説明

オーディオ再生装置

【課題】ユーザに無意味な操作を行わせることを未然に回避することができるとともに、ユーザに混乱や不信感を招くことを有効に防止することができる「オーディオ再生装置」を提供すること。
【解決手段】記録媒体8に、オーディオデータの付加情報が記録され、付加情報に基づいて、オーディオデータを管理する記録媒体8に記録されているフォルダの数を検出する第1の検出手段17と、第1の検出手段17によって検出されたフォルダ数が1つである場合に、再生方法表示手段16に対して、複数のフォルダを対象とした再生方法の選択可能な表示を禁止するための第1の表示制御を行う第1の表示制御手段18とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ再生装置に係り、特に、記録媒体に記録されているオーディオデータの再生方法を選択するのに好適なオーディオ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載器等に搭載されたオーディオ再生装置には、CD等の記録媒体に記録されている複数の楽曲を、複数の再生方法によって再生する機能が備えられていた。
【0003】
ここで、これら複数の再生方法の1つには、ノーマル再生があり、このノーマル再生は、複数の楽曲を予め決められた順序(例えば、トラック番号順)で再生する最も典型的な再生方法である。また、その他の再生方法の1つには、リピート再生があり、このリピート再生は、現在再生中の楽曲のみを繰り返し再生する再生方法である。さらに、その他の再生方法の1つには、ランダム再生があり、このランダム再生は、複数の楽曲をトラック番号等の記録媒体内での楽曲の配置順にとらわれない不規則な順序で再生する再生方法である。このランダム再生は、シャッフルと称される場合もある(例えば、特許文献1参照)。さらにまた、その他の再生方法の1つには、スキャン再生があり、このスキャン再生は、複数の楽曲のそれぞれの曲頭を、予め決められた順序にしたがって例えば10秒間ずつ再生する再生方法である。なお、楽曲が複数のフォルダによって管理される場合には、再生方法の種類は更に多岐にわたり、例えば、1つのフォルダのみを対象としたランダム再生や、フォルダの別を問わない全フォルダを対象としたランダム再生等の複数のフォルダならではの再生方法がある。
【0004】
そして、この種のオーディオ再生装置においては、ユーザの要求に応じて複数の再生方法を表示部に択一的に選択可能に表示した上で、ユーザ操作によって選択された再生方法による楽曲の再生を行うことが可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−190471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来は、記録媒体に記録されている楽曲が1曲のみの場合やフォルダが1つのみの場合においても、このような事情を考慮せずに再生方法を表示していたため、ユーザが、曲数やフォルダ数との関係から無意味な再生方法を選択してしまう場合があるといった問題が生じていた。
【0007】
図6は、このような問題点を有する従来のオーディオ再生装置の動作の一例を示したものである。
【0008】
すなわち、まず、図6のステップ1(ST1)は、CD(CDDA)に収録されている1曲のみの楽曲が、再生の進行時間を示す再生進行表示画面1の表示をともないつつノーマル再生によって再生されている状態を示している。次いで、ステップ2(ST2)は、ステップ1(ST1)から、ユーザがメニュー呼び出し操作を行うことによってセットアップメニュー画面2が表示された状態を示している。そして、従来は、このようなセットアップメニュー画面2において、メニュー項目の1つである再生方法の設定(図6における「Play mode」)を選択すると、ステップ3(ST3)に示すような再生方法設定画面3が表示されるようになっていた。
【0009】
ここで、ステップ3(ST3)に示すように、再生方法設定画面3には、リピート再生(図6における「Repeat one track」)およびランダム再生(図6における「Random all])の各再生方法が、ユーザ操作によって選択可能に表示されている。
【0010】
そして、このような再生方法設定画面3において、ランダム再生が選択されると、ステップ4(ST4)に示すように、ランダム再生が設定された状態の再生進行表示画面4が表示され、現在再生中の楽曲の次曲からは、CD内のトラック番号にとらわれないランダム再生が開始されることになる。
【0011】
しかし、前述のように、CDには楽曲が1曲しか収録されておらず、ランダム再生が開始されたとしても同じ楽曲の再生が繰り返されるだけであるので、ランダム再生を選択した意味は全くない。また、仮に、再生方法設定画面3においてリピート再生を選択する場合においても、カーオーディオ機器のような記録媒体に記録されている全楽曲の再生終了後に自動的に最初の楽曲から再生を繰り返す機能を持ったオーディオ再生装置の場合には、ユーザが何ら操作を行わずともリピート再生と同じ再生動作が行われるため、敢えてリピート再生を選択する意味はない。
【0012】
さらに、前述のように、記録媒体の記録内容を考慮せずに再生方法を表示することは、ユーザに無意味な操作を行わせるといった問題ばかりでなく、このような無意味な操作の結果として、ユーザが再生方法の選択によって期待したものとは異なる再生結果(例えば、ランダム再生を選択した筈なのに直前に再生されていた楽曲と同じ楽曲の再生が繰り返される等)が得られることによって、ユーザに混乱や不信感を招くといった問題をも生じさせていた。
【0013】
また、たとえ、プレイリスト等によって曲数やフォルダ数を事前に確認した場合においても、複数曲または複数のフォルダを対象とした再生方法が表示された場合には、実際に適用できない再生方法を目にすることになるため、混乱や不信感が生じることに変わりはなく、また、適用できないことを確認しておきながらも、実際にそのような再生方法が選択可能に表示されれば、選択するための操作を行うように心理がはたらく可能性も十分にあった。
【0014】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢を、記録媒体におけるオーディオデータの記録状態に適合したものに限定することによって、ユーザに無意味な操作を行わせることを未然に回避することができるとともに、ユーザに混乱や不信感を招くことを有効に防止することができるオーディオ再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するため、本発明に係るオーディオ再生装置は、記録媒体に記録されているオーディオデータを所定の再生方法によって再生する再生手段と、前記オーディオデータの再生方法を表示部に選択可能に表示する再生方法表示手段とを備え、前記再生手段は、前記再生方法表示手段によって選択可能に表示された前記再生方法のうちの選択された前記再生方法による前記オーディオデータの再生が可能とされたオーディオ再生装置であって、前記記録媒体に、前記オーディオデータの付加情報が記録され、前記付加情報に基づいて、前記オーディオデータを管理するために前記記録媒体に記録されているフォルダの数を検出する第1の検出手段と、この第1の検出手段によって検出された前記フォルダの数が1つである場合に、前記再生方法表示手段に対して、複数の前記フォルダを対象とした前記再生方法の選択可能な表示を禁止するための第1の表示制御を行う第1の表示制御手段とを備えたことを特徴としている。そして、このような構成によれば、記録媒体に記録されているフォルダの数が1つである場合には、複数のフォルダを対象とした再生方法の選択可能な表示を禁止することができるので、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢を、記録媒体におけるフォルダの記録数に適合したものに予め限定することができる。この結果、ユーザに無意味な操作を行わせることを未然に回避することができるとともに、ユーザに混乱や不信感を招くことを有効に防止することができる。
【0016】
また、前記複数のフォルダを対象とした再生方法は、前記複数のフォルダのうちの1つの前記フォルダのみを対象としたリピート再生、前記複数のフォルダの全てを対象とした前記フォルダの別を問わないランダム再生および前記複数のフォルダの全てを対象としたサーチ再生の少なくとも1つを含んでもよい。そして、このような構成によれば、記録媒体に記録されているフォルダの数が1つである場合には、複数のフォルダのうちの1つのフォルダのみを対象としたリピート再生、複数のフォルダの全てを対象としたフォルダの別を問わないランダム再生および複数のフォルダの全てを対象としたサーチ再生の少なくとも1つを、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢から除外することができる。
【0017】
さらに、前記第1の表示制御は、前記複数のフォルダを対象とした再生方法を、非表示または選択不能な状態でグレイアウト表示するための制御とされていてもよい。そして、このような構成によれば、複数のフォルダを対象とした再生方法を選択するための操作が行われることを確実に防止することができる。
【0018】
さらにまた、前記付加情報に基づいて、前記オーディオデータの数を検出する第2の検出手段と、この第2の検出手段によって検出された前記オーディオデータの数が1つである場合に、前記再生方法表示手段に対して、複数の前記オーディオデータを対象とした前記再生方法の選択可能な表示を禁止するための第2の表示制御を行う第2の表示制御手段とを備えてもよい。そして、このような構成によれば、記録媒体に記録されているオーディオデータの数が1つである場合には、複数のオーディオデータを対象とした再生方法の選択可能な表示を禁止することができるので、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢を、記録媒体におけるオーディオデータの記録数に適合したものに限定することができる。この結果、ユーザに無意味な操作を行わせることや、混乱および不信感を招くことを更に有効に防止することができる。
【0019】
また、前記複数のオーディオデータを対象とした再生方法は、リピート再生、ランダム再生およびサーチ再生の少なくとも1つを含んでもよい。そして、このような構成によれば、記録媒体に記録されているオーディオデータの数が1つである場合には、リピート再生、ランダム再生およびサーチ再生の少なくとも1つを、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢から除外することができる。
【0020】
また、前記第2の表示制御は、前記複数のオーディオデータを対象とした再生方法を、非表示または選択不能な状態でグレイアウト表示するための制御とされていてもよい。そして、このような構成によれば、複数のオーディオデータを対象とした再生方法を選択するための操作が行われることを確実に防止することができる。
【0021】
さらに、前記オーディオデータは楽曲であり、前記オーディオデータの数は曲数であってもよい。そして、このような構成によれば、ユーザに提示する楽曲の再生方法の選択肢を、記録媒体における楽曲の記録数に適合したものに限定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザに提示するオーディオデータの再生方法の選択肢を、記録媒体におけるオーディオデータの記録状態に適合したものに限定することによって、ユーザに無意味な操作を行わせることを未然に回避することができるとともに、ユーザに混乱や不信感を招くことを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態を示す構成図
【図2】本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態において、楽曲データを含むデータ構造を示す概念図
【図3】本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態において、フォルダによる楽曲データの管理状態を示す概念図
【図4】本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態を示すフローチャート
【図5】本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態において、再生方法の表示例を示す模式図
【図6】従来のオーディオ再生装置による再生方法の表示動作の一例を示す工程図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るオーディオ再生装置の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態におけるオーディオ再生装置7は、CD等の記録媒体8がターンテーブル等の所定の搭載部に搭載可能とされている。
【0026】
また、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、データ読み取り部10を有しており、このデータ読み取り部10は、記録媒体8に記録されているデータを読み取るようになっている。
【0027】
さらに、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、再生手段としての再生処理部14を有している。この再生処理部14は、データ読み取り部10に、記録媒体8に記録されているオーディオデータとしての楽曲データを、設定された再生方法に応じた順番で読み取らせるとともに、読み取らせた楽曲データを順次データ読み取り部10から取得するようになっている。
【0028】
さらにまた、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、スピーカ等からなる音声出力部15を有しており、再生処理部14は、データ読み取り部10から取得した楽曲データを当該音声出力部15を介して音声出力することによって、楽曲データに該当する楽曲の再生を行うようになっている。
【0029】
また、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、表示部12を有しており、再生処理部14は、楽曲データに付加されている画像情報(例えば、曲名やアーティスト名等)や、楽曲の再生中に表示すべき画像情報(例えば、再生進行表示画面1等)を、当該表示部12に表示するようになっている。
【0030】
さらに、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、操作画面表示処理部13を有しており、この操作画面表示処理部13は、楽曲の再生のための各種の操作画面を表示部12に表示するようになっている。
【0031】
さらにまた、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、操作画面表示処理部13の一部として、再生方法表示手段としての再生方法表示処理部16を有しており、この再生方法表示処理部16は、楽曲の再生方法を、表示部12に選択可能に表示するようになっている。このような再生方法の表示は、図6の場合と同様に、メニュー呼び出し操作によって表示されるセットアップメニュー画面2上に行うようにしてもよい。
【0032】
また、図1に示すように、オーディオ再生装置7は、操作部11を有しており、この操作部11によって、楽曲の再生のための各種のユーザ操作が可能とされている。
【0033】
さらに、再生処理部14には、再生方法表示処理部16によって表示された再生方法のうちの操作部11の操作によって選択された1つの再生方法が設定されるようになっている。そして、再生処理部14は、このようにして設定された再生方法によって、記録媒体8に記録されている楽曲の再生を行うようになっている。ただし、再生処理部14は、このような再生方法の選択が行われない場合においても、初期設定された再生方法(通常は、ノーマル再生)によって楽曲を再生することが可能とされていてもよい。
【0034】
このような構成を備えた上で、更に、本実施形態におけるオーディオ再生装置7は、図1に示すように、第1の検出手段としての検出部17を有している。この検出部17は、楽曲データを管理するために記録媒体8に記録されているフォルダの数を検出するようになっている。
【0035】
ここで、楽曲データは、例えば、図2に示すようなデータ構造を構成している。すなわち、図2に示すように、楽曲データは、リードイン領域、PVD(Primary Volume Descriptor:主ボリューム記述子)、パステーブル、フォルダ(ディレクトリ)およびリードアウト領域とともに、セッションを構成している。このセッションの各構成部のうち、リードイン領域には、付加情報の1つとしてのTOC(Table of Contents)情報が記述されており、このTOC情報は、トラックの数すなわち楽曲の曲数、各楽曲データの開始位置および楽曲データの領域の合計の長さ等を示している。また、PVDには、ボリュームの属性やルートフォルダの位置等が記述されている。さらに、パステーブルには、付加情報の1つとして、ルートフォルダを含むすべてのフォルダの場所を示す情報が記述されている。なお、フォルダは、図3に示すように、記憶媒体8に記憶されている複数の楽曲を、例えば、アーティスト別等の複数のグループごとに管理するようになっている。
【0036】
そして、このようなデータ構造を前提として、検出部17は、付加情報としてのパステーブルの記述情報をデータ読出し部10を介して記録媒体8から取得し、取得されたパステーブルの記述情報に基づいて、記録媒体8内のフォルダ数を検出するようになっている。このようなフォルダ数の検出は、例えば、全楽曲の再生の開始前に行われるデータ読み取り部10によるリードイン領域の読み取りの際に、これにあわせて行うようにしてもよい。
【0037】
図1に戻って、更に、本実施形態におけるオーディオ再生装置7は、第1の表示制御手段としての表示制御部18を有している。この表示制御部18は、検出部17によって検出されたフォルダ数が1つである場合には、再生方法表示処理部16に対して、複数のフォルダを対象とした再生方法の選択可能な表示を禁止するための第1の表示制御を行うようになっている。
【0038】
これにより、再生方法表示処理部16による複数のフォルダを対象とした再生方法の選択可能な表示が禁止されることになる。一方、検出部17によって検出されたフォルダ数が複数である場合には、複数のフォルダを対象とした再生方法の選択可能な表示は禁止されないことになる。
【0039】
ここで、複数のフォルダを対象とした再生方法としては、複数のフォルダのうちの1つのフォルダのみを対象としたリピート再生、複数のフォルダの全てを対象としたフォルダの別を問わないランダム再生および複数のフォルダの全てを対象としたサーチ再生の少なくとも1つを採用することができる。ただし、複数のフォルダを対象とした再生方法としてリピート再生を採用する場合には、オーディオ再生装置7が、全楽曲の再生終了後に再び先頭の楽曲から順に再生を繰り返す動作を自動的に行う機能を有することが前提となる。なお、カーオーディオ機器には、この種の機能が備えられていることが多い。
【0040】
また、第1の表示制御は、複数のフォルダを対象とした再生方法を、非表示(勿論、選択不能)または選択不能な状態にグレイアウト表示するための制御であってもよい。この場合に、非表示またはグレイアウト表示される再生方法については、カーソル23(図5参照)をスキップさせること等によって再生方法設定画面20上で指定できないようにするか、もしくは、指定できたとしても、確定操作(選択操作)が無効となるようにしてもよい。
【0041】
上記構成に加えて、さらに、検出部17を第2の検出手段として機能させて、付加情報としてのTOC情報に基づいて、記録媒体8内の楽曲データの曲数を検出してもよい。このような曲数の検出は、リードイン領域の読み取りの際に行うようにすればよい。
【0042】
そして、この場合に、検出部17によって検出された曲数が1曲である場合には、表示制御部18を第2の表示制御手段として機能させて、表示制御部18により、再生方法表示処理部16に対して、複数曲の楽曲を対象とした再生方法の選択可能な表示を禁止するための第2の表示制御を行うようにすればよい。
【0043】
ここで、複数曲の楽曲を対象とした再生方法としては、リピート再生、ランダム再生およびサーチ再生の少なくとも1つを採用することができる。
【0044】
また、第2の表示制御は、複数曲の楽曲を対象とした再生方法を、非表示または選択不能な状態でグレイアウト表示するための制御であってもよい。
【0045】
なお、オーディオ再生装置7を構成する前述した操作部11としては、リモコン、ディスプレイのタッチパネルまたは音声入力用のマイクロホン等を用いることができる。また、データ読み取り部10としては、光ピックアップ装置等を用いることができる。さらに、再生処理部14、再生方法表示処理部16、検出部17および表示制御部18の各構成部については、これらの機能を実行するためのプログラムやデータが格納されたROM、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUおよびこのCPUの処理結果の一時的な保存を行うRAM等によって構成することができる。
【0046】
次に、本実施形態の作用の一例について、図4を参照して説明する。
【0047】
本実施形態においては、まず、図4のステップ11(ST11)において、検出部17により、記録媒体8に記録されている付加情報を、データ読み取り部10を介して記録媒体8から取得する。
【0048】
次いで、ステップ12(ST12)において、検出部17により、ステップ11(ST11)において検出された付加情報に基づいて、記録媒体8に記録されている楽曲の曲数およびフォルダ数を検出する。
【0049】
次いで、ステップ13(ST13)において、表示制御部18により、前述したメニュー呼び出し操作があったか否かを判定する。なお、このステップ13(ST13)の時点において、既に、初期設定された再生方法(例えば、ノーマル再生)による楽曲の再生が行われていてもよい。そして、ステップ13(ST13)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ14(ST14)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)を繰り返す。
【0050】
次いで、ステップ14(ST14)において、操作画面表示処理部13により、図6に示したものと同様のセットアップメニュー画面2を表示部12に表示する。
【0051】
次いで、ステップ15(ST15)において、再生方法表示処理部16により、セットアップメニュー画面2において再生方法の設定が選択されたか否かを判定する。そして、このステップ15(ST15)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ16(ST16)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に進む。
【0052】
ここで、まず、ステップ16(ST16)〜ステップ18(ST18)までの一連の処理について先に説明すると、まず、ステップ16(ST16)において、表示制御部18により、ステップ12(ST12)における検出結果に基づいて、記録媒体8に記録されているフォルダの数が1つであるか否かを判定する。そして、ステップ16(ST16)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ17(ST17)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進む。
【0053】
次いで、ステップ17(ST17)において、表示制御部18により、ステップ12(ST12)における検出結果に基づいて、記録媒体8に記録されている楽曲の曲数が1曲であるか否かを判定する。そして、ステップ17(ST17)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ18(ST18)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ19(ST19)に進む。
【0054】
次いで、ステップ18(ST18)において、表示制御部18による第1および第2の表示制御の下で、再生方法表示処理部16による再生方法の表示を行って処理を終了する。この場合には、複数のフォルダおよび複数曲を対象とした再生方法は、選択可能な表示対象から除外されることになる。
【0055】
次に、ステップ19(ST19)以降の処理について説明すると、まず、ステップ19(ST19)においては、表示制御部18による第1の表示制御の下で、再生方法表示処理部16による再生方法の表示を行って処理を終了する。この場合には、複数のフォルダを対象とした再生方法は、選択可能な表示対象から除外されることになる。ここで、図5は、このようなステップ19(ST19)における再生方法の表示例として、或る1曲の楽曲が再生中の場合における再生方法設定画面20の表示例を示したものである。図5の再生方法設定画面20においては、現在楽曲を再生中のフォルダを対象としたリピート再生(図5における「Repeat one Folder」)と、全てのフォルダを対象としたフォルダの別を問わないランダム再生(「Random all」)とが、グレイアウトされて選択不能となっている。なお、選択不能な再生方法には、全フォルダを対象としたスキャン再生を加えてもよい。一方、ノーマル再生(「Normal play」)、現在再生中の楽曲を対象としたリピート再生(「Repeat one track」)および現在楽曲を再生中のフォルダを対象としたランダム再生(「Random in Folder」)は、選択可能な状態に通常表示されている。
【0056】
一方、ステップ20(ST20)においては、表示制御部18による表示制御は行わずに、再生方法表示処理部16による再生方法の通常表示を行って処理を終了する。この場合には、複数のフォルダを対象とした再生方法や、複数曲を対象とした再生方法も表示されることになる。ただし、フォルダが複数の場合であっても、各フォルダ内の楽曲がそれぞれ1曲ずつの場合には、現在楽曲を再生中のフォルダを対象としたランダム再生(「Random in Folder」)を、選択可能な表示対象から除外すればよい。
【0057】
また、ステップ21(ST21)においては、操作画面表示処理部13により、セットアップメニュー画面2において再生方法の設定以外のメニュー項目が選択されたか否かを判定する。そして、ステップ21(ST21)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ22(ST22)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ15(ST15)に戻る。
【0058】
次いで、ステップ22(ST22)において、操作画面表示処理部13により、ステップ21(ST21)において選択されたと判定されたメニュー項目に応じた新たな操作画面を表示して処理を終了する。
【0059】
以上述べたように、本実施形態によれば、ユーザに提示する楽曲の再生方法の選択肢を、記録媒体8における楽曲の記録状態に適合したものに限定することができるので、ユーザに無意味な操作を行わせることを未然に回避することができるとともに、ユーザに混乱や不信感を招くことを有効に防止することができる。
【0060】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0061】
例えば、本発明は、カーナビと一体型のカーオーディオ機器等の移動体用のオーディオ再生装置に適用することもできるし、また、ホーム用等の据え置き型のオーディオ再生装置に適用することもできる。
【0062】
また、記録媒体としては、CDエクストラ/エンハンスドCD等の前述したCDDA以外のCDを採用することもできるし、さらに、USBやiPod(登録商標)等のCD以外のメディアを採用することもできる。
【0063】
さらに、フォルダ数および曲数の検出に用いる付加情報は、前述した実施形態に示したものに限定する必要はなく、メディアやデータ構造に応じた種々の付加情報(例えば、ID3タグ等)を用いることができる。
【符号の説明】
【0064】
7 オーディオ再生装置
8 記録媒体
12 表示部
14 再生処理部
16 再生方法表示処理部
17 検出部
18 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されているオーディオデータを所定の再生方法によって再生する再生手段と、
前記オーディオデータの再生方法を表示部に選択可能に表示する再生方法表示手段と
を備え、
前記再生手段は、前記再生方法表示手段によって選択可能に表示された前記再生方法のうちの選択された前記再生方法による前記オーディオデータの再生が可能とされたオーディオ再生装置であって、
前記記録媒体に、前記オーディオデータの付加情報が記録され、
前記付加情報に基づいて、前記オーディオデータを管理するために前記記録媒体に記録されているフォルダの数を検出する第1の検出手段と、
この第1の検出手段によって検出された前記フォルダの数が1つである場合に、前記再生方法表示手段に対して、複数の前記フォルダを対象とした前記再生方法の選択可能な表示を禁止するための第1の表示制御を行う第1の表示制御手段と
を備えたことを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項2】
前記複数のフォルダを対象とした再生方法は、前記複数のフォルダのうちの1つの前記フォルダのみを対象としたリピート再生、前記複数のフォルダの全てを対象とした前記フォルダの別を問わないランダム再生および前記複数のフォルダの全てを対象としたサーチ再生の少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のオーディオ再生装置。
【請求項3】
前記第1の表示制御は、前記複数のフォルダを対象とした再生方法を、非表示または選択不能な状態でグレイアウト表示するための制御とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーディオ再生装置。
【請求項4】
前記付加情報に基づいて、前記オーディオデータの数を検出する第2の検出手段と、
この第2の検出手段によって検出された前記オーディオデータの数が1つである場合に、前記再生方法表示手段に対して、複数の前記オーディオデータを対象とした前記再生方法の選択可能な表示を禁止するための第2の表示制御を行う第2の表示制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。
【請求項5】
前記複数のオーディオデータを対象とした再生方法は、リピート再生、ランダム再生およびサーチ再生の少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項4に記載のオーディオ再生装置。
【請求項6】
前記第2の表示制御は、前記複数のオーディオデータを対象とした再生方法を、非表示または選択不能な状態でグレイアウト表示するための制御とされていること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載のオーディオ再生装置。
【請求項7】
前記オーディオデータは楽曲であり、前記オーディオデータの数は曲数であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−53966(P2012−53966A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197671(P2010−197671)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】