状のチャンバーは第2の重合区画を表し、重力の作用下に密度を高めた形態で下方へ流れる。そのポリマー粒子が上記の環状のチャンバーの底に達したとき、それらは第3の重合区画(3)に入る。この重合区画は、流動床反応器の外部に配置されているパイプ3’の中に設置され、該パイプ3’は、環状のチャンバーの底を流動床1’の上に位置する箇所で流動床反応器と繋いでいる。上記の重合区画(3)において、ポリマー粒子が該第3の重合区画(3)を通って速く流れ、次いで第1の重合区画(1)へ再導入されるように、急速な流動化または移送条件が確立されている。
【0064】
一般に、第3の重合区画(3)における急速な流動化条件は、ライン9を通すガスおよび/または液体混合物の供給により確立される。該ガス混合物は、流動化ガスの再循環ライン6から反応器へ来る。ライン9を通して供給されるガス混合物は、第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へのポリマー粒子の移送も可能にする。
【0065】
速度減少区域5の先端部を出るガス状の反応混合物は、再循環ガス流6であり、主として未反応モノマーが含まれているが、凝縮性不活性ガスも非凝縮性不活性ガスも含むことができる。この再循環ガス流6は、適当な場合には構成モノマーおよび/または分子量調節剤および/または不活性ガスが添加され、流動ポリマー床1’にガス状モノマーを供給するライン10を介して第1の重合区画(1)に、圧縮され、冷却されて、移送される。再循環ライン6は、圧縮7および冷却8のための装置ならびにモノマー、分子量調節剤および必要に応じて不活性ガスを供給するためのライン13を備えている。速度減少区域5を離れるガス状混合物の一部は、圧縮され冷却された後に、ポリマー粒子を第2の重合区画(2)から第3の重合区画(3)へ移送し、第3の重合区画(3)における急速な流動化または移送条件を確立するために適当な速度で、ライン9を通して第2の重合区画(2)の底に供給される。
【0066】
図3の態様によれば、好ましくは種々の触媒成分は、好ましくはパイプ3’の低部に配置されているライン12を通して、第3の重合区画に供給される。
ポリマーは、第2の重合区画(2)の環状のチャンバーの底に有利に配置されている1以上のライン11を通して排出されることができ、そこでは、連行ガスの量を最小限にするために、ポリマー粒子はさらに押し固められた形態で流れる。
【0067】
都合のよいことには、第1の重合区画に存在するガス混合物が、環状のチャンバーのより上方の部分において好ましくは配置されている、1以上の導入ラインを通して異なる組成のガスおよび/または液体混合物の導入により、部分的に第2の重合区画へ入るのが防止される。図3の態様によれば、この効果は、環状のチャンバーの周囲に沿った1以上の供給箇所を備えたライン15を通して環状のチャンバー内へ、ガスおよび/または液体混合物を供給することにより行なわれる。このライン15を通して供給されるガスおよび/または液体混合物は、流動床1’中に存在するガス混合物のものとは異なる適当な組成を有すべきである。
【0068】
ライン15の流速は、第2の重合区画(2)中に起源を持つポリマー粒子の流れ、特にそれらの頂点で向流するように制御することができ、このようにして、流動床1’から来るガス混合物に対してバリヤーとして作用する。第2の重合区画全体にわたって気相組成をより良く制御するために、数個のライン17を、異なった高さで環状のチャンバー内へ配置することも可能である。
【0069】
同様に、第2の重合区画(2)に沿って下方へ流れるガス混合物は、部分的に第3の重合区画(3)へ入るのが防止され得る。これは、好ましくは環状のチャンバーの底部に好ましく配置されているライン16を通してガスおよび/または液体混合物を供給することにより達成され得る。ライン16を通して供給される前記のガスおよび/または液体混合物は、環状のチャンバー中に存在するガス混合物のものと異なる適当な組成を有するべきである。ライン16の存在は、本方法の制御、特に再循環するポリマーの流れの制御に対しても有利である。ライン16を通して導入されるガスは再循環ライン6から、好ましくは冷却装置8の下流から取得される。
【0070】
図4の態様を参照すると、図1のスキームは、流動床1’の基部をパイプ3’と直接繋ぐ連結パイプ20の追加により、僅かに変更されている。この方法で、第1の重合区画(1)内で成長するポリマー粒子のいくつかは、第2の重合区画(2)を迂回して第3の重合区画(3)に直接入る。パイプ20の存在は、流動床1’のより低い区域の固体混合および循環を改善する。その上、上記のパイプ20の存在は、異なる重合区画の間の熱交換に好都合であり、本発明の方法により得られるポリマー生成物の均一性を増加させる。
【0071】
図5を参照すると、図1の態様に適用した工程スキームが示されている。この工程スキームは、バリヤー流(barrier stream)として(ライン15を通して)供給される成分および第2の重合区画(2)に入るのを妨がなければならないものの、揮発度はかなり異なる、より正確には、後者が最も揮発性であるときに、有利に採用される。このスキームは、本発明の重合方法が幅広い分子量を有し、水素が分子量調節剤として用いられるポリオレフィン類の製造に用いられるときに、特に好適である。
【0072】
ライン6の水素含有再循環流がコンプレッサー7により圧縮された後、その一部はライン18を通してコンデンサー25に送られ、モノマーと任意の不活性炭化水素成分が凝縮する温度まで冷却される。液体中の水素の溶解度は、図5に示すように、得られる液体が第2の重合区画(2)の上部領域へライン15を通して供給されるのに適しているほど、十分に低い。分離容器22はまた、コンデンサー25の下流に好適に存在する。
【0073】
水素に富み、分離されたガス状混合物は、ライン20を通して再循環ライン6に有利に再循環される。このスキームが採用されるとき、第2の重合区画(2)に存在しなければならない構成成分は、ライン15内にどんな適当な箇所にでも直接供給できる。液体状態にある成分にとって導入の適当な箇所は、ライン21を通す容器22の直接中部である。液体のバリヤーは、都合よい高さで容器22が位置する重力によるか、またはポンプ23のようないずれかの適当な方法により第2の重合区画内へ供給できる。
【0074】
図5に記載の工程スキームの好ましい態様によれば、第2の重合区画(2)の上部領域であるようなバリヤー流の導入は、第2の重合区画(2)に沿って下方へ流れるガス流から揮発性成分、例えばH2を更に除去するための回収カラム(stripping column)として作用する。このバリヤー流は、液体状態でライン15を通して供給される。回収工程に必要な熱は、重合の熱を発生する流動床1’から来るポリマー粒子により連続的に供給される。ポリマー粒子の温度がライン15を通して供給される液体の沸点より上でなければならないのは明白である。これを達成する方法は、第1の重合区画(1)の中で十分高い温度で操作することである。
【0075】
第2の重合の入口の区画を通る個体の流れと、ライン15を通して供給する液体の量とを注意深くバランスをとることにより、バリヤー流の部分的蒸発が、ライン6へ送られる速度減少区域15の方へのガスの上方への流れを増加させる。下方へ流れる液体の水素含有量は、より低い区画へ下がるのと同様に、通常の充填床(packed-bed )蒸留カラムで起こるのと同様に減少する。十分に水素が無くなった液体混合物は、第2の重合区画(2)に沿って固体粒子一緒に流れて、徐々に蒸発する。ライン15の上を覆うヒーター24は、第2の重合区画(2)内へ供給される液体の部分的蒸発を誘発することも予知できるので、H2に富んだガスにはH2の除去の促進および継続的分画が既に生じている。ライン15上のヒーター、コンデンサーおよび分画装置のどんな適当な組み合せも、明らかに本発明の意図の範囲内になる。
【0076】
図5に記載の態様は、幅広いMWDポリマーの製造以外の方法にも適している。それは、例えばプロピレンホモポリマーおよびプロピレンとエチレンとのランダムコポリマーのブレンドの製造に用いることができる。この場合、同じスキームが揮発性成分であるエチレンに適用されるので、プロピレンホモポリマーが第2の重合区画(2)で製造される。このスキームは、より重い成分が第2の重合区画中に、より高い濃度で存在しなければならないとき;例えば、プロピレンホモポリマーまたは低い1-ブテン含有量を有するコポリマーが第1の重合区画(1)で調製されなければならず、一方、高い1-ブテン含有量を有するプロピレンコポリマーが第2の重合区画(2)で調製されなければならないときにも適用される。特に、第2の重合区画(2)の上部領域は、第2の重合区画(2)に対して下方へ流れる液体混合物にとって、1-ブテンに富んだ区域として用いられ得る。
【0077】
この態様の適用のもう一つの例は、操作圧力で圧縮されバリヤー流体として利用され、水素が第2の重合区画(2)にはいることを妨げ得るプロパンのような、低い揮発性の不活性物質の存在下に、エチレンが(共)重合されるときである。この場合において、エチレンは、異なる位置で第2の重合区画(2)の中へ直接再導入され得る。
【0078】
図1、2、3および4に関して、2以上のパイプ3’が、第2の重合区画(2)の底を第1の重合区画の高い区域と繋ぐことができる。同様に、図2の態様は2以上のパイプ2’を含むことができ、特に第2の重合区画(2)の反応条件はより多くの回数繰り返される。
【0079】
触媒の特定の物理的状態が重要ではないので、どんなタイプの好適な触媒を本発明の重合方法に用いることができ、固体か、または液体の形態にある触媒を用いることができる。例えば、チタニウム、クロミウム、バナジウムまたはジルコニウムに基づくオレフィン類の重合用触媒を、担持または非担持形態で用いることができる。使用できる触媒の例は、特許USP 4,748,272、USP 4,302,566、 USP 4,472,520およびUSP 4,218,339に記載されている。
【0080】
特に好適な触媒は、制御された形態であり、特許USP 4,399,054、USP 5,139,985、EP395,083、EP553,805、EP-553,806およびEP-601,525に記載されており、0.2〜5 mmの間、好ましくは0.5〜3 mmの間の平均寸法を有する回転楕円体の形態にあるポリマー粒子を与えることができる一般的な触媒である。本発明の方法は、特に溶液かまたは担持されているメタロセン触媒の使用に適当である。
【0081】
種々の触媒成分が、重合区画の同じ箇所または異なる箇所において導入され得る。触媒は、前処理せずに、または予備重合した形態で供給され得る。もしその他の重合段階が上流に位置するのであれば、重合区画に、上流のバルク反応器から来るポリマー懸濁液に分散した触媒か、または上流の気相反応器から来る乾燥ポリマーに分散した触媒を供給することも可能である。
【0082】
反応区画のポリマー濃度は、最先端技術で公知の通常の方法により、例えば重合区画の軸に沿った2つの異なる適当な箇所の間の差圧を測定するか、または核検出器(例えばγ線)による密度測定によりモニターできる。
【0083】
例えば、温度および圧力のような操作パラメーターは、気相触媒重合方法における通常のものである。例えば、オレフィン類の重合のための気相方法における温度は、一般に50℃〜120℃の間の温度を含む。
【0084】
有利に、1以上の不活性ガスが、不活性ガスの分圧の和が、好ましくはガスの全圧力の5〜80%の間であるような量で、重合区画中に保持される。不活性ガスは、窒素か、または炭素原子2〜6を有する脂肪族炭化水素、好ましくはプロパンである。不活性ガスの存在は多数の利点を有する。それは反応動力学を和らげることができる一方、同時に循環コンプレッサーの上端を低く保つのに十分な全反応圧力を維持する。これは、循環するガス状混合物上のクーラーを通して、床中の粒子に対しての熱交換のため、表面により除去されていない反応熱の除去のために十分な質量流量を確実にする。不活性ガスの存在のもう一つの利点は、本質的に断熱モードで進行する第2の重合区画(2)中の温度増加を制限を可能にすることである。
【0085】
本発明の方法は、多数のオレフィンポリマー類の製造のために有利に用いられ得る。得ることができるポリマーの例は:
− エチレンホモポリマーおよび炭素原子3〜12を有するα-オレフィン類とのエチレンコポリマーを含む高密度ポリエチレン類(0.940より高い相対密度を有するHDPEs);
− 炭素原子3〜12を有する1以上のα-オレフィン類とのエチレンコポリマーからなる低密度(0.940より低い相対密度を有するLLDPEs)および極低密度および超極低密度(0.920より低く0.880に至るまでの相対密度を有するVLDPEsおよびULDPEs)の直鎖状ポリエチレン類;
【0086】
− エチレンおよびプロピレンとマイナーな割合のジエンとの弾性ターポリマー、または約30〜70重量%の間のエチレンから導かれたユニット含有率を有するエチレンおよびプロピレンの弾性コポリマー;
− アイソタクチックポリプロピレンおよび85重量%より高いプロピレンから導かれたユニット含有率を有するプロピレンおよびエチレンおよび/またはその他のα-オレフィン類の結晶性コポリマー;
− プロピレンと30重量%までのα-オレフィン含有率を有する1-ブテンのようなα-オレフィン類とのアイソタクチックコポリマー;
【0087】
− プロピレンおよびエチレンが30重量%に至るまで含むプロピレンとエチレンの混合物の逐次重合により得られる耐衝撃性プロピレンポリマー類;
− アタクチックポリプロピレンならびにプロピレンから導かれたユニットを70重量%より多く含むプロピレンおよびエチレンおよび/またはその他のα-オレフィン類のアモルファスコポリマー;
− ポリブタジエンおよびその他のポリジエンゴム;
である。
【0088】
本発明の特に興味深い使用は、異なる組成を有するポリマーのブレンドを作った反応器内の製造のためである。事実、第2の重合区画(2)に導入されるガス混合物が、第1および/または第3の重合区画に存在するガス混合物に関して異なるモノマーの濃度および/またはタイプを含むとき、生成物は異なる組成を有するポリマー鎖の均質ブレンドである。この態様の適用の例は、本発明による重合区画内での同一コモノマーの異なる濃度を有するコポリマーのブレンドの調製である。混合物が無い上記のコモノマーを第2の重合区画(2)内へ供給することにより、そこでのコモノマーの濃度は、第1の重合区画内のものより低くなる。同様に、コモノマーの濃度は、第2および第3の重合区画の間で異なるようにできる。したがって、3つの異なるコポリマーのブレンドが得られる。
【0089】
図1に記載のオレフィン類の気相重合用装置は、本発明のもう一つの目的であり、該装置は:
反応チャンバー1’を有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板4および上記の反応チャンバーの上に配置されている速度減少区域5、上記の反応チャンバー1’の内部を走る垂直のパイプ2’、流動床反応器の底から突出する該パイプ2’の先頭の端、反応チャンバーの上部領域まで伸びる該パイプ2’のもう一つの端、
流動床反応器の外部を走り、パイプ2’底を、上記の反応チャンバーの上部で、かつ上記の速度減少区域5より下の箇所で流動床反応器と繋ぐ1以上のパイプ3’、
を含む。
【0090】
反応チャンバーは触媒供給ライン12を備え、一方垂直のパイプ2’は、その最上部でガスまたは液体の供給用ライン15を備える。この垂直のパイプ2’はまた、その底部でポリマー排出ライン11およびへの流動化ガスの再循環ラインから来るガス混合物導入するためのライン9も備えている。ライン9を通して供給されるガス混合物は、パイプ3’内部への急速な流動化条件を確立することを可能にする。
【0091】
図2に記載のオレフィン類の気相重合用装置は、本発明のさらなる目的であり、該装置は:
反応チャンバー1’を有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板4および上記の反応チャンバー上に配置されている速度減少区域5、
流動床反応器の外部を走り、反応チャンバーの上部領域の開口部から下方へ伸びる1以上のパイプ2’、
上記のパイプ2’の底を、上記の反応チャンバーの上部で、かつ上記の速度減少区域5より下の箇所で流動床反応器と繋ぐ1以上のパイプ3’、
を含む。
【0092】
パイプ2’および3’は、好ましくは円形の横断面を有し、流動床反応器の外部で周囲にループを形成し、パイプ2’の入口部分は流動床反応器の壁に関して好ましくは僅かに傾いている。その上、上記のループはがすまたは液体混合物供給用のラインを備えることができる。
【0093】
図3に記載のオレフィン類の気相重合用装置は、本発明のよりさらなる目的であり、該装置は:
反応チャンバー1’を有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板4および該反応チャンバー上に配置されている速度減少区域5、
【0094】
流動床反応器の内部に配置され、それと同軸で、そしてその壁と流動床反応器のものとの間に環状のチャンバーを形成するためにその形を複製している容器2’(そこで、この容器2’の上端は、上記の反応チャンバーの上部領域の上の箇所に至るまで伸びており、一方、下端は上記の速度減少区域の下に位置する箇所に至るまで伸びている)、
反応チャンバーの上部の箇所で、かつ速度減少区域より下の箇所に至るまで伸びている上記の容器、
上記の環状のチャンバーを、上記の反応チャンバーの上の部分でかつ上記の速度減少区域5より下の箇所で流動床反応と繋ぐパイプ3’であって、流動床反応器の外部を走る1以上のパイプ3’、
を含む。
【0095】
環状のチャンバーは、その上端部分にガスまたは液体供給用の1以上のライン15を備え、その底部にポリマー排出ライン11を備えることができる。
その上、この環状のチャンバーは、それの底部において再循環ライン6から来るガスおよび/または液体混合物の導入用の1以上のラインを備える。例えば、ライン9を通して供給されるガス混合物は、パイプ3’内への急速な流動化条件を確立することが可能である。
【0096】
従来の、そして現在用いられている流動床反応器のいずれもが、ここに記載されている重合方法の結果を達成するために、図1〜5に示している態様に従って、容易に後付けされ得ることを特筆しなければならない。
【0097】
本発明によるオレフィン類の気相重合用の装置は、従来の流動床で得ることができるものより、より高い明確な生産性を与えることも述べなければならない。
【0098】
その上、本発明の態様は、いわゆる「凝縮モード」で操作するのに好適であるので、熱除去のさらなる増加は、再循環ガス流を気-液混合物の2相を生成する露点より低い温度に冷却することにより成し遂げられる。この技術によれば、再循環流の冷却能力は、再循環流に連行される凝縮した液体の蒸発と、入り込む再循環流および反応器の間に存在する温度勾配の増加の両方により増加される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の相互連結した重合区画で行われるオレフィン類の気相触媒重合方法であって、この方法は、反応条件下、触媒の存在下に該重合区画への1以上のモノマーの供給および該重合区画からのポリマー物質の捕集を含み、この方法において、ポリマー粒子は、流動床が形成されている第1の重合区画内で成長し、少なくとも該ポリマー粒子の一部分は、該第1の重合区画を離れて第2の重合区画へ入り、そこを通ってそれらは下方へ流れ、該第2の重合区画を離れて第3の重合区画へ入り、そこを通って、急速な流動化または移送条件下でそれらは上方へ流れ、該第3の重合区画を離れて第1の重合区画中へ再導入され、このようにして、異なる重合区画の間でのポリマーの循環が確立されるオレフィン類の気相触媒重合方法。
【請求項2】
前記の第2の重合区画の入口が、前記の流動床の上限より下の第1の重合区画の上部領域に配置されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の第2の重合区画において、ポリマー粒子が重力の作用下に、密度を高めた形態で下方へ流れる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記の第2の重合区画が、前記の第1の重合区画と同軸である垂直のパイプの内部に設置されている請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記の第2の重合区画が、第1の重合区画の外部を走るパイプの中に設置されており、前記のパイプの入口が前記の第1の重合区画の上部領域に直接繋げられている請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記の第2の重合区画が、流動床反応器の壁と、前記の流動床反応器と同軸でかつ内部に配置されている容器との間に形成されている環状のチャンバーの中に設置されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
第3の重合区画が前記の第1の重合区画の外部を走るパイプの中に設置されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記の第3の重合区画を離れるポリマー粒子が、前記の流動床の上限の上に位置する箇所で前記の第1の重合区画の中に再導入される請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
第1の流動化条件が、前記の第3の重合区画の入口に配置されているラインを通してガスを供給することにより、前記の第3の重合区画中で確立される請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記の第3の重合区画において、見かけのガス速度が0.5〜15 m/sの間に含まれる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記の流動床内で成長するポリマー粒子の一部が、前記の流動床の低部を前記の第3の重合区画に繋ぐパイプを通して第3の重合区画に直接入る請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
1以上のα-オレフィン類、CH2=CHR (ここで、Rは水素または炭素原子1〜12を有する炭化水素基である)が重合される請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
前記の第1の重合区画中に存在するガス混合物が、前記の第2の重合区画の上部に配置されている1以上の導入ラインを通して、第1の重合区画内に存在する混合物と異なる組成のガスおよび/または液体混合物を導入することにより、部分的に前記の第2の重合区画に入るのが防止される請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
異なる組成の前記のガスおよび/または液体混合物の導入が、第2の重合区画の上限において上方へ流れる正味のガス流を確立する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記の第2の重合区画の上部領域が、前記の第2の重合区画に沿って下方へ流れるガス流から揮発性成分を更に除去するための回収カラムとして作用する請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
液体混合物が、前記の重合区画の上部領域に導入される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記の液体混合物の水素含有率が、前記の第2の重合区画の低部に行くにつれ減少する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第2の重合区画に存在するガス混合物が、前記の第2の重合区画の底および/または前記の第3の重合区画の入口において配置されている1以上の導入ラインを通して、第2の重合区画に存在する混合物と異なる組成のガスおよび/または液体混合物を導入することにより、部分的に第3の重合区画に入るのが防止される請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
− 反応チャンバーを有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板および該反応チャンバーの上に配置されている速度減少区域、
− 前記の反応チャンバーの内部を走る垂直のパイプ、流動床反応器の底から突出する該垂直のパイプの先頭の端および反応チャンバーの上部領域まで伸びる該パイプのもう一つの端、
− 前記の反応チャンバーの外部を走り、そして前記の垂直のパイプの底を、前記の反応チャンバーの上部領域の位置でかつ前記の速度減少区域より下の箇所で流動床反応器と繋ぐ1以上のパイプ、
を含むオレフィン類の気相重合用装置。
【請求項20】
前記の垂直のパイプが、その上端の部分においてガスまたは液体供給用ラインを備える請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記の垂直なパイプが、その底の部分においてポリマー排出ラインおよび再循環ラインから来るガス混合物の導入用ラインを備えている請求項19に記載の装置。
【請求項22】
− 反応チャンバーを有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板および該反応チャンバーの上に配置されている速度減少区域、
− 流動床反応器の外部を走り、かつ反応チャンバーの上部領域の開口部から下方へ伸びる1以上のパイプ、
− 前記の下方へ伸びるパイプの底を、前記の反応チャンバーの上部領域で、かつ前記の速度減少区域より下の箇所で流動床反応器と繋ぐ1以上のパイプ、
を含むオレフィン類の気相重合用装置。
【請求項23】
前記の1以上のパイプが、流動床反応器の外部で周囲にループを形成している請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記のループの入口部分が、ガスまたは液体混合物の供給用ラインを備えている請求項23に記載の装置。
【請求項25】
− 反応チャンバーを有する流動床反応器、該反応チャンバーの下に配置されている分配板、該反応チャンバー上に配置されている速度減少区域、流動床反応器の内部に配置され、それと同軸で、そしてその壁と流動床反応器のものとの間に環状のチャンバーを形成するためにその形を複製している容器(そこでは、該容器の上端は前記の反応チャンバーの上の部分の箇所に至るまで伸びており、一方、下端は前記の速度減少区域の下に位置する箇所に至るまで伸びている)、
− 前記の環状のチャンバーを、前記の反応チャンバーの上部でかつ前記の速度減少区域より下の箇所で流動床反応に繋ぐパイプであって、流動床反応器の外部を走る1以上のパイプ、
を含むオレフィン類の気相重合用装置。
【請求項26】
環状のチャンバーが、その先端部分において、ガスおよび/または液体混合物の供給用の1以上のラインを備えている請求項25に記載の装置。
【請求項27】
環状のチャンバーが、その底の部分において、再循環ラインから来るガスおよび/または液体混合物の導入用の1以上のラインを備えている請求項25に記載の装置。

【公表番号】特表2006−502263(P2006−502263A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542372(P2004−542372)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010717
【国際公開番号】WO2004/033505
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(501468046)バセル ポリオレフィン イタリア エス.アール.エス. (33)
【住所又は居所原語表記】Via Pergolesi 25,20124 Milano,Italy
【Fターム(参考)】