説明

カッターおよびこれを備えたテープ処理装置

【課題】 簡単な構造で固定刃ブレードおよび可動刃ブレードの刃裏への、シートの付着を有効に防止することができるカッター等を提供することを課題としている。
【解決手段】 固定刃59および可動刃60を有し、固定刃59の固定刃ブレード62と可動刃60の可動刃ブレード79との間に臨ませた粘着剤を塗布したシートTを、可動刃ブレード79および固定刃ブレード62を、相互に離間する非切断位置と相互にオーバーラップする切断位置との間で切断動作をさせて、切断するカッター89であって、固定刃ブレード62の刃裏62bには、切断位置に切断動作した可動刃ブレード79の刃先91が臨むと共に、当該刃先91に沿って延在する逃げ溝84が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面に粘着剤を塗布したテープ等のシートを切断するカッターおよびこれを備えたテープ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテープ処理装置として、粘着剤を塗布した剥離紙付の処理テープ(シート)を送りながらこれに印刷を行い、その印刷済み部分を、カッターにより切断し、ラベルを作成するテープ処理装置が知られている。(例えば特許文献1)
【0003】
この場合、カッターは、装置ケースに形成したテープ排出口の近傍に配設されており、切断されたラベルは、自重によりこのテープ排出口から外部に排出される。カッターは、固定刃と可動刃が支軸を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであり、テープ送り方向の上流側に固定刃が、下流側(テープ排出口側)に可動刃が配設されている。これにより、可動刃が切込んで処理テープを切断すると、切断されたテープ片は可動刃にはじかれるようにして、装置外部に排出される。
ところで、使用する粘着剤にもよるが、粘着剤付きの処理テープを切断すると、その切断端に粘着剤がはみ出し、両ブレードの刃先に付着することがある。可動刃ブレードが切断動作を繰り返すうちに、この粘着剤が両ブレードの刃裏に擦り合わさり、層状に付着する。このため、切断後のテープ片が固定刃ブレードの刃裏に、被切断側の処理テープが可動刃ブレードの刃裏にそれぞれ貼着することがある。また、両ブレードの刃裏に粘着剤が付着しなくても、テープ片の切断端にはみ出した粘着剤により、テープ片が固定刃ブレードの刃裏に貼着することもある。そして、これが2度切りやジャミングの原因となる。
【0004】
そこで、上記従来のカッターでは、固定刃ブレードの刃裏に、粘着剤の付着を防止するシリコーンオイルを含ませた貯留部を付設して、切断動作をする度に、両ブレードの刃裏にシリコーンオイルがゆきわたるようにし、テープ片の付着を防止するようにしている。
【特許文献1】特開平10−175190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のカッターではシリコーンオイルの貯留部を設けることにより、構造が複雑になると共に、シリコーンオイルを使用するため、カッターがコスト高になるという問題があった。また、経時的にシリコーンオイルは消耗され、粘着剤の付着を防止することができなくなるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、簡単な構造で固定刃ブレードおよび可動刃ブレードの刃裏への、シートの付着を有効に防止することができるカッター、およびこれを備えたテープ処理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカッターは、固定刃および可動刃を有し、固定刃の固定刃ブレードと可動刃の可動刃ブレードとの間に臨ませた粘着剤を塗布したシートを、可動刃ブレードおよび固定刃ブレードを、相互に離間する非切断位置と相互にオーバーラップする切断位置との間で切断動作をさせて、切断するカッターであって、固定刃ブレードの刃裏には、切断位置に切断動作した可動刃ブレードの刃先が臨むと共に、当該刃先に沿って延在する逃げ溝が形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、固定刃および可動刃が切断動作すると、シートから切り離されたシート片の切断端は、可動刃ブレードの刃先に押されるようにして固定刃ブレードの刃裏に沿って進み、逃げ溝の位置に達する。すなわち、シート片の切断端は、切断位置において固定刃ブレードの逃げ溝の位置まで移動する。この状態において、シート片の切断端は固定刃ブレードの逃げ溝の開放部に臨むことになる。このため、シート片の切断端に粘着剤がはみ出していても、シート片の切断端と固定刃ブレードの逃げ溝とが直接接触することはないため、シート片の切断端は固定刃ブレードの刃裏に貼着することはない。また、すでに固定刃ブレードの刃裏に粘着剤が付着している場合であっても、シート片は逃げ溝に対し浮いており、固定刃ブレードの刃裏に貼着することもない。これにより、シートから切り離されたシート片の2度切りやジャミングを有効に防止することができる。
【0009】
また、本発明の他のカッターは、固定刃および可動刃を有し、固定刃の固定刃ブレードと可動刃の可動刃ブレードとの間に臨ませた粘着剤を塗布したシートを、可動刃ブレードおよび固定刃ブレードを、相互に離間する非切断位置と相互にオーバーラップする切断位置との間で切断動作をさせて、切断するカッターであって、可動刃ブレードの刃裏には、切断位置に切断動作した固定刃ブレードの刃先が臨むと共に、当該刃先に沿って延在する逃げ溝が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、固定刃および可動刃が切断動作すると、被切断側のシートの切断端は、固定刃ブレードの刃先により移動を規制され、相対的に可動刃ブレードの逃げ溝の位置に達する。すなわち、切断位置において被切断側のシートの切断端は、可動刃ブレードの逃げ溝の位置まで移動する。この状態において、被切断側のシートの切断端も可動刃ブレードの逃げ溝の開放部に臨む。このため、上記シートの切断端に粘着剤がはみ出すことがあっても、この切断端と可動刃ブレードの逃げ溝とが直接接触することはないため、シートの切断端は可動刃ブレードの刃裏に貼着することがない。また、すでに可動刃ブレードの刃裏に粘着剤が付着している場合であっても、シートは逃げ溝に対し浮いており、固定刃ブレードの刃裏に貼着することもない。これにより、被切断側のシートの2度切りやジャミングを有効に防止することができる。
【0011】
この場合、逃げ溝はプレス成形により断面凹状にすることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、プレス成形で逃げ溝を形成する際、両ブレードの刃裏は、逃げ溝を中心に谷折り状にわずかに曲がりを生ずる。すなわち、逃げ溝の形成に伴って両ブレードの刃裏に、いわゆる「裏すき」に類似した部位を形成することができる。
【0013】
この場合、固定刃および可動刃が支軸を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、カッターとして長期に安定した切断性能を発揮するハサミの利点を活用することができる。
【0015】
一方、本発明のテープ処理装置は、処理対象となるシートが、粘着剤を介して記録テープに剥離テープを貼着した処理テープである上記に記載のカッターと、カッターに処理テープを送り込むテープ送り手段と、カッターのテープ送り方向上流側に配設され、送られてゆく処理テープに印刷を行う印刷手段と、カッターのテープ送り方向下流側に配設され、カッターにより切断された処理テープのテープ片を装置外部に排出するためのテープ排出口と、を備え、カッターの固定刃はテープ送り方向上流側に、可動刃はテープ送り方向下流側に配設されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、両ブレードの刃裏にテープ片や被切断側の処理テープが貼着することがなく、2度切りやジャミングを防止することができる。これにより、信頼性の高いテープ処理装置を提供することができる。また、可動刃の切込み力を利用して、テープ片をテープ排出口から円滑に排出することができる。
【0017】
この場合、カッターとテープ排出口との間に、処理テープの記録テープのみを切断するハーフカッターを、更に備えていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ハーフカッターにより、テープ片の前部または後部にハーフカットを行うことができ、切断後のテープ片において、記録テープから剥離テープを簡単に剥がすことができる。
【0019】
この場合、ハーフカッターとテープ排出口との間に、テープ片に転接して、これを強制的に排出する排出機構を、更に備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、切断後のテープ片が極端に短いものであっても、これを装置外部に円滑に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るカッターを適用したテープ処理装置について説明する。このテープ処理装置は、粘着剤を塗布した剥離テープ付きの処理テープに、墨字印刷を行うと共に点字打刻を行う複合的な装置である。
【0022】
図1は閉蓋状態のテープ処理装置の外観斜視図、図2は開蓋状態のテープ処理装置の外観斜視図であり、両図に示すように、テープ処理装置2は、装置の主体を為す墨字印刷部102と、これに組み込まれた点字打刻部103とを有している。
【0023】
テープ処理装置2は装置ケース3により外殻が形成され、装置ケース3の前半部上面には、操作部101を構成するキーボード4が配設されている。装置ケース3の後半部上面の左部には、テープカートリッジCを着脱自在に装着することのできるカートリッジ装着部20が窪入形成されている。
【0024】
装置ケース3の後半部上面の右部には、印刷面を上にして前方から手差し挿入する処理テープ挿入部5、および点字打刻された処理テープTが後方に排出される処理テープ排出部6が形成されている。処理テープ挿入部5には、後述する2種の処理テープ(12mm、24mm)の幅に応じて幅切り替え可能な一対の手差しガイド14が設けられている。さらに、処理テープ挿入部5と処理テープ排出部6との間には、点字打刻部103の主要部を為す打刻アッセンブリ40が組み込まれている。この打刻アッセンブリ40は、外部から異物が混入しないよう、その上面が打刻部カバー7で覆われている。なお、打刻部カバー7は、透光性の樹脂で構成され、点検蓋を兼ねている。
【0025】
一方、カートリッジ装着部20には、これを開閉する開閉蓋8が設けられ、開閉蓋8の表側にはキーボード4からの入力結果等を表示する長方形のディスプレイ9が形成されているとともに、これを閉止した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓10が形成されている。
【0026】
装置ケース3の左側部には、カートリッジ装着部20と外部を連通するテープ排出口11が形成され、このテープ排出口11に臨んで装置ケース3には、テープカートリッジCから繰り出された処理テープTを切断するためのカッタユニット50(図5および図6参照)が内蔵されている。そしてカッタユニット50により処理テープTの印刷済み部分が切断されることで、テープ排出口11から印刷後の処理テープTのテープ片Ta(図7参照)が排出される。
【0027】
一方、装置ケース3の右側部には、電源供給のための電源供給口12と図外のパーソナルコンピュータ等の外部装置と接続するための接続口13が形成されている。また、両図では省略したが、装置ケース3の内部には、テープ処理装置2を統括制御する制御部100を構成する回路基板が搭載されている(図3参照)。
【0028】
カートリッジ装着部20には、発熱素子を有しヘッドカバー24に覆われた印刷ヘッド22と、テープカートリッジCの処理テープTおよびインクリボンRを送るためのプラテン駆動軸(図示省略)および巻き取り駆動軸(図示省略)が突設され、また、カートリッジ装着部20の裏側(内部)には、プラテン駆動軸および巻取り駆動軸を駆動する印刷送りモータ106(図3参照)やギア列等(図示省略)が内蔵されている。テープカートリッジCを上記のカートリッジ装着部20に装着すると、テープカートリッジCの貫通開口34に印刷ヘッド22が差し込まれるとともに、プラテンローラ35およびリボン巻取りリール32にプラテン駆動軸および巻取り駆動軸がそれぞれ係合する。この状態で、開閉蓋8を閉塞すると、これに連動して、印刷ヘッド22が処理テープTおよびインクリボンRを挟み込んでプラテンローラ35に当接し、印刷待機状態となる。
【0029】
そして、プラテンローラ35およびリボン巻取りリール32を駆動して処理テープTおよびインクリボンRを送りながら、上記のキーボード4等から入力された文字等の入力データに基づいて、印刷ヘッド22により印刷が行われる。印刷後、処理テープTのみがテープカートリッジCのテープ送出口36を介してテープ排出口11から装置外部に排出され、インクリボンRはリボン巻取りリール32に巻き取られるようになっている。なお、カートリッジ装着部20の隅部には、複数のマイクロスイッチ(図示省略)で構成され、処理テープTの種別を識別するためのテープ識別センサ110(図3参照)が設けられている。
【0030】
処理テープTは、裏面に粘着材層が設けられた樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート)製の記録テープSrと、この粘着剤層により貼付された樹脂(例えばポリエチレン/ポリプロピレン共重合体)製の剥離テープSpとから構成されており、記録テープSrの印刷面は、熱転写によるインクの乗りが良好になるように加工されている。記録テープSrの厚さは略50μm、剥離テープの厚さは略80μmである。そして、処理テープTは、記録テープSrを外側にし、かつ剥離テープSpを内側にしてロール状に巻回されてカートリッジケース33内に収容されている。テープカートリッジCに収容されている処理テープTのテープ幅は12mm、24mmの2種類があり、カートリッジケース33の裏面には、小さな複数の被検出孔(図示省略)が形成されており、上記のテープ識別センサ110によってこの複数の被検出孔が識別され、処理テープTの種別を識別するようになっている。
【0031】
プラテンローラ35により送り出された印刷済みの処理テープTは、印刷済み部分を切断するカッタユニット50に送られる。カッタユニット50は、カートリッジ装着部20とテープ排出口11との間に配設されており、処理テープTの記録テープSrおよび剥離Spテープの両方をハサミ形式で切断するフルカット機構53と、フルカット機構53に対してテープ送り方向98(図7参照)下流側に配設され、処理テープTの記録テープSrのみをストッパ付のハサミ形式で切断するハーフカット機構54と、ハーフカット機構54に対してテープ送り方向98下流側に配設され、切断されたテープ片Taを強制的に排出する排出機構45と、を備えている(いずれも図5および図6参照)。用途に応じフルカット機構53もしくはハーフカット機構54がそれぞれ切断動作をし、処理テープTを切断する。切断されたテープ片Taは、排出機構45により装置外部に排出される(詳細は後述する)。
【0032】
一方、点字打刻部103の主要部を為す打刻アッセンブリ40は、排出された上記のテープ片Taに対して、点字を構成する打刻凸部を打刻するものであって、上記の処理テープ挿入部5から手差しで挿入されたテープ片Taを処理テープ排出部6に向けて送るテープ送りユニット41と、送られていくテープ片Taに対し点字打刻を行う打刻ユニット42と、テープ送りユニット41および打刻ユニット42を支持するベースフレーム43とを備えている。
【0033】
図示では省略したが、打刻ユニット42は、3個のソレノイド107(図3参照)を駆動源として3本の打刻ピン108(図3参照)を選択的に跳ね上げ、テープ片Taにいわゆる6点点字の打刻凸部を形成する。
【0034】
次に、図3を参照して、テープ処理装置2の制御系の構成について説明する。テープ処理装置2は、キーボード4およびディスプレイ9を有し、ユーザーによる文字情報の入力や各種情報の表示等のユーザーインタフェースをつかさどる操作部101と、テープカートリッジC、印刷ヘッド22および印刷送りモータ106を有し、処理テープTおよびインクリボンRを送りながら処理テープT上に入力された文字情報に基づく墨字データを印刷する墨字印刷部102と、フルカッター89・ハーフカッター96およびこれらをそれぞれ駆動するフルカッタモータ51およびハーフカッタモータ52を有し、印刷済みの処理テープTにフルカットおよびハーフカットを行うカッタユニット50と、ソレノイド107、打刻ピン108および打刻送りモータ109を有し、処理テープTを搬送しながら処理テープTに文字情報に基づく点字データを点字打刻する点字打刻部103と、テープ識別センサ110等の各種センサを有し、各種検出を行う検出部104と、ディスプレドライバ112、ヘッドドライバ113、印刷送りモータドライバ114、カッタモータドライバ115、打刻ドライバ116および打刻送りモータドライバ117を有し、各部を駆動する駆動部105と、各部と接続され、テープ処理装置2全体を制御する制御部100とにより構成されている。
【0035】
制御部100は、CPU120、ROM121、RAM122および入力制御装置(IOC:Input Output Controller)123を備え、互いに内部バス124により接続されている。そして、CPU120はROM121内の制御プログラムにしたがって、IOC123を介してテープ処理装置2内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいて、RAM122内の各種データを処理し、IOC123を介してテープ処理装置2内の各部に各種信号データを出力し、これにより墨字印刷処理や点字打刻処理の制御等を行う。
【0036】
この制御により、処理テープTに対し様々な処理をすることが可能となる。例えば、処理テープTに墨字印刷をし、切断してテープ片Taを得、点字を打刻して、墨字印刷と点字打刻、両方なされているテープ片Taを得ることはもちろんのこと、点字打刻をせず、墨字印刷して、切断し、テープ片Taを得ることもできる。また、墨字印刷をせず、処理テープTを切断してテープ片Taを得、点字打刻だけ行うこともできる。なお、処理後のテープ片Taは、墨字・点字併記ラベル、墨字ラベル、点字ラベルとして、それぞれ貼着対象物に貼着される。
【0037】
ここで、図4ないし図6を参照して、カッタユニット50について詳細に説明する。カッタユニット50は、フルカッター89を有するフルカット機構53と、ハーフカッター96を有するハーフカット機構54と、切断後のテープ片Taを強制的に排出する排出機構45とを、カッタフレーム55に組み込んで構成されている。また、フルカッター89とハーフカッター96との間には、樹脂製のスペーサ81が配設されている。そして、フルカッター89およびハーフカッター96は、テープ送り経路23(図2および図8参照)に臨むようにカッタフレーム55の両側に2分するように配設されている。
【0038】
図4に示すように、カッタフレーム55は、上面視変形L字状に形成され、ベース部56と、ベース部56のサイドから略垂直に立ち上がり、フルカット機構53およびハーフカット機構54を支持するフルカッター支持部58およびハーフカッター支持部57と、を有している。ベース部56の表面には、その長手方向中心を渡るように2本のボス66が長手方向に延在している。ハーフカッター支持部57はベース部56の図示左側に位置し、主にハーフカット機構54を支持している。ベース部56は、上記したテープ送り経路23がベース部56の長手方向の略中心を通るように配設されており、処理テープTは、図示の右側から左側に送られてゆく。フルカッター支持部58は、ベース部56の図示右側に位置し、主にフルカット機構53を支持している。フルカッター支持部58は、延在方向に離間した2箇所に基部支持部63(後述する)と固定刃ブレード支持部64(後述する)を有している。フルカッター支持部58およびハーフカッター支持部57は、それぞれ筋交いに設けられており、カッタフレーム55の手前側にハーフカット機構54の主要部分が、先方側にフルカット機構53の主要部分が配設される。
【0039】
図5に示すように、ハーフカット機構54は、処理テープTをハサミ形式でハーフカットし、処理テープTの記録テープSrだけを切断するものであり、処理テープTに切込む切断刃69と、切込まれた切断刃69を受ける刃受け部材82とから成るハーフカッター96と、ハーフカットを行うための動力を供給するハーフカッタモータ52と、切断刃69にハーフカッタモータ52の動力を伝達するハーフカット動力伝達機構70と、を有している。刃受け部材82には、切断刃69に向かってわずかに突出する上下一対のストッパ(図示省略)が設けられており、ハサミ形式で切り込んだ切断刃69の切込み深さを規制し、処理テープTの記録テープSrのみ切断できるように構成されている。
【0040】
図6に示すように、排出機構45は、後述するフルカット機構53のフルカッタモータ51を動力源とし、切断後のテープ片Taに転接して、これを強制的に排出するものであり、フルカッタモータ51に連なるフルカット動力伝達機構71(後述)から動力分岐した鉛直回転軸72と、鉛直回転軸72の上部に固定した回転ドラム73と、回転ドラム73の下部周面に設けた可動性の複数の転接片74とで構成されている。フルカッタモータ51の動力を受けて、すなわちフルカッター89の切断動作に同期して、回転ドラム73が回転すると、複数の転接片74が遠心力により外側に広がってテープ片Taに接触し、テープ片Taが切断されると同時にこれをテープ排出口11から外部に排出する。
【0041】
図5および図6に示すように、フルカット機構53は、固定刃59および可動刃60を有するフルカッター89と、フルカットを行うための動力を供給するフルカッタモータ51と、可動刃60にフルカッタモータ51の動力を伝達するフルカット動力伝達機構71と、処理テープTからテープ片Taを切り離した後、このテープ片Taを可動刃60側に押し戻すテープ押圧手段97と、を有している。
【0042】
フルカット動力伝達機構71(図5参照)は、複数のギアから成る減速ギア列とクランク機構(クランク円板75)から成り、フルカットモータ51の動力は、フルカット動力伝達機構71を介して、可動刃60の切断動作、および切断されたテープ片Taを排出する上記の排出動作に変換される。
【0043】
フルカッター89は、固定刃59と可動刃60とを支軸65により回動自在に連結してハサミ形式のものであり、固定刃59はテープ送り方向98の上流側(装置内部側)に、可動刃60はテープ送り方向98(図7参照)の下流側(装置外部側)に配設されている。また、固定刃59および可動刃60は、コンパクトに構成すべく、略「L」字状に形成されている。そして、固定刃59は、スペーサ81を挟み込んで基部支持部63に固定され、可動刃60は、フルカット動力伝達機構71を介して、支軸65を略中心に回動(揺動)させることで、処理テープTへの切込みが行われ、フルカットがなされるようになっている。フルカッター53の支軸65はベース部56の長手方向の略中心に位置するようになっており、固定刃59の刃先90および可動刃60の刃先91は、テープ送り経路23を挟み互いに対向して配設される。また、可動刃60の刃先91は、切込み角が一定になるようにわずかに反った形状に形成されている。
【0044】
固定刃59は、固定刃基部61と固定刃ブレード62とにより略L字状に形成されており、固定刃基部61は、スペーサ81と共締め状態で基部支持部63に固定され、固定刃ブレード62は、スペーサ81およびハーフカッター96の刃受け部材82と共締め状態で固定刃ブレード支持部64に支持されている。また、固定刃ブレード62には刃先90の延在方向に渡り、刃表62aに処理テープTの静電気を除電する除電ブラシ83が取り付けられている。
【0045】
可動刃60は、固定刃59と同様に略L字状に形成されており、フルカッター89配設側からテープ送り経路23に向かってベース部56の長手方向を延在する可動刃基部78と、可動刃基部78から略垂直に延在する可動刃ブレード79を支持している。可動刃基部78にはその延在方向に向かって長孔87が形成されている。この長孔87を介し、フルカットモータ51の動力が(クランク円板75を介して)伝達し、可動刃60の切断動作が行われる。この切断動作において、可動刃ブレード79は、長孔87に位置規制され、固定刃ブレード62と可動刃ブレード79とがオーバーラップする切込み位置(切断位置)と、固定刃ブレード62と可動刃ブレード79とがV字状に離れる非切込み位置(非切断位置)との間で往復回動する(図7参照)。
【0046】
図5ないし図7に示すように、固定刃ブレード62の刃裏62bには、切込み位置に切断動作した可動刃ブレード79の刃先91が臨むと共に、刃先91に沿って延在する逃げ溝84が形成されている。逃げ溝84は、幅2mm〜3mm程度で深さ0.3mm〜0.5mm程度のものであり、断面凹状(U字状)に形成されている。また、逃げ溝84は、可動刃ブレード79の刃先91と略同一の長さを有すると共に、この刃先91の形状(反っている)に倣って、わずかに湾曲している。すなわち、切込み位置に切断動作した可動刃ブレード79の刃先91は、逃げ溝84の開放部94の幅方向略中間位置に来るようになっている。
【0047】
この構成により、固定刃59および可動刃60が切断動作すると、切り離されたテープ片Taの切断端86は、可動刃60の刃先91に押されるようにして固定刃ブレード62の刃裏62bに沿って進み、逃げ溝84の位置に達する。すなわち、テープ片Taの切断端86は固定刃ブレード62の逃げ溝84の位置まで移動する。この状態において、テープ片Taの切断端86は固定刃ブレード62の逃げ溝84の開放部94に臨む。このため、テープ片Taの切断端86に粘着剤がはみ出す場合、テープ片Taの切断端86と刃裏62bの逃げ溝84が接触することはないため、テープ片Taの切断端86は刃裏62bに付着することはない。また、すでに刃裏62bに粘着剤が付着している場合でも、テープ片Taは位置的に離れていることになり、刃裏62bの逃げ溝84に付着することもない。これにより、2度切りやジャミングの防止効果が得られる。
【0048】
同様に、可動刃ブレード79の刃裏79bにも、切込み位置に切断動作した固定刃ブレード62の刃先90が臨むと共に、当該刃先90に沿って延在する逃げ溝85を形成している。この場合も、逃げ溝85は、幅2mm〜3mm程度で深さ0.3mm〜0.5mm程度のものであり、断面凹状(U字状)に形成されている。また、逃げ溝85は、固定刃ブレード62の刃先90と略同一の長さを有すると共に、この刃先90の形状(直線)に倣って、直線となっている。すなわち、切込み位置に切断動作した固定刃ブレード62の刃先90は、逃げ溝85の開放部95の幅方向略中間位置に来るようになっている。
【0049】
この構成により、固定刃59および可動刃60が切断動作すると、被切断側の処理テープTの切断端93は、固定刃59の刃先90により移動を規制され、相対的に可動刃60の逃げ溝85の位置に達する。すなわち、被切断側の処理テープTの切断端93は可動刃ブレード79の逃げ溝85の位置まで移動する。この状態において、被切断側の処理テープTの切断端93も可動刃ブレード79の逃げ溝85の開放部95に臨む。このため、処理テープTの切断端93に粘着剤がはみ出す場合、処理テープTの切断端93と刃裏79bの逃げ溝85が接触することはないため、処理テープTの切断端93は刃裏79bに付着することはない。また、すでに刃裏79bに粘着剤が付着している場合でも、処理テープTは位置的に離れていることになり、刃裏79bの逃げ溝85に付着することもない。
【0050】
なお、両ブレード62、79は、プレス成形により形成されることが好ましく、またその際、逃げ溝84、85も同時にプレス成形により形成されることが好ましい。このようにすれば、両ブレード62、79共、逃げ溝84、85を中心にわずかに曲がり、いわゆる「裏すき」に類似した部位が形成される。これにより、フルカッター89の切断性能が向上すると共に、粘着剤が刃裏62b、79bに固着し難くなる。特に、実施形態のようにハサミが装置に搭載されている場合は、ユーザーが装置を分解して付着した粘着剤を取り去るのは不可能であり、実施形態のハサミは、装置搭載用としては極めて有効となる。
【0051】
また、本発明のフルカッター89は、この実施形態のみならず、例えば、一般的な洋バサミや握りバサミにも適用は可能である。
【0052】
一方、テープ押圧手段97は、固定刃ブレード62の刃裏62b側に沿ように配設され、切断方向と同方向に進退する押圧部材80と、押圧部材80を後方から付勢する板ばね(付勢部材)92と、押圧部材80および板ばね92を支持する上記スペーサ81の固定刃側スペーサ片76と、で構成されている。スペーサ81は、テープ送り経路23を挟んで配設された固定刃側スペーサ片76と可動刃側スペーサ片77とで、略U字状に形成されている。固定刃側スペーサ片76は、ハーフカッター96側の面が矩形窓付の窪み部99となっており、この窪み部99に押圧部材80および板ばね92が組み込まれている。
【0053】
図7および図8に示すように、押圧部材80は、可動刃60(可動刃ブレード79)の刃先91に対峙するように、ハーフカッター96の刃受け部材82と固定刃ブレード62の刃裏62bの間隙に介設されており、可動刃60の刃先91に直接対峙する押圧部材本体46と、押圧部材本体46から後方に延びる本体支持片47と、本体支持片47の中間上部に位置して後方から水平に切り込んだガイド長孔48と、ガイド長孔48の上下に位置して本体支持片47に突設した2つのストッパ部49と、で一体に形成されている。
【0054】
押圧部材本体46は、可動刃60の刃先91と略同一の長さを有し断面矢尻状に形成されている。これにより、送られてくる処理テープTの先端が刃受け部材82の前面に円滑に導かれるようになっている。また、押圧部材本体46の押圧面44は、その長手方向において凹凸状に形成されている。これにより、送られてゆく処理テープTとの摩擦抵抗が軽減され、且つテープ片Taの切断端86が押圧面44に接触したとしても、これが貼着することはない。
【0055】
ガイド長孔48は、固定刃側スペーサ片76の窪み部99に突設したガイドピン39に係合しており、押圧部材80は、揺動を許容された状態でこのガイドピン39に案内されて進退する。押圧部材80が前進端位置に移動した状態において、2つのストッパ部49が固定刃側スペーサ片76の矩形窓付の窪み部99の前縁に当接し、押圧部材80の前進端位置が位置規制される。また、この状態で、押圧部材本体46(の押圧面44)の先端は、固定刃59の刃先90と同位置或いはわずかに手前位置となる。これにより、送られてくる処理テープTの先端が押圧部材80につかえることがない。
【0056】
一方、板ばね92は、押圧部材80の厚みと略同一の幅を有し、固定部118と付勢部119とでV字状に形成されている。板ばね92の固定部118は、矩形窓付の窪み部99の後縁近傍において、窪み部99の一部に差し込むようにして取り付けられており、また円弧状に形成した付勢部119の先端部位は、押圧部材80の後端面(ストッパ部49)に当接してこれを可動刃60の刃先91に向かって付勢している。付勢部119の先端部位は、水平方向(進退方向)においてガイドピン39の後方に位置しており、ガイドピン39に揺動を許容されながら前進する押圧部材80をバランス良く付勢し、テープ片Taを幅方向において均一に押圧できるようになっている。なお、板ばね92に代えてコイルスプリングを用いることも可能であるが、進退方向のスペースを考慮すると付勢方向の寸法が小さい板ばね92が有利である。
【0057】
可動刃60(可動刃ブレード79)が、非切込み位置から切込み位置に向かって切断動作を開始すると、可動刃ブレード79の刃先91は処理テープTに下側から切り込んでゆく。このとき、処理テープTを挟んで可動刃ブレード79の刃先91に押圧されるようにして、押圧部材80は、板ばね92に抗して後退してゆく。処理テープTが切断され、可動刃ブレード79が切込み位置に達すると、押圧部材80は、更に板ばね92に抗して後退端位置に達する。この状態で、処理テープTから切断されたテープ片Taは、その切断端86を押圧部材80と可動刃ブレード79の刃先91との間に軽く挟み込まれる。なお通常は、このとき挟込みによる摩擦力に対し排出機構45の排出力が勝って、テープ片Taは排出される。
【0058】
例えば、上記の逃げ溝84に粘着剤が多量に蓄積したり、テープ片Taの切断端86に大きく粘着剤がはみ出して、テープ片Taの切断端86が固定刃ブレード62の刃裏62bに貼着して、排出機構45の排出力がこの貼着力に負けた場合、続いて可動刃ブレード79が非切込み位置に向かって切断動作を開始すると、押圧部材80は板ばね92により可動刃ブレード79を追うようにして前進し、テープ片Taの切断端86を押圧する。これにより、テープ片Taの切断端86が一瞬、固定刃ブレード62の刃裏62bから離れると共に排出機構45の排出力が作用して、テープ片Taは排出されることになる。もっとも、排出機構45が無くても、テープ片Taは固定刃ブレード62の刃裏62bから離れた瞬間、自重によりテープ排出口11が落下するようにして排出される。
【0059】
このように、フルカッター89の可動刃60および固定刃59に臨んだ処理テープTは、可動刃60の切断動作により切断され、切断されたテープ片Taの切断端(上流端)86が、固定刃59の刃裏62bに蓄積した粘着剤により、固定刃59の刃裏62bにいったん付着した場合にも、テープ片Taの切断端86が可動刃60側に押圧されることにより固定刃59の刃裏62bから強制的に引き離されるため、テープ片Taが固定刃59の刃裏62bに付着したままになることがない。また、フルカッター89の切断動作を妨げることなくテープ片Taを可動刃60側に押圧することができる。
【0060】
したがって、テープ片Taの2度切りやジャミングを確実に防止することができる。なお、実施形態の押圧部材80は、板ばね92により付勢されることでテープ片Taを押圧(進退)する構造であるが、リンク機構等を用い可動刃60の切断動作に連動して進退する構造としてもよい。例えば、可動刃60の長孔87に直交する長孔を有するリンクを押圧部材80に連結し、クランク円板75から進退動の動力を得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】閉蓋状態のテープ処理装置の外観斜視図である。
【図2】開蓋状態のテープ処理装置の外観斜視図である。
【図3】テープ処理装置の制御系のブロック図である。
【図4】カッタユニットにおけるカッタフレームの外観斜視図である。
【図5】カッタユニットを斜め装置内側から見た部分分解斜視図である。
【図6】カッタユニットを斜め装置外側から見た部分分解斜視図である。
【図7】固定刃および可動刃の切断動作を表した模式図である。
【図8】テープ押圧手段廻りの装置内側から見た正面図である。
【符号の説明】
【0062】
2 テープ処理装置 11 テープ排出口
22 印刷ヘッド 45 排出機構
50 カッタユニット 53 フルカット機構
54 ハーフカット機構 59 固定刃
60 可動刃 62 固定刃ブレード
79 可動刃ブレード 84 固定刃の逃げ溝
85 可動刃の逃げ溝 80 押圧部材
81 スペーサ 89 フルカッター
90 固定刃の刃先 91 可動刃の刃先
92 板ばね(付勢部材) 96 ハーフカッター
98 テープ送り方向 100 制御部
T 処理テープ Ta テープ片
Sr 記録テープ Sp 剥離テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定刃および可動刃を有し、固定刃の固定刃ブレードと可動刃の可動刃ブレードとの間に臨ませた粘着剤を塗布したシートを、前記可動刃ブレードおよび前記固定刃ブレードを、相互に離間する非切断位置と相互にオーバーラップする切断位置との間で切断動作をさせて、切断するカッターであって、
前記固定刃ブレードの刃裏には、前記切断位置に切断動作した前記可動刃ブレードの刃先が臨むと共に、当該刃先に沿って延在する逃げ溝が形成されていることを特徴とするカッター。
【請求項2】
固定刃および可動刃を有し、固定刃の固定刃ブレードと可動刃の可動刃ブレードとの間に臨ませた粘着剤を塗布したシートを、前記可動刃ブレードおよび前記固定刃ブレードを、相互に離間する非切断位置と相互にオーバーラップする切断位置との間で切断動作をさせて、切断するカッターであって、
前記可動刃ブレードの刃裏には、前記切断位置に切断動作した前記固定刃ブレードの刃先が臨むと共に、当該刃先に沿って延在する逃げ溝が形成されていることを特徴とするカッター。
【請求項3】
前記逃げ溝が、プレス成形により断面凹状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカッター。
【請求項4】
前記固定刃および前記可動刃が、支軸を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカッター。
【請求項5】
処理対象となる前記シートが、前記粘着剤を介して記録テープに剥離テープを貼着した処理テープである請求項1ないし4のいずれかに記載のカッターと、
前記カッターに前記処理テープを送り込むテープ送り手段と、
前記カッターのテープ送り方向上流側に配設され、送られてゆく前記処理テープに印刷を行う印刷手段と、
前記カッターのテープ送り方向下流側に配設され、前記カッターにより切断された前記処理テープのテープ片を装置外部に排出するためのテープ排出口と、を備え、
前記カッターの固定刃はテープ送り方向上流側に、前記可動刃はテープ送り方向下流側に配設されていることを特徴とするテープ処理装置。
【請求項6】
前記カッターと前記テープ排出口との間に、前記処理テープの記録テープのみを切断するハーフカッターを、更に備えたことを特徴とする請求項5に記載のテープ処理装置。
【請求項7】
前記ハーフカッターと前記テープ排出口との間に、前記テープ片に転接して、これを強制的に排出する排出機構を、更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のテープ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−175536(P2006−175536A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369800(P2004−369800)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】