説明

カチオン性アシルピリジニウム誘導体および特定のアンモニウム化合物を含む明色化剤

本発明は、化粧品媒体が、(i)少なくとも1種の酸化剤、(ii)少なくとも1種の式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体および(iii)式(II)で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含む、ケラチン繊維を明色化するための手段に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維、特に人の毛髪に使用する剤であって、特に、カチオン性アシルピリジニウム誘導体、特定のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物および酸化剤を含んでなるケラチン繊維明色化剤、ならびにそれに対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファッション的な観点から、ブロンドヘアが魅力的であり価値があると考えられていることから、多くの消費者は自分の毛髪を明るくすることを常に望んでいる。このため、種々のブロンド化力を有するブロンド化剤が市販されている。これらの製品に配合されている酸化剤は毛髪自身の着色剤であるメラニンを酸化的に分解することにより毛髪繊維を明色化することができる。
【0003】
適度なブロンド化には、唯一の酸化剤として過酸化水素を、必要に応じてアンモニア若しくは他のアルカリ化剤とともに用いれば十分であるが、強力なブロンド化には、通常、過酸化水素とペルオキソ二硫酸塩および/またはペルオキソモノ硫酸塩の混合物を使用する。しかしながら、毛髪の明色化は、毛髪着色剤だけでなく毛髪の他の構造的成分も酸化的に分解し、毛髪の損傷を伴う。この損傷は損傷度によって、滑らかでない、脆い、櫛通りが困難、毛髪の抵抗力および引張強度の低下として、また切れ毛として現われる。一般的に、過酸化水素および場合によりペルオキソ二硫酸塩の添加量が多くなれば、ケラチン繊維に生じる損傷はより深刻になる。良好な明色化力を有するとともに、毛髪繊維を損傷しない毛髪染料または明色化剤はこれまでに知られていない。
【0004】
今日までに市販されているブロンド化剤が毛髪の損傷、長い塗布時間の結果として一般的に良好な明色化力を示すとしても、また高濃度の酸化剤やアルカリ剤による皮膚炎の可能性のために、これらのブロンド化剤は最適なものであるとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願第102007047685号明細書
【特許文献2】独国特許出願第10148845号明細書
【特許文献3】独国特許出願第10261656号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の開示する課題は、一般的な市販製剤の明色化力を有するまたはそれを越える明色化力を有するが、上述した欠点を示さず、特に毛髪の損傷をほとんど引き起こさない、毛髪を明色化またはブロンド化するための新しい製剤を提供することであった。
【0007】
独国特許出願第102007047685号には、特定のカチオン性4−アセチルピリジニウム誘導体および特定のイミダゾール誘導体が過酸化水素の活性剤として作用することができることにより、単独での酸化剤の使用と比較して改善された毛髪明色化効果を達成することが記載されている。これに関連して、イミダゾールの誘導体、具体的にはイミダゾール自身を共活性剤として挙げている。毒物学的な理由で、イミダゾールの使用はもはや適応しておらず、効果的な代替物の検索がこの発明の別の中心的課題である。
【0008】
毛髪染色におけるカチオン性アシルピリジニウム誘導体の使用は、例えば、独国特許出願第10148845号または独国特許出願第10261656号により知られている。しかしながら、両文献におけるこれらの誘導体は、少なくとも1種の第2の染色成分とともに染色剤として、すなわち毛髪の色の強度を高めるために記載されている。この先行技術からは、アシルピリジニウム誘導体が毛髪の明色化に対する非常に良好な脱色力として使用できることは明らかになっていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一般式(I)で示されるピリジニウム誘導体と、特定の共活性剤としてのヒドロキシ基含有アンモニウム化合物と酸化剤の特定の組み合わせが、先行技術と同等のまたはそれを越える脱色効果を示し、匹敵する量の過酸化水素の添加だけで可能であろう明るさよりも毛髪をはるかに明るくすることが全く予期せずして判明した。
【0010】
本発明の剤を使用する場合、その改善された脱色力のため、添加する酸化剤の量を少なくすることができ、それにより毛髪の損傷を最小限に抑えることができる。これにより、先行技術と同程度の明色化効果を達成するための接触時間を短くすることもできる。
【0011】
本発明の剤は、天然の染色メラニンを酸化的に脱色する。さらなる染料/染料前駆体が存在しない場合、本発明の活性物質の組み合わせはケラチン含有繊維で何ら目に見える染料を形成しない。ケラチン繊維上若しくはケラチン繊維内にすでに存在する合成染料を、本発明の剤を用いて漂白することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
したがって、本発明の第1の主題は、ケラチン繊維処理剤、特に人の毛髪処理剤であって、化粧品媒体に、
(i)少なくとも1種の酸化剤、
(ii)式(I):
【化1】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(iii)式(II):
【化2】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる剤である。
【0013】
本発明において、ケラチン繊維は、毛皮、羊毛、羽毛および特に人の毛髪であると理解される。本発明の製剤は、主にケラチン繊維の染色および/または明色化に適するが、他の分野に使用すべきでない理由は原則ない。
【0014】
本発明の剤は、化粧品媒体中に活性物質を含む。化粧品媒体は、好ましくは水性、アルコール性または水性/アルコール性媒体である。毛髪を漂白するために、これらの媒体は、例えば、クリーム、エマルション、ゲルまたは例えばシャンプー、フォームエアゾールなどの界面活性剤含有発泡性溶液、あるいは毛髪への使用に適する他の調製物である。しかしながら、貯蔵のために、明色化剤として粉末状またはタブレット状の調製物とすることもできる。使用する前に、例えば水、有機溶媒または水性有機溶媒混合物などの溶媒にこの調製物を希釈し、即用混合物を得る。本発明において、水性媒体は、少なくとも40重量%、特に少なくとも50重量%の水を含有する。本発明において、水性/アルコール性媒体は、3〜70重量%のC〜Cアルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含んでなる含水溶液を意味すると理解される。本発明の剤は、さらに、例えば、メトキシブタノール、エチルジグリコール、1,2−プロピレングリコール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのさらなる有機溶媒を含むことができる。本発明においては、全ての水溶性有機溶媒が好ましい。好ましい本発明の剤は、さらに非水性溶媒を含み、特に好ましい本発明の剤は、剤に対して0.1〜30重量%の濃度、好ましくは1〜20重量%の濃度、とりわけ好ましくは2〜10重量%の濃度の溶媒を含む。
【0015】
本発明の剤は、第1の必須成分として、少なくとも1種の酸化剤を含む。全ての既存の酸化剤を酸化剤として使用することができる。過酸化水素、ならびにアルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、アルミニウム若しくは亜鉛の適当な過ホウ酸塩、過酸、過硫酸塩または有機過酸塩を使用することができる。本発明の一実施態様において本発明の剤は、酸化剤として、過酸化水素、アルカリ金属過酸化物および/またはアルカリ金属過ホウ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する。これらとしては、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過ホウ酸ナトリウムおよび過ホウ酸カリウムが挙げられる。好ましくは過酸化水素自体を水溶液として使用する。しかしながら、過酸化水素を、無機化合物若しくは有機化合物への過酸化水素の固体付加化合物の形態(例えば、過炭酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンnH〔nは0より大きい正の整数である〕、過酸化尿素および過酸化メラミン)で加えることもできる。好ましい酸化剤は、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過ホウ酸ナトリウムから選択され、特に過酸化水素から選択される。
【0016】
混合物は、即用剤の総重量に対して、好ましくは0.01〜25重量%、特に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.5〜8重量%の酸化剤を含む。
【0017】
本発明の一実施態様においては、一般構造(I)のR1基がC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基またはC〜Cヒドロキシアルキル基である、式(I)で示される化合物が好ましい。R1がC〜Cアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
【0018】
ピリジン環の2位または4位のいずれかにアシル基を有する場合に、式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体が発明的に特に有利な特性を有することが明らかとなった。さらに、式(I)の好ましい化合物は、R2基またはR4基のいずれかがC〜Cアシル基、好ましくはアセチル基である化合物である。R2基またはR4基の一方がアセチル基であり、他方の基およびR3基がそれぞれ水素であることがさらに好ましい。本発明の別の実施態様によれば、本発明の剤は、式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体として、少なくとも1種の2−アセチルピリジニウム誘導体および/または4−アセチルピリジニウム誘導体を含む。
【0019】
これに関して、適するアセチルピリジニウム誘導体は、4−アセチル−1−メチルピリジニウム、4−アセチル−1−アリルピリジニウム、4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウム、2−アセチル−1−メチルピリジニウム、2−アセチル−1−アリル−ピリジニウムおよび2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムから選択される、カチオンとしてアセチルピリジニウム誘導体を含む生理学的適合性塩である。
【0020】
式(I)のアニオンXは、ハロゲン、特に塩素、臭素およびヨウ素、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、C〜Cアルキルスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、過塩素酸塩、硫酸水素塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩またはテトラクロロ亜鉛酸塩から選択されることが好ましい。本発明において、アニオンXが、硫酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩または酢酸塩であることが特に好ましい。
【0021】
式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体が、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムアセテート、4−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムアセテート、2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムアセテート、2−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェートおよび2−アセチル−1−アリルピリジニウムアセテートからなる群から選択される場合、それらの剤は発明的に特に好ましい。
【0022】
本発明において好ましい剤は、式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体として、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネートおよび/または2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネートから選択される化合物を含み、特に4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネートを含む。
【0023】
即用混合物の総重量に基づいて、総量で0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の、1種以上の式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体を含む剤が好ましいことがわかった。
【0024】
第3の必須成分として、本発明の剤は、式(II):
【化3】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示され、少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含む。
【0025】
式(II)の化合物としてベタイン双性イオン性化合物が存在するように、Y基は、好ましくはカルボキシレート基(CO)である。この化合物は、カルニチンとして知られている。
【0026】
別の実施態様において、Y基は、カルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基(CO−C〜Cアルキル)から選択される。得られるこのアンモニウム化合物は少なくとも1つの生理学的適合性アニオンを含み、電荷を平衡に保つ。
【0027】
生理学的適合性アニオンは、好ましくはp−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩または酒石酸塩であり、好ましくは塩化物または酒石酸塩である。これに関して、アニオンは価数および化学量論に従って加えられる。
【0028】
アルカリ金属カルボキシレート基またはアンモニウムカルボキシレート基(COM)の好ましい例は、カリウムカルボキシレート基(COK)およびアンモニウムカルボキシレート基(CONH)である。カルボン酸C〜Cアルキルエステル基(CO−C〜Cアルキル)の好ましい例は、カルボン酸メチルエステル基(COMe)、カルボン酸エチルエステル基(COEt)、カルボン酸イソプロピルエステル基(COiPr)およびカルボン酸tert−ブチルエステル基(COtBu)である。メチルエステル基およびエチルエステル基が特に好ましい。
【0029】
式(II)で示されるヒドロキシ基含有アンモニウム化合物は、不正炭素原子を含む。エナンチオマーの命名に関して、これらのキラル中心の絶対配置はCahn−Ingold−Prelogの順位則を用いることで決定することができ、エナンチオマーは立体記述語RおよびSにより記載される。歴史的立場から、立体化学を表すためにD/L表記法を使用することもできる。本発明においては、特定の化合物として2つの考えられるエナンチオマーを等しく用いてよく、またそれらの混合物として、特にラセミ化合物として用いることもできる。実際の本発明の中で、両方のエラストマーが本発明に含まれ、各物質のR−エナンチオマーとS−エナンチオマーのいずれもが本発明に合致する。さらに、両エナンチオマー(ラセミ化合物)の等量混合物、ならびにR−エナンチオマーとS−エナンチオマーの全ての他の考えられるモル比の混合物を、毛髪明色化剤において使用することができる。しかしながら、天然に存在する好ましい異性体、L−配置を用いることが特に有利である。
【0030】
本発明の使用の他の実施態様において、剤は、ヒドロキシ基含有アンモニウム化合物として、L−カルニチン((3R)−カルニチン)、D−カルニチン((3S)−カルニチン)、L/Dカルニチン((3R/S)−カルニチン)および/またはそれらの生理学的適合性塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する。
【0031】
式(II)で示されるヒドロキシ基含有アンモニウム化合物として、L−カルニチン((3R)−カルニチン)、D−カルニチン((3S)−カルニチン)、L/Dカルニチン((3R/S)−カルニチン)、L−カルニチン塩酸塩((3R)−カルニチン塩酸塩)、D−カルニチン塩酸塩((3S)−カルニチン塩酸塩)、L/Dカルニチン塩酸塩((3R/S)−カルニチン塩酸塩)、L−カルニチン酒石酸塩((3R)−カルニチン酒石酸塩)、D−カルニチン酒石酸塩((3S)−カルニチン酒石酸塩)、L/Dカルニチン酒石酸塩((3R/S)−カルニチン酒石酸塩)からなる群から選択される化合物が特に好ましい。
【0032】
別の実施態様において、本発明の剤は、即用剤の総重量に基づき総量で0.01〜10重量%、特に0.01〜5重量%の式(II)で示される1種以上のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含んでなる。
【0033】
前述の好ましい実施態様を考慮すると、ケラチン繊維を明色化するための剤が、化粧品媒体中に、第1成分としての過酸化水素の他に、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムブロミド、4−アセチル−1−メチルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムブロミド、4−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムブロミドおよび4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムハイドロジェンスルフェートおよび4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、ならびに2−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムブロミド、2−アセチル−1−メチル−ピリジニウムハイドロジェンスルフェート、2−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムブロミド、2−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムブロミドおよび2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムハイドロジェンスルフェートからなる群の少なくとも1種の化合物から選択される第2成分、L−カルニチン((3R)−カルニチン)、D−カルニチン((3S)−カルニチン)、L/D−カルニチン((3R/S)−カルニチン)およびそれらの生理的適合性塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である第3成分を、前述した好ましい重量割合で含む場合が、とりわけ明確に好ましい実施態様である。
【0034】
最後に、下記組み合わせの1つを含む剤がとりわけ好ましい(含有量は即用剤の総重量に対する)。
【0035】
組み合わせ(a):
0.1〜4.0重量% 4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート
0.1〜3.0重量% D/L−カルニチン、および
0.1〜12.0重量% 過酸化水素
【0036】
組み合わせ(b):
0.1〜4.0重量% 4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート
0.1〜3.0重量% L−カルニチン、および
0.1〜12.0重量% 過酸化水素
【0037】
組み合わせ(c):
0.1〜4.0重量% 2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート
0.1〜3.0重量% L−カルニチン、および
0.1〜12.0重量% 過酸化水素
【0038】
組み合わせ(d):
0.1〜4.0重量% 2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート
0.1〜3.0重量% D/L−カルニチン、および
0.1〜12.0重量% 過酸化水素
【0039】
ケラチン繊維のブロンド化は、通常、アルカリ媒体中で行われる。しかしながら、ケラチン繊維や皮膚にできる限り優しくするために、高すぎるpH値は望ましくない。したがって、即用製剤のpH値は、7〜11、特に8〜10.5の間であることが好ましい。本発明において、pH値は22℃の温度で測定した値である。
【0040】
pHを調整するために一般的に使用される酸性化剤およびアルカリ化剤は、当業者に既知である。pHを調整するために使用できるアルカリ化剤は、典型的には、アンモニア、無機塩、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属、有機アルカリ化剤、特にアミンおよび塩基性アミノ酸から選択される。
【0041】
本発明において好ましい酸化剤は、食用酸、例えば、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、ならびに希薄鉱酸である。本発明において使用し得るアルカリ化剤は、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される。水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムが特に好ましい。塩基性アミノ酸は、好ましくは、L−アルギニン、D−アルギニン、D/L−アルギニン、L−リシン、D−リシン、D/L−リシンからなる群から選択され、特に好ましくはL−アルギニン、D−アルギニン、D/L−アルギニンである。さらなる酸化剤およびアルカリ化剤は、即用剤の総重量に基づき、それぞれ、好ましくは0.05〜15重量%、特に0.5〜10重量%の量で含まれる。
【0042】
過酸化水素または有機化合物若しくは無機化合物へのその付加生成物の単独使用は、非常に暗い毛髪の大幅な明色化には不十分であることが多い。これらの場合、一般的に、過酸化水素と過硫酸塩またはペルオキソ二硫酸塩の組み合わせが用いられる。本発明の一般構造式(I)のアシルピリジニウム誘導体とヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を過酸化水素単独だけでなく、過酸化水素とペルオキソ二硫酸塩との組み合わせと混合することにより明色化力が高まることが判明した。
【0043】
したがって、消費者が非常に高いブロンド化の必要性を感じる場合には、別の実施態様において、ケラチン繊維の明色化剤が、一般構造(I)のカチオン性アシルピリジニウム化合物、式(II)のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物ならびに過酸化水素に加えて少なくとも1種の無機過硫酸塩またはペルオキソ二硫酸塩を含有することが好適であり得る。好適なペルオキソ二硫酸塩は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウムおよびペルオキソ二硫酸ナトリウムである。即用剤は、ペルオキソ二硫酸塩を即用製剤の総重量に対して、好ましくは0.1〜25重量%の量、特に0.5〜15重量%の量で含むことができる。
【0044】
本発明の剤は、使用直前に2つ以上に分けて包装された調製物から調製することができる。これは、過早反応を回避するために非相溶性成分を分離しておくのに適する。
【0045】
したがって、少なくとも1種の一般式(I)で示されるカチオン性アシルピリジニウム誘導体および式(II)のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含んでなる第1剤を、本発明の酸化剤を含んでなる第2剤と塗布直前に混合するのが一般的な方法である。
【0046】
したがって、本発明のさらなる主題は、ケラチン繊維(特に人の毛髪)の明色化剤であって、毛髪へ塗布する直前に 一般式(I)のカチオン性アシルピリジニウム誘導体と式(II)のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含んでなる流動性調製物(A)と、過酸化水素および/または無機若しくは有機化合物の過酸化水素付加物から選択される少なくとも1種の酸化剤を含んでなる酸化剤調製物(B)から得られる剤である。
【0047】
酸化剤調製物(B)は、好ましくは水性の流動性酸化剤調製物である。これに関して、ケラチン繊維を明色化するための好適な本発明の剤は、流動性酸化剤調製物(B)が、その重量に基づき、40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは55〜80重量%、より好ましくは60〜77.5重量%、特に65〜75重量%の水を含有する剤である。
【0048】
ペルオキソ二硫酸塩は、一般的に、必要により制塵粉末(dedusted powder)状、ペースト状若しくは圧縮成形品の形態で加える。過硫酸塩またはペルオキソ二硫酸塩との接触による本発明のアシルピリジニウム誘導体の過早分解を避けるため、本発明においては、過硫酸塩またはペルオキソ二硫酸塩を分包成分(C)として供給することが好ましい。
【0049】
これに関して、人の毛髪を明色化するための3つの成分を含有する剤が本発明の別の主題である。この剤は、一般式(I)で示されるカチオン性アシルピリジニウム誘導体と式(II)のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含んでなる流動性調製物(A)と、過酸化水素および/または無機若しくは有機化合物の過酸化水素付加物から選択される少なくとも1種の酸化剤を含んでなる酸化剤調製物(B)と、さらに、少なくとも1種の無機ペルオキソ二硫酸塩を含んでなる粉末状第3調製物を十分に混ぜ合わせることにより、毛髪へ塗布する直前に調製される。
【0050】
調製物(A)および(B)、または場合により調製物(A)、(B)および(C)の塗布前の混合は、3つの必須成分を含む本発明の剤である塗布混合物をもたらす。
【0051】
酸化剤調製物の酸化力をさらに促進するために、場合により、本発明の調製物に水和SiO化合物をさらに加えることができる。本発明によれば、必要により、それぞれ本発明の無水製剤に基づき、好ましくは0.05〜15重量%、特に好ましくは0.15〜10重量%、とりわけ好ましくは0.2〜5重量%の量で水和SiO化合物を使用することが好適であり得る。ここで、各場合における量は、剤中の(水部分を含まない)SiO化合物含量を表す。
【0052】
任意の水和SiO化合物について、本発明は原則として何ら限定しない。好ましくは、ケイ酸、そのオリゴマーおよびポリマーならびに塩が挙げられる。好ましい塩は、アルカリ金属塩、特にカリウム塩およびナトリウム塩である。任意の水和SiO化合物は種々の形態で存在することができる。本発明において水和SiO化合物は、好ましくはシリカゲルの形態で、または水ガラスとして添加される。本発明において、水ガラスが特に好ましい。
【0053】
好ましい実施態様において、本発明の明色化剤は少なくとも1種の色彩変更成分をさらに含んでなる。色彩変更成分は、少なくとも1種の酸化染料前駆体および/または直接染料から選択される。
【0054】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の剤は、色彩変更成分として少なくとも1種の酸化染料前駆体および/または直接染料を含む。本発明の使用の好ましい態様において、染色調製物は色彩変更成分として少なくとも1種の酸化染料前駆体を含む。
【0055】
染色調製物は、少なくとも1種の顕色成分と、場合により少なくとも1種のカプラー成分を酸化染料前駆体として含有する。顕色剤成分は、実際の染料を、それ自体から発色させることができるが、カプラー成分を使用して発色させることが好ましい。したがって、本発明の染料は、好ましくは少なくとも1種の顕色型の酸化染料前駆体および少なくとも1種のカプラー型の酸化染料前駆体を含む。顕色成分およびカプラー成分は、通常遊離体で用いられる。しかしながら、アミノ基を有する物質に対しては、顕色成分およびカプラー成分を塩形態、特に塩酸塩および臭化水素酸塩または硫酸塩の形態で用いることが好ましい。
【0056】
ここで、一般的に、顕色成分およびカプラー成分は互いに対しておおよそのモル量で用いられる。モル使用が適切であることはわかっているが、個々の酸化染料前駆体がある程度過剰量でも不都合ではなく、顕色成分およびカプラー成分は1:0.5〜1:2のモル比で含まれていてよい。
【0057】
特に好ましい顕色成分は、下記の群からなる少なくとも1つの化合物から選択される:p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(1,2−ジヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス−(4−アミノフェニル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール、ビス−(2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル)メタン、1,3−ビス−(2,5−ジアミノフェノキシ)−2−プロパノール、N,N’−ビス−(4−アミノフェニル)−1,4−ジアザシクロヘプタン、1,10−ビス−(2,5−ジアミノフェニル)−1,4,7,10−テトラオキサデカン、p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェノールおよび4−アミノ−2−(ジエチルアミノメチル)フェノール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、ならびにこれらの化合物の生理学的適合性塩。これに関して、特に好ましい顕色成分は、p−トルイレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミン、および/または4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールならびにこれらの化合物の生理学的適合性塩である。顕色成分は、それぞれ即用剤に基づき、好ましくは0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%の量で使用される。
【0058】
酸化的染色において、カプラー成分単独では、ほとんど着色しないため、カプラー成分は常に顕色成分の存在を必要とする。したがって、本発明においては、少なくとも1つのカプラー成分を使用する場合、少なくとも1つの顕色成分も使用することが好ましい。本発明によれば、特に好ましいカプラー成分は、下記から選択される:3−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシエタノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−メチルフェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−アミノフェノール、3−フェニレンジアミン、2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メチルベンゼン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4、5−ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2−[3−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]エタノール、3−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)−5−メチルフェニルアミン、1−アミノ−3−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、4−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドリン、6−ヒドロキシインドリン、7−ヒドロキシインドリン、またはこれらの混合物、あるいはこれらの生理学的適合性塩。これに関して、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノフェノール、2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジンおよび1−ナフトール、ならびにこれらの生理学的適合性塩が特に好ましい。カプラー成分は、それぞれ即用剤に基づき、好ましくは0.0001〜10重量%の量、好ましくは0.001〜5重量%の量で使用される。
【0059】
さらに、本発明に使用する剤は、少なくとも1種の直接染料を含有することができる。直接染料は、毛髪に直接的に吸収され、顕色するためのいかなる酸化的工程も必要としない染料である。直接染料は、一般的に、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノンまたはインドフェノールである。直接染料は、アニオン性、カチオン性および非イオン性直接染料に分類することができる。直接染料は、最終調製物に基づいて、好ましくは0.001〜20重量%、特に0.05〜5重量%の量で用いられる。直接染料の総重量は、好ましくは最大20重量%である。
【0060】
好ましいアニオン性直接染料は、アシッドイエロー1、アシッドイエロー10、アシッドイエロー23、アシッドイエロー36、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドレッド52、ピグメントレッド57:1、アシッドブルー7、アシッドグリーン50、アシッドバイオレット43、アシッドブラック1、アシッドブラック52およびテトラブロモフェノール・ブルーの名称の既知の化合物である。
【0061】
好ましいカチオン性直接染料は、本発明において、カチオン性トリフェニルメタン染料であり、例えばベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット2およびベーシックバイオレット14、第4級窒素基により置換された芳香族系、例えばベーシックイエロー57、ベーシックレッド76、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16およびベーシックブラウン17およびHCブルー16、ならびにベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31およびベーシックレッド51である。
【0062】
好ましい非イオン性直接染料は、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー12、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10、HCレッド11、HCレッド13、HCレッドBN、HCブルー2、HCブルー11、HCブルー12、ディスパースブルー3、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9、ならびに1,4−ジアミノ−2−ニトロベンゼン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、1,4−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−ニトロベンゼン、3−ニトロ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4,6−ジニトロフェノール、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−メチルベンゼン、1−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−5−クロロ−2−ニトロベンゼン、4−アミノ−3−ニトロフェノール、1−(2’−ウレイドエチル)アミノ−4−ニトロベンゼン、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]−安息香酸、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ安息香酸および2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノールである。
【0063】
任意に含まれる各直接染料は、純粋化合物である必要はない。実際に、染色結果に悪影響を与えず、例えば、毒物学的などの他の理由により排除されない限り、個々の染料の製造行程の結果として、少量の付加的成分が存在していてもよい。
【0064】
さらに、天然起源の染料を含んでいてよく、例えば、ヘンナレッド、ヘンナニュートラル、ヘンナブラック、カモミール葉、ビャクダン、紅茶、セイヨウイソノキの樹皮、セージ、ロッグウッド、アカネの根、カシュー、シダーおよびアルカンナの根などの天然起源の染料を含んでいてよい。
【0065】
本発明によれば、例えば大気中の酸素により染料前駆体の酸化を活性化する触媒とともに酸化明色化剤を毛髪に塗布することができる。そのような触媒は、例えば特定の酵素、ヨウ化物、キノンまたは金属イオンである。
【0066】
さらに、明色化剤が少なくとも1つの安定化剤または錯化剤を含む場合、有利であることがわかった。一般的な、かつ本発明において好ましい錯化剤は、例えば、ポリカルボキシ酸、特にエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジェミナルジホスホン酸、特に、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノホスホン酸、例えばエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、ホスホノポリカルボン酸、例えば、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ならびにシクロデキストリン、アルカリ金属スズ酸塩(スズ酸ナトリウム)、ピロリン酸アルカリ金属塩(ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム)、リン酸アルカリ金属塩(リン酸ナトリウム)、およびホスホン酸である。本発明によれば、本発明の剤は、それぞれ剤の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜1重量%の錯化剤を含む。
【0067】
本発明において使用し得る剤は、好ましくは流動性調製物として調製される。これらの調製物としては、特にエマルション、懸濁液およびゲルが挙げられるが、エマルションが特に好ましい。この流動性調製物は、好ましくは界面活性物質として乳化剤または界面活性剤をさらに含有する。界面活性物質はその適用分野に応じて界面活性剤または乳化剤と称され、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、両性および非イオン性界面活性剤から選択される。
【0068】
アニオン性、非イオン性、双性イオン性または両性界面活性剤は、即用剤の総量に基づいて、0.1〜45重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1〜15重量%の量で使用される。本発明に従って使用される組成物は、組成物の総量に基づいて、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量のカチオン性界面活性剤を含む。
【0069】
さらに、本発明の剤は、さらなる活性物質、助剤および添加剤、例えば、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、双性イオン性および両性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤(寒天、グアーガム、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメ粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、デンプン画分および誘導体、例えば、アミロース、アミロペクチンおよびデキストリン、クレイ、例えば、ベントナイト、または完全合成親水性コロイド、例えば、ポリビニルアルコール);ヘアコンディショニング化合物、植物由来または動物由来のタンパク質加水分解物、香油、ジメチルイソソルビトールおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性物質;消泡剤;着色材;フケ防止有効成分;光保護剤;活性成分;ビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆体、特に、A、B、B、B、C、E、FおよびHの群のビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物抽出物、植物油;コレステロール;調質剤;脂肪およびワックス(脂肪アルコール、ミツロウ、モンタンロウおよびパラフィン);膨張および浸透物質;不透明化剤;噴射剤、例えば、プロパン/ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気;酸化防止剤を含有することができる。
【0070】
当業者は、調製物の所望する特性に応じてこれらのさらなる物質を選択するであろう。本発明において使用される調製物は、さらなる活性物質、助剤および添加剤を、即用剤の総量に基づいて好ましくは0.01〜25重量%、特に0.05〜15重量%の量で含有する。
【0071】
即用明色化剤をケラチン繊維(特に毛髪)に塗布し、特定の接触時間繊維上で放置する。調製物は、通常ユーザーによって手で塗布される。これに関して、保護用衣類を好ましくは装着し、特に、例えばプラスチックまたはラテックス製の保護用手袋(使い捨て手袋)を装着する。しかしながら、塗布用器具によりケラチン繊維に調製物を塗布することもできる。塗布温度および調製物の接触時間における温度は、室温から45℃である。必要により、外部熱供給、例えばヒーティングフードを用いることにより、調製物の作用を高めることができる。ケラチン繊維に対する調製物の好ましい処理時間は10〜60分であり、好ましくは15〜45分である。処理時間の終了時に残存している剤を、洗浄調製物または水を使ってケラチン繊維から洗い流す。洗い流したら、必要によりタオルによりまたは温風送風機によりケラチン繊維を乾燥させる。強力な界面活性剤含有媒体を使用した場合、その後シャンプーにより毛髪を洗浄する必要はない。
【0072】
本発明の第2の主題は、化粧品媒体に、
(a)式(I):
【化4】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(b)式(II):
【化5】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる調製物(A)を含む少なくとも1つの第1容器(C1)と、
化粧品媒体に少なくとも1種の酸化剤を含んでなる調製物(B)を含む少なくとも1種の第2容器(C2)
を含んでなる多成分包装ユニット(部材キット)である。
【0073】
ここで、用語「容器」は、その形態、材質または密閉性に関係なく、物質若しくは物質混合物を入れることができる入れ物を意味する。したがって、用語「容器」には、限定するものではないが、チューブ、ポーチまたはバッグ、キャニスター、カン、パン、ボトル、グラスまたはパケット、カートン、ボックス、エンベロープまたはその他の容器の内部が含まれる。必要に応じて、明色化調製物の成分を種々の容器に分けることができ、消費者に対して使用前にそれらを混合するよう指示することもできるが、明色化調製物の成分を1つの容器に含めることもできる。
【0074】
特に好ましい実施態様において、包装ユニットは、使い捨て手袋、エプロンのような保護用衣類、くし、ブラシ、塗布ブラシ若しくはアプリケーターのような塗布用具、および使用説明書から選択される少なくとも1つの付加的部材を含む。特に使用説明書は、本発明の第1主題による過程において包装ユニットの容器から剤を使用するための消費者に対する情報および指示を含む。アプリケーターは、繊維束若しくは繊維網を繊維全体から分け易くし、繊維束若しくは繊維網を分けることができる先端からその柄がなる幅広の筆を意味すると理解される。
【0075】
即用明色化剤は、部材キットの調製物(A)と酸化剤調製物(B)とを混ぜ合わせることにより調製される。
【0076】
本発明の第1主題の好ましい実施態様を、本発明の第2主題の本発明の部材キットに準用する。
【0077】
本発明の第3の主題は、ケラチン繊維用(特に人の毛髪用)の明色化剤および/または染色剤の明色化力を改善するための本発明の第1主題の剤の使用である。
【0078】
最後に、本発明のさらなる主題は、化粧品媒体に、
(a)式(I):
【化6】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(b)式(II):
【化7】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる調製物(A)と、
化粧品媒体に少なくとも1種の酸化剤を含んでなる調製物(B)
を混合することにより本発明の第1主題の剤を調製し、調製した剤をその直後に人の毛髪へ塗布し、しばらくの間剤を繊維上に放置し、その後残留した剤を毛髪から洗い流す方法である。
【0079】
本発明の方法において、剤の塗布時間は10〜60分の範囲、好ましくは15〜45分の範囲であり、その間剤を繊維上に放置する。塗布温度および調製物の接触時間における温度は、室温から45℃である。具体的には、10〜45℃の温度であり、特に20〜38℃である。必要により、外部熱供給、例えばヒーティングフードを用いることにより、調製物の作用を高めることができる。
【0080】
処理時間の終了時に残存している剤を、洗浄調製物または水を使ってケラチン繊維から洗い流す。洗い流したら、必要によりタオルによりまたは温風送風機によりケラチン繊維を乾燥させる。強力な界面活性剤含有媒体を使用した場合、その後シャンプーにより毛髪を洗浄する必要はない。
【0081】
本発明の方法または本発明の使用のさらなる好ましい実施態様に関しては、本発明の剤に関して述べた事項を準用する。
【0082】
以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を説明することを意図するものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0083】
1.合成例
1.1:4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネートの合成
4−アセチルピリジン(30.0g、0.25モル)およびp−トルエンスルホン酸メチルエステル(55.8g、0.30モル)を、500mlエタノール中、5時間還流下加熱した。ロータリーエバポレーターにおいて溶剤を真空下で除去し、残留物をエーテルに取り込んだ。エーテル相を分離した後、生成物が徐々に結晶化した。生成物を真空下で乾燥させた。
収率:59.9g(82.5%)
【0084】
H−NMR(400 MHz, DMSO−d6): δ[ppm]=2.26(s, 3H);2.72(s, 3H); 3.39(s, 3H);7.11(d, 2H);7.49(d, 2H);8.42(d, 2H);9.20(d, 2H);
【0085】
13C−NMR(400 MHz, DMSO−d6):δ[ppm]=20.8; 26.4; 48.1; 124.8; 125.3; 127.7; 138.9; 145.2; 146.5; 148.3; 195.8。
【0086】
2.ブロンド化の実施例
2.1:ブロンド化クリームの調製
ブロンド化クリームは以下に記載した成分から調製した。
【0087】
【表1】

【0088】
Hydrenol D〔INCI名:Cetearyl alcohol(Cognis)〕
Lorol tech.〔INCI名:Coconut alcohol(Cognis)〕
Eumulgin(登録商標)B1〔INCI名:Ceteareth−12(Cognis)〕
Eumulgin(登録商標)B2〔INCI名:Ceteareth−20(Cognis)〕
Akypo(登録商標)Soft 45NV〔INCI名 name:Sodium Laureth−5 carboxylate(花王ケミカル)〕
Plantacare(登録商標)1200 UP〔INCI名:lauryl Glucoside(Cognis)〕
Texapon(登録商標)K 14 S 70 C〔約70%活性物質、INCI名:Sodium Myreth Sulfate(Cognis)〕
Turpinal(登録商標)SL〔約60%活性物質含量、INCI名:Etidronic Acid、Aqua(Solutia)〕
ケイ酸ナトリウム40/42(水ガラス)
【0089】
脂肪成分を80℃で一緒に溶解し、水の一部に分散させた。その後、処方の残りの成分を攪拌しながら相次いで投入した。その後、100%になるまで水を加え、調製物を加熱なしで攪拌した。調製物V1は、いかなる活性剤も含まない本発明に従わないブロンド化調製物である。同様に、調製物2は、カチオン性4−アセチルピリジニウム誘導体のみを含む本発明に従わない比較調製物である。調製物Eは本発明の調製物である。
【0090】
2.2:顕色剤分散物との混合
各ブロンド化クリームを、下記処方の顕色剤分散物の1つと1:1の比率で混合した。塗布混合物のpHは、9〜10.2であった。
【0091】
【表2】

【0092】
Texapon NSO〔約27.5%活性物質; INCI名: Sodium Laureth Sulfate(Cognis)〕
Aculyn(登録商標)33〔固形分約28%(水溶液); INCI名: Acrylates Copolymer(Rohm & Haas)〕
Dow Corning(登録商標)DB 110 A〔INCI名: Dimethicon(Dow Corning)〕
【0093】
ブロンド化工程において、重さ約0.7gの、暗い茶色の毛束(コード:Kerling2/0)を、4倍量の前混合した塗布混合物で処理した。毛束を32℃で30分間ブロンド化した後、一般的なシャンプーで洗浄し、その後ヘアドライヤーで乾燥させた。
【0094】
2.3:明色化力の評価
各毛束を、ブリーチ工程の前後で比色分析により測定した。下記式によるΔL値を、各調製物の明色化力の尺度として使用した。
ΔL=Lafter−Lbefore
〔式中、Lafterはブリーチ後の毛束の明度であり、Lbeforeはブリーチ後の毛束の明度である。〕
【0095】
各調製物に対して12回の測定を行い、個々の値から平均を決定した。ΔL値が高いほど、その調製物の明色化力は良好である。
【0096】
暗い茶色の毛束(Kerling2/0)に対する明色化力
【表3】

【0097】
2.4:結果の説明
種々の調製物のブリーチ作用の評価は、ΔL値を比較することにより行うことができる。過酸化水素だけを加えた場合またはアシルピリジニウム誘導体と組み合わせた場合に可能となるものより、本発明の組み合わせにより、著しく高いΔL値、すなわち良好な明色化を達成することができることが明らかにわかる。したがって、これら3つの成分の特定の組み合わせを用いることにより、現存する先行技術に比べて、かなりの改善を達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維処理剤、特に人の毛髪処理剤であって、化粧品媒体に、
(i)少なくとも1種の酸化剤、
(ii)式(I):
【化1】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(iii)式(II):
【化2】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる剤。
【請求項2】
式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体として、R2またはR4のいずれかがC〜Cアシル基、好ましくはアセチル基を表す少なくとも1種の化合物を含んでなる、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体として、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−メチルピリジニウムアセテート、4−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、4−アセチル−1−アリルピリジニウムアセテート、2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムハイドロジェンスルフェート、2−アセチル−1−メチルピリジニウムアセテート、2−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホネート、2−アセチル−1−アリルピリジニウムハイドロジェンスルフェートおよび2−アセチル−1−アリルピリジニウムアセテートからなる群から選択される少なくとも1種の化合物、特に4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホネートを含んでなる、請求項1または2に記載の剤。
【請求項4】
即用剤の総重量に基づき、総量で0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の1種以上の式(I)で示されるアシルピリジニウム誘導体を含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
【請求項5】
酸化剤として、過酸化水素、アルカリ金属過酸化物および/またはアルカリ金属過ホウ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物、特に過酸化水素を含んでなる、請求項1〜4のいずれかに記載の剤。
【請求項6】
式(II)で示されるヒドロキシ基含有アンモニウム化合物として、L−カルニチン、D−カルニチン、L/D−カルニチン、L−カルニチン塩酸塩、D−カルニチン塩酸塩、L/D−カルニチン塩酸塩、L−カルニチン酒石酸塩、D−カルニチン酒石酸塩、および/またはL/D−カルニチン酒石酸塩からなる群から選択される化合物を含んでなる、請求項1〜5のいずれかに記載の剤。
【請求項7】
即用剤の総重量に基づき、総量で0.01〜10重量%、特に0.01〜5重量%の1種以上の式(II)で示されるヒドロキシ基含有アンモニウム化合物を含んでなる、請求項1〜6のいずれかに記載の剤。
【請求項8】
化粧品媒体に、
(a)式(I):
【化3】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(b)式(II):
【化4】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる調製物(A)を含む少なくとも1つの第1容器(C1)と、
化粧品媒体に少なくとも1種の酸化剤を含んでなる調製物(B)を含む少なくとも1種の第2容器(C2)
を含んでなる多成分包装ユニット(部材キット)。
【請求項9】
ケラチン繊維用、特に人の毛髪用明色化剤および/または着色剤の明色化力を改善するための請求項1〜7に記載の剤の使用。
【請求項10】
化粧品媒体に、
(a)式(I):
【化5】

〔式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル基、ハロゲン原子またはC〜Cアシル基を表し(ただし、R2、R3およびR4の少なくとも1つがC〜Cアシル基を表す)、かつ、
は、生理学的適合性アニオンを表す〕
で示される少なくとも1種のアシルピリジニウム誘導体、および
(b)(b)式(II):
【化6】

〔式中、Yはカルボキシレート基(CO)を表し、またはカルボン酸基(COH)、アルカリ金属カルボキシレート基(COM)若しくはカルボン酸C〜Cアルキルエステル基から選択される1つの基を表す(式(II)で示されるこの化合物は正電荷を相殺する生理学的適合性アニオンを含む)〕
で示される少なくとも1種のヒドロキシ基含有アンモニウム化合物
を含んでなる調製物(A)と、
化粧品媒体に少なくとも1種の酸化剤を含んでなる調製物(B)
を混合することにより請求項1〜7のいずれかに記載の剤を調製し、調製した剤をその直後に人の毛髪へ塗布し、しばらくの間剤を繊維上に放置し、その後残留した剤を毛髪から洗い流す方法。

【公表番号】特表2013−507411(P2013−507411A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533554(P2012−533554)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063679
【国際公開番号】WO2011/045142
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】