説明

オンデマンド型リンク作成システム

【構成】オンデマンド型リンク作成システム10はクライアント12とサーバ14を含む。クライアント12に表示されたウェブページでユーザによって文字列が選択されると、たとえば、サーバ14から当該文字列に関連するウェブページのリストが提供される。関連ウェブページが選択されると、選択文字列に後付リンクが設定されるとともに、当該文字列の情報が後付リンクデータベース18に登録される。その後、このウェブページがクライアント12で読み込まれると、後付リンクの情報がサーバ14から提供され、当該ウェブページの文字列に後付リンクが設定される。クライアント12で後付リンクが選択されると、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページへのリンクのリストがサーバ14から提供される。
【効果】ウェブページの文字列に特殊なリンクを作成でき、他のユーザの観点を利用した新たな情報探索を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はオンデマンド型リンク作成システムに関し、特にたとえば、閲覧者の選択に応じてウェブページの文字列に特別なリンクを設定する、オンデマンド型リンク作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のウェブブラウジングでは、ウェブページのHTML(Hypertext Markup Language)ファイルを作成した著者の設定したリンク(リンクアンカ、ハイパーリンクまたはウェブリンクとも呼ばれる。)がクリックされることによって、リンク先のウェブリソースが取得される。HTMLの仕様はW3C(World Wide Web Consortium)によって規格化されており、リンクに関しては非特許文献1に記載されている。
【0003】
また、ウェブ上の膨大なデータから必要な情報を探し出すために、典型的には検索エンジンがよく利用される。検索エンジンでは、ユーザの検索クエリーに従って言語処理等によって自動的に情報の濾過が行われる。
【0004】
一方、近年、画像やブックマークに対して人間の自由記述によるメタデータ(タグと呼ばれる。)を2次情報として付与することによって、既存の検索エンジンでは困難な対象を直感的な語彙で検索可能とするサービスが提供されている。このようなサービスは、多くの人手で膨大な情報の分類を行うという意味からフォークソノミ(Folksonomy)と総称されている。フォークソノミのサービスのうちウェブページのURL(Uniform Resource Locator)をタグ付きで共有するサービスが有名であり、ブックマークを対象とした「del.icio.us」(http://del.icio.us/)や画像を対象とした「Flickr」(http://www.flickr.com/)などがよく知られている。これらは、タグを検索したり、共通のタグが付与されているURLを辿ったりすることによって、既存の検索エンジンでは困難であった抽象的な語による情報収集、ネットサーフィンやザッピングを行うことを目指したものである。たとえば、「del.icio.us」における2006年4月時点の「popular tags」上位五個は、「software」,「blog」,「music」,「news」,「design」と非常に抽象的である。これらのキーワードは対象リソースにも含まれている可能性が高いものの、既存の検索エンジンでは文章の一部にでも検索キーワードが含まれていれば検索結果とされるため有効な検索キーワードとは言えない。このように、抽象的なキーワードによる検索の場合、フォークソノミにおいて自分や他人がウェブ文章の特徴として明示するタグを検索する方が精度が高いと考えられる。
【非特許文献1】HTML 4.01 Specification, Links in HTML documents, <http://www.w3.org/TR/1999/REC-html401-19991224/struct/links.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェブページにおいては、その著者のみがリンクを設定することができるので、当該ウェブページからは当該著者の観点に基づいたリンク先にしかジャンプすることができない。また、ウェブページの著者がすべての閲覧者の望みを満足させるようにリンクを予め設定しておくことは極めて困難である。
【0006】
一方、一般的にメタデータに関しては、その付与に関するコストの大きさが問題視される。特にフォークソノミでは、タグをキーボードで手入力する必要があるため利用者に大変な手間を強いることになる。また、手入力のため、そのウェブページの内容とはまったく関係のないタグが存在したり、同一ウェブページに付与されたタグの中に同じ意味なのに表記の異なる同義語が存在したりするといった問題が生じ得るので、的確な情報検索が行われない恐れがある。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、オンデマンド型リンク作成システム、サーバ、クライアントおよびプログラムを提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、ユーザによってウェブページに新たな特別なリンクを設定することができる、オンデマンド型リンク作成システム、サーバ、クライアントおよびプログラムを提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、他のユーザの観点を手懸りとして的確な情報探索を行える、オンデマンド型リンク作成システム、サーバ、クライアントおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明(請求項1の発明)は、ネットワークを介して通信するクライアントとサーバとを含み、クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムであって、クライアントは、後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、選択された文字列の登録要求をサーバに送信する登録要求手段、ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求をサーバに送信する後付リンク情報要求手段、サーバから後付リンク情報を受信したとき、ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、ウェブページにおける後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求をサーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段を備え、サーバは、クライアントから登録要求を受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、クライアントから後付リンク情報要求を受信したとき、記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報をクライアントに送信する後付リンク送信手段、クライアントから後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報をクライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段を備える、オンデマンド型リンク作成システムである。
【0011】
第1の発明では、オンデマンド型リンク作成システム(10:後述される実施例で相当する参照符号。以下同じ。)は、ネットワーク(16)を介して通信するクライアント(12)とサーバ(14)とを含む。このシステムは、クライアントに表示されるウェブページの文字列に対して、ユーザの選択に基づいて特別なリンクである後付リンクを設定するためのものである。クライアントの文字列選択手段(S3、S17−S23、S5)は、表示されているウェブページの文字列のうち、後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する。登録要求手段(S25)は、選択された文字列の登録要求をサーバに送信する。サーバの第1登録手段(S55、S69)は、クライアントからの登録要求に応じて、選択文字列に関する情報を記憶手段(18)に登録する。選択文字列に関する情報は、後付リンクの情報でもあり、ウェブページのURL、文字列、ウェブページにおける位置などの情報を含んでいる。このようにして、クライアントのユーザによって、つまり、ウェブページの閲覧者によって当該ウェブページから選択された文字列に関する情報が、後付リンクの情報としてサーバに登録される。また、クライアントの後付リンク情報要求手段(S1、S11)は、ネットワーク上のウェブサーバからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求をサーバに送信する。サーバの後付リンク送信手段(S61、S63)は、クライアントからの後付リンク情報要求に応じて、当該ウェブページの後付リンク情報を記憶手段から取得してクライアントに送信する。クライアントの後付リンク設定手段(S13、S15)は、サーバから後付リンク情報を受信して、ウェブページに後付リンクを設定する。このようにして、ウェブページに、当該ウェブページの著者によって作成されたリンクではなく過去の閲覧者によって設定されたリンクであり、かつ、通常のリンクとは異なる動作を行う特殊なリンクとして、後付リンクが表示されることとなる。後付リンク関連情報要求手段(S7、S29)は、ウェブページにおける後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求をサーバに送信する。つまり、後付リンクがユーザによって選択されたときには、当該後付リンクに関連するウェブページの情報の提供がサーバに要求される。サーバの第1検索手段(S57、S71、S73)は、クライアントからの後付リンク関連情報要求に応じて、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する。そして、後付リンク関連情報送信手段(S75)は、後付リンクの文字列に関連するウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報をクライアントに送信する。このようにして、クライアントからの要求に応じて、後付リンクの文字列に関して推薦される関連ウェブページのリストがサーバから提供される。これに応じて、クライアントの後付リンク関連リスト表示手段(S31、S33)は、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する。このリストでは、たとえば関連ウェブページのタイトルが表示され、タイトルにはリンクが設定される。リンク先表示手段(S9、S37)は、後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザによって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示する。このようにして、ユーザは、後付リンク関連リストから参照したいリンクを選択することによって、後付リンクの文字列に関連するウェブページを閲覧することができる。
【0012】
第1の発明によれば、表示されているウェブページから文字列を選択することによって、当該文字列に後付リンクを設定することができる。クライアントでウェブページが読み込まれると、サーバから後付リンクの情報が与えられるので、ウェブページに後付リンクを設定することができる。クライアントで後付リンクが選択されると、サーバから推薦された当該後付リンクの文字列に関連するウェブページのリンクを含むリストが表示され、リンクを選択することによって関連ウェブページを閲覧することができる。したがって、他のユーザの観点から新たな情報探索を行うことができ、また、後付リンクは元のウェブページに存在する文字列に設定されて、当該文字列に関連するウェブページのリストが提供されるので、的確な情報探索が可能である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、クライアントの文字列選択手段は、ユーザ操作によって文字列が選択されたとき、文字列関連情報要求を前記サーバに送信する文字列関連情報要求手段を含み、サーバは、文字列関連情報要求をクライアントから受信したとき、当該文字列に関連するウェブページを検索する第2検索手段、および第2検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む文字列関連情報をクライアントに送信する文字列関連情報送信手段をさらに備え、文字列選択手段は、文字列関連情報をサーバから受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む文字列関連リストを表示する文字列関連リスト表示手段をさらに含み、文字列関連リストからリンクがユーザ操作によって選択されたことによって、当該文字列を、後付リンクを設定すべき文字列として選択する。
【0014】
請求項2の発明では、クライアントは文字列関連情報要求手段(S3、S17、S19)を含み、これによって、文字列がユーザに選択されたときには、文字列関連情報要求がサーバに送信される。これに応じて、サーバの第2検索手段(S53、S65)は、当該文字列に関連するウェブページを検索する。そして、文字列関連情報送信手段(S67)は、選択された文字列に関連するウェブページに関する情報を含む文字列関連情報をクライアントに送信する。このようにして、クライアントからの要求に応じて、選択文字列に関して推薦される関連ウェブページのリストがサーバから提供される。これに応じて、クライアントの文字列関連リスト表示手段(S21、S23)は、関連ウェブページのリンクを含む文字列関連リストを表示する。このリストでは、たとえば、関連ウェブページのタイトルが表示され、タイトルにリンクが設定されている。そして、文字列選択手段は、文字列関連リストからリンクがユーザによって選択されたことに基づいて、選択文字列を、当該ウェブページにおいて後付リンクを設定すべき文字列として選択する。このように、ウェブページから文字列を選択すると、当該文字列の関連ページのリンクを含むリストが表示され、当該リストから関連ページを選択することによって、ウェブページにおける後付リンクを設定すべき文字列の選択が確定される。したがって、ユーザは、文字列に関して参照すべき関連ウェブページをリストから確認してから、当該文字列に後付リンクを設定すべきか否かを判断することができる。また、リストに関連ウェブページのリンクを表示するので、実際に当該関連ウェブページを閲覧することもできる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2の発明に従属し、クライアントの登録要求手段は、文字列関連リストから選択されたリンクの情報を含む登録要求を送信し、サーバの第1登録手段は、登録要求を受信したとき、選択されたリンクの情報も記憶手段に記憶し、第1検索手段は、後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクに対応する選択されたリンクの情報を記憶手段から取得する選択リンク情報取得手段を含んでいて、後付リンク関連情報送信手段は、選択リンク情報取得手段によって取得された選択されたリンクの情報をさらに含む関連ウェブページに関する情報をクライアントに送信する。
【0016】
請求項3の発明では、クライアントの登録要求手段(S25)は、文字列関連リストから選択されたリンクの情報を含む登録要求を送信する。これに応じて、サーバの第1登録手段(S69)は、選択されたリンクの情報も、後付リンクの情報として記憶手段に記憶する。選択されたリンクの情報は、たとえば、当該選択された関連ウェブページのURL、タイトルなどを含む。クライアントで後付リンクが選択されると、サーバでは、後付リンク関連情報要求に応じて、選択リンク情報取得手段(S73)が、選択された後付リンクに対応付けて記憶手段に記憶されている選択されたリンクの情報を取得する。そして、後付リンク情報送信手段(S75)は、文字列関連リストから選択されたリンクの情報をさらに含む関連ウェブページに関する情報をクライアントに送信する。このようにして、後付リンクに関して、当該後付リンクを設定したユーザが実際に選択した関連ウェブページを含む関連ウェブページのリストをクライアントに提供することができる。したがって、後付リンクを設定したユーザがどの関連ページを実際に参照しまたは閲覧したかを、後に訪問したユーザは知ることができるし、さらに、当該関連ページのリンクを選択することで当該関連ページを閲覧することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に従属し、クライアントは、後付リンク関連リストにおけるリンクが選択されたとき、当該選択されたリンクの情報をサーバに送信する選択リンク情報送信手段をさらに備え、サーバは、選択されたリンクの情報をクライアントから受信したとき、当該選択されたリンクの情報を記憶手段に記憶する第2登録手段をさらに備え、第1検索手段は、後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクに対応する選択されたリンクの情報を記憶手段から取得する選択リンク情報取得手段を含んでいて、後付リンク関連情報送信手段は、選択リンク情報取得手段によって取得された選択されたリンクの情報をさらに含む関連ウェブページに関する情報をクライアントに送信する。
【0018】
請求項4の発明では、クライアントの選択リンク情報送信手段(S35)は、後付リンク関連リストにおけるリンクが選択されると、当該選択されたリンクの情報をサーバに送信する。これに応じて、サーバの第2登録手段(S59、S77)は、選択されたリンクの情報を、当該後付リンクの情報として記憶手段に記憶する。選択されたリンクの情報は、たとえば、当該選択された関連ウェブページのURL、タイトルなどを含む。クライアントで後付リンクが選択されると、サーバでは、後付リンク関連情報要求に応じて、選択リンク情報取得手段(S73)が、選択された後付リンクに対応付けて記憶手段に記憶されている選択されたリンクの情報を取得する。そして、後付リンク情報送信手段(S75)は、後付リンク関連リストから選択されたリンクの情報をさらに含む関連ウェブページに関する情報をクライアントに送信する。このようにして、後付リンクに関して、過去の閲覧者に実際に選択された関連ウェブページを含む関連ウェブページのリストをクライアントに提供することができる。したがって、後付リンクについて他のユーザがどの関連ページを実際に参照しまたは閲覧したかを、後に同じ後付リンクを選択したユーザは知ることができるし、さらに、当該関連ページのリンクを選択することで当該関連ページを閲覧することができる。
【0019】
第2の発明(請求項5の発明)は、クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、クライアントとネットワークを介して通信しかつ後付リンクに関連する情報をクライアントに提供するためのサーバであって、後付リンクを設定すべき文字列として選択された文字列の登録要求をクライアントから受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、クライアントで読み込まれたウェブページについて後付リンク情報要求を受信したとき、記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報をクライアントに送信する後付リンク送信手段、クライアントで選択された後付リンクについて後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報をクライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段を備える、サーバである。
【0020】
第2の発明は、第1の発明のオンデマンド型後付リンク作成システムにおいて適用されるサーバであり、上述の第1の発明と同様にして、クライアントで閲覧されるウェブページの文字列に後付リンクを設定することを可能にするとともに、他のユーザの観点を利用した的確な情報探索を可能にする。
【0021】
第3の発明(請求項6の発明)は、表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、後付リンクに関連する情報を提供するサーバとネットワークを介して通信するクライアントであって、後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、選択された文字列の登録要求をサーバに送信する登録要求手段、ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求をサーバに送信する後付リンク情報要求手段、サーバから後付リンク情報を受信したとき、ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、ウェブページにおける後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求をサーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段を備える、クライアントである。
【0022】
第3の発明は、第1の発明のオンデマンド型リンク作成システムにおいて適用されるクライアントであり、上述の第1の発明と同様にして、表示されるウェブページの文字列に後付リンクを設定することを可能にするとともに、他のユーザの観点を利用した的確な情報探索を可能にする。
【0023】
第4の発明(請求項7の発明)は、クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、クライアントとネットワークを介して通信しかつ後付リンクに関連する情報をクライアントに提供するためのサーバのプログラムであって、サーバを、後付リンクを設定すべき文字列として選択された文字列の登録要求をクライアントから受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、クライアントで読み込まれたウェブページについて後付リンク情報要求を受信したとき、記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報をクライアントに送信する後付リンク送信手段、クライアントで選択された後付リンクについて後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報をクライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段として機能させる、プログラムである。
【0024】
第4の発明は、第2の発明のサーバのためのプログラムであり、上述の第2の発明と同様の効果を奏する。
【0025】
第5の発明(請求項8の発明)は、表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、後付リンクに関連する情報を提供するサーバとネットワークを介して通信するクライアントのプログラムであって、クライアントを、後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、選択された文字列の登録要求をサーバに送信する登録要求手段、ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求をサーバに送信する後付リンク情報要求手段、サーバから後付リンク情報を受信したとき、ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、ウェブページにおける後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求をサーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段として機能させる、プログラムである。
【0026】
第5の発明は、第3の発明のクライアントのためのプログラムであり、上述の第3の発明と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、クライアントに表示されたウェブページの文字列にユーザの選択によって後付リンクを設定することができる。したがって、後付リンクを他のユーザの情報探索の足跡とし情報探索の手懸りとすることが可能であり、また、他のユーザの観点を利用して的確な情報探索を行うことができる。
【0028】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1を参照して、この実施例のオンデマンド型リンク作成システム(以下、単にシステムと言う。)10はクライアント12とサーバ14とを含み、クライアント12とサーバ14とはインターネット16のようなネットワークを介して通信可能に接続されている。システム10は、クライアント12に表示されたウェブページにおいてユーザに選択された文字列に新たな特別なリンクを設定するためのシステムである。この特別なリンクは、当該ウェブページの著者によって予め設定された通常のリンクではなく、そのユーザ(閲覧者)によって設定されるリンクである。このウェブページの閲覧者によって設定される特殊なリンクを、「後付リンク」と呼ぶものとする。
【0030】
クライアント12は、ユーザがウェブページを閲覧し情報探索をするためのものであり、CPU、メモリ、通信装置、ディスプレイおよびマウスのような入力装置を備えるコンピュータである。クライアント12のメモリには、当該クライアン12の全体的な動作を制御するためのプログラムが記憶されており、当該プログラムは、ウェブページを閲覧するためのアプリケーション(ウェブブラウザ)のプログラムを含む。当該クライアント12のプログラムは、たとえばメモリに予め記憶されており、あるいは、各種記憶媒体から取得されてもよいし、インターネット16上からダウンロードされてもよい。サーバ14にアクセスするためのサーバ14の位置情報ないしアドレスは、たとえばプログラムに予め記憶される。あるいは、サーバ14の位置情報はユーザによって入力されてもよい。クライアント12における後付リンク作成のためのプログラムは、JavaScript(登録商標)等のウェブブラウザ上で動作する言語で記述される。当該プログラムに従って、サーバ14側との通信、後付リンクの作成、関連ページのリストの表示、ユーザの入力装置の操作によって選択される文字列の監視などの処理が行われる。
【0031】
サーバ14は、後付リンクに関する情報を管理し、また、後付リンクの文字列に関連するウェブページをクライアント12に推薦するためのものであり、CPU、メモリおよび通信装置等を備えるコンピュータである。サーバ14のメモリには、当該サーバ14の全体的な動作を制御するためのプログラムが記憶されている。当該サーバ14のプログラムは、たとえば、各種記憶媒体から取得されてメモリに記憶されており、あるいはインターネット16上からダウンロードされてもよいし、メモリに予め記憶されていてもよい。サーバ14における後付リンク作成のためのプログラムは、PHP、Perl、Ruby、Javサーブレットといったサーバ14上でCGI(Common Gateway Interface)として動作する言語で記述される。当該プログラムによって、クライアント12側との通信、データの管理、および関連ページの導出(検索)などの処理が行われる。サーバ14は後付リンクデータベース18を含み、後付リンクに関する情報はこのデータベース18に記憶される。
【0032】
図2には後付リンクデータベース18に記憶されるテーブルの一例が示される。ウェブページのURLに対応付けて、文字列、位置および選択された関連ページなどの情報が登録されている。URLは、後付リンクの設定されたウェブページのURLを示す。文字列は、ウェブページにおいて選択されて後付リンクの設定された文字列を示す。位置は、ウェブページにおける文字列の位置を示す。この位置情報によって同一ウェブページ内の同一文字列同士が区別され得る。選択された関連ページは、当該文字列ないし後付リンクが選択されたときに表示されるリストから、閲覧者によって選択されたリンク先のウェブページのURLやタイトルなどの情報を示す。つまり、この選択された関連ページの情報は、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページとして閲覧者に実際に選択されて参照されたウェブページの情報を示す。また、当該後付リンクを設定したユーザによって選択された関連ウェブページの情報も登録され得る。複数の関連ページが選択されたときには、当該複数の関連ページの情報が登録される。
【0033】
なお、このテーブルには、さらに当該後付リンクの情報が登録された日時の情報や、当該後付リンクを設定しまたは関連ページを選択したユーザを識別するためのユーザ情報などが登録されてもよい。ユーザ情報は、たとえば、当該ユーザの使用するクライアント12のIPアドレス、当該ユーザがサーバ14にアクセスするためのID等であってよい。
【0034】
このシステム10では、クライアント12は、ウェブブラウザで指定されたURLに対応するウェブページのデータをインターネット16上のウェブサーバ(図示せず)から取得して、当該ウェブページをそのディスプレイに表示する。たとえば、図3に示すようなウェブページの画面がウェブブラウザの表示領域に表示される。なお、図3の画面は、当該ウェブページの著者によって作成されたままの初期画面を示す。
【0035】
ユーザは、入力装置の操作によって、表示されたウェブページから所望の文字列を選択して、当該選択文字列に後付リンクを設定することができる。ウェブ文章の一部に対するマウス選択がユーザの知的興味を反映した重要文の抽出に有用であるという知見に基づき考えると、選択された文字列をその文章の特徴的なキーワードすなわちタグとみなすことができる。したがって、このシステム10は、後付リンクの設定された文字列をタグとして考えるウェブ文章の分類を目的としたフォークソノミシステムとして機能する。このシステム10では、ウェブページからマウス操作によって選択した文字列をそのままタグとして扱うので、従来の自由入力によるフォークソノミとは異なり、タグ付与の手間がかからず簡単である。また、ウェブページに含まれている文字列を選択させるようにしているので、無関係な語彙や同義語の指定の問題なども回避することが可能になる。
【0036】
つまり、ユーザは、表示されたウェブページにおける文字列に対して所定の操作(たとえばマウスドラッグ)を施すことによって、後付リンクを設定したい文字列を選択することができる。文字列が選択されると、たとえば、図4に示すように当該選択文字列が反転表示される。そして、当該選択文字列に関連するウェブページのリンクを含むリストがポップアップで表示される。
【0037】
具体的には、クライアント12のユーザが、マウスカーソルをドラッグすることによってウェブページ内の文字列を選択すると、クライアント12は、JavaScript等のウェブブラウザ上で動作するプログラムを用いて、選択された文字列を特定するとともに、当該選択文字列のウェブ文章における位置を認識する。ウェブ文章における位置は、DOM(Document Object Model)を基に認識される。選択文字列およびその位置等を含む情報が、サーバ14側にAjax(Asynchronous JavaScript + XML)等を用いて送信される。このサーバ14への情報送信は、選択された文字列に関連するウェブページの情報の要求である。
【0038】
この文字列関連情報要求に応じて、サーバ14は当該選択文字列に関連するウェブページを検索する。選択文字列に関して推薦されるべきウェブページの検索方法の詳細は後述される。サーバ14は、関連ウェブページの情報をAjaxのレスポンスとしてクライアント12に返信する。送信される関連ウェブページの情報は、各関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報を含む。
【0039】
クライアント12は、関連ウェブページの情報を受信すると、関連ウェブページのリストをJavaScript等を用いて表示する。具体的には、図4に示したように、複数の関連ウェブページのリンクを含む文字列関連リストをポップアップで選択文字列の周辺に表示する。
【0040】
図4では、ウェブページにおける文字列「クラスタリングアルゴリズム」が選択されたので、文字列関連リストにおいては、「クラスタリングアルゴリズム」に関連する所定数のウェブページのタイトルが表示されており、各タイトルを示す文字列にはリンクが設定されている。
【0041】
なお、この実施例では、リンクは下線によって表現されるが、たとえば文字列の背景色を異なる色で表示する方法などの他の表示態様で表現されてもよい。これは、ウェブページに設定される後付リンクの表示態様についても同様である。
【0042】
ユーザは、当該文字列関連リストから、選択文字列またはウェブページに関連の強そうなタイトルまたは興味を持ったタイトル等のリンクを選択することによって、当該選択したリンク先のウェブページを閲覧することができる。この文字列関連リストにおけるリンクは、通常のウェブページにおけるリンクと同じ動作をするものであり、ユーザがリンクを選択(クリック)をすると、当該リンク先のウェブページへジャンプすることができ、当該リンク先のウェブページがウェブブラウザに表示される。
【0043】
なお、文字列関連リスト画面の左下部には、図4から分かるように、リストを指定ページまたは次ページに進めるためのリンクが設けられており、ユーザはリスト中のページをめくって関連度の強い他のリンクを探すこともできる。また、画面右上部には、この文字列関連リスト画面を閉じるためのクローズボタンが設けられている。ユーザは、選択文字列に関連の強そうなタイトルあるいは興味のあるタイトルが見つからない場合には、クローズボタンを選択することによって、現在の選択文字列に対する後付リンクの設定をキャンセルすることができ、また、ウェブページから別の文字列を選択することができる。
【0044】
文字列関連リストにおいてユーザがリンクを選択したとき、ウェブページの選択文字列(図4では「クラスタリングアルゴリズム」)に後付リンクが設定されることとなる。具体的には、クライアント12は、文字列関連リストにおけるリンクが選択されたとき、ウェブページの選択文字列に関する情報を含む登録要求を、Ajax等を用いてサーバ14に送信する。登録要求は、この実施例では、ウェブページのURL、選択文字列、位置、ならびに選択された関連ページのURLおよびタイトル等の情報を含む。この登録要求に応じて、サーバ14は、受信した選択文字列に関する情報に基づいて、後付リンクの情報を後付リンクデータベース18に登録する。後付リンクデータベース18には、図2に示したように、ウェブページのURLに対応付けて、選択文字列、位置および選択された関連ページ等の情報が記憶される。
【0045】
このようにして、クライアント12に表示されたウェブページにおいてユーザの選択に基づいて文字列に付与された後付リンクに関する情報が、サーバ14(後付リンクデータベース18)に登録される。
【0046】
後付リンクデータベース18への登録後、当該後付リンクの設定されたウェブページがクライアント12で表示される際には、当該ウェブページには後付リンクが設定されることとなる。
【0047】
具体的には、クライアント12において、或るウェブページがウェブブラウザに読み込まれると、後付リンク情報要求がサーバ14に送信される。なお、この送信は、Ajax等を用いてユーザの操作なしに行われる。この後付リンク情報要求は、当該ウェブページに後付リンクが設定されているか否かを問い合わせるためのものであり、当該要求には、読み込まれたウェブページのURLが含まれている。
【0048】
この要求に応じて、サーバ14は、当該ウェブページに後付リンクが設定されているか否かを、後付リンクデータベース18のテーブルデータを参照して判定する。後付リンクが設定されている場合、つまり、当該ウェブページのURLが登録されている場合には、当該ウェブページのURLに対応する後付リンクの情報を後付リンクデータベース18から取得して、後付リンクのリストをクライアント12に返信する。返信情報は、各後付リンクについて、その文字列およびウェブページにおける位置などの情報を含む。なお、サーバ14は、当該ウェブページについて後付リンクデータベース18に保存されている後付リンクのすべてまたは一部の情報をクライアント12に送信する。一部を送信する場合、所定の条件(たとえば新着の所定件数)に基づいて選別を行うようにしてよい。
【0049】
クライアント12は、後付リンクのリストを受信すると、当該リストに基づいて、各文字列の位置に特殊なリンクすなわち後付リンクを設定する。これによって、ウェブページの著者ではなく閲覧者によって設定された後付リンクがウェブページに表示される。図5のウェブページでは、文字列「クラスタリングアルゴリズム」の位置に、後付リンクを示す下線が表示される。なお、後付リンクの表示態様は、当該ウェブページの著者の設定した当該ウェブページにおける通常のリンクの表示態様と同じであってもよいが、後付リンクを、スタイルシートによって、通常のリンクとは異なる表示態様で表示するようにすれば、通常のリンクとの識別が容易であり、当該ウェブページに特殊なリンクが設定されていることをユーザに容易に知らせることができる。
【0050】
なお、当該ウェブページの後付リンクは、当該後付リンクを設定した同じクライアント12ばかりでなく、システム10に含まれる他のすべてのクライアント12で表示されるのは言うまでもない。
【0051】
ユーザがこの後付リンクを選択すると、文字列が選択された場合と同様な処理が行われ、後付リンクの文字列に関して推薦されるウェブページのリストが表示される。具体的には、クライアント12は、たとえば後付リンクの位置にマウスポインタが乗せられたことが検出されると、後付リンク関連情報要求をサーバ14に送信する。後付リンク関連情報要求には、このウェブページのURL、後付リンクの設定された文字列および位置などの情報が含まれる。
【0052】
サーバ14は、この要求に応じて、当該後付リンクの設定された文字列に関連するウェブページを検索する。この文字列に関して推薦されるべきウェブページの検索方法は、選択文字列に関連するウェブページの検索方法と同様であり、その詳細は後述される。
【0053】
また、サーバ14は、当該後付リンクについて、過去にユーザによって選択された関連ページの情報を後付リンクデータベース18から読み出す。この実施例では、過去にユーザによって選択された関連ページ、および当該後付リンクを設定したユーザによって選択された関連ページも、後付リンクの文字列に関連して推薦されるべきウェブページとして採用される。なお、後付リンクデータベース18に保存されている選択された関連ページのすべてまたは一部が採用される。一部を採用する場合、所定の条件(たとえば新着の所定件数)に基づいて選別を行うようにしてよい。
【0054】
サーバ14は、検索によって取得された関連ウェブページと過去に閲覧者に選択された関連ウェブページとを含む関連ウェブページのリストをクライアント12に返信する。送信される関連ウェブページの情報は、各関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報を含む。これに応じて、クライアント12は、図6に示すように、複数の関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを、選択された後付リンクの周辺にポップアップで表示する。
【0055】
図6の後付リンク関連リストでは、選択された後付リンクの文字列「クラスタリングアルゴリズム」に関連するウェブページのタイトルが表示されており、各タイトルを示す文字列にはリンクが設定されている。この後付リンク関連リストにおけるリンクも、通常のウェブページにおけるリンクと同じ動作をするものであり、ユーザがリンクを選択(クリック)をすると、当該リンク先のウェブページがウェブブラウザに表示される。
【0056】
後付リンク関連リストの画面上部には、所定のマーク(たとえば四角マーク)に関連付けられたタイトルが表示されており、これは過去に選択された関連ウェブページを示している。さらにその下部には、序数に関連付けられたタイトルが表示されており、これらは検索された関連ウェブページを示している。また、各タイトルの下にはそのページのキーワードが示されており、ユーザは、タイトルとともにキーワードを参考にして、閲覧する関連ウェブページを選択することができる。
【0057】
ユーザは、当該後付リンク関連リストから、現在のウェブページに関連の強そうなタイトルまたは興味を持ったタイトル等のリンクをクリックすることによって、当該リンク先のウェブページを閲覧することができる。
【0058】
なお、この後付リンク関連リストのポップアップ画面においても、上述の文字列関連リストの場合と同様に、左下部には、リストを指定ページまたは次ページに進めるためのリンクが設けられ、右上部には、この画面を閉じるためのクローズボタンが設けられている。
【0059】
後付リンク関連リストにおいてユーザがリンクを選択した場合にも、上述の文字列関連リストの場合と同様に、当該選択された関連ウェブページの情報が、クライアント12からサーバ14に送信される。そして、当該関連ウェブページに関する情報(URLおよびタイトル等を含む。)が、当該後付リンクに対応付けて後付リンクデータベース18に登録される。これによって、最初に後付リンクを設定したユーザが閲覧した関連ウェブページばかりでなく、後に当該後付リンクを選択したユーザが閲覧した関連ウェブページも、その後のユーザにとって閲覧可能になる。
【0060】
このようにして、他のユーザが当該ウェブページの特徴的な文字列であるとして設定された後付リンクを手懸りとして、新たな観点からの情報探索が可能になる。また、この実施例では、過去に他のユーザが実際に参照した関連ウェブページのリンクも後付リンク関連リスト内に表示されるので、後付リンクを設定したユーザやその後に当該後付リンクを選択したユーザがどの関連ページを実際に閲覧したのかを、現在閲覧中のユーザは知ることができるし、また、当該関連ページを閲覧することができる。つまり、他のユーザの情報探索の過程を辿ることもできる。
【0061】
次に、サーバ14における関連ウェブページの検索方法、つまり、関連ウェブページの推薦方法について説明する。関連ウェブページ検索方法として、(1)TFIDF(Term Frequency Inverse Document Frequency)を用いた推薦、(2)協調フィルタリングを用いた推薦、または(3)ウェブページ間の類似度を用いた推薦などが、この実施例では適用され得る。
【0062】
なお、サーバ14は、検索ロボット(プログラム)を備えていて、インターネット16上に存在するWWWサーバからウェブページを収集して検索データベースに保存している。また、この実施例では、ユーザに選択された文字列または後付リンクの設定された文字列に関連するウェブページを検索するので、検索データベースには、HTMLやXMLなどの文書データが収集される。サーバ14は、クライアント12から文字列関連情報要求または後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該検索データベースを検索して関連ウェブページを導出する。
【0063】
(1)TFIDFを用いた推薦方法について説明する。TFIDFは、文書内の特徴語を算出する手法として有名である。この方法では、文字列に含まれる単語とウェブページ内でTFIDF値の高い単語とが一致するとき、そのウェブページを推薦する。TFIDF値tijは次の数1によって算出される。
【0064】
【数1】

【0065】
ここで、tf(i,j)はウェブページAにおけるキーワードwの出現頻度数を示し、df(j)はwが含まれるウェブページの出現頻度数を示す。また、Nはウェブページの総個数を示す。
【0066】
(2)協調フィルタリングを用いた推薦方法について説明する。この方法では、複数のユーザによるウェブページへの評価を用いて情報を推薦する協調フィルタリングが使用される。ユーザのウェブページへの評価値は、ウェブページ内に付与されたマーキングすなわち後付リンクの数を用いる。したがって、この推薦方法を採用する場合には、後付リンクを設定したユーザのユーザ情報を後付リンクデータベース18に登録しておく。
【0067】
協調フィルタリングによるユーザごとのウェブページに対する予測値は以下のようにして算出される。Nearest neighbor法に基づいたアルゴリズムは次の各段階a)、b)、c)からなる。
【0068】
a)ユーザ間の類似度を、評価値ベクトル(ウェブページ内に付与されたマーキングの数)間のPearson相関係数として計算する。ユーザaとuとの間の類似度Sa,uは、次の数2によって算出される。
【0069】
【数2】

【0070】
ここで、ra,iはユーザaによって項目iに与えられた評価値であり、r ̄はユーザaによって与えられた評価値の平均である。また、Iは項目の総数を表しており、ここではウェブページの総個数を示している。
【0071】
b)ウェブページ内の文字列を選択したユーザに関して、最も高い類似度をもつn人のユーザを近傍のユーザとして選択する。
【0072】
c)近傍のユーザの評価値の重み付けされた組み合わせから予測値を次の数3によって計算する。
【0073】
【数3】

【0074】
ここで、Pa,iは対象とするユーザaの項目iに対する予測値を示し、Sa,uはユーザaとuとの間の類似度を示し、nはユーザaの近傍におけるユーザ数を示す。
【0075】
このようにして計算された予測値の中で高い値を示したウェブページをユーザに推薦する。
【0076】
(3)ウェブページ間の類似度を用いた推薦について説明する。この方法では、ウェブページ間の類似度をウェブページ内に含まれる二つの単語の共起から求める。文字列に含まれる単語と共起する単語から計算されるウェブページ間の類似度が高いページを推薦する。類似度の計算は以下のとおりである。
【0077】
ウェブページ集合Wに含まれる単語t,tが出現するウェブページからなる集合をそれぞれWti,Wtjとすると、Wにおけるtとtの共起確率cp(t,t,W)は、次の数4によって表される。
【0078】
【数4】

【0079】
cp(t,t,W)がある値以上であるとき、tとtが共起しているウェブページ集合Wti∩Wtj内のウェブページ間の類似度が高いものとする。つまり、αを閾値とし、任意の語の組t,tについて、cp(t,t,W)≧αが成り立つようなWの中からユーザに文書を推薦する。
【0080】
ただし、検索方法ないし推薦方法はこれらに限られるものではなく、何らかのスコア付けによる重み付けなど種々の方法が適用され得る。また、サーバ14は、検索エンジン(検索サイト)を利用するようにしてもよい。その場合、サーバ14は、選択文字列または後付リンクの文字列を検索語として検索サイトに送信し、その検索結果を検索サイトから受信する。そして、サーバ14は、検索サイトから取得した検索結果に基づいて関連ウェブページのリストを生成し、当該リストをクライアント12に送信する。なお、文字列が文章の場合には、サーバ14は当該文字列に含まれる複数の単語を検索語として検索サイトに与える。
【0081】
図7および図8にはクライアント12の動作の一例が示される。クライアント12のCPUは、ウェブブラウザが終了されるまで一定時間ごとに図7および図8のステップS1からS9の判定を繰り返し実行する。条件が満足されたときには、当該条件に対応する処理も並列的に実行する。
【0082】
図7のステップS1では、ウェブブラウザにおいて、インターネット16上のウェブサーバからウェブページが読み込まれたか否かが判断される。ウェブページは、ウェブブラウザにおけるURLの入力、ブックマークの選択またはリンクの選択等が行われたときに読み込まれる。また、この実施例では、文字列関連リスト(図4)または後付リンク関連リスト(図6)におけるリンクが選択されたときにも、当該リンク先のウェブページが読み込まれる。
【0083】
ステップS1で“YES”の場合には、読み込まれたウェブページに後付リンクを表示するための処理が実行される。具体的には、ステップS11で、後付リンク情報要求をサーバ14に送信する。この要求は、読み込まれたウェブページに設定されている後付リンクの情報の送信を要求するものであり、読み込まれたウェブページのURLなどの情報を含む。この要求に応じて、サーバ14では、問合せられたURLに対応付けられている後付リンクのデータが後付リンクデータベース18に登録されているか否かが判定される。後付リンクの情報が登録されている場合には、当該後付リンクの情報が後付リンクデータベース18から読み出されてクライアント12に返信される。当該ウェブページに複数の後付リンクが設定されている場合、全部または所定条件を満たす一部の後付リンクの情報が返信される。一方、登録無しの場合には、登録無しを示す情報が返信される。
【0084】
ステップS13では、後付リンク情報をサーバ14から受信する。後付リンクが設定されている場合、受信情報には、当該ウェブページにおいて後付リンクの設定されている文字列およびその位置に関する情報が含まれる。この情報を受信した場合には、ステップS15で、受信した文字列および位置の情報に基づいて、当該読み込まれたウェブページ内に後付リンクを設定する。これによって、ウェブブラウザに表示されるウェブページにおいて後付リンクが表示される(図5参照)。ステップS15を終了すると、ウェブページを読み込んだときの後付リンクの表示処理を終了する。なお、後付リンクが登録されていない場合には、つまり、ステップS13で登録無しを示す情報を受信したときには、そのまま終了する。
【0085】
ステップS1で“NO”の場合、ステップS3で、マウスからの入力データ(操作データ)に基づいて、ウェブページ内の文字列がドラッグされたか否かを判定する。つまり、ウェブページ内の文字列がユーザに選択されたか否かが判定される。
【0086】
ステップS3で“YES”の場合には、選択された文字列に関連するウェブページのリストを表示するための処理が実行される。具体的には、ステップS17で、入力データとウェブページのデータとに基づいて、選択文字列とその位置の情報を取得する。
【0087】
続いて、ステップS19で、文字列関連情報要求をサーバ14に送信する。この要求は、選択された文字列に関連するウェブページの情報の送信を要求するものであり、少なくとも選択文字列の情報を含む。なお、ウェブブラウザに表示されているウェブページのURLおよび選択文字列の位置などの情報も一緒に送信するようにしてもよい。この要求に応じて、サーバ14では、選択文字列に関連するウェブページの検索が行われ、関連ウェブページのリストがクライアント12に返信される。続いて、ステップS21で、サーバ14から送信された関連ウェブページのリストを受信する。当該受信情報には、所定数の関連ウェブページについて、URLおよびタイトル等の情報が含まれる。
【0088】
続くステップS23で、文字列関連リストをポップアップで選択文字列の周辺に表示する。図4に示したように、文字列関連リストには、サーバ14によって推薦される複数の関連ウェブページのタイトル等が表示され、各タイトルにはリンクが設定される。なお、図7のフローチャートでは省略されるが、図4の文字列関連リスト画面で、その左下部に設けられたページ指定のためのリンクが選択されたときには、当該指定ページに対応する関連ウェブページの情報の要求がサーバ14に送信され、サーバ14から受信した当該関連ウェブページのリストに基づいて、文字列関連リストの表示が更新される。ステップS23を終了すると、文字列関連リストを表示するための処理を終了する。
【0089】
ステップS3で“NO”の場合には、図8のステップS5で、マウスからの入力データに基づいて、文字列関連リスト内の関連ウェブページのタイトルに設定されたリンクがクリックされたか否かを判定する。つまり、選択文字列に対して後付リンクを作成することがユーザによって選択されたか否かを判定している。
【0090】
ステップS5で“YES”の場合には、選択された文字列に関する情報を後付リンク情報としてサーバ14の後付リンクデータベース18に登録するための処理が行われる。すなわち、ステップS25で、登録要求をサーバ14に送信する。この要求には、ウェブブラウザに表示されているウェブページのURL、選択文字列、および位置などの情報が含まれる。また、この要求には、文字列関連リストから選択されたリンクに関する情報、すなわち関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報が含まれる。サーバ14ではこの登録要求に応じて当該後付リンクに関する情報の登録が行われる。
【0091】
また、ステップS27では、文字列関連リストで選択されたリンク先のウェブページをウェブブラウザに表示する。ユーザは、文字列関連リストから選択した関連ウェブページを閲覧することができる。ステップS27を終了すると、後付けリンクの情報をサーバ14に登録させるための処理を終了する。
【0092】
ステップS5で“NO”の場合、ステップS7で、ウェブページ内の後付リンクが指示されたか否かをマウスからの入力データに基づいて判定する。つまり、後付リンクにマウスポインタが乗せられたか否か、後付リンクが選択されたか否かを判定する。
【0093】
ステップS7で“YES”の場合には、後付リンクに関連するウェブページのリストを表示するための処理が行われる。具体的には、ステップS29では、後付リンク関連情報要求をサーバ14に送信する。この要求は、後付リンクの設定された文字列に関連するウェブページの情報の送信を要求するものである。後付リンク関連情報には、当該ウェブページのURL、指示された後付リンクの文字列、その位置などの情報が含まれる。サーバ14では、この要求に応じて、後付リンクの文字列に関連するウェブページが検索され、関連ウェブページのリストがクライアント12に返信される。ステップS31では、関連ウェブページのリストをサーバ14から受信する。当該受信情報には、所定数の関連ウェブページについて、URLおよびタイトル等の情報が含まれる。また、当該後付リンクに関して、過去に実際に選択された関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報も含まれる。
【0094】
ステップS33では、後付リンク関連リストを、選択された後付リンクの周辺にポップアップで表示する。図6に示したように、後付リンク関連リストには、過去に他のユーザを含むユーザによって参照された関連ウェブページのタイトルとともに、サーバ14によって推薦される複数の関連ウェブページのタイトル等が表示され、各タイトルにはリンクが設定される。なお、図8のフローチャートでも省略されるが、図6の文字列関連リスト画面で、その左下部に設けられたページ指定のためのリンクが選択されたときには、当該指定ページに対応する関連ウェブページの情報の要求がサーバ14に送信され、サーバ14から受信した当該関連ウェブページのリストに基づいて、後付リンク関連リストの表示が更新される。ステップS33を終了すると、後付リンク関連リストを表示するための処理を終了する。
【0095】
ステップS7で“NO”の場合、ステップS9で、後付リンク関連リスト内のいずれかのリンクがクリックされたか否かを入力データに基づいて判定する。つまり、関連ウェブページの閲覧がユーザによって選択されたか否かを判定している。
【0096】
ステップS9で“YES”の場合には、選択された関連ウェブページに関する情報を後付リンク情報としてサーバ14の後付リンクデータベース18に登録するための処理が行われる。すなわち、ステップS35で、選択リンク情報をサーバ14に送信する。この送信情報には、ウェブブラウザに表示されているウェブページのURL、選択文字列、および位置などの情報とともに、後付リンク関連リストから選択されたリンクに関する情報、すなわち関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報が含まれる。サーバ14ではこれに応じて当該後付リンクに対応付けて選択されたリンクの情報の登録が行われる。
【0097】
また、ステップS37では、後付リンク関連リストで選択されたリンク先のウェブページをウェブブラウザに表示する。このように、ユーザは、後付リンク関連リストから選択した関連ウェブページを閲覧することができる。ステップS37を終了すると、または、ステップS9で“NO”の場合には、この処理を終了する。
【0098】
図9および図10にはサーバ14の動作の一例が示される。サーバ14のCPUは、一定時間ごとにデータの受信を試みる。そして、当該受信データについて、図9および図10のステップS51からS59の判定を一定時間ごとに繰り返し実行する。条件が満足されたときには、当該条件に対応する処理も並列的に実行する。
【0099】
図9のステップS51では、後付リンク情報要求を受信したか否かを判定する。ステップS51で“YES”の場合には、つまり、クライアント12でウェブページが読み込まれた場合には、ステップS61で、当該ウェブページの後付リンクに関する情報を後付リンクデータベース18から読み出す。受信情報にはウェブページのURLが含まれるので、当該URLに対応する情報を読み出す。そして、ステップS63で、後付リンクのリストをクライアント12に送信する。後付リンクデータベース18に登録されている全部または一部を所定条件(新着の所定数件等)に従って選別して送信する。これに応じて、クライアント12では、ウェブページに後付リンクが設定されることとなる。
【0100】
ステップS51で“NO”の場合には、ステップS53で、文字列関連情報要求を受信したか否かを判定する。ステップS53で“YES”の場合には、つまり、クライアント12でウェブページ内の文字列が選択された場合には、ステップS65で、受信した文字列に関連するウェブページを、上述の推薦方法に従って検索する。そして、ステップS67で、関連ウェブページのリストをクライアント12に送信する。送信情報には、各関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報を含める。これに応じて、クライアント12では、文字列関連リストが表示されることとなる。
【0101】
ステップS53で“NO”の場合には、ステップS55で登録要求を受信したか否かを判定する。ステップS55で“YES”の場合には、つまり、クライアント12で文字列関連リスト内のリンクが選択された場合には、ステップS69で、選択文字列に関する情報を後付リンクデータベース18に登録する。登録要求には、選択文字列、当該文字列の含まれるウェブページのURL、当該文字列の位置、および選択された関連ウェブページの情報などが含まれているので、これらを後付リンクデータベース18に記憶する。
【0102】
ステップS55で“NO”の場合、図10のステップS57で、後付リンク関連情報要求を受信したか否かを判定する。ステップS57で“YES”の場合、つまり、クライアント12で後付リンクが選択された場合には、ステップS71で当該後付リンクに関連するウェブページを、上述の推薦方法に従って検索する。受信情報には、選択された後付リンクの文字列の情報が含まれるので、当該文字列に関連するウェブページを検索する。また、ステップS73で、当該後付リンクについて、過去に選択された関連ウェブページの情報を後付リンクデータベース18から読み出す。そして、ステップS75で、関連ウェブページのリストをクライアント12に送信する。送信情報には、各関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報を含める。また、検索によって得られた関連ウェブページと過去に選択された関連ウェブページとを区別する情報が付与される。クライアント12では、この送信に応じて、後付リンク関連リストが表示されることとなる。
【0103】
ステップS57で“NO”の場合、ステップS59で、選択リンク情報を受信したか否かを判定する。ステップS59で“YES”の場合には、つまり、クライアント12で後付リンク関連リストにおけるリンクが選択された場合には、ステップS77で、選択されたリンクの情報を後付リンクデータベース18に登録する。受信情報には、ウェブページのURL、文字列、位置などの後付リンクを特定する情報のほか、選択された関連ウェブページのURLおよびタイトル等の情報が含まれており、この選択された関連ウェブページの情報を登録する。なお、ステップS59で“NO”の場合にはこの処理を終了する。
【0104】
この実施例によれば、クライアント12のウェブブラウザに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づいて後付リンクを設定することができる。これによって、複数のユーザでウェブページのキーワードを共有することができ、また、当該キーワードを基にした情報探索を容易に行うことができる。つまり、ユーザは、後付リンクを他のユーザの情報探索の足跡として捉えて自分の情報探索の手懸りとすることができ、他のユーザの観点を利用した新たな情報探索を行うことができる。
【0105】
また、ウェブページから選択した文字列にそのまま後付リンクを設定するので、従来の自由入力によるフォークソノミとは異なりタグ付与の手間がかからず簡単である。しかも、無関係な語彙の入力や同義語の指定の問題なども回避できるので、的確な情報探索を行うことができる。
【0106】
なお、上述の実施例では、後付リンクデータベース18に、後付リンク情報として、選択された関連ウェブページの情報も登録するようにしていた。これによって、ウェブページに後付リンクを設定したユーザが実際に参照した関連ウェブページ、またはウェブページを先に訪れたユーザが実際に閲覧した関連ウェブページを、後から訪れたユーザに提示することを可能にしていた。しかしながら、他の実施例では、選択された関連ウェブページの情報については後付リンクデータベース18に登録しないようにしてもよい。その場合、どの関連ウェブページが過去に実際に閲覧されたかを後のユーザが知ることはできないが、設定されている後付リンクによって、当該ウェブページを過去に訪れたユーザが、当該ウェブページの特徴的なキーワードとして選択した文字列を容易に知ることができる。つまり、その場合でも、他のユーザの観点を利用した情報探索を行うことは可能である。
【0107】
また、上述の各実施例では、文字列関連リストからリンクが選択されたことによって、ウェブページで選択されていた文字列を、後付リンクを設定する文字列として確定するようにしているが、文字列の選択方法は適宜変更され得る。他の実施例では、たとえば、文字列関連リストを表示しないようにしてもよい。つまり、ウェブページで文字列が選択されたときには、関連ウェブページの情報をサーバ14から提供することなく、当該選択された文字列を、後付リンクを設定する文字列として直ちに確定し、クライアント12から当該選択文字列の登録要求をサーバ14に送信し、サーバ14が当該文字列の情報を後付リンクの情報として後付リンクデータベース18に登録するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】この発明の一実施例のオンデマンド型リンク作成システムを示す図解図である。
【図2】後付リンクデータベースに記憶されるデータの一例を示す図解図である。
【図3】クライアントに表示されたウェブページの初期画面の一例を示す図解図である。
【図4】文字列の選択に応じて表示された文字列関連リストの一例を示す図解図である。
【図5】選択文字列に後付リンクの設定されたウェブページの一例を示す図解図である。
【図6】後付リンクの選択に応じて表示された後付リンク関連リストの一例を示す図解図である。
【図7】クライアントの動作の一例の一部を示すフロー図である。
【図8】図7の続きを示すフロー図である。
【図9】サーバの動作の一例の一部を示すフロー図である。
【図10】図9の続きを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0109】
10 …オンデマンド型リンク作成システム
12 …クライアント
14 …サーバ
16 …インターネット
18 …後付リンクデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信するクライアントとサーバとを含み、前記クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムであって、
前記クライアントは、
後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、
選択された文字列の登録要求を前記サーバに送信する登録要求手段、
前記ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求を前記サーバに送信する後付リンク情報要求手段、
前記サーバから後付リンク情報を受信したとき、前記ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、
前記ウェブページにおける前記後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求を前記サーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、
前記サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および
前記後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段を備え、
前記サーバは、
前記クライアントから前記登録要求を受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、
前記クライアントから前記後付リンク情報要求を受信したとき、前記記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報を前記クライアントに送信する後付リンク送信手段、
前記クライアントから前記後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および
前記第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報を前記クライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段を備える、オンデマンド型リンク作成システム。
【請求項2】
前記クライアントの前記文字列選択手段は、ユーザ操作によって文字列が選択されたとき、文字列関連情報要求を前記サーバに送信する文字列関連情報要求手段を含み、
前記サーバは、
前記文字列関連情報要求を前記クライアントから受信したとき、当該文字列に関連するウェブページを検索する第2検索手段、および
前記第2検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む文字列関連情報を前記クライアントに送信する文字列関連情報送信手段をさらに備え、
前記文字列選択手段は、前記文字列関連情報を前記サーバから受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む文字列関連リストを表示する文字列関連リスト表示手段をさらに含み、前記文字列関連リストからリンクがユーザ操作によって選択されたことによって、当該文字列を、後付リンクを設定すべき文字列として選択する、請求項1記載のオンデマンド型リンク作成システム。
【請求項3】
前記クライアントの前記登録要求手段は、前記文字列関連リストから選択されたリンクの情報を含む前記登録要求を送信し、
前記サーバの前記第1登録手段は、前記登録要求を受信したとき、前記選択されたリンクの情報も前記記憶手段に記憶し、
前記第1検索手段は、前記後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクに対応する前記選択されたリンクの情報を前記記憶手段から取得する選択リンク情報取得手段を含んでいて、
前記後付リンク関連情報送信手段は、前記選択リンク情報取得手段によって取得された前記選択されたリンクの情報をさらに含む前記関連ウェブページに関する情報を前記クライアントに送信する、請求項2記載のオンデマンド型リンク作成システム。
【請求項4】
前記クライアントは、前記後付リンク関連リストにおけるリンクが選択されたとき、当該選択されたリンクの情報を前記サーバに送信する選択リンク情報送信手段をさらに備え、
前記サーバは、前記選択されたリンクの情報を前記クライアントから受信したとき、当該選択されたリンクの情報を前記記憶手段に記憶する第2登録手段をさらに備え、
前記第1検索手段は、前記後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクに対応する選択されたリンクの情報を前記記憶手段から取得する選択リンク情報取得手段を含んでいて、
前記後付リンク関連情報送信手段は、前記選択リンク情報取得手段によって取得された前記選択されたリンクの情報をさらに含む前記関連ウェブページに関する情報を前記クライアントに送信する、請求項1ないし3のいずれかに記載のオンデマンド型リンク作成システム。
【請求項5】
クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、前記クライアントとネットワークを介して通信しかつ前記後付リンクに関連する情報を前記クライアントに提供するためのサーバであって、
後付リンクを設定すべき文字列として選択された文字列の登録要求を前記クライアントから受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、
前記クライアントで読み込まれたウェブページについて後付リンク情報要求を受信したとき、前記記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報を前記クライアントに送信する後付リンク送信手段、
前記クライアントで選択された後付リンクについて後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および
前記第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報を前記クライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段を備える、サーバ。
【請求項6】
表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、前記後付リンクに関連する情報を提供するサーバとネットワークを介して通信するクライアントであって、
後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、
選択された文字列の登録要求を前記サーバに送信する登録要求手段、
前記ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求を前記サーバに送信する後付リンク情報要求手段、
前記サーバから後付リンク情報を受信したとき、前記ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、
前記ウェブページにおける前記後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求を前記サーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、
前記サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および
前記後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段を備える、クライアント。
【請求項7】
クライアントに表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、前記クライアントとネットワークを介して通信しかつ前記後付リンクに関連する情報を前記クライアントに提供するためのサーバのプログラムであって、前記サーバを、
後付リンクを設定すべき文字列として選択された文字列の登録要求を前記クライアントから受信したとき、当該選択文字列に関する情報を記憶手段に記憶する第1登録手段、
前記クライアントで読み込まれたウェブページについて後付リンク情報要求を受信したとき、前記記憶手段から取得した当該ウェブページの後付リンク情報を前記クライアントに送信する後付リンク送信手段、
前記クライアントで選択された後付リンクについて後付リンク関連情報要求を受信したとき、当該後付リンクの文字列に関連するウェブページを検索する第1検索手段、および
前記第1検索手段によって取得された関連ウェブページに関する情報を含む後付リンク関連情報を前記クライアントに送信する後付リンク関連情報送信手段として機能させる、プログラム。
【請求項8】
表示されるウェブページの文字列にユーザの選択に基づく後付リンクを設定するオンデマンド型リンク作成システムにおいて、前記後付リンクに関連する情報を提供するサーバとネットワークを介して通信するクライアントのプログラムであって、前記クライアントを、
後付リンクを設定すべき文字列をユーザ操作に応じて選択する文字列選択手段、
選択された文字列の登録要求を前記サーバに送信する登録要求手段、
前記ネットワークからウェブページが読み込まれたとき、後付リンク情報要求を前記サーバに送信する後付リンク情報要求手段、
前記サーバから後付リンク情報を受信したとき、前記ウェブページに後付リンクを設定する後付リンク設定手段、
前記ウェブページにおける前記後付リンクがユーザ操作によって選択されたとき、後付リンク関連情報要求を前記サーバに送信する後付リンク関連情報要求手段、
前記サーバから後付リンク関連情報を受信したとき、関連ウェブページのリンクを含む後付リンク関連リストを表示する後付リンク関連リスト表示手段、および
前記後付リンク関連リストにおけるリンクがユーザ操作によって選択されたとき、当該選択されたリンク先のウェブページを表示するリンク先表示手段として機能させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−317105(P2007−317105A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148481(P2006−148481)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/日常行動・状況理解に基づく知識共有システムの研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】