説明

オーディオ装置、方法及びプログラム

【課題】オーディオ録再装置10は、楽曲情報データベースを格納するメモリカード22を着脱自在に装着され、リッピングの際、メモリカード22の楽曲情報データベースを検索して、リッピング対象の楽曲について楽曲名等の楽曲情報を取得し、該楽曲情報をタグに入れたオーディオファイルを記録先のメモリカード23に記録する。該オーディオファイルの楽曲再生時に、その楽曲情報が表示部13に的確に表示されるようにする。
【解決手段】オーディオ録再装置10の販売国仕向け及び機種(グレード)を読み込む(S59,S60)。楽曲情報データベースから取得する楽曲情報を、(a)販売国仕向けがヨーロッパである場合は、英語で(S62)、(b)販売国仕向け及び機種がそれぞれ日本及び上位機種である場合は、漢字で(S64)、(c)販売国仕向け及び機種がそれぞれ日本及び下位機種である場合は、読み仮名で(S65)、それぞれ取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベースより取得して該楽曲データに関連付けて記録するオーディオ装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、表示器にユーザ出身地のユーザ情報画面を表示し(特許文献1の図3のS1及び図4(a))、ユーザが検索ボタンを操作すると(特許文献1の図3のS2のSK)、楽曲情報データベースを検索して、出身地に関係する楽曲の曲名やアーティスト名を収集し(特許文献1の段落0032及び図3のS5)、それら曲名やアーティスト名を含むプレイリストを表示器に表示する(特許文献1の図3のS6,S7及び図4(c))ことを開示する。
【0003】
従来のオーディオ装置では、楽曲を録音元メディア(例:CDやDVD)から録音先メディア(例:SDカードやUSBメモリ)へ録音する際に、楽曲データベース(例:gracenoteやAMG LASSO等)へアクセスして、録音元メディアのTOC(Table of Contents)等の情報に基づき該楽曲データベースより楽曲名等の付加情報を取得して、該付加情報をタグ情報にした楽曲ファイルを録音先メディアに記録することが行われている。また、上記のような楽曲データベースにおいては、楽曲のタイトルやアーティスト名などが、アルファベットや全角漢字、全角平仮名、半角片仮名など複数の表示表記形式で登録されているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−84374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーディオ装置は種々のグレードや販売国のものが存在するが、それに装備されるマイコン及びそれが実行するプログラムはグレードや販売国に関係なく共通化されることが一般的である。これに対し、オーディオ装置が装備する表示器は、グレードに応じて読み仮名としての片仮名とアルファベットしか表示できなかったり、読み仮名やアルファベット以外に漢字や平仮名も表示できたりする。また、オーディオ装置の表示器は販売国のユーザの言語で文字を表示する。従来のオーディオ装置では、各楽曲に対しその付加情報を楽曲データベースから取得するものの、該付加情報の文字種を選別することはない。したがって、楽曲情報データベースから取得した付加情報を、漢字非対応の表示器に対して片仮名で表示できなかったり、漢字対応の表示器に対して漢字で表示できなかったり、アルファベット使用圏のオーディオ装置の表示器に漢字で表示したりする問題がある。
【0006】
特許文献1は、楽曲データベースからの付加情報の取得を開示するのみであり、的確な文字種の付加情報を楽曲データベースから選別、取得して、該付加情報を表示器対応の文字種で表示したり、メディアに記録したりする具体的手段について開示及び示唆していない。
【0007】
本発明の目的は、各楽曲に対して楽曲情報データベースから取得する付加情報を表示器に適切な文字種で表示できるようにしたオーディオ装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、自機に装備されている表示器の表示仕様情報(例:オーディオ装置のグレード情報や販売国情報)を判別し、楽曲情報データベースから取得する付加情報の文字種を表示仕様情報に基づき選別する。
【0009】
本発明のオーディオ装置は、楽曲データに対して、該楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベースより取得して、該付加情報を該楽曲データに関連付けて記録するものであり、次の手段を備える。
前記オーディオ装置の表示仕様情報を判別する表示仕様情報判別手段、及び
前記楽曲情報データベースから取得する前記付加情報を、前記表示仕様情報判別手段により判別した表示仕様情報に係る文字種で取得する文字種取得手段。
【0010】
本発明の制御方法は、楽曲データに対して、該楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベースより取得して、該付加情報を該楽曲データに関連付けて記録するオーディオ装置の制御方法であって、次のステップを備える。
前記オーディオ装置の表示仕様情報を判別する表示仕様情報判別ステップ、及び
前記楽曲情報データベースから取得する前記付加情報を、前記表示仕様情報判別ステップにおいて判別した表示仕様情報に係る文字種で取得する文字種取得ステップ。
【0011】
本発明のプログラムは本発明のオーディオ装置の各手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自機の表示仕様情報を判別し、判別した表示仕様情報に基づき文字種を選別して、楽曲情報データベースから付加情報を取得するので、表示器が対応している文字種で付加情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】オーディオ録再装置をその前方の斜め上方から見た斜視図である。
【図2】オーディオ録再装置のブロック図である。
【図3】文字種選別楽曲情報取得方法のフローチャートである。
【図4】漢字楽曲情報取得ルーチンのフローチャートである。
【図5】リッピングルーチンのフローチャートである。
【図6】オーディオ装置のブロック図である。
【図7】オーディオ装置制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1はオーディオ録再装置10をその前方の斜め上方から見た斜視図である。実際の使用時では、左右のスピーカ(図示せず)が、オーディオ録再装置10へ接続されて、オーディオ録再装置10からの音声信号に係る音を出力するようになっている。前面パネル11にはCDスロット12、表示部13、操作部14、メモリカードスロット15,16及びUSB差込口17が配備される。
【0015】
CDスロット12は、前面パネル11の上部に配置され、CDやDVDを挿抜自在に挿入される。表示部13は、CDスロット12の下に位置し、液晶、LED(Light Emitting Diode)又はFL管等から成り、情報をテキストや画像等で表示する。操作部14は、前面パネル11の右端部に配列された複数のボタンから成り、ユーザがオーディオ録再装置10へ指示を出す際に押下される。
【0016】
メモリカードスロット15,16は、表示部13の下方において左右に並んで配置され、メモリカード22,23をそれぞれ挿抜自在に挿入されるようになっている。メモリカード22,23は例えばSDカードやメモリスティック等のフラッシュメモリである。USB差込口17は、操作部14の下方に配置され、USBメモリ25を着脱自在に装着される。USB差込口17には、USBケーブルも接続可能であり、例えばポケット型デジタルオーディオプレーヤがUSBケーブルを介してオーディオ録再装置10へ接続可能になっている。
【0017】
図2はオーディオ録再装置10のブロック図である。セレクタ31は、システムマイコン34からの制御信号に基づき受信部(具体的には例えばラジオチューナ)35及びアナログ入力部36のどちらかを選択し、選択した方のアナログ信号をADC(アナログ/デジタル変換器)40へ出力する。CDメカ部42は、それへ装填されたCDから読み出したデータや所定の検出信号をデジタル形式でDSP(Digital Signal Processor)43へ送る。ADC40は、セレクタ31からのアナログ信号をデジタル信号へ変換して、DSP43へ出力する。
【0018】
表示部13は、システムマイコン34からの表示データに基づきテキスト等の情報を表示する。操作部14は、ユーザ操作のあったボタンに係る情報をシステムマイコン34へ出力する。操作部14は、オーディオ録再装置10の本体に配備するものとは別に、ワイヤレスリモコン装置に配備のものを含むことができる。
【0019】
システムマイコン34は、DSP43と共用する記憶部44に対し、データの読み書きを可能にしている。記憶部44は例えばハードディスク装置である。システムマイコン34は、CDメカ部42、操作部14及びDSP43からデータを入力され、それらからの入力に基づき所定の処理を行うとともに、表示部13、セレクタ31、CDメカ部42及びDSP43へデータや制御信号を出力する。
【0020】
DSP43は、エンコーダ及びデコーダを実装しており、エンコードやデコード等の種々の演算を実行する。メモリカード用インターフェース45,46及びUSBコントローラ47は、それぞれメモリカードスロット15,16及びUSB差込口17に対応しており、それぞれメモリカードスロット15,16及びUSB差込口17に差し込まれたメモリカード22,23及びUSBメモリ25に対してデータを読み書きする。USBコントローラ47には、USBメモリ25に代えて、USBケーブルの親側のコネクタを接続することもできる。
【0021】
DSP43は記憶部44との間でもデータを送受する。DSP43における処理対象ソースの選択は、ユーザによる操作部14における直接的なユーザ選択指示の他に、操作部14におけるワンタッチ録音指示等の所定のユーザ指示によっても行われる。
【0022】
記憶部44や装着中のメモリカード22,23及びUSBメモリ25に格納されているMP3(MPEG Audio Layer-3)やWMA(Windows(登録商標) Media Audio)等のオーディオファイル(典型的には楽曲ファイル)は、そのデータをDSP43により読み出されて、デコードされ、DAC(デジタル/アナログ変換器)51へ送られる。DAC51は、デジタルのオーディオ信号をアナログのオーディオ信号へ変換する。該オーディオ信号は、増幅部52において増幅されてから、出力部53へ供給される。出力部53にはスピーカ(図示せず)が接続されている。
【0023】
図3は文字種選別楽曲情報取得方法58のフローチャートである。文字種選別楽曲情報取得方法58は、例えば(a)オーディオ録再装置10の電源がオンになるつど、(b)CD又はDVDがCDスロット12に挿入されるつど、又は(c)リッピングルーチン80(図5)の開始を検出するのに伴い、該リッピングルーチン80の開始に先立ち、実行される。なお、文字種選別楽曲情報取得方法58の内、S59〜S61,S63の実行結果は、各オーディオ録再装置10において不変であるので、その実行結果の情報を、オーディオ録再装置10に内蔵される記憶部44等の不揮発性メモリに記憶しておけば、S59〜S61,S63は、工場出荷時かユーザがオーディオ録再装置10を最初に使用した時かに1回だけ、実行し、以降は、その実行結果の情報を該不揮発性メモリから読み出すだけで、済ませることができる。
【0024】
S59では、オーディオ録再装置10の販売国仕向けを読み込む。ここで販売国仕向けの情報を代入する変数を”simuke”とする。また、オーディオ録再装置10の販売国仕向けには、ヨーロッパと日本との2つがあると想定し、この例では、ヨーロッパ及び日本に対して0,1を割り当てる。S59の実施の結果、オーディオ録再装置10の販売国仕向けがヨーロッパ及び日本である場合には、simukeにはそれぞれ0,1が代入される。
【0025】
システムマイコン34がオーディオ録再装置10の販売国仕向けを判別する具体的な仕方としては、(a)システムマイコン34の所定の入力ポートに、販売国仕向けがヨーロッパであるか日本であるかに応じてそれぞれHigh,Lowが入力されるように仕組む仕方、又は(b)システムマイコン34がそのAD(アナログ/デジタル)入力ポートを介して所定箇所の電圧レベル(例:電源電圧)を検出する仕方がある。
【0026】
S60では、オーディオ録再装置10の機種を読み込む。ここで機種の情報を代入する変数を”model”とする。また、オーディオ録再装置10の機種はオーディオ録再装置10のグレードに対応しているとし、この例では、オーディオ録再装置10のグレードには上位及び下位の2つがあるとする。この例では、modelには、上位及び下位のグレードに対してそれぞれ0,1が割り当てられる。
【0027】
上位機種のオーディオ録再装置10における表示部13は、例えば液晶やLED等によるフルドット表示で漢字対応となっている。下位機種のオーディオ録再装置10における表示部13は、例えば5×7ドット表示(FL管表示装置)で漢字表示には非対応であり、アルファベットと読み仮名としての片仮名との表示のみに対応している。なお、典型的には、アルファベットと読み仮名としての片仮名との表示のみの対応とは、半角のアルファベットと半角の片仮名との表示のみの対応を意味する。また、典型的には、漢字表示対応とは、全角の漢字等の文字だけでなく、半角のアルファベット及び半角の片仮名の表示も可能であることを意味する。S60の実施の結果、オーディオ録再装置10の機種がそれぞれ上位及び下位である場合には、modelにはそれぞれ0,1が代入される。
【0028】
システムマイコン34がオーディオ録再装置10の機種を判別する具体的な仕方としては、オーディオ録再装置10の前述した販売国仕向けを判別する具体的な仕方と同じく、(a)システムマイコン34の所定の入力ポートに、機種が上位及び下位である場合には、それぞれHigh,Lowが入力されるように仕組む仕方、又は(b)システムマイコン34がそのAD(アナログ/デジタル)入力ポートを介して所定箇所の電圧レベルを検出する仕方がある。
【0029】
S61では、simukeが1であるか0であるかを判定し、1であれば、S63へ進み、0であれば、S62へ進む。S62では、関数GetTitle_Engを実行する。なお、ここで関数とは、C言語で言う関数を意味し、所定の引数を付けて関数を実行することにより、該関数に定義されている処理が実行されるとともに、所定の戻し値を返す。
【0030】
S63では、modelが1であるか0であるかを判定し、1であれば、S65へ進み、0であれば、S64へ進む。S64では、関数GetTitle_Kanjiを実行する。S65では、関数GetTitle_Yomiを実行する。
【0031】
図4は漢字楽曲情報取得ルーチン70のフローチャートである。漢字楽曲情報取得ルーチン70は、文字種選別楽曲情報取得方法58(図3)のS64の具体的処理内容になっている。S71では、CDがCDスロット12に挿入されたことに伴い、CDのTOC情報を取得する。
【0032】
S72では、TOC情報に基づき楽曲情報データベースを検索する。楽曲情報データベースは、例えば記憶部44に予め格納されていたり、メモリカード用インターフェース45又は46に適宜挿入するメモリカード22又は23(例:SDカードやメモリスティック等のフラッシュメモリ)に格納されている。楽曲情報データベースはインターネットやLANの所定のサーバに装備されているものであってもよい。その場合、オーディオ録再装置10は、ネットワークを介して該サーバへ接続される。
【0033】
S73では、S72における検索によりタイトルがヒットしたか否か、すなわち、当該TOC情報に対応するタイトルが楽曲情報データベースにおいて見つかったか否かを判定し、判定が正であれば、S74へ進み、否であれば、S76へ進む。S76では、タイトルがヒットしなかった旨を表示部13に表示する。
【0034】
S74では、ヒットしたタイトルを日本語漢字の文字種で取得する。文字種が漢字である場合、該漢字には、漢字だけでなく、平仮名、片仮名及びアルファベットの全部を含む。S75では、取得したタイトルを表示部13に表示する。
【0035】
漢字楽曲情報取得ルーチン70は、関数GetTitle_Kanjiの処理内容となっているが、関数GetTitle_Eng及び関数GetTitle_Yomiの処理内容は、漢字楽曲情報取得ルーチン70のS74がそれぞれ「ヒットしたタイトルを英語の文字種で取得する。」及び「ヒットしたタイトルを読み仮名の文字種で取得する。」に変更されるだけであり、他のステップは漢字楽曲情報取得ルーチン70と同一である。なお、この場合、読み仮名は片仮名である。
【0036】
図5はリッピングルーチン80のフローチャートである。S81では、リッピングが開始される。リッピングはユーザが操作部14における録音ボタンを押下するのに伴い開始される。リッピングは、操作部14における1回のユーザ操作で、CD内の1曲についてのみ実施される場合と、ユーザにより予めプログラムされた数曲について実施される場合と、全曲について実施される場合とがある。
【0037】
S82ではタイトル情報が有るか否かを判定する。S82の判定の具体的な仕方は、漢字楽曲情報取得ルーチン70(図4)においてS74を実施していたならば、S82の判定を正とし、S76を実施していたならば、S82の判定を否とするものである。
【0038】
S82の判定が否であれば、データベースを参照したタイトルを付与せずにリッピングデータを作成してリッピングルーチン80を終了する。この場合に、CDのトラックの音を録音してSDカード等に格納される録音ファイルとしてのMP3やWMA等の楽曲ファイルには、タイトルとして通番などが付与される。通番とは、楽曲ファイルが格納される記憶装置(例:SDカード)に記録順に付けられる番号であり、例えば、”001”,””002”,”003”,・・・である。
【0039】
S82の判定が正であれば、S83へ進む。S83では、リッピング対象の楽曲のファイルをSDカード(典型的には、楽曲関連情報データベースが格納されているメモリカード以外のメモリカード、又は同一のメモリカード内であって楽曲関連情報データベースが格納されているフォルダとは別のフォルダ。)、USBメモリ25又は記憶部44にWMAやMP3等の圧縮ファイル形式で格納するとともに、その際、タイトル情報を該ファイル内のタグ(例:MP3のID3タグ)の内容や、該ファイルを格納するフォルダの名前や、ファイル名(ファイル名の一部及び全部のどちらでも可)として付与する。
【0040】
リッピングにより作成された楽曲ファイルを格納したメモリカード22,23やUSBメモリ25は、その後、そのままオーディオ録再装置10に装着されたまま、楽曲の再生に使用されたり、メモリカードスロット15,16又はUSB差込口17から外されて、別のものと交換されてから、再度、装着されて、楽曲の再生に使用されたりする。楽曲ファイルに対応付けてID3タグ等に記録されている楽曲名等の楽曲情報は、該楽曲ファイルの再生の際に、表示部13に表示される。該楽曲情報は、また、ユーザが、アーティスト名、アルバム名、楽曲名又はジャンルに基づき所望の楽曲を検索する際の情報として使用されるとともに、該当楽曲のリストに含められて表示部13に表示される。
【0041】
リッピングによりSDカード等に記録したオーディオファイルに係る楽曲について該楽曲情報を表示部13に表示する時の該楽曲情報は、該楽曲情報を該楽曲に対応付けて該SDカード等に記録した時の文字種で表示部13に表示される。記録時の文字種は、表示部13の仕様に対応したものとなっているので、表示部13に表示される楽曲情報の文字種は、(a)オーディオ録再装置10の販売仕向け国がヨーロッパである場合は、英語となり、(b)オーディオ録再装置10の販売仕向け国及びグレードが日本及び上位である場合には、漢字となり、(c)オーディオ録再装置10の販売仕向け国及びグレードが日本及び下位である場合には、片仮名となる。
【0042】
図6はオーディオ装置90のブロック図である。オーディオ装置90の一例はオーディオ録再装置10である。オーディオ装置90は、楽曲データに対して、該楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベース95より取得して、該付加情報を該楽曲データに関連付けて記録する。オーディオ装置90は表示仕様情報判別手段91及び文字種取得手段92を備える。
【0043】
表示仕様情報判別手段91は、オーディオ装置90の表示仕様情報を判別する。文字種取得手段92は、楽曲情報データベース95から取得する付加情報を、表示仕様情報判別手段91により判別した表示仕様情報に係る文字種で取得する。
【0044】
表示仕様情報とは、例えば、オーディオ装置90のグレード情報及び/又は販売国情報である。オーディオ装置90のグレード情報は、オーディオ録再装置10の機種情報(図3のS60)に対応し、オーディオ装置90の販売国情報は、オーディオ録再装置10の販売国仕向け(図3のS59)に対応する。
【0045】
文字種とは、例えばアルファベット、漢字又は片仮名である。さらに、アルファベットを細かく分けて、文字種を販売国の国語に応じて英語や独語や仏語等とすることもできる。典型的には、漢字としての文字種には、アルファベット、平仮名及び片仮名も含まれるので、文字種が漢字としてオーディオ装置90の表示器に表示する付加情報には、漢字と共に、アルファベット、平仮名及び/又は片仮名が混在する場合がある。
【0046】
付加情報とは、例えば、楽曲データに係る楽曲についての楽曲名、アーティスト名、アルバム名及び/又はジャンル等の楽曲関連情報である。付加情報には、テキストの他に、テキストには含められない記号やジャケット写真等の画像を含めることができる。オーディオ装置90の表示仕様には、テキストのみ表示可の他に、画像表示も可の情報も含めることができる。
【0047】
付加情報の記録先は、例えば、オーディオ装置90が内蔵するメモリ(例:図1の記憶部44)、又はオーディオ装置90に着脱自在に装着されているフラッシュメモリ(例:図1のメモリカード22,23又はUSBメモリ25)である。付加情報は、典型的には、記憶装置に楽曲データに係るオーディオファイルに対応付けてオーディオファイルと共に記録される。対応付けとは、具体的には、例えば、(a)付加情報をオーディオファイルのタグとして格納したり、(b)オーディオファイルのファイル名の一部に含ませたりすることの他に、(c)オーディオファイルのフォルダの名前とすることである。(c)の場合、例えば、各楽曲について、楽曲名はファイル名の一部に含ませ、アルバム名は、ファイルを直接格納しているフォルダ名とし、アーティスト名はアルバム名のフォルダより1階層上のフォルダのフォルダ名とすることができる。
【0048】
楽曲情報データベース95は、典型的には、オーディオ装置90が内蔵するメモリ(例:図1の記憶部44)、又はオーディオ装置90に着脱自在に装着されているフラッシュメモリ(例:図1のメモリカード22,23又はUSBメモリ25)に格納されている。楽曲情報データベース95は、オーディオ装置90がインターネットやLAN等のネットワークを介して接続されるサーバに実装されているものであってもよい。
【0049】
好ましくは、文字種取得手段92は、所定の付加情報については、表示仕様情報判別手段91により判別した表示仕様情報に応じて取得したり、非取得としたりする。所定の付加情報とは、例えばジャケット写真等の画像である。オーディオ装置90が装備する表示器には、例えば液晶表示器やFL管表示器があり、ジャケット写真の画像は液晶表示器では表示可能であるが、FL管表示器では表示不可能である。したがって、オーディオ装置90が装備する表示器が液晶表示器のように表示仕様が画像対応のものであれば、画像の付加情報も取得する。これに対し、オーディオ装置90が装備する表示器がFL管表示器のように表示仕様が画像に非対応のものであれば、楽曲名等のテキストの付加情報は取得するものの、画像の付加情報については取得しないことにする。
【0050】
図7はオーディオ装置制御方法100のフローチャートである。オーディオ装置制御方法100はオーディオ装置90に適用される。S101では、オーディオ装置90の表示仕様情報を判別する。S102では、楽曲情報データベース95から取得する付加情報を表示仕様情報に係る文字種で取得する。
【0051】
S101,S102の処理は、オーディオ装置90(図5)の表示仕様情報判別手段91及び文字種取得手段92の機能にそれぞれ対応している。したがって、表示仕様情報判別手段91及び文字種取得手段92の機能について述べた具体的態様はS101,S102の処理についての具体的態様としても適用可能である。
【0052】
本発明を適用したプログラムは、コンピュータをオーディオ装置90の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、オーディオ装置制御方法100の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0053】
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、拡張ないし一般化の範囲で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を拡張ないし一般化の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【符号の説明】
【0054】
58:文字種選別楽曲情報取得方法、70:漢字楽曲情報取得ルーチン、90:オーディオ装置、91:表示仕様情報判別手段、92:文字種取得手段、100:オーディオ装置制御方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データに対して、該楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベースより取得して、該付加情報を該楽曲データに関連付けて記録するオーディオ装置において、
前記オーディオ装置の表示仕様情報を判別する表示仕様情報判別手段、及び
前記楽曲情報データベースから取得する前記付加情報を、前記表示仕様情報判別手段により判別した表示仕様情報に係る文字種で取得する文字種取得手段、
を備えることを特徴とするオーディオ装置。
【請求項2】
前記表示仕様情報は、前記オーディオ装置のグレード情報を含むことを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記表示仕様情報は、前記オーディオ装置の販売国情報を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のオーディオ装置。
【請求項4】
前記文字種取得手段は、所定の付加情報については、前記表示仕様情報判別手段により判別した表示仕様情報に応じて取得又は非取得とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオーディオ装置。
【請求項5】
楽曲データに対して、該楽曲データに関する付加情報を楽曲情報データベースより取得して、該付加情報を該楽曲データに関連付けて記録するオーディオ装置の制御方法において、
前記オーディオ装置の表示仕様情報を判別する表示仕様情報判別ステップ、及び
前記楽曲情報データベースから取得する前記付加情報を、前記表示仕様情報判別ステップにおいて判別した表示仕様情報に係る文字種で取得する文字種取得ステップ、
を備えることを特徴とするオーディオ装置制御方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のオーディオ装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−198675(P2010−198675A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40914(P2009−40914)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】