説明

オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法

【課題】 オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法の提供。
【解決手段】 紙パルプ、非紙パルプ及びその混合物の繊維材料で形成したスラリー中に、植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤及び非イオン性化合物と陽イオン性化合物を含有した連結助剤を加え、並びに10倍の水と混合して可塑スラリーとなした後、可塑スラリーを型で成形し、更に成形された食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆し、この樹脂膜は25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とし、並びに熱硬化型接着剤で該紙プラスチック製品表面に接着する。以上の方法で製造した食品包装容器は食品を入れて摂氏220度のオーブンで20〜30分間加熱可能で、また摂氏−35度の氷温下で保存可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法に係り、特に、食品包装に用いられる紙プラスチック製品を指し、それと食品との接触面が一層の25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜で被覆されて、食品を入れて摂氏220度のオーブンで20〜30分間加熱可能で、また摂氏−35度の氷温下で保存可能であるオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に周知の紙プラスチック製品の包装容器(加工業或いは農業製品用包装製品)は、甘蔗繊維、葦繊維、紙製品製造時に出る屑材を主要な原料として製造され、それらの原料は収集された後に水でスラリーに加工され、更に金属型で真空吸着と直接硬化成形され、紙プラスチック成形後に更に水性アクリル或いはエマルジョン或いは樹脂或いはEVA含有成分の塗料(例えばポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、延伸ポリスチレン、ポリエチレン等)により表面処理される。上述の使用される樹脂及び一般の化合塗料はいずれも高温に耐えられず、高温下で表面が溶融する現象を発生しやすく、化学有毒物質が包装された食品中に溶け込み、人体の健康に対して厳重な影響を及ぼし得る。また一般の使用者はこのような製品に対して理解不十分で誤用することがあり、人体に対して無形の脅威を及ぼし、特にポリスチレン食器或いはプラスチック食器については厳重である。
【0003】
このほか、上述の周知の紙プラスチック食品包装容器の構造は、零下摂氏30度以下で急速食品冷凍に使用される時、被覆層に亀裂が発生して冷凍時に毒物が放出されたり、食品の水や油が浸透することがあり、実用性に欠けている。
上述した周知の構造の主要な欠点は、紙プラスチック容器及び容器を被覆する防水、防油の樹脂膜が高温加熱に耐えられずまた超低温での食品保存にも耐えられず、特に摂氏150度以上のオーブンで使用することができず、容器の使用範囲が極めて制限され、その経済価値が低く、環境保護型紙プラスチック包装容器或いは食器の推進の障害となることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の周知の紙プラスチック製品が使用上、多くの制限があり、実用性と経済性に乏しいことを鑑み、斬新なオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法を提供するものである。
【0005】
本発明の主要な目的は、一種のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法を提供することにあり、それは、紙プラスチックの植物繊維材料中に植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤を加え、及び、該紙プラスチック製品の表面を熱硬化型接着剤を利用しポリエチレンテレフタレート膜で被覆し、該紙プラスチック製品に防水、防油性を具備させるほか、高温ベークに耐え低温急速冷凍に耐える特性を与え、その産業上の利用価値を高める製造方法であるものとする。
【0006】
本発明の方法は、紙パルプ、非紙パルプ及びその混合物の繊維材料で形成したスラリー中に、植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤、及び非イオン性化合物と陽イオン性化合物を含有した連結助剤を加え、並びに10倍の水と混合して可塑スラリーとなした後、可塑スラリーを型で成形し、更に成形された食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆し、この樹脂膜は25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とし、並びに熱硬化型接着剤で該紙プラスチック製品表面に接着する。以上の方法で製造した食品包装容器は食品を入れて摂氏220度のオーブンで20〜30分間加熱可能で、また摂氏−35度の氷温下で保存可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、紙パルプ、非紙パルプ及びその混合物の繊維材料で形成したスラリー中に、植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤、及び非イオン性化合物と陽イオン性化合物を含有した連結助剤を加え、並びに10倍の水と混合して可塑スラリーとなした後、可塑スラリーを型で成形し、更に成形された食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆し、この樹脂膜は25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とし、並びに熱硬化型接着剤で該紙プラスチック製品表面に接着することを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法において、植物繊維スラリー中に添加する耐高温助剤は、繊維重量の50%〜80%の活性ケイ酸アルミ化合物(Inorganic Auminum Silicate)と、繊維重量の1.5%〜9%の天然ろう類乳化剤(Natural wax emulsion)を混合してなることを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法において、植物繊維スラリー中に添加する連結助剤は、全ての植物繊維重量の0.75%〜5.4%のフッ素系樹脂、0.9%〜7.2%の高分子重合物、0.15%〜0.54%のポリアミン系樹脂(Aliphatic polyamine)、0.75%〜9%のアクリル系樹脂(Alkyl acryl copolymers)で組成することを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法としている。
請求項4の発明は、紙プラスチック食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆してなる紙プラスチック食品包装容器において、該樹脂膜が厚さ0.25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とされて熱硬化型接着剤で該紙プラスチック食品包装容器の表面に接着されたことを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック食品包装容器としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法は、紙プラスチックの植物繊維材料中に植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤を加え、及び、該紙プラスチック製品の表面を熱硬化型接着剤を利用しポリエチレンテレフタレート膜で被覆し、該紙プラスチック製品に防水、防油性を具備させるほか、高温ベークに耐え低温急速冷凍に耐える特性を与え、その産業上の利用価値を高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1、2に示されるように、本発明の方法は、紙パルプ、非紙パルプ及びその混合物の繊維材料で形成したスラリー中に、植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤、及び非イオン性化合物と陽イオン性化合物を含有した連結助剤を加え、並びに10倍の水と混合して可塑スラリーとなした後、可塑スラリーを型で成形し、更に成形された食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆し、この樹脂膜は25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜20とし、並びに熱硬化型接着剤30で該紙プラスチック製品表面に接着する。
【0010】
植物繊維スラリー中に添加する耐高温助剤は、繊維重量の50%〜80%の活性けい酸アルミ化合物(Inorganic Aluminum Silicate)、と繊維重量の1.5%〜9%の天然ろう類乳化剤(Natural wax emulsion)を混合してなる。
【0011】
植物繊維スラリー中に添加する連結助剤は、植物繊維重量の0.75%〜5.4%のフッ素系樹脂、0.9%〜7.2%の高分子重合物、0.15%〜0.54%のポリアミン系樹脂(Aliphatic polyamine)、0.75%〜9%のアクリル系樹脂(Alkyl acryl copolymers)で組成される。
【0012】
以上の方法で製造した、食品包装容器は、そのうちに非紙パルプの植物繊維と等量の陰イオン性化合物配合の耐高温助剤が添加され、さらに繊維量の10倍の水で均一に攪拌されて繊維スラリーとされ、及びポリエチレンテレフタレート膜が熱硬化型接着剤で紙プラスチック製品表面に接着され、食品包装容器に食品を入れて摂氏220度のオーブンで20〜30分間加熱可能で、また摂氏−35度の氷温下で保存可能である。
【0013】
総合すると、本発明の方法は確実に予期された目的を達成し、産業上の利用価値を有し、特許の要件を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法のブロックフローチャートである。
【図2】本発明のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法により製造された製品の断面図である。
【符号の説明】
【0015】
10 食品包装容器 20 ポリエチレンテレフタレート膜
30 熱硬化型接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙パルプ、非紙パルプ及びその混合物の繊維材料で形成したスラリー中に、植物繊維とほぼ等量の、陰イオン性化合物を含有した耐高温助剤、及び非イオン性化合物と陽イオン性化合物を含有した連結助剤を加え、並びに10倍の水と混合して可塑スラリーとなした後、可塑スラリーを型で成形し、更に成形された食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆し、この樹脂膜は25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とし、並びに熱硬化型接着剤で該紙プラスチック製品表面に接着することを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法において、植物繊維スラリー中に添加する耐高温助剤は、繊維重量の50%〜80%の活性ケイ酸アルミ化合物(Inorganic Auminum Silicate)と、繊維重量の1.5%〜9%の天然ろう類乳化剤(Natural wax emulsion)を混合してなることを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のオーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法において、植物繊維スラリー中に添加する連結助剤は、全ての植物繊維重量の0.75%〜5.4%のフッ素系樹脂、0.9%〜7.2%の高分子重合物、0.15%〜0.54%のポリアミン系樹脂(Aliphatic polyamine)、0.75%〜9%のアクリル系樹脂(Alkyl acryl copolymers)で組成することを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック包装容器製造方法。
【請求項4】
紙プラスチック食品包装容器の内面を樹脂膜で被覆してなる紙プラスチック食品包装容器において、該樹脂膜が厚さ0.25μm〜80μmのポリエチレンテレフタレート膜とされて熱硬化型接着剤で該紙プラスチック食品包装容器の表面に接着されたことを特徴とする、オーブン用冷凍食品紙プラスチック食品包装容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−89063(P2006−89063A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274772(P2004−274772)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(504348437)
【出願人】(504348448)
【Fターム(参考)】