説明

カテーテル先端デバイスおよびその製造方法

【課題】カテーテル先端デバイスおよびカテーテル先端デバイスを製造するための方法を提供する。
【解決手段】カテーテル先端デバイス10は、カプセル16に取り付けられたトランスデューサモジュール14を備え、トランスデューサモジュール14は、キャリア26を備える。キャリア26は、ダイ取付凹部36、および少なくとも1つの溝38が配置され、かつバリア42を備えるリード線領域を備える。バリア42は、ダイ取付凹部36を部分的に包囲するためにキャリア26から延びている。カテーテル先端デバイス10を製造する方法は、キャリア26をカプセル16内へ挿入することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、一般にカテーテルに関し、より詳細には、カテーテル先端デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル先端デバイスは、集積回路ダイを含む、カテーテル先端のカプセル内に装着されたさまざまな構成要素を担持するために医療診断分野で広く使用されている。たとえば、カテーテル先端内に装着されたセンサダイは、身体開口部および/または外科的切開部を通して生体内に挿入できる。少なくともいくつかの公知のカテーテル先端デバイスの構成要素および構造は、製造および/または組立工程の大部分を手動で実行することを一般に必要とする。たとえば、公知の回路ダイは、電気的接続部と手動で結合され、その後キャリアを介してカプセル内に手動で装着される。キャリア/ダイをカプセル内に正確に装着することによって、カテーテル先端デバイスの動作が強化され、カテーテル先端デバイスを身体内へ配置することが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7731664号明細書
【発明の概要】
【0004】
しかし、カプセル内へのダイの配置は、困難で不正確なことが多く、カテーテル先端デバイスの組立技術者に依存することがある。カプセル内にダイを配置することによって、カプセルと接触しているダイの電気的接続が生じ、その結果ダイの動作上の問題および/または不具合が生じることが多い。さらに、手動での組立を使用することによって、このような製造に関連する製造コストおよび/または人的エラーが一般に増加する。
【0005】
一態様では、トランスデューサモジュールが、提供される。トランスデューサモジュールは、キャリアと、製造工程中にキャリアのダイ領域を保護することを容易にするためにキャリアから延びているバリアとを備える。
【0006】
別の態様では、カテーテル先端デバイスが提供される。カテーテル先端デバイスは、カプセルと、トランスデューサモジュールと、製造工程中にキャリアのダイ領域を保護することを容易にするためにキャリアから延びているバリアを備える。
【0007】
さらなる態様では、カテーテル先端デバイスを製造する方法が、提供される。方法は、キャリアの領域を保護することを容易にするバリアを備えるキャリアを形成するステップを含み、かつ導電性リード線を受けることを容易にする溝付きのリード線領域を、キャリア上に形成するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的なカテーテル先端デバイスの透視図である。
【図2】図1に示されているカテーテル先端デバイスの平面図である。
【図3】図1に示されているカテーテル先端デバイスとともに使用できるトランスデューサモジュールの平面図である。
【図4】図1に示されているカテーテル先端デバイスの、図3の線4−4に沿った部分断面図である。
【図5】図3に示されているトランスデューサモジュールの側面図である。
【図6】図3に示されているトランスデューサモジュールの部分端面図である。
【図7】図1に示されているカテーテル先端デバイスの製造において使用するための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例示的なカテーテル先端デバイス10の透視図である。図2は、デバイス10の平面図である。図3は、デバイス10とともに使用されるトランスデューサモジュール14の平面図である。例示的な実施形態では、カテーテル先端デバイス10は、カテーテル先端(図示せず)内に装着された1つまたは複数の集積回路ダイ12を担持するために使用される。たとえば、ダイ12は、トランスデューサ(たとえばセンサおよびアクチュエータ)、データ処理デバイス(たとえばASICマイクロプロセッサ)、および/または遠隔測定デバイス(たとえば、無線またはRF通信用)とともに使用するものであるが、それに限定されない。ダイ12は、患者の外部境界条件(たとえば、圧力、温度、pHなど)に応答して、電気的な信号出力を供給するように構成され得る。デバイス10は、身体内の孔を通しておよび/または外科的切開部を通して生体(図示せず)内に挿入可能であり、たとえば、圧力、温度、pHなどのパラメータを身体内で直接測定することを含む、さまざまな用途のために使用できる。例示的な実施形態では、カテーテル先端デバイス10は、カプセル16と結合されたトランスデューサモジュール14を備える。
【0010】
カプセル16は、プラスチック材料などであるがそれに限定されない生体適合性の材料から製造されてよいが、それに限定されない。たとえば、カプセル16は、ISO10993に適合する材料から製造される。たとえば、金属、セラミックまたは複合材料を含む、他の医療用材料が、カプセル16を製造するために使用できることを当業者なら理解されよう。例示的な実施形態では、カプセル16は、ほぼ円筒形であり、トランスデューサモジュール14の少なくとも一部分を中に受けるようなサイズおよび方向にされた空洞18が内部に画定されている。別法として、カプセル16は、カテーテル先端デバイス10が本明細書に記載のように機能することを可能にする、他のいかなる形状、サイズおよび/または方向を有してもよい。カプセル16はまた、トランスデューサモジュール14の少なくとも一部分を見ることができるようにする窓20を備える。例示的な実施形態では、カプセル16は、トランスデューサモジュール14を受ける対向している溝24を有するケーシング22を備える。
【0011】
例示的な実施形態では、トランスデューサモジュール14は、キャリア26と結合された少なくとも1つのトランスデューサダイ12を備える。トランスデューサダイ12は、たとえば、マイクロマシニング加工されたセンシング要素またはアクチュエータ要素であってよいが、それに限定されない。キャリア26は、成型相互接続デバイス(MID)技術を使用して製造され得る。一実施形態では、キャリア26は、プラスチック材料から製造される。別の実施形態では、キャリア26は、セラミック材料から製造される。キャリア26は、キャリア26が本明細書に記載のように機能することを可能にする、いかなる材料から製造されてもよいことを当業者なら理解できることに、留意されたい。例示的な実施形態では、キャリア26は、ダイ領域30と、リード線領域32と、ダイとリード線領域30の間およびダイとリード線領域32の間にそれぞれあるリード線パッド領域34とによって形成された表面28を備える。
【0012】
キャリア26は、例示的な実施形態では、領域36内に受け入れられたトランスデューサダイ12の外周33よりも大きい外周31を有する、ダイ取付凹部領域またはウェル36を備える。このようにして、トランスデューサダイ12の1つまたは複数の縁部35と領域36の外周との間に、開口溝38が形成される。図4は、ダイ凹部領域36および溝38の部分断面図を示している。ダイ取付凹部領域36は、トランスデューサダイ12をキャリア26上に挿入することを可能にする。例示的な実施形態では、ダイ取付領域36は、トランスデューサダイ12、およびたとえばASICおよび/またはRFトランシーバなどの少なくとも1つの他のデバイスを受けるようなサイズおよび方向にされている。別の実施形態では、キャリア26は、2つ以上のダイ12を受けるようなサイズおよび方向にされた、2つ以上のダイ取付凹部領域36を備え得る。別の実施形態では、ダイ取付凹部領域36は、ダイ12の縁部35と領域36の外周の間に形成された溝38を備えない。
【0013】
例示的な実施形態では、トランスデューサダイ12が、溝38から内向きに付けられたシリコーンゲルまたは室温硬化型(RTV)シリコーンなどの接着剤40を使用して、ダイ取付凹部領域36内に結合される。溝38は、接着剤40を領域36内に保持することを容易にし、このようにして接着剤40がダイ取付凹部領域36から外へ浸出することを防ぐ。
【0014】
ダイ取付凹部領域36を遮蔽することを容易にするため、およびトランスデューサモジュール14の位置合わせを容易にするために、キャリア26はまた、キャリア26の上部表面44から上向きに延びるバリア42を備える。バリア42は、対向している側壁46および端壁48を備える。各側壁は、第1の端部50、第2の端部52、および第1の端部50と第2の端部52の間に延びる本体54を、それぞれ備える。側壁46は、キャリア上部表面44の外縁37に、またはその近くに配置され得る。例示的な実施形態では、各第1の端部50は、キャリアダイ領域30の近くにあり、各第2の端部52は、リード線パッド領域34内にある。別法として、第2の端部52が、キャリアの端部60に配置され得る。第2の端部52の位置にかかわらず、本体54は、第1の端部50と第2の端部52間に延びており、かつ端壁48は、側壁46のそれぞれの第1の端部50から延びている。このような構成では、端壁48および側壁46は、製造工程中の取扱いからダイ取付凹部領域36を保護することを容易にするために、ダイ取付凹部領域36を部分的に包囲している。さらに、ある実施形態では、側壁46が、リード線パッド領域34と部分的に隣接している。
【0015】
図5は、トランスデューサモジュール14の側面図である。例示的な実施形態では、側壁の第1の端部50の高さh1は、側壁の第2の端部52の高さh2よりも低く、したがって、本体54は、第1の端部50から第2の端部52に向かって上向きに先細りとなっている。一実施形態では、本体54が、キャリア上部表面44に対して、45°よりも小さい、または45°とほぼ等しい角度で先細りとなっている。別の実施形態では(図示せず)、第1の端部50および第2の端部52が、ほぼ同じ高さで形成されている。別法として、第1の端部50および/または第2の端部52が、キャリア表面44に向かって傾いた角度で本体54を先細りとなるように形成され得る。別の実施形態では、第1の端部50および/または第2の端部52が、キャリア表面44に対してほぼまっすぐで平行である。
【0016】
図6は、トランスデューサモジュール14の端面図である。例示的な実施形態では、キャリア26のリード線領域32は、少なくとも1つの溝56を備える。各溝56は、少なくとも1つの導電性リード線58をその中で受けるようなサイズおよび方向にされている。より具体的には、例示的な実施形態では、各溝56は、キャリア端部60からリード線パッド領域34に向かってほぼ軸方向に延びている。例示的な実施形態では、溝56は、導電性リード線58をその中で受け入れるような方向およびサイズにされたトラフ構成で形成された対向する斜めの壁39を備える。溝56は、導電性リード線58が本明細書に記載のように機能することを容易にする、正方形形状などの他のいずれかの形状で形成されてよいが、それに限定されない。
【0017】
リード線領域の溝56は、リード線領域32に対しておよび/またはリード線領域32内で、導電性リード線58を位置合わせすることを容易にする。溝56はまた、たとえば、導電性リード線58を溝56の中に結合する際に使用するためのハンダ材料または導電性のエポキシ材料などの堆積材料64をその中に保持することを容易にする。さらに、溝56は、リード線取付材料64が隣接する導電性リード線58と電気的に架橋する可能性を減らすことを容易にする。
【0018】
ある態様では、1つまたは複数の導電性リード線58が、従来型のプリント回路基板の代替物として、たとえば、めっきを介して、キャリア26上に堆積され得る。導電性リード線58が、トランスデューサダイ12を、トランスデューサダイ12から送信された電気信号を受けるように装備されたデバイスと相互接続するために使用され得る。このような導電性リード線58は、通常金属製である。別法として、他の材料が、導電性リード線58を製造するために使用され得る。
【0019】
トランスデューサダイ12は、1つまたは複数の導電性リード線58と相互接続され得る。一実施形態では、トランスデューサダイ12と導電性リード線58の間の相互接続部66(図4)が、1つまたは複数のボンドワイヤ(図示せず)によって提供される電気的な相互接続部であってよい。ボンドワイヤは、たとえば、25μmから75μmの直径を有する精細なワイヤから形成されてよい。ボンドワイヤは、金、アルミニウム、銀、または銅などの材料から製造されてよいが、それに限定されない。他のワイヤ材料が使用されてもよいことを当業者なら理解されよう。別の実施形態では、トランスデューサダイ12を導電性リード線58と電気的に相互接続することが、ボンドワイヤではなく、ハンダバンプを備えるフリップチップ技術を使用することによって実行され得る。相互接続部66は、本明細書に記載のような電気的接続を容易にするいかなる構成で形成されてもよい。
【0020】
例示的な実施形態では、バリア42が、相互接続部66の上方へキャリア26から上向きに延びている。図面に示すように、側壁46は、上方へ、相互接続部66の最も外側に隣接するダイ取付凹部領域36に沿って延びている。相互接続部66の近くの側壁46の高さhswは、相互接続部66の高さhicよりも高い。このようにして、側壁46は、トランスデューサモジュール14のカプセル16への組立中、相互接続部66を保護することを容易にする。さらに、側壁46は、キャリア26をカプセル溝24内に挿入することを可能にする、キャリア26の外縁37上の位置合わせガイドまたはレールとして作用する。さらに、側壁46は、キャリアをカプセル内へ挿入している間、カプセル16とほぼ同じ高さにキャリア26を保持することを容易にする。特に、側壁46は、キャリア26が挿入中に上向きに揺れるのを防ぐことを容易にし、このことがさらに、相互接続部66がカプセル16の内側部分41と接触することを防ぐ。また、例示的な実施形態では、バリア42の側壁46および端壁48は、センサダイ12および相互接続部66のための保護コーティングまたは封入剤または絶縁材料のいずれもが、デバイス10の組立中に組立機と接触することを防ぐことを容易にする。さらに、バリア42は、デバイス10の輸送中または取扱い中に、保護コーティングまたは封入剤または絶縁材料のいずれを含むことを容易にする。
【0021】
カテーテル先端デバイス10の製造中、トランスデューサモジュール14は、プラスチック溶接、溶剤ボンディングを含むがそれに限定されないさまざまな方法で、および/または接着剤を使用してカプセル16へ取り付けられ得る。また、カプセル16は、たとえば、導電性のシリコーンポッティングなどの封入剤で充填され得る。
【0022】
図7は、カテーテル先端デバイス10の製造で使用するための例示的な方法のフローチャートである。例示的な実施形態では、製造工程700〜790のいずれか、またはすべてが、完全に自動化でき、このようにして、かなりの品質改善およびコストの低減ができる。
【0023】
最初に、キャリア26のアレイが、MID技術を使用して作製される700。別法として、キャリア26が本明細書に記載のように機能するようにしてキャリア26を作製することができる、成型または機械加工プロセスが、使用されてもよい。各キャリア26が、少なくとも1つのトランスデューサダイ12をその中に取り付けることを可能にする、少なくとも1つのダイ取付凹部領域36を備えて形成される710。各キャリア26が、バリア42が少なくともダイ取付領域30およびリード線パッド領域34上に配置されるように、作製される710。製造中、リード線領域32が、少なくとも1つの溝56を備えて作製される720。
【0024】
次に、少なくとも1つのトランスデューサダイ12が、ダイ取付凹部領域36に取り付けられる730。トランスデューサダイ12が、シリコーンゲルまたは室温硬化型(RTV)シリコーンなどの接着剤40を使用して、ダイ取付凹部領域36に取り付けられ得る730。このダイ取付凹部領域36は、事前に形成されたエポキシをダイ取付凹部領域36内に配置し、次にトランスデューサダイ12を配置し、次にエポキシをリフローさせることによって、オーバーフローのリスクなく、エポキシを使用することを可能にする。
【0025】
各トランスデューサダイ12が、相互接続される、すなわち電気的に結合される740。いったん相互接続されると、バリア42は、運転、製造または輸送工程中にカプセル16と接触すること、またはぶつかることから、トランスデューサダイ12および相互接続部66を保護する働きをする。
【0026】
トランスデューサダイ12の相互接続を完了すると、完成したトランスデューサモジュール14のアレイが作製される。アレイ内の各トランスデューサモジュール14は、キャリア26に取り付けられたトランスデューサダイ12、およびトランスデューサダイ12の間の1つまたは複数の相互接続部66を備える。
【0027】
次に、複数のカプセル16が、固定具(図示せず)に装着され得る。固定具は、カプセル16を受けるように構成された開口を備える少なくとも1つの凹部領域を有してもよい。カプセル16が、固定具を開口内へ配置することを容易にするために、アレイ内に提供され得る。
【0028】
キャリアのアレイ26の側面が、トランスデューサモジュール14を露出させるために取り外される、または個別切断される。完成したトランスデューサモジュール14が、アレイから引き出される。いったん引き出された後、完成したトランスデューサモジュール14が、カプセル16内に挿入され得るように、バリア42が、特定のカプセル16と位置合わせされる750。挿入中、バリア42の対向する側壁46が、カプセル16の溝24と位置合わせをする750。側壁46が、カプセル16の空洞18内にダイ凹部領域36があるようにするために溝24に隣接して挿入される760。
【0029】
挿入されたキャリア26が、プラスチック溶接、溶剤ボンディングを介して、または接着剤を使用してなどのプロセスによってカプセル16内に取り付けられるが、それに限定されない。カプセル16は、たとえば、トランスデューサダイ12および相互接続部66を外部環境から保護するために自動化工程による導電性のシリコーンポッティングなどによって提供される封入剤で充填され得る770。
【0030】
少なくとも1つの導電性リード線58が、溝56が導電性リード線58と位置合わせするように、溝56内に堆積される780。導電性リード線58を溝56内に配置した後、リード線取付材料64が、導電性リード線58がキャリア26に取り付けられることを可能にするために、導電性リード線58に、および溝56内に付着される790。製造中、溝56は、導電性リード線58のリード線領域32との位置合わせを容易にする。溝56はまた、材料が、隣接する導電性リード線58と電気的に架橋する可能性を減らすようにして、材料64を溝56内におよび導電性リード線58上に保持することを容易にする。
【0031】
別の方法では、トランスデューサモジュール14を押出し加工する前に、導電性リード線58が、溝56が導電性リード線58と位置合わせする730ようにして、溝56内に堆積される。導電性リード線58を溝56内に配置した後、リード線取付材料64が、導電性リード線58をキャリア26に取り付けられるようにするために、導電性リード線58に、および溝56内に付着される。次に、トランスデューサモジュール14が、カプセル16内へ挿入するためにキャリアのアレイ26の側面を取り外すまたは個別切断することによって、引き出される。
【0032】
カテーテル先端デバイス10の製造は、トランスデューサモジュール14をカプセル16内へ挿入することを容易にする。トランスデューサモジュール14は、製造工程中、ダイ、リード線およびそれに関連する電気的な相互接続部を保護しながら、カプセル16内に正確に挿入するようなサイズおよび方向にされている。トランスデューサモジュール14を正確に製造すること、およびトランスデューサモジュール14をカプセル16内に挿入することは、組立技術者の困難および/または不正確な取扱いを防止および除去することによって、デバイス10の製造全体を強化する。また、トランスデューサモジュール14を正確に挿入することは、カテーテル先端デバイス10の動作を強化し、かつ、カテーテル先端デバイス10を身体内へ配置することを容易にする。
【0033】
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するため、および、当業者が本発明を作製し、使用することを可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思いつく他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、特許請求の範囲の書字言語と相違しない構造的要素を有する場合、または、特許請求の範囲の書字言語とわずかな相違を有する等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0034】
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するため、および、デバイスまたはシステムを作製すること、および使用すること、および組み込まれている任意の方法を実行することを含めて、当業者が本発明を実行することを可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思いつく他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、特許請求の範囲の書字言語と相違しない構造的要素を有する場合、または、特許請求の範囲の書字言語とわずかな相違を有する等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
10 カテーテル先端デバイス
12 ダイ
14 トランスデューサモジュール
16 カプセル
18 空洞
20 窓
22 ケーシング
24 溝
26 キャリア
28 表面
30 ダイ領域
31 外周
32 リード線領域
33 外周
34 リード線パッド領域
35 縁部
36 ウェル
36 ダイ取付凹部領域
37 外縁
38 溝
39 壁
40 接着剤
41 内側部分
42 バリア
44 上部表面
46 側壁
48 端壁
50 第1の端部
52 第2の端部
54 本体
56 溝
58 導電性リード線
60 キャリア端部
64 堆積材料
66 相互接続部
1 第1の端部の高さ
2 第2の端部の高さ
sw 側壁の高さ
ic 相互接続部の高さ
700 キャリアのアレイを作製する
710 各キャリア内にリード線領域、ダイ取付凹部領域、およびバリアを作製する
720 リード線領域内に少なくとも1つの溝を作製する
730 トランスデューサダイをリード線領域内に取り付ける
740 トランスデューサダイを少なくとも1つの導電性リード線によって相互接続する
750 バリアをカプセルと位置合わせする
760 キャリアをカプセル内に挿入する
770 封入剤充填
780 少なくとも1つの導電性リード線を少なくとも1つの溝内に堆積させる
790 リード線取付材料を少なくとも1つの導電性リード線に、および少なくとも1つの溝内に取り付ける

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイ取付凹部(36)と、少なくとも1つの溝(38)が形成されたリード線領域(32)とを備えるキャリア(26)、および
製造工程中に前記ダイ取付凹部(36)を保護することを容易にするために前記キャリア(26)から延び、かつ前記ダイ取付凹部(36)を部分的に包囲しているバリア(42)
を備えるトランスデューサモジュール。
【請求項2】
前記少なくとも1つの溝(38)が、前記リード線領域(32)に沿ってほぼ軸方向に延びている請求項1記載のトランスデューサモジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝(38)が、前記キャリア(26)上に堆積された少なくとも1つの導電性リード線(58)を位置合わせすることを容易にする請求項1記載のトランスデューサモジュール。
【請求項4】
前記キャリア(26)が、前記ダイ取付凹部(36)と結合されたトランスデューサダイ(12)を備え、前記トランスデューサダイ(12)が、相互接続部(66)によって前記少なくとも1つの導電性リード線(58)と電気的に接続されている請求項3記載のトランスデューサモジュール。
【請求項5】
前記バリア(42)が、前記キャリア(26)から前記相互接続部(66)の上方に、ある距離上向きに延びている請求項4記載のトランスデューサモジュール。
【請求項6】
前記バリア(42)が、1対の対向する側壁(46)と、前記側壁(46)の間に延びる端壁(48)とを備える請求項1記載のトランスデューサモジュール。
【請求項7】
各側壁(46)が、第1の端部(50)、第2の端部(52)、および前記第1の端部(50)と前記第2の端部(52)の間に延びる本体(54)を備える請求項6記載のトランスデューサ。
【請求項8】
前記第1の端部(50)が、前記第2の端部(52)の高さ(h2)よりも低い高さ(h1)を有する請求項7記載のトランスデューサ。
【請求項9】
カプセル(16)と、
前記カプセル(16)に取り付けられたトランスデューサモジュール(14)であって、
ダイ取付凹部(36)を備え、かつリード線領域(32)を備えるキャリア(26)、
前記ダイ取付凹部(36)内に配置されたトランスデューサダイ(12)、および
前記リード線領域(32)の少なくとも1つの溝(38)内に堆積され、前記トランスデューサダイ(12)と電気的に相互接続されている少なくとも1つの導電性リード線を備えるトランスデューサダイ(12)と、
製造工程中に前記ダイ取付凹部(36)を保護することを容易にするために、前記キャリア(26)から延び、かつ前記ダイ取付凹部(36)を部分的に包囲しているバリア(42)と
を備える、カテーテル先端デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝(38)が、前記キャリア(26)上に堆積された前記少なくとも1つの導電性リード線(58)を位置合わせすることを容易にする対向する壁(39)を備える請求項9記載のカテーテル先端デバイス。
【請求項11】
前記バリア(42)が、1対の対向する側壁(46)および端壁(48)を備える請求項9記載のカテーテル先端デバイス。
【請求項12】
前記1対の対向する側壁(46)が、前記トランスデューサダイ(12)と前記少なくとも1つの導電性リード線(58)の前記電気的な相互接続部を部分的に包囲している請求項11記載のカテーテル先端デバイス。
【請求項13】
各側壁(46)が、第1の端部(50)、第2の端部(52)および前記第1の端部(50)と前記第2の端部(52)の間に延びる本体(54)を備える請求項9記載のカテーテル先端デバイス。
【請求項14】
前記本体(54)が、前記第1の端部(50)と前記第2の端部(52)の間で先細りとなっている請求項13記載のカテーテル先端デバイス。
【請求項15】
ダイ取付凹部(36)、溝付きのリード線領域(32)および前記ダイ取付凹部(36)を少なくとも部分的に包囲しているバリア(42)を備えるキャリア(26)を形成するステップと、
少なくとも1つのトランスデューサダイ(12)をダイ取付凹部(36)に取り付けるステップと、
少なくとも1つのトランスデューサダイ(12)を相互接続するステップと、を含むカテーテル先端デバイスを製造する方法。
【請求項16】
少なくとも1つの導電性リード線(58)を前記溝付きリード線領域(32)内に堆積させるステップをさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
堆積材料(64)を前記溝付きリード線領域(32)内に付着させるステップをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記キャリア(26)を形成するステップが、1対の対向する側壁(46)および端壁(48)を備える前記バリア(42)を形成するステップを含む請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記バリア(42)の前記1対の対向する側壁(46)をカプセル(16)の溝(24)内に位置合わせすることによって、バリア(42)を前記カプセル(16)と位置合わせするステップをさらに含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
キャリア(26)を前記カプセル(16)内へ挿入するステップをさらに含む請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−170825(P2012−170825A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33481(P2012−33481)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】