説明

カッターナイフ

【課題】柄に糊を付着しにくくするとともに、柄に糊が付着した場合でも、糊の剥がし易い柄を備えたカッターナイフを提供すること。
【解決手段】スライド溝8を設けた案内柄2を把持柄13の内側に挿嵌して把持柄13の頭端部13aから突出させたホルダ1を備えている。このスライド溝8を案内柄2の頭端部2aで刃体出入口10により開放し、このスライド溝8にスライダ23を嵌め込んでスライド溝8の延設方向に沿って移動可能に支持している。このスライド溝8でスライダ23に連結した刃体24がスライド溝8の刃体出入口10から突出する使用状態とスライド溝8に収容される不使用状態とを取る。少なくともこの案内柄2の頭端部2aとこの把持柄13の頭端部13aとの間で、案内柄2の露出外面全部及び案内柄2のスライド溝8の露出内面全部にフッ素樹脂コーティングを施している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカッターナイフに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にかかるカッターナイフにおいては、スライド溝を設けた案内柄を把持柄の内側に挿嵌して把持柄の頭端部から突出させたホルダを備えている。このスライド溝を案内柄の頭端部で刃体出入口により開放し、このスライド溝にスライダを嵌め込んでスライド溝の延設方向に沿って移動可能に支持している。このスライド溝でスライダに連結した刃体がスライド溝の刃体出入口から突出する使用状態とスライド溝に収容される不使用状態とを取る。また、上記カッターナイフのホルダ以外にも、そのホルダで把持柄を省略してその把持柄に代えて案内柄の外面を把持面としたホルダや、柄の頭端部から刃体を出し入れさせずに固定状態で突出させてその柄の外面を把持面としたホルダなどが知られている。
【特許文献1】特開平6−154431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
壁紙等を貼る際に、上記特許文献1などのカッターナイフを使用すると、糊の付いた指が柄の露出外面特に柄の頭端部付近の外面に触れたり、柄の露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着するおそれがある。
【0004】
この発明は、カッターナイフのホルダにおいて柄に糊を付着しにくくするとともに柄に付着した糊を剥がし易くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1,3,4,5,6に示す第1実施形態、図2,3,6に示す第2実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明に係るカッターナイフは、第1実施形態に対応し、下記のように構成されている。
【0006】
スライド溝8を設けた案内柄2を把持柄13の内側に挿嵌して把持柄13の頭端部13aから突出させたホルダ1を備えている。このスライド溝8を案内柄2の頭端部2aで刃体出入口10により開放している。このスライド溝8にスライダ23を嵌め込んでスライド溝8の延設方向に沿って移動可能に支持している。このスライド溝8でスライダ23に連結した刃体24がスライド溝8の刃体出入口10から突出する使用状態とスライド溝8に収容される不使用状態とを取る。この案内柄2の頭端部2aとこの把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面にすなわちその全部または一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けている。
【0007】
請求項1の発明では、壁紙等を貼る際にカッターナイフを使用する場合、通常は案内柄2の頭端部2aと把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面を指により触れたり、その露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着し易いが、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出外面に糊を付着しにくくするとともに、その露出外面の糊を剥がし易い。ちなみに、刃体24は適宜交換することもできるが、ホルダ1は刃体の交換に関係なく使い回されるため、案内柄2に糊を付着させない方が好ましく、案内柄2にフッ素樹脂コーティングを施すことは有効である。
【0008】
請求項2の発明に係るカッターナイフは、第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
案内柄2にスライド溝8を設けるとともにその案内柄2の外面を把持面としたホルダ1を備えている。このスライド溝8を案内柄2の頭端部2aで刃体出入口10により開放している。このスライド溝8にスライダ23を嵌め込んでスライド溝8の延設方向に沿って移動可能に支持している。このスライド溝8でスライダ23に連結した刃体24がスライド溝8の刃体出入口10から突出する使用状態とスライド溝8に収容される不使用状態とを取る。この案内柄2の頭端部2aとその頭端部2aに対し反対側になる案内柄2の尻端部2bとの間の中央部と案内柄2の頭端部2aとの間の前半部2Fと、その中央部と案内柄2の尻端部2bとの間の後半部2Bとのうち、案内柄2の前半部2Fの露出外面にすなわちその全部または一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けている。
【0009】
請求項2の発明では、壁紙等を貼る際にカッターナイフを使用する場合、通常は案内柄2の前半部2Fの露出外面を指により触れたり、その露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着し易いが、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出外面に糊を付着しにくくするとともに、その露出外面の糊を剥がし易い。ちなみに、刃体24は適宜交換することもできるが、ホルダ1は刃体の交換に関係なく使い回されるため、案内柄2に糊を付着させない方が好ましく、案内柄2にフッ素樹脂コーティングを施すことは有効である。
【0010】
請求項3の発明に係るカッターナイフは、第2実施形態に対応し、下記のように構成されている。
柄2の頭端部2aから刃体24が突出するとともにその柄2の外面を把持面としたホルダ1を備えている。この柄2の頭端部2aとその頭端部2aに対し反対側になる柄2の尻端部2bとの間の中央部と柄2の頭端部2aとの間の前半部2Fと、その中央部と柄2の尻端部2bとの間の後半部2Bとのうち、柄2の前半部2Fの露出外面にすなわちその全部または一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けている。
【0011】
請求項3の発明では、壁紙等を貼る際にカッターナイフを使用する場合、通常は柄2の前半部2Fの露出外面を指により触れたり、その露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着し易いが、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出外面に糊を付着しにくくするとともに、その露出外面の糊を剥がし易い。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、カッターナイフのホルダ1において柄2に糊を付着しにくくするとともに柄2に付着した糊を剥がし易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の第1実施形態にかかるカッターナイフについて図1,3,4,5,6を参照して説明する。
図1に示すカッターナイフのホルダ1において案内柄2は、ステンレス等の金属により成形され、図3,6に示すように、頭端部2aから尻端部2bにわたり延設された裏壁部3と、この裏壁部3の上下両縁部から表側へ延びる上下両壁部4,5と、表側でこの上下両壁部4,5から相対向して延びる上下両表壁部6,7とを備えている。この案内柄2の内側にはスライド溝8が頭端部2aから尻端部2bにわたり形成されている。このスライド溝8は、表側で上下両表壁部6,7間の案内孔9により開放され、頭端部2aで刃体出入口10により開放されているとともに、尻端部2bで挿脱口11により開放されている。この案内孔9において上下両表壁部6,7の相対向両内縁部6a,7aのうち下側の内縁部7aの中間部には凹凸状の係止部12が頭端部2a側寄り位置から尻端部2b側寄り位置にわたり形成されている。
【0014】
図3,6に示す案内柄2において、その外面全部(裏壁部3の外面全部と上下両壁部4,5の外面全部と上下両表壁部6,7の外面全部)や、そのスライド溝8の内面全部(裏壁部3の内面全部と上下両壁部4,5の内面全部と上下両表壁部6,7の内面全部)には、耐摩耗性を向上させるためにセラミック粉を混ぜたフッ素樹脂コーティングが施されている。そのため、案内柄2の主体をなす金属の外面全部及び内面全部がフッ素樹脂コーティングからなる被覆層Mにより覆われている。ちなみに、この被覆層Mの膜厚は、0.1〜800μm好ましくは10〜300μmに設定することができる。この案内柄2の色については、黒色になっているが、赤色や緑色や青色など種々の色を選択することができ、後記把持柄13の色と同じでも異なっていてもよい。被覆層Mを透明または半透明にすれば、案内柄2においてステンレス等の金属により成形された下地の金属色を生かすことができる。被覆層Mに顔料を入れれば、被覆層Mの色を調整することができる。
【0015】
図1に示すカッターナイフのホルダ1において把持柄13は、プラスチックにより成形され、図4に示すように、頭端部13aから尻端部13bにわたり延設された裏壁部14と、この裏壁部14の上下両縁部から表側へ延びる上下両壁部15,16と、表側でこの上下両壁部15,16から相対向して延びる上下両表壁部17,18とを備えている。この把持柄13の内側には嵌着溝19が頭端部13aから尻端部13bにわたり形成されている。この嵌着溝19は、表側で上下両表壁部17,18間の操作孔20により開放され、頭端部13aで頭口21により開放されているとともに、尻端部13bで尻口22により開放されている。
【0016】
前記案内柄2は図5に示すように把持柄13の嵌着溝19に尻口22側から挿嵌される。案内柄2を把持柄13に挿嵌した後、図6(e)に示すように、案内柄2の裏壁部3を殴打して突起13cを形成し、把持柄13の裏壁部14に形成された凹部14aに対しその突起13cを係入して把持柄13に対する案内柄2の離脱を規制する。なお、この凹部14aに代えて裏壁部14に貫通孔を形成してもよいし、この突起13cに代えて雄ねじにより案内柄2の裏壁部3を把持柄13の裏壁部14に取着してもよい。
【0017】
図1に示すカッターナイフのホルダ1においては、把持柄13の頭口21で案内柄2の裏壁部3と上下両壁部4,5と上下両表壁部6,7とがそれぞれ把持柄13の裏壁部14と上下両壁部15,16と上下両表壁部17,18とから突出し、把持柄13の内側で案内柄2の上下両表壁部6,7がそれぞれ把持柄13の上下両表壁部17,18から突出して案内柄2の案内孔9が把持柄13の操作孔20に面する。
【0018】
このようにして案内柄2を把持柄13に挿嵌した状態では、案内柄2のスライド溝8の内面全部が露出内面になって被覆層Mが露出するが、案内柄2の外面全部のうち、把持柄13の内側に挿嵌されて把持柄13により隠された被覆外面以外は、露出外面になって被覆層Mが露出する。すなわち、案内柄2の頭端部2aと把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面の全部で被覆層Mが露出するとともに、把持柄13の上下両表壁部17,18から突出する案内柄2の上下両表壁部6,7の一部で被覆層Mが露出する。
【0019】
前記案内柄2のスライド溝8にはスライダ23とそのスライダ23に連結された刃体24とが挿脱口11から嵌め込まれてスライド溝8の延設方向(頭端部2aと尻端部2bとを結ぶ方向)に沿って移動可能に支持されている。スライダ23を案内孔9に沿って移動させると、スライダ23内の板ばね23aが案内孔9の係止部12に圧接されながら刃体24がスライダ23とともに移動し、刃体24がスライド溝8の刃体出入口10から突出する使用状態と、刃体24がスライド溝8に刃体出入口10から収容される不使用状態とを取る。スライダ23と接触するスライド溝8の露出内面にフッ素樹脂コーティングを施しているため、スライダ23の移動抵抗は小さくなるが、スライダ23の停止状態ではスライダ23内の板ばね23aが案内孔9の係止部12に圧接されるため、その停止状態を確実に維持することができる。
【0020】
壁紙等を貼る際に図1に示すカッターナイフを使用する場合、フッ素樹脂コーティングの機能により、案内柄2の露出外面に糊が付着しにくいとともに、その露出外面の糊を剥がし易い。例えば、糊が十分に乾燥している場合には糊を膜状に剥がすことができ、糊が乾燥せずに粘液状になっている場合には粘液状の糊を露出外面に残さずに拭き取ることができる。なお、前記刃体24の刃先24aについては、図1(c)に示すように、刃先角θ1が5〜15°に設定されているとともに、刃先角θ2が17〜30°に設定されているため、その刃先24aが壁紙等にくい込み易くなって糊が刃体24に付着し易いが、そのような刃体24が案内柄2のスライド溝8の露出内面に接触しても、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出内面に糊が付着しにくいとともに、その露出内面の糊を剥がし易い。
【0021】
次に、本発明の第2実施形態にかかるカッターナイフについて第1実施形態との相違点を中心に図2,3,6を参照して説明する。
図2(a)(b)に示すカッターナイフのホルダ1においては、第1実施形態の把持柄13が省略されている点以外、第1実施形態と同様であって、その把持柄13に代えて案内柄2の外面を把持面としている。
【0022】
図示しないが、前記実施形態以外にも下記のように構成してもよい。
* 第1実施形態において、案内柄2の頭端部2aと把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面と案内柄2のスライド溝8の露出内面とのうち、案内柄2の露出外面の全部にのみフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、案内柄2の露出外面のうちその一部にのみフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。
【0023】
* 第1実施形態において、案内柄2の頭端部2aと把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面と案内柄2のスライド溝8の露出内面とのうち、その露出外面の全部及びその露出内面の全部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、その露出外面の全部及びその露出内面の一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、その露出外面の一部及びその露出内面の一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。
【0024】
* 第2実施形態にかかるカッターナイフのホルダ1において刃体24を案内柄2の頭端部2aから突出させたまま案内柄2に対し固定状態にする。すなわち、柄の頭端部から刃体を出し入れさせずに固定状態で突出させてその柄の外面を把持面とする。
【0025】
* 図2,3,6に示す第2実施形態にかかるカッターナイフのホルダ1において、案内柄2の頭端部2aとその頭端部2aに対し反対側になる案内柄2の尻端部2bとの間の中央部と案内柄2の頭端部2aとの間の前半部2Fと、その中央部と案内柄2の尻端部2bとの間の後半部2Bとのうち、案内柄2の前半部2Fでその露出外面の全部にのみフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、案内柄2の前半部2Fでその露出外面の一部にのみフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。
【0026】
* 図2,3,6に示す第2実施形態にかかるカッターナイフのホルダ1において、案内柄2の前半部2Fと案内柄2の後半部2Bとのうち、案内柄2の前半部2Fでその露出外面の全部及びスライド溝8の露出内面の全部にのみフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、その露出外面の全部及びその露出内面の一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。または、その露出外面の一部及びその露出内面の一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設ける。
【0027】
* 第1実施形態及び第2実施形態の案内柄2において、その外面の被覆層Mの厚みよりもスライド溝8の内面の被覆層Mの厚みを薄くする。
* 第1実施形態及び第2実施形態において、フッ素樹脂コーティングに代えてシリコーン樹脂コーティングを施す。
【0028】
* 刃体24の露出外面にもフッ素樹脂コーティングを施してもよい。
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1の発明を前提とする第4の発明(第1実施形態に対応)において、前記案内柄2の頭端部2aと前記把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2のスライド溝8の露出内面にもすなわちその全部または一部にもフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けた。第4の発明では、壁紙等を貼る際にカッターナイフを使用する場合、通常は案内柄2の頭端部2aと把持柄13の頭端部13aとの間で案内柄2の露出外面を指により触れたり、その露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着し易いばかりでなく、刃体24に付着した糊がそれらの間で案内柄2のスライド溝8の露出内面にも付着するおそれがあるが、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出内面に糊を付着しにくくするとともに、その露出内面の糊を剥がし易い。
【0029】
請求項1の発明または第4の発明を前提とする第5の発明(第1実施形態に対応)において、前記案内柄2の外面のうち前記把持柄13の内側に挿嵌されて把持柄13により隠された被覆外面にすなわちその全部または一部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けた。第5の発明では、フッ素樹脂コーティングの機能により案内柄2を把持柄13の内側に挿嵌し易い。
【0030】
請求項2の発明を前提とする第6の発明(第2実施形態に対応)において、前記案内柄2の前半部2Fでスライド溝8の露出内面にすなわちその全部または一部にもフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けた。第6の発明では、壁紙等を貼る際にカッターナイフを使用する場合、通常は案内柄2の前半部2Fで案内柄2の露出外面を指により触れたり、その露出外面が壁紙等に触れたりするため、その露出外面に糊が付着し易いばかりでなく、刃体24に付着した糊がその前半部2Fで案内柄2のスライド溝8の露出内面にも付着するおそれがあるが、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出内面に糊を付着しにくくするとともに、その露出内面の糊を剥がし易い。
【0031】
請求項1または請求項2の発明、または第4の発明または第5の発明または第6の発明を前提とする第7の発明(第1,2実施形態に対応)において、前記案内柄2の外面の全部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けた。第7の発明では、案内柄2においてどの部分の外面に糊が付着しても、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出外面に糊が付着しにくいとともに、その露出外面の糊を剥がし易い。
【0032】
第7の発明を前提とする第8の発明(第1,2実施形態に対応)において、前記案内柄2のスライド溝8の内面の全部にフッ素樹脂コーティングによる被覆層Mを設けた。第8の発明では、案内柄2においてどの部分の内面に糊が付着しても、フッ素樹脂コーティングの機能により、その露出内面に糊を付着しにくくするとともに、その露出内面の糊を剥がし易い。
【0033】
請求項1または請求項2の発明、または第4の発明または第5の発明または第6の発明または第7の発明または第8の発明を前提とする第9の発明(第1,2実施形態に対応)において、前記案内柄2は金属により成形されている。第9の発明では、金属の案内柄2において糊を付着しにくくするとともに糊を剥がし易い。また、金属の案内柄2は熱の悪影響を受けにくいため、焼成によるコーティング処理を円滑に行うことができる。
【0034】
請求項1の発明または第4の発明または第5の発明を前提とする第10の発明(第1実施形態に対応)において、把持柄13の露出外面は非フッ素樹脂コーティング面になっている。
【0035】
請求項1または請求項2の発明、または第4の発明または第5の発明または第6の発明または第7の発明または第8の発明または第9の発明または第10の発明を前提とする第11の発明(第1,2実施形態に対応)において、スライダ23の露出外面は非フッ素樹脂コーティング面になっている。
【0036】
請求項1の発明または第4の発明または第5の発明または第10の発明を前提とする第12の発明(第1実施形態に対応)において、把持柄13は案内柄2と異なる材質からなる。例えば、把持柄13はプラスチックであり、案内柄2は金属である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)は第1実施形態にかかるカッターナイフを示す正面図であり、(b)は同じく背面図であり、(c)はそのカッターナイフにおける刃先の部分拡大断面図である。
【図2】(a)は第2実施形態にかかるカッターナイフを示す正面図であり、(b)は同じく背面図である。
【図3】(a)は第1実施形態または第2実施形態にかかるカッターナイフにおいて案内柄を示す正面図であり、(b)は同じく背面図である。
【図4】(a)は第1実施形態にかかるカッターナイフにおいて把持柄を示す正面図であり、(b)は同じく背面図である。
【図5】(a)は第1実施形態にかかるカッターナイフにおいて案内柄を把持柄に挿嵌する途中状態を示す正面図であり、(b)は同じく挿嵌した状態を示す正面図である。
【図6】(a)は図3(a)のA−A線断面図であり、(b)は図3(a)のB−B線断面図であり、(c)は図3(a)のC−C線断面図であり、(d)は案内柄のフッ素樹脂コーティング状態を示す部分拡大断面図であり、(e)は図5(b)のD−D線断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ホルダ、2…案内柄、2F…案内柄の前半部、2B…案内柄の後半部、2a…案内柄の頭端部、2b…案内柄の尻端部、8…スライド溝、10…刃体出入口、13…把持柄、13a…把持柄の頭端部、23…スライダ、24…刃体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド溝を設けた案内柄を把持柄の内側に挿嵌して把持柄の頭端部から突出させたホルダを備え、このスライド溝を案内柄の頭端部で刃体出入口により開放し、このスライド溝にスライダを嵌め込んでスライド溝の延設方向に沿って移動可能に支持し、このスライド溝でスライダに連結した刃体がスライド溝の刃体出入口から突出する使用状態とスライド溝に収容される不使用状態とを取るカッターナイフにおいて、この案内柄の頭端部とこの把持柄の頭端部との間で案内柄の露出外面にフッ素樹脂コーティングを施したことを特徴とするカッターナイフ。
【請求項2】
案内柄にスライド溝を設けるとともにその案内柄の外面を把持面としたホルダを備え、このスライド溝を案内柄の頭端部で刃体出入口により開放し、このスライド溝にスライダを嵌め込んでスライド溝の延設方向に沿って移動可能に支持し、このスライド溝でスライダに連結した刃体がスライド溝の刃体出入口から突出する使用状態とスライド溝に収容される不使用状態とを取るカッターナイフにおいて、この案内柄の頭端部とその頭端部に対し反対側になる案内柄の尻端部との間の中央部と案内柄の頭端部との間の前半部と、その中央部と案内柄の尻端部との間の後半部とのうち、案内柄の前半部の露出外面にフッ素樹脂コーティングを施したことを特徴とするカッターナイフ。
【請求項3】
柄の頭端部から刃体が突出するとともにその柄の外面を把持面としたホルダを備えたカッターナイフにおいて、この柄の頭端部とその頭端部に対し反対側になる柄の尻端部との間の中央部と柄の頭端部との間の前半部と、その中央部と柄の尻端部との間の後半部とのうち、柄の前半部の露出外面にフッ素樹脂コーティングを施したことを特徴とするカッターナイフ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−236849(P2007−236849A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67204(P2006−67204)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】