説明

カイラルドーパント

【課題】式I;R1-X1-MG1-G-MG2-X2-R2のカイラルドーパントを提供する。
【解決手段】式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性メソゲン化合物を任意に少なくとも1つ含有する液晶材料。式Iのカイラルドーパントを含有する液晶材料を含有するコレステリック液晶ディスプレイと式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性化合物を少なくとも1つ含有する液晶材料を(共)重合することにより得ることができるカイラル液晶相を有するポリマー膜。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I;

R1-X1-MG1-G-MG2-X2-R2 I

(式中、
R1及びR2は、互いに独立して、炭素原子25個までを有する直鎖及び分枝鎖状アルキル基であって、ハロゲン又はCNにより単置換又は多置換されていてもよく、隣接しないCH2基1又は2以上は、酸素原子が互いに直接結合しないという条件で、それぞれの場合互いに独立して-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は-C≡C-でもよく、
X1及びX2は、互いに独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は単結合であり、
Gは、以下のカイラル二価構造要素;
【0002】
【化1】

であり、そして
MG1及びMG2は、それぞれ独立して、式II;

-(A1-Z)m-A2- II

(Zは、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表す)
のメソゲン基又はメソゲン性支持基であり、
A1及びA2は、それぞれ独立して、CH基1又は2以上がNにより置換されていてもよい1,4-フェニレン基、隣接しないCH2基1又は2がO及び/又はSにより置換されていてもよい1,4-シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルであって、これらの基全ては、未置換か、ハロゲン、シアノ又はニトロ基、又はH原子1又は2以上がF又はClにより置換されていてもよい炭素原子1個から7個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基で単置換又は多置換されていてもよく、そして
mは、0、1、2又は3である)
のカイラルドーパントに関する。
【0003】
本発明は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ及び任意に重合性メソゲン化合物を少なくとも1つ含有する液晶材料にも関する。
本発明は、さらにカイラル液晶相を有するポリマー膜用途へのこのような液晶材料の使用、アクティブ又はパッシブ光学素子又はカラーフィルターへの使用及び液晶ディスプレイ、例えばSTN、TN、AMD-TN、温度補償、ゲスト-ホスト又は相転移ディスプレイへの使用、又はポリマーフリー又はポリマー安定化コレステリックテクスチャー(PFCT、PSCT)ディスプレイへの使用に関する。
【0004】
本発明は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ含む液晶材料を含有する液晶ディスプレイ及び式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性メソゲン基を少なくとも1つを含有する液晶材料の(共)重合により得ることができるカイラル液晶相を有するポリマー膜にも関する。
【0005】
カイラルドーパントは、例えば液晶ディスプレイに使用可能な液晶媒体のヘリカルツイストを誘導又は増強するために使用される。多くの実用的な用途に十分な、第一基準(the first approximation)での分子ヘリックスのピッチpは、等式(1);
【数1】

により液晶ホスト混合物中のカイラルドーパントの濃度cに反比例する。
【0006】
比例因子は、カイラルドーパントのヘリカルツイスト力(HTP)である。
多くの用途について、液晶混合物は、ツイストを示すことが好ましい。これらは、例えば相転移ディスプレイ、ゲスト-ホストディスプレイ、AMD-TNのようなパッシブ及びアクティブマトリクスTNディスプレイ及びSTNディスプレイであって、例えば単独か又はさらなるカイラルドーパントとの組み合わせで、本発明によるコレステリックドーパントの適切な選択により、温度補償された特性を有するディスプレイを包含する。これらの用途において、所望のピッチを誘導するのに必要とするドーパントの量を減少させるために、高HTPを有するカイラルドーパントを使用できることは有利である。
【0007】
いくつかの用途において、強いヘリカルツイスト及びそれにより短いピッチ長を示す液晶混合物が要求される。例えば選択的に反射するコレステリックディスプレイで使用される液晶混合物では、ピッチは、コレステリックヘリックスにより反射される最大波長が可視光の範囲となるように選択されなければならない。他の可能な用途は、例えばコレステリック広域偏光板又はカイラル液晶リターデーション膜のような光学素子のためのカイラル液晶相を有するポリマー膜である。
等式(1)からわかるように、短いピッチは、多量のドーパントを使用するか、又は高HTPを有するドーパントを使用することにより達成することができる。
【0008】
しかしながら、先行技術のカイラルドーパントは、しばしば低いHTP値を示すため、多量のドーパントが必要である。このことは、カイラルドーパントが純粋なエナンチオマーとしてのみ使用できるため、それらは高価であり、合成することは困難であるので不都合である。
さらにそして多くの場合より重要なことには、先行技術のカイラルドーパントを多量に使用する場合に、例えば誘電異方性Δε、粘度、駆動電圧又は切り替え時間のような液晶ホスト混合物の性質にしばしば悪影響を与える。
【0009】
したがって、合成が容易であり、少量で使用可能な、例えば定常的な反射波長を使用するためのコレステリックピッチの改善された温度安定性を示し、液晶ホスト混合物の物性に影響を与えない高HTPを有するカイラルドーパントに相当な需要がある。
本発明の課題は、これらの性質を有し、上述のような従来技術のドーパントの不都合を有さないカイラルドーパントを提供することにある。
【0010】
この課題は、式Iによるカイラルドーパントの提供によって達成できることが明らかとなった。
本発明のカイラルドーパントは、経済的かつ天然資源である糖類より容易に入手可能な1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-ソルビトールを基本とするカイラル構造要素を含む。
構造要素として、1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-ソルビトールを含有するカイラル重合性メソゲン化合物は、WO 95/16007に開示されている。
【0011】
G. Wulff等による、Makromolekulare Chemie, 188 (4), 731-40 (1987)は、型押印刷された(template-imprinted)ビニルポリマー及びアクリルポリマーのカイラル架橋性試薬として使用される非メソゲン1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-ソルビトール-2,5-ジメタクリレートを記載している。
【0012】
しかしながら、WO 95/16007中、G. Wulff等により記述された化合物は、反応性であり、その結果多くの用途にとって十分安定ではない。
したがって本発明の課題は、式I;

R1-X1-MG1-G-MG2-X2-R2 1

(式中、
R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子25個までを有する直鎖及び分枝鎖状アルキル基であって、ハロゲン又はCNにより単置換又は多置換されていてもよく、隣接しないCH2基1又は2以上は、酸素原子が互いに直接結合しないという条件で、それぞれの場合独立して-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は-C≡C-であってもよく、
X1及びX2は、互いに独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は単結合であり、
Gは、以下のカイラル二価構造要素;
【0013】
【化2】

であり、そして
MG1及びMG2は、それぞれ独立して、式II;

-(A1-Z)m-A2- II
(Zは、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表す)
のメソゲン基又はメソゲン性支持基であり、
A1及びA2は、それぞれ独立して、CH基1又は2以上がNにより置換されていてもよい1,4-フェニレン基、隣接しないCH2基1又は2がO及び/又はSにより置換されていてもよい1,4-シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルであって、これらの基全ては、未置換か、ハロゲン、シアノ又はニトロ基、又はH原子1又は2以上がF又はClにより置換されていてもよい炭素原子1個から7個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基で単置換又は多置換されていてもよく、そして
mは、0、1、2又は3である)
のカイラルドーパントにある。
【0014】
本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性メソゲン化合物を任意に少なくとも1つ含有する液晶材料にある。
本発明のさらなる課題は、カイラル液晶相を有するポリマー膜の調製のため、アクティブ及びパッシブ光学素子、カラーフィルターのため、そして例えばSTN、TN、AMD-TN、温度補償、ゲスト-ホスト又は相転移ディスプレイ、又はポリマーフリー又はポリマー安定化テクスチャー(PFCT、PSCT)コレステリックディスプレイのような液晶ディスプレイのための以上に記載のような液晶材料の使用にある。
【0015】
本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ含有する液晶材料を含有するコレステリック液晶ディスプレイにある。
さらに、本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性メソゲン化合物を少なくとも1つ含有する液晶材料を(共)重合することにより得ることが可能なカイラル液晶相を有するポリマー膜にある。
式Iのカイラルドーパントのうち特に好適なものは、MG1とMG2が以下の式;
【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

(式IIaから式IIkでは、Lは、それぞれの場合、互いに独立して、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基であるか、又はH原子1又は2以上がF又はClで置換されていてもよい、炭素原子1個から7個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基を意味し、そしてrは0、1又は2である)
から選択されるものである。
好適化合物からは、MG1とMG2が式IIa、式IIb、式IIc、式IId及び式IIeから選択されるものが特に好適である。
好適化合物からは、格別に好適なものはMG1とMG2が式IIa及び式IIbから選択されるものである。
【0018】
【化5】

これらの格別に好適な化合物では、rは特に好ましくは0である。さらに好適なものは、rが1である(L)rにより芳香環の少なくとも2つが置換されているか又は環少なくとも1つがrが2であり、Lが上記の意味を有する(L)rにより置換されている式IIa及び式IIbであるMG1とMG2を有する化合物である。
R1及び/又はR2が、アルキル又は末端CH2基が-O-により置換されているアルコキシ基である場合、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。好ましくは直鎖であり、炭素原子2、3、4、5、6、7又は8個有し、したがって好ましくは例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、又はオクトキシ、さらにメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ又はテトラデコキシである。
【0019】
1つのCH2基が-O-により置換されているオキサアルキルは、好ましくは例えば直鎖2-オキサプロピル(=メトキシメチル)、2-(=エトキシメチル)又は3-オキサブチル(=2-メトキシエチル)、2-、3-、又は4-オキサペンチル、2-、3-、4-、又は5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-、又は6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6-、又は7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-、又は8-オキサノニル、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-、又は9-オキサデシルである。
好適な化合物でのR1とR2は、好ましくは炭素原子1個から12個を有するアルキル又はアルコキシである。
【0020】
式IでのX1とX2は、好ましくは-O-、-CO-、-COO-、-OCO-又は単結合を意味する。
Lは、好ましくはF、Cl、CN、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、CF3、OCF3、OCHF2、OC2F5、特にF、Cl、CN、CH3、C2H5、OCH3、COCH3又はOCF3であり、最も好ましくはF、CH3、C2H5、OCH3及びCOCH3である。
式Iの化合物では、2価カイラル基Gの両側にあるR1とR2並びにMG1とMG2は、同一か又は異なっていてもよい。特に好適なものは、R1とR2並びにMG1とMG2が同一である式Iの化合物である。
本発明のカイラルドーパントは、以下の反応スキームにより合成することができる:
【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

DCCD=ジシクロヘキシルカルボジイミド、DMAP=ジメチルアミノピリジン、DCM=ジクロロメタン
反応スキーム1及び2では、Rは炭素原子1個から12個を有するアルキル又はアルコキシを意味し、Lとrは上記意味を有し、MGは式IIaから式IIgの意味の1つを有する。
【0023】
本発明のカイラルドーパントは、例えばスーパーツイスト又はアクティブマトリクス液晶ディスプレイのような液晶マトリクスのツイスト分子構造を示すディスプレイのための液晶材料に、又は例えば強誘電ディスプレイ又はコレステリックディスプレイ用のカイラルスメクティック又はカイラルネマティック(コレステリック)材料のような、カイラル液晶相を有する液晶材料を含有するディスプレイ使用することができる。
【0024】
したがって、本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ含有するコレステリック液晶材料を含有するコレステリック液晶ディスプレイにある。
そして本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ含有するコレステリック液晶材料を含有するコレステリック液晶ディスプレイにある。
式Iの本発明のカイラルドーパントは、高いHTP値を示す。したがって高ヘリカルツイスト、すなわち短いコレステリックピッチを有する液晶材料は、本発明のカイラルドーパントの使用により調製することができ、又は他に中度のヘリカルツイストを有する液晶材料は、本発明のカイラルドーパントを小量だけ使用すれば得ることができる。
【0025】
本発明のドーパントの高HTP値は、コレステリックピッチのような液晶混合物の性質のため、及び例えばしきい値電圧のようなディスプレイの性質の温度補償のために他のドーパントと組み合わせて使用することを適切にもする。
本発明の好適態様では、カイラルドーパントは、ネマティック液晶混合物でHTPの強度の温度依存性を示す。
本発明のドーパントは、わずかしか液晶材料の物性に影響しないのでさらに有利である。
【0026】
したがって、例えば正の誘電異方性を有する液晶材料に式Iのカイラルドーパントを混合して、液晶ディスプレイで使用する場合には、Δεはわずかに減少し、そして液晶材料の粘度はわずかしか増加しない。これは、従来のドーパントを含有するディスプレイと比較して、より低電圧とディスプレイの切り替え時間の改善をもたらす。
本発明の特に好適な態様では、カイラルドーパントはネマティック液晶混合物でHTPの小さな温度依存性を示す。
本発明の液晶材料は、好ましくは0.001〜15重量%、特に0.01〜7重量%、非常に好ましくは0.1〜4重量%の式Iで表されるカイラルドーパントを含む。
【0027】
本発明による液晶材料は、式Iのカイラルドーパントを好ましくは1から3、さらに好ましくは1又は2、特に好ましくは1つ含有する。
上記のような温度補償の用途のためには、液晶材料は好ましくは式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つ含有するカイラル成分を含有する。
【0028】
本発明の好適な態様では、液晶材料は2から15、好ましくは3から15の化合物からなり、そのうち少なくとも1つは式Iのカイラルドーパントである。他の化合物は、好ましくはネマティック又はネマトゲン性物質、例えばアゾキシベンゼンベンジリデンアニリン、ビフェニル、ターフェニル、フェニル又はシクロヘキシルベンゾエート、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸及びシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のフェニル又はシクロヘキシルエステル、フェニルシクロヘキサン、シクロヘキシルビフェニル、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキセン、1,4-ビス-シクロヘキシルベンゼン、4,4'-ビス-シクロヘキシルビフェニル、フェニル又はシクロヘキシルピリミジン、フェニル又はシクロヘキシルピリジン、フェニル又はシクロヘキシルピリダジン、フェニル又はシクロヘキシル-1,3-ジチアン、1,2-ジフェニルエタン、1,2-ジシクロヘキシルエタン、1-フェニル-2-シクロヘキシルエタン、1-シクロヘキシル-2-(4-フェニルシクロヘキシル)エタン、1-シクロヘキシル-2-ビフェニルエタン、1-フェニル2-シクロヘキシルフェニルエタンの公知の群、任意にハロゲン化されたスチルベン、ベンジルフェニルエーテル、トラン、置換された桂皮酸、さらに他のクラスのネマティック又はネマトゲン性物質からなる群から選択される低分子量液晶化合物である。これらの化合物では、1,4-フェニレン基は側鎖的に単置換又は2置換されていてもよい。
【0029】
この好適態様の液晶材料は、この種の非カイラル化合物を基本としている。
これらの液晶材料の成分として使用可能な最も重要な化合物は、以下の式;

R'-L'-G'-E-R"

(式中、L'とEは、同一か異なっていてもよく、それぞれの場合、互いに独立して、-Phe-、-Cyc-、-Phe-Phe-、-Phe-Cyc-、-Cyc-Cyc-、-Pyr-、-Dio-、-B-Phe-及び-B-Cyc-とそれらの鏡像体からなる群からの2価基であって、Pheは未置換か又はフッ素置換された1,4-フェニレンであり、Cycはトランス-1,4-シクロへキシレン又はピリジン-2,5-ジイルであり、Dioは1,3-ジオキサン-2,5-ジイルであり、そしてBは2-(トランス-1,4-シクロヘキシル)エチル、ピリミジン-2,5-ジイル又は1,3-ジオキサン2,5-ジイルである)
により特徴づけることができる。
【0030】
これらの化合物のG'は、以下の2価基;-CH=CH-、-N(O)N-、Yがハロゲン、好ましくは塩素、又は-CN-である-CH=CY-、-CH=N(O)-、-C≡C-、-CH2-CH2-、-CO-O-、-CH2-O-、-CO-S-、-CH2-S-、-CH=N-、-COO-Phe-COO-又は単結合である。
R'とR"は、それぞれの場合、互いに独立して、1個から18個、好ましくは3個から12個炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル又はアルコキシカルボニルオキシであるか、又はR'とR"のうち1つは、選択的に-F、-CF3、-OCF3、-Cl、-NCS-又は-CNである。
これらの化合物のほとんどにおいて、R'とR"は、それぞれの場合、互いに独立して、鎖長の異なるアルキル、アルケニル、又はアルコキシであって、ネマティック媒体での炭素原子の合計は、一般に2個から9個の間、好ましくは2個から7個の間である。
【0031】
これらの化合物、又はそれらの混合物の多くは商業的に入手できる。これらの化合物全ては、それぞれ公知であるか、又は刊行物(例えばhouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie [有機化学の方法], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartのような標準的学術書)に記載のように自体公知の方法により、公知の反応条件下で正確かつ適切に製造することができる。自体公知のここでの誘導体にも適用できるが、ここでは言及しない。
本発明のドーパントは、異方性ポリマーゲルとして及び例えば相転移ディスプレイ又はポリマーフリー又はポリマー安定化コレステリックテクスチャーディスプレイ(PFCT、PSCT)のようなコレステリックディスプレイの液晶材料として、特に有用である。
【0032】
本発明によるカイラルドーパントのさらなる利点は、これらのドーパントを含有するコレステリック液晶材料が反射波長dλ/dT(T=温度、λ=反射波長極大)の低い温度依存性を示すことにある。コレステリックディスプレイは、例えばWO 92/19695、WO 93/23496、US 5,453,863又はUS 5,493,430に記載されており、これらの文献の全開示は、引用により本明細書中に取り込まれる。
さらに、それらを含む異方性ポリマーゲルとディスプレイは、例えばDE 195 04 224及びGB 2 279 659に開示されている。
【0033】
本発明のドーパントを含有するPSCTディスプレイは、例えばMerck KGaA(Darmstadt, Germany)により入手可能なR 811又はCB 15のような従来のカイラルドーパントを含有するディスプレイと比較して、応答時間が減少し、より低い電圧及びコントラストの改善が明らかとなった。例えば従来のドーパントが本発明によるカイラルドーパントにより置換されたPSCTディスプレイは、50%までの切り替え時間の減少を見出した。
【0034】
本発明によるドーパントの使用により調製されるコレステリック膜は、意外にも改善した輝度を示し、カラープレーナテクスチャーと黒バックプレートを用いて黒くしたほとんど透明なフォーカルコニック(focal conic)状態の間のより良好なコントラストを導く。本発明のカイラルドーパント及びこれらのドーパントを含有する液晶材料は、コレステリック又はカイラルスメクティックポリマー膜のようなカイラル液晶相を有する配向性ポリマー膜の調製にも特に有用である。
【0035】
広波長帯偏光板として使用される配向性コレステリックポリマー膜の例は、EP 0 606 940に見いだすことができるが、I. HeynderickxとD. J. BroerによるMol. Cryst. 203, 113-126 (1991)には、液晶性ジアクリレートからなり、低分子量カイラルドーパントを含有する架橋性コレステリックポリマー膜が記載されている。EP 0 562 681 A1は、カイラル低分子量化合物を含有し、圧電性効果を示すスメクティック構造を有するポリマー網を開示している。
【0036】
本発明のカイラルドーパントの使用によりなるコレステリックポリマー膜は、例えば上記のR 811又はCB 15のような先行技術のドーパントを含有する膜と比較して、より明るいことを見出した。
異方性ポリマーゲル又は配向性ポリマー膜を調製するために、液晶材料は、式Iのカイラルドーパントに加えてさらに重合性メソゲン化合物も少なくとも1つ含有すべきである。
【0037】
したがって、本発明の他の好適な態様は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性メソゲン化合物を少なくとも1つ含有する液晶材料である。
重合性メソゲン化合物は、好ましくは式III;

P-(Sp-X)n-A-Z1-B-(Z2-C)p-R3 III

(式中、
Pは、CH2=CW-COO-、WCH=CH-O-、
【0038】
【化8】

又はWがH、CH3又はClであり、kが0又は1であるCH2=CH-フェニル-(O)k-であり、
Spは、炭素原子1個から20個を有するスペーサー基であり、
Xは、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は単結合から選択される基であり、
nは、0又は1であり、
Z1及びZ2は、互いに独立して、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-又は単結合であり、
A、B及びCは、それぞれ独立して、CH基1又は2以上がNにより置換されていてもよい1,4-フェニレン、隣接しないCH2基1又は2以上がO及び/又はSにより置換されていてもよい1,4-シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルであって、これらの基全てが、未置換か、ハロゲン、シアノ又はニトロ基、H原子1又は2以上がF又はClにより置換されていてもよいアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基で単置換又は多置換されてもよく、
pは、0、1又は2であり、そして
R3は、ハロゲン又はCNにより単置換又は多置換されていてもよい炭素原子25個までを有するアルキル基であって、隣接しない1又は2以上のCH2基が、酸素原子が互いに結合しないという条件で、それぞれの場合互いに独立して、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は-C≡C-により置き換えられていてもよく、又はRは選択的にハロゲン、シアノであるか又は独立してP-(Sp-X)n-で定義の意味の1つを有する。
【0039】
式IIIによる重合性メソゲン基は、例えばWO 93/22397; EP 0,261,712; DE 195,04,224; DE 4,408,171又はDE 4,405,316に記載されている。しかしながら、これらの明細書で開示される化合物は、本発明の範囲を限定しない単なる例として認識されるべきである。
さらに重合性メソゲン化合物である典型的な例を以下の化合物リストに示すが、本発明を制限するものではなく、説明のために図説したものと解されるべきである。
【0040】
【化9】

(式中、XとYは、それぞれ独立して1から12であり、Dは、1,4-フェニレン又はシクロへキシレン基であり、Rは、ハロゲン、シアノ又は炭素原子1個から12個を有するアルキル又はアルコキシ基であり、そしてL1とL2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、又は炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基である)。
【0041】
式IIIの重合性メソゲン化合物は、自体公知及び上記明細書及び例えばhouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartのような有機化学の標準的学術書に記載される方法により調製することができる。
式IIIの重合性メソゲン化合物は、単反応性又は2反応性であってもよい、すなわちそれらは1又は2の重合性官能基を有することができる。
本発明の好適な態様では、液晶材料は、本発明のカイラルドーパントを少なくとも1つ、式IIIの単反応性化合物を少なくとも1つ、式IIIの2反応性化合物を少なくとも1つ含有する。
【0042】
他の好適な態様では、液晶材料は、本発明のカイラルドーパントを少なくとも1つと式IIIの単反応性化合物を少なくとも2つ含有する。
好ましくは式Iのカイラルドーパントと式IIIの単反応性化合物を少なくとも2つ含有する液晶材料は、さらに例えばUV光のような光化学線へ暴露した場合、又は特定の温度以上に加熱した場合に分解する重合開始剤を含有する。
【0043】
本発明の他の課題は、式Iのカイラルドーパントを少なくとも1つと好ましくは式IIIの化合物から選択される重合性メソゲン化合物を少なくとも1つ含有する液晶材料を(共)重合することにより得られる配向性カイラル液晶相を有するポリマー膜にある。
単一配向を有するカイラル液晶相を有するポリマー膜を調製するために、本発明の液晶材料は、例えば、基体上に被膜され、それらを熱又は光化学線に暴露することにより現場で配向及び重合される。配向及び硬化は、液晶材料の液晶相で行われる。
【0044】
重合は、例えばUV光とUV照射下で分解する光開始剤の使用により行うことができる。該重合は、特定の温度以上に加熱した場合に分解する開始剤により開始してもよい。
基体として、例えばガラス板又はプラスティックフィルムが使用できる。単一配向を得るために、例えばフィルムは、ドクターブレードにより剪断することができ、又は剪断は、2枚の基体間に重合性材料を注入することにより行うことができる。被膜混合物に電場又は磁場をかけることも可能である。
【0045】
重合性メソゲン化合物の現場重合の詳細な記述は、D. J. Broer等によるMakromolekulare Chemie 190, 2255 (1989)に見出すことができる。
本発明の液晶材料は、例えば触媒、増感剤、安定剤、共-反応モノマー界面活性化合物のような他の適切な化合物を1又は2以上さらに含有することができる。
ポリマーの架橋を増加させるために、例えば重合性官能基を1又は2以上有する非メソゲン性化合物を添加することもできる。2官能性非メソゲンモノマーの典型的な例は、アルキルジアクリレート又はアルキルジメタクリレートである。重合性官能基を2個以上有する非メソゲンモノマーの典型的な例は、トリメチルプロパントリメタクリレート又はペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
【0046】
異方性ポリマーゲルの調製のために、液晶材料は、上記のように現場重合することができるが、この場合には、重合性材料の配向は必要ではない。
上記より、当業者は、本発明の本質的な特徴を、それらの意図と範囲から逸脱することなく、容易に確認することができ、様々な用途及び条件に適合させるために、様々な変化と改良を加えることができる。
検証を有することなく、当業者は、上記記載を参照して、本発明を最大限に利用することができる。したがって、以下の例は単に図説するためのものであり、いかなる意味においても本開示のその余の点を限定するものではない。
【0047】
以上及び以下の例では、他に断りがない限り、温度は℃であり、そして全ての部及びパーセンテージは重量による。以下の略号は、化合物の液晶相変化を示すために使用される:
K=液晶性;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピックである。これらの記号間の数字は、℃での相転移温度を示す。

例1
化合物(1a)は、反応スキーム1により調製された。
【0048】
【化10】

該化合物は、以下の物性

透明点 78.5℃
複屈折率 0.224
誘電異方性 +14.6
粘度(20℃) 38mm2/s

を有する、ホスト混合物として商業的に入手可能なネマティック液晶混合物E 063(Merck Ltd., Poole, UKより)で測定された相変化K 139 Iを示し、75μm-1という格別に高いHTPを示す。
以下の化合物は、同様に調製される。
【0049】
【化11】

【表1】

例2
化合物(2a)は、反応スキーム2により調製された。
該化合物は、相変化K 221.9Iを有する。
【0050】
【化12】

化合物(2b)は、同様に調製され、相変化k 149.4Iを示す。
【0051】
【化13】

例3
化合物(3)は、反応スキーム2により調製された。
該化合物は、相変化K 177 Iを有し、そしてホスト混合物E 063で測定された36μm-1のHTPを示す。
【0052】
【化14】

例4
化合物(4)は、反応スキーム2により調製され、そして相変化K 236 Iを有する。
【0053】
【化15】

例5
化合物(5)は、反応スキーム1により調製され、相変化K 204 Iを示す。
【0054】
【化16】

例6
以下の化合物は、反応スキーム2により調製された。
【0055】
【化17】

【表2】

例7
化合物(7)は、反応スキーム2により調製され、そして相変化K 83.1 Iを有する。
【0056】
【化18】

例8
化合物(8)は、反応スキーム2により調製された。
該化合物は、相変化K 114 Iを有し、そしてホスト混合物E 063で測定された28μm-1のHTPを示す。
【0057】
【化19】

例9
以下の混合物を処方した。

化合物(9) 95.5%
化合物(1A) 3.5%
Irgacure 369 1.0%

イルガキュア(Irgacure) 369は、チバ ガイギーAG(Basel, Switzerland)による商業的に入手可能な光開始剤である。
化合物(9)は、例えばEP-A2-0 331 233に開示されている2反応性重合性化合物である。
【0058】
【化20】

該混合物は、相変化Ch 118 Iを有する。
該混合物は、550nmで反射波長極大を有するブライトグリーンコレステリックポリマー膜を得るために、80℃で3mW/cm2の放射度でUV光を使用して2枚のガラス基体の間に薄膜として硬化した。膜の輝度は、例えばR-811又はCB 15(Merck KGaA, Darmstadtにより商業的に入手可能)のような技術段階のカイラルドーパントの使用により調製された膜と比較して、格別に良好である。
【0059】
例10
化合物(1a)を、以下の性質

透明点 73.3℃
複屈折率 0.213
誘電異方性 +16.6

を示す、商業的に入手可能なネマティック液晶混合物BL 106(Merck Ltd., Poole, UK)に、3.5重量%の量で添加した。
カイラルドーパント(1a)の添加後、該混合物は相変化Ch 71 Iを有し、そして572nmの反射波長λを示す。したがって、BL106の透明点は、ドーパント(1a)の添加によりわずかに変化する。
【0060】
例11
化合物(6b)を、以下の性質:

透明点 100℃
複屈折率 0.263
誘電異方性 +16.8

を示す商業的に入手可能なネマティック液晶混合物E44(Merck Ltd., Poole, UK)に、5.5重量%の量で添加した。
【0061】
カイラルドーパント(6b)の添加後、該混合物は、相変化Ch 88.5 Iを有し、そして25℃で550nm及び70℃で570nmのコレステリック反射波長λを示し、0.44nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0062】
例12
化合物(6b)を、以下の性質:

透明点 88℃
複屈折率 0.224
誘電異方性 +15.6

を示す商業的に入手可能なネマティック液晶混合物E63(Merck Ltd., Poole, UK)に、5.0重量%の量で添加した。
【0063】
カイラルドーパント(6b)の添加後、該混合物は、相変化Ch 74.4 Iを有し、そして25℃で583nm及び70℃で604nmのコレステリック反射波長λを示し、0.47nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0064】
例13
化合物(6b)を、以下の性質:

透明点 93℃
複屈折率 0.1978

を示す商業的に入手可能なネマティック液晶混合物MLC-6422(Merck Darmstadt, Germany)に、6.0重量%の量で添加した。
【0065】
カイラルドーパント(6b)の添加後、該混合物は、相変化Ch 78.5 Iを有し、そして25℃で550nm及び70℃で606nmのコレステリック反射波長λを示し、1.24nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0066】
例14
化合物(6d)を、ネマティック液晶混合物MLC-6422に、7.0重量%の量で添加した。
カイラルドーパント(6d)の添加後、該混合物は、相変化Ch 72.9 Iを有し、そして25℃で558nm及び70℃で644nmのコレステリック反射波長λを示し、1.9nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0067】
例15
化合物(6b)(7.0重量%)と化合物(6d)(7.0重量%)をネマティック液晶混合物MLC-6422に添加した。
カイラルドーパントの添加後、該混合物は、25℃で582nm及び70℃で668nmのコレステリック反射波長λを示し、1.9nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0068】
例16
化合物(6c)を、以下の性質:

透明点 87.2℃
複屈折率 0.1546
誘電異方性 +14.5

を示す商業的に入手可能なネマティック液晶混合物BL080(Merck Ltd., Poole, UK)に、4.5重量%の量で添加した。
カイラルドーパント(6c)の添加後、該混合物は、25℃で630nm及び70℃で670nmのコレステリック反射波長λを示し、0.80nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0069】
例17
化合物(1a)を、ネマティック液晶混合物BL080に4.5重量%の量で添加した。カイラルドーパント(1a)の添加後、該混合物は、相変化Ch 83 Iを有し、透明点のわずかな減少を示し、そして25℃で520nm及び70℃で508nmのコレステリック反射波長λを示し、-0.24nm/℃の低い温度依存性dλ/dTを有する。
【0070】
上記の例で用いられた、一般的に又は特定的に記載された反応体を置換し及び/又はそれらを本発明の条件で実施することにより、上記例は成功裡に再現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I;

R1-X1-MG1-G-MG2-X2-R2 I

(式中、
R1及びR2は、互いに独立して、炭素原子25個までを有する直鎖及び分枝鎖状アルキル基であって、ハロゲン又はCNにより単置換又は多置換されていてもよく、隣接しないCH2基1又は2以上は、酸素原子が互いに直接結合しないという条件で、それぞれの場合互いに独立して-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は-C≡C-でもよく、
X1及びX2は、互いに独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-又は単結合であり、
Gは、以下のカイラル二価構造要素;
【化1】

であり、そして
MG1及びMG2は、それぞれ独立して、式II;

-(A1-Z)m-A2- II

(Zは、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表す)
のメソゲン基又はメソゲン性支持基であり、
A1及びA2は、それぞれ独立して、CH基1又は2以上がNにより置換されていてもよい1,4-フェニレン基、隣接しないCH2基1又は2がO及び/又はSにより置換されていてもよい1,4-シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルであって、これらの基全ては、未置換か、ハロゲン、シアノ又はニトロ基、又はH原子1又は2以上がF又はClにより置換されていてもよい炭素原子1個から7個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基で単置換又は多置換されていてもよく、そして
mは、0、1、2又は3である)
のカイラルドーパント。
【請求項2】
MG1とMG2が以下の式;
【化2】


(Lは、それぞれの場合、互いに独立して、ハロゲン、シアノ基又はニトロ基であるか、又は基中H原子1又は2以上がF又はClで置換されていてもよい、炭素原子1個から7個を有するアルキル、アルコキシ又はアルカノイル基を意味し、そしてrは0、1又は2である)
から選択される、請求項1に記載のカイラルドーパント。
【請求項3】
rが0であり、そしてR1とR2が、それぞれ独立して炭素原子1個から10個を有するアルキル又はアルコキシである、請求項2に記載のカイラルドーパント。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のカイラルドーパントを少なくとも1つ含有する液晶材料。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のカイラルドーパントを少なくとも1つと重合性官能基を少なくとも1つ有する重合性メソゲン化合物を少なくとも1つ含有する、液晶材料。
【請求項6】
請求項1〜3に記載のカイラルドーパント少なくとも1つを0.001重量%から15重量%含有する、請求項4又は5に記載の液晶材料。
【請求項7】
アクティブ及びパッシブ光学素子、カラーフィルターのため、例えばSTN、TN、AMD-TN、温度補償、ゲスト−ホスト又は相転移ディスプレイ、又はポリマーフリー又はポリマー安定化コレステリックテクスチャー(PFCT、PSCT)ディスプレイのような液晶ディスプレイのために、カイラル液晶相を有するポリマー膜の調製するための、請求項4〜6のいずれかに記載の液晶材料の使用。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれかに記載の液晶材料を含有する、液晶ディスプレイ。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のカイラルドーパントを少なくとも1つ含有する、カイラル液晶相を有するポリマー膜。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の液晶材料を(共)重合することにより得ることができる、カイラル液晶相を有するポリマー膜。

【公開番号】特開2010−100848(P2010−100848A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230536(P2009−230536)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【分割の表示】特願平10−503799の分割
【原出願日】平成9年6月18日(1997.6.18)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】