説明

カップ状容器の殺菌方法及び装置

【課題】リテーナで搬送するカップにムラなく乾燥用エアを吹き付けて過酸化水素の乾燥効率を高めかつ殺菌効果を高める。
【解決手段】フランジ3を有するカップ1をリテーナ9で支持し、このカップの内外面に向かって過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けた後に、乾燥用エアbをカップに吹き付けて過酸化水素を乾燥させる。その場合、リテーナで支持されたカップのフランジとの間にカップの高さ方向で隙間Qを形成する周縁22aを有し、中央にカップ開口部よりも小さい吹き出し口22bを有する覆板22でカップ開口部を覆ったうえで、吹き出し口から乾燥用エアをカップ内に吹き込むことによって過酸化水素を乾燥させる。これにより、カップ内外面が好適に殺菌され、かつ過酸化水素がカップ内外面から乾燥除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ状容器の殺菌方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カップに飲料等を充填した包装品が市場で流通しているが、この包装品の大部分は冷却状態で搬送、陳列等されるチルド品である。しかし、このチルド状態での流通は温度管理が面倒であり、コストも高くなるので、常温での流通が望まれる。そこで、近年はカップの内面や外面を予め過酸化水素等の殺菌剤で殺菌処理したうえで飲料等を充填し、密封する無菌包装が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。この方法によれば、飲料等の無菌状態を維持しつつ包装品を常温で流通させることが可能となる。
【0003】
これらのカップの殺菌方法は、カップを搬送しつつ、カップの内面や外面に向かって過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けてカップを殺菌処理し、その後、カップに向かって熱風等の乾燥用エアを吹き付けて、過酸化水素による殺菌効果を高めると共に、カップに付着した過酸化水素を乾燥させようというものである(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
過酸化水素が付着したカップに乾燥用エアを吹き付けるには、円管でできたノズルをカップの開口部に対向させて、ノズルの先端の円孔から熱風を吐出したり(例えば、特許文献3参照)、如雨露状のノズル(例えば、特許文献4の図6参照)をカップの開口部と底部に各々対向させて多数の小孔から熱風を吐出したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−115220号公報
【特許文献2】特開2002−68142号公報
【特許文献3】特開平6−32331号公報
【特許文献4】特許第3695476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過酸化水素が付着したカップに熱風等の乾燥用エアを吹き付ける場合、円管状のノズルを用いると、カップの内面の殺菌及び乾燥は好適に行なうことができるが、カップ開口部のフランジ及びその近傍は昇温不足になりやすく、殺菌不良、乾燥不良を生じやすいという問題がある。
【0007】
また、如雨露状のノズルをカップの開口部と底部に各々対峙させて乾燥用エアをカップに吹き付ける場合は、カップの内外面にムラなく均一に乾燥用エアを当てて殺菌効果、乾燥効果を高めることができる。しかし、如雨露状ノズルは圧力損失が大きいので、高温かつ多量の乾燥用エアを必要とし、エネルギ効率が悪いという問題がある。
【0008】
従来、如雨露状のノズルにおける圧力損失を防ぐため高温のアシストエアを追加しているが、その場合はアシストエアを追加するための圧縮エア源、ヒーター等を新たに設けなければならないという問題がある。
【0009】
したがって、本発明は、上記諸問題点を解決することができるカップ状容器の殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0011】
なお、本発明の理解を容易にするため、図面の参照符号をかっこ書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明は、フランジ(3)を有するカップ状容器(1)をリテーナ(9)で支持し、このリテーナ(9)で支持した容器(1)の内外面に向かって過酸化水素のミスト(a)又はガスを吹き付けた後に、乾燥用エア(b)を容器(1)に吹き付けて容器(1)に付着した過酸化水素を乾燥させるカップ状容器の殺菌方法において、リテーナ(9)で支持された容器(1)のフランジ(3)との間に容器(1)の高さ方向で隙間(Q)を形成する周縁(22a)を有し、中央に吹き出し口(22b)を有する覆板(22)で容器(1)の開口部を覆ったうえで、上記吹き出し口(22b)から乾燥用エア(b)を容器(1)内に吹き込むことによって上記過酸化水素を乾燥させるようにしたカップ状容器の殺菌方法を採用する。
【0013】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のカップ状容器の殺菌方法において、上記覆板(22)の吹き出し口(22b)より大きい開口を有したラッパ状導管(21a)で乾燥用エア(b)を上記覆板(22)へと導いてその吹き出し口(22b)から容器(1)内に吹き込むようにしてもよい。
【0014】
請求項3に係る発明は、フランジ(3)を有するカップ状容器(1)を支持するリテーナ(9)と、このリテーナ(9)で支持した容器(1)の内外面に向かって過酸化水素のミスト(a)又はガスを吹き付けて上記容器(1)を殺菌する内面殺菌用ノズル(8)と、上記リテーナ(9)で支持した容器(1)に乾燥用エア(b)を吹き付けて容器(1)に付着した過酸化水素を乾燥させる乾燥用ノズル(10)とを具備したカップ状容器の殺菌装置において、容器(1)のフランジ(3)との間に容器(1)の高さ方向で隙間(Q)を形成する周縁(22a)を有し、中央に吹き出し口(22b)を有する覆板(22)が、上記乾燥用ノズル(10)の先端に、容器(1)の開口部を覆うように取り付けられ、上記吹き出し口(22b)から乾燥用エア(b)が容器(1)内に吹き込まれるようにしたカップ状容器の殺菌装置を採用する。
【0015】
請求項4に記載されるように、請求項3に記載のカップ状容器の殺菌装置において、上記乾燥用ノズル(10)が上記覆板(22)の吹き出し口(22b)より大きい開口を有したラッパ状導管(21a)を有し、このラッパ状導管(21a)の開口に上記覆板(22)が取り付けられたものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フランジ(3)を有するカップ状容器(1)をリテーナ(9)で支持し、このリテーナ(9)で支持した容器(1)の内外面に向かって過酸化水素のミスト(a)又はガスを吹き付けた後に、乾燥用エア(b)を容器(1)に吹き付けて容器(1)に付着した過酸化水素を乾燥させるカップ状容器の殺菌方法において、リテーナ(9)で支持された容器(1)のフランジ(3)との間に容器(1)の高さ方向で隙間(Q)を形成する周縁(22a)を有し、中央に容器(1)の開口部よりも小さい吹き出し口(22b)を有する覆板(22)で容器(1)の開口部を覆ったうえで、上記吹き出し口(22b)から乾燥用エア(b)を容器(1)内に吹き込むことによって上記過酸化水素を乾燥させるようにしたことから、容器の内面さらにはフランジ及びその近傍へも乾燥用エア(b)をむらなく接触させることができ、容器(1)の殺菌効果と過酸化水素の乾燥効果を高めることができる。また、乾燥用エア(b)を如雨露状ノズルによることなく覆板(22)の中央の吹き出し口(22b)から容器(1)内に吹き込むので、乾燥用エア(b)の圧力損失を低減し、かつ、乾燥用エアの温度低下を低減することができる。従って、従来よりも比較的少量かつ低温の乾燥用エアを供給することで足りる。ことに、如雨露状ノズルによる場合よりも乾燥用エアの温度低下の度合いが小さいので、容器内部に乾燥用エアを供給するのみで容器外面も伝熱によって加熱することができ、容器内面の殺菌及び過酸化水素の乾燥を行なうと同時に容器外面の殺菌及び過酸化水素の乾燥をも行なうことができる。従って、乾燥用エアを作るためのエネルギ効率がすこぶる向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るカップ殺菌装置の概略を示す垂直断面図である。
【図2】リテーナを示す斜視図である。
【図3】図1中、工程B、Cにおいてカップの外面と内面に向かって各々過酸化水素ミストを吹き付ける装置構成を示す斜視図である。
【図4】図1中、工程Dにおいてカップの内面に向かって乾燥用エアを吹き付ける装置構成を示す斜視図である。
【図5】図4中、部分切欠縦断面図である。
【図6】図4に示す装置構成の変形例である。
【図7】図6中、部分切欠縦断面図である。
【図8】図4に示す装置構成の変形例である。
【図9】カップの一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の望ましい形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
<実施の形態1>
この実施の形態1において、殺菌処理をしようとする容器は、図9に示すように、飲料等を充填する比較的底の深いカップであり、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン等所望の樹脂を用いて例えば真空圧空成形により成形される。あるいは、層構成が例えばポリエチレン層/紙/ポリプロピレン層である積層シートを用いることにより形成される。
【0020】
このカップ1は、略円筒形の胴部2を有する。カップ1の上部は開口部になっており、底部は底板で閉じられている。また、カップ1の開口部の回りにはフランジ3が設けられている。胴部2とフランジ3との境界には、スタッキングリブ2aが設けられている。スタッキングリブ2aは多数のカップ1を積み重ねた際にカップ同士が強く嵌り合わないようにするためのもので、充填機に供給した場合等においてカップ1の山からカップ1を一個ずつ確実に取り出しやすくするために設けられる。胴部2、フランジ3、スタッキングリブ2a等は、カップ1を成形する際に一体的に形成される。
【0021】
図9中、二点鎖線で示すものはシート状又はフィルム状の殺菌された蓋5であり、カップ1が殺菌され、無菌処理された内容物が充填された後に、フランジ3の上面にヒートシール等によって接着される。これにより、カップ1内が内容物と共に無菌状態に保持された無菌包装体が完成する。
【0022】
なお、図9中、符号5aは蓋5に設けられた摘み片を示す。この無菌包装体を購入した消費者等がこの摘み片5aを摘んで蓋5をフランジ3から引き剥がすことにより、無菌包装体を開封し内容物である例えば飲料4(図1参照)を取り出すことができる。
【0023】
上記カップ1は、図1に示すように、無菌チャンバー16内において各種工程(A)〜(H)を経て、その表面が殺菌処理され、内容物である飲料4が充填され、蓋5で閉じられることにより無菌包装体とされる。無菌チャンバー16内は、給気口16cから無菌エアcが常時供給されることによって、外気が侵入しないように陽圧に保たれている。
【0024】
次に、工程(A)〜(H)の各々について順に説明する。
【0025】
(1)工程A
図2に示すようなリテーナ9が用意される。リテーナ9は、例えばステンレス鋼製の平板をその本体として備える。この平板に長さ方向に沿って、カップ1の胴部2が挿入される容器挿入穴17が複数個形成される。図示例では容器挿入穴17が四個形成されるが、それ以上の個数又はそれ以下の個数に適宜変更可能である。これにより、カップ1は複数列で走行可能となる。図示例では四列で走行可能である。
【0026】
容器挿入穴17は、カップ1の胴部2の上端における外径よりも大きく、フランジ3の外径より小さくなるように形成される。これにより、カップ1の胴部2が容器挿入穴17に挿入されると、図5に示す如くフランジ3が容器挿入穴17の周縁のフランジ受け面9a上に留まり、胴部2が容器挿入穴17の周縁から下方に突出する。
【0027】
容器挿入穴17の周縁のフランジ受け面9aはその全周にわたって平坦な面として形成される。この容器挿入穴17の周縁のフランジ受け面9aは、後にカップ1のフランジ3に蓋材5bをヒートシールする際に、フランジ3を蓋材5bごと図示しない加熱盤と共にプレスするための受け部として使用される。
【0028】
容器挿入穴17の周縁のフランジ受け面9aには、その上に乗ったフランジ3を取り巻くように環状溝6が形成される。この環状溝6内の外周壁は後述するトリミング刃19と共に蓋材5bの余剰部分を切除し、蓋5と摘み片5aとを残すための雌刃として機能する。
【0029】
リテーナ9は多数用意され、図1に示すように、カップ1をそのフランジ3と平行な方向にリテーナ9ごと間欠走行させる走行手段に取り付けられる。走行手段は例えば複数対のスプロケットホイール18a,18b間に水平に掛け渡される複数本の無端チェーン18として構成され、多数のリテーナ9がこの無端チェーン18に所定の間隔で取り付けられる。無端チェーン18よりなる無端走行路上に、多数のリテーナ9が単列又は複数列で、かつ所定ピッチの間隔で取り付けられる。
【0030】
リテーナ9、無端チェーン18等は上記無菌チャンバー16内に収納される。無端チェーン18の駆動により、この無菌チャンバー16内において、リテーナ9がカップ1を保持しつつ所定のピッチで間欠的に走行する。これにより、多数のカップ1が効率良く各工程へと供給される。
【0031】
図1に示すように、カップ1の開口部及びフランジ3が上になるようにカップ1の胴部2が、間欠停止したリテーナ9の容器挿入穴17内に挿入される。カップ1はそのフランジ3がリテーナ9のフランジ受け面9aに当接することによりリテーナ9上で静止する。
【0032】
(2)工程B
図1に示すように、カップ1の走行路の下方に配置した外面殺菌用ノズル7から、カップ1の外面に向かって過酸化水素のミストa又はガスが吹き付けられ、カップ1の外面が殺菌処理される。
【0033】
この外面殺菌用ノズル7は、カップ1の所定の間欠停止位置に設置される。外面殺菌用ノズル7は、図3に示すように、如雨露状に形成され、間欠停止位置で一時停止したカップ1の底部に正対する箇所には、多数の小さい吐出孔8aが設けられる。
【0034】
外面殺菌用ノズル7には、図3に示すような、ミスト生成器23から過酸化水素のミストa又はガスが供給される。
【0035】
このミスト生成器23は、殺菌剤である過酸化水素の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレーである過酸化水素供給部24と、この過酸化水素供給部24から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上、非分解温度以下に加熱して気化させる気化部25とを備える。過酸化水素供給部24は、過酸化水素供給路24a及び圧縮空気供給路24bからそれぞれ過酸化水素の水溶液と圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を気化部25内に噴霧するようになっている。気化部25は内外壁間にヒーター25aを挟み込んだパイプであり、パイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素のガスは噴霧管26から、ミストaとなって又はガスとして噴出する。
【0036】
ミスト生成器23内で生成された過酸化水素のミストa又はガスは、そのノズル26から外面殺菌用ノズル7へと流れ、外面殺菌用ノズル7からカップ1の底部に向かって吹き出し、カップ1の胴部2と底部の外面に均一厚さの皮膜となって付着し、カップ1の外面を殺菌する。
【0037】
(3)工程C
リテーナ9が間欠走行し、工程Cにおいて一時停止する。
【0038】
図1に示すように、リテーナと共に一時停止したカップ1の上方には、過酸化水素のミストa又はガスをカップ1の内面に向かって吹き出す内面殺菌用ノズル8が設置される。
【0039】
内面殺菌用ノズル8は、図3に示すように、上記外面殺菌用ノズル7と同様な構造の如雨露状ノズルであるが、上記外面殺菌用ノズル7と異なり下向きに設置される。
【0040】
この内面殺菌用ノズル8からカップ1の開口部に向かって吹き出した過酸化水素のミストa又はガスは、カップ1の内面に均一厚さの皮膜となって付着し、カップ1の内面を殺菌する。
【0041】
内面殺菌用ノズル8に供給される過酸化水素のミストa又はガスは、図3に示すミスト生成器23又は別途設けられる同様なミスト生成器によって生成される。
【0042】
(4)工程D
図1、図4及び図5に示すように、過酸化水素ミストaが付着したカップ1の内外面に向かって、カップ1が熱で変形しない程度に熱風である乾燥用エアbが乾燥用ノズル10から吹き付けられる。
【0043】
乾燥用ノズル10における乾燥用エアbが吹き出す箇所には覆板22が取り付けられる。覆板22は、カップ1の開口部周縁との間にカップ1の高さ方向で隙間Qを形成する周縁22aを有し、中央に吹き出し口22bを有する。
【0044】
吹き出し口22bはカップ1の開口部と同様な円形であるのが望ましいが、多角形等他の形状であってもよい。また、吹き出し口22bの大きさすなわち口径は、カップ1の開口部の口径に応じて種々変更されるが、カップ1の開口部の内径(フランジ3の内径)が例えば62mmの場合、10mm〜30mmである。吹き出し口22bの口径が10mmよりも小さいと圧力損失による乾燥用エアbの吐出量が著しく低減し、十分な乾燥効果を得ることができない。また、30mmよりも大きいと、カップ1の内外面の各箇所を殺菌に十分な温度まで昇温させることが困難となる。
【0045】
上記隙間Qは、望ましくは3mm〜25mmの範囲内であり、より望ましくは5mm〜15mmである。この隙間Qが3mm未満の場合は、覆板22とリテーナ9との間から吹き出る乾燥用エアbによってカップ1がリテーナ9から浮き上がり、乾燥用ノズル10の覆板22に衝突するおそれがある。また、15mmよりも大きいと、カップ1が昇温しにくくなり、特にフランジ3及びその近傍の昇温が不十分となって殺菌不良、過酸化水素の乾燥不良を来たしやすくなる。
【0046】
覆板22は、望ましくはステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属材料によって、カップ1の開口部に相似形の例えば円形又は多角形に形成される。また、その大きさは円形である場合、望ましくは径がカップ1の開口部の内径以上すなわちフランジ3の内径以上である。かくすることにより、覆板22の周縁22aとカップ1のフランジ3との間から乾燥用エアbが滑らかに吹き出し、フランジ3及びその近傍に接触しやすくなる。
【0047】
上記乾燥用エアbは、図4に例示するような乾燥用エア生成器によって作られる。この乾燥用エア生成器は、ブロア29、フィルタ30、加熱器31等を備え、ブロア29が取り入れた外気をフィルタ30で除菌し、加熱器31で加熱して熱風とし、この熱風を乾燥用ノズル10に供給するようになっている。
【0048】
乾燥用エア生成器で生成された乾燥用エアbは、覆板22の吹き出し口22bから常時吹き出す。乾燥用エアbの吹き出し口22b一個当たりの吹き出し量は、望ましくは0.2m3/min〜0.8m3/minであり、吹き出し時の温度は、望ましくは100℃〜200℃である。
【0049】
図5に示すように、吹き出し口22bから吹き出した乾燥用エアbは、カップ1内に侵入してカップ1の内面にムラなく接触する。また、覆板22の吹き出し口22bから吹き出した乾燥用エアbの一部は、カップ1内を巡って開口部から出る乾燥用エアbと合流し、覆板22とカップ1のフランジ3との間の隙間Qから吹き出し、カップ1のフランジ3の表面及びその周辺部にムラなく接触する。
【0050】
これにより、カップ1のフランジ3を含む表面全体が加熱されて過酸化水素による殺菌効果が高められ、また、余剰の過酸化水素がカップ1の表面から乾燥除去される。さらに、カップ1の内部に供給される乾燥用エアbの熱がカップ1の外面に伝わって外面も加熱されることとなり、カップ1の内面の殺菌及び過酸化水素の乾燥が行なわれると同時に、カップ1の外面の殺菌及び過酸化水素の乾燥も行なわれることになる。
【0051】
なお、この乾燥工程Dは必要に応じて複数回行われる。その場合は、リテーナ9の各間欠停止位置に乾燥用ノズル10が設置される。
【0052】
(5)工程E
殺菌、乾燥処理されたカップ1に、その開口部から内容物である飲料4が充填される。飲料4は予め殺菌処理され、冷却されている。
【0053】
(6)工程F
図1に示すように、カップ1の開口部に枚葉シート又は連続シートの殺菌された蓋材5bが被せられ、この蓋材5bがカップ1のフランジ3にヒートシールされる。このヒートシールは、図示しない加熱盤がリテーナ9へと降下し、リテーナ9のフランジ受け面9aとの間でカップ1のフランジ3と蓋材5bとを挟んで熱圧着することによって行われる。
【0054】
(7)工程G
図1に示すように、トリミング刃19がリテーナ9の方へ降下し、リテーナ9の環状溝6内に侵入する。これにより、蓋材5bの余剰部分がトリミング刃19と環状溝6内の外周壁との間で切断される。
【0055】
かくて、図9に示したような蓋5で密封された無菌包装体が完成する。
【0056】
(8)工程H
無菌包装体がリテーナ9から抜き取られ、無菌チャンバー16外へ取り出される。
【0057】
次に、上記工程A〜Hを実施するための無菌充填装置について説明する。
【0058】
図1に示すように、無菌充填装置は、カップ1を保持するための多数のリテーナ9、リテーナ9を連続走行させる走行手段を有し、走行手段の走行方向に沿って、カップ1をリテーナ9に供給する供給部16a、カップ1の外面を殺菌するための外面殺菌用ノズル7、カップ1の内面を殺菌するための内面殺菌用ノズル8、カップ1の内面に乾燥用エアを吹き付けてカップ1を加熱すると同時に過酸化水素をカップ1の表面から除去するための乾燥用ノズル10、充填部14、蓋材シール部15、蓋材トリミング部15a、完成した無菌包装体をリテーナ9から取り出す取出部16bを備える。また、走行手段によるカップ1の走行路の全域を覆う無菌チャンバー16を備える。
【0059】
図1に示すように、多数のリテーナ9が走行手段としての無端チェーン18に所定の間隔で取り付けられる。このリテーナ9は、図2に示す如く、カップ1を四列で走行させることができるように容器挿入穴17が四個形成される。容器挿入穴17の個数はカップ1の走行列数に対応して適宜増減可能である。
【0060】
無端チェーン18は、図示しない制御部で制御されるモータにより駆動される。無端チェーン18の駆動により各リテーナ9がカップ1を四個ずつ保持しつつ無菌チャンバー16内を上記供給部16aから取出部16bに向かって所定のピッチで間欠的に走行する。
【0061】
無菌チャンバー16の前端である無端チェーン18の上流側には、カップ1をリテーナ9に供給する供給部16aが設けられる。
【0062】
供給部16aは、多数のカップ1を積み重ねたカップ集積体からカップ1を一つずつ図示しないサッカー等により取り出してリテーナ9の各容器挿入穴17内に嵌め込むようになっている。
【0063】
この供給部16aによって各カップ1はリテーナ9の各容器挿入穴17内に正立状態で投入され、その胴部2が容器挿入穴17に挿入される。そして、各カップ1のフランジ3がリテーナ9の容器挿入穴17の周縁におけるフランジ受け面9aに乗り上がり、フランジ3の裏面がリテーナ9のフランジ受け面9aに接触する。
【0064】
図1に示すように、カップ1の外面を殺菌するための外面殺菌用ノズル7は、上記カップ供給部の下流側におけるカップ1の間欠停止位置の下方に設置される。外面殺菌用ノズル7は、図3に示すように、カップ1の走行列数と同数個設けられる。
【0065】
この外面殺菌用ノズル7は円錐台形に形成され、その円錐台形が倒立するようにカップ1の下方に設置される。倒立した円錐台の上端板は、間欠停止位置で一時停止したカップ1の底部に正対するように形成され、この上端板に図示しない多数の小さい吐出孔が如雨露状に穿設される。
【0066】
この外面殺菌用ノズル7には上述したミスト生成器から過酸化水素のミストa又はガスが供給される。
【0067】
外面殺菌用ノズル7は、過酸化水素のミストa又はガスを、リテーナ9に保持されて一時停止したカップ1の底部に向かって吐出孔から吹き出す。吐出孔からカップ1の外面に吹き付けられた過酸化水素のミストa又はガスはカップ1の外面に薄い皮膜となって付着して結露し、高濃度の過酸化水素となってカップ1の外面を速やかに殺菌する。
【0068】
図1に示すように、内面殺菌用ノズル8は、外面殺菌用ノズル7の下流側に設置される。また、内面殺菌用ノズル8は、図3に示すように、カップ1の走行列数と同数個設けられる。
【0069】
図1に示すように、乾燥用ノズル10は、内面殺菌用ノズル8の位置から下流側に所定距離だけ離れたリテーナ9の一時停止位置に設置される。
【0070】
乾燥用ノズル10は、上述した乾燥用エア生成器から工程Dで一時停止したリテーナ9へと伸びる導管の先に連結される円管21を有する。円管21の先端には乾燥用エアbが吹き出す円形の開口が形成され、この開口がリテーナ9に支持されたカップ1の開口部に正対する。
【0071】
乾燥用ノズル10の円管21の先端には、上述した覆板22が取り付けられる。覆板22は、カップ1の開口部周縁との間にカップ1の高さ方向で隙間Qを形成する周縁22aを有し、中央に吹き出し口22bを有する。
【0072】
乾燥用エアbは、図5に示すように、覆板22の吹き出し口22bから常時吹き出している。カップ1がリテーナ9と共に覆板22の直下で一時停止すると、吹き出し口22bから吹き出す乾燥用エアbがカップ1内に侵入し、カップ1の内面に均一に接触する。また、覆板22の吹き出し口22bから吹き出した乾燥用エアbの一部は、カップ1内を巡ってカップ開口部から出る乾燥用エアbと合流し、覆板22とカップ1のフランジ3との間の隙間Qから吹き出す。
【0073】
これにより、カップ1の内面さらにはフランジ3及びその近傍へも乾燥用エアbがむらなく接触し、カップ1の殺菌効果と過酸化水素の乾燥効果が高められる。また、乾燥用エアbは覆板22の中央の吹き出し口22bからカップ1内に吹き込まれるので、如雨露状の吹き出し孔の場合に比べて乾燥用エアbの圧力損失が低減し、かつ、乾燥用エアbの温度低下が防止される。また、カップ1の内部に供給される乾燥用エアbの熱がカップ1の外面も速やかに伝わるので、カップ1の内面の殺菌及び過酸化水素の乾燥が行なわれる同時にカップ1の外面の殺菌及び過酸化水素の乾燥も行なわれることとなる。
【0074】
上記乾燥用ノズル10は、リテーナ9の走行路に沿って一基又は複数基設置される。
【0075】
充填部14は、図1に示すように、カップ1の走行路において最終の乾燥用ノズル10よりも下流側におけるリテーナ9の一時停止位置に設置される。充填部14は、リテーナ9により運ばれて来た殺菌済みのカップ1内に殺菌処理済みの例えば飲料4を所定量充填する。
【0076】
蓋材シール部15は、図1に示すように、カップ1の走行路において充填部14よりも下流側のリテーナ9の一時停止位置に設置される。蓋材シール部15は、リテーナ9により運ばれて来た充填済みのカップ1の開口部に蓋材5bを被せ、この蓋材5bの回りをカップ1のフランジ3にヒートシールする。
【0077】
蓋材トリミング部15aは、図1に示すように、カップ1の走行路において蓋材シール部15よりも下流側のリテーナの一時停止位置に設置される。蓋材トリミング部15a内には、上記蓋材5bから図9に示す蓋5を打ち抜くためのトリミング刃19が昇降可能に設けられる。
【0078】
トリミング刃19がリテーナ9の方へ降下してリテーナ9の環状溝6内に侵入すると、蓋材5bの余剰部分がトリミング刃19と環状溝6内の外周壁との間で切断される。これにより、図9に示すように摘み片5aを有した蓋5の輪郭が整えられ、無菌包装体が完成する。
【0079】
図1に示すように、無菌包装体をリテーナ9から取り出す取出部16bが、カップ1の走行路において蓋材トリミング部15aよりも下流側のリテーナの一時停止位置に設置される。
【0080】
取出部16bは、完成した無菌包装体を図示しないサッカー等によりリテーナ9から抜き取り、無菌チャンバー16外に取り出すようになっている。
【0081】
上記構成の無菌充填装置において、その無菌チャンバー16内は、予め過酸化水素等の殺菌剤ミスト又はガスの供給、紫外線照射等により殺菌される。また、無菌チャンバー16内に給気口16cから無菌エアcが常時吹き込まれ、この無菌エアcが無菌チャンバー16の図示しない所定の出入口や隙間から排出されることによって、無菌チャンバー16内の無菌状態が維持される。
【0082】
リテーナ9が間欠走行し、カップ供給部16aで一時停止すると、カップ供給部16aからカップ1がリテーナ9の容器挿入穴17内に供給される。
【0083】
各カップ1のフランジ3は、リテーナ9の容器挿入穴17の周縁におけるフランジ受け面9aに乗り上がり、フランジ3の裏面がリテーナ9のフランジ受け面9aに接触する。
【0084】
カップ1がリテーナ9と共に所定ピッチ分だけ間欠走行して停止すると、カップ1の底部が外面殺菌用ノズル7に正対し、外面殺菌用ノズル7の多数の吐出孔から吐出する過酸化水素のミストa又はガスがカップ1の底部に向かって吹き付けられる。
【0085】
外面殺菌用ノズル7から吐出された過酸化水素のミストa又はガスはカップ1の外面に薄い皮膜となって付着し、高濃度の過酸化水素となってカップ1の外面を速やかに殺菌する。
【0086】
カップ1がリテーナ9と共にさらに所定ピッチ分だけ間欠走行して停止すると、内面殺菌用ノズル8が吐出する過酸化水素のミストa又はガスが、カップ1内に侵入し、カップ1の内面に均一に付着する。
【0087】
内外面に過酸化水素の皮膜が付着したカップ1は、必要に応じて他の処理に付された後、各乾燥用ノズル10によって熱風である乾燥用エアbを吹き付けられる。乾燥用エアbは覆板22の作用によってカップ1のフランジ3を含む内外面の全体に接触し、カップ自体とカップ1に付着した過酸化水素を加熱する。これにより、カップ1の殺菌効果が高められ、同時にカップ1に付着した過酸化水素が乾燥させられる。
【0088】
乾燥用ノズル10により処理されたカップ1は、リテーナ9によって充填部14、蓋材シール部15、蓋材トリミング部15aへと順に送られ、無菌包装体とされる。この無菌包装体は、最後に取出部16bで無菌チャンバー16の外に取り出される。
【0089】
<実施の形態2>
図6及び図7に示すように、この実施の形態2では、乾燥用ノズル10は、乾燥用エア生成器から伸びる導管の先端に設けられた円管21の先端にラッパ状導管21aを有する。このラッパ状導管21aの下向きに拡開した先端に、上記覆板22が固定される。
【0090】
覆板22の吹き出し口22bはラッパ状導管21aを介して上記円管21の先端の開口に正対する。
【0091】
これにより、円管21から流れてきた乾燥用エアbは一旦ラッパ状導管21a内に入った後、覆板22の吹き出し口22bからカップ1側へと吹き出ることとなるので、覆板22が乾燥用エアbに含まれる熱で暖められ、覆板22の表面での結露が防止される。
【0092】
なお、実施の形態2において実施の形態1と同じ箇所には同じ符号を付して示し、重複した説明を省略する。
【0093】
<実施の形態3>
図8に示すように、この実施の形態3では、カップ1の走行列数に対応して設けられる乾燥用ノズル10の全円管21に対して一枚の覆板22が設けられる。
【0094】
なお、実施の形態3において実施の形態1と同じ箇所には同じ符号を付して示し、重複した説明を省略する。
【実施例】
【0095】
図1の工程B、C、Dを実施例1〜4、比較例1〜5として行った。
【0096】
実施方法は次の通りである。
(1)カップの搬送条件
一間欠搬送時間を1.25秒、間欠停止時間を0.75秒とした。
(2)使用したカップ
図9に示すような外観を有し、開口部内径62mm、開口部外径(フランジ外径)71mm、フランジ幅4mm、底面径46mm、高さ107mmの大きさに成形された紙とポリプロピレン(PP)の複合カップを多数個用意し、各カップにおけるフランジ上面と、カップ内の胴上部と、カップ内の底端部と、カップ外の胴上部と、カップ外の胴下部(糸尻)と、カップ外の底端部に各々BI(biological indicator)を貼り付けた。
BIは、5mm角のアルミニウム箔、及び両面粘着テープを貼り付けた各シャーレをエチレンオキサイドガス(EOG)で滅菌し、各シャーレ内に貼着した両面粘着テープ上に上記アルミニウム箔を貼り付け、各アルミニウム箔に2.4×105ヶ/spotの枯草菌芽胞を塗布し、しかる後、クリーンベンチ内で風乾することにより作成した。
(3)過酸化水素の噴霧条件
ミスト生成器に、35重量%過酸化水素を6g/min供給し、圧縮空気を圧力0.5MPaで供給した。
(4)乾燥処理
乾燥用ノズルを4ステーションにわたって設置し、各々をカップの開口部に対向させた。
【0097】
実施例1〜4、比較例1〜5の各乾燥処理条件は表1のとおりである。
【0098】
【表1】

【0099】
なお、表1において、吹き付け距離は覆板とフランジとの間の隙間Qの大きさである。
【0100】
(5)評価項目
(a) 評価箇所
各カップにおけるフランジ上面と、カップ内の胴上部と、カップ内の底端部と、カップ外の胴上部と、カップ外の胴下部(糸尻)と、カップ外の底端部である。
(b) 殺菌評価
上記表1の乾燥処理後、カップからBIを剥し取り、SCDブイヨン培地中で、37°C×7日間培養し、菌の発生の有無を確認した。
【0101】
(6)結果
上記殺菌評価により、表2及び表3に示す滅菌効果(Log Reduction)=Log(付着菌数/生残菌数)を得た。
【0102】
【表2】

【0103】
【表3】

【0104】
なお、表2及び表3中、各欄の上段の数字は(陽性のカップ数/各実施例・比較例で試験を行った全カップ数)であり、下段の数字は滅菌効果(Log Reduction)である。
【0105】
(a) カップ内面について
表2から明らかなように、カップ内面の殺菌では、実施例1〜4のカップ内面及びフランジの上面のすべての部位で6D以上の殺菌効果を確認することができた。
【0106】
一方、比較例1,2ではフランジの殺菌効果6Dを達成することができなかった。これは覆板が無いためと考えられる。また、比較例3では底端部において殺菌不良が生じ、比較例4はフランジ、胴上部及び底端部のいずれにおいても殺菌不良が生じた。これは、如雨露状ノズルを使用したことから乾燥用エアの温度が低下したためと考えられる。
【0107】
(b) カップ外面について
表3から明らかなように、カップ外面の殺菌では、実施例1〜4のカップ外面の胴上部、胴下部及び底端部のすべての部位で6D以上の殺菌効果を確認することができた。これは、上記カップ内面を乾燥させるための乾燥用エアの熱がカップ外面まで伝わり、その熱でカップ外面も十分に昇温したためであると考えられる。
【0108】
一方、比較例1,2では胴上部の殺菌が不十分であった。これは覆板が無いためと考えられる。また、比較例3,4では胴上部、胴下部及び底端部のいずれにおいても殺菌不良が生じた。これは、如雨露状ノズルを使用したことから乾燥用エアの温度が低下し、カップ外面までの伝熱が不十分であったためと考えられる。
【0109】
(c) 以上の試験の結果、本発明の乾燥用ノズルによれば、従来の乾燥用ノズルを使用した場合よりも低い温度であって、しかも少ない量の乾燥用エアをカップの内面に向かって吹き付けるだけでカップの内外面の双方を好適に殺菌可能であることが明らかとなった。
【0110】
なお、本発明は上記実施の形態、実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…カップ
3…フランジ
8…内面殺菌用ノズル
9…リテーナ
21a…ラッパ状導管
22…覆板
22a…周縁
22b…吹き出し口
a…過酸化水素のミスト
Q…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジを有するカップ状容器をリテーナで支持し、このリテーナで支持した容器の内外面に向かって過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けた後に、乾燥用エアを容器に吹き付けて容器に付着した過酸化水素を乾燥させるカップ状容器の殺菌方法において、リテーナで支持された容器のフランジとの間に容器の高さ方向で隙間を形成する周縁を有し、中央に吹き出し口を有する覆板で容器の開口部を覆ったうえで、上記吹き出し口から乾燥用エアを容器内に吹き込むことによって上記過酸化水素を乾燥させるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌方法。
【請求項2】
請求項1に記載のカップ状容器の殺菌方法において、上記覆板の吹き出し口より大きい開口を有したラッパ状導管で乾燥用エアを上記覆板へと導いてその吹き出し口から容器内に吹き込むようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌方法。
【請求項3】
フランジを有するカップ状容器を支持するリテーナと、このリテーナで支持した容器の内外面に向かって過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けて上記容器を殺菌する殺菌用ノズルと、上記リテーナで支持した容器に乾燥用エアを吹き付けて容器に付着した過酸化水素を乾燥させる乾燥用ノズルとを具備したカップ状容器の殺菌装置において、容器のフランジとの間に容器の高さ方向で隙間を形成する周縁を有し、中央に吹き出し口を有する覆板が、上記乾燥用ノズルの先端に、容器の開口部を覆うように取り付けられ、上記吹き出し口から乾燥用エアが容器内に吹き込まれるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカップ状容器の殺菌装置において、上記乾燥用ノズルが上記覆板の吹き出し口より大きい開口を有したラッパ状導管を有し、このラッパ状導管の開口に上記覆板が取り付けられたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−6089(P2011−6089A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149587(P2009−149587)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】