説明

カテーテル組立体、当該カテーテル組立体を製造する方法及び使用する方法

【課題】蒸気の形態の活性物質で処理されるとカテーテルに低摩擦面をもたらすように意図されるコーティングをカテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルを含む、カテーテル組立体を提供する。
【解決手段】カテーテル組立体20は、気体透過性かつ液体不透過性のバリア28によって第1のキャビティ26a及び第2のキャビティ26bに分割される内部空間を形成するカテーテルパッケージ24も含む。カテーテルパッケージの第1のキャビティは、内部にカテーテル22を収容し、第2のキャビティは、少なくとも所定量の液体をその内部の液相に収容する。第2のキャビティ内の液体は、第2のキャビティからバリアを通って第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化することができ、蒸気はコーティングを活性化することができる。液体が相変化すると生じる蒸気によりカテーテルのコーティングが活性化することでカテーテルに低摩擦面をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的に、使用準備済みの状態でエンドユーザに渡るカテーテル組立体に関し、より詳細には、蒸気水和されるそのようなカテーテル組立体、蒸気水和されるカテーテル組立体を製造する方法及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医療従事者の助けを必要とせずに使用することができる者によって通常使用される2つの異なるタイプの間欠的尿カテーテルがあることがよく知られている。これらのカテーテルとして、尿道への挿入前にカテーテルチューブの外面に塗布されるゲルを用いる潤滑カテーテルと、カテーテルチューブの親水性コーティングが水又は食塩水のような液体での処理によって使用前に活性化される親水性カテーテルとが挙げられる。親水性カテーテルの場合において、親水性コーティングを処理するのに用いられる液体は、カテーテルが使用準備済みの状態でエンドユーザに渡る場合、製造業者によって提供されねばならない。
【0003】
結果として、親水性コーティングは、カテーテルがパッケージ内に配置される直前又はパッケージ内に配置された後の或る時点で、いずれにせよ活性化される必要がある。より一般的な手法は、親水性コーティングされたカテーテルを液体と共にパッケージ内に配置することである。特に、カテーテルの親水性コーティングを活性化するための液体は通常、パッケージ内に漫然と(loosely)配置されているか、又はパッケージ内に配置された容器内にある。
【0004】
液体をパッケージ内に漫然と配置することに関して、このことは、漏れの危険性があるため望ましくない手法であることが分かっている。この漫然と配置された液体は通常、親水性コーティングを活性状態に維持する商業的に実現可能な保存期間を通して十分な液体が残留することを確実にするのに合理的に有意な量で提供される。しかしながら、組立後に親水性コーティングとの液体の直接接触が行われることを確実にするのに合理的に有意な量の液体を提供する必要があるため、液体は、パッケージが開封されるとパッケージから容易に漏れる可能性があり、それにより、エンドユーザの衣服を濡らす及び/又は汚す可能性がある。さらに、かかる使用準備済みの親水性カテーテルを滅菌しなければならない状況に関連する深刻な技術的問題が存在する。
【0005】
具体的には、滅菌プロセスは、カテーテル及び漫然と配置された液体がパッケージ内でシールされた後で行われねばならない。したがって、カテーテルは、親水性コーティングが湿潤しているときに、すなわち既に液体で活性化された後で滅菌される。しかしながら、湿潤した親水性コーティングは、従来の技術、例えば放射線を用いて滅菌されると劣化する可能性がある。特に、湿潤した親水性コーティングはカテーテルチューブから分離する可能性があり、結果として凹凸のある高摩擦係数の表面となる。
【0006】
かかる滅菌に関する問題を回避するために、液体容器をパッケージ内に配置する製造業者もいる。この配置によれば、エンドユーザには、液体容器を破断するか又は別の方法で開封して液体をパッケージ内に放出させるための指示書が提供されるため、エンドユーザは、親水性コーティングを活性化させることができる。使用直前に親水性コーティングとの液体の直接接触を確実にするように一定期間パッケージを操作する指示をエンドユーザに与えることができるため、液体をより限られた量で提供することができる。液体は滅菌の間、液体容器に閉じ込められている(このことは、親水性コーティングが滅菌時に乾燥状態にあることを意味する)ため、滅菌の際に、湿潤した親水性コーティングが劣化するという技術的な問題が回避される。しかしながら、親水性コーティングは液体容器を破断/開封してパッケージを操作することによって活性化する必要があるため、カテーテルがエンドユーザに渡ったときに使用準備済みの状態ではないことから、依然として欠点がある。
【0007】
液体がより限られた量で提供されたとしても、漏れの危険性が依然として存在する。液体は、液体容器が破断して液体を放出した後に、カテーテルを保持するパッケージ内部空間内に漫然と収容されるため、パッケージを開封してカテーテルを取り出す際にエンドユーザ側で容易に漏れる可能性がある。さらに、液体の存在により、エンドユーザの手が濡れる可能性があり、このため、カテーテルを取り扱うことがより困難になると共に面倒になる。
【0008】
上述したように、親水性コーティングされたカテーテルには通常、液体との直接接触による活性化のためにカテーテルの外面に付着される薄い親水性コーティングが設けられる。親水性コーティングは、水のような水和液との接触によって活性化すると、非常に低い摩擦係数の表面をもたらす。水和液が製造業者によって親水性コーティングと直接接触させられるのか又はエンドユーザによってそのようにされるのかにかかわらず、コーティングを活性化するのに約30秒かかることが一般的に認識されている。
【0009】
したがって、これらの全ての既存の製品において、カテーテルは、30秒であると一般的に認識されている時間、親水性コーティングされたカテーテル表面全体と液体膨張媒体(例えば液体の水)が直接接触することに依存している。さらに、これらの全ての既存の製品は、パッケージのカテーテル収容キャビティ内に液体の水を自由に流すことを可能にすると共に、直接接触のためにカテーテル表面への液体の水の妨げのないアクセスを可能にするカテーテル用パッケージを設けることによって、カテーテル表面との液体の水の直接接触を達成する。パッケージ内で漫然と配置された液体の水の自由な流れとカテーテル表面への妨げのないアクセスとにより、親水性コーティングで処理されたカテーテル表面全体との液体膨張媒体の直接接触を確実にすることが容易となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、滅菌前に湿潤することに起因して親水性コーティングを劣化させることなく、又は親水性コーティングと直接接触して配置されている液体の水による漏れの危険性にエンドユーザを晒すことなく、カテーテルを滅菌することができることを含み、製造業者及びエンドユーザの双方の観点からかかる製品に全ての重要な基準を満たす、親水性コーティングを有する尿カテーテルを提供する技術的課題が依然として残されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本開示は包括的に、水和物質で処理されるとカテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングをカテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルを備えたカテーテル組立体に関する。カテーテル組立体はまた、気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって異なる別個の第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を形成するカテーテルパッケージを含む。第1のキャビティは、内部にカテーテルを収容し、第2のキャビティは、内部に少なくとも液相の水又は水性液体を収容する。これに関して、内部の液相の水又は水性液体は、第2のキャビティ内で液体から蒸気に相変化することが可能であり、蒸気は次いで、カテーテルの親水性コーティングを活性化するのに利用可能である。
【0012】
その液相内では、水又は水性液体は、内部空間を2つのキャビティに分割するバリアが液体不透過性であることから、第2のキャビティに閉じ込められる。したがって、液体の水又は水性液体が第2のキャビティ内で液体から蒸気への相変化を受けなければ、カテーテルの親水性コーティングは水和されないであろう。しかしながら、液体の水又は水性液体が液体から蒸気への相変化を受けた後では、第2のキャビティ内の蒸気は、第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入ることが可能である。
【0013】
第1のキャビティ内では、蒸気は、親水性コーティング用の水和物質として働き、また、カテーテルパッケージの内部空間を2つの異なる別個のキャビティに分割するバリアが気体透過性であることから、第1のキャビティに至ることが可能である。したがって、相変化の後、カテーテルの親水性コーティングは、相変化による蒸気によって水和されることになる。換言すれば、第2のキャビティ内での液体の相変化によって生じる蒸気は、第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入ることで、カテーテルの親水性コーティングを水和させる。
【0014】
この構成により、カテーテルに低摩擦表面をもたらすことが可能となるため、カテーテルがエンドユーザに渡ったときには、十分に使用準備済みの状態となる。
【0015】
理解されるように、第2のキャビティ内の液体は、その一部又は全てが蒸気になるように相変化を受けるまで液体のままである。液体が第2のキャビティ内で相変化する範囲内で、第2のキャビティ内に残留する液体は少なくなるが、気体透過性かつ液体不透過性のバリアのために、液体が第2のキャビティから第1のキャビティに直接入ることは決してないと理解されるであろう。したがって、第2のキャビティ内に収容されている液体が親水性コーティングに直接接触することは決してあり得ず、親水性コーティングを直接水和することも決してあり得ず、相変化によって生じる蒸気のみが水和することができる。
【0016】
第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入る蒸気は、第1のキャビティ内で或る程度の凝縮を受ける可能性があるが、かかる凝縮によって生じる第1のキャビティ内の液滴は、ほんの僅かな量の液体しか含んでおらず、この量は、カテーテルの親水性コーティングの液体水和(liquid hydration)をもたらすのに必要とされる量よりもかなり少ない。
【0017】
好ましくは、内部空間を形成するカテーテルパッケージは、単一の気体不透過性の矩形シートから作製され、対向する両縁が単一の長手方向のシールによって接合されており、その対向する両端部のそれぞれに端部シールを有する。カテーテルパッケージは代替的に、2つの対向する矩形シートから成る気体不透過性の材料から形成されてもよく、2つの対向する矩形シートは、当該矩形シートの外周全体に延びるシールによって接合される。さらに、カテーテル組立体は好適には、第2のキャビティ内にウィッキング材料を有する。破断可能な容器は、ウィッキング材料と選択的に液体流通するように設けてもよい。
【0018】
例示的な一つの実施形態では、破断可能な容器は、ウィッキング材料に対して離間した関係で第2のキャビティと選択的に液体流通するようにカテーテルパッケージ内に設けてもよい。別の例示的な実施形態では、破断可能な容器は、破断可能なシールを介してウィッキング材料と選択的に液体流通するように、ウィッキング材料に対して離間した関係でカテーテルパッケージ内に破断可能な区画を含んでもよい。
【0019】
前述したことから、尿カテーテルの親水性コーティングを活性化する水和物質は、水蒸気又は蒸気相の水(vapor phase water)から成る。親水性コーティングを活性化するのに用いられる蒸気は、カテーテルパッケージの空間の第2のキャビティ内で水が液体の水から水蒸気に相変化することによって生じる。
【0020】
別の点では、本開示は、気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップを含む、使用準備済みのカテーテル組立体を製造する方法に関する。本方法はまた、カテーテルであって、親水性コーティングを当該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルを第1のキャビティに配置するステップと、第1のキャビティに対し液体隔離状態にあるように液体をカテーテルパッケージに入れるステップとを含む。さらになお、本方法は、液体をカテーテルパッケージの第2のキャビティに直接入れるか又は第2のキャビティと選択的に液体流通させるステップをさらに含み、また、カテーテルが第1のキャビティ内に配置されるようにカテーテルパッケージをシールするステップも含む。
【0021】
さらに、本開示の別の態様によれば、本方法は、いくつかの動作の1つ又は複数が行われるのに十分な時間、カテーテル組立体の流通(distribution)又は使用を遅らせるステップを含んでもよい。特に、流通又は使用は、i)液体が第2のキャビティに直接入れられるか又は第2のキャビティと選択的に液体流通することと、ii)液体の少なくとも一部が第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)蒸気の少なくとも一部が第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入ることと、iv)第1のキャビティ内の蒸気が親水性コーティングを水和してカテーテルに低摩擦表面をもたらすことでカテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、遅らせることができる。さらに、本方法は好適には、破断可能な容器内に液体を提供するステップを含んでもよい。
【0022】
さらに具体的には、液体を、第2のキャビティと液体流通する破断可能な容器内に提供してもよい。その場合、本方法は好適には、破断可能な容器が破断した後に液体を吸収するために、第2のキャビティ内にウィッキング材料を提供するステップを含んでもよい。このようにして、ウィッキング材料は、当該液体の少なくとも一部がその後、第2のキャビティ内で蒸気に変わる相変化を受けることができるように、液体を吸収及び分配することができる。蒸気は、気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入り、カテーテルの親水性コーティングを水和する。
【0023】
理解されるように、カテーテルパッケージの内部空間を第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割するバリアが液体不透過性であることから、液体は常に第2のキャビティに閉じ込められる。したがって、第1のキャビティ内のカテーテルの親水性コーティングは、液体の少なくとも一部が相変化を受けて蒸気に変わるまで水和することができない。しかしながら、相変化の結果、第2のキャビティ内に蒸気が存在するようになると、バリアが気体透過性であることから、蒸気はバリアを通って第1のキャビティ内に入り、親水性コーティングを水和することができる。
【0024】
例示的な一つの方法は、実質的に細長い矩形状を有するようにカテーテルパッケージを形成するステップと、カテーテルの一端に対して離間した関係で第2のキャビティ内の破断可能な容器内に液体を提供するステップとを含む。次いで、本方法は好適には、第1のキャビティ内のカテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように第2のキャビティ内にウィッキング材料を配置するステップを含んでもよく、当該ウィッキング材料は破断可能な容器に近接して位置する端部を有する。次いで、本方法は好適には、液体がウィッキング材料の端部に通じる通路を形成するために、カテーテルと破断可能な容器との間にカテーテルパッケージの各側から内向きに延びるシールを提供するステップも含んでもよい。
【0025】
別の例示的な方法は、実質的に細長い矩形状を有するようにカテーテルパッケージを形成するステップと、第2のキャビティと選択的に液体流通するカテーテルパッケージの破断可能な区画に液体を提供するステップとを含む。次いで、本方法は好適には、破断可能なシールを設けることによって破断可能な区画を形成するステップと、第1のキャビティ内のカテーテルと実質的に同一の長手方向の広がりとなるようにウィッキング材料を第2のキャビティ内に配置するステップとを含んでもよい。次いで、本方法は好適には、破断可能なシールを破断した後に破断可能な区画と選択的に液体流通するように第2のキャビティ内にウィッキング材料を配置することと、破断可能なシールに近接した端部をウィッキング材料が有することとを含んでもよい。
【0026】
最後に述べた例示的な方法において、本方法は好適には、ウィッキング材料を横断して延びて中間区画を形成することにより液体受容空間を画定するように、破断可能なシールとカテーテルとの間に、カテーテルパッケージを横断する中間シールを形成するステップをさらに含んでもよい。
【0027】
これらの例示的な方法のいずれにおいても、カテーテル及び液体は、カテーテルパッケージがシールされた後であるが液体が放出されてウィッキング材料によって吸収される前に滅菌される。例示的な方法の別の特徴は、液体の放出後にカテーテルと液体用の破断可能な容器との間でカテーテルパッケージを分断することである。例示的な方法のさらなる別の特徴は、その後、使用準備済みの状態でエンドユーザに出荷するのに十分にシールされるように、カテーテルパッケージに対して端部シールを形成することである。
【0028】
さらなる例示的な方法は、実質的に細長い矩形状を有するようにカテーテルパッケージを形成するステップと、カテーテルに対して液体隔離した状態で第2のキャビティ内に液体を直接入れるステップとを含む。本方法は次いで、好適には、第1のキャビティ内のカテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるようにウィッキング材料を第2のキャビティ内に配置するステップを含んでもよい。本方法は次いで、好適には、第1のキャビティ及び第2のキャビティを画定すると共に親水性コーティングされたカテーテルと直接接触しないように液体を維持するために、気体透過性かつ液体不透過性のバリアをカテーテルパッケージの内部空間内に設けるステップを含んでもよい。
【0029】
この例示的な方法では、カテーテル及び液体は、カテーテルパッケージがシールされた後で滅菌される。滅菌は、カテーテルパッケージがシールされた後すぐに組立ラインの最終の段階で行うことができ、気化する液体はほとんどないか又は全くなく、或いは、比較的低い気体透過性を有する気体透過性かつ液体不透過性のバリア用の材料を選択することによって、その後数日以内に行うことができる。いずれの場合も、親水性コーティングが滅菌時に蒸気によって実質的に水和されることがないため、滅菌がコーティングを劣化させることはない。
【0030】
本開示の他の目的、利点及び特徴は、添付の図面と共に以下の明細書を考慮すれば明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本明細書に示す図において、まず図1を参照すると、参照符号20は、本開示の一つの態様による、蒸気水和されたカテーテル組立体の概要を示している。カテーテル組立体20は、概括的に22で示されるカテーテルを含み、カテーテル22は、水和物質で処理されると、カテーテル22に低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを、その長さの少なくとも一部に有している。カテーテル組立体20はまた、概括的に24で示されるカテーテルパッケージも備え、カテーテルパッケージ24は、気体透過性かつ液体不透過性のバリア28によって第1のキャビティ26a及び第2のキャビティ26bに分割される内部空間26(図3も参照)を形成している。第1のキャビティ26aは、内部にカテーテル22を収容し、第2のキャビティ26bは、その液相、例えば内部の液相の水内に、少なくとも所定量の蒸気を付与する液体30を収容している。所定量の液体30は、例えば、純粋な液体の水又は任意の適した水溶液であってもよい。これに関して、その液相内における所定量の液体30は、「蒸気を付与する(vapor donating)」ものと考えられるが、この理由は、液体が第2のキャビティ26bの内部の相を液体から蒸気に変えることが可能であるからであり、この蒸気は、活性物質又は水和物質として働くことができる。図1から理解されるように、カテーテルパッケージ24は、実質的に細長い矩形状であり、第2のキャビティ26bと選択的に液体流通するように、液体30を含有する破断可能な容器40を有している。
【0032】
液体30は、中間パッケージのフィルム又は膜として構成され得る気体透過性かつ液体不透過性のバリア28の液体不透過性の性質のため、第2のキャビティ26b内に閉じ込められる。このフィルム又は膜は、物理的に内部空間26を第1のキャビティ26a及び第2のキャビティ26bに2つに分割して、その液相内の所定量の液体30の少なくとも一部が液体から蒸気への相変化を受けるまで、親水性コーティングを活性化又は水和することができないようになっている。しかしながら、液体30が液体から蒸気への相変化を受けた後、第2のキャビティ26b内の蒸気は次いで、第2のキャビティ26bから気体透過性かつ液体不透過性のバリア28を通って第1のキャビティ26aに入り、活性物質又は水和物質として働くことが可能である。
【0033】
図1〜図3に示される実施形態では、内部空間26を形成するカテーテルパッケージ24は、気体不透過性材料の2つの対面する矩形シート24a及び24bから成り、これらのシートはその外周全体に延びるシール32によって接合されている。代替的に、図2A及び図3Aから理解されるように、カテーテルパッケージ24’は、カテーテル22’及び液体30’を包む単一の矩形材料シートから形成することができ、それにより、34’におけるような単一の長手方向シール及びその対向する両端部のそれぞれにおける端部シールによって接合される対向する両縁24a’及び24b’でカテーテル22’及び液体30’を封入するようになっている。したがって、図2及び図3に示される実施形態と図2A及び図3Aに示される実施形態との唯一の相違点は、後者の実施形態は、単一の材料シートから形成されることから、34’におけるような単一の長手方向シールを有し、前者の実施形態は、2つの材料シートから形成されることから、32a及び32bにおけるような一対の長手方向側部シールを有するという点である。
【0034】
上記説明から理解されるように、図2及び図2Aに示される実施形態はいずれも、端部シール32c及び32d(図1を参照)のような端部シールを有し、これらの端部シールは、各カテーテルパッケージ24及び24’の対向する端部にそれぞれ設けられている。
【0035】
図1、図3、及び図3Aを参照すると、破断可能な容器40が破断したときに液体30,30’を吸収するために、カテーテル組立体20,20’は、液体30,30’用の破断可能な容器40と選択的に液体流通するように、内部空間26,26’の第2のキャビティ26b,26b’内にウィッキング材料36、36’を有していることが分かるであろう。同様に、図3に示される実施形態と図3Aに示される実施形態との唯一の相違点は、上記に詳細に説明したようにカテーテルパッケージ24と24’との相違点であることが理解されるであろう。換言すれば、図3及び図3Aはそれぞれ、2つの材料シート(図3)から形成されるカテーテルパッケージ24の第2のキャビティ26b内のウィッキング材料36と、単一の材料シート(図3A)から形成されるカテーテルパッケージ24’の第2のキャビティ26b’内のウィッキング材料36’とを示している。
【0036】
第2のキャビティ26b内のウィッキング材料36は、第1のキャビティ26a内のカテーテル22と実質的に同一の広がりとなるように長手方向に延びている。ウィッキング材料36の端部36aは好ましくは、破断可能な容器40に対して離間した関係にあるが容器40に近接して位置している。カテーテルパッケージ24は、カテーテル22と容器40との間にカテーテルパッケージ24の各側から内向きに延びるシール42a及び42bを有し、容器40が破断した後、容器40からウィッキング材料36の端部36aに液体30が通る44におけるような通路を形成するようになっている。
【0037】
具体的には示していないが、図2A及び図3Aの実施形態のカテーテル組立体20’の構造的な特徴及び構造の詳細は、「’」が付された符号で示され、別段の記載がない限り、カテーテル組立体20に関して上述したものと本質的に同一であることが理解されるであろう。
【0038】
次に、図7〜図11を参照すると、概括的に122で示されたカテーテルを含むカテーテル組立体120の代替的な一つの実施形態が示されており、カテーテル122は、水和物質で処理されるとカテーテル122に低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを、カテーテル122の長さの少なくとも一部に有している。カテーテル組立体120はまた、気体透過性かつ液体不透過性のバリア128によって第1のキャビティ126a及び第2のキャビティ126bに分割される内部区間126を有するように、気体不透過性材料から形成される概括的に124で示されたカテーテルパッケージを含んでいる。第1のキャビティ126aは、内部にカテーテル122を収容し、第2のキャビティ126bは、液体130と液体流通するウィッキング材料136を収容している。
【0039】
破断可能なシール148を介してウィッキング材料136と選択的に液体流通するように、液体130は、ウィッキング材料136に対して離間した関係でカテーテルパッケージ124内の破断可能な区画146内に存在する。破断可能なシール148が破断した後、液体130を収容しているカテーテルパッケージ124内の破断可能な区画146と選択的に液体流通するように、ウィッキング材料136は、内部空間126の第2のキャビティ126b内に存在する。ウィッキング材料136によって吸収される液体130は、液体から蒸気への相変化を受けることが可能である。液体130が相変化を受けた後、相変化により生じた蒸気は、第2のキャビティ126bから気体透過性かつ液体不透過性のバリア128を通って第1のキャビティ126aに入り、親水性コーティングを水和してカテーテル122に低摩擦表面をもたらす。
【0040】
図1及び図2に示される実施形態と同様に、カテーテルパッケージ124は、実質的に細長い矩形状であるが、図1の40のような破断可能な容器ではなく、液体30を収容する破断可能な区画146を有している。破断可能な区画146は、第2のキャビティ126bと選択的に液体流通するように配置されている。
【0041】
図1及び図2の実施形態並びに図7及び図11の実施形態のそれぞれに関して、カテーテルパッケージ24,124は、それぞれ2つの対向する矩形シート24a,24b及び124a,124bから成り、これらは互いに重なり合い、それぞれシール32,132によって接合され、これらのシールは、それぞれ側部シール32a,32b及び132a,132b並びにそれぞれ端部シール32c,32d及び132c,132dを有している。気体透過性かつ液体不透過性のバリア28,128は、内部空間26,126をそれぞれ、図示されるようにそれぞれ第1のキャビティ26a,126a及びそれぞれ第2のキャビティ26b,126bに分割するように働く。
【0042】
しかしながら、図7及び図11の実施形態における気体透過性かつ液体不透過性のバリア128は、図7及び図11の実施形態が中間パッケージのフィルム又は膜ではなく気体透過性かつ液体不透過性のスリーブを有し、このスリーブがカテーテルパッケージ124の内部空間126内のカテーテル122との液体隔離を維持するようにウィッキング材料136を保持及び収容するという点で、図1及び図2の実施形態における気体透過性かつ液体不透過性のバリア28とは非常に異なって形成される。
【0043】
図11Aを参照すると、一つの代替形態として、図1及び図2の気体透過性かつ液体不透過性のバリア28と実質的に同様にして形成される気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’を用いて、対面する矩形シート124a’,124b’でシールされるように、気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’が内部空間126’全体に延び、132a’,132b’のような長手方向側部シール及び132dのような端部シールの少なくとも1つによって捕捉されることが可能である。
【0044】
この代替的な実施形態を用いる場合、気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’は、中間パッケージのフィルム又は膜から成り、このフィルム又は膜は、矩形シート124a’,124b’及び各種シールと協働して、内部空間126’を第1のキャビティ126a’及び第2のキャビティ126b’に分割し、カテーテル122’が第1のキャビティ126a’に収容されると共にウィッキング材料136’が第2のキャビティ126b’内に配置されることが分かるであろう。先のように、液体130は、破断可能な区画146のような別個の区画内にあり、この区画は、第2のキャビティ126b’と、したがって、破断可能なシール148が破断したときにウィッキング材料136’と液体流通することで、液体130がウィッキング材料136’の端部136a(図7〜図10に見られる)に達して吸い入れられるか又は内部に引き寄せられることができるようになっている。
【0045】
図11及び図11Aに示される実施形態の双方において、それぞれの第2のキャビティ126b及び126b’内のウィッキング材料136及び136’は、それぞれのカテーテル122及び122’と実質的に同一の広がりで長手方向に延び、液体130を収容する破断可能な区画146に対して離間した関係であるが近接して位置する136aのような端部を有している。さらに、図11及び図11Aに示される実施形態の双方において、液体130用の破断可能な区画146の1つの境界を画定する破断可能なシール148(図7〜図9参照)があり、また、破断可能なシール148とそれぞれのカテーテル122及び122’との間にはそれぞれのウィッキング材料136及び136’を横断して延びる中間シール150が配置されており、152のような中間区画を画定している。
【0046】
図11Aに示される実施形態に関して、中間シール150は、端部シール132dによって捕捉される中間シール150の端部に対向する気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’の端部を捕捉することが理解されるであろう。換言すれば、図11Aの気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’は、それぞれの側部シール132a’,132b’並びに端部シール132d及び中間シール150(図7)によって、その外周全体を捕捉されることが理解されるであろう。結果として、ウィッキング材料136’の端部分136aのみが、中間区画152(図7)内に存在するように、内部空間126’の外方に延びることが理解されるであろう。
【0047】
単一の材料シートを用いて図2A及び図3Aの24’のようなカテーテルパッケージを形成する場合、気体透過性かつ液体不透過性のバリア28’の縁は、図2及び図3に示されるもののような対向する側部シールによって捕捉されるであろう。代わりに、28’のような気体透過性かつ液体不透過性のバリアの対向する側縁28a’及び28b’が、カテーテルパッケージ24’の内面に固定されることになる。具体的には図示しないが、図11Aに示される実施形態は、単一の材料シートから構成されて実質的に同様にして、カテーテルパッケージ124’を形成することもできることが理解されるであろう。
【0048】
図7及び図11に示されるように、カテーテル組立体120は、以下に開示される方法の説明から理解されるであろうという理由から、一方では中間区画152が第1のキャビティ126a及び第2のキャビティ126b(これらはそれぞれカテーテル122及びウィッキング材料136を収容する)の間にあるように、他方では液体130用に設けられる破断可能な区画146があるように形成される。中間区画152は、破断可能なシール148が破断して液体130を放出した後で液体受容空間を画定するように、ウィッキング材料136と、破断可能な区画146の破断可能なシール148との間を延びていることが分かるであろう。さらに、図8及び図11を参照することによって理解されるであろうように、ウィッキング材料136は端部分136aを有し、端部分136aは、第2のキャビティ126bから中間シール150を通って中間区画152に延びることで、液体130を中間区画152から第2のキャビティ126bに吸い入れて吸収することができることが分かるであろう。
【0049】
なおも図7及び図11を参照すると、中間シール150は、スリーブ状の気体透過性かつ液体透過性のバリア128と協働して、ウィッキング材料136に引き寄せられた液体を第2のキャビティ126bに閉じ込めることで、液体が第1のキャビティ126aに入らないようにする。本開示に対して本質的ではないが、図7に示されるカテーテル122にもまた、「非接触」の気体透過性かつ液体透過性のスリーブ122aを設けることができ、このスリーブ122aを通って第1のキャビティ126a内に蒸気が入り、カテーテル122の親水性コーティングを水和するようにすることができるようになっている。「非接触」の気体透過性かつ液体透過性のスリーブ122aにより、エンドユーザは、カテーテル122の表面に触れることなくカテーテル122を操作することが可能となる。この特徴により、汚染の危険性が減り、カテーテル122がエンドユーザにとって扱い易いものとなる。「非接触」のスリーブは、ウイルスを含む微生物に対し完全なバリアとなることができるため、ユーザに有意な保護を提供する。この保護は、「非接触」のスリーブがモノリシックポリマーフィルムのような液体不透過性である材料から作製される場合にのみ可能である。
【0050】
スリーブ122aは好適には、カテーテル122のうち親水性コーティングされた部分全体を覆って、エンドユーザがカテーテルの、尿道への挿入が意図される部分と接触しないようにすることを可能にすることで、尿路感染症を防止又はその可能性を制限することができる。
【0051】
図7及び図11に示される実施形態とは対照的に、図11Aのウィッキング材料136’は、第2のキャビティ126b’内に漫然と位置することができる。しかしながら、図11Aの実施形態では、図7の150のような中間シールもあることが理解されるであろう。この場合、中間シール150は、ウィッキング材料136’及び気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’と直接協働して、ウィッキング材料136’に引き寄せられた液体を第2のキャビティ126’に閉じ込める。
【0052】
さらに具体的には、得られる製品は図7と類似しているが、スリーブ状の気体透過性かつ液体不透過性のバリア128がなく、中間パッケージのフィルム又は膜の気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’を用いて、カテーテル122’及びウィッキング材料136’を図11Aに示される第1のキャビティ126a’及び第2のキャビティ126b’に物理的に隔離するようになっている。図7及び図11Aを共に考慮すると、この隔離は、側部シール132a’,132b’と、132dのような端部シール及び150のような中間シールとを、矩形シート124a’、124b’及び気体透過性かつ液体不透過性のバリア128’と協働させて第1のキャビティ126a’及び126b’を形成することによって達成されることが理解されるであろう。さらに、ウィッキング材料136’は、中間シール150を越えて中間区画152に延びる端部136aを有し、この端部136aが液体130を吸い入れて吸収することも理解されるであろう。
【0053】
上記の実施形態の全てにおいて、カテーテル22,22’,122,122’及びウィッキング材料36,36’,136,136’はいずれも、実質的に細長い矩形状のカテーテルパッケージ24,24’,124,124’内に配置されている。また、カテーテル22,22’,122,122’と、ウィッキング材料36,36’,136,136’の少なくとも大部分とは、シール42aとシール42bとの間、又は中間シール150と端部シール32d又は132dとの間に配置されている。上記特徴は、図1、図3、図3A、図7、図11、図11Aを参照することによって理解され、また、それらの特徴が記載されるように位置する理由は、開示される方法の説明から理解されるであろう。
【0054】
方法を説明する前に、全ての実施形態では、それぞれのカテーテルパッケージ24,24’,124,124’はそれぞれ、カテーテルパッケージ24,24’,124,124’を形成するシート材料の内面に接着することができる引き裂きテープ56,56’,156,156’を有することにも留意されたい。引き裂きテープ56,56’,156,156’は、カテーテルパッケージ24,24’,124,124’の一方の側縁に沿って、シールされた第1のキャビティ26a,26a’,126a,126a’内に位置するように固着されている。さらに、それぞれのカテーテルパッケージ24,24’,124,124’はそれぞれ、58(図6)及び158(図10)のようなVノッチを有してもよく、Vノッチは、カテーテルパッケージを引き裂きテープ56,56’,156,156’に沿って引き裂くことによってカテーテルパッケージを開封し易くするように、端部シール54,154へ短く延びている。
【0055】
エンドユーザが引き裂きテープ56,56’,156,156’を用いることによってカテーテルパッケージを開封する際、引き裂きテープ56,56’,156,156’は、シールされた第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’を開封することなく、シールされた第1のキャビティ26a,26a’,126a,126a’内のカテーテル22,22’,122,122’にアクセスするように、カテーテルパッケージ24,24’,124,124’を引き裂きテープに沿って引き裂くことで、意図する開封ラインに沿ってカテーテルパッケージ24,24’,124,124’を開封させることが理解されるであろう。そのため、引き裂きテープ56,56’,156,156’は、シールされた第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’を開封することなく、使用のためにカテーテルパッケージからカテーテルを取り出し易くするようにして、意図する開封ラインに沿ってカテーテルパッケージ24,24’,124,124’を開封させるように、シールされた第1のキャビティ26a,26a’,126a,126a’内でカテーテル22,22’,122,122’に対して所望の方向に延びている。したがって、蒸気に相変化していない第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’内に依然として存在する残液は、第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’に安全に閉じ込められ、エンドユーザ側で漏れることはあり得ない。引き裂きテープ56,56’,156,156’は好適には、カテーテル22,22’,122,122’に実質的に平行であるようにしてカテーテルパッケージの一端からその他端に実質的に延びるように、シールされた第1のキャビティ26a,26a’,126a,126a’内のカテーテルパッケージ24,24’,124,124’の内面に接着剤により又は他の方法で固着することができる。
【0056】
エンドユーザがカテーテルパッケージ24,24’,124,124’を開封すると、製造時間に比して元の液体30,130よりも少ない液体が第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’内にあることになるが、この理由は、液体の一部が蒸気に相変化しているためである。しかしながら、残留している液体30,130について、この液体は、第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’内に安全に閉じ込められている。親水性コーティングの蒸気水和を利用することと、カテーテルパッケージ24,24’,124,124’からカテーテル22,22’,122,122’を取り出した後であってもシールされたままであるようにキャビティ内の液体30,130を隔離することとによって、漏れの可能性がなくなる。
【0057】
第2のキャビティ26b,26b’,126b,126b’から気体透過性かつ液体不透過性のバリア28,28’,128,128’を通って第1のキャビティ26,26a’,126a,126a’に入る蒸気は、第1のキャビティ内で或る程度の観察可能な凝縮を受ける可能性があるが、第1のキャビティ内に見ることができるかかる凝縮による液滴は、ほんの僅かな量の液体しか含んでおらず、この量は、カテーテル22,22’,122,122’の親水性コーティングの液体水和をもたらすのに必要とされる量よりもかなり少なく、また、漏れの危険性を生じさせる可能性がある量よりもかなり少ない。この凝縮の一部は、表面の存在及びパッケージ内に小さな空間があることにより、1より小さい(below unity)水分活性で生じる可能性があるが、熱力学的に運ばれて親水性コーティングに入る可能性はない。いかなる場合においても、凝縮により生成される少量の液滴では、コーティングを完全に水和することができず、従来の迅速な液体活性によって製品を使用準備済みにすることはできないであろう。
【0058】
気体透過性かつ液体不透過性のバリアの蒸気透過率の程度と、用いられている場合には「非接触」のカテーテルスリーブの蒸気透過率の程度とを選択することによって、親水性コーティングの水和を完了する時間を調整することができる。
【0059】
先にも述べたように、カテーテルの親水性コーティングを活性化する水和物質は、水蒸気(蒸気相の水)から成る。親水性コーティングを活性化するのに用いられる水蒸気は少なくとも一部が、以前に第2のキャビティ内に残留する液体の水であった水からのものである。したがって、カテーテルパッケージ内の液相に入れられている一部の量の水が蒸気に相変化し、したがって、蒸気が入るにつれて、気相から失われていた水蒸気に連続的に取って代わり、水和性コーティングを活性化する。
【0060】
架橋ポリビニルピロリドンを主成分とした親水性コーティングを、PVCチューブの表面に形成した。CaCO3充填ポリエチレンフィルム(品番728(RKW、ベルギー))を、カテーテルパッケージによって形成された内部空間を第1のキャビティ及び第2のキャビティに分離する気体透過性かつ液体不透過性のバリアとして用い、ディアフィールド製のPT9300という名称のポリウレタンフィルムを、コーティングされたチューブを囲む「非接触」のスリーブとして用いた。両側にプラスチックネットがラミネートされているエアレイド親水性ポリエステル布(4.5NPET−EE/EEという名称で、ドイツのミドルトンのデルスターテクノロジー社から入手可能)から作製されたウィッキング材料を第2のキャビティ内に配置し、コーティングを活性化するのに十分な蒸気相の水を提供するのに必要とされる液相の水よりも多い液相の水で湿潤させた。次いで、ウィッキング材料が間に配置された状態でポリエチレンフィルムをパッケージの壁にシールすることによって、第2のキャビティを形成した。第2のキャビティを形成した後、コーティングされたチューブを第2のキャビティの外側のフィルムに配置し、カテーテルパッケージを、第1のキャビティを形成するようにシールした。カテーテルパッケージをシールしてから96時間後、製品を放射線滅菌した。
【0061】
放射線滅菌後、且つカテーテルパッケージをシールしてから6週間室温で置いた後、コーティングされたチューブは滑らか(lubricious)になり、摩擦係数試験によって、コーティングされたチューブがその時点で非常に滑らかであり、使用準備済みであり、十分に機能的で水和されて滑らかなコーティングを有していることが示された。
【0062】
図12及び図12Aを参照すると、概括的に222で示されたカテーテルを含むカテーテル組立体220の別の代替的な実施形態が示されており、カテーテル222は、水和物質で処理されるとカテーテル222に低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを、カテーテル222の少なくとも一部に有している。カテーテル組立体220はカテーテルパッケージ224も含み、カテーテルパッケージ224は、気体透過性かつ液体不透過性のバリア228によって第1のキャビティ226a及び第2のキャビティ226bに分割される内部空間226を有するように気体不透過性材料から形成されている。第1のキャビティ226aは内部にカテーテル222を収容し、第2のキャビティ226bは液体で湿潤されたウィッキング材料236を収容している。液体は、カテーテル組立体220の製造時に、ウィッキング材料236上に直接配置される。ウィッキング材料236は第2のキャビティ226b内にあり、第2のキャビティ226b内で、液体の少なくとも一部が液体から蒸気への相変化を受けることができる。相変化後、相変化によって生じた蒸気が第2のキャビティ226bから気体透過性かつ液体不透過性のバリア228を通って第1のキャビティ226aに入り、親水性コーティングを水和してカテーテル222に低摩擦表面をもたらすことができる。
【0063】
中間パッケージのフィルム又は膜から成る気体透過性かつ液体不透過性のバリア228の液体不透過性の性質により、液体は第2のキャビティ226bに閉じ込められる。このフィルム又は膜は、液体が液体から蒸気への相変化を受けるまで親水性コーティングが水和されることができないように、内部空間226を第1のキャビティ226a及び第2のキャビティ226bの2つに物理的に分割している。しかしながら、液体が液体から蒸気に相変化した後、第2のキャビティ226b内の蒸気は次いで、第2のキャビティ226bから気体透過性かつ液体不透過性のバリア228を通って第1のキャビティ226aに入り、水和物質として働くことが可能である。特に、液体の相変化によって生じた蒸気は、第1のキャビティ226aに入り、親水性コーティングを水和してカテーテル222に低摩擦表面をもたらす。
【0064】
一つの代替形態として、図12、図12A及び図12Bにおいて中間パッケージのフィルム又は膜として示されている気体透過性かつ液体不透過性のバリア228は、代わりに第2のキャビティ226bを画定する完全に密封された容器になるように形成することができる。次いで、この容器を内部空間226内の所定位置に、漫然と又は固定して(tracked)配置することができる。さらに、この容器は、第2のキャビティ226内の所定量の液体で湿潤されたウィッキング材料236を有するか、又は代替的に、所定量の液体を単に、容器によって画定される第2のキャビティ226b内に漫然と入れることができる。
【0065】
好ましくは、この代替形態は、カテーテル222のうち親水性コーティングを有する少なくとも一部と実質的に同一の広がりとなる細長いチューブとして形成される容器を有し、それにより、所定量の液体の少なくとも一部は、蒸気に相変化し、この容器によって画定された第2のキャビティ226bから、カテーテル222を収容する第1のキャビティに入って、親水性コーティングを活性化することができる。
【0066】
図2A及び図3Aの実施形態と同様に、カテーテルパッケージ224は、液体で湿潤されたウィッキング材料236とカテーテル222とを包囲する単一の矩形の材料シートから形成されて、234におけるような単一の長手方向シール並びにその対向する両端部での端部シール232a及び232bによって接合された対向する両縁でそれらを封入するようになっていてもよい。したがって、図2A及び図3Aの実施形態と同じように、図12及び図12Aに示されるカテーテルパッケージ224もまた、同様に単一の材料シートから形成されるため、234におけるような単一の長手方向シールを有している。図12及び図12Aと共に上記説明からさらに理解されるように、カテーテルパッケージ224は、228a,228b(図12A及び図12Bを参照)におけるように単一の材料シートの内面にシールされた気体透過性かつ液体不透過性のバリア228を有し、カテーテルパッケージ224の対向する両端部のそれぞれに端部シール232a,232b(図12を参照)を有している。
【0067】
先のいくつかの実施形態に関して説明したように、図12、図12A及び図12Bでは、カテーテルパッケージ224は引き裂きテープ256を有し、引き裂きテープ256は、カテーテルパッケージ224を形成するように働くシート材料の内面に接着できることに留意されたい。引き裂きテープ256は、シールされた第1のキャビティ226a内のカテーテルパッケージ224の1つの側縁に沿って位置するように固着されている。さらに、カテーテルパッケージ224は、スリット258及び指入れ口259(図12)を有している。スリット258は、カテーテルパッケージ224を引き裂きテープ256に沿って引き裂くことによって開封し易くするように、端部シール232bを通って引き裂きテープ256付近の地点に延びてもよい。
【0068】
理解されるように、エンドユーザが引き裂きテープ256を用いることによってカテーテルパッケージ224を開封すると、カテーテル222が収容されているシールされた第1のキャビティ226bが開封されるため、カテーテル222へのアクセスが与えられる。さらに、カテーテルパッケージ224がこのようにして開封された後であっても、第2のキャビティ226bは完全にシールされたままである。したがって、カテーテルパッケージ224のシールされた第2のキャビティ226b内に蒸気に相変化せずに依然として存在している残液は、第2のキャビティ226bに安全に閉じ込められているため、エンドユーザ側に漏れる可能性はない。
【0069】
引き裂きテープ256は、カテーテルパッケージ224を引き裂きテープ256に沿って引き裂くことで、シールされた第2のキャビティ226bを開封することなく、シールされた第1のキャビティ226a内のカテーテル222にアクセスするように意図された開封ラインに沿って、カテーテルパッケージ224を開封することが理解されるであろう。したがって、引き裂きテープ256は、シールされた第2のキャビティ226bを開封することなく、使用のためにカテーテルパッケージ224からカテーテル222を取り出し易くするようにして、カテーテルパッケージ224を、意図された開封ラインに沿って開封するように、カテーテル222に対して所望の方向にシールされた第1のキャビティ226a内に延びている。引き裂きテープ256は好適には、カテーテル222に対して実質的に平行になるようにしてカテーテルパッケージ224の一端から他端に実質的に延びるように、シールされた第1のキャビティ226a内のカテーテルパッケージ224の内面に接着剤によるか又は他の方法で固着することができる。
【0070】
エンドユーザがカテーテルパッケージ224を開封すると、製造時間に比して元の液体よりも少ない液体が第2のキャビティ226b内にあることになるが、この理由は、液体の一部が蒸気に相変化するからである。しかしながら、残留している液体について、液体は第2のキャビティ226b内に安全に閉じ込められる。親水性コーティングの蒸気水和を利用することと、カテーテルパッケージからカテーテルを取り出した後であってもシールされたままであるキャビティ内で液体を隔離しておくこととによって、漏れの可能性がなくなる。
【0071】
第2のキャビティ226bから気体透過性かつ液体不透過性のバリア228を通って第1のキャビティ226aに入る蒸気は、第1のキャビティ内で或る程度の観察可能な凝縮を受ける可能性があるが、第1のキャビティ内に見ることができるかかる凝縮による液滴は、ほんの僅かな量の液体しか含んでおらず、この量は、カテーテル222の親水性コーティングの液体水和をもたらすのに必要とされる量よりもかなり少なく、また、漏れの危険性を生じさせる可能性がある量よりもかなり少ない。
【0072】
なおも図12及び図12Aを参照すると、気体透過性かつ液体不透過性のバリア228は、その対向する両端部がヒートシール232a及び232b内に捕捉されるように、カテーテルパッケージ224の全長にわたって延びていることが理解されるであろう。ヒートシール228a及び228bは、ヒートシール232a及び232bと協働して、気体透過性かつ液体不透過性のバリア228の外周全体のヒートシールを達成することで、液密の第2のキャビティ226bを形成する。パッケージ224はまた、235のようなヒートシールを有していてもよく、このヒートシールは、ヒートシール232aが形成されるようなときまで、組立体製造プロセスの間中、液体の逆流の可能性を防ぐように働く。
【0073】
図13を参照すると、カテーテルパッケージ324は図12、図12A及び図12Bにおけるカテーテルパッケージ224と構造上同一であることが分かるであろう。図12に示される実施形態及び図13に示される実施形態はそれぞれ、「非接触」スリーブ223,323を有し、このスリーブは、カテーテル222,322の挿入可能部分の実質的に全体を覆うように、親水性コーティングされたカテーテル222,322に沿って延びている。しかしながら、図13のカテーテルパッケージ324は、カテーテル322が一端に挿入端354を有すると共に、挿入端354に取り付けることのできる「非接触」スリーブ323も有するように示されている。「非接触」スリーブ223,323は、代替的に又は付加的に、カテーテル222,322の漏斗端(funnel end)に又は当該ファネル端付近に取り付けられてもよく、すなわち、図12及び図13に示されるように、カテーテル222,322の先半分に沿った地点に取り付けられてもよく(図示せず)、又は漏斗端238,338に直接取り付けてもよい。代替的に、「非接触」スリーブ223,323は、カテーテル222,322に取り付けられなくともよい。図13では、カテーテル322は、カテーテル322を用いるときに取り除かれる、挿入端354を覆う保護キャップ356も有している。
【0074】
図14及び図14Aを参照すると、カテーテルパッケージ424は、図12及び図12Aにおけるカテーテルパッケージ224並びに図13におけるパッケージ324とほぼ完全に構造上同一であることが分かるであろう。主要な相違点は、図14及び図14Aの実施形態は親水性コーティングされたカテーテル422と採尿袋組立体458とを収容しているカテーテルパッケージ424を有することである。カテーテルパッケージ424もやはり形状が実質的に矩形であるが、幅に対する長さの比は、カテーテルパッケージ224,324(これらのパッケージはカテーテル単独との使用に設計されている)の場合よりもかなり小さいであろう。
【0075】
換言すれば、カテーテルパッケージ424は、例えばポリエチレン又はPVC材料から作製され得る典型的なサイズ及び形状の458のような採尿袋組立体を収容するサイズ及び形状を有している。224及び324のような、長く細い形状の典型的なカテーテルのみのパッケージとは異なり、カテーテル422は、カテーテルパッケージ424内で実質的にU字形に折られていることで、採尿袋組立体458の形状により組立体に対して短いが幅の広いパッケージを必要とする。包装にとって重要ではないが、カテーテル422は、「非接触」スリーブ423と、挿入端454と、保護キャップ456とを有することが分かるであろう。
【0076】
上記の実施形態及び特徴の全てを考慮すると、それらの実施形態及び特徴は、正確なサイズ及び形状にかかわらず、また、カテーテルを単独で保持するように形成されているのか又は内部にカテーテルを組み込む採尿袋組立体を保持するように形成されているのかに拘わらず、カテーテル製品パッケージ全てに有用であることが理解されるであろう。したがって、図14及び図14Aから、ウィッキング材料436は、カテーテル422の親水性コーティングを活性化することが可能な蒸気に変わることのできる所定量の水として用いられる液体で湿潤され、気体透過性かつ液体不透過性のバリア428は、湿潤されたウィッキング材料436を覆うのに十分であるようにしてシート材料の内面に432a及び432bにおけるようにヒートシールされることも分かるであろう。このようにして、カテーテルパッケージ424によって形成されるシールされた内部空間426は、第1のキャビティ426a内に採尿袋組立体458及び親水性コーティングされたカテーテル422を有し、第2のキャビティ426b内にウィッキング材料436を湿潤させるのに用いる液体を有することで、親水性コーティングされたカテーテル422が液体と直接接触しないように維持される。
【0077】
本開示は、気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップを含む、即使用可能なカテーテル組立体を製造する方法にも関する。本方法は、カテーテルであって、親和性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルを第1のキャビティに配置するステップを含む。本方法は、第1のキャビティに対して液体隔離状態で液体をカテーテルパッケージに入れるステップと、第2のキャビティとの選択的な液体流通のために液体を閉じ込めるステップとをさらに含む。
【0078】
本方法は、i)液体を第2のキャビティと選択的に液体流通させることと、ii)液体の少なくとも一部が第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)蒸気の少なくとも一部が第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性のバリアを通って第1のキャビティに入ることと、iv)第1のキャビティ内の蒸気が親水性コーティングを水和してカテーテルに低摩擦表面をもたらすことでカテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、カテーテル組立体の流通又は少なくとも使用を遅らせるステップをさらに含む。
【0079】
さらに、本方法は、i)第2のキャビティと液体流通する破断可能な容器内に液体を提供するステップと、ii)破断可能な容器が破断した後に液体を吸収するために、第2のキャビティ内にウィッキング材料を提供するステップとを含んでもよい。さらに、本方法は、液体を放出させるために、カテーテルパッケージがシールされた後で破断可能な容器を破断するステップを含んでもよく、液体は、ウィッキング材料に引き寄せられて吸収されることができる。さらになお、本方法は、カテーテルパッケージがシールされた後であるが破断可能な容器が破断される前に、カテーテル及び液体を滅菌するステップを含んでもよい。
【0080】
上記に関連して、本方法は、ウィッキング材料に対して離間した関係且つカテーテルの一端に対して離間した関係で第2のキャビティ内に配置された自封型の(self-contained)破断可能な容器として、液体用の破断可能な容器を設けるステップも含んでもよい。代替的に、本方法は、ウィッキング材料に対して離間した関係で破断可能なシールを介して第2のキャビティと選択的に液体流通するように、カテーテルパッケージ内の破断可能な区画として、液体用の破断可能な容器を設けるステップを含んでもよい。
【0081】
上記に加え、本方法は、各種実施形態の構造及び構成部品を形成するステップと、これらの構造及び構成部品を上記に詳細に説明したように互いに対して配置するステップも含んでもよい。
【0082】
本方法は、液体を放出するために破断可能な容器を破断するステップを含んでもよく、液体は、ウィッキング材料によって引き寄せられて吸収されることができる。次に、本方法は、ウィッキング材料によって液体を吸収した後でカテーテルと破断可能な容器との間でカテーテルパッケージを分断するステップを含んでもよい。本方法は、その後、カテーテルパッケージ用の端部シールを形成するステップを含んでもよい。
【0083】
本方法は、液体を放出するために破断可能なシールを破断するステップを含んでもよく、液体は、ウィッキング材料に引き寄せられて吸収されることができる。上記に詳細に説明したいくつかの実施形態(例えば図7、図11及び図11A)に関して、破断可能なシールが破断すると液体が中間区画を通ってウィッキング材料に入ることが理解されるであろう。また、これらの実施形態では、本方法は、ウィッキング材料によって液体を吸収した後で中間シールに対して実質的に平行に、好ましくは中間シールに対して離間した関係で、中間区画内でパッケージを分断するステップを含んでもよい。さらに、本方法は、その後、カテーテルパッケージに対して端部シールを形成するステップを含んでもよい。
【0084】
図7〜図11及び図11Aに示される実施形態に対する本方法の上記説明に関して、本方法のステップは、図7及び図11の実施形態では、ウィッキング材料は、スリーブの形態のバリアによってカテーテルから分離されるが、図11Aの実施形態では、ウィッキング材料は、側部シールと、端部シールと、中間シールとによって捕捉される気体透過性かつ液体不透過性の中間パッケージのフィルム又は膜のシートの形態のバリアによってカテーテルから分離されることを除けば、それらのカテーテル組立体のいずれにも対して同一であることが理解されるであろう。
【0085】
上記に加え、本方法は、カテーテルパッケージを引き裂きテープに沿って引き裂くために、第1のキャビティに固着される引き裂きテープをカテーテルパッケージに設けるステップを含む、使用準備済みのカテーテル組立体を製造及び使用することも含んでもよい。本方法は、シールされた内部空間(第1のキャビティ及び第2のキャビティがシールされている)を形成するために、カテーテルパッケージをシールするステップを含んでもよい。カテーテルパッケージは、第1のキャビティ及び第2のキャビティが液体隔離した状態でシールされることができる。本方法は、第1のキャビティに対して液体隔離した状態で第2のキャビティ内にシールによる閉じ込めで液体を入れるステップも含んでもよい。さらに、第2のキャビティを開封することなく、第1のキャビティ内のカテーテルにアクセスするように、意図される開封ラインに沿って第1のキャビティを開封させるために、引き裂きテープを用いるステップを含んでもよい。
【0086】
さらに、使用準備済みのカテーテル組立体を製造及び使用する方法は、意図される開封ラインに沿ってカテーテルパッケージを開封させるように、カテーテルに対して所望の方向に第1のキャビティ内に延びる引き裂きテープを設けるステップも含んでもよい。これにより、第2のキャビティを開封することなく、使用のためにカテーテルパッケージからカテーテルが取り出し易くなる。最後に、使用準備済みのカテーテル組立体を製造及び使用する方法は、カテーテルに対して実質的に平行にカテーテルパッケージの一端から他端に延びるように、引き裂きテープを第1のキャビティ内のカテーテルパッケージの内面に固着することを含んでもよい。
【0087】
上記に好適な開示の詳細な説明を記載しているが、添付の特許請求の範囲に記載の本開示の真の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に示されている詳細を変更できることが当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の開示に従って構成された、蒸気水和されるカテーテル組立体(カテーテルパッケージを含む)の概略平面図である。
【図2】図1の線2−2に実質的に沿った、図1のカテーテル組立体の概略断面図である。
【図2A】図2と同様の概略断面図であるが、カテーテルパッケージの一つの代替形態を示す図である。
【図3】図1の線3−3に実質的に沿った、図1のカテーテル組立体の概略断面図である。
【図3A】図3と同様の概略断面図であるが、カテーテルパッケージの一つの代替形態を示す図である。
【図4】本明細書に開示される方法の一つのステップを示す、図1のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図5】本明細書に開示される方法の別のステップを示す、図1のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図6】本明細書に開示される方法の別のステップを示す、図1のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図7】蒸気水和されるカテーテル組立体の代替的な一つの実施形態の概略平面図である。
【図8】本明細書に開示される方法の一つのステップを示す、図7のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図9】本明細書に開示される方法の別のステップを示す、図7のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図10】本明細書に開示される方法の別のステップを示す、図7のカテーテル組立体の概略平面図である。
【図11】図7の線11−11に実質的に沿った、図7のカテーテル組立体の概略断面図である。
【図11A】図11と同様の概略断面図であるが、カテーテルパッケージ内の液体バリアの一つの代替形態を示す図である。
【図12】蒸気水和されるカテーテル組立体の別の代替的な実施形態の概略平面図である。
【図12A】図12の線12A−12Aに実質的に沿った、図12のカテーテル組立体の概略断面図である。
【図12B】ヒートシール及び引き裂きテープの位置決めを示す、図12に点線円で示す図12の一部の拡大概略詳細図である。
【図13】蒸気水和されるカテーテル組立体のさらに別の代替的な実施形態の概略的な平面図である。
【図14】蒸気水和されるカテーテル組立体のさらに別の代替的な実施形態の概略平面図である。
【図14A】図14の線14A−14Aに実質的に沿った、図14のカテーテル組立体の概略断面図である。
【符号の説明】
【0089】
20,20’,120,220 カテーテル組立体、22,22’、122,122’,222,322,422 カテーテル、24,24’,124,224,324,424 カテーテルパッケージ、24a,24b,124a,124b 矩形シート(対面するシート)、24a’,24b’ 対向する両縁、26,26’,126,126’,226,426 内部空間、26a,26a’,126a,126a’,226a,426a 第1のキャビティ、26b,26b’,126b,126b’,226b,426b 第2のキャビティ、28,128,128’,228,428 バリア、30,30’,130 液体、32c,32d,132c,132d,232a,232b 端部シール、34’ 長手方向シール、36,36’,136,236,436 ウィッキング材料、36a,136a (ウィッキング材料の)端部、40 (破断可能な)容器、42a,42b (内向きに延びる)シール、44 通路(液体用の通路)、56,56’,156,156’,256 引き裂きテープ、122a スリーブ、146 (破断可能な)区画、148 (破断可能な)シール、150 中間シール、152 中間区画、238,338 漏斗端、354,454 挿入端。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、活性物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図されるコーティングを前記カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を形成するカテーテルパッケージと
を備え、
前記第1のキャビティは、前記カテーテルのうち前記コーティングを有する少なくとも一部を収容し、前記第2のキャビティは、少なくとも所定量の液体を収容し、前記第2のキャビティ内の前記液体は、該液体の少なくとも一部が前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化することができるようになっており、該蒸気は、前記コーティング用の前記活性物質として働くことで前記カテーテルに前記低摩擦表面をもたらすカテーテル組立体。
【請求項2】
前記内部空間を形成する前記カテーテルパッケージは、2つの対面するシートから成る気体不透過性材料から作製され、前記2つのシート間に前記カテーテル及び前記液体を有すると共に前記シートの実質的に外周全体に延びるシールによって接合される、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記内部空間を形成する前記カテーテルパッケージは、対向する両縁によって前記カテーテル及び前記液体を封入する単一のシートから成る気体不透過性材料から作製され、前記両縁は、長手方向シールによって接合されると共に前記両縁の対向する両端部のそれぞれに端部シールを有する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記液体で湿潤されるウィッキング材料を前記第2のキャビティ内に有し、前記ウィッキング材料が湿潤された後に前記液体の少なくとも一部が蒸気に相変化することができる、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記液体用の破断可能な容器と液体流通するウィッキング材料を第2のキャビティ内に有し、前記容器が破断したときに前記液体を吸収する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記容器は、前記第2のキャビティ内の前記ウィッキング材料と液体流通するように、前記カテーテルパッケージ内の自封型の破断可能な容器である、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
前記容器は、前記第2のキャビティ内の前記ウィッキング材料と液体流通するように、破断可能なシールを有すると共に前記カテーテルパッケージ内の破断可能な区画である、請求項5に記載のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記カテーテルパッケージは、該カテーテルパッケージの前記第2のキャビティと液体流通する前記液体用の破断可能な容器を有し、
前記カテーテルパッケージはまた、
前記第1のキャビティ内の前記カテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように前記第2のキャビティ内に配置されると共に前記容器に近接して位置する端部を有するウィッキング材料と、
前記液体用の通路を形成して前記ウィッキング材料の前記端部に通じるように前記カテーテルと前記容器との間に前記カテーテルパッケージの各側から内向きに延びるシールと
を有する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記カテーテルパッケージは、前記第2のキャビティと液体流通する前記液体用の破断可能な区画を有し、
前記カテーテルパッケージはまた、
前記第1のキャビティ内の前記カテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように前記第2のキャビティ内に配置されると共に前記区画に近接して位置する端部を有するウィッキング材料と、
前記区画に関連する破断可能なシールと、
該シールに対して離間した関係で前記ウィッキング材料を横断して延びて中間区画を形成する中間シールと
を有する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
前記カテーテルのうち前記コーティングを有する前記一部を少なくとも実質的に覆うスリーブを有する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
前記スリーブは、前記カテーテルに動作可能に連結される挿入端に取り付けられる、請求項10に記載のカテーテル組立体。
【請求項12】
前記スリーブは、実質的に前記カテーテルの漏斗端又は該漏斗端付近に取り付けられる、請求項10又は11に記載のカテーテル組立体。
【請求項13】
カテーテルであって、水和物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するように気体不透過性材料から形成されるカテーテルパッケージと
を備え、
前記第1のキャビティは、前記カテーテルを収容し、前記第2のキャビティは、ウィッキング材料及び所定量の液体を収容し、前記ウィッキング材料は、前記液体用の破断可能な容器と液体流通するように前記第2のキャビティ内に配置されて、前記容器が破断したときに前記液体を吸収し、前記ウィッキング材料によって吸収された前記液体は、前記第2のキャビティから前記気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化することが可能であり、前記第1のキャビティに入る前記蒸気は、前記親水性コーティングの処理用の前記水和物質として働いて前記カテーテルに前記低摩擦表面をもたらすカテーテル組立体。
【請求項14】
前記ウィッキング材料は、前記カテーテルと実質的に同一の広がりで前記第2のキャビティ内に配置され、前記カテーテルパッケージは、前記液体用の通路を形成して前記ウィッキング材料の前記端部に通じるように、前記カテーテルと前記容器との間に前記カテーテルパッケージの各側から内向きに延びるシールを有する、請求項13に記載のカテーテル組立体。
【請求項15】
前記カテーテルパッケージは、実質的に細長い矩形状であるように形成され、前記カテーテル及び前記ウィッキング材料の少なくとも大部分は、前記内向きに延びるシールと前記容器に対向して位置する前記カテーテルパッケージの端部との間に少なくとも実質的に延びるように配置される、請求項14に記載のカテーテル組立体。
【請求項16】
カテーテルであって、水和物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するように気体不透過性材料から形成されるカテーテルパッケージと
を備え、
前記第1のキャビティは、前記カテーテルを収容し、前記第2のキャビティは、ウィッキング材料及び所定量の液体を収容し、前記ウィッキング材料は、前記液体用の破断可能な区画と液体流通するように前記第2のキャビティ内に配置されて、破断可能なシールが破断したときに前記液体を吸収し、前記ウィッキング材料によって吸収された前記液体は、前記第2のキャビティから前記気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化することが可能であり、前記第1のキャビティに入る前記蒸気は、前記親水性コーティングの処理用の前記水和物質として働いて前記カテーテルに前記低摩擦表面をもたらすカテーテル組立体。
【請求項17】
前記ウィッキング材料は、前記カテーテルと実質的に同一の広がりで延びるように前記第2のキャビティ内に配置され、前記シールは、前記区画の境界を画定し、前記カテーテルパッケージは、前記シールに対して離間した関係で配置される中間シールを有して、前記ウィッキング材料を横断して延びる前記中間シールにより中間区画を画定する、請求項16に記載のカテーテル組立体。
【請求項18】
前記カテーテルパッケージは、一方では前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとの間に中間区画を有すると共に他方では前記区画を有するように形成され、前記中間区画は、前記シールが破断した後に前記区画から液体を受容する空間を画定するように、前記ウィッキング材料と前記区画との間に延びる、請求項16に記載のカテーテル組立体。
【請求項19】
前記ウィッキング材料は、前記液体を前記中間区画から前記第2のキャビティへ吸い入れるように、前記第2のキャビティから前記中間シールを介して前記中間区画に延びる端部分を有する、請求項17に記載のカテーテル組立体。
【請求項20】
カテーテルであって、水和物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを前記カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって、シールされた第1のキャビティ及びシールされた第2のキャビティに分割されるシールされた内部空間を形成するシールされたカテーテルパッケージと
を備え、
前記シールされた第1のキャビティは、前記カテーテルを収容し、前記シールされた第2のキャビティは、少なくとも所定量の液体を収容し、該液体は、前記シールされた第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記シールされた第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化することが可能であり、該蒸気は、前記親水性コーティング用の前記水和物質として働くことで前記カテーテルに前記低摩擦表面をもたらし、
前記カテーテルパッケージは引き裂きテープを有し、該引き裂きテープは、前記シールされた第2のキャビティを開封することなく前記シールされた第1のキャビティ内の前記カテーテルにアクセスするように、前記カテーテルパッケージの前記シールされた第1のキャビティに固着されて該カテーテルパッケージを該引き裂きテープに沿って引き裂くことで、意図する開封ラインに沿って該カテーテルパッケージを開封させるカテーテル組立体。
【請求項21】
前記引き裂きテープは、前記シールされた第2のキャビティを開封することなく、使用のために前記シールされた第1のキャビティから前記カテーテルを取り出し易くするようにして、前記意図する開封ラインに沿って前記パッケージを開封させるように、前記シールされた第1のキャビティ内で前記カテーテルに対して所望の方向に延びる、請求項20に記載のカテーテル組立品。
【請求項22】
前記引き裂きテープは、前記シールされた第1のキャビティ内の前記カテーテルパッケージの内面に接着されると共に、前記シールされた第1のキャビティ内の前記カテーテルに対して実質的に平行な関係で前記カテーテルパッケージの一端から他端に実質的に延びる、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項23】
カテーテルであって、水和物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを前記カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を形成するカテーテルパッケージと
を備え、
前記第1のキャビティは、前記カテーテルのうち前記コーティングを有する少なくとも一部を収容し、前記第2のキャビティは、少なくとも所定量の液体を収容し、前記第2のキャビティ内の前記液体の少なくとも一部は、前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることが可能な蒸気に相変化するようになっており、該蒸気は、前記親水性コーティング用の前記水和物質として働くことで前記カテーテルに前記低摩擦表面をもたらすカテーテル組立体。
【請求項24】
使用準備済みのカテーテル組立体を製造する方法であって、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップと、
カテーテルであって、親水性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有する該カテーテルを前記カテーテルパッケージ内に配置すると共に、前記第1のキャビティに対して隔離状態にあると共に前記第2のキャビティ内に閉じ込められるようになっている所定量の液体を前記カテーテルパッケージ内に入れるステップと、
前記カテーテルのうち前記コーティングを有する少なくとも一部が前記第1のキャビティ内にあると共に前記液体が前記第2のキャビティ内にある状態で前記カテーテルパッケージをシールするステップと、
i)前記液体が前記第2のキャビティ内に閉じ込められるように入れられることと、ii)前記液体の少なくとも一部が前記第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)前記蒸気の少なくとも一部が前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることと、iv)前記第1のキャビティ内の前記蒸気が前記親水性コーティングを水和して前記カテーテルに低摩擦表面をもたらすことで前記カテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、前記カテーテル組立体の使用を遅らせるステップと
を含む方法。
【請求項25】
前記内部空間を形成する前記カテーテルパッケージは、2つの対面する材料シートから形成され、該材料シートは、それらの間に前記カテーテル及び前記液体を有し、前記内部空間は、前記2つの対面する材料シートの実質的に外周全体を接合するシールによって画定される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記内部空間を形成する前記カテーテルパッケージは、内部に前記カテーテル及び前記液体を封入する単一の材料シートから成る気体不透過性材料から形成され、前記内部空間は、単一の長手方向シールと、前記単一の材料シートに対向する両端部のそれぞれにおける端部シールとによって画定される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のキャビティと液体流通する破断可能な容器内に前記液体を提供するステップと、
前記第2のキャビティ内にウィッキング材料を提供するステップと、
前記液体を放出して前記ウィッキング材料によって吸収するために、前記カテーテルパッケージをシールした後に前記破断可能な容器を破断するステップと
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記カテーテルパッケージがシールされた後であるが前記容器が破断する前に、前記カテーテル及び前記液体を滅菌するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のキャビティと液体流通する破断可能な区画内に液体を提供するステップと、
前記第2のキャビティ内にウィッキング材料を提供するステップと、
前記液体を放出して前記ウィッキング材料によって吸収するために、前記カテーテルパッケージをシールした後に前記区画を破断するステップと
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のキャビティ内の前記カテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように、前記ウィッキング材料を、該ウィッキング材料の端部が前記容器に近接して位置した状態で前記第2のキャビティ内に配置するステップと、
前記液体が前記ウィッキング材料の前記端部に通じる通路を形成するように前記カテーテルと前記容器との間に前記カテーテルパッケージの各側から内向きに延びるシールを設けるステップと
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のキャビティ内の前記カテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように前記第2のキャビティ内に前記ウィッキング材料を配置するステップと、
前記第2のキャビティ内の前記ウィッキング材料と液体流通するように、前記カテーテルパッケージ内の前記液体を、破断可能なシールを有する破断可能な区画内に提供するステップと、
前記区画から前記液体を放出して前記ウィッキング材料によって吸収するために、前記破断可能なシールを破断するステップと
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記ウィッキング材料は、前記破断可能なシールが破断した後に、前記区画と液体流通するように前記第2のキャビティ内に配置され、前記ウィッキング材料は、前記区画に近接して位置する端部を有すると共に、中間区画を形成するように前記ウィッキング材料を横断して延びるように、前記カテーテルパッケージを横断して実質的に前記破断可能なシールと前記カテーテルとの間に中間シールを形成する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
使用準備済みのカテーテル組立体を製造する方法であって、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップと、
カテーテルであって、親水性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、ウィッキング材料と、所定量の液体とを前記カテーテルパッケージ内に配置するステップと、
前記液体が前記ウィッキング材料によって吸収されることを可能にするように、前記カテーテルのうち前記親水性コーティングを有する少なくとも一部が前記第1のキャビティ内にあり、前記ウィッキング材料が前記第2のキャビティ内にあり、前記液体が前記カテーテルパッケージ内にある状態で前記カテーテルパッケージをシールするステップと、
i)前記液体が前記ウィッキング材料によって吸収されことと、ii)前記液体の少なくとも一部が前記第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)前記蒸気の少なくとも一部が前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることと、iv)前記第1のキャビティ内の前記蒸気が前記親水性コーティングを水和して前記カテーテルに低摩擦表面をもたらすことで前記カテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、前記カテーテル組立体の流通を遅らせるステップと、
を含む方法。
【請求項34】
前記カテーテルパッケージがシールされた後であるが前記液体の相変化によって生成した任意の蒸気が前記カテーテルの前記親水性コーティングを実質的に水和することができるようになる前に、前記カテーテル及び前記液体を滅菌するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記液体は、前記カテーテルパッケージ内の破断可能な容器内に収容され、前記ウィッキング材料によって前記液体を吸収して蒸気への相変化に用いることを可能にするために、前記カテーテルパッケージは、該カテーテルパッケージをシールした後で破ることができる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ウィッキング材料が前記第2のキャビティ内に配置された後、前記ウィッキング材料は前記液体で湿潤される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のキャビティ内の前記カテーテルと実質的に同一の広がりで長手方向に延びるように、前記ウィッキング材料を、該ウィッキング材料の端部が前記容器に近接して位置した状態で、前記第2のキャビティ内に配置するステップと、
前記液体が前記ウィッキング材料の前記端部に通じる通路を形成するように、前記カテーテルと前記容器との間に前記カテーテルパッケージの各側から内向きに延びるシールを設けるステップと
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
実質的に細長い矩形状を有するように前記カテーテルパッケージを形成するステップと、
前記ウィッキング材料の少なくとも大部分を、前記シールと、前記容器に対向する前記パッケージの前記端部との間に配置するステップと、
前記ウィッキング材料によって前記液体を吸収した後で、前記カテーテルと前記容器との間で前記カテーテルパッケージを分断するステップと、
前記カテーテルパッケージに対して端部シールを形成するステップと
をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
使用準備済みのカテーテル組立体を製造する方法であって、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップと、
カテーテルであって、親水性コーティングを該カテーテルの長さの少なくとも一部に有するカテーテルと、ウィッキング材料と、前記第2のキャビティと液体流通するように破断可能なシールによって前記カテーテルパッケージ内に形成される破断可能な区画内に配置された所定量の液体とを、前記カテーテルパッケージ内に配置するステップと、
前記カテーテルのうち前記コーティングを有する少なくとも一部が前記第1のキャビティ内にあり、前記ウィッキング材料が前記第2のキャビティ内にあり、前記液体が前記区画内にある状態で、前記カテーテルパッケージをシールするステップと、
前記液体を放出して前記ウィッキング材料によって吸収するために、前記カテーテルパッケージをシールした後で前記シールを破断するステップと、
i)前記液体が前記ウィッキング材料によって吸収されることと、ii)前記液体の少なくとも一部が前記第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)前記蒸気の少なくとも一部が前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることと、iv)前記第1のキャビティ内の前記蒸気が前記親水性コーティングを水和して前記カテーテルに低摩擦表面をもたらすことで前記カテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、前記カテーテル組立体の流通を遅らせるステップと、
を含む方法。
【請求項40】
前記カテーテルパッケージがシールされた後であるが前記シールが破断される前に、前記カテーテル及び前記液体を滅菌するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
実質的に細長い矩形状を有するように前記カテーテルパッケージを形成すると共に前記ウィッキング材料の少なくとも大部分を前記第2のキャビティ内に配置するステップと、
前記シールに対して離間した関係で前記ウィッキング材料の端部を横断して延びて中間区画を形成するように、中間シールを形成するステップと
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
一方では前記第1のキャビティと前記第2のキャビティとの間に中間区画を有するように、他方では前記区画を有するように、前記カテーテルパッケージを形成するステップを含み、
前記シールが破断した後に前記液体を受容するように、前記中間区画は、前記ウィッキング材料と前記シールとの間を延びる、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記ウィッキング材料の端部は、前記液体を前記第2のキャビティ内に吸い入れるように、前記中間シールを通って前記中間区画へ延び、
前記方法は、
前記液体が前記第2のキャビティ内に吸い入れられた後に前記中間区画を通って前記カテーテルパッケージを分断するステップと、
前記カテーテルパッケージに対して端部シールを形成するステップと
を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
使用準備済みのカテーテル組立体を製造及び使用する方法であって、
気体透過性かつ液体不透過性のバリアによって第1のキャビティ及び第2のキャビティに分割される内部空間を有するカテーテルパッケージを準備するステップと、
カテーテルであって、水和物質で処理されると該カテーテルに低摩擦表面をもたらすように意図される親水性コーティングを該カテーテルの少なくとも一部に有するカテーテルを準備するステップと、
前記カテーテルのうち前記親水性コーティングを有する少なくとも一部を前記第1のキャビティに配置するステップと、
前記第2のキャビティ内に閉じ込めるように、所定量の液体を前記カテーテルパッケージ内に配置するステップと、
前記第1のキャビティに固着される引き裂きテープを前記カテーテルパッケージに設けるステップと、
前記内部空間を形成するために、前記カテーテルパッケージをシールするステップと、
i)前記液体が前記第2のキャビティ内にシールされて閉じ込められるように入れられることと、ii)前記液体の少なくとも一部が前記第2のキャビティ内で蒸気に相変化することと、iii)該蒸気の少なくとも一部が前記第2のキャビティから気体透過性かつ液体不透過性の前記バリアを通って前記第1のキャビティに入ることと、iv)前記第1のキャビティ内の前記蒸気が前記親水性コーティングを水和して前記カテーテルに低摩擦表面をもたらすことで前記カテーテル組立体が使用準備済みとなることとに十分な時間、前記カテーテル組立体の流通を遅らせるステップと、
その後、前記第2のキャビティを開封することなく前記第1のキャビティ内の前記カテーテルにアクセスするように、意図する開封ラインに沿って前記カテーテルパッケージの前記第1のキャビティを開封させるために、前記引き裂きテープを用いるステップと
を含む方法。
【請求項45】
前記引き裂きテープは、前記第2のキャビティを開封することなく前記第1のキャビティから前記カテーテルを取り出すように、前記意図する開封ラインに沿って前記カテーテルパッケージを開封させるために、前記第1のキャビティ内で前記カテーテルに対して所望の方向に延びる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記引き裂きテープは、前記第1のキャビティ内の前記カテーテルパッケージの内面に接着され、前記カテーテルに対して実質的に平行に前記カテーテルパッケージの一端から他端に実質的に延びる、請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図14A】
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【公開番号】特開2009−125583(P2009−125583A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286243(P2008−286243)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(591000414)ホリスター・インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
【Fターム(参考)】