オーバラップ部および高拡張性を備えたステント
ステントは、第1の領域および第2の領域を有する管状本体を含んでなる。管状本体は複数の蛇行状のバンドによって画成される。蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された、複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなる。第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする、第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなる。第1の領域は、共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとはオーバラップしない蛇行状のバンドを含んでなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステントのような移植可能な医療用デバイス、該デバイスの製造、送達、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステントは体腔に導入される医療用デバイスであり、当分野において良く知られている。典型的には、ステントは、血管内の狭窄部位または動脈瘤部位に、管腔内を通して、すなわちいわゆる「侵襲性が最小限の技術」によって移植され、前記技術において、径方向に縮小された形態のステント(任意選択で、シースまたはカテーテルのうち少なくともいずれか一方により径方向に圧縮された形態に拘束されたステント)は、ステント送達システムまたは「イントロデューサ」によって該ステントが必要とされる部位に送達される。イントロデューサは、身体の外側のアクセス場所から、例えば患者の皮膚を通して、または入り口となる血管を軽微な外科的手段によって露出させる「カットダウン」技術によって、体内に入ることができる。
【0003】
ステント、グラフト、ステントグラフト、大静脈フィルタ、拡張式フレームワーク、および同様の移植可能な医療用デバイス(以降本明細書中ではステントと総称する)は、径方向に拡張可能な内部人工器官であり、該内部人工器官は典型的には経腔的に移植可能でありかつ経皮的導入後に径方向への拡大が可能である血管内インプラントである。ステントは、様々な体腔または脈管の中に、例えば血管系、尿路、胆管、ファロピアン管、冠状血管、二次血管(secondary vessel)などの内部に移植可能である。ステントは、自己拡張型であってもよいし、バルーン上に取り付けられた時などに内側からの径方向の力によって拡張されてもよいし、または自己拡張型およびバルーン拡張型の組み合わせ(ハイブリッド拡張型)であってもよい。
【0004】
ステントは、切削またはエッチングなどにより、管状の材料から、シート材から(同材は切削またはエッチングの後に巻加工される)、または1以上の織り合わせワイヤもしくはブレードから、設計物を得る方法によって作製されうる。
【0005】
脈管構造内では、狭窄が脈管の分岐部で生じることは珍しくない。分岐部とは、脈管構造の領域または身体の他の部分であって、第1の(または元の)脈管が2以上の分枝脈管に分岐する場所である。1または複数の狭窄性の病変がそのような分岐部で生じる場合、該病変は脈管のうち1つだけ(すなわち分枝脈管のうちいずれか、もしくは元の脈管)、脈管のうち2つ、または3つの脈管すべてを侵す場合がある。しかしながら多くの先行技術のステントは、ステントの適用が望まれる部位が並列しているか、または動脈もしくは静脈内の分岐部、例えば、哺乳類の大動脈が総腸骨動脈へと分かれる分岐部を横切って延びる場合に使用するには、完全に満足できるものではない。
【0006】
脈管分岐部に足場となる支持を提供することができる新規なステント設計物が依然として必要とされている。
本願のいかなる箇所で言及された米国特許および特許出願ならびにその他あらゆる出版刊行物も全て、参照によってその全体が本願に組み込まれる。
【0007】
本発明の範囲を限定することなく、本発明の特許請求の範囲に記載の実施形態のうちのいくつかについて以下に概要を説明する。概要を示した本発明の実施形態のさらなる細部、または本発明のさらなる実施形態のうち少なくともいずれかは、以降の発明の詳細な説明において見出すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができるステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、第1の領域および第2の領域を有する管状本体を含んでなる。管状本体は複数の蛇行状のバンドによって画成される。蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなる。第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなる。ステントの第1の領域に位置する蛇行状のバンドはそれぞれ、該ステントの長さについて別個の異なる部分を占める。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、第1の領域および第2の領域を有する管状本体を含んでなる。管状本体は複数の蛇行状のバンドによって画成される。蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなる。第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなる。第1の領域は、共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとオーバラップしない蛇行状のバンドを含んでなる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは第3の領域をさらに含んでなり、第3の領域は共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとオーバラップしない蛇行状のバンドを含んでなる。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、脈管分岐部のカリナを支持するように正しく配置することができる少なくとも1つの付属部をさらに含んでなる。
本発明を特徴づける上記およびその他の実施形態については、本明細書に添付され本明細書の一部をなす特許請求の範囲において詳細に挙げる。しかしながら、本発明、本発明の使用によって得られる本発明の利点および対象物について一層理解するために、本発明の実施形態が例示され説明されている、本明細書の別の部分を形成する図面および付随する記載事項を参照することができる。
【0013】
本発明の詳細な説明について、図面を具体的に参照しながら以降に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ステントの一実施形態の平面パターンを示す図。
【図2】ほとんど拡張していない状態のステントの実施形態を示す図。
【図3】第1の拡張状態にある図2のステントを示す図。
【図4】図3に示された第1の拡張状態よりも大きい第2の拡張状態にある、図2のステントを示す図。
【図5】脈管内で拡張されたステントの実施形態を示す図。
【図6】ステントの一部が分岐脈管の中へさらに拡張されている、図5のステントを示す図。
【図7】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図8】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図9】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図10】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図11】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図12】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図13】脈管分岐部において拡張されているステントの実施形態を示す図。
【図14】別の拡張段階にある図13のステントを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は様々な形態に具体化可能であるが、ここでは本発明の特定の好ましい実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理の例証であり、例示した特定の実施形態に本発明を限定するように意図するものではない。
【0016】
本開示に関しては、図中の類似の参照数字は、別途指摘のないかぎり類似の特徴を指すものとする。ある図において描出された要素は、必要に応じて別図で描出された要素と組み合わせることもできるし、または別図で描出された要素の代わりに用いることもできる。
【0017】
図1は、ステント10の実施形態の平面パターンを示す。図2は、図1に描出されたパターンによるステント10を示す。ステント10は基端14および先端16を有し、複数のセル12を有する略管状の本体を画成する複数の構造要素を含んでなる。構造要素は、複数の相互接続された蛇行状のバンド20をさらに画成する。隣接した蛇行状のバンド20は、少なくとも1つのコネクタ36によって接続される。
【0018】
蛇行状のバンド20はそれぞれ、折り返し部30によって接続された複数のストラット22を含んでなる。折り返し部30は蛇行状のバンド20の基端側に位置する基端側折り返し部32を構成してもよいし、蛇行状のバンド20の先端側に位置する先端側折り返し部34を構成してもよい。ストラット22はそれぞれ、基端側折り返し部32に接続される基端52と、先端側折り返し部34に接続される先端54とを含んでなる。
【0019】
ストラット22はそれぞれ、該ストラットの基端52と先端54との間に曲線状のパスをさらに含んでなり、従って少なくとも1つの湾曲部23を備えている。いくつかの実施形態では、ストラット22は、配向の異なる山部24および谷部26のような複数の湾曲部23を含む場合がある。山部24が所与の基準座標系から凸面であるとみなされる場合、谷部26は凹面であるとみなすことができる。山部24と谷部26との間の曲線状のパスに沿って、変曲点25が存在しうる。
【0020】
ストラット22の谷部26は、該ストラット22が接続する先端側折り返し部34よりも、該ストラット22が接続する基端側折り返し部32の近くに位置していてもよい。ストラット22の山部24は、該ストラット22が接続する基端側折り返し部32よりも、該ストラット22が接続する先端側折り返し部34の近くに位置していてもよい。
【0021】
ストラット22はそれぞれ、直線部分27をさらに含む場合がある。直線部分27は基端側直線部分28または先端側直線部分29を含んでなる。基端側直線部分28は、ストラット22の基端52と谷部26との間に位置することができる。先端側直線部分29は、ストラット22の山部24と先端54との間に位置することができる。
【0022】
ストラット22は、第1のストラット40または第2のストラット42を含んでなる。第1のストラット40は蛇行状のバンド20に沿って第2のストラット42と交互に並んでいてもよい。折り返し部30はそれぞれ、一端が第1のストラット40に接続し、他端が第2のストラット42に接続することができる。折り返し部30はそれぞれ、上方部分56および下方部分58をさらに含んでなる。当然ながら、この基準座標系において使用される「上方」および「下方」は、平面パターンのステント図面に関連して使用される場合に当てはまる相対的な用語であり、当業者であれば、別の基準座標系を有する三次元のステントフレームワークに適用される場合は相対的な位置付けが変化しうることを理解するであろう。
【0023】
いくつかの実施形態では、基端側折り返し部32の上方部分56は第1のストラット40の基端52に接続することができる。基端側折り返し部32の下方部分58は第2のストラット42の基端52に接続することができる。先端側折り返し部34の上方部分56は第2のストラット42の先端54に接続することができる。先端側折り返し部34の下方部分58は第1のストラット40の先端54に接続することができる。
【0024】
全ての第1のストラット40は同じように形作られた曲線状のパスを画成する。全ての第2のストラット42は同じように形作られた曲線状のパスを画成する。第1のストラット40によって画成された曲線状のパスは、第2のストラット42によって画成された曲線状のパスとは異なる。第2のストラット42の山部24および谷部26は、第1のストラット40の山部24および谷部26よりも互いに接近した位置にあってもよい。第2のストラット42の直線部分27は、第1のストラット40の直線部分27より長くてもよい。第1のストラット40の基端52は、先端54に対して長手方向および周方向にオフセットされていてもよく、その場合(図1に示すように)先端54は基端52の「上方に」位置し、オフセットの周方向の成分は第1の方向に配向しうる。第2のストラット42の基端52は、先端54に対して長手方向および周方向にオフセットされていてもよく、その場合(図1に示すように)先端54は基端52の「下方に」位置し、オフセットの周方向の成分は第2の方向に配向しうる。
【0025】
第1のストラット40の基端側直線部分28および先端側直線部分29はほぼ平行であってよい。第1のストラット40の直線部分27は、共通の蛇行状のバンド20に含まれる他の第1のストラット40、および異なる蛇行状のバンド20由来の他の第1のストラット40を含む、他の第1のストラット40の直線部分と平行であってよい。同様に、第2のストラット42の基端側直線部分28および先端側直線部分29はほぼ平行であってよい。第2のストラット42の直線部分27は、共通の蛇行状のバンド20に含まれる他の第2のストラット42、および異なる蛇行状のバンド20由来の他の第2のストラット42を含む、他の第2のストラット42の直線部分と平行であってよい。さらに、第1のストラット40の直線部分27は第2のストラット42の直線部分27と平行であってよい。
【0026】
蛇行状のバンド20に含まれる全ての基端側折り返し部32が、共通のステント外周18pに沿って整列していてもよい。蛇行状のバンド20に含まれる全ての先端側折り返し部34が、別の共通のステント外周18dに沿って整列していてもよい。ステント外周は、ステント中央の長手方向軸11に対して垂直に配置されるように意図されている。
【0027】
蛇行状のバンド20の全てのストラット22の全ての山部24が、ステント外周18pに沿ってほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の山部24はさらに、ステント外周18pに沿って、隣接した蛇行状のバンド20の基端側折り返し部32とほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の全てのストラット22の全ての谷部26が、ステント外周18dに沿ってほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の谷部26はさらに、ステント外周18dに沿って、隣接した蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34とほぼ整列していてもよい。
【0028】
隣接する蛇行状のバンド20がステント10の長さに沿って互いにオーバラップするように、蛇行状のバンド20が配置される。したがって、1つの共通のステント外周18aが、第1の蛇行状のバンド20aおよび第2の蛇行状のバンド20bと交差することができる。いくつかの実施形態では、共通のステント外周18aが第1の蛇行状のバンド20aの全てのストラット22および第2の蛇行状のバンド20bの全てのストラット22と交差するのに十分なオーバラップ部が存在しうる。第1の蛇行状のバンド20aの先端側折り返し部34は共通のステント外周18aより先端側に位置し、第2の蛇行状のバンド20bの基端側折り返し部32は共通のステント外周18aより基端側に位置することができる。
【0029】
蛇行状のバンド20のストラット22の谷部26は、ステント外周18に沿って、隣接する蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34とほぼ整列することができる。蛇行状のバンド20のストラット22の山部24は、ステント外周18に沿って、隣接する蛇行状のバンド20の基端側折り返し部32とほぼ整列することができる。
【0030】
蛇行状のバンド20はそれぞれ、ステント中央の長手方向軸11と平行な向きに測定されるバンド長21を有することができる。オーバラップする隣り合った蛇行状のバンド20は、ステント中央の長手方向軸11と平行な向きに測定されるオーバラップ長41を規定することができる。ステント10の様々な実施形態は様々な長さのオーバラップ長41を有することができる。いくつかの実施形態では、オーバラップ長41は、バンド長21の10%;15%;20%;25%;30%;35%または35%以上であってよい。
【0031】
図1のパターンによって作製されるステント10は、非らせん型ステントと見なされるはずである。隣り合った蛇行状のバンド20の間の上記オーバラップは、蛇行状のバンド20の配向が完全に周方向であって、蛇行状のバンド20の外周がステント10の実際の外周を構成し、実際の外周はステント10の中央の長手方向軸11に垂直に配置される場合に当てはまる。
【0032】
蛇行状のバンド20はそれぞれ複数のストラット対38を規定することができる。ストラット対38は、折り返し部30によって接続された第1のストラット40aおよび隣接する第2のストラット40bを含んでなる。したがって、ストラット対38は接続端44および非接続端46を備えている。いくつかのストラット対38では、接続された折り返し部30は基端側折り返し部32を構成することができる。いくつかのストラット対38では、接続された折り返し部30は先端側折り返し部34を構成することができる。
【0033】
1つの蛇行状のバンド20の第1のストラット対38aの一部は、隣接する蛇行状のバンド20の別のストラット対38bの一部の中に入れ子状になり得る。第1のストラット対38aの接続端44は、別のストラット対38bの非接続端46においてストラット22の間に入れ子状になり得る。このオーバラップ領域または入れ子領域は、第1のストラット対38aの接続された折り返し部30からストラット22の谷部26まで及び、かつ別のストラット対38bの非接続端46からストラット22の山部24まで及ぶことができる。
【0034】
隣り合った蛇行状のバンド20は、少なくとも1つのコネクタ36によって接続される。コネクタ36は、一方の蛇行状のバンド20の任意の適切な位置からもう一方の蛇行状のバンド20の任意の適切な位置までを橋渡しすることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36は折り返し部30に接続することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36はストラット22の一部に接続することができる。
【0035】
図1に示されるステント10の実施形態は、1つの蛇行状のバンド20の折り返し部32から隣接する蛇行状のバンド20のストラット22までを橋渡しするコネクタ36を備えている。より具体的には、コネクタ36は1つの蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34の上方部分56から、隣接する蛇行状のバンド20のストラット22の谷部26までを橋渡しする。
【0036】
コネクタ36は任意の適切な大きさおよび形状を有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36は、先行技術のステントの相互接続要素と比較して短いと考えることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36の幅は、折り返し部30およびストラット22のような他のステント要素と同じ幅である。いくつかの実施形態では、コネクタ36の幅は該コネクタの長さより大きくてもよい。
【0037】
蛇行状のバンド20は、ステント10の他の部分への接続点どうしの間、例えば第1の接続点65と第2の接続点66との間の自由ストラット長64を規定することができる。いくつかの実施形態では、接続点65,66は、蛇行状のバンド20がコネクタ36に接続する位置である。いくつかの実施形態では、第1の接続点65は、ステント10の長さに沿って蛇行状のバンド20の基端側に位置するステント構造への接続部からなり、第2の接続点66は、ステント10の長さに沿って蛇行状のバンド20の先端側に位置するステント構造への接続部からなる。自由ストラット長64は複数のストラット22および複数の折り返し部30を含んでなることが可能であり、いくつかの実施形態では、4つの折り返し部30および少なくとも4つのストラット22を含んでなる。自由ストラット長64は、蛇行状のバンド20の支持されていない長さ、または蛇行状のバンド20の接続されていない長さ、と述べることもできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、接続点65,66の間の自由ストラット長64に沿って移動した合計距離は、ステント10の外周18と等しいかまたはそれより長い。様々な実施形態において、ステントが公称の(すなわち製造されたとおりの、またはレーザ切削されたとおりの)拡張状態である場合、またはステントが圧縮されているかもしくは送達用の拡張状態である場合のうち少なくともいずれか一方において、前述のことが当てはまる。
【0039】
自由ストラット長64は、周方向の長さ成分68、すなわち円周方向に測定される接続点65,66の間の距離を規定する。「自由ストラット長:周方向の長さ成分」の比を、様々な自由ストラット長64について挙げることが可能である。様々な実施形態において、その比は1:1、2:1、7:3、3:1、4:1、5:1またはそれ以上であってよい。図1に描かれた、強調表示された自由ストラット長64については、比はおよそ4.67:1であるように意図されている。自由ストラット長64および周方向の長さ成分68を計測する目的に関しては、図1はステント10のいくつかの実施形態についての縮尺拡大図と見なすことができる。
【0040】
自由ストラット長64は複数の変曲域62を規定し、各変曲域62は、蛇行状のバンド20の凹面が交代する変曲点25を包含している。自由ストラット長64は任意の適切な数の変曲域62を備え、いくつかの実施形態では5、7もしくは9箇所またはそれ以上の変曲域62を備えることができる。例えば、図1の自由ストラット長64の実施形態には9箇所の変曲域62が印付けられている。
【0041】
図2は、図1に示されるパターンに従って形成されたステント10を圧縮状態または送達状態で示している。ステント10は大きく拡張することができる。
図3は、図2のステント10を第1の拡張状態で示している。第1の拡張状態のステント10の直径は、送達状態のステント10の直径のおよそ1.9倍である。隣り合った蛇行状のバンド20は、ステント10の長さに沿って引き続きオーバラップしている。1つの共通のステント外周18aは、第1の蛇行状のバンド20aおよび隣接する第2の蛇行状のバンド20bと引き続き交差することができる。いくつかの実施形態では、共通のステント外周18aが第1の蛇行状のバンド20aのすべてのストラット22および第2の蛇行状のバンド20bのすべてのストラット22と交差するのに十分なオーバラップ部が存在しうる。
【0042】
図4は、第1の拡張状態よりも大きい第2の拡張状態の、図2のステント10を示す。第2の拡張状態のステント10の直径は、送達状態のステント10の直径のおよそ2.7倍である。第2の拡張状態であっても、1つの共通のステント外周18aは第1の蛇行状のバンド20aおよび隣接する第2の蛇行状のバンド20bと引き続き交差することができる。
【0043】
ステント10は、図4に描かれた第2の拡張状態をはるかに越えて拡張することができる。比「圧縮直径:拡張直径」は、ステント10のいくつかの実施形態については1:5.1またはそれ以上の大きさであり、該ステント10は、適切な形状および機能性、ならびに脈管壁に適切な足場となる支持を提供する能力を維持している。したがって、拡張比は、「過剰拡張」になりつつあるステントを除いて実際に当てはまる。注目すべきことは、本明細書中に記載のステント10が、関連する軸方向の10%以下の短縮を伴うそのような拡張能力を有することである。さらに、言及されるステント直径は一般にステントの外径(すなわち圧縮された外径:拡張された外径)と見なすことができるが、いくつかの実施形態では、本明細書中でなされる記述が内径(すなわち圧縮された内径:拡張された内径)について述べる場合もある。
【0044】
ステント10はさらに、該ステントの長さに沿って拡張量の程度を変えることができる。例えば、ステント10の第1の部分は図4に従って拡張され、ステント10の第2の部分はさらに大きく拡張される場合もある。第1の部分および第2の部分は、ステント10の長さに沿って互いに直接隣り合っていてもよい。したがって、ステント10は脈管分岐部において特に有用である。
【0045】
ステント10はさらに、小児における使用に特に適している。小児が年を重ねて身体的に脈管が成長するにつれて、過去に移植されたステントが1回または複数回の追加の拡張手術を必要とする場合がある。ステント10の高い拡張能力は、かつては別のより大きな置換ステントが必要であった状態においてステント10が使用されるのを可能にする。
【0046】
図5は、分岐部の近くで主要脈管70の内に配置されたステント10の実施形態を示す。ステント10は、例えば図4に示されるような第2の拡張状態とほぼ等しい拡張状態にある。ステント10の直径/大きさは、主要脈管70の直径/大きさ71とほぼ等しい。
【0047】
ステント10は、例えば図6に示されるように、側枝脈管72の中へと拡張して側枝脈管72を支持することが可能な構造を備えている。この適切な構造は、例えば、第1および第2の可膨張部分を有するバルーンを使用して拡張することができる。第1の可膨張部分はステント10の主要な円筒状フレームワークを拡張させるために使用することができる。第1の可膨張部分とは別々に膨張可能な第2の可膨張部分は、ステント構造の一部を側枝脈管72の中へと拡張させるために使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態(図示せず)では、ステント10に、第2のステントを受承する側枝開口部が提供される場合もある。該ステント10は、側枝開口部が側枝脈管72に近接して配置される状態で主要脈管70の内部に配置されうる。第2のステントは、側枝脈管72の内部に配置されて主要ステント10と係合されうる。
【0049】
図6は、図5のステント10を示しており、このステント10の第1の部分76は第1の拡張状態を維持し、第2の部分78は側枝脈管72の中へとさらに拡張されている。側枝脈管72の中へ伸びているステント構造は、反対側の入口部の側壁74に支持を提供する。ステント10は、第2の部分78の領域では、主要脈管70の大きさを越えた大きさ73に拡張される。したがって、第1の蛇行状のバンド20cは主要脈管70の中で第1の拡張状態に拡張され、第2の蛇行状のバンド20dは、側枝脈管72の中へと部分的に拡張されて、第2のより大きな拡張状態に拡張されることが可能であり、このとき第1の蛇行状のバンド20cおよび第2の蛇行状のバンド20dは、ステントの長さに沿って互いに直接隣り合っていてもよい。第1の蛇行状のバンド20cの相当部分がカリナ80の一側面に位置することが可能であり、第2の蛇行状のバンド20dの相当部分がカリナ80の他の側面に位置することが可能である。
【0050】
任意の蛇行状のバンド20の任意の適切な部分を側枝脈管72の中へと拡張することができる。したがって、特定かつ専用の側枝構造を有する先行技術のステントとは異なり、本発明のステント10は側枝脈管72に関していかなる特定の回転方向の位置にも配置させる必要がない。ステント10は、単に適切な長さ方向の位置に配置されればよく、結果的に側枝脈管72の近くに位置づけられた蛇行状のバンド20の部分が、側枝脈管72の中へと拡張されればよい。さらに、ステント10は2以上の分岐部を有する脈管位置において使用するのにも適している。
【0051】
ある場合には、専用の側枝構造が望ましいかもしれない。図7は、第1の部分84および第2の部分88を含んでなるステント10の実施形態に関する平面パターンを示す。第1の部分84は、本明細書中例えば図1に関して記述されるようなオーバラップしている蛇行状のバンド20およびステント構造を含んでなる。第2の部分88は、任意の適切なステント構造および部分的な側枝構造96を含んでなる。
【0052】
第2の部分88のステント構造は、蛇行状のバンド116およびコネクタ・ストラット120のパターンを含んでなる。蛇行状のバンド116は、例えば米国特許出願第11/262692号明細書(その全開示内容は参照により本願に組込まれる)に開示された様々なステント実施形態に関して記述されるような、折り返し部128により接続された交互に並んだ直線状ストラット93およびs字形ストラット94を含んでなる。
【0053】
部分的な側枝構造96は任意の適切なステント側枝構造を含んでなることが可能であり、いくつかの実施形態では複数の外側に展開可能な花弁構造98を含んでなる場合もある。ステント側枝構造の例は、例えば米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に記載されており、該明細書の全開示内容は参照により本願に組込まれる。
【0054】
部分的な側枝構造96は、該構造が側枝脈管を360度全体にわたって支持するようには意図されていないので「部分的な」構造と見なすことが可能であり、したがって部分的な側枝構造96は、先行技術において一般に示される「完全な」側枝構造が縮小されたものである。図7に描かれているように、部分的な側枝構造96はおよそ180度に拡張し、従って半クラウン構造と考えられるかもしれない。
【0055】
図7のステント10が脈管分岐部で拡張されると、第1の部分84は側枝脈管72の中へ伸びて反対側の入口部の側壁74を支持することができる(図6を参照)。部分的な側枝構造96は、カリナ80の近くで側枝脈管72の中へ展開することができる。したがって、ステント10の第1の部分84は側枝脈管72の第1の部分を支持し、部分的な側枝構造96は側枝脈管72の第2の部分を支持して、部分84および96がそれぞれ側枝脈管72に提供される支持全体のおよそ半分を提供する。このように、第1の部分84の支持と部分的な側枝構造96の支持との比は、ほぼ50:50である。ステント10の様々な実施形態により、部分84および96それぞれによって側枝脈管72に提供される支持の量を任意の適切な分配とすることができる。例えば、ステント10の様々な実施形態は、55:45、60:40、65:35、70:30など、また45:55、40:60、35:65、30:70などの支持比を有することができる。
【0056】
ステント10の様々な実施形態において、第1の部分84のステントパターンは、図7に描かれているよりも、全体的なステント構造のより多くの部分を構成してもよいし、全体的なステント構造のより少ない部分を構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分84は、部分的な側枝構造96に直接隣接している2つまたは3つの蛇行状のバンド20を含んでなるものでもよい。望ましくは、第1の部分84が占めるステント軸方向の長さは、部分的な側枝構造96が占めるステント軸方向の長さと等しいか、または部分的な側枝構造96が占めるステント軸方向の長さよりも長い。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の部分84の基端側および先端側の両方に第2の部分88の構造を備えていてもよい。さらに、部分的な側枝構造96および第1の部分84の接合部は、ステント10の長さに沿ってどの場所に位置付けられてもよく、いくつかの実施形態では図7に示されるようにほぼ中央である。
【0057】
図8は、ステント10の別の実施形態についての平面パターンを示す。ステント10は、例えば図1に関して本明細書中に記載されるような複数の蛇行状のバンド20を含んでなる。ステント10はさらに、部分的な側枝構造96および少なくとも1つの部分的な蛇行状のバンド82を含んでなる。部分的な蛇行状のバンド82は、ステント10の全周にわたって伸びずに、通常は部分的な側枝構造96に接続する。
【0058】
ステント構造は、任意の適切な方法を使用して側枝脈管の中に拡張させることができる。いくつかの実施形態では、例えば米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に記載されているような、第2の拡張可能な部分を有するバルーンを使用して、第2の部分78(図6を参照)および部分的な側枝構造96のうち一方または両方を拡張させることができる。側枝脈管の中に自動的に拡張するという点で、自己拡張型の実施形態も望ましい。
【0059】
図9は、ステント10の別の実施形態についての平面パターンを示し、該パターンでは、中央領域とは異なる構造的フレームワークのパターンを有する端部領域が設けられている。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の部分49、第2の部分50および第3の部分51を含んでなる。部分49,50,51はそれぞれ、ステント10の長さについて別個の部分を占めることができる。例えば、第2の部分50は中央領域を構成することができる。第1の部分49は、ステント10の基端14から第2の部分50までに及ぶことができる。第3の部分51は、第2の部分50からステント10の先端16までに及ぶことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は、第2の部分50のステント構造とは異なるステント構造を含んでなる。例えば、第1の部分49および第3の部分51は、互いに間隔を置いて配置された蛇行状のバンド116をそれぞれ含んでなり、第2の部分50は、互いにオーバラップした蛇行状のバンド20を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51の蛇行状のバンド116はそれぞれ、ステント10の長さについて別個の異なる部分を占める。
【0061】
望ましくは、第2の部分50は、例えば図1に関して本明細書中に記載されるような高い拡張能力を有する蛇行状のバンド20およびコネクタ36を含んでなる。
第1の部分49および第3の部分51はそれぞれ任意の適切なステント構造を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は互いに類似して形作られてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は互いに異なっていてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の部分49または第3の部分51のうち少なくともいずれか一方は、複数の蛇行状のバンド116および複数のコネクタ・ストラット120を含んでなる。蛇行状のバンド116はそれぞれ複数のバンド・ストラット122および複数の折り返し部128を含んでなる。蛇行状のバンド116に沿って移動するにつれて、バンド・ストラット122および折り返し部128が交互に並ぶことができる。折り返し部128は、交互に並んだ基端側山部124および先端側谷部126を構成することができる。各々の基端側山部124は一般に、ステント10の基端14に関しては凸面であり、ステント10の先端16に関しては凹面である。各々の先端側谷部126は一般に、ステント10の先端16に関しては凸面であり、ステント10の基端14に関しては凹面である。
【0063】
部分49,51はそれぞれ、任意の適切な数の蛇行状のバンド116を有することができる。様々な実施形態において、蛇行状のバンド116は、任意の適切な数のバンド・ストラット122および任意の適切な数の折り返し部128を有することができる。蛇行状のバンド116はそれぞれ、ステント10の長さに沿って任意の適切な距離を占めることができる。いくつかの実施形態では、ステント10は、異なる距離を占める複数の蛇行状のバンド116を含んでなる。蛇行状のバンド116の長さ方向の距離を大きくする1つの方法は、バンド・ストラット122の長さを大きくすることである。
【0064】
部分49,51の長さに沿って互いに隣接している蛇行状のバンド116は、少なくとも1つのコネクタ・ストラット120によって接続される。いくつかの実施形態では、コネクタ・ストラット120は、隣接している蛇行状のバンド116の折り返し部128の間を橋渡しする。いくつかの実施形態では、コネクタ・ストラット120は第1の種類のコネクタ・ストラット136および第2の種類のコネクタ・ストラット138を含んでなる。第1のコネクタ・ストラット136は第1の方向に伸びる。第1のコネクタ・ストラット136は、ステントの長さ方向軸11に対して第1の角度をなして配置されうる。第2のコネクタ・ストラット138は、第1の方向とは異なる、または第1の方向に平行ではない、第2の方向に伸びる。第2のコネクタ・ストラット138は、ステントの長さ方向軸11に対して第2の角度をなして配置されうる。
【0065】
いくつかの実施形態では、部分49,51の、2本の隣接した蛇行状のバンド116の間に位置する領域は、コネクタ・カラム144と考えることができる。コネクタ・カラム144は、それぞれ複数のコネクタ・ストラット120を含んでなる。いくつかの実施形態では、コネクタ・カラム144のコネクタ・ストラット120は、それぞれ互いに類似していてもよい。例えば、第1のコネクタ・カラム144aの中のコネクタ・ストラット120は、それぞれ第1の種類のコネクタ・ストラット136からなる。第2のコネクタ・カラム144bの中のコネクタ・ストラット120は、それぞれ第2の種類のコネクタ・ストラット138からなる。いくつかの実施形態では、第1のコネクタ・カラム144aおよび第2のコネクタ・カラム144bは、部分49,51の長さに沿って交互に並ぶことができる。
【0066】
折り返し部128は、折り返し部128がコネクタ・ストラット120に接続しているかどうかに応じて、接続折り返し部158または非接続折り返し部155を構成することができる。
【0067】
部分49,51のいずれかに使用するのに適した可能なステント構造のその他の例は、米国特許出願公開第2002/0095208号および米国特許出願第11/262692号明細書に開示されている。
【0068】
ステント10はさらに、第1の部分49と第2の部分50との間に第1の移行領域87、および第2の部分50と第3の部分51との間に第2の移行領域89を含んでなる。移行領域87,89はそれぞれ、該領域87,89の両側のステント構造に接続する少なくとも1つの移行コネクタ97を含むことができる。例えば、第1の移行領域87の移行コネクタ97は、一端が第1の部分49のステント構造に接続し、他端が第2の部分50のステント構造に接続することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、いずれの移行領域87,89も、単一の移行コネクタ97を含んでなる。いくつかの実施形態では、移行領域87,89は複数の移行コネクタ97を含んでなることもできる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の移行領域87の移行コネクタ97は第2の移行領域89の移行コネクタ97と同一の形状からなる。いくつかの実施形態では、第1の移行領域87の1以上の移行コネクタ97は、第2の移行領域89の移行コネクタ97の形状とは異なる形状からなることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、移行コネクタ97はその長さに沿って直線状であってよい。いくつかの実施形態では、移行コネクタ97はステントの長手方向軸11に対して角度をなして配置されうる。
【0072】
図9に示されるステント10は、例えば図13および14に示されるように脈管分岐部で展開配置させることができる。第2の部分50の蛇行状のバンド20は、ステント10の長さに沿ったオーバラップ部および比較的長い支持されていないストラット長を備えるように設計される。したがって、第2の部分50の蛇行状のバンド20は、分枝脈管72の中へと拡張して主要脈管70および分枝脈管72の両方を同時に支持すること、例えば反対側の入口部の側壁74を支持することができる。
【0073】
第1の部分49および第3の部分51の蛇行状のバンド116は、第2の部分50の構造パターンに比べてより従来型に近い構造パターンを含んでなる。概して、第1の部分49および第3の部分51の構造は、径方向の変形に対して第2の部分50よりも高い抵抗性を提供するが、より小規模にしか拡張できない。したがって、第2の部分50は側枝脈管72の中に拡張するように構築および配置される一方、第1の部分49および第3の部分51は脈管分岐部の両側で主要脈管70を支持するようにより高い強度を提供する。
【0074】
図10は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、ステント10は複数の付属部60をさらに含んでなる。付属部60は、図13および14に関して後述されるように、脈管分岐部のカリナを支持するように構築および配置することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、付属部60は非支持端または自由端61を含んでなる。いくつかの実施形態では、付属部60は、接続端57で蛇行状のバンド116に、例えば第1の部分49の蛇行状のバンド116に接続され、該付属部の全長にわたって支持されていない。したがって、いくつかの実施形態では、付属部60は単一の接続端57のみで他のステントフレームワークに接続することが可能であり、カンチレバー型構造を構成することができる。
【0076】
付属部60は移行領域87,89に位置することができる。いくつかの実施形態では、ステント10は、図10に示されるように第1の移行領域87に付属部60を備える。いくつかの実施形態では、ステント10は第1の移行領域87および第2の移行領域89の両方に付属部60を備えることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、付属部60は、第1の部分49の蛇行状のバンド116に接続されて、第2の部分50の中へ伸びることができる。いくつかの実施形態では、付属部60と、第2の部分50の少なくとも1つの蛇行状のバンド20のストラット22とが、共通のステント外周に沿ってオーバラップすることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、第1の部分49の蛇行状のバンド116の基端側山部124に接続端57で接続され、ステント10の先端16に向かって第1の移行領域87を横切って伸びる。
【0078】
いくつかの実施形態では、付属部60は直線状であってよい。いくつかの実施形態では、付属部60は、例えば湾曲部67を含んでなる曲線性を備えることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は複数の湾曲部67を含んでなることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、ステントの長手方向軸11と平行な向きに配向された1以上の部分を含んでなることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、ステントの長手方向軸11に対して角度をなして配向された少なくとも1つの部分を含んでなることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、付属部60の幅はその長さに沿って一定である。いくつかの実施形態では、付属部60の幅は、ステント10の蛇行状のバンド20,116のストラット22,122の幅とほぼ等しくてよい。いくつかの実施形態では、付属部60の幅は、ステント10の蛇行状のバンド20,116のストラット22,122の幅に近い、例えば該ストラット幅の80〜120%からなる幅であってよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、付属部60は、ステント10の他の部分に比べてより放射線不透過性の高い材料、例えば放射線不透過性のマーカーからなる材料を含んでなることが可能である。放射線不透過性の付属部60はステント留置の助力となることができる。
【0081】
図11は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、ステント10は複数の付属部60をさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、ステント10は、付属部60どうしの間を橋渡しする複数のリンク部材79をさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、リンク部材79は一端が付属部60に接続され、他端が周方向に隣接した付属部60に接続される。
【0082】
リンク部材79は移行領域87,89に位置することができる。いくつかの実施形態では、リンク部材79は、ステントの拡張/展開配置の際の接線方向の変形のような変形に対して、付属部60を強化することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、付属部の構造は蛇行状の構造85を構成することができる。様々な実施形態において、蛇行状の構造85の山部および谷部は角度のあるものでも曲線状であってもよく、また蛇行状の構造85は波形構造またはジグザグ型構造を含んでなることができる。付属部の構造はさらに、接続ストラット91および付属部先端ストラット95を備えることができる。接続ストラット91は、第1の部分49の蛇行状のバンド116のような、第2の部分50の外側に位置するステント構造に、蛇行状の構造85を接続することができる。いくつかの実施形態では、接続ストラット91の一端が蛇行状のバンド116の基端側山部124に接続され、他端が蛇行状の構造85に接続されてもよい。付属部先端ストラット95は蛇行状の構造85に接続されてもよく、さらに自由端61を含むこともできる。
【0084】
図12は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、付属部60は山部69を含んでなるものでもよい。いくつかの実施形態では、付属部60の一端を蛇行状のバンド116に、例えば第1の部分49にある蛇行状のバンド116のストラット122に接続させることができる。付属部60は、第1の移行領域87を横切って第2の部分50の中へと伸び、折り返して第1の移行領域87を通り抜け、第1の部分49に戻ることができる。その後、付属部60の第二端は、蛇行状のバンド116、周方向に隣接した付属部60などのような他のステント構造に接続することができる。
【0085】
図13は、脈管分岐部に配置された拡張操作中のステント10の実施形態を示す。ステント10は、第2の部分50を分枝脈管72と並ぶように位置調整して、主要脈管70の中に配置することができる。望ましくは、例えばステント10が付属部60を含んでなる場合、第1の移行領域87を、分岐部のカリナ80と並ぶように長手方向に位置調整して配置することができる。望ましくは、ステント10の第1の部分49を分岐部より基端側に位置付け、かつステント10の第3の部分51を分岐部より先端側に位置付けることができる。
【0086】
ステント10は、膨張バルーン15のような任意の適切な方法を使用して主要脈管70の中で拡張させることができる。いくつかの実施形態では、膨張バルーン15は、第2の部分50の蛇行状のバンド20を分枝脈管72の中へと拡張させることができる隆起部分19を含んでなることができる。ステント10が付属部60を備えている場合、望ましくは、バルーン15は1以上の付属部60も分枝脈管72の中へと拡張させることになる。隆起部分を有するバルーンの一例は、米国特許出願公開第2006/0036315号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に開示されている。第2の可膨張部分を有するバルーンのような適切なバルーンの他の例は、本明細書中で既に言及した米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、バルーン15はコンプライアントバルーンからなることができる。いくつかの実施形態では、バルーン15は、コンプライアントな外側層を備えた、または周囲にコンプライアントバルーンを備えたノン・コンプライアントバルーンであって、ノン・コンプライアント部分が主要脈管70の中でステント10を拡張させ、コンプライアントな層または部分がさらに拡張されて蛇行状のバンド20を分枝脈管72の中へと拡張させることを特徴とするノン・コンプライアントバルーンからなる。いくつかの実施形態では、バルーン15は、分枝脈管72の中へ拡張する部分を有するセミ・コンプライアントバルーンからなることもできる。図13に表される拡張が行なわれた後に、バルーン15を取り除くことができる。
【0087】
図14は、さらなる拡張状態にある図13のステント10を示す。いくつかの実施形態では、図13に関して説明したように拡張を行った後、分岐部を通ってガイドワイヤを分枝脈管内に入れて、分岐部に第2のバルーン31を誘導するために使用することができる。様々な実施形態において、第2のバルーン31はコンプライアントバルーンでもノン・コンプライアントバルーンでもよい。いくつかの実施形態では、第2のバルーン31には、分枝脈管72を支持するために使用される第2のステント(図示せず)が設けられていてもよい。
【0088】
第2のバルーン31を膨張させて、第2の部分50の蛇行状のバンド20をさらに分枝脈管72の中へ、かつ反対側の入口部の側壁74に寄せるように拡張させることができる。第2のバルーン31は、カリナ80の周りに付属部60を整列させることにより、カリナ80にステント支持を提供することもできる。
【0089】
いくつかの実施形態では、ステント10は、蛇行状のバンド20の一部が付属部60の上にステントの径方向に重なっている送達用の大きさに圧縮または縮小可能である。したがって、蛇行状のバンド20は、ステント送達の際に付属部60の上に重なってこれを保護するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ステント10の大きさは2段階のプロセスで縮小させることができる。最初に、ステント10の第1の部分49について、付属部60とともに大きさを縮小させることができる。次に、第2の部分50を含むステント10の残りの部分について、大きさを縮小させることができる。いくつかの実施形態では、蛇行状のバンド20の、第1の移行領域87に最も近い部分が、付属部60の一部の上に重なることになる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ステント10は、ニッケル・チタンのような形状記憶材料から例えば作製されている、自己拡張型であってもよい。
自己拡張型のステント10が、例えば図9〜12に示されるような、異なる領域49,50,51に異なる蛇行状のバンド20,116のパターンを含んでなる場合、第2の領域50の蛇行状のバンド20は、端部領域49および51の蛇行状のバンド116よりも大きなサイズへと自己拡張するように構成可能である。例えば、端部領域49および51のいずれかの蛇行状のバンド116は、公称の拡張直径dに拡張するように熱設定可能であり、かつ第2の領域50の蛇行状のバンド20は、例えば1.1d;1.25d;1.5d;1.75d;2d;などのようなより大きな直径に拡張するように熱設定可能である。こうして、第2の領域50は分枝脈管の中まで拡張することができる。
【0091】
本発明はさらに、当業者には理解されるように、本明細書中に記載のステント10を展開配備部位に送達する方法、および該ステント構造を主枝脈管内で、また側枝脈管の中へ拡張させることに関する。
【0092】
いくつかの実施形態では、ステント、送達システムまたは該アセンブリの他の部分は、X線、MRI、超音波などの画像診断療法によって検出可能な1以上の領域、バンド、コーティング、部材などを備えることができる。いくつかの実施形態では、ステントおよび/または隣接アセンブリの少なくとも一部分は、少なくとも部分的に放射線不透過性である。
【0093】
いくつかの実施形態では、ステントの少なくとも一部は治療薬を送達するための1以上のメカニズムを含むように構成される。多くの場合、該治療薬はステントの外面領域に配されるコーティング材料または他の材料層(または多層)の形態をとることになり、ステント移植部位またはその隣接領域で放出されるように構成される。
【0094】
ステント10が、例えば図9〜12に示されるような、異なる領域49,50,51に異なる蛇行状のバンド20,116のパターンを含んでなる場合、第2の領域50はより密なストラットパターンを有し、従って端部領域49,51よりも単位領域中により大量の構造材料を有することができる。したがって、それほど密でない領域にはより大量の治療薬を付与することが望ましいかもしれない。
【0095】
領域49,50,51内の様々な領域に様々な量の治療薬を提供することも望ましいかもしれない。例えば、分枝脈管72の中へ伸びることが予定されている領域のような、第2の領域50の局所的領域が、より高濃度の治療薬を含むこともできる。
【0096】
いくつかの実施形態では、ステント10は、治療薬を充填することができるリザーバを含んでなることができる。リザーバ、ピットおよび/またはその他の適切な領域を、例えばエッチングおよび/またはレーザーアブレーションにより、ステントに形成することができる。その後、任意の適切な技術を使用してリザーバを充填することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、治療薬は、アニロックスロール(Anilox rolling)技術を使用して付与することができる。アニロックスローラは、例えば米国特許第5989639号;同第6006665号;および同第6312367号明細書に記載されており、これらの文献の全開示内容は参照により本願に組込まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、治療薬は、ドイツ連邦共和国ノルダーシュテットD−22844、ミューレンヴェーク(Muehlenweg)143所在のマイクロドロップ・テクノロジーズ社(Microdrop Technologies GmbH)から入手可能な機械、例えば同社のAD、MDまたはMJシリーズ・ディスペンサシステムを使用して付与することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、治療薬は、アイルランド国ゴールウェイ州ユニット4、バリーブリトビジネスパーク(Ballybrit Business Park)所在のラブコートリミテッド(Labcoat Limited)から入手可能な機械、例えば同社専売のJuxtaposed Ablumenal(JA(商標))コーティングおよび処理技術に適した機械を使用して付与することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、治療薬はインクジェット・プリンタ技術を使用して付与することもできる。いくつかの実施形態では、治療薬は米国特許第6676987号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に開示された方法によって付与することもできる。
【0101】
いくつかの実施形態では、治療薬は、例えば米国特許第4485387号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に記載されているように、直接描画技術を使用して付与することもできる。直接描画デバイスは、例えば、米国ニューヨーク州14472ハネオイェフォールス(Honeoye Falls)ペーパーミルストリート(Paper Mill Street)93所在のオームクラフト社(Ohmcraft,Inc.)から入手可能である。
【0102】
いくつかの実施形態では、1層の治療薬が第2の部分50に付与され、多層が第1の部分49および第3の部分51に付与されてもよい。
いくつかの実施形態では、放射線不透性材料を、付属部60のようなステント10の一部に付与することができる。いくつかの実施形態では、放射線不透性材料および治療薬の両方をステント10に付与することができる。例えば、アニロックスローラの彫刻されたセルに、治療薬および放射線不透性材料を交互に提供して、両方をステント10の局所領域に付与することができる。
【0103】
治療薬は、薬物、または非遺伝子治療薬、遺伝子治療薬、細胞物質などのような他の医薬品であってよい。適切な非遺伝子治療薬のいくつかの例には、限定するものではないが:ヘパリン、ヘパリン誘導体、血管細胞成長促進物質、成長因子阻害剤、パクリタキセルなどのような抗血栓形成剤が挙げられる。治療薬が遺伝子治療薬を含む場合、そのような遺伝物質には、限定するものではないが:DNA、RNAおよび前記それぞれの誘導体または構成成分のうち少なくともいずれか;ヘッジホッグタンパク質などが挙げられる。治療薬が細胞物質を含む場合、該細胞物質には、限定するものではないが:ヒト起源の細胞および/またはヒト以外を起源とする細胞、ならびに前記それぞれの構成成分またはその誘導体のうち少なくともいずれかが挙げられる。治療薬がポリマー物質を含む場合、該ポリマー物質は、ポリスチレン‐ポリイソブチレン‐ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)、ポリエチレンオキシド、シリコーンゴムおよび/またはその他の任意の適切な基材であってよい。
【0104】
上記の開示は例示を意図したものであり、網羅的なものではない。この説明により、当業者には多くの変形形態および代替形態が示唆されるであろう。個々の図面に示され、また上記に説明された様々な要素は、所望どおりに組み合わせたり組み合わせるために改変したりすることが可能である。これらの代替物および変形物はすべて特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されており、特許請求の範囲において用語「からなる、含んでなる(comprising)」は、「含むがそれに限定されるものではない」ことを意味している。
【0105】
さらに、従属クレームにおいて提示される特定の特徴は、本発明の範囲内で別の組み合わせかたで互いに組み合わせることが可能であり、従って本発明は、従属クレームの特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも明確に対象とするものとして認識されるべきである。例えば、特許請求の範囲を公開する目的のためには、多数従属形式が管轄地域内で容認された形式である場合には、後続のすべての従属クレームは、そのような従属クレームにおいて引用されたすべての先行内容を有するすべての先行クレームに従属する多数従属形式で代替として記載されているものとして扱うべきである(例えば、請求項1に直接従属している各クレームは、すべての先行クレームに従属するものとして代替的に扱われるべきである)。多数従属形式が制限される管轄地域では、後続する従属クレームは、下方の従属クレームにおいて列挙された特定のクレームではなく、先行内容を含む先行クレームに従属させる単一従属クレーム形式で代替として記載されているものとしてそれぞれ扱うべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステントのような移植可能な医療用デバイス、該デバイスの製造、送達、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステントは体腔に導入される医療用デバイスであり、当分野において良く知られている。典型的には、ステントは、血管内の狭窄部位または動脈瘤部位に、管腔内を通して、すなわちいわゆる「侵襲性が最小限の技術」によって移植され、前記技術において、径方向に縮小された形態のステント(任意選択で、シースまたはカテーテルのうち少なくともいずれか一方により径方向に圧縮された形態に拘束されたステント)は、ステント送達システムまたは「イントロデューサ」によって該ステントが必要とされる部位に送達される。イントロデューサは、身体の外側のアクセス場所から、例えば患者の皮膚を通して、または入り口となる血管を軽微な外科的手段によって露出させる「カットダウン」技術によって、体内に入ることができる。
【0003】
ステント、グラフト、ステントグラフト、大静脈フィルタ、拡張式フレームワーク、および同様の移植可能な医療用デバイス(以降本明細書中ではステントと総称する)は、径方向に拡張可能な内部人工器官であり、該内部人工器官は典型的には経腔的に移植可能でありかつ経皮的導入後に径方向への拡大が可能である血管内インプラントである。ステントは、様々な体腔または脈管の中に、例えば血管系、尿路、胆管、ファロピアン管、冠状血管、二次血管(secondary vessel)などの内部に移植可能である。ステントは、自己拡張型であってもよいし、バルーン上に取り付けられた時などに内側からの径方向の力によって拡張されてもよいし、または自己拡張型およびバルーン拡張型の組み合わせ(ハイブリッド拡張型)であってもよい。
【0004】
ステントは、切削またはエッチングなどにより、管状の材料から、シート材から(同材は切削またはエッチングの後に巻加工される)、または1以上の織り合わせワイヤもしくはブレードから、設計物を得る方法によって作製されうる。
【0005】
脈管構造内では、狭窄が脈管の分岐部で生じることは珍しくない。分岐部とは、脈管構造の領域または身体の他の部分であって、第1の(または元の)脈管が2以上の分枝脈管に分岐する場所である。1または複数の狭窄性の病変がそのような分岐部で生じる場合、該病変は脈管のうち1つだけ(すなわち分枝脈管のうちいずれか、もしくは元の脈管)、脈管のうち2つ、または3つの脈管すべてを侵す場合がある。しかしながら多くの先行技術のステントは、ステントの適用が望まれる部位が並列しているか、または動脈もしくは静脈内の分岐部、例えば、哺乳類の大動脈が総腸骨動脈へと分かれる分岐部を横切って延びる場合に使用するには、完全に満足できるものではない。
【0006】
脈管分岐部に足場となる支持を提供することができる新規なステント設計物が依然として必要とされている。
本願のいかなる箇所で言及された米国特許および特許出願ならびにその他あらゆる出版刊行物も全て、参照によってその全体が本願に組み込まれる。
【0007】
本発明の範囲を限定することなく、本発明の特許請求の範囲に記載の実施形態のうちのいくつかについて以下に概要を説明する。概要を示した本発明の実施形態のさらなる細部、または本発明のさらなる実施形態のうち少なくともいずれかは、以降の発明の詳細な説明において見出すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができるステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、第1の領域および第2の領域を有する管状本体を含んでなる。管状本体は複数の蛇行状のバンドによって画成される。蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなる。第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなる。ステントの第1の領域に位置する蛇行状のバンドはそれぞれ、該ステントの長さについて別個の異なる部分を占める。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、第1の領域および第2の領域を有する管状本体を含んでなる。管状本体は複数の蛇行状のバンドによって画成される。蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなる。第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなる。第1の領域は、共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとオーバラップしない蛇行状のバンドを含んでなる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは第3の領域をさらに含んでなり、第3の領域は共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとオーバラップしない蛇行状のバンドを含んでなる。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、ステントは、脈管分岐部のカリナを支持するように正しく配置することができる少なくとも1つの付属部をさらに含んでなる。
本発明を特徴づける上記およびその他の実施形態については、本明細書に添付され本明細書の一部をなす特許請求の範囲において詳細に挙げる。しかしながら、本発明、本発明の使用によって得られる本発明の利点および対象物について一層理解するために、本発明の実施形態が例示され説明されている、本明細書の別の部分を形成する図面および付随する記載事項を参照することができる。
【0013】
本発明の詳細な説明について、図面を具体的に参照しながら以降に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ステントの一実施形態の平面パターンを示す図。
【図2】ほとんど拡張していない状態のステントの実施形態を示す図。
【図3】第1の拡張状態にある図2のステントを示す図。
【図4】図3に示された第1の拡張状態よりも大きい第2の拡張状態にある、図2のステントを示す図。
【図5】脈管内で拡張されたステントの実施形態を示す図。
【図6】ステントの一部が分岐脈管の中へさらに拡張されている、図5のステントを示す図。
【図7】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図8】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図9】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図10】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図11】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図12】ステントの別の実施形態の平面パターンを示す図。
【図13】脈管分岐部において拡張されているステントの実施形態を示す図。
【図14】別の拡張段階にある図13のステントを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は様々な形態に具体化可能であるが、ここでは本発明の特定の好ましい実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理の例証であり、例示した特定の実施形態に本発明を限定するように意図するものではない。
【0016】
本開示に関しては、図中の類似の参照数字は、別途指摘のないかぎり類似の特徴を指すものとする。ある図において描出された要素は、必要に応じて別図で描出された要素と組み合わせることもできるし、または別図で描出された要素の代わりに用いることもできる。
【0017】
図1は、ステント10の実施形態の平面パターンを示す。図2は、図1に描出されたパターンによるステント10を示す。ステント10は基端14および先端16を有し、複数のセル12を有する略管状の本体を画成する複数の構造要素を含んでなる。構造要素は、複数の相互接続された蛇行状のバンド20をさらに画成する。隣接した蛇行状のバンド20は、少なくとも1つのコネクタ36によって接続される。
【0018】
蛇行状のバンド20はそれぞれ、折り返し部30によって接続された複数のストラット22を含んでなる。折り返し部30は蛇行状のバンド20の基端側に位置する基端側折り返し部32を構成してもよいし、蛇行状のバンド20の先端側に位置する先端側折り返し部34を構成してもよい。ストラット22はそれぞれ、基端側折り返し部32に接続される基端52と、先端側折り返し部34に接続される先端54とを含んでなる。
【0019】
ストラット22はそれぞれ、該ストラットの基端52と先端54との間に曲線状のパスをさらに含んでなり、従って少なくとも1つの湾曲部23を備えている。いくつかの実施形態では、ストラット22は、配向の異なる山部24および谷部26のような複数の湾曲部23を含む場合がある。山部24が所与の基準座標系から凸面であるとみなされる場合、谷部26は凹面であるとみなすことができる。山部24と谷部26との間の曲線状のパスに沿って、変曲点25が存在しうる。
【0020】
ストラット22の谷部26は、該ストラット22が接続する先端側折り返し部34よりも、該ストラット22が接続する基端側折り返し部32の近くに位置していてもよい。ストラット22の山部24は、該ストラット22が接続する基端側折り返し部32よりも、該ストラット22が接続する先端側折り返し部34の近くに位置していてもよい。
【0021】
ストラット22はそれぞれ、直線部分27をさらに含む場合がある。直線部分27は基端側直線部分28または先端側直線部分29を含んでなる。基端側直線部分28は、ストラット22の基端52と谷部26との間に位置することができる。先端側直線部分29は、ストラット22の山部24と先端54との間に位置することができる。
【0022】
ストラット22は、第1のストラット40または第2のストラット42を含んでなる。第1のストラット40は蛇行状のバンド20に沿って第2のストラット42と交互に並んでいてもよい。折り返し部30はそれぞれ、一端が第1のストラット40に接続し、他端が第2のストラット42に接続することができる。折り返し部30はそれぞれ、上方部分56および下方部分58をさらに含んでなる。当然ながら、この基準座標系において使用される「上方」および「下方」は、平面パターンのステント図面に関連して使用される場合に当てはまる相対的な用語であり、当業者であれば、別の基準座標系を有する三次元のステントフレームワークに適用される場合は相対的な位置付けが変化しうることを理解するであろう。
【0023】
いくつかの実施形態では、基端側折り返し部32の上方部分56は第1のストラット40の基端52に接続することができる。基端側折り返し部32の下方部分58は第2のストラット42の基端52に接続することができる。先端側折り返し部34の上方部分56は第2のストラット42の先端54に接続することができる。先端側折り返し部34の下方部分58は第1のストラット40の先端54に接続することができる。
【0024】
全ての第1のストラット40は同じように形作られた曲線状のパスを画成する。全ての第2のストラット42は同じように形作られた曲線状のパスを画成する。第1のストラット40によって画成された曲線状のパスは、第2のストラット42によって画成された曲線状のパスとは異なる。第2のストラット42の山部24および谷部26は、第1のストラット40の山部24および谷部26よりも互いに接近した位置にあってもよい。第2のストラット42の直線部分27は、第1のストラット40の直線部分27より長くてもよい。第1のストラット40の基端52は、先端54に対して長手方向および周方向にオフセットされていてもよく、その場合(図1に示すように)先端54は基端52の「上方に」位置し、オフセットの周方向の成分は第1の方向に配向しうる。第2のストラット42の基端52は、先端54に対して長手方向および周方向にオフセットされていてもよく、その場合(図1に示すように)先端54は基端52の「下方に」位置し、オフセットの周方向の成分は第2の方向に配向しうる。
【0025】
第1のストラット40の基端側直線部分28および先端側直線部分29はほぼ平行であってよい。第1のストラット40の直線部分27は、共通の蛇行状のバンド20に含まれる他の第1のストラット40、および異なる蛇行状のバンド20由来の他の第1のストラット40を含む、他の第1のストラット40の直線部分と平行であってよい。同様に、第2のストラット42の基端側直線部分28および先端側直線部分29はほぼ平行であってよい。第2のストラット42の直線部分27は、共通の蛇行状のバンド20に含まれる他の第2のストラット42、および異なる蛇行状のバンド20由来の他の第2のストラット42を含む、他の第2のストラット42の直線部分と平行であってよい。さらに、第1のストラット40の直線部分27は第2のストラット42の直線部分27と平行であってよい。
【0026】
蛇行状のバンド20に含まれる全ての基端側折り返し部32が、共通のステント外周18pに沿って整列していてもよい。蛇行状のバンド20に含まれる全ての先端側折り返し部34が、別の共通のステント外周18dに沿って整列していてもよい。ステント外周は、ステント中央の長手方向軸11に対して垂直に配置されるように意図されている。
【0027】
蛇行状のバンド20の全てのストラット22の全ての山部24が、ステント外周18pに沿ってほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の山部24はさらに、ステント外周18pに沿って、隣接した蛇行状のバンド20の基端側折り返し部32とほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の全てのストラット22の全ての谷部26が、ステント外周18dに沿ってほぼ整列していてもよい。蛇行状のバンド20の谷部26はさらに、ステント外周18dに沿って、隣接した蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34とほぼ整列していてもよい。
【0028】
隣接する蛇行状のバンド20がステント10の長さに沿って互いにオーバラップするように、蛇行状のバンド20が配置される。したがって、1つの共通のステント外周18aが、第1の蛇行状のバンド20aおよび第2の蛇行状のバンド20bと交差することができる。いくつかの実施形態では、共通のステント外周18aが第1の蛇行状のバンド20aの全てのストラット22および第2の蛇行状のバンド20bの全てのストラット22と交差するのに十分なオーバラップ部が存在しうる。第1の蛇行状のバンド20aの先端側折り返し部34は共通のステント外周18aより先端側に位置し、第2の蛇行状のバンド20bの基端側折り返し部32は共通のステント外周18aより基端側に位置することができる。
【0029】
蛇行状のバンド20のストラット22の谷部26は、ステント外周18に沿って、隣接する蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34とほぼ整列することができる。蛇行状のバンド20のストラット22の山部24は、ステント外周18に沿って、隣接する蛇行状のバンド20の基端側折り返し部32とほぼ整列することができる。
【0030】
蛇行状のバンド20はそれぞれ、ステント中央の長手方向軸11と平行な向きに測定されるバンド長21を有することができる。オーバラップする隣り合った蛇行状のバンド20は、ステント中央の長手方向軸11と平行な向きに測定されるオーバラップ長41を規定することができる。ステント10の様々な実施形態は様々な長さのオーバラップ長41を有することができる。いくつかの実施形態では、オーバラップ長41は、バンド長21の10%;15%;20%;25%;30%;35%または35%以上であってよい。
【0031】
図1のパターンによって作製されるステント10は、非らせん型ステントと見なされるはずである。隣り合った蛇行状のバンド20の間の上記オーバラップは、蛇行状のバンド20の配向が完全に周方向であって、蛇行状のバンド20の外周がステント10の実際の外周を構成し、実際の外周はステント10の中央の長手方向軸11に垂直に配置される場合に当てはまる。
【0032】
蛇行状のバンド20はそれぞれ複数のストラット対38を規定することができる。ストラット対38は、折り返し部30によって接続された第1のストラット40aおよび隣接する第2のストラット40bを含んでなる。したがって、ストラット対38は接続端44および非接続端46を備えている。いくつかのストラット対38では、接続された折り返し部30は基端側折り返し部32を構成することができる。いくつかのストラット対38では、接続された折り返し部30は先端側折り返し部34を構成することができる。
【0033】
1つの蛇行状のバンド20の第1のストラット対38aの一部は、隣接する蛇行状のバンド20の別のストラット対38bの一部の中に入れ子状になり得る。第1のストラット対38aの接続端44は、別のストラット対38bの非接続端46においてストラット22の間に入れ子状になり得る。このオーバラップ領域または入れ子領域は、第1のストラット対38aの接続された折り返し部30からストラット22の谷部26まで及び、かつ別のストラット対38bの非接続端46からストラット22の山部24まで及ぶことができる。
【0034】
隣り合った蛇行状のバンド20は、少なくとも1つのコネクタ36によって接続される。コネクタ36は、一方の蛇行状のバンド20の任意の適切な位置からもう一方の蛇行状のバンド20の任意の適切な位置までを橋渡しすることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36は折り返し部30に接続することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36はストラット22の一部に接続することができる。
【0035】
図1に示されるステント10の実施形態は、1つの蛇行状のバンド20の折り返し部32から隣接する蛇行状のバンド20のストラット22までを橋渡しするコネクタ36を備えている。より具体的には、コネクタ36は1つの蛇行状のバンド20の先端側折り返し部34の上方部分56から、隣接する蛇行状のバンド20のストラット22の谷部26までを橋渡しする。
【0036】
コネクタ36は任意の適切な大きさおよび形状を有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36は、先行技術のステントの相互接続要素と比較して短いと考えることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ36の幅は、折り返し部30およびストラット22のような他のステント要素と同じ幅である。いくつかの実施形態では、コネクタ36の幅は該コネクタの長さより大きくてもよい。
【0037】
蛇行状のバンド20は、ステント10の他の部分への接続点どうしの間、例えば第1の接続点65と第2の接続点66との間の自由ストラット長64を規定することができる。いくつかの実施形態では、接続点65,66は、蛇行状のバンド20がコネクタ36に接続する位置である。いくつかの実施形態では、第1の接続点65は、ステント10の長さに沿って蛇行状のバンド20の基端側に位置するステント構造への接続部からなり、第2の接続点66は、ステント10の長さに沿って蛇行状のバンド20の先端側に位置するステント構造への接続部からなる。自由ストラット長64は複数のストラット22および複数の折り返し部30を含んでなることが可能であり、いくつかの実施形態では、4つの折り返し部30および少なくとも4つのストラット22を含んでなる。自由ストラット長64は、蛇行状のバンド20の支持されていない長さ、または蛇行状のバンド20の接続されていない長さ、と述べることもできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、接続点65,66の間の自由ストラット長64に沿って移動した合計距離は、ステント10の外周18と等しいかまたはそれより長い。様々な実施形態において、ステントが公称の(すなわち製造されたとおりの、またはレーザ切削されたとおりの)拡張状態である場合、またはステントが圧縮されているかもしくは送達用の拡張状態である場合のうち少なくともいずれか一方において、前述のことが当てはまる。
【0039】
自由ストラット長64は、周方向の長さ成分68、すなわち円周方向に測定される接続点65,66の間の距離を規定する。「自由ストラット長:周方向の長さ成分」の比を、様々な自由ストラット長64について挙げることが可能である。様々な実施形態において、その比は1:1、2:1、7:3、3:1、4:1、5:1またはそれ以上であってよい。図1に描かれた、強調表示された自由ストラット長64については、比はおよそ4.67:1であるように意図されている。自由ストラット長64および周方向の長さ成分68を計測する目的に関しては、図1はステント10のいくつかの実施形態についての縮尺拡大図と見なすことができる。
【0040】
自由ストラット長64は複数の変曲域62を規定し、各変曲域62は、蛇行状のバンド20の凹面が交代する変曲点25を包含している。自由ストラット長64は任意の適切な数の変曲域62を備え、いくつかの実施形態では5、7もしくは9箇所またはそれ以上の変曲域62を備えることができる。例えば、図1の自由ストラット長64の実施形態には9箇所の変曲域62が印付けられている。
【0041】
図2は、図1に示されるパターンに従って形成されたステント10を圧縮状態または送達状態で示している。ステント10は大きく拡張することができる。
図3は、図2のステント10を第1の拡張状態で示している。第1の拡張状態のステント10の直径は、送達状態のステント10の直径のおよそ1.9倍である。隣り合った蛇行状のバンド20は、ステント10の長さに沿って引き続きオーバラップしている。1つの共通のステント外周18aは、第1の蛇行状のバンド20aおよび隣接する第2の蛇行状のバンド20bと引き続き交差することができる。いくつかの実施形態では、共通のステント外周18aが第1の蛇行状のバンド20aのすべてのストラット22および第2の蛇行状のバンド20bのすべてのストラット22と交差するのに十分なオーバラップ部が存在しうる。
【0042】
図4は、第1の拡張状態よりも大きい第2の拡張状態の、図2のステント10を示す。第2の拡張状態のステント10の直径は、送達状態のステント10の直径のおよそ2.7倍である。第2の拡張状態であっても、1つの共通のステント外周18aは第1の蛇行状のバンド20aおよび隣接する第2の蛇行状のバンド20bと引き続き交差することができる。
【0043】
ステント10は、図4に描かれた第2の拡張状態をはるかに越えて拡張することができる。比「圧縮直径:拡張直径」は、ステント10のいくつかの実施形態については1:5.1またはそれ以上の大きさであり、該ステント10は、適切な形状および機能性、ならびに脈管壁に適切な足場となる支持を提供する能力を維持している。したがって、拡張比は、「過剰拡張」になりつつあるステントを除いて実際に当てはまる。注目すべきことは、本明細書中に記載のステント10が、関連する軸方向の10%以下の短縮を伴うそのような拡張能力を有することである。さらに、言及されるステント直径は一般にステントの外径(すなわち圧縮された外径:拡張された外径)と見なすことができるが、いくつかの実施形態では、本明細書中でなされる記述が内径(すなわち圧縮された内径:拡張された内径)について述べる場合もある。
【0044】
ステント10はさらに、該ステントの長さに沿って拡張量の程度を変えることができる。例えば、ステント10の第1の部分は図4に従って拡張され、ステント10の第2の部分はさらに大きく拡張される場合もある。第1の部分および第2の部分は、ステント10の長さに沿って互いに直接隣り合っていてもよい。したがって、ステント10は脈管分岐部において特に有用である。
【0045】
ステント10はさらに、小児における使用に特に適している。小児が年を重ねて身体的に脈管が成長するにつれて、過去に移植されたステントが1回または複数回の追加の拡張手術を必要とする場合がある。ステント10の高い拡張能力は、かつては別のより大きな置換ステントが必要であった状態においてステント10が使用されるのを可能にする。
【0046】
図5は、分岐部の近くで主要脈管70の内に配置されたステント10の実施形態を示す。ステント10は、例えば図4に示されるような第2の拡張状態とほぼ等しい拡張状態にある。ステント10の直径/大きさは、主要脈管70の直径/大きさ71とほぼ等しい。
【0047】
ステント10は、例えば図6に示されるように、側枝脈管72の中へと拡張して側枝脈管72を支持することが可能な構造を備えている。この適切な構造は、例えば、第1および第2の可膨張部分を有するバルーンを使用して拡張することができる。第1の可膨張部分はステント10の主要な円筒状フレームワークを拡張させるために使用することができる。第1の可膨張部分とは別々に膨張可能な第2の可膨張部分は、ステント構造の一部を側枝脈管72の中へと拡張させるために使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態(図示せず)では、ステント10に、第2のステントを受承する側枝開口部が提供される場合もある。該ステント10は、側枝開口部が側枝脈管72に近接して配置される状態で主要脈管70の内部に配置されうる。第2のステントは、側枝脈管72の内部に配置されて主要ステント10と係合されうる。
【0049】
図6は、図5のステント10を示しており、このステント10の第1の部分76は第1の拡張状態を維持し、第2の部分78は側枝脈管72の中へとさらに拡張されている。側枝脈管72の中へ伸びているステント構造は、反対側の入口部の側壁74に支持を提供する。ステント10は、第2の部分78の領域では、主要脈管70の大きさを越えた大きさ73に拡張される。したがって、第1の蛇行状のバンド20cは主要脈管70の中で第1の拡張状態に拡張され、第2の蛇行状のバンド20dは、側枝脈管72の中へと部分的に拡張されて、第2のより大きな拡張状態に拡張されることが可能であり、このとき第1の蛇行状のバンド20cおよび第2の蛇行状のバンド20dは、ステントの長さに沿って互いに直接隣り合っていてもよい。第1の蛇行状のバンド20cの相当部分がカリナ80の一側面に位置することが可能であり、第2の蛇行状のバンド20dの相当部分がカリナ80の他の側面に位置することが可能である。
【0050】
任意の蛇行状のバンド20の任意の適切な部分を側枝脈管72の中へと拡張することができる。したがって、特定かつ専用の側枝構造を有する先行技術のステントとは異なり、本発明のステント10は側枝脈管72に関していかなる特定の回転方向の位置にも配置させる必要がない。ステント10は、単に適切な長さ方向の位置に配置されればよく、結果的に側枝脈管72の近くに位置づけられた蛇行状のバンド20の部分が、側枝脈管72の中へと拡張されればよい。さらに、ステント10は2以上の分岐部を有する脈管位置において使用するのにも適している。
【0051】
ある場合には、専用の側枝構造が望ましいかもしれない。図7は、第1の部分84および第2の部分88を含んでなるステント10の実施形態に関する平面パターンを示す。第1の部分84は、本明細書中例えば図1に関して記述されるようなオーバラップしている蛇行状のバンド20およびステント構造を含んでなる。第2の部分88は、任意の適切なステント構造および部分的な側枝構造96を含んでなる。
【0052】
第2の部分88のステント構造は、蛇行状のバンド116およびコネクタ・ストラット120のパターンを含んでなる。蛇行状のバンド116は、例えば米国特許出願第11/262692号明細書(その全開示内容は参照により本願に組込まれる)に開示された様々なステント実施形態に関して記述されるような、折り返し部128により接続された交互に並んだ直線状ストラット93およびs字形ストラット94を含んでなる。
【0053】
部分的な側枝構造96は任意の適切なステント側枝構造を含んでなることが可能であり、いくつかの実施形態では複数の外側に展開可能な花弁構造98を含んでなる場合もある。ステント側枝構造の例は、例えば米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に記載されており、該明細書の全開示内容は参照により本願に組込まれる。
【0054】
部分的な側枝構造96は、該構造が側枝脈管を360度全体にわたって支持するようには意図されていないので「部分的な」構造と見なすことが可能であり、したがって部分的な側枝構造96は、先行技術において一般に示される「完全な」側枝構造が縮小されたものである。図7に描かれているように、部分的な側枝構造96はおよそ180度に拡張し、従って半クラウン構造と考えられるかもしれない。
【0055】
図7のステント10が脈管分岐部で拡張されると、第1の部分84は側枝脈管72の中へ伸びて反対側の入口部の側壁74を支持することができる(図6を参照)。部分的な側枝構造96は、カリナ80の近くで側枝脈管72の中へ展開することができる。したがって、ステント10の第1の部分84は側枝脈管72の第1の部分を支持し、部分的な側枝構造96は側枝脈管72の第2の部分を支持して、部分84および96がそれぞれ側枝脈管72に提供される支持全体のおよそ半分を提供する。このように、第1の部分84の支持と部分的な側枝構造96の支持との比は、ほぼ50:50である。ステント10の様々な実施形態により、部分84および96それぞれによって側枝脈管72に提供される支持の量を任意の適切な分配とすることができる。例えば、ステント10の様々な実施形態は、55:45、60:40、65:35、70:30など、また45:55、40:60、35:65、30:70などの支持比を有することができる。
【0056】
ステント10の様々な実施形態において、第1の部分84のステントパターンは、図7に描かれているよりも、全体的なステント構造のより多くの部分を構成してもよいし、全体的なステント構造のより少ない部分を構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分84は、部分的な側枝構造96に直接隣接している2つまたは3つの蛇行状のバンド20を含んでなるものでもよい。望ましくは、第1の部分84が占めるステント軸方向の長さは、部分的な側枝構造96が占めるステント軸方向の長さと等しいか、または部分的な側枝構造96が占めるステント軸方向の長さよりも長い。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の部分84の基端側および先端側の両方に第2の部分88の構造を備えていてもよい。さらに、部分的な側枝構造96および第1の部分84の接合部は、ステント10の長さに沿ってどの場所に位置付けられてもよく、いくつかの実施形態では図7に示されるようにほぼ中央である。
【0057】
図8は、ステント10の別の実施形態についての平面パターンを示す。ステント10は、例えば図1に関して本明細書中に記載されるような複数の蛇行状のバンド20を含んでなる。ステント10はさらに、部分的な側枝構造96および少なくとも1つの部分的な蛇行状のバンド82を含んでなる。部分的な蛇行状のバンド82は、ステント10の全周にわたって伸びずに、通常は部分的な側枝構造96に接続する。
【0058】
ステント構造は、任意の適切な方法を使用して側枝脈管の中に拡張させることができる。いくつかの実施形態では、例えば米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に記載されているような、第2の拡張可能な部分を有するバルーンを使用して、第2の部分78(図6を参照)および部分的な側枝構造96のうち一方または両方を拡張させることができる。側枝脈管の中に自動的に拡張するという点で、自己拡張型の実施形態も望ましい。
【0059】
図9は、ステント10の別の実施形態についての平面パターンを示し、該パターンでは、中央領域とは異なる構造的フレームワークのパターンを有する端部領域が設けられている。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の部分49、第2の部分50および第3の部分51を含んでなる。部分49,50,51はそれぞれ、ステント10の長さについて別個の部分を占めることができる。例えば、第2の部分50は中央領域を構成することができる。第1の部分49は、ステント10の基端14から第2の部分50までに及ぶことができる。第3の部分51は、第2の部分50からステント10の先端16までに及ぶことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は、第2の部分50のステント構造とは異なるステント構造を含んでなる。例えば、第1の部分49および第3の部分51は、互いに間隔を置いて配置された蛇行状のバンド116をそれぞれ含んでなり、第2の部分50は、互いにオーバラップした蛇行状のバンド20を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51の蛇行状のバンド116はそれぞれ、ステント10の長さについて別個の異なる部分を占める。
【0061】
望ましくは、第2の部分50は、例えば図1に関して本明細書中に記載されるような高い拡張能力を有する蛇行状のバンド20およびコネクタ36を含んでなる。
第1の部分49および第3の部分51はそれぞれ任意の適切なステント構造を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は互いに類似して形作られてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分49および第3の部分51は互いに異なっていてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の部分49または第3の部分51のうち少なくともいずれか一方は、複数の蛇行状のバンド116および複数のコネクタ・ストラット120を含んでなる。蛇行状のバンド116はそれぞれ複数のバンド・ストラット122および複数の折り返し部128を含んでなる。蛇行状のバンド116に沿って移動するにつれて、バンド・ストラット122および折り返し部128が交互に並ぶことができる。折り返し部128は、交互に並んだ基端側山部124および先端側谷部126を構成することができる。各々の基端側山部124は一般に、ステント10の基端14に関しては凸面であり、ステント10の先端16に関しては凹面である。各々の先端側谷部126は一般に、ステント10の先端16に関しては凸面であり、ステント10の基端14に関しては凹面である。
【0063】
部分49,51はそれぞれ、任意の適切な数の蛇行状のバンド116を有することができる。様々な実施形態において、蛇行状のバンド116は、任意の適切な数のバンド・ストラット122および任意の適切な数の折り返し部128を有することができる。蛇行状のバンド116はそれぞれ、ステント10の長さに沿って任意の適切な距離を占めることができる。いくつかの実施形態では、ステント10は、異なる距離を占める複数の蛇行状のバンド116を含んでなる。蛇行状のバンド116の長さ方向の距離を大きくする1つの方法は、バンド・ストラット122の長さを大きくすることである。
【0064】
部分49,51の長さに沿って互いに隣接している蛇行状のバンド116は、少なくとも1つのコネクタ・ストラット120によって接続される。いくつかの実施形態では、コネクタ・ストラット120は、隣接している蛇行状のバンド116の折り返し部128の間を橋渡しする。いくつかの実施形態では、コネクタ・ストラット120は第1の種類のコネクタ・ストラット136および第2の種類のコネクタ・ストラット138を含んでなる。第1のコネクタ・ストラット136は第1の方向に伸びる。第1のコネクタ・ストラット136は、ステントの長さ方向軸11に対して第1の角度をなして配置されうる。第2のコネクタ・ストラット138は、第1の方向とは異なる、または第1の方向に平行ではない、第2の方向に伸びる。第2のコネクタ・ストラット138は、ステントの長さ方向軸11に対して第2の角度をなして配置されうる。
【0065】
いくつかの実施形態では、部分49,51の、2本の隣接した蛇行状のバンド116の間に位置する領域は、コネクタ・カラム144と考えることができる。コネクタ・カラム144は、それぞれ複数のコネクタ・ストラット120を含んでなる。いくつかの実施形態では、コネクタ・カラム144のコネクタ・ストラット120は、それぞれ互いに類似していてもよい。例えば、第1のコネクタ・カラム144aの中のコネクタ・ストラット120は、それぞれ第1の種類のコネクタ・ストラット136からなる。第2のコネクタ・カラム144bの中のコネクタ・ストラット120は、それぞれ第2の種類のコネクタ・ストラット138からなる。いくつかの実施形態では、第1のコネクタ・カラム144aおよび第2のコネクタ・カラム144bは、部分49,51の長さに沿って交互に並ぶことができる。
【0066】
折り返し部128は、折り返し部128がコネクタ・ストラット120に接続しているかどうかに応じて、接続折り返し部158または非接続折り返し部155を構成することができる。
【0067】
部分49,51のいずれかに使用するのに適した可能なステント構造のその他の例は、米国特許出願公開第2002/0095208号および米国特許出願第11/262692号明細書に開示されている。
【0068】
ステント10はさらに、第1の部分49と第2の部分50との間に第1の移行領域87、および第2の部分50と第3の部分51との間に第2の移行領域89を含んでなる。移行領域87,89はそれぞれ、該領域87,89の両側のステント構造に接続する少なくとも1つの移行コネクタ97を含むことができる。例えば、第1の移行領域87の移行コネクタ97は、一端が第1の部分49のステント構造に接続し、他端が第2の部分50のステント構造に接続することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、いずれの移行領域87,89も、単一の移行コネクタ97を含んでなる。いくつかの実施形態では、移行領域87,89は複数の移行コネクタ97を含んでなることもできる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の移行領域87の移行コネクタ97は第2の移行領域89の移行コネクタ97と同一の形状からなる。いくつかの実施形態では、第1の移行領域87の1以上の移行コネクタ97は、第2の移行領域89の移行コネクタ97の形状とは異なる形状からなることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、移行コネクタ97はその長さに沿って直線状であってよい。いくつかの実施形態では、移行コネクタ97はステントの長手方向軸11に対して角度をなして配置されうる。
【0072】
図9に示されるステント10は、例えば図13および14に示されるように脈管分岐部で展開配置させることができる。第2の部分50の蛇行状のバンド20は、ステント10の長さに沿ったオーバラップ部および比較的長い支持されていないストラット長を備えるように設計される。したがって、第2の部分50の蛇行状のバンド20は、分枝脈管72の中へと拡張して主要脈管70および分枝脈管72の両方を同時に支持すること、例えば反対側の入口部の側壁74を支持することができる。
【0073】
第1の部分49および第3の部分51の蛇行状のバンド116は、第2の部分50の構造パターンに比べてより従来型に近い構造パターンを含んでなる。概して、第1の部分49および第3の部分51の構造は、径方向の変形に対して第2の部分50よりも高い抵抗性を提供するが、より小規模にしか拡張できない。したがって、第2の部分50は側枝脈管72の中に拡張するように構築および配置される一方、第1の部分49および第3の部分51は脈管分岐部の両側で主要脈管70を支持するようにより高い強度を提供する。
【0074】
図10は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、ステント10は複数の付属部60をさらに含んでなる。付属部60は、図13および14に関して後述されるように、脈管分岐部のカリナを支持するように構築および配置することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、付属部60は非支持端または自由端61を含んでなる。いくつかの実施形態では、付属部60は、接続端57で蛇行状のバンド116に、例えば第1の部分49の蛇行状のバンド116に接続され、該付属部の全長にわたって支持されていない。したがって、いくつかの実施形態では、付属部60は単一の接続端57のみで他のステントフレームワークに接続することが可能であり、カンチレバー型構造を構成することができる。
【0076】
付属部60は移行領域87,89に位置することができる。いくつかの実施形態では、ステント10は、図10に示されるように第1の移行領域87に付属部60を備える。いくつかの実施形態では、ステント10は第1の移行領域87および第2の移行領域89の両方に付属部60を備えることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、付属部60は、第1の部分49の蛇行状のバンド116に接続されて、第2の部分50の中へ伸びることができる。いくつかの実施形態では、付属部60と、第2の部分50の少なくとも1つの蛇行状のバンド20のストラット22とが、共通のステント外周に沿ってオーバラップすることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、第1の部分49の蛇行状のバンド116の基端側山部124に接続端57で接続され、ステント10の先端16に向かって第1の移行領域87を横切って伸びる。
【0078】
いくつかの実施形態では、付属部60は直線状であってよい。いくつかの実施形態では、付属部60は、例えば湾曲部67を含んでなる曲線性を備えることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は複数の湾曲部67を含んでなることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、ステントの長手方向軸11と平行な向きに配向された1以上の部分を含んでなることができる。いくつかの実施形態では、付属部60は、ステントの長手方向軸11に対して角度をなして配向された少なくとも1つの部分を含んでなることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、付属部60の幅はその長さに沿って一定である。いくつかの実施形態では、付属部60の幅は、ステント10の蛇行状のバンド20,116のストラット22,122の幅とほぼ等しくてよい。いくつかの実施形態では、付属部60の幅は、ステント10の蛇行状のバンド20,116のストラット22,122の幅に近い、例えば該ストラット幅の80〜120%からなる幅であってよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、付属部60は、ステント10の他の部分に比べてより放射線不透過性の高い材料、例えば放射線不透過性のマーカーからなる材料を含んでなることが可能である。放射線不透過性の付属部60はステント留置の助力となることができる。
【0081】
図11は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、ステント10は複数の付属部60をさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、ステント10は、付属部60どうしの間を橋渡しする複数のリンク部材79をさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、リンク部材79は一端が付属部60に接続され、他端が周方向に隣接した付属部60に接続される。
【0082】
リンク部材79は移行領域87,89に位置することができる。いくつかの実施形態では、リンク部材79は、ステントの拡張/展開配置の際の接線方向の変形のような変形に対して、付属部60を強化することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、付属部の構造は蛇行状の構造85を構成することができる。様々な実施形態において、蛇行状の構造85の山部および谷部は角度のあるものでも曲線状であってもよく、また蛇行状の構造85は波形構造またはジグザグ型構造を含んでなることができる。付属部の構造はさらに、接続ストラット91および付属部先端ストラット95を備えることができる。接続ストラット91は、第1の部分49の蛇行状のバンド116のような、第2の部分50の外側に位置するステント構造に、蛇行状の構造85を接続することができる。いくつかの実施形態では、接続ストラット91の一端が蛇行状のバンド116の基端側山部124に接続され、他端が蛇行状の構造85に接続されてもよい。付属部先端ストラット95は蛇行状の構造85に接続されてもよく、さらに自由端61を含むこともできる。
【0084】
図12は、第1の部分49および第3の部分51とは異なる構造的フレームワークのパターンを含んでなる第2の部分50を有するステント10の別の実施形態についての、平面パターンを示している。いくつかの実施形態では、付属部60は山部69を含んでなるものでもよい。いくつかの実施形態では、付属部60の一端を蛇行状のバンド116に、例えば第1の部分49にある蛇行状のバンド116のストラット122に接続させることができる。付属部60は、第1の移行領域87を横切って第2の部分50の中へと伸び、折り返して第1の移行領域87を通り抜け、第1の部分49に戻ることができる。その後、付属部60の第二端は、蛇行状のバンド116、周方向に隣接した付属部60などのような他のステント構造に接続することができる。
【0085】
図13は、脈管分岐部に配置された拡張操作中のステント10の実施形態を示す。ステント10は、第2の部分50を分枝脈管72と並ぶように位置調整して、主要脈管70の中に配置することができる。望ましくは、例えばステント10が付属部60を含んでなる場合、第1の移行領域87を、分岐部のカリナ80と並ぶように長手方向に位置調整して配置することができる。望ましくは、ステント10の第1の部分49を分岐部より基端側に位置付け、かつステント10の第3の部分51を分岐部より先端側に位置付けることができる。
【0086】
ステント10は、膨張バルーン15のような任意の適切な方法を使用して主要脈管70の中で拡張させることができる。いくつかの実施形態では、膨張バルーン15は、第2の部分50の蛇行状のバンド20を分枝脈管72の中へと拡張させることができる隆起部分19を含んでなることができる。ステント10が付属部60を備えている場合、望ましくは、バルーン15は1以上の付属部60も分枝脈管72の中へと拡張させることになる。隆起部分を有するバルーンの一例は、米国特許出願公開第2006/0036315号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に開示されている。第2の可膨張部分を有するバルーンのような適切なバルーンの他の例は、本明細書中で既に言及した米国特許出願公開第2005/0060027号明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、バルーン15はコンプライアントバルーンからなることができる。いくつかの実施形態では、バルーン15は、コンプライアントな外側層を備えた、または周囲にコンプライアントバルーンを備えたノン・コンプライアントバルーンであって、ノン・コンプライアント部分が主要脈管70の中でステント10を拡張させ、コンプライアントな層または部分がさらに拡張されて蛇行状のバンド20を分枝脈管72の中へと拡張させることを特徴とするノン・コンプライアントバルーンからなる。いくつかの実施形態では、バルーン15は、分枝脈管72の中へ拡張する部分を有するセミ・コンプライアントバルーンからなることもできる。図13に表される拡張が行なわれた後に、バルーン15を取り除くことができる。
【0087】
図14は、さらなる拡張状態にある図13のステント10を示す。いくつかの実施形態では、図13に関して説明したように拡張を行った後、分岐部を通ってガイドワイヤを分枝脈管内に入れて、分岐部に第2のバルーン31を誘導するために使用することができる。様々な実施形態において、第2のバルーン31はコンプライアントバルーンでもノン・コンプライアントバルーンでもよい。いくつかの実施形態では、第2のバルーン31には、分枝脈管72を支持するために使用される第2のステント(図示せず)が設けられていてもよい。
【0088】
第2のバルーン31を膨張させて、第2の部分50の蛇行状のバンド20をさらに分枝脈管72の中へ、かつ反対側の入口部の側壁74に寄せるように拡張させることができる。第2のバルーン31は、カリナ80の周りに付属部60を整列させることにより、カリナ80にステント支持を提供することもできる。
【0089】
いくつかの実施形態では、ステント10は、蛇行状のバンド20の一部が付属部60の上にステントの径方向に重なっている送達用の大きさに圧縮または縮小可能である。したがって、蛇行状のバンド20は、ステント送達の際に付属部60の上に重なってこれを保護するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ステント10の大きさは2段階のプロセスで縮小させることができる。最初に、ステント10の第1の部分49について、付属部60とともに大きさを縮小させることができる。次に、第2の部分50を含むステント10の残りの部分について、大きさを縮小させることができる。いくつかの実施形態では、蛇行状のバンド20の、第1の移行領域87に最も近い部分が、付属部60の一部の上に重なることになる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ステント10は、ニッケル・チタンのような形状記憶材料から例えば作製されている、自己拡張型であってもよい。
自己拡張型のステント10が、例えば図9〜12に示されるような、異なる領域49,50,51に異なる蛇行状のバンド20,116のパターンを含んでなる場合、第2の領域50の蛇行状のバンド20は、端部領域49および51の蛇行状のバンド116よりも大きなサイズへと自己拡張するように構成可能である。例えば、端部領域49および51のいずれかの蛇行状のバンド116は、公称の拡張直径dに拡張するように熱設定可能であり、かつ第2の領域50の蛇行状のバンド20は、例えば1.1d;1.25d;1.5d;1.75d;2d;などのようなより大きな直径に拡張するように熱設定可能である。こうして、第2の領域50は分枝脈管の中まで拡張することができる。
【0091】
本発明はさらに、当業者には理解されるように、本明細書中に記載のステント10を展開配備部位に送達する方法、および該ステント構造を主枝脈管内で、また側枝脈管の中へ拡張させることに関する。
【0092】
いくつかの実施形態では、ステント、送達システムまたは該アセンブリの他の部分は、X線、MRI、超音波などの画像診断療法によって検出可能な1以上の領域、バンド、コーティング、部材などを備えることができる。いくつかの実施形態では、ステントおよび/または隣接アセンブリの少なくとも一部分は、少なくとも部分的に放射線不透過性である。
【0093】
いくつかの実施形態では、ステントの少なくとも一部は治療薬を送達するための1以上のメカニズムを含むように構成される。多くの場合、該治療薬はステントの外面領域に配されるコーティング材料または他の材料層(または多層)の形態をとることになり、ステント移植部位またはその隣接領域で放出されるように構成される。
【0094】
ステント10が、例えば図9〜12に示されるような、異なる領域49,50,51に異なる蛇行状のバンド20,116のパターンを含んでなる場合、第2の領域50はより密なストラットパターンを有し、従って端部領域49,51よりも単位領域中により大量の構造材料を有することができる。したがって、それほど密でない領域にはより大量の治療薬を付与することが望ましいかもしれない。
【0095】
領域49,50,51内の様々な領域に様々な量の治療薬を提供することも望ましいかもしれない。例えば、分枝脈管72の中へ伸びることが予定されている領域のような、第2の領域50の局所的領域が、より高濃度の治療薬を含むこともできる。
【0096】
いくつかの実施形態では、ステント10は、治療薬を充填することができるリザーバを含んでなることができる。リザーバ、ピットおよび/またはその他の適切な領域を、例えばエッチングおよび/またはレーザーアブレーションにより、ステントに形成することができる。その後、任意の適切な技術を使用してリザーバを充填することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、治療薬は、アニロックスロール(Anilox rolling)技術を使用して付与することができる。アニロックスローラは、例えば米国特許第5989639号;同第6006665号;および同第6312367号明細書に記載されており、これらの文献の全開示内容は参照により本願に組込まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、治療薬は、ドイツ連邦共和国ノルダーシュテットD−22844、ミューレンヴェーク(Muehlenweg)143所在のマイクロドロップ・テクノロジーズ社(Microdrop Technologies GmbH)から入手可能な機械、例えば同社のAD、MDまたはMJシリーズ・ディスペンサシステムを使用して付与することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、治療薬は、アイルランド国ゴールウェイ州ユニット4、バリーブリトビジネスパーク(Ballybrit Business Park)所在のラブコートリミテッド(Labcoat Limited)から入手可能な機械、例えば同社専売のJuxtaposed Ablumenal(JA(商標))コーティングおよび処理技術に適した機械を使用して付与することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、治療薬はインクジェット・プリンタ技術を使用して付与することもできる。いくつかの実施形態では、治療薬は米国特許第6676987号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に開示された方法によって付与することもできる。
【0101】
いくつかの実施形態では、治療薬は、例えば米国特許第4485387号明細書(全開示内容が参照により本願に組込まれる)に記載されているように、直接描画技術を使用して付与することもできる。直接描画デバイスは、例えば、米国ニューヨーク州14472ハネオイェフォールス(Honeoye Falls)ペーパーミルストリート(Paper Mill Street)93所在のオームクラフト社(Ohmcraft,Inc.)から入手可能である。
【0102】
いくつかの実施形態では、1層の治療薬が第2の部分50に付与され、多層が第1の部分49および第3の部分51に付与されてもよい。
いくつかの実施形態では、放射線不透性材料を、付属部60のようなステント10の一部に付与することができる。いくつかの実施形態では、放射線不透性材料および治療薬の両方をステント10に付与することができる。例えば、アニロックスローラの彫刻されたセルに、治療薬および放射線不透性材料を交互に提供して、両方をステント10の局所領域に付与することができる。
【0103】
治療薬は、薬物、または非遺伝子治療薬、遺伝子治療薬、細胞物質などのような他の医薬品であってよい。適切な非遺伝子治療薬のいくつかの例には、限定するものではないが:ヘパリン、ヘパリン誘導体、血管細胞成長促進物質、成長因子阻害剤、パクリタキセルなどのような抗血栓形成剤が挙げられる。治療薬が遺伝子治療薬を含む場合、そのような遺伝物質には、限定するものではないが:DNA、RNAおよび前記それぞれの誘導体または構成成分のうち少なくともいずれか;ヘッジホッグタンパク質などが挙げられる。治療薬が細胞物質を含む場合、該細胞物質には、限定するものではないが:ヒト起源の細胞および/またはヒト以外を起源とする細胞、ならびに前記それぞれの構成成分またはその誘導体のうち少なくともいずれかが挙げられる。治療薬がポリマー物質を含む場合、該ポリマー物質は、ポリスチレン‐ポリイソブチレン‐ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)、ポリエチレンオキシド、シリコーンゴムおよび/またはその他の任意の適切な基材であってよい。
【0104】
上記の開示は例示を意図したものであり、網羅的なものではない。この説明により、当業者には多くの変形形態および代替形態が示唆されるであろう。個々の図面に示され、また上記に説明された様々な要素は、所望どおりに組み合わせたり組み合わせるために改変したりすることが可能である。これらの代替物および変形物はすべて特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されており、特許請求の範囲において用語「からなる、含んでなる(comprising)」は、「含むがそれに限定されるものではない」ことを意味している。
【0105】
さらに、従属クレームにおいて提示される特定の特徴は、本発明の範囲内で別の組み合わせかたで互いに組み合わせることが可能であり、従って本発明は、従属クレームの特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも明確に対象とするものとして認識されるべきである。例えば、特許請求の範囲を公開する目的のためには、多数従属形式が管轄地域内で容認された形式である場合には、後続のすべての従属クレームは、そのような従属クレームにおいて引用されたすべての先行内容を有するすべての先行クレームに従属する多数従属形式で代替として記載されているものとして扱うべきである(例えば、請求項1に直接従属している各クレームは、すべての先行クレームに従属するものとして代替的に扱われるべきである)。多数従属形式が制限される管轄地域では、後続する従属クレームは、下方の従属クレームにおいて列挙された特定のクレームではなく、先行内容を含む先行クレームに従属させる単一従属クレーム形式で代替として記載されているものとしてそれぞれ扱うべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端および先端を有するステントであって、
第1の領域、第2の領域および第3の領域を含んでなる管状本体であって、複数の蛇行状のバンドによって画成され、蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなることを特徴とする、管状本体と、
第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなることと、
第1の領域および第3の領域はそれぞれ、共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとはオーバラップしていない蛇行状のバンドを含んでなることと
からなるステント。
【請求項2】
第1の蛇行状のバンドのストラットおよび第2の蛇行状のバンドのストラットが、共通のステント外周に沿ってオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
第1の領域または第3の領域の蛇行状のバンドは互いにオーバラップしない、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
第2の領域の蛇行状のバンドはそれぞれ、少なくとも1つの他の蛇行状のバンドとオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
中央の領域は第3の蛇行状のバンドをさらに含んでなり、第2の蛇行状のバンドおよび第3の蛇行状のバンドは共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
第1の領域は交互に並んでいる蛇行状のバンドおよびコネクタ・カラムを含んでなり、各々のコネクタ・カラムは複数のコネクタ・ストラットを含んでなり、各々のコネクタ・ストラットは2つの隣接する蛇行状のバンドの間を接続する、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
コネクタ・カラムは交互に並んでいる第1のコネクタ・カラムおよび第2のコネクタ・カラムを含んでなり、第1のコネクタ・カラムは、第2のコネクタ・カラムのコネクタ・ストラットとは異なるコネクタ・ストラットを有している、請求項6に記載のステント。
【請求項8】
第2の領域の蛇行状のバンドはそれぞれ、複数の第1のストラットおよび第2のストラットを含んでなり、全ての基端側折り返し部が、第1のストラットにより第1の先端側折り返し部に、第2のストラットにより第2の先端側折り返し部に接続され、各々の第1のストラットは、各々の第2のストラットの曲線状のパスとは異なる曲線状のパスを画成する、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
付属部をさらに含んでなり、該付属部は第2の領域に位置する自由端を含んでなる、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
付属部は接続端で第1の領域の蛇行状のバンドに接続されている、請求項9に記載のステント。
【請求項11】
付属部は接続端で他のステント構造に接続されているだけである、請求項10に記載のステント。
【請求項12】
接続端は蛇行状のバンドの基端側山部に接続し、かつ先端方向に伸びる、請求項10に記載のステント。
【請求項13】
接続端は蛇行状のバンドのストラットに接続する、請求項10に記載のステント。
【請求項14】
複数の付属部をさらに含んでなる、請求項9に記載のステント。
【請求項15】
複数のリンク部材をさらに含んでなり、リンク部材はそれぞれ2つの隣接する付属部の間を接続する、請求項14に記載のステント。
【請求項16】
付属部およびリンク部材は蛇行状の波形を構成する、請求項15に記載のステント。
【請求項17】
付属部の自由端は山部を含んでなる、請求項9に記載のステント。
【請求項18】
付属部は一端が第1の領域の蛇行状のバンドに接続され、第2の領域の中へ伸び、前記山部で折り返して第1の領域の中に戻る、請求項18に記載のステント。
【請求項19】
ステントは自己拡張型であり、第2の領域の拡張形態は第1の領域の拡張形態よりも大きい直径からなる、請求項1に記載のステント。
【請求項20】
基端および先端を有するステントであって、
第1の領域および第2の領域を含んでなる管状本体であって、複数の蛇行状のバンドによって画成され、蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなることを特徴とする、管状本体と、
第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなることと、
ステントの第1の領域にある蛇行状のバンドはそれぞれ、ステントの長さについて別個の異なる部分を占めることと
からなるステント。
【請求項1】
基端および先端を有するステントであって、
第1の領域、第2の領域および第3の領域を含んでなる管状本体であって、複数の蛇行状のバンドによって画成され、蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなることを特徴とする、管状本体と、
第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなることと、
第1の領域および第3の領域はそれぞれ、共通のステント外周に沿って別の蛇行状のバンドとはオーバラップしていない蛇行状のバンドを含んでなることと
からなるステント。
【請求項2】
第1の蛇行状のバンドのストラットおよび第2の蛇行状のバンドのストラットが、共通のステント外周に沿ってオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
第1の領域または第3の領域の蛇行状のバンドは互いにオーバラップしない、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
第2の領域の蛇行状のバンドはそれぞれ、少なくとも1つの他の蛇行状のバンドとオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
中央の領域は第3の蛇行状のバンドをさらに含んでなり、第2の蛇行状のバンドおよび第3の蛇行状のバンドは共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
第1の領域は交互に並んでいる蛇行状のバンドおよびコネクタ・カラムを含んでなり、各々のコネクタ・カラムは複数のコネクタ・ストラットを含んでなり、各々のコネクタ・ストラットは2つの隣接する蛇行状のバンドの間を接続する、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
コネクタ・カラムは交互に並んでいる第1のコネクタ・カラムおよび第2のコネクタ・カラムを含んでなり、第1のコネクタ・カラムは、第2のコネクタ・カラムのコネクタ・ストラットとは異なるコネクタ・ストラットを有している、請求項6に記載のステント。
【請求項8】
第2の領域の蛇行状のバンドはそれぞれ、複数の第1のストラットおよび第2のストラットを含んでなり、全ての基端側折り返し部が、第1のストラットにより第1の先端側折り返し部に、第2のストラットにより第2の先端側折り返し部に接続され、各々の第1のストラットは、各々の第2のストラットの曲線状のパスとは異なる曲線状のパスを画成する、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
付属部をさらに含んでなり、該付属部は第2の領域に位置する自由端を含んでなる、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
付属部は接続端で第1の領域の蛇行状のバンドに接続されている、請求項9に記載のステント。
【請求項11】
付属部は接続端で他のステント構造に接続されているだけである、請求項10に記載のステント。
【請求項12】
接続端は蛇行状のバンドの基端側山部に接続し、かつ先端方向に伸びる、請求項10に記載のステント。
【請求項13】
接続端は蛇行状のバンドのストラットに接続する、請求項10に記載のステント。
【請求項14】
複数の付属部をさらに含んでなる、請求項9に記載のステント。
【請求項15】
複数のリンク部材をさらに含んでなり、リンク部材はそれぞれ2つの隣接する付属部の間を接続する、請求項14に記載のステント。
【請求項16】
付属部およびリンク部材は蛇行状の波形を構成する、請求項15に記載のステント。
【請求項17】
付属部の自由端は山部を含んでなる、請求項9に記載のステント。
【請求項18】
付属部は一端が第1の領域の蛇行状のバンドに接続され、第2の領域の中へ伸び、前記山部で折り返して第1の領域の中に戻る、請求項18に記載のステント。
【請求項19】
ステントは自己拡張型であり、第2の領域の拡張形態は第1の領域の拡張形態よりも大きい直径からなる、請求項1に記載のステント。
【請求項20】
基端および先端を有するステントであって、
第1の領域および第2の領域を含んでなる管状本体であって、複数の蛇行状のバンドによって画成され、蛇行状のバンドはそれぞれ、ストラットによって接続された複数の交互に並んだ基端側折り返し部および先端側折り返し部を含んでなることを特徴とする、管状本体と、
第2の領域は、共通のステント外周に沿って互いにオーバラップする第1の蛇行状のバンドおよび第2の蛇行状のバンドを含んでなることと、
ステントの第1の領域にある蛇行状のバンドはそれぞれ、ステントの長さについて別個の異なる部分を占めることと
からなるステント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−528710(P2010−528710A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510400(P2010−510400)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/062914
【国際公開番号】WO2008/150623
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/062914
【国際公開番号】WO2008/150623
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】
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