説明

オンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置

【課題】過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができるオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置を提供すること。
【解決手段】類似度設定部112は、講座の履修内容変更前後の類似度を算出し、類似度データ123に記憶する。擬似合格判定部113は、受講者が講座の受講を開始する場合に、受講者が同一講座を前回受講した際の受講成績を受講結果データ124より取得し、これに類似度データ123に記憶された類似度を加味して擬似得点を算出し、この擬似得点が所定の合格点を超える場合には受講者を擬似合格したものとみなして受講を免除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置に関し、特に、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができるオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、受講者がネットワークを介して教育を受講する、いわゆるeラーニングシステムが一般化している。かかるeラーニングシステムは、ネットワークを介して受講者の端末装置にテキスト、画像、音声などの形で履修内容を送信し、全ての履修内容の送信後に受講者に対して確認テストをおこなって、所定の点数以上を取得できた場合に受講完了と認定する仕組みとなっている。
【0003】
旧来の集合教育と比較して、eラーニングシステムは、主催者と受講者の双方にとって効率的な仕組みであるが、受講者に合わせた対応をおこないにくいという短所もある。この短所を改善するため、特許文献1においては、受講者が確認テストにおいて回答を誤った場合に、同受講者が過去に正解したことのある類似の問題の解法を関連付けて解説することにより、受講者に合わせた指導をおこなう技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−95484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1により開示されている技術は、確認テストの段階で受講者毎の対応をおこなうものであり、受講そのものを個別に対応するものではない。ISMS(Information Security Management System)やプライバシーマーク制度では、従業員に毎年所定の教育を受講させることになっているが、実際の受講内容はあまり更新されることはない。したがって、対象者全員に毎年一から受講させることは非効率であり、各受講者の知識レベルに合わせた対処をおこなうことが強く望まれている。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができるオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育プログラムであって、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手順をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育装置であって、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、過去の同一講座の受講成績が所定の条件を満たす場合には擬似合格とみなして講座の受講を免除するように構成したので、十分な知識を有する要員が過去と同様な内容の講座を一から受講し直すという非効率な事態を回避することができ、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができる。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、同一講座の履修内容変更前後の類似度を算出して記憶手段に設定する類似度設定手順をさらにコンピュータに実行させ、前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、前記類似度設定手順が設定した前記講座の類似度とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、講座の履修内容の変更前後の類似度を加味して擬似合格の判定をおこなうように構成したので、履修内容の変更度合いに応じて擬似合格とする受講者のレベルを調整することができる。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記類似度設定手順は、講座の理解程度を確認する確認テストの項目の同一性から類似度を算出することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、確認テストの項目の同一性から類似度を算出するように構成したので、講座の履修内容の変更前後の類似度を容易に設定することができる。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の受講完了から所定の期間が経過しているならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、受講者が同一講座を受講する場合に、前回合格したときから一定以上の期間が経過している場合は、受講前にテストをおこなって擬似合格の判定をおこなうように構成したので、経年劣化による教育レベルの低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、過去の同一講座の受講成績が所定の条件を満たす場合には擬似合格とみなして講座の受講を免除するように構成したので、十分な知識を有する要員が過去と同様な内容の講座を一から受講し直すという非効率な事態を回避することができ、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができる。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、同一講座の履修内容変更前後の類似度という効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、講座の履修内容の変更前後の類似度を加味して擬似合格の判定をおこなうように構成したので、履修内容の変更度合いに応じて擬似合格とする受講者のレベルを調整することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、確認テストの項目の同一性から類似度を算出するように構成したので、講座の履修内容の変更前後の類似度を容易に設定することができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、受講者が同一講座を受講する場合に、前回合格したときから一定以上の期間が経過している場合は、受講前にテストをおこなって擬似合格の判定をおこなうように構成したので、経年劣化による教育レベルの低下を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
まず、本実施例に係るオンライン教育装置の構成について説明する。図1は、本実施例に係るオンライン教育装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、オンライン教育装置100は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して管理者端末200と受講者端末300と接続された構成をとる。
【0023】
管理者端末200は、オンライン教育装置100が提供する各講座の管理者が使用する端末装置であり、受講者端末300は、オンライン教育装置100が提供する講座を受講する受講者が使用する端末装置である。なお、図1では、管理者端末200と受講者端末300は、1台ずつしか図示されていないが、これらは、不特定の台数が接続されているものとする。
【0024】
オンライン教育装置100は、ネットワークを介して受講者端末300を使用する受講者を教育する装置であり、制御部110と、記憶部120と、ネットワークI/F部130とを有する。制御部110は、オンライン教育装置100を全体制御する制御装置であり、U/I制御部111と、類似度設定部112と、擬似合格判定部113と、受講処理部114とを有する。
【0025】
U/I制御部111は、管理者端末200および受講者端末300に表示する画面情報を生成し、これらの画面に対して入力された入力情報を取得する制御部である。ここでは、画面をHTML(HyperText Markup Language)の形で生成し、これを管理者端末200および受講者端末300に対してHTTP(HyperText Transfer Protocol)を使って送信し、応答を得るものとするが、他の方式で画面情報を生成し、入力情報を取得しても構わない。
【0026】
類似度設定部112は、管理者端末200からの指示に基づいて所定の講座の現行の内容と前回の内容の類似度を算出し、記憶部120の類似度データ123へ設定する処理部である。本実施例では、管理者端末200に類似度登録画面を表示させ、この画面に入力された総項目数と、新規項目数と、変更項目数の値から類似度の算出をおこなう。総項目数は、現行の講座の確認テストの総項目数である。新規項目数は、現行の講座の確認テストに新規に追加された項目の数である。変更項目数は、現行の講座の確認テストのうち、前回の同講座の確認テストから内容が変更された項目の数である。
【0027】
類似度の計算は、下記の式を用いておこなう。
類似度 = (総項目数 − 新規項目数 − 変更項目数) ÷ 総項目数
なお、類似度の算出は別の方式でおこなってもよい。たとえば、前回の確認テストの問題のテキストと現行の確認テストのテキストを比較して類似度を算出してもよい。
【0028】
擬似合格判定部113は、類似度データ123に設定された類似度と受講者が前回同講座を受講した際の確認テストの得点に基づいて、同受講者を擬似的に合格したとみなすか否かを判定する処理部である。擬似合格判定部113は、受講者が講座の受講を開始する際に、同講座の前回との類似度と、同受講者の前回の同講座の確認テストの得点とを取得し、これらを乗じた値が所定の値よりも大きい場合は擬似合格とみなし、現行の講座の受講を免除する。なお、受講者を擬似合格とするロジックはこの通りである必要はなく、たとえば、前回受講者のうち成績上位10%の者を擬似合格とするようにしてもよい。
【0029】
受講処理部114は、受講者端末300に履修内容を送信して教育をおこなう処理部であり、従来から特に変更はない。本実施例において受講処理部114が機能するのは、受講者がその講座を初めて受講する場合、もしくは、擬似合格とみなされなかった場合のいずれかである。
【0030】
記憶部120は、各種情報を記憶する記憶部であり、講座マスタ121と、受講者マスタ122と、類似度データ123と、受講結果データ124と、講座データ125とを有する。
【0031】
講座マスタ121は、オンライン教育装置100が提供する講座の情報を格納する。図2は、講座マスタ121のデータ構成の一例を示すサンプル図である。同図に示すように、講座マスタ121は、講座番号と、講座名と、年度と、合格点という項目を有する。講座番号は、講座を識別するための識別番号であり、講座名は、講座の名称である。年度と合格点の組合せは、一つの講座番号に対して複数格納することができ、年度毎に異なる合格点を保持することができるようになっている。
【0032】
受講者マスタ122は、オンライン教育装置100が提供する講座を受講したことのある受講者、および、これから受講することになっている受講者の情報を格納する。図3は、受講者マスタ122のデータ構成の一例を示すサンプル図である。同図に示すように、受講者マスタ122は、受講者番号と、パスワードと、氏名と、住所と、電話番号という項目を有する。受講者番号は、受講者を識別するための識別番号であり、パスワードは、受講者を認証するために受講者番号と組み合わせてもちいられるパスワードである。氏名と、住所と、電話番号は、それぞれ、受講者の氏名と、住所と、電話番号を格納する。
【0033】
類似度データ123は、オンライン教育装置100が提供する講座の前回との類似度を格納する。図4は、類似度データ123のデータ構成の一例を示すサンプル図である。同図に示すように、類似度データ123は、講座番号と、年度と、総項目数と、新規項目数と、変更項目数と、類似度という項目を有する。講座番号と年度は、講座マスタ121の講座番号と年度に対応する。総項目数〜類似度は、年度毎に格納でき、類似度設定部112の入力情報及び算出結果を保持する。
【0034】
受講結果データ124は、オンライン教育装置100が提供する講座を受講した受講者の受講履歴情報を格納する。図5は、受講結果データ124のデータ構成の一例を示すサンプル図である。同図に示すように、受講結果データ124は、受講者番号と、講座番号と、年度と、得点と、ステータスと、受講日という項目を有する。受講者番号は、受講者マスタ122の受講者番号に対応する。講座番号と年度は、講座マスタ121の講座番号と年度に対応し、一つの受講者番号に対して複数格納することができる。得点、ステータスおよび受講日は、各年度毎に格納でき、それぞれ、その年度での確認テストの点数と、受講状態(未受講、擬似合格、合格のいずれか一つ)と、受講日とを保持する。
【0035】
講座データ125は、オンライン教育装置100が提供する講座の履修内容を格納したデータであり、テキストデータ、静止画像データ、動画データ、音声データおよび確認プログラム等からなる。なお、本実施例では、各講座の内容が1年毎に更新されることを前提としているが、もっと短い時間で更新されてもよい。たとえば四半期単位で更新されてもよく、その場合、各データは年度ではなく四半期単位で管理される。
【0036】
ネットワークI/F部130は、ネットワークを介して各種情報をやりとりするためのインターフェース部である。
【0037】
次に、オンライン教育装置100が提供する画面について説明する。図6は、類似度登録画面の一例を示すサンプル図である。この画面は、受講者に講座を提供する前に、その講座の管理者が管理者端末200から類似度を登録するための画面である。管理者が管理者端末200で、対象の講座と年度を指定することによりこの画面は表示される。そして、総項目数と、新規項目数と、変更項目数とを入力して登録ボタンを押下することにより、入力情報がオンライン教育装置100へ送信され、類似度設定部112により類似度が計算され、結果が類似度データ123に格納される。
【0038】
図7は、受講条件入力画面の一例を示すサンプル図である。この画面は、受講者が受講を開始する際に受講者端末300に表示される画面である。受講者がこの画面で自分の受講者番号およびパスワードと、受講する講座の講座番号を押下することにより、入力情報がオンライン教育装置100へ送信される。そして、オンライン教育装置100では、擬似合格判定がおこなわれ、擬似合格とみなされた場合は擬似合格画面が、擬似合格とみなされなかった場合は通常の受講画面が受信者端末に表示される。
【0039】
図8は、擬似合格画面の一例を示すサンプル図である。この画面は、受講者が受講条件入力画面へ必要な情報を入力し、その結果、受講者が擬似合格したとみなされた場合に受講者端末300に表示される画面である。
【0040】
次に、オンライン教育装置100の処理手順について説明する。図9は、図1に示したオンライン教育装置100の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、受講者が受講条件入力画面で必要な情報を入力し、認証が完了した後の処理手順を示している。
【0041】
まず、受講条件入力画面から入力された受講条件を取得する(ステップS101)。そして、取得した情報と受講者番号および講座番号が一致する当年度のデータを受講結果データ124より検索し、ステータスの値を取得する。ここで、該当データが存在し、ステータスが合格もしくは擬似合格であれば、その受講者は既にその講座を受講済みであるので処理を終了する(ステップS102肯定)。
【0042】
該当データが存在しなかった場合、またはステータスが合格もしくは擬似合格でなかった場合は(ステップS102否定)、取得した情報と受講者番号および講座番号が一致する前年度のデータを受講結果データ124より検索する(ステップS103)。ここで、該当データが存在しなかった場合は(ステップS104否定)、前年度の受講実績がないため通常の受講処理をおこなう(ステップS110)。
【0043】
該当データが存在した場合は(ステップS104肯定)、類似度データ123より当該の講座の当年度の類似度を取得し、ステップS103で取得したデータに含まれる当該受講者の前年度の得点に類似度を乗じて擬似得点を算出する(ステップS105)。そして、講座マスタ121から、当該講座の当年度の合格点を取得し(ステップS106)、擬似得点が合格点よりも高ければ(ステップS107肯定)、擬似合格画面を受講者端末300に表示させ(ステップS108)、擬似得点を受講結果データ124に保存し、同データのステータスを擬似合格に更新して処理を終了する(ステップS109)。
【0044】
擬似得点が合格点に満たない場合は(ステップS107肯定)、通常の受講処理をおこなう(ステップS110)。通常の受講処理をおこない、確認テストに受講者が合格した場合は、確認テストの得点を受講結果データ124に保存し、同データのステータスを合格に更新して処理を終了する(ステップS111)。
【0045】
なお、ステップS103で取得した得点が擬似合格による擬似得点であった場合、もしくは、前回の受講から所定以上の期間が経過している場合には、ステップS107で擬似合格となる場合であっても、確認テストの一部または全てを受講者に受けさせ、所定の得点を獲得できた場合のみ擬似合格とみなすようにしてもよい。前回が擬似合格であった場合、および所定の期間が経過している場合は、受講者の知識が経年劣化している可能性があるため、このように確認テストにより受講者の知識レベルを確認することは、教育レベルを維持するために有用である。
【0046】
上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図10を用いて、本実施例に係るオンライン教育装置を実現するためのプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0047】
図10は、オンライン教育プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。このコンピュータ1000は、ユーザからのデータの入力を受付ける入力装置1010、モニタ1020、各種プログラムを記録した記録媒体からプログラムを読み取る媒体読取り装置1030、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)1040、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受をおこなうネットワークインターフェース1050、HDD(Hard Disk Drive)1060およびCPU1070をバス1080で接続して構成される。
【0048】
HDD1060には、オンライン教育装置100の機能と同様の機能を発揮するプログラムであるオンライン教育プログラム1060cが記憶されている。そして、CPU1070が、オンライン教育プログラム1060cをHDD1060から読み出して実行することにより、同プログラムは、オンライン教育プロセス1070aとして機能するようになる。オンライン教育プロセス1070aは、図1に示した制御部110に対応する。
【0049】
また、CPU1070は、HDD1060から受講管理DB1060aおよび講座データDB1060bとを読み出して、受講管理情報1040aおよび講座情報1040bとしてRAM1040に格納する。そして、RAM1040に格納された受講管理情報1040aおよび講座情報1040bに基づいて各種データ処理を実行する。受講管理DB1060aは、図1に示した講座マスタ121〜受講結果データ124に対応し、講座データDB1060bは、受講データ125に対応する。
【0050】
なお、上記のオンライン教育プログラム1060cについては、必ずしもHDD1060に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ1000が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN等を介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)などにプログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0051】
上述してきたように、過去の同一講座の受講成績が所定の条件を満たす場合には擬似合格とみなして講座の受講を免除するように構成したので、十分な知識を有する要員が過去と同様な内容の講座を一から受講し直すという非効率な事態を回避することができ、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することができる。
【0052】
(付記1)ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育プログラムであって、
受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手順
をコンピュータに実行させることを特徴とするオンライン教育プログラム。
【0053】
(付記2)同一講座の履修内容変更前後の類似度を算出して記憶手段に設定する類似度設定手順をさらにコンピュータに実行させ、
前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、前記類似度設定手順が設定した前記講座の類似度とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記1に記載のオンライン教育プログラム。
【0054】
(付記3)前記類似度設定手順は、講座の理解程度を確認する確認テストの項目の同一性から類似度を算出することを特徴とする付記2に記載のオンライン教育プログラム。
【0055】
(付記4)前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の合格が擬似合格によるものであったならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記1、2または3に記載のオンライン教育プログラム。
【0056】
(付記5)前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の受講完了から所定の期間が経過しているならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記1、2または3に記載のオンライン教育プログラム。
【0057】
(付記6)前記擬似合格判定手順は、受講者を擬似合格とすると判定した場合に、前記端末にその旨を示す画面を表示させることを特徴とする付記1〜5のいずれかひとつに記載のオンライン教育プログラム。
【0058】
(付記7)ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育装置であって、
受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手段
を備えたことを特徴とするオンライン教育装置。
【0059】
(付記8)同一講座の履修内容変更前後の類似度を算出して記憶手段に設定する類似度設定手段をさらに備え、
前記擬似合格判定手段は、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、前記類似度設定手段が設定した前記講座の類似度とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記7に記載のオンライン教育装置。
【0060】
(付記9)前記類似度設定手段は、講座の理解程度を確認する確認テストの項目の同一性から類似度を算出することを特徴とする付記8に記載のオンライン教育装置。
【0061】
(付記10)前記擬似合格判定手段は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の合格が擬似合格によるものであったならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記7、8または9に記載のオンライン教育装置。
【0062】
(付記11)前記擬似合格判定手段は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の受講完了から所定の期間が経過しているならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする付記7、8または9に記載のオンライン教育装置。
【0063】
(付記12)前記擬似合格判定手段は、受講者を擬似合格とすると判定した場合に、前記端末にその旨を示す画面を表示させることを特徴とする付記7〜11のいずれかひとつに記載のオンライン教育装置。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかるオンライン教育プログラムおよびオンライン教育装置は、ネットワークを介した教育の実施に有用であり、特に、過去の受講成績に基づいて受講の必要性の有無を受講者毎に判断することが必要な場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施例に係るオンライン教育装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】講座マスタのデータ構成の一例を示すサンプル図である。
【図3】受講者マスタのデータ構成の一例を示すサンプル図である。
【図4】類似度データのデータ構成の一例を示すサンプル図である。
【図5】受講結果データのデータ構成の一例を示すサンプル図である。
【図6】類似度登録画面の一例を示すサンプル図である。
【図7】受講条件入力画面の一例を示すサンプル図である。
【図8】擬似合格画面の一例を示すサンプル図である。
【図9】図1に示したオンライン教育装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】オンライン教育プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
100 オンライン教育装置
110 制御部
111 U/I制御部
112 類似度設定部
113 擬似合格判定部
114 受講処理部
120 記憶部
121 講座マスタ
122 受講者マスタ
123 類似度データ
124 受講結果データ
125 講座データ
130 ネットワークI/F部
200 管理者端末
300 受講者端末
1000 コンピュータ
1010 入力装置
1020 モニタ
1030 媒体読取り装置
1040 RAM
1040a 受講管理情報
1040b 講座情報
1050 ネットワークインターフェース
1060 HDD
1060a 受講管理DB
1060b 講座データDB
1060c オンライン教育プログラム
1070 CPU
1070a オンライン教育プロセス
1080 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育プログラムであって、
受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手順
をコンピュータに実行させることを特徴とするオンライン教育プログラム。
【請求項2】
同一講座の履修内容変更前後の類似度を算出して記憶手段に設定する類似度設定手順をさらにコンピュータに実行させ、
前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、前記類似度設定手順が設定した前記講座の類似度とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のオンライン教育プログラム。
【請求項3】
前記類似度設定手順は、講座の理解程度を確認する確認テストの項目の同一性から類似度を算出することを特徴とする請求項2に記載のオンライン教育プログラム。
【請求項4】
前記擬似合格判定手順は、受講者が講座を受講する場合に、該受講者の該講座の前回の受講完了から所定の期間が経過しているならば、前記受講者に履修内容に係る確認テストを実施し、このテストの成績に基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定することを特徴とする請求項1、2または3に記載のオンライン教育プログラム。
【請求項5】
ネットワークを介して接続された端末装置と協調し、前記端末に履修内容に係る情報を送出するオンライン教育装置であって、
受講者が講座を受講する場合に、記憶手段に保持されている該受講者の該講座の過去の受講成績と、記憶手段に保持されている所定の判断基準とに基づいて前記受講者を擬似合格とするか否かを判定し、擬似合格と判定した場合には前記受講者に対して前記講座の受講を免除する擬似合格判定手段
を備えたことを特徴とするオンライン教育装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−178062(P2006−178062A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369356(P2004−369356)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】