説明

カチオン性コンディショニングポリマー及びアニオン性界面活性剤系を含有する透明なパーソナルケア組成物

本発明の組成物は、約0.01〜約5重量%のカチオン性グアーポリマー;約5〜約50重量%の、前記ポリマーの性能を最適化するための特定のエトキシル化レベル及び硫酸化レベルを有するアニオン性界面活性剤系、約0.01〜約5重量%の一価又は二価の塩;約0.01%〜約10%のマイクロエマルション型コンディショニングオイル、及び少なくとも約20重量%の水性キャリアを有する、パーソナルクレンジング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン性コンディショニングポリマー及び特定のアニオン性界面活性剤系を含有する透明なパーソナルケア組成物に関する。より具体的には、本発明は、カチオン性コンディショニングポリマー、特にグアーと組み合わされる場合に優れた製品の透明性を維持しつつ最大レベルのコアセルベートが使用中に達成されるような、エトキシル化とサルフェートの特定比を有するアニオン性界面活性剤系を含有するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄性界面活性剤及びコンディショニング剤の様々な組み合わせを含むパーソナルケア組成物が既知である。これらの製品は典型的には、シリコーン、炭化水素油、脂肪酸エステル、又はこれらの組み合わせのようなコンディショニング剤と組み合わされたアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。これらの製品は消費者の間で、毛髪及び皮膚のコンディショニング及び洗浄性能のすべてを単一のパーソナルケア製品から都合よく得る手段としてより人気が高まってきた。
【0003】
しかしながら、多くのパーソナルケア組成物は、洗浄プロセス中に、コンディショニング剤の毛髪及び皮膚上への十分な付着を提供しない。こうした付着がない場合には、コンディショニング剤の大部分は洗浄プロセス中に洗い流されるため、コンディショニングの効果をほとんど又は全く提供しない。コンディショニング剤の毛髪及び皮膚上への十分な付着がない場合には、適切なコンディショニング性能を提供するためには、パーソナル洗浄組成物中に比較的高レベルなコンディショニング剤が必要となる場合がある。しかしながら、高レベルのコンディショニング剤は原料コストを増加させ、起泡性を減少させ、及び製品安定性の問題を提示すると共に製品の透明性を阻害し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンディショニング剤の良好な付着を得ることは、パーソナルケア組成物中の洗浄性界面活性剤の作用により更に複雑化する。洗浄性界面活性剤は、油、脂、汚れ、及び粒子状物質を、毛髪及び皮膚から取り除く又は除去するように設計されている。その際に、洗浄性界面活性剤はまた、コンディショニング剤の付着を妨げる可能性があり、付着された及び付着されていないコンディショニング剤の両方をすすぎの間に除去する可能性がある。これはすすぎ後の毛髪及び皮膚上へのコンディショニング剤の付着を更に減らし、従ってコンディショニング性能を更に減らす。
【0005】
コンディショニング剤の付着を改善するための1つの既知の方法は、特定のカチオン性付着ポリマーの使用を伴う。これらのポリマーは、合成若しくは天然セルロース、又はカチオン性置換基により修飾されたグアーポリマーであってもよい。こうしたポリマーのカチオン電荷密度は、特にパーソナルケア組成物中に用いられる場合には、アニオン性界面活性剤のような、製品中のアニオン性物質との不適合性を回避するために最小化される。したがって、アニオン性洗浄性界面活性剤及びカチオン性付着ポリマーの両方を含有する大部分のパーソナルケア組成物は、比較的低度のコアセルベートコンディショニングを有する。パーソナルケア組成物中の改善されたコンディショニング性能への要求がなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
a.約0.01〜約5重量%のカチオン性グアーポリマーであって、少なくとも300,000の分子量及び少なくとも約0.1meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーポリマー;
b.約5〜約50重量%の、エトキシル化レベル及び硫酸化レベルを有するアニオン性界面活性剤系であって、
1.前記エトキシル化レベルは、約1〜約4、より好ましくは約1〜約3、最も好ましくは約1〜約2.7の範囲であり、
2.前記硫酸化レベルは、約2〜約6、より好ましくは約2.9〜5の範囲である、アニオン性界面活性剤系;
c.約0.01〜約5重量%の一価又は二価の塩;
d.約0.01〜約10重量%の、約80nm未満の液滴径を有するマイクロエマルション型コンディショニングオイル;
e.約0.05〜約5%の第2のコンディショナー;並びに
f.少なくとも約20重量%の水性キャリア;
前記組成物は、着色剤及び/又は顔料のいずれかを加える前に、600nmで少なくとも約65%のパーセント透過率を有する組成物、を含む透明なパーソナルケア組成物を提供することによって前述の需要を満たす。
【0007】
本発明は、パーソナルケア組成物を用いる方法を更に対象とする。
【0008】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書は本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項で完結しているが、本発明は以下の説明から、更によく理解されると考えられる。
【0010】
本発明のパーソナルケア組成物は、カチオン性グアーポリマー、アニオン性界面活性剤系、塩、マイクロエマルション型コンディショニングオイル、及び水を包含する。これらの必須構成成分のそれぞれ、並びに好ましい又は任意の構成成分は以下に詳しく記載される。
【0011】
百分率、部及び比率はすべて、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。このようなすべての重量は、記載した成分に関する限り活性物質レベルに基づくものであり、そのため特に指定されない限り市販材料に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。「重量百分率」という用語は、本明細書では「重量%」として表示されてもよい。
【0012】
特に指定されない限り、本明細書で使用される分子量はすべて、g/molとして表される重量平均分子量である。
【0013】
本明細書で使用するとき、「電荷密度」という用語は、ポリマーが構成されるモノマー単位における正の電荷数と前記モノマー単位の分子量との比を指す。ポリマー分子量により乗じた電荷密度は、所与のポリマー鎖における正に荷電した部位の数を決定する。
【0014】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載される追加又は任意の成分、要素、工程、若しくは制限のいずれかを含む、それらから成る、及びそれらから本質的に成ることができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、一種類のモノマーの重合によって作られるか、又は二種類(すなわち、コポリマー)若しくはそれ以上のモノマーによって作られる物質を包含する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「固体粒子」という用語は、液体又は気体ではない粒子を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、ポリマーが本発明の組成物中の水に可溶性であることを意味する。一般に、ポリマーは25℃で、水溶媒の0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、最も好ましくは15重量%の濃度で可溶性であるべきである。
【0018】
本明細書で使用するとき、「非水溶性」という用語は、ポリマーが本発明の組成物中の水に可溶性でないことを意味する。したがってポリマーは、水と混和しない。
【0019】
本明細書で使用するとき、「透明な」という用語は、使用してよいいずれの着色剤をも除いた最終製品が、600nmで少なくとも約65%のパーセント透過率を有することを意味する。
【0020】
組成物のパーセント透過率は、紫外線/可視(UV/VIS)分光測光法を用いて測定されるが、これは試料による紫外線/可視光の吸収又は透過を測定する。600nmの光波長は、化粧品組成物の透明度を特徴付けするために適切であることが示されてきた。典型的には、用いられる特定の分光光度計に関する特定の指示に従うことが最良である。一般に、パーセント透過率を測定するための手順は、分光光度計を600nmに設定することにより開始する。次に較正用「ブランク」を実行して、計測値を透過率100%に較正する。次に試験試料を、特定の分光光度計(spectrophotomer)に適合するように設計されたキュベット中に設置し、600nmで分光光度計(spectrophotomer)によりパーセント透過率を測定する。
【0021】
引用した参照文献はすべて、それらの全体を参考として本明細書に組み込む。いかなる参照文献の引用も、特許請求する本発明に対する従来技術としての有用性の決定に関する容認ではない。
【0022】
本発明の1つの実施形態は、アニオン性界面活性剤のある特定のレベルと、その硫酸化及びエトキシル化の値(本明細書に記載される)によって表されるようなある特定の比率とを組み合わせた組成物は、コアセルベート形成を最大にすることによってコンディショニングの効果を最大にし、製品の透明性を最大にするという驚くべき発見に関する。その上、最適な界面活性剤のブレンドは各ポリマーについて異なるが、最適な界面活性剤組成物は2つのパラメータによって表され得ることを筆者は発見した。これらのパラメータには、硫酸化及びエトキシル化の値が挙げられ、これらはポリマーの電荷密度及び分子量の関数として表される場合、コアセルベートの形成及び製品の透明性を最大にする。
【0023】
特別な理論に制限されるものではないが、コアセルベートは、いずれの追加のコンディショニング活性物質も伴わずに改善された毛髪及び皮膚のコンディショニングを提供する。更に、分散したコンディショニング剤の液滴が基質に添加される場合、コアセルベートはコンディショニング剤の付着について改善された機構を提供し、コンディショニング剤の付着を生じ、それはより更なるコンディショニングの効果をもたらす。
【0024】
A.カチオン性コンディショニングポリマー
本発明の組成物は、グアーガムのカチオン性誘導体であるカチオン性コンディショニングポリマーを含む。
【0025】
好適なカチオン性グアーガム誘導体により、ジャガーエクセル(Jaguar Excel)として市販されているグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのCTFA表記が得られるものであり、これは高い透明性、低い置換度、及び高い粘度を有する。その他の好適なポリマーは、米国特許第5,489,674号、同第5,536,825号、同第5,756,720号、及び同第6,348,590号(ロディア(Rhodia))に開示されているプロセスによって製造される。
【0026】
本発明の組成物は、約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約2重量%のカチオン性コンディショニングポリマーを含有する。
【0027】
B.アニオン性界面活性剤系−エトキシル化及び硫酸化
本発明のパーソナルケア組成物は、アニオン性界面活性剤を包含する。界面活性剤構成成分は、組成物に洗浄性能を提供するために包含される。次に界面活性剤構成成分は、エトキシル化界面活性剤及び硫酸化、並びに任意に双性イオン性又は両性界面活性剤、追加の界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載される必須構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はさもなければ過度に製品の安定性、審美性、若しくは性能を損なうべきではない。
【0028】
本明細書のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤構成成分には、毛髪ケア又は他のパーソナルケア組成物中への使用に既知のものが挙げられる。パーソナルケア組成物中のアニオン性界面活性剤構成成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するために十分であるべきであり、一般に、組成物の約5重量%〜約50重量%、好ましくは約8重量%〜約30重量%、より好ましくは約10重量%〜約25重量%の範囲である。
【0029】
製品の透明性、コアセルベート生成、湿潤コンディショニング性能、乾燥コンディショニング性能、及び毛髪上へのコンディショニング成分の付着、の性能特性を考察する際に、ポリマー系の潜在性能を最大にするために、界面活性剤のレベル及び種類を最適化することが必要であることを本発明者らは発見した。ポリマー系の潜在性能を最大にするために、エトキシル化及び硫酸化のレベルを最適化することが必要であることを本発明者らは発見した。これを行うために、前述の性能特性を、エトキシル化レベルに対して、及び硫酸化レベルに対してプロットした。
【0030】
前述の性能特性とエトキシル化レベル及び硫酸化レベルの両方との間に明らかな相関関係が存在することを、本発明者らは発見した。最適な性能に対しては,エトキシル化レベルは約1〜約4、より好ましくは約1〜約3、最も好ましくは約1〜2.7であるべきであり、硫酸化レベルは約2〜約6、より好ましくは約2.9〜5であるべきである。
【0031】
ここで、エトキシル化の百分率は、エトキシル化のモル数が既知である界面活性剤の特定分子量に基づき、界面活性剤構造の化学量論に基づいて計算することができる。同様に、界面活性剤の具体的な分子量及び硫酸化反応の完了測定をもとにして、硫酸化の百分率を計算することができる。界面活性剤系内のエトキシル化の百分率又は硫酸化の百分率を測定するために分析技術が開発されてきた。特定の界面活性剤系を表すエトキシル化のレベル及び硫酸化のレベルは、次の方法で個々の界面活性剤のエトキシル化の百分率及び硫酸化の百分率から計算される:
組成物中のエトキシル化のレベル=エトキシル化の百分率X活性なエトキシル化界面活性剤の百分率。
【0032】
組成物中の硫酸化のレベル=エトキシル化界面活性剤中の硫酸化の百分率X活性なエトキシル化界面活性剤の百分率+非エトキシル化界面活性剤中の硫酸化の百分率X活性な非エトキシル化界面活性剤の百分率。
【0033】
(試料の計算)
実施例1は、0.294321%のエトキシル化レベル及び0.188307%の硫酸化レベルを含有するエトキシル化界面活性剤、及び硫酸化の百分率0.266845を有する非エトキシル化界面活性剤を示す。両方の界面活性剤は、29%活性である。
【0034】
実施例1のエトキシル化のレベル=0.294321X7(活性なエトキシル化界面活性剤の%)。したがって実施例1の組成物中のエトキシル化のレベルは、およそ2.06である。
実施例1の硫酸化のレベル=0.18830X7(活性なエトキシル化界面活性剤の%)+0.266845X7(活性な非エトキシル化界面活性剤の%)。したがって実施例1の組成物中の硫酸化のレベルは、およそ3.19である。
【0035】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好適な好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートである。これらの物質は、それぞれの式、ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは約8〜約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは約1〜約10の値を有する整数であり、Mはカチオンであり、例えば、アンモニウム、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムのような多価金属である。界面活性剤の溶解度特性は、選択される特定のアニオン性界面活性剤及びカチオンに依存する。
【0036】
好ましくは、Rは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において、約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約16個の炭素原子、更により好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有する。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合物として作られる。アルコールは合成品であるか、又は脂肪(例えばココヤシ油、パーム核油、タロー)から誘導することができる。ココヤシ油又はパーム核油から誘導されたラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。こうしたアルコールを、約0〜約10の、好ましくは約2〜約5の、より好ましくは約3のモル比のエチレンオキシドと反応させ、例えばアルコール1モルにつき平均約3モルのエチレンオキシドを有する得られた分子種の混合物を硫酸で処理し、中和する。
【0037】
本発明のパーソナルケア組成物に用いられてもよいアルキルエーテルサルフェートの具体的な非限定例には、ココナツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサ−オキシエチレンサルフェートのナトリウム及びアンモニウム塩が挙げられる。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは個別化合物の混合物から成るものであり、ここにおいて混合物中の該化合物は、約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長及びエチレンオキシド約1〜約4モルの平均エトキシル化度を有する。こうした混合物はまた、約0〜約20重量%のC12〜13化合物;約60〜約100重量%のC14〜15〜16化合物;約0〜約20重量%のC17〜18〜19化合物;約3〜約30重量%のエトキシル化度0を有する化合物;約45〜約90重量%のエトキシル化度約1〜約4を有する化合物;約10〜約25重量%のエトキシル化度約4〜約8を有する化合物;及び約0.1〜約15重量%の約8を超えるエトキシル化度を有する化合物を含む。
【0038】
アニオン性界面活性剤の別の好適な部類は、一般式R1−SO3−Mの有機硫酸反応生成物の水溶性塩であり、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され;Mはカチオンである。重要な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、インエソ−(ineso-)、及びn−パラフィンを含めたメタン系炭化水素と、スルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との、漂白及び加水分解を含めた既知のスルホン化法によって得られる有機硫酸反応生成物の塩である。好ましいのは、C12〜18−n−パラフィンのスルホン化アルカリ金属及びアンモニウムである。
【0039】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
C.一価又は二価の塩
本発明のパーソナルケア組成物は一価又は二価の塩を更に含み、これはコアセルベート開始剤として作用するためにエントロピーの供給源として作用する。塩は、ポリマーと界面活性剤との間により多くの接触を作ることを可能にし、これはコアセルベートの形成を増加させる。本明細書で使用するとき、「コアセルベート開始剤」という用語は、アニオン性洗浄性界面活性剤構成成分界面活性剤系及び合成カチオン性ポリマーを含む組成物と組み合わされる場合にコアセルベートの形成を誘発することができる電解質を意味する。
【0041】
界面活性剤の塩自体は本発明の電解質の定義に包含されないが、その他の塩は包含される。好適な塩には、クロライド、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、シトレート、及びハライドが挙げられるが、これらに限定されない。こうした塩の対イオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、亜鉛、又は他の一価及び二価のカチオンであり得るが、これらに限定されない。本発明の組成物中に用いるのに最も好ましい電解質には、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムが挙げられる。これらの塩は、コアセルベート開始剤としてのそれらの役割に加えて増粘化助剤又は緩衝助剤として役立つ場合もあることが認められている。電解質を含むコアセルベート開始剤及び/又は任意の界面活性剤の量は、界面活性剤及びポリマーの種類によって変化するが、好ましくは約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.05%〜約3.5%、更により好ましくは約0.1%〜約2%のレベルで存在する。
【0042】
D.マイクロエマルション型コンディショニングオイル
本発明のパーソナルケア組成物は、マイクロエマルション型コンディショニングオイルを更に含む。これらには、特定のコンディショニングの効果を毛髪及び/又は皮膚に与えるために用いられる物質が挙げられる。本発明のパーソナルケア組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、界面活性剤構成成分中で乳化された液滴を形成する非水溶性水分散性の不揮発性液体を含む。パーソナルケア組成物中に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーンオイル、有機コンディショニングオイル(例えば炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、及び脂肪族アルコール)、フッ素化物、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤か、又はさもなければ分散された液滴を本明細書の水性界面活性剤基質中に形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性であるべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0043】
パーソナルケア組成物中のコンディショニング剤の濃度は、当業者には明白であるように、所望のコンディショニングの効果を提供するために十分であるべきである。そのような濃度はコンディショニング剤、所望されるコンディショニング性能、コンディショニング剤液滴の平均の大きさ、その他の構成成分の種類及び濃度、及びその他の要因により変化し得る。コンディショニング剤の濃度は、約0.01〜約10重量%の範囲であってよく、約80nm未満、好ましくは約50nm未満の液滴径を有する。
【0044】
a.シリコーンオイル
シリコーンオイルは典型的には、粘度が25℃で測定して1m2/s(1,000,000センチストークス(cst))未満、好ましくは約5E−6〜1m2/s(約5cst〜約1,000,000cst)、より好ましくは約1E−5〜0.2m2/s(約10cst〜約200,000cst)である流動性のあるシリコーン物質である。本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適なシリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ヘアコンディショニング特性を有する、その他の不溶性不揮発性シリコーン流体もまた用いられてもよい。
【0045】
シリコーンオイルには、次式Iに従うポリアルキル又はポリアリールシロキサンが包含される:
【0046】
【化1】

式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル若しくはアルケニル、又はアリールであり、Rは置換型又は非置換型であってよく、xは1〜約8,000の整数である。本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な非置換R基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルカミノ基、及びエーテル−置換、ヒドロキシル−置換、及びハロゲン−置換脂肪族基及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なR基にはまた、カチオン性アミン及び第四級アンモニウム基も挙げられる。
【0047】
好ましいアルキル及びアルケニル置換基は、C1〜C5、より好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。その他のアルキル−、アルケニル−、又はアルキニル−含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール、及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝鎖であることができ、好ましくはC1〜C5、より好ましくはC1〜C4、更により好ましくはC1〜C3、より好ましくはC1〜C2である。上述のように、R置換基もまたアミノ官能性(例えばアルカミノ基)を含有することができ、これは第一級、第二級、若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウムであり得る。これらには、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノ及びアルコキシアミノ基が挙げられるが、その際脂肪族部分の鎖長は上述されている。本発明を構成するシリコーンマイクロエマルションの例としては、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのDC2−5791、DC2−5791−sp、DC2−1470、DC2−1870、DC2−1845、DC2−1845HV、及びDC2−1550が挙げられる。一般に、マイクロエマルションに用いられる界面活性剤系は、グアーポリマー及び本発明の組成物中に存在する他の界面活性剤と適合性でなければならない。
【0048】
b.有機コンディショニングオイル
本発明のパーソナルケア組成物のマイクロエマルション型コンディショニングオイルはまた、少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーンオイル(上述)のようなその他のコンディショニング剤との組み合わせのいずれかにおいて、組成物の約0.05重量%〜約3重量%、好ましくは約0.08重量%〜約1.5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約1重量%含んでもよい。
【0049】
i.炭化水素油
本発明のパーソナルケア組成物中にコンディショニング剤として用いるのに好適な有機コンディショニングオイルには、ポリマー及びその混合物を包含する環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)のような、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、好ましくは約C12〜約C19である。分枝鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを包含する)は典型的には19個より多い炭素原子を包含する。
【0050】
このような炭化水素油の具体的な非限定例には、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分枝鎖異性体並びに長鎖炭化水素もまた用いることができ、例としては、ペルメチル置換型異性体のような高度に分枝状、飽和又は不飽和化されたアルカン、例えば2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(ペルメチル社(Permethyl Corporation)から入手可能)のようなヘキサデカン及びエイコサンのペルメチル置換型異性体が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンなどの炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレン及びブテンのコポリマーなどのポリブテンである。この種類の市販されている物質は、アモコケミカル社(Amoco Chemical Corporation)のL−14ポリブテンである。
【0051】
ii.ポリオレフィン
本発明のパーソナルケア組成物中に用いる有機コンディショニングオイルはまた、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ−α−オレフィン、より好ましくは水素添加液体ポリ−α−オレフィンを包含することができる。本明細書に用いるポリオレフィンは、C4〜約C14、好ましくは約C6〜約C12のオレフィンモノマーの重合によって調製される。
本明細書のポリオレフィン液を調製するためのオレフィンモノマーの非限定例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの分枝鎖異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。また、ポリオレフィン液を調製するのに好適なものはオレフィン含有精製供給材料又は廃液である。好ましい水素添加αオレフィンモノマーには、1−ヘキセン〜1−ヘキサデセン、1−オクテン〜1−テトラデセン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
iii.脂肪酸エステル
本発明のパーソナルケア組成物中にコンディショニング剤として用いるのに好適な他の有機コンディショニングオイルには、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂肪酸エステルには、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖とのエステル(例えばモノエステル、多価アルコールエステル、並びにジ−及びトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。この脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)などのその他の適合性のある官能基を包含するか、又はそれらの官能基を共有結合されていてよい。
【0053】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、一般式R’COORのモノカルボン酸エステルであり、式中、R’及びRはアルキル又はアルケニルラジカルであり、R’及びRの炭素原子の合計は、少なくとも10、好ましくは少なくとも22である。
【0055】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な更にその他の脂肪酸エステルは、カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステル、例えばC4〜C8ジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸のC1〜C22、好ましくはC1〜C6エステル)である。カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステルの具体的な非限定例には、ステアリン酸イソセチルステアリオール(stearyol)、アジピン酸ジイソプロピル及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0056】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な他の脂肪酸エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルには、エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化モノステアリン酸グリセリル、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのアルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0057】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な更に他の脂肪酸エステルは、モノ−、ジ−及びトリ−グリセリド、好ましくはジ−及びトリ−グリセリド、より好ましくはトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されないグリセリドである。本明細書に記載されるパーソナルケア組成物中への使用について、グリセリドは、好ましくはグリセロールとC10〜C22カルボン酸のような長鎖カルボン酸とのモノ−、ジ−、及びトリ−エステルである。種々のこれらの型の物質は、植物及び動物の油脂、例えばヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、とうもろこし油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、胡麻油、ラノリン及び大豆油から得ることができる。合成油には、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な他の脂肪酸エステルは、非水溶性の合成脂肪酸エステルである。幾つかの好ましい合成エステルは、次の一般式IIに従う:
【0059】
【化2】

式中、R1は、C7〜C9アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和線状アルキル基であり;nは2〜4、好ましくは3の値を有する正の整数であり;Yは、約2〜約20個の炭素原子を有する、好ましくは約3〜約14個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシ又はカルボキシ置換アルキル又はアルケニルである。他の好ましい合成エステルは、次の一般式IIIに従う:
【0060】
【化3】

式中、R2は、C8〜C10アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、更に好ましくは飽和線状アルキル基であり、n及びYは、上式IIIにおいて定義したとおりである。
【0061】
本発明のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な合成脂肪酸エステルの具体的な非限定例には、P−43(トリメチロールプロパンのC8〜C10のトリエステル)、MCP−684(3,3ジエタノール−1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8〜C10ジエステル)が挙げられ、これらのすべてはモービル・ケミカル社(Mobil Chemical Company)から入手可能である。
【0062】
c.フッ素化物
毛髪又は皮膚にコンディショニングを送達するために好適な、本発明に従うフッ素化物には、ペルフルオロポリエーテル、過フッ素化オレフィン、先に記載したシリコーン流体に類似した流体又はエラストマー形態であってもよいフッ素系特殊ポリマー、及び過フッ素化ジメチコンが挙げられる。好適なフッ素化物の具体的な非限定例には、アウジモント(Ausimont)からのフォンブリン(Fomblin)製品種目が挙げられ、それにはHC/04、HC/25、HC01、HC/02、HC/03が挙げられ;バイオシル・テクノロジーズ(Biosil Technologies)より供給される、バイオシル・ベーシックス・フルオロ・ジェルベ(Biosil Basics Fluoro Gerbet)3.5と一般に呼ばれるジオクチルドデシルフルオロエプチルシトレート(Dioctyldodecyl Fluoroeptyl Citrate);及びまたバイオシル・テクノロジーズ(Biosil Technologies)より供給される、バイオシル・ベーシックス・フルオロシルLF(Biosil Basics Fluorosil LF)が挙げられる。
【0063】
E.第2のコンディショナー
本発明のパーソナルケア組成物は、第2のコンディショニング成分を更に含有する。これらには、マイクロエマルション型コンディショニングオイルによって提供されるもの以外の、追加のコンディショニング効果を毛髪及び/又は皮膚に提供するために用いられる物質が包含される。本発明の組成物において用いられる第2のコンディショニング成分は、典型的には、水溶性物質と、アニオン性界面活性剤構成成分の界面活性剤ミセルにより可溶化できる非水溶性、水分散性、不揮発性の物質との両方を含む。パーソナルケア組成物中での使用に好適な第2のコンディショニング成分は、一般に四級アンモニウム化合物として特徴付けられるそれらの物質、有機コンディショニング化合物(例えば、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、ポリエチレングリコール、アルキルグルコシド、及びアルキルグルコシド誘導体)、又はこれらの組み合わせである。このような第2のコンディショニング成分は、組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性であるべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。本発明のパーソナルケア組成物の第2のコンディショニング構成成分は、組成物の約0.05重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約2重量%が含まれる。
【0064】
a.第四級アンモニウム化合物
本発明のパーソナルケア組成物中で第2のコンディショニング成分として用いるのに好適な四級アンモニウム化合物としては、アミド部分のようなカルボニル部分、又はホスフェートエステル部分若しくは同様の親水性部分を有する長鎖置換基を有する親水性第四級アンモニウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
特に、本発明の組成物において有用であることが見出された親水性第四級アンモニウム化合物の1つの部類は、次の一般構造式(IV)で示される:
【0066】
【化4】

式中、R1は約5〜約21個の炭素原子を有する置換若しくは非置換、飽和若しくは不飽和アルキル基であり;R2は水素又はメチルであり;R3及びR4は独立して、メチル、エチル、ヒドロキシエチル又はベンジルであり;R5はメチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、アセトアミド、又は2−ピロリドニルであり;nは1〜約10の数字であり;Xはクロリド、ブロミド、エトサルフェート、メトサルフェート、アセテート、ニトレート、トシラート、ホスフェート、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるアニオンである。
【0067】
一般構造式(IV)を有する有用な親水性第四級アンモニウム化合物の例としては、CTFA化粧品辞典(CTFA Cosmetic Dictionary)において、リシノールアミドプロピルトリモニウムクロリド、リシノールアミドトリモニウムエチルサルフェート、ヒドロキシステアルアミドプロピルトリモニウムメチルサルフェート、及びヒドロキシステアルアミドプロピルトリモニウムクロリドと表記される化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
他の有用な第四級アンモニウム界面活性剤の例としては、CTFA辞典に示されているような、クアテルニウム−33、クアテルニウム−43、イソステアラミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、クアテルニウム−22、及びクアテルニウム−26、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明の組成物中に包含させることができる第四級アンモニウム化合物の別の特に有用な部類は、次の一般構造式(V)で示されるような、四級化ホスフェートエステルである:
【0070】
【化5】

式中、R6はアリール、アルカリール、飽和若しくは不飽和アルキル基、又は飽和若しくは不飽和ヒドロキシアルキル基(式中、前記アルキル又はヒドロキシアルキル基は約7〜約21個の炭素原子を含む)であり;R7は水素、又は1〜約6個の炭素原子を含むアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であり;R8及びR9は独立して、1〜約6個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であり;Aは2〜約4個の炭素原子を有するグリコール若しくはトリオールの残基、例えばプロピレングリコールの残基(−OCH2CH(OH)CH2−)であり;Zはクロリド、ブロミド、メトサルフェート、エトサルフェート、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるアニオンであり;mは1〜約10の数字であり;Yは水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びアリール基(置換又は非置換のどちらでもよく、式中、前記アルキル又はヒドロキシアルキル基は1〜約22個の炭素原子を有する)から成る群から選択され;pは1〜3の数字である。本発明の十分な利点を達成するためには、四級化ホスフェートエステルは、化合物のR6置換基としてリノール酸、アラキドン酸、又はリシノール酸のような必須脂肪酸のアルキル部分を包含する四級化ホスフェートジエステルである。例えば、R6置換基として必須脂肪酸のアルキル部分を包含し、式中、数字pは2である、一般構造式(IV)の四級化ホスフェートエステル。
【0071】
必須脂肪酸置換基は、化合物が毛髪及び皮膚にコンディショニング特性を付与するのを助ける。特に有用な四級化ホスフェートジエステルの例は、構造式(VI)で示され、
【0072】
【化6】

【0073】
商標名ホスホリピッド(PHOSPHOLIPID)EFAでユニケマ(Uniqema)から市販されており、提示されたCTFA辞典表記、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドホスフェートを有する。この特定の化合物は2に等しいpを有し、置換基R6としてリノール酸のアルキル部分を包含する。
【0074】
一般構造式(VI)で示される四級化ホスフェートエステルのモノホスフェートエステル(すなわちp=1)、及びトリホスフェートエステル(すなわちp=3)もまた、コンディショニングシャンプーの基本性能に悪影響を及ぼさない限り、本発明の組成物において使用できる。
【0075】
前述した親水性第四級アンモニウム化合物の2つの部類に属さない、本発明の組成物において有用な他の親水性第四級アンモニウム化合物としては、クアテルニウム−16、クアテルニウム−27、クアテルニウム−30、クアテルニウム−52、クアテルニウム−53、クアテルニウム−56、クアテルニウム−60、クアテルニウム−61、クアテルニウム−62、クアテルニウム−63、クアテルニウム−71、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
b.有機コンディショニング化合物
i.脂肪酸エステル
本発明の組成物における第2のコンディショニング成分として用いるのに好適な有機化合物には、上記のマイクロエマルション型コンディショニングオイルの章において記載したもののような、脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。とりわけ、本発明の組成物において第2のコンディショナーとして使用される場合に極めて有用であることが見出された脂肪酸エステルの部類の1つには、脂肪族若しくは芳香族ジカルボン酸又はトリカルボン酸の脂肪酸アルコキシラートエステルが挙げられる。好適な脂肪族ジカルボン酸の例としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、及びアジピン酸が挙げられるが、これらに限定されない。該脂肪酸アルコキシラートエステルは、ジカルボン酸及びトリカルボン酸をポリアルコキシル化脂肪族アルコールと反応させることによって形成される。ジカルボン酸のジエステルに関しては飽和非置換脂肪族部分が好ましく、14〜18個の炭素原子を含有するこのような脂肪酸部分がより好ましい。特に有用な脂肪酸アルコキシラートエステルの例は、クローダ(Croda,Inc.)から商標名クロモリエント(Cromollient SCE)SCEで市販されている。他の好適な脂肪酸アルコキシラートエステルは、米国特許第5,455,025号(クローダ(Croda))に開示されている。
【0077】
ii.脂肪族アルコール
本発明のパーソナルケア組成物に使用するための他の好適な有機化合物としては、少なくとも10個の炭素原子、より好ましくは10〜22個の炭素原子、最も好ましくは12〜16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のパーソナルケア組成物に使用するのに好適な脂肪族アルコールの別の部類は、一般式VIIに従う:
CH3(CH2nCH2(OCH2CH2pOH
式中、nは8〜20、好ましくは10〜14の値を有する正の整数であり、pは1〜30、好ましくは2〜23の値を有する正の整数である。
【0078】
iii.ポリエチレングリコール
本明細書で有用な追加の有機化合物は、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mを有するもの、及びこれらの混合物などの、約2,000,000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0079】
iv.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
本発明のパーソナルケア組成物に使用するのに好適な有機化合物には、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が包含されるが、これらに限定されない。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の具体的な非限定例としては、アマコール(Amerchol)から市販されているグルカム(Glucam)E−10、グルカムE−20、グルカムP−10、及びグルクワット(Glucquat)125が挙げられる。
【0080】
F.水性キャリア
本発明の組成物は水性キャリアを包含する。キャリアのレベルと種は、他の構成成分との適合性及び製品の他の所望の特性により選択される。
【0081】
本発明で有用なキャリアとしては、水及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6の炭素を有する一価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水を使用するのが好ましい。製品の所望の特性に応じて、鉱物性カチオンを含有する天然供給源から得られる水を使用することもできる。一般に、本発明の組成物は、少なくとも約20%〜約99%、好ましくは約40%〜約98%、より好ましくは約60%〜約98%の水性キャリアを含む。
【0082】
本発明の組成物のpHは、好ましくは約4〜約9、より好ましくは約4.5〜約7.5である。緩衝剤及び他のpH調整剤を、望ましいpHを達成するために包含することができる。
【0083】
G.界面活性剤コアセルベート向上剤
1.双極性又は両性界面活性剤
本明細書のパーソナルケア組成物中に用いるのに好適な両性又は双極性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケア組成物中に用いるのに既知のものが挙げられる。こうした両性界面活性剤の濃度は、好ましくは、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲である。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ・ジュニアら)に記載されている。
【0084】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好適な両性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤を包含するが、その際脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、その際脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、その1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン性水溶性基を含有する。本発明に用いるのに好ましい両性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0085】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好適な双極性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤を包含し、その中で脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、その際脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。イミダゾリンなどの双性イオン性が好ましい
2.任意の界面活性剤
本発明のパーソナルケア組成物は、先に記載した界面活性剤構成成分と組み合わせて用いる追加の界面活性剤を更に含んでもよい。他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、式[R11−SO33−M]に従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩であり、式中、R11は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基であり;Mは上記に記載されたカチオンである。こうした界面活性剤の非限定例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、及びn−パラフィンを包含するメタン系炭化水素とスルホン化剤、例えばSO3、H2SO4との、漂白及び加水分解を包含する既知のスルホン化方法によって得られる有機硫酸反応生成物の塩である。好ましいのは、C10〜C18n−パラフィンのスルホン化アルカリ金属及びアンモニウムである。
【0086】
更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物であり、ここで、例えば脂肪酸はココヤシ油又はパーム核油から誘導されており;メチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩であり、その中で脂肪酸は、例えばココヤシ油又はパーム核油から誘導されている。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号 、及び同第2,396,278号に記載されている。
【0087】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好適な他のアニオン性界面活性剤は、コハク酸塩であり、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム;ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム;ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム;N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム;スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル;スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル;及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0088】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。これに関連して、「オレフィンスルホネート」という用語は、非錯体化型三酸化イオウを用いてα−オレフィンをスルホン化し、続いて、反応において形成された何らかのスルホネートが加水分解されて対応するヒドロキシ−アルカンスルホネートが得られるような条件において、酸反応混合物を中和させることによって生成され得る化合物を指す。三酸化イオウは液状又はガス状であることができ、必須ではないが、通常は不活性希釈剤、例えば、液体状態で使用されるときは、液体SO2、塩素化炭化水素など、又はガス状態で使用されるときは、空気、窒素、ガス状SO2など、によって希釈される。オレフィンスルホネートが誘導されるα−オレフィンは、約10〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約16個の炭素原子を有するモノ−オレフィンである。好ましくは、それらは直鎖オレフィンである。真正のアルケンスルホネート及び一部のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートは、反応条件、反応物質の比率、オレフィンストックにおける出発オレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応に左右されて、アルケンジスルホネートのような少量の他材料を含有することができる。このようなα−オレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0089】
パーソナルケア組成物中に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤の別の種類は、β−アルキルオキシアルカンスルホネートである。これらの界面活性剤は、次式VIIIに従う:
【0090】
【化7】

式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは前述されたような水溶性カチオンである。パーソナルケア組成物中に用いるのに好ましいアニオン性界面活性剤には、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0091】
アルカノールアミドを包含するアミドは、第一級及び第二級アミン又はアルカノールアミンと脂肪酸との縮合生成物であり、次の一般式IXの生成物を生じる:
【0092】
【化8】

式中、RCOは脂肪酸ラジカルであり、RはC8〜20であり;Xはアルキル、芳香族又はアルカノール(CHR’CH2OHであり、式中、R’はH又はC1〜6アルキルである))であり;YはH、アルキル、アルカノール又はXである。好適なアミドには、コカミド、ラウラミド、オレアミド、及びステアラミドが挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルカノールアミドとしては、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドMIPA、イソステアラミドDEA、イソステアラミドMEA、イソステアラミドMIPA、ラノリンアミドDEA、ラウロアミドDEA、ラウロアミドMEA、ラウロアミドMIPA、リノレアミドDEA、リノレアミドMEA、リノレアミドMIPA、ミリスタミドDEA、ミリスタミドMEA、ミリスタミドMIPA、オレアミドDEA、オレアミドMEA、オレアミドMIPA、パームアミドDEA、パームアミドMEA、パームアミドMIPA、パルミトアミドDEA、パルミトアミドMEA、パーム核アミド(palm kernelamide)DEA、パーム核アミドMEA、パーム核アミドMIPA、ピーナッツアミドMEA、ピーナッツアミドMIPA、大豆アミドDEA、ステアラミドDEA、ステアラミドMEA、ステアラミドMIPA、トールアミドDEA、タローアミドDEA、タローアミドMEA、ウンデシレンアミドDEA、ウンデシレンアミドMEAが挙げられるが、これらに限定されない。縮合反応は、遊離脂肪酸又はあらゆる種類の脂肪酸エステル、例えば、脂肪及び油、特にメチルエステルを用いて行われてもよい。反応条件及び原料の供給源は、最終生成物における物質のブレンド及び何らかの不純物の性質を決定する。
【0093】
好適な任意の界面活性剤には、非イオン性界面活性剤が挙げられる。毛髪ケア又はパーソナルケア製品中に用いられる当該技術分野において既知のこうしたいずれの界面活性剤も、この任意の追加の界面活性剤がまた、パーソナルケア組成物の必須構成成分と化学的及び物理的に適合性であるか、又はさもなければ、製品性能、審美性若しくは安定性を過度に損なわなければ、用いられてもよい。パーソナルケア組成物における任意の追加の界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択された任意の界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の構成成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の要因によって異なってもよい。
【0094】
パーソナルケア組成物で使用するのに好適な他の界面活性剤の非限定例は、マカッチャンの乳化剤及び洗剤(McCutcheon's, Emulsifiers and Detergents)、1989年鑑、M.C.パブリッシング(M. C. Publishing Co.)出版、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0095】
H.任意成分
1.懸濁剤
本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物中の非水溶性の分散物質を懸濁するために有効な濃度で、懸濁剤を更に含んでもよい。このような濃度は、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.3重量%〜約5.0重量%の範囲にある。
【0096】
好適な懸濁剤としては、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、又はこれらの組み合わせとして分類され得る結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4,741,855号に記載されている。
【0097】
2.抗ふけ活性物質
本発明の組成物はまた、抗ふけ剤を含有してもよい。抗ふけ粒子の好適な非限定例としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、及びこれらの混合物が挙げられる。ピリジンチオン塩が好ましい。このような抗ふけ粒子は、組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性であるべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。これらの抗ふけ剤はPCT国際公開特許WO01/00151に記載されている。
【0098】
3.保湿剤
本発明の組成物は、保湿剤を含有してもよい。本明細書における保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオンポリマー、及びこれらの混合物から成る群より選択される。本明細書で用いられる場合、保湿剤は上記組成物の、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約5重量%で使用される。
【0099】
本明細書において有用な多価アルコールには、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0100】
本明細書において有用な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーには、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000を有するもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0101】
4.その他
本発明の組成物は、芳香剤及び/又は薬草若しくは植物抽出物を含有してもよい。
【0102】
本発明の組成物はまた、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体のような水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩のような水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体のような非水溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩のような非水溶性アミノ酸などの、ビタミン及びアミノ酸も含有してもよい。
【0103】
本発明の組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の構成成分を包含する、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ(disazo)、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物の色、天然の色などの、顔料物質を含有してもよい。
【0104】
本発明の組成物は、化粧品用殺生物剤として有用な抗菌剤及び抗ふけ剤も含有してもよく、これにはピロクトンオラミンなどの水溶性構成成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン及びジンクピリチオンなどの非水溶性構成成分が包含される。本発明の組成物はまた、キレート剤を含有してもよい。
【0105】
(製造方法)
本発明の組成物は一般に、室温又は高温、例えば約72℃のいずれかにおいて、成分を共に混合することにより製造されてもよい。固体成分が組成物中に組み込まれる場合のみ熱を使用する必要がある。マイクロエマルション型コンディショニングオイルを添加する前に、カチオン性コンディショニングポリマーを十分に水和することは有用である。成分は、バッチ加工温度で混合される。電解質、ポリマー、及び他の任意成分を包含する追加成分は、室温で製品に添加されてもよい。
【0106】
(使用方法)
本発明のパーソナルケア組成物は、従来の方法で、毛髪又は皮膚を洗浄及びコンディショニングするために用いられる。毛髪又は皮膚の洗浄及びコンディショニングのために、有効量の組成物を好ましくは水で湿らせた毛髪又は皮膚に適用し、その後洗い流す。このような有効量は一般に、約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gの範囲である。毛髪への適用は、典型的にはほとんど又はすべての毛髪が組成物と接触するように組成物を毛髪全体に行き渡らせることを包含する。
【0107】
毛髪又は皮膚を洗浄及びコンディショニングするための本方法は、
a)毛髪又は皮膚を水で濡らす工程、b)パーソナルケア組成物の有効量を毛髪又は皮膚に適用する工程、及びc)水を用いて皮膚又は毛髪の適用領域をすすぐ工程を含む。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望なだけ何回もこれらの工程を繰返すことができる。
【0108】
(非限定実施例)
以下の実施例に示される組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を説明したものであるが、これらに限定されることを意図したものではない。その他の変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行される。本発明の組成物のこれらの例示された実施形態は、強化されたコアセルベート形成によるパーソナルケア組成物の強化された付着を提供する。
【0109】
次の実施例で説明される組成物は、従来の処方及び混合方法によって調製されるが、その例は上に記載されている。すべての例示された量が重量パーセントとして列挙されており、特に指定されない限り、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物などの微量物質は除外されている。
【0110】
以下は、本発明に従う透明なシャンプー組成物の代表例である。
【0111】
【表1】

1 ジャガーエクセル(Jaguar Excel)、供給元ロディア(Rhodia)
2 平均およそ2molのエトキシル化を有する29%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 平均およそ3molのエトキシル化を有する29%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 DC2−1870、30nm粒径ジメチコン、TEAドデシルベンゼンスルホネート及びPOEラウリルエーテルを第一界面活性剤として用いる、供給元ダウ・コーニング(Dow Corning)
6 バイオソフト(Biosoft)N−300(60%活性)、供給元ステパン(Stepan)
7 BRIJ35、供給元ユニケマ(Uniqema)
8 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B(30%活性)、供給元デグサ(Degussa)
9 ミラノール(Miranol)C2Mコンク(Conc)NP(50%活性)、供給元ステパン(Stepan)
10 プロミジウム(Promidium)2、供給元ユニケマ(Uniqema)
11 CO−1695F、供給元P&G
12 クロモリエント(Cromollient)SCE、供給元クローダ(Croda)
13 ホスホリピッド(Phospholipid)EFA(30%活性)、供給元ユニケマ(Uniqema)
14 塩化マグネシウム六水和物、供給元フィッシャー・ケミカルズ(Fisher Chemicals)
15 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元モートン(Morton)
以下は、本発明のボディウォッシュ組成物の代表例である。
【0112】
【表2】

1 ジャガーエクセル(Jaguar Excel)、供給元ロディア(Rhodia)
2 平均およそ3molのエトキシル化を有する29%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 DC2−1870、30nm粒径ジメチコン、TEAドデシルベンゼンスルホネート及びPOEラウリルエーテルを第一界面活性剤として用いる、供給元ダウ・コーニング(Dow Corning)
5 CO−1695、供給元P&G
6 ステパン−マイルド(Stepan−MILD)LSB、供給元ステパン(Stepan)
7 スター(Star)、供給元:プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)
8 テゴベタイン(Tegobetaine)(30%活性)、供給元ゴールドシュミット(Goldschmidt)(デグサ(Degussa))
9 ミラノール(Miranol)C2Mコンク(Conc)NP(50%活性)、供給元ロディア(Rhodia)
10 プランタレン(Plantaren)PS−100、供給元コグニス・ケア・ケミカルズ(Cognis Care Chemicals)
11 プロリピッド(Prolipid)151、供給元ISP
12 フォンブリン(Fomblin)HC/04、供給元アウジモント(Ausimont)
13 塩化マグネシウム六水和物、供給元フィッシャー・ケミカルズ(Fisher Chemicals)
14 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元モートン(Morton)
【0113】
「発明を実施するための最良の形態」において引用したすべての文書は、関連する部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文書の引用も、本発明に関する先行技術であることの容認と考えられるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.0.01〜5重量%のカチオン性グアーポリマーであって、少なくとも300,000の分子量及び少なくとも0.1meq/gの電荷密度を有するカチオン性グアーポリマー;
b.5〜50重量%の、1〜4のエトキシル化レベル及び2〜6の硫酸化レベルを有するアニオン性界面活性剤系;
c.0.01〜5重量%の一価又は二価の塩;並びに
d.少なくとも20重量%の水性キャリア;
を含む透明なパーソナルケア組成物であって、
前記組成物は、着色剤及び/又は顔料のいずれかを添加する前に、600nmでのパーセント透過率が少なくとも65%である、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
0.01重量%〜10重量%の、80nm未満の液滴径を有するマイクロエマルション型コンディショニングオイルを更に含む、請求項1に記載の透明なパーソナルケア組成物。
【請求項3】
0.05〜5%の第2のコンディショナーを更に含む、請求項1に記載の透明なパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記マイクロエマルション型コンディショニングオイルは、シリコーンオイル、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、フッ素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記カチオン性グアーポリマーは、少なくとも1,000,000の分子量を有する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記カチオン性グアーポリマーは、少なくとも0.5meq/gの電荷密度を有する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記カチオン性グアーポリマーは、0.05重量%〜2.0重量%の濃度で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記カチオン性グアーポリマーは、コアセルベート相中にあるか、又は希釈の際にコアセルベート相を形成する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
前記アニオン性界面活性剤系は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
双極性界面活性剤又は両性界面活性剤を、0.5重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜5重量%の濃度で更に含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記一価又は二価の塩は、クロライド、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、シトレート、ハライド、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記一価又は二価の塩は、0.05重量%〜3.5重量%の濃度で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記第2のコンディショニング剤は、第四級アンモニウム化合物、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、ポリエチレングリコール、アルキルグルコシド、アルキルグルコシド誘導体、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
毛髪又は皮膚を処置する方法であって、
a)前記毛髪又は皮膚を水で濡らす工程;
b)請求項1に記載のパーソナルケア組成物の有効量を前記毛髪又は皮膚に適用する工程;及び
c)前記毛髪又は皮膚を水ですすぐ工程
を含む方法。

【公表番号】特表2006−526024(P2006−526024A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514950(P2006−514950)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/016395
【国際公開番号】WO2004/105723
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】